【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第129話劉備死す。その報に、驚く者も居れば驚きもしなかった者も居る。高順はどちらかと言えば後者な訳だが、内心では「むしろ面倒くさい事が多くなった」という印象が大きかった。これで孫家が劉備の建てた漢に、どんな対応をするか解らなくなった、と。曹操との決戦に意識を向けているから後回しされるだろうとは思う。ともかくも、漢中への道中で劉備の死を知り、どうなるかと思い、しかし無事に厳顔らと漢中入りを果たした高順隊である。(随分としょっぱい死に方をしたもんだな。劉備殿も)漢中へ入り、漢軍の主だった将は全員政庁へと向かい、高順は良く言えば自由行動、悪く言えば放置されている。民の落ち込みぶりも見て「こりゃ夷陵の戦い以上だな」とか思っている。史実に於ける夷陵の戦い…それ以前にも劉備は随分やらかしていたもんだが、アレのやらかしっぷりは半端ではなかった。そのせいで10万近い兵と有能な部下を地獄の道連れにして、諸葛亮ら生き残った群臣の胃の痛みをマッハレベルで加速させ、「すまん後は頼んだ」と亡くなった。この世界での劉備はそれ以上の損害を出した。兵数はともかく有能な部下を史実・演義以上に道連れにしたという点では本当にどうしようもない。敵でも味方でもない筈の西方異民族に横から殴られたのだし私怨で戦った訳ではない、という点は見逃せないにしても、だ。しかも張飛まで死んだのだ。武の要の一つまで消えて本当にどうなるのだろう。「しかし、これからどうなる事やら。後継者問題、戦力の建て直し、今はまず間違いなく魏と交戦している西方異民族への対処。」「問題は山積みなんだよなー、俺らが関与できるもんじゃねーけど」「せやね。うちらが出来ることなんて『援軍お願いー』って成都に泣きつくくらいやん」「隊長、その辺りは」「ん? ああ、こっちに向かっている最中に成都の居残り組と孫権殿に援軍願い出しておいたよ。他にも手の回る所全部に」「そうですか…この戦、どうなるのでしょうね」「もう、曹操対孫策どこじゃないんだよな。下手したら異民族対曹・孫…漢? の大規模戦闘だ」漢の事は俺にはあまり関係無いけどねー、と漢中を散策していた高順達。しかし、関係無いと言いつつも自分の手の届く範囲で手は打っていた。そして、手を打っていたのは高順だけではない。麗羽もまた同様に手を打っていた。大規模戦闘を予見しているのは高順だけ、という筈が無い。そんなものは誰にでも解っている話だ。なので、麗羽は審配に「今供出できる物資と人員を回せ」と書状を送っている。戦いになれば物資が要る。金だけではない、食料、木材、鉄、塩、布、水…それらは絶対に必要になるか、或いは不足する。麗羽は高順やその周り、そして各陣営の首脳陣が思う以上の戦いが起きるのでは? と思っている。確証は無く、あくまで勘でしかない。しかし、その勧が当たれば利益は莫大になるし外れたとしても持って来た物資は役に立つ。と言っても、麗羽はそれが不足している陣営には「高順と自分の連名で」無償供与するつもりだ。(人というものは、本当に困った時に助けられた時にこそ感謝するもの。それは自分自身で体験していますものね)華佗に助けられた時は本当に有難く思った。高順が孫家への貸しをふいにしてでも自分の命乞い、立場の保障を確保してくれた時もそうだった。だから、今度は自分の番なのだ。勿論大きな貸しを方々に作れるという打算もあるが、それは自分にも高順にも利益がある。機会を逃すわけには行きませんものねぇ、と麗羽は高順たちの一歩後ろを歩きながら、先の事を考えていたのだった。一方、政庁では「誰を後継者にするのか」で揉めていた馬良にはまだ発言権は殆ど無いし、その点で言えば黄権辺りはマシだったが…(この際馬謖は無視された。劉備どころか上層部は殆ど死亡、荊・益州派閥がバランス良く(?)消えた為に誰を立てるべきかで揉めていた。普通は関羽一択だが、後継者で揉めている人々にはある不安がある。諸葛亮らが関羽を優遇に見せかけた冷遇をしていた為に恨まれているのでは? という考えがあり、益州派閥は自分達の発言力の強化も考えているため「ああでも無いこうでも無い」と足の引っ張り合いにまで発展している。それに、その関羽と関わりのある人々が消えてしまった所為でどうやって連絡をしたものか、という事もある。いきなり「劉備が死んだので後継者になってください(知らない人からの書状)」で、信じてくれるのか? と。それが話題になった時、厳顔は待ってましたとばかりに「その件なら心配は無用じゃ」と言い切った。「ちょっとした縁があってのぅ。関羽はこちらに向かってくるじゃろう。兵も率いてくるとも聞いた。失った戦力丸々と言わんでもそれなりには持ち直すぞ」「更に、成都の孫権殿。関羽殿と同じく荊南に居られる馬騰殿もここに向かっているとの事。総勢で10万近くの兵がここ漢中に集う手筈になっています」黄忠の追加発言に、周りがさらにざわめく。どんな縁があってだの、どうやって援軍を呼び寄せただの。「喧しいのぉ。そんな事でウダウダ抜かす暇があったら自分の仕事をやらんかい! 最低限関羽を迎えるくらい自力でやらんと本当に後が無いぞ」厳顔に怒鳴られた所為ではないが、確かに関羽を迎える準備をしなくていはいけない。それによって益州・荊州派閥のどちらかに重点が置かれるか、と言うことにも繋がって来るかもしれない。やる事は多々あるが、とりあえずの方針は決定したようで文武官がわらわらと動き出して行く。彼らの動きを見て「何でワシが纏めねばならんのやら。紫苑、お主がやってくれ」と文句を垂れる厳顔。「こういった事は迫力を持つ桔梗のほうが向いているでしょう?」「然り」「…うぬぅ。」黄忠の言葉に頷く黄権、呻く厳顔。「しかし高順。あいつがここまで影響ある男とは思っていなかったな」成都に居る孫権に影響があるのは良い。あれは孫家の将だ。しかし、馬騰、関羽。南方異民族にも影響力がある。なのに漢中へ向かう中で「いやー俺なんか大した事無いですよー。周りの力借りないと何も出来ない無能ですからねー」と、のほほんと。「虹黒居てくれないと歩兵その1みたいなもんでしょ、あっはっは!」と笑う高順に「一体どういう男なのだ、コイツは」と呆れたものだ。借りばかり増えたが、ともかく関羽を迎えればちょっとは立て直せるだろう。「問題は、焔耶かのう。あやつ「桃香様が~…」とヘロヘロになっておったし。何とか立ち直らせんと」「ああ。それなら高順が何とかしたぞ」「…は? また高順?」「うむ。あいつは目の前で主君を失った事があったそうでな。「それに比べりゃあんたマシだよ? このまま落ち込んでたら俺と同じただの負け犬だよ? それで良いの?」と喝をだな」丁原・公孫賛・張燕・董卓・呂布・孫策と主を変え続けている高順である。丁原を死なせた呂布に仕えた自分を負け犬と見なし、俺みたいになるな。という事なのだろう。おかしな励まし方もあるものだ。「それで少しはマシになったのか?」「ああ。仇となった西方異民族ぶっ潰すーとかは言っていたな。」「そうか。そう気負いすぎて足を滑らせぬように見ておかねばなぁ」それから起こった事と言えば…まず関羽が到着。華雄もこれに同行しているが徐栄は留守番である。総数は1万ほどで、少なくはない。ゴタゴタもあったらしいが関羽は「王や皇帝になるつもりはない」と、漢寿亭公は名乗ってもそれ以上を自称しないとも断言したようだ。昇進、というか人事も荊州以前と益州からの臣もバランスよく配置して、そこらは両側に配慮したとも言える。その上、戦力も兵力も大きな穴が開いた為、呂布を武将として使う事も決定された。一人で軍相手に戦えるが問題は食料で、普段の生活でも消費が大きいのに戦闘をさせると消費が大きくなる娘だ。それが理由で反対意見も出たが関羽は「あいつは一人で数万の軍勢に匹敵する。数万を養うことに比べればまだ安い」と押し切っての採用である。その後に馬騰、最後に高順の後詰(田豫率いる数千)と孫権率いる軍勢が到着。総数で10万近い軍勢が漢中へ集結、長安に向かうこととなるが…まだ、この時点で彼らは「夏候淵が篭る長安を攻めているであろう西羌・氐」をどうにか出来れば何とかなると考えていた。そう、それ以上の物は無い、と。だが、現実は違っていた。曹操と孫策の会戦時期を狙い定めたかのように、并州の匈奴族、呼廚泉(こちゅうせん)が。そして長城の北からは鮮卑族の軻比能(かひのう)が。烏丸族を除く北方・西方異民族の殆どが漢土への侵攻を開始していたとは思ってもいなかった。~~~楽屋裏~~~とっくの昔に明けてました申し訳ありません(五体投地)あいつです(挨拶いや、頑張ってはいたんですよ。でも筋違い起こして微妙に右手に力が入らなくなったりセインツロウ4が面白かったりBASARA4が微妙に感じたり三国志パズル対戦とフルボッコヒーローズ以下省略。~~~ちょろっと横道番外編~~~関羽が漢中へ到着した時、当たり前であるが華雄もそれに同行している。その関羽が漢中入りを果たし、それを喚声と共に出迎える群集に高順らも紛れ込んでいた。整然と並び入城してくる関羽軍を見守っていると。華雄はそれに気付いたのか、高順達に向かって少しだけ笑いグッと片腕を突き出した。彼女なりの挨拶のつもりなのだろう。高順達も笑って拳を突き出したり、胸に手を当てたり、思い思いの返事をしている。移動していく彼女を見送り「姐さんも忙しくなるやろなぁ」と李典。「まあな。関羽をこうして歓迎する態度を見せるという事は、劉備の後継者としてって意味だし」「それに同行、関羽殿の片腕として働いている姐さんも重視…ですね」「ちゃんと将軍位も授かるでしょうな」「漢の将軍なのに蜀漢の将軍位ってのもおかしな話じゃねーかなあ」「それなら関羽もだろ。あいつは漢から公を賜っているが蜀漢の事実上の大将軍だよ」「面倒臭い話ですわねぇ」~~~時間経過~~~高順隊の主な面々は漢中政庁でブラブラしていた。基本的に暇なので自主的に街の見回りくらいはやっているが、あまり出しゃばると正規の警備隊の邪魔にもなる。援将なので、大事な場所にも出入りしないが政庁出入り口やラウンジ辺りで寛ぐ程度は容認されている。彼らの用事は、と言うと。「よお」「お久しぶり、というほどには時間は経っていませんか。元気そうで何よりです」「おー姐さんや!」「姐さん来たぞー」「姐さん、お変わり無いようで」「姐さんちぃっす」「お前ら、もう少し敬意を持てと」「あらあら」「…なあ、そろそろ別の呼び方用意してくれないか?」華雄待ちである。「で、義姉さんも将軍位を授かったんでしょ?」「不要だと言ったんだがな。愛紗の奴が「それでは示しがつかないから」と無理やり押し付けられた。面倒事が増えたよ」「大将軍に叙されたのが黄忠殿でしたな。姐さんは征北将軍ですか。」素晴らしい待遇ですなあ、と趙雲。「だからって酒は奢ってやらんぞ?」「誰もそのような事は申しておりませぬぞ?」「前に奢らせただろうが。私は忘れてないぞっ」「…奢らせたんですか?」「……(プピー(口笛」奢らせたんだな、とその場にいた誰もが納得した。もっとも、ここにいる面々全員が趙雲に酒を奢った事があるので驚くような事は無いかもしれないが。近況報告を簡単に済ませ、談笑でも…と思ったところで、兵士が華雄を呼びに来た。関羽からの使いで、戦略やらなにやらの話し合いを、という事だ。「くそぅ、もうか。休憩のきの字も無いな」「無理やり抜け出してきたんですか?」「まさか。きっちり時間を貰ったさ。急いでここまで来てすぐに叙勲やら何やらやって…もうこれだぞ?」時間が無いのは分かるけどなー、と華雄は溜息を一つ。「さて、行くとするか。じゃあ、またな」と華雄は行ってしまった。「忙しいことで」「だな。俺達も孫軍来たらあんな感じになるのだろうけどな。って、おや?」華雄が行った後、そこにふらりと黄権がやって来た。「よーう。どした、顔色悪いし、フラフラしてないか?」「あ、ああ。休む暇が無くてな。叙任されて…昇格したがそのせいでな。と、挨拶が遅れた」黄権の挨拶に、高順対の面々も挨拶を返す。「ところで…先ほど、華雄殿が居られた様だが」「ああ、居たな」「……ここだけの話だが」「ん?」「関羽殿の入城でも拝見したが、美しい…。可憐な人だな。そう思わないか」顔を赤くして言う黄権。冗談でもなく本気で言っている。『ブフォゥッ(×6』「何だ!? おかしな事を言ったか!!?」「か、可憐!? いや綺麗だとは思うが可憐か!? 華雄義姉さんを可憐と評したのお前が初めてだぞ!」「は? 姉さん? お前の姉、なのか」「あ、ああ? 言ってなかったな。まあ、義理だけど。劉・関・張みたいなもんd「高順!(ガシっと肩を掴み」ふぉう何っ!?」「今日から私の事を義兄(あに)と呼んでくれ!!!」「いきなり何を言うかお前!?」黄公衡。謀略でも何でも無く、ガチの一目惚れであった。なお、この時高順は「義姉さんに化粧をしてもらうか? もっと綺麗になるかもしれない」と思い立ち、華雄の説得をしたりするが、それはまた別のお話。~~~ちょろっと横道番外編その2~~~馬超、馬岱、馬騰。彼女達は関羽到着より僅かに遅れて漢中へと入った。劉備陣営に対しては良い印象を持っていない馬家の面々であるが、関羽に対してはそれなりに良い印象を持っていて、特に事を荒立てるような真似はしない。関羽の公の名乗りなども「正当に賜わったものなら構わない」といったスタンスらしい。関羽に対しての挨拶もそこそこにして、これから起こる戦の準備に余念が無い。まあ、実際には兵の訓練や他軍との連携などは馬騰が管理していて、それに比べれば馬超達は僅かに暇なのだが。これは、そんな馬超らと高順の成都で散歩をしていた時の一コマ…「なあ、馬騰殿って西涼方面漢民族、西羌問わずに随分な人気者なんだよね?」「母様か?」「そうだよ?」「西羌の血を半分引いているって事は知っているけど、他にも理由はあるの?」ちょっとした思い付き、あるいは疑問と言い換えても知れないが、そんな疑問を持った高順の言葉に、馬超と馬岱は「うーん」と唸った。「何か不味いことでも?」「うー…何と言うか。これって母様の恥部って言うか、人に知られたくないと思うんだ」「だよねぇ…おば様、真っ赤になって半泣きになっちゃうかも」「そこまで言われると逆に気になって仕方ないんだが」ちょっと迷った末、馬超は「…私達に教わった、って言わないでくれよ?」と言う。「うんうん。」「実はね…おば様、ずっと前に西涼で大暴れしたの」「えっと。漢王朝相手にした、だよね。それは知っているけど」「漢王朝だけじゃなくて、西涼にいる異民族相手にも暴れまわってたんだよね。味方にしたり色々と」「うん。韓遂おば様に聞いたけど凄かったらしい。」「ある時ね。もう亡くなった人ばかりだけど関中十軍閥と呼ばれた人々と共闘してて」「ほう。聞いた事がある呼び名だな。」「その人達が、最初は漢王朝から派遣されてきた軍と戦闘して有利だったんだけど、ある軍が投入されてきてからは逆に苦戦するようになっちゃった」「ある軍?」馬岱の言葉に、高順は「思い当たる人いないかなあ…誰だっけ」と、続きを促す。「今、高順が仕えている女の母親、だよ」「……っておい、孫(堅)文台!!?」「そう、それ。率いていたのは張温、孫堅はその参軍扱いだけど、実際には孫堅が指揮をして戦っていたんだと。で、韓遂おば様達はそこから西、天水とかその近辺に居た。そこまでが前提で」「そっから先に馬騰殿が恥かしがる何かがあるのか?」「ん。仲間が苦戦した、救援要請が来た。高順ならどうする?」「そりゃ部隊を用意して東に向かうけど。」「だよねー? でも、おば様は一人で行っちゃった」「は? 一人って…え、嘘」「ところがどっこい嘘じゃないらしいよ? で、おば様が向かったのは何処でしょう?」「何処って…普通に東だろ? 東から救援してくれって早馬なり何なりが届いたんじゃないの???」「正解は西でーっす。」「…」「…」「…」馬超と馬岱と高順の沈黙。「…え? 何? 何で西なの? 冗談でしょ?」「本当に西らしい」「らしい、って言うのは韓遂おば様がそう言ってただけ、なんだよね。私達の目で見てないから…」「でも、迷当大王(西羌族の王の一人)もそう言ってるし母様も「それは聞かないで」って恥かしがるしで、本当なんだと思う」「どんな状況なのさ」「んっと、解りやすく言うと」・救援要請が来て居てもたっても居られなくなった馬騰が一人で出撃した。・韓遂「義姉上ぇ!? 待って止まっておい誰か止めろまた迷うぞ! って義姉上一人で行っちゃらめぇぇぇっ!!!??」・馬騰、東に行ったつもりが何をどう間違えたのか西に爆走。・持ち前の迷いっ子(?)スキルを発動、途中にある街や村を完全スルーのみならず旅人などにも会えず。・案の定道に迷って乗馬と一緒にションボリーヌしていたら、迷当大王の軍勢と徹里吉(迷当と同様、西羌族の王の一人)の軍勢が闘っているところに遭遇。・「そうだ、あの人たちに聞けば良いのです」とまさかのポジティブシンキング発動。・が、迷当側の大苦戦を見て若さゆえの無茶も発揮、助太刀しますとばかりに徹里吉軍に特攻。・リアル三国無双開始。その上迷当よりも強い徹里吉相手に一騎打ち。互角の戦いを演じ、撤退させる。・その際、徹里吉に認められその後も「馬騰と雌雄を決する」と幾度も挑まれる羽目に。尚、現状では勝負が付いていないとか。・徹里吉を追い払った後、迷当側から感謝され賓客扱い。迷当大王が馬騰を崇拝するレベルに。・「どこに向かえば長安でしょう?」「もっと東ですが…こちらは反対方向です」「…道案内、お願いしても宜しいですか?」・若干泣きそうな馬騰を見て、迷当陣営ほっこりする。・迷当、道案内という名目で部将の餓何(がか)、焼戈(しょうか)の二人に二千ほどの軍勢を任せ馬騰に同道させる。・馬騰、その二千と共に長安方面へ進発。到着後、孫堅軍と交戦。・当時、漢軍最強と言われた孫堅とも互角に戦い漢王朝側が恐怖する。「うわぁ…」「本当、おかしいよな母様。韓遂おば様が言うには「時々あの人は不運に見舞われつつそれ以上の幸運を発揮する」とか」「そのおかげで、漢王朝側がおば様と和睦して征西将軍を授かった、って話なんだけどね」その際に、まだ少女である自分達相手に謙る漢王朝側の態度に韓遂が本気で失望。一部とは言え西羌から崇拝される馬騰を名実共に西方の独立王に仕立てようと動き出すが、それは割愛。「ん? 待てよ。じゃあ、孫策殿が馬騰殿を重んじているのは」「もしかしたら、母親に聞いていたかもしれないな。下手したら従軍してたのかも」「あり得るな。赤子の自分を戦場に連れて行った、とか聞いたし」しかし、あの馬騰殿がそこまで壊滅的な方向音痴だったとは。「ま、母様は時々領内でも城内でも迷子になるからなあ」「朝目覚めたらお姉様とかわたしの部屋で寝てた、って事もあったよね」(それって夢遊病なんじゃ…)何か言いたげな高順の気持ちを察したのか、馬超は「いや、多分変な病気じゃないぞ」と笑った。「夜にお手洗いで起きて、帰ってきたつもりがあたしや蒲公英の部屋だったんだよ。寝ぼけてたんだろーな」「それでたんぽぽやお姉様を抱きしめて眠ってるんだから…びっくりしたなあ、あれ。柔らかい何かに気付いたら目の前におば様のおっぱいだよ?」「その上、すこし着崩れてたりするからな…韓遂おば様とかにもやらかしてたけど」「なんとなく結果が想像できて怖い…って、あ」「でも、信頼してる人の部屋にしか入り込まないみたいだ」「もしかして、こーじゅんさんの部屋にも入りこんだりして?」「ちょ、二人とも。もうそれくらいでっ」「えー、それは無いだろ。いくら信用しているって言っても」「だよね~。もしそうなったらおば様も色んな所トロットロにされちゃうだろうね♪」「おい、あの、ふ、二人とももう本当に」「んー? 何だよ、心当たりでも(ガシッ」「え、何g(ガシッ」(あちゃー…どうしよう)馬超、馬岱は急に肩を掴まれて思わず後ろを振り返った。そこには。「うふふ。とっても楽しそうなお話ね? 私も加えてもらって宜しいかしら」笑顔なのに、すっげえ怖い馬騰だった。「え、な。かっかかかかっか母様ぁあっ!!?」「ふえええっ! い、いつからたんぽぽ達の後ろにいたのぉ!?」「そうねぇ。後ろにいたのは少し前だけど、聞き始めは「迷当さんもそう言ってるし私も「それは聞かないで」って恥かしがる…あたりね」「ぎゃああああっほぼ全部だーーー!?? 待って母様許してっ」「駄 目 で す」「も、もしかして極悪非道の鍛錬お仕置きーっ!?」「いいえ?」「じゃ、じゃあ休憩(お手洗い含む)無しのお説教ーっ!?」「いいえ?」「もしかして、衆目有る無し関係無しのお折檻(お尻ぺんぺん)ですかーッ!?」「はい♪(にっこり」「嫌だぁぁぁあぁっ!? お尻ぺんぺんはやめてええええええぇぇぇえっ!!!!」「もうそんな歳じゃないよお姉さまもたんぽぽもっ! こーじゅんさん助けてっ」必死過ぎる馬岱の嘆願に、高順も「お、おう」と応じて頭を下げることにした。「あ…あのぉ、馬騰殿? その、二人も悪気があって話したんじゃないですし、俺も興味本位で聞いてしまったんで…仕置きなら俺も含めて、その代わり二人の仕置きを軽く」「高順君?」「はいっ!!?」「今聴いた話は、絶 対 に 誰にも言わないでくださいね?」「はい、勿論です!」背筋を正して敬礼、もう「いえすまむっ」と言わんばかりの態度の高順に「解っていただければそれで良いのです」と、馬騰は頷いた。「ふぇっ? あれ、それだけ?? 高順にはお折檻無いのか!?」「ええ、それだけ。問題は貴女達よ? 私は言いましたよね? 絶対に話さないで欲しい、って。母親との約束を破るなんて、本当に酷い子達」「あ、ああうう」「いやあああっ!!!」「話してしまった我が身の不幸を呪うと良い、といったところですね」大丈夫、今日の私は慈悲深い。私のお部屋でじっくりとお折檻です。と二人の首根っこ引っ掴んでズルズルと引きずって行く馬騰。『嫌ーっ! たーすーけーてーっ!!』「それ以上騒ぐと、首を「コキャッ♪」ってしますからね」(ビックゥゥゥゥ!!!)何の騒ぎだろう、という衆人の目も気にせず、馬騰は可愛い娘と姪を引っ張って行ってしまった。彼女達がこの後どうなったかと言えば・・・自分のお尻を押さえて「ううううう・・・」と涙目で唸っている姿を見たので、そういう事なのだろう。~~~楽屋裏~~~ごめんなさい(何が本当は馬騰さんが違う病も抱えていてそれも医者王に治されたせいで韓遂に「ヤーン」とかされた話も書く予定だったのですが…面倒くさいので止めました(没になりましたつうか・・・と…がごっちゃに。