【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第19話前回の話から1ヶ月半が経った頃、公孫瓚は1万1千を率いて出陣した。北平の更に北にある万里の長城。高順達は、後に世界遺産となるはずの場所にいる。もっともこの時代は高順の知る長城よりは更に北に位置していた。現代の人々が知る万里の長城は、この時代ではもっと北に位置していたのだ。「しかし・・・万里の長城というからさぞ壮大な物を想像していたんだが・・・実際はわりとしょぼいな。」高順は城壁で北・・・烏丸族に動きが無いかどうか注意を払いつつこんな感想を漏らした。それを隣で聞いた星もさもありなんと頷く。「そうですな。私も最初見たときは驚いたものです。場所によってはあっさりと登れそうな場所もありますし。」星は周りを見渡しながら言った。実際、その辺りに生えている木に登れば、城壁の高さにまで上がっていける。「よくもまあ、こんなんで防衛線張ってたもんだよ。しかもすっげぇ距離だし。1箇所を集中的に攻撃されたらすぐに破られるぞ?」「実際、破られておりますからな。我々がここにいるのはあくまで小休止というだけのこと。」「もう少ししたら出撃って事か。」「左様。烏丸の集落はここより北に位置しておりますゆえ。」「成る程ね。・・・ったく、憂鬱になる。」はぁ、とため息をつく高順に星は首を傾げる。「憂鬱?戦いが怖いとか?」「そりゃ普通に怖いさ。兵士を率いる立場って言うのも原因だし。」「ふふ、高順殿らしい言葉ですな。人の命は重い、と言う事ですかな?」「当たり前だよ。殺しに行くんだから殺されることも覚悟しないといけないしね。死にたくないけどさ。」「ははは、その通りですな。」「俺が憂鬱って言うのはさ・・・ほら、あそこの方。」高順は城壁の下側を指差す。「あそこの・・・ああ、王門達ですな。」星も納得したように笑う。「あれ?星殿はあいつら呼び捨てですか?俺とか公孫瓚殿には「殿」とかつけるのに。」「ええ、その辺りは曖昧ですが。友人と認めているものは真名で呼び捨てに致しますな。」「じゃあ凪とかも?」「無論。」この1ヶ月で3人娘と星は真名を教えあっていたらしい。いつの間にかお互いを真名で呼んでいたが、高順は最初違和感を感じず、途中で「あれ?」と気づいたのだった。「俺は?」「友人ですが真名を教えて頂いてないですからな。蹋頓殿と沙摩柯殿もそうですし。」「あの二人は真名が無いだけじゃないかな?俺もそうだし。実際には真名を使用できるような生まれじゃないんだよね。」真名、というのは基本的に生まれがそこそこ良い人間、つまり上流階級に許されるものだ。自称の場合もあるが、趙雲は恐らく自称だろう。蹋頓と沙摩柯も、真名のことは知っているだろうが異民族にはそういう風習が無いのかもしれない。「まあ、それは良いとして。王門らが何か?」「なんかね、目の敵にされてるみたいで。」「ほう?」「最初のほうで蹋頓さんと沙摩柯さんを、けなしたでしょ?あれで凪達が随分頭に来てるみたいでさ。」「そういえば、そんな事がありましたな。」「俺も頭にきてるけどね。あの3人が怒ってくれたおかげで逆に冷静になれたというか・・・。それからかな。」「まったく、あの方は。前から陰湿だとは思っておりましたが。」「俺に対して文句を言うだけなら許せるんだけどね。凪とかにもネチネチと嫌味を言ってるらしい。」「はぁ・・・。公孫瓚殿も悩んでおられる様子でしたからな。」「雇い主を困らせる訳にも行かないしなぁ。困った問題ですよ。」「全く。・・・む、そろそろ出撃時間ですな。」「お、もうですか。それじゃ行きますか。」「承知。」2人は階段を下りて集合場所へと向かっていった。~~~集合場所にて~~~高順と趙雲が降りた頃には既に互いの部隊は出撃準備を終えていた。2人の姿を認めた楽進や沙摩柯が近づいてくる。「隊長、準備を完了しました。いつでも出撃できます!」「そっか、ご苦労様。沙摩柯さんも。」「ああ、かまわないさ。他の皆も張り切ってるし、兵士もやる気に溢れている。上手く育てることができたようで安心だな。」楽進が高順の事を「隊長」と呼んだが、これは少し前からの事だ。李典や于禁は「高順さん」とか「高順兄さん」とか、その時々によってばらばらだが、普段はそう呼んで来る。楽進は「高順殿」と呼んでいたが部隊を預かる人なのだから、と考えて「隊長」と呼ぶ事にしたらしい。今までどおりで良いよ、と言ったのだが「それでは他に示しがつきません!」と言い張り、結局高順が折れる形になった。ところで、趙雲と高順の部隊だがよりによって王門隊へ編入されていた。公孫瓚の率いる兵は1万1千。本隊は公孫瓚の白馬義従4000。その内に公孫範。右翼に田楷率いる3000。その内に厳網、鄒丹。そして左翼に王門3000。その内に単経。そして趙雲、高順。残りの1000は輜重だが、有事の際には公孫瓚本隊に属して戦う。歩兵・弓兵・騎兵はバランスよく揃っているが、白馬義従は騎射ができるものを集めて組織されているので弓の攻撃力は高い。そうなると歩兵が一番少ない計算になるが、そう問題はないだろう。問題は敵の数が3万程であるという事と、自分達の主将が王門であるということだ。公孫瓚は出陣する前に「敵は数が多いが、烏合の衆だ。戦を始めた頃は強いが、柱となる武将が少ないから時間と共に弱っていく。持久力が無いんだ。」という事を話していた。最初はもっといたのだが戦い続け、そして劉虞の懐柔によってなんとかここまで数を減らしたのだと言う。つまり、持久戦に持ち込めば勝機が見えるといいたいのだろう。だが・・・そうなると一番の問題は王門だ。何せ高順の部隊と相性が悪い。高順のことを「ただの傭兵」と見なしているし(事実だが)3人娘の事を「役に立たない小娘共」と呼ぶ。沙摩柯らのことを「薄汚い蛮族」とも言っている。公孫瓚に「あんな奴が隊長では兵も役に立たないのがわかり切っている」と何度も言っていたと聞いている。自分のことだけを言うなら我慢もしよう。だが、部下まで巻き込むのは止めてほしいものだ、と考えている。普段は温厚な高順だが、そろそろ限界が近かった。趙雲もそれを察しているらしく、何度か「あまり短気を起こさぬように。」と言われていたが。公孫瓚もそれを問題視しているらしい。それなら指揮下につけてくれるな、と言いたいが「高順たちが手柄を立てれば良い。そうしたら王門も文句を言えなくなるさ。」と考えてこのような布陣にしたらしい。「さて、高順殿。そろそろ進軍時間ですな。」「む、もうそんな時間か。嫌だなぁ。」「隊長、またそのような。・・・私も嫌ですが。」「はは、皆思うところは同じさ。行こう。」沙摩柯の言葉に皆が頷き、自身の馬に騎乗。率いる部隊へと向かっていった。~~~一刻後~~~進軍を続ける公孫瓚部隊の元に、放っていた偵察部隊から連絡が来た。「この先約5里先に烏丸・張挙連合の姿を確認。総数3万ほど。」まず、その報告が公孫瓚の元へ行きそれから各武将の元へと伝わっていく。「3万、か。約3倍ですね。」楽進が傍らにいる高順達に話しかける。「3倍ね・・・。このだだっ広い平野でぶつかるんだよな。公孫瓚殿はよほど自信があるらしいね。「蹋頓はんが呼びかけるとかでけへんの?」「できなくはないでしょうが、彼らは強硬派と目されている立場ですからね。正直効果は薄いでしょう。私が蹋頓と気づくかどうかも解りませんからね。余裕があればやってみますけど。」「ま、どちらにせよ警戒しておくに越した事はないでしょうね。公孫瓚殿も当然そう考えてるでしょう。」そうですね、と蹋頓も同意する。「烏丸に警戒するのは良い事だが。」沙摩柯が後ろから話しかけてくる。「我々にはもっと警戒しなければならない相手がいるぞ。」「へえ?沙摩柯はんが警戒って。どんな奴なん?」いつもは寡黙であまり喋るのを好んでいないようなイメージをもたれる沙摩柯だが、実際は割りと話し好きで沙和や真桜の冗談で笑っていたりする事もある。「ん、我々のすぐ後ろにいる。」「沙和達のすぐ後ろ・・・ああ、王なんとか!」「そう、王なんとかだ。足を引っ張られないように気をつけろよ?奴の練兵を見てみたが兵はともかく本人は酷い出来だ。あんな男に無能と言われる奴の顔が見たいものだ。」やれやれ、と大げさなジェスチャーをする。「・・・言われた我々の立場がありません。」「ああ、そうだな。だから見せてやろうじゃないか。無能と言われた我々の戦いをな。」沙摩柯の言葉に全員が頷いた。「あのー・・・。」そこに、弱弱しい声が横槍を入れる「ん、どうしたん?田豫。」「何で、味噌職人の自分が従軍してるんすか・・・?」「そら、高順兄さんの命令やもん。」泣きそうな顔で質問をしてくる田豫の姿があった。実は、彼女を連れて行こうと考えたのは高順だ。史実の田豫の功績を知っていたからというのもあるが、彼女に料理をしてもらいたいという考えもあった。何せ自分達のいる場所は長城を更に北に超えた場所だ。寒くて仕方が無い。じゃあチャイナドレスの上に鉄、或いは皮の鎧を重ね着している蹋頓や沙摩柯はどうなるんだ?と言われそうだが、彼女らは寒さにある程度慣れているらしい。だが、普通の兵士達はそうも行かないだろう。そこで「味噌汁使えないかな?」と考えたのだ。軍用食の味が薄い・・・塩の値段が高いから仕方が無い事ではあるが、塩気が少ないのだ。それを考えると味噌は塩分もあるし、野菜と一緒に炊けばそれだけで強力なおかずとなり、身体も温まる。つまり、田豫は従軍料理人ということになる。当然、戦の空気に慣れてもらって、いつか武将として働いてもらおうとも考えている。史実の事を考えれば軍師、あるいは内政官としても有能そうだ。「うう・・・ひどいっすよ、高順様・・・。」「あー、悪いと思ってるよ。でも、そんだけ田豫さんに期待してるからでもあるので。」「・・・高順様にそう言われたら張り切らないわけにはいかないっす!」・・・割と根は単純らしい。「で、自分はその王何とかって人知らないんすけど・・・そんなに駄目なんすか?」『うん。』「・・・全員で即答っすか。」高順隊全員が知っている事なのだが、王門という武将は「なんでこんなのが一介の将軍なんだ?」と思うほどに惰弱な武将だった。あまりに高順隊をけなすので、「ならばお手合わせをしていただきましょうか。王門殿は相当な武の持ち主とお見受けしますゆえ。」と高順は一度挑戦しようとしている。その時王門は「貴様ごとき小僧に本気を出すまでも無いが、今日は日柄が悪い!」とか言って逃げたのである。その日はまさに雲1つ無い透き通るような青空だったのだが。その後も何度も「今日は如何です?」と言ってみたが・・・同じような事を言って逃げるばかり。しまいには「持病の癪が・・・」とか言い出したのである。それが全くの本気で。これを聞いた高順隊の皆は確信したのである。「はっきりと解った。王門、こいつは・・・駄目な奴だ!」と。随分抽象的な表現だが、これが一番しっくり来る。本当になんでこんな奴が将軍なのだろう?高順は王門という武将の事を知識として理解していたから「ああ、やっぱりな。」程度の認識だったが、公孫瓚は一体何を思って・・・。もしかしたら、本当に人手不足なのかもしれない。閑話休題。~~~公孫瓚・本陣~~~駄目な奴はさて置いて、公孫瓚の軍勢は更に進軍を続ける。その眼前に少しずつだが、烏丸らしき部隊が見えるようになってきた。向こうもこちらの姿を確認したらしく、慌しく陣形を整えている。公孫範は「どうなさいます?」と本隊先頭を進んでいる公孫瓚に声をかける。「決まってるだろう、全軍突撃用意だ。関靖!」「ははっ!」「各部隊に伝令を出せ。まず我々が敵陣に突撃を仕掛ける。左翼・右翼の前衛部隊も前に。中衛・後衛部隊は左右に大きく迂回し、敵の横腹を突かせる!」「承知いたしました!」関靖と呼ばれた男・・・公孫瓚の軍師の1人である。知略に富んだ人材が少ない公孫瓚陣営にとっては無くてはならない人物だ。その関靖が伝令を呼び、今の命令を一言一句間違うことなく伝え、伝令を各陣に走らせる。それを見届けた公孫瓚は烏丸の陣を睨み付ける。「今度こそ・・・決着をつけてやるぞ。楼班、張挙。」~~~高順・趙雲部隊~~~「さて、高順殿。聞きましたかな?」趙雲は隣に布陣している高順隊まで来て話をしていた。「ああ、聞きました。前衛部隊突撃だとか。」「うむ、公孫瓚殿の白馬義従の突撃に合わせて攻撃を開始。一応打ち合わせをするべきと思いましてな。」「前衛・・・ま、どうしても我々に回ってくる役目ですね。」「無論。それゆえ功績を立てることが出来ましょう。後ろに控えてるアレの鼻を明かす良い機会ですな。」「はは、確かに。せいぜい足を引っ張られないように気をつけるべきですけどね。」「ふ、言えておりますな。・・・それでは私はここで。ご武運を。」趙雲は拱手をして自軍のほうへと戻っていった。それを見送った高順は凪に命令を下す。「凪、聞いてたね?悪いが兵士を集めてくれ。」「はい。」数分とせず、兵士達が高順の前に集まり整列をする。兵士達の前列には3人娘、沙摩柯、蹋頓がいる。「全員、集まったな。・・・。皆、聞いてくれ。これより我が隊は烏丸・張挙連合に攻撃を仕掛ける。」兵達はざわめくこともせず、直立不動の姿勢を維持したまま高順の話を聞く。この1月半で、彼らは最初の頼りなさが嘘のように成長していた。皆、蹋頓や3人娘のスパルタ訓練に音を上げることもせず、必死になって与えられた課題をこなしていた。結果、突出した部分がなくても・・・ある程度はどんな状況にも対応できるようになっていた。こんなに短い時間でこれだけの結果を出せたのは教官がよかったという事もあるだろうが、兵1人1人の頑張りがあったからでもある。良い兵士たちだ、自分も見習うべきだな。高順はそう思っていた。「作戦を説明します。まず、公孫瓚殿率いる白馬義従前衛3000が攻撃を仕掛けます。それと同時に右翼・左翼の前衛部隊も出撃。我々も前衛に位置するので出撃する事になりますね。ここまでで質問は?」凪が挙手する。「楽進、どうぞ。」「はい、左翼の前衛は我々と趙雲殿の部隊。合わせて700ほどです。残りの中衛・後衛2300はどう動くのです?」「我々が敵前衛を攻撃し、こう着状態に陥ったところで迂回。横っ腹を突きます。このような何も無い平野でぶつかる以上、兵数の差がそのまま勝敗に繋がると思いますが・・・白馬義従は烏丸に恐れられている存在です。」「では、数の差はなんとかなる、という事ですね?」「ええ。おそらくは。我々にとって大切なのはこう着状態を作る事です。烏丸兵は持久力が無いと聞いていますから、こう着状態が長引けば次第に弱ってくるでしょう。そこを突くと言うことらしいです。」「解りました。」「他に何か?」「・・・。」高順はしばらく待ったが誰も何も言わない。「・・・宜しい。それでは」言葉を続けようとした高順だったが、そこに銅鑼の鳴る音が響く。出陣の合図だ。本陣の白馬義従が列を成し、その先頭に公孫瓚が進んでいく。まず、白馬義従1000ずつが陣を作り、3部隊に分かれた。更にその両翼に右翼。左翼の前衛部隊がつき、計5つの陣が出来る。そして、その後ろに各陣中衛・後衛部隊が布陣する。少し違うかもしれないが、鋒矢の陣を作ったのだ。突破を狙っている、と見せかけるのだ。その後少しずつ下がり、烏丸の陣形が崩れた頃に後方で温存していた部隊を回り込ませる。最初こそこちらが苦しいだろうが、耐えきれば勝機が見えるだろう。「高順隊、騎乗!」高順の掛け声に兵士が従い、自身の馬に跨る。彼自身も虹黒に跨り、戦場を見わたす。目の前を趙雲の部隊が進んでいく。それに従い、高順隊も陣形を維持したまま進んでいく。戦を前に気分が昂ぶる。それと同時に憂鬱な気分も高順は覚えていた。今までは自身の命だけを考えれば良かったが、ここからは兵士の、部下の命を背負う事になる。その重さにも慣れなくてはいけないのだろう。「隊長、我等の布陣も完了致しました!」「ああ。」楽進の声に頷く。それと同時に公孫瓚の声が聞こえてきた。「攻撃開始」というシンプルな命令だ。その声に従って、彼女自慢の白馬義従が雄叫びを上げて一散に突撃を開始。他の部隊も続いていく。高順から見ても、威勢よく進んでいくと思えた。何故か地味な印象を受ける公孫瓚だが、軍勢をきっちりと鍛えているのがよく解ったし、先頭で剣を振るう姿も様になっている。負けてはいられない。「これより我が隊も攻撃を開始するが、その前に皆に命令を下す。生き残れ、それだけだ。・・・突撃だ!他の部隊に遅れをとるな!」「うおおおおおおおっ!」高順の声に兵が応え、各々の武器を構える。勝つ為に。そして生き残るために。高順隊は趙雲隊と共に楼班・張挙軍の前衛部隊へと突撃を開始した。~~~楽屋裏~~~書き忘れましたが閻柔は北平で臧覇たちと遊んでます、あいつです。(何挨拶戦の前の前哨とか、書くのが難しいです。普通に全部似たような構成になりますからねぇ。いや、何でも書くのは難しいですけど。・・・こうして見てみると基本的に高順くんは運が良いです。どの戦いも本人の能力よりも運で勝ち残る形ですし・・・後半になれば少しはチートっぽくなると思うのですが・・・まだ黄巾すら終わっちゃいない。高順くんの明日はどっちだ(笑今回はギャグ要素全くありませんでしたね。辛いです(ぇそれと、この頃更新速度が微妙に遅くなっています。でも仕方がありません。ヴェスペリ○が面白いのが悪いのです(??さて、ネタな上話が凄まじく短いですが、ギャグを突っ込んで見ました。【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 蝶☆番外編。無理やり打ち切ってみたら多分こうなる編。最終話~絶望を胸に。~陳留政庁にて、高順の最後の戦いが始まろうとしていた。っていうか始まっていた。「チクショオオオオ!喰らえ夏侯惇!俺の新必殺滅陣営!」高順の戟の一撃(というよりただの突き)が夏侯惇を捉えようとする。その一撃を見て夏侯惇は嘲る様に言った。「さあ来い高順!私は虹黒に蹴られただけで死ぬぞオオ!」つん。高順は遠慮がちに戟の先っちょ(布で巻いてある)を夏侯惇の胸に押し当てた。「グアアアア!こ、この猪武者の名を欲しいままにする夏侯惇がこんなヘタレに!?しかも今どこ触った!」「うっさい!ただのお芝居とはいえ変な事言うな!台本通りにやれないのかあんた!?」「あ、すまん。いや、そうじゃなくて・・・えっと。」「?」「(小声で)なぁ高順、次の台詞なんだっけ?」「(小声で)ば、馬鹿なあああっ!て叫ぶんです!」「(小声で)あ、そうだった。・・・・・・バ・・・バカなあアアアアアア!グアアア!」夏侯惇の断末魔が響く。その声が聞こえたのか、次の部屋で高順を待ち構えている3人がため息をついた。「ああ、姉者がやられたか。・・・多分、台詞忘れて高順に迷惑かけてるんだろうな。いつもの事だがな。」「あの・・・夏侯淵殿?」「うむ、どうした、郭嘉?」「私と程昱、この話ではまだ曹操殿の下で働いててもお目通りは適ってないのですが・・・。」「ああ、気にするな。作者が適当に考えた話で適当に役に当てはめただけのものだしな。細かいことを考えたら負けだ。」「しかし。」「それに見てみろ、程昱のあの落ち着きようを。」「ぐぅ。」「あれを泰然自若、というのだ。お前も見習ったほうがいいぞ?」「・・・あれは、単純に寝てるだけです。」そこへ、高順が扉を破り、戟を構えたまま突進してきた。「くらえええ!」「ああ、やっと出番か。それでは。」『グアアアアアアア!』(2人棒読み、1人鼻血)4人を刺し貫いた高順はハァ、とため息をついた。「やった・・・ついに四天王(?)を倒したぞ!これで曹操のいる部屋への扉が開かれる!」その声が届いたのか届いてないのか。それは知らないがどこかから声が響いてきた。「よく来たわね、陥陣営。いえ、高順。待っていたわ・・・。」「こ、ここが曹操のいる部屋へ続く扉だったのか・・・!感じる、曹操の覇気を・・・。」「なんでこんな事をしなければいけないのか甚だ疑問だけどね・・・。」「・・・それ言っちゃ駄目です。」「まあ良いわ。それよりも・・・戦う前に1つ言っておく事があるわ。あなたは私を倒すのに頑張って武将を集めてるみたいだけど・・・別にそんなの無くても倒せるわ。・・・って、あなた、武将集めてるの?」「一応。本当に一応。じゃ無くて・・・な、なんだってー!(棒読み)」「それと・・・ぇえと、何だったっけ。・・・ああ、そして呂布は食費が異様にかかるから故郷へ放してきたわ。後は私を倒すだけね。クックック。・・・こんな悪役みたいな笑い方しないわよ、私。」自分の台詞に突っ込みを入れる曹操に高順も言い返す。「フ・・・上等だ。俺も1つ言っておく事がある。色々な女性とのフラグが立ってるような気はしたがそんな事はなかったし、高順キモスとか言われたから確認してみたら本当にその通りすぎて作者も地味に凹んだぜ!後々どうしようとか悶えてるし!!自虐ネタゴメンナサイとか、キモイとか言われた俺の立場とか!!!orz」「・・・なんだかよくわからない言葉が混じってるし、始める前から本人が立ち直れないような状況に陥ってる気がするのだけど・・・そう。」高順が(涙目で)三刃戟を構えなおす。己の勇気が世界・・・いや、己の死亡フラグを叩き折る事を信じて。「ウオオオッ、行くぞオオオオ!」「さあ、来なさい高順!」ご愛読ありがとうございました。あいつ先生の次回作にご期待ください!嘘ですけど。~~~もう1度楽屋裏~~~もしこんなシナリオで終わらせたらブーイングどころじゃすまないですね、宇喜田さんとかボンバーマンとか毛利の爺さんに何されるかわからないあいつです。なんでこんなことしたのかと言いますと。「この作品で打ち切りとかやめてくださいっす!」というお言葉がこちらの予想より多かったので、ギャグでこんなことをしでかしてみました。むしろ、「早く終わっちゃえよYOU」と言われると思ってたのに(汗そしてもう1つの理由は名前が化けて読めない、とか名前の字が難しくて読めない、というご意見が少々ありまして、その補完のためでもあります。まさか名前紹介だけで更新する訳には行きませんからね。そう思って書き上げましたが書いた後に気がつく。「第1話というか注意書きのとこに追記すれば良かったんじゃね?」うああああああああorzさて、今思い出せた人物のみですが名前紹介を致します。順不同ですがご勘弁を。丘力居(キュウリキキョ)蹋頓(トウトン)公孫瓚(コウソンサン)劉虞(リュウグ)沙摩柯(シャマカ)臧覇(ゾウハ)楽進(ガクシン)李典(リテン)于禁(ウキン)趙雲(チョウウン)閻柔(エンジュウ)田豫(デンヨ)夏侯惇(カコウトン)夏侯淵(カコウエン)郭嘉(カクカ) シナリオ中ではギシサイですが。程昱(テイイク)高順(コウジュン)丁原(テイゲン)呂布(リョフ)陳宮(チンキュウ)張遼(チョウリョウ)朱厳(シュゲン)こんな所でしょうか?表記されて無い人物は大抵読めるだろう、と考えて抜いていますがもし抜けてたらお教えください。しかし、1時間かけて何を書いているのやら。まだ次の話も書いていないというのに。でもヴェスペr(拉致それではまた次回お会いしましょう。ノシ