【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第12話えーとね、今陳留の政庁にいるんですよ。俺。それでですね、何度も使った言葉をまた言う羽目に陥ってましてね。それ即ち。大変なことになってますorz曹操さんがチートだということが解った。虹黒さんが惇さんを嫌ってるのも解った。「はぁ。またここに戻ってくるとは。」陳留。曹操が治める土地。「もう関わりたくないんだけどな…。まあ、仕方ない。」虹黒は1日半もせずに大梁から陳留までの距離を走破していた。歩いて3日ほどで着いたのだからまあ、妥当なところか?とも思うのだけど。しかも、あまり疲労していないし。普通の馬の何倍の体力を持ってるんだろう?と高順は違う意味で不安になるほど虹黒は元気だった。ていうか、どうやって入ろう。虹黒が警備兵を倒したって聞いたし、手配されてる可能性もあるんだよな・・・。「まあ、捕まったら捕まったで良いか。」おそらく、夏侯姉妹のどちらかが警邏をしているのだろう。そうでもなければいきなり街中で「馬を寄越せ!」とか言われないだろうし。高順は堂々と入り口の門をくぐっていった。・・・。捕まりませんでした。「あ、あるぇー?何で?WHY?WHAT?」あっさり街に入れましたよ。好都合といえば好都合だから良いのだけど。さて、曹操さんにお目通りするには騒ぎを起こすか、何らかの形で渡りをつけないといけないのだが・・・。そうなると、あの2人くらいしかいないんだよなぁ。あの2人とは、夏侯惇と夏侯淵である。一時的とはいえ面識を持っているし、黄巾云々は話をすれば理解してもらえるだろう、と高順は考えていた。できれば夏侯淵に会いたい。夏侯惇だと人の話聞いてくれなさそうな気がする。いや、聞かない、十中八九。それでも、夏侯惇が騒ぎを起こせば夏侯淵もすぐに察知して飛んでくるだろう、という読みもあったりする。なのであの2人に会うことがまず最初の一手。そのためにはどうするか?答えは「虹黒に乗ってれば良い」である。この馬に乗っているとそれだけで目立つ、ということを前回の騒動で理解できた高順。そのまま街を歩けばすぐに夏侯惇あたりが見つけるだろう。それでなくても、虹黒は前回警備隊に喧嘩を売ったのだ。すぐに話が広まるはずだ。「それなら街の入り口で何故捕まらなかったのやら。」高順は頭をかしげるのだった。そして、虹黒と街を回って半刻もせず・・・あの人がやってくる。ぶるる・・・と、虹黒が正面を見据えて唸り声を上げる。「どうした、虹こ・・・く?」うわ、虹黒が見つめてる方角からなんかすっげえ勢いで走ってくる人が。しかも途中で何人か撥ねてるっておおい!あれ惇さんじゃないか!街の人に何やってのさ!?つかあの距離からこっち見つけたのか!そりゃ虹黒は目立つと思ってたけど!「まずいな、あの突進力。なんとか避けないと・・・って!?」高順がそう言った直後、虹黒も夏侯惇に向けて突進を始めた!(高順を乗せたまま「だああああああっ!!?虹黒さん何するつもりですかーーーーーっ!!!」高順の叫びにも虹黒は反応しない。そうしている間にも彼我の距離は縮まっていく。「こーーうーーこーーくーー!!」夏侯惇が雄叫びを上げる。「ぶるるっ!!」虹黒がそれに応える。(?そして――――虹黒の頭突きが夏侯惇の額に炸裂した!「みぎゃあああああああああああああっっっ!!?」ゴロゴロゴロゴロ・・・思いっきり頭突きを食らった夏侯惇は地面をのた打ち回る。「・・・こ、虹黒さん。あーた一体何を・・・。」その辺をのた打ち回ってる夏侯惇が目の前に来た瞬間、虹黒はとどめとばかりに踏みつけた。「かはぁっ・・・」「なぁぁあーーーーーー!?」虹黒さん、あんた何てことしてるの!?つかそんなに夏侯惇が嫌いか!虹黒から降りた高順はしゃがんで倒れ伏した夏侯惇の様子を見る。「だ、大丈夫ですか!ちょっとぉ!?」流血はしてないようだし、死んでもいない。・・・あれだけの頭突きをくらい、とどめに踏みつけられたというのに。「・・・これ、どうしよ?」そう言った瞬間、虹黒がまた踏み潰そうと片足を上げた。「だー!駄目!絶対!」「・・・ぶるるっ。」何か、「ちっ」って感じで不満そうに足を下ろす虹黒。本気で嫌ってるようだ。そこへ、姉の叫びを聞いたからか、最初から探していたのか。夏侯淵が走ってきた。「おい、、姉者どこへいっt何事だっ!?」・・・第1の目的達成。その後が大変だった。夏侯淵は何があったのかすぐに理解してくれたのだが、夏侯惇が落ち込むわ怒るわ夏侯淵に泣きつくわ。「しかし、随分と嫌われたものだな、姉者?」「うぅ~~~しゅ~ら~ん・・・虹黒が~~~・・・。」眼の幅涙を「ぶわー」っと流しつつ夏侯淵に泣きついている。そんな夏侯惇を宥めつつ、夏侯淵は高順のほうへ向き直った。「また会ったな、高順。既にこの街を出たと思っていたのだが・・・。」「いえ、確かに一度出ましたよ。ちょっと用事がありまして。」「そうか、やはり出ていたか。」「ん?どういう意味です?」「いや何。どこぞの食堂で大暴れしてそのまま逃げたとか聞いていたので、な。」「・・・誰から聞いたんです?」夏侯淵は自分に泣きついている姉を指差した。「・・・あー。」「虹黒を見つけたので、なんとか仲良くなろうと近づいたところを頭突きを喰らって蹴り飛ばされたと。」「・・・ごめんなさい。」虹黒・・・喧嘩した警備隊の人って夏侯惇のことだったのか・・・。「まあ、あまり気にする必要は無いさ。大方姉者が何かしようとしたのだろうからな。それに、だ。店主がお前達の弁護までしてくれている。感謝しておくのだな。」「しゅ~らぁ~~ん・・・。」「ああ、よしよし。泣くな姉者。」そう言って姉の頭を撫でる夏侯淵。どっちが姉なのやら。いや、そうじゃなくて。「あー、夏侯淵殿?」「む、何だ?」「折り入って頼みがありまして。」「頼み?」高順はかいつまんで夏侯淵に事情を説明した。大梁のとある村が賊に襲撃されたこと。このままでは村の人々が全滅させられるかもしれない、ということ。「ふむ。それは確かに由々しき事態ではあるな。しかし、私にはその当たりのことを左右する権限がない。それに、賊と言っても規模は小さいのだろう?」「そうだ、賊の100や200程度、1人でなんとでもできるだろう!」「姉者。そこいらの一般人と自分を一緒にしないように。」「ええ!?できないのか!?」夏侯惇が心底驚いたといった表情をし、夏侯淵は深く溜息をついた。「姉者は少し静かにしていてくれ。」「う~~~~・・・。」「まあ、それはともかくだ。賊の100人程度ならお前と虹黒だけでなんとかなるのではないか?」「それは買いかぶりすぎです、夏侯淵殿。10人くらい倒せれば奇跡ですよ。」「随分と謙遜をするものだな。しかし、それだけでは軍を出してもらえるかどうかは解らないな。」やはり、これだけでは無理か。なら。高順は幾分か声を潜めてこう言った。「それが黄巾でも、ですか?」これには夏侯淵も反応を示した。「ほぅ?・・・なるほど。詳しい話を聞こうか?・・・着いて来い。ほら、姉者も一緒に。」「え?でも警邏・・・。」「兵たちには伝えておくさ。そら、行くぞ姉者。」「ちょ、ちょっと待て秋蘭。・・・首!首極まってるから!襟を引っ張るなっ・・・!」「人前で真名で呼ばないでくれと言っただろう?これで何度目だ、姉者。」「しゅ~~~~ら~~~~ん!」「今ので4度目だな。」本当、どっちが姉なんだろう。しかもきっちり数えてるし。まあいいか。これで第2の目的達成だ。一番苦労するのは次なんだろうな・・・。ああ、嫌になってくる。「どうした高順?さっさと行くぞ?」「ああ、ちょっと待ってください。ほら、虹黒も行くぞ。」高順たちは急いで夏侯淵の後を追った。向かう先は政庁。そこに曹操がいる。政庁の中へ入り、さらに進んでいく。さすがに虹黒は入れないので外で待機してもらった。「上党のに政庁に比べて随分規模が大きいな。」街の規模も全然違うから当然といえば当然か。しかし、中も広い。夏侯淵さんが先導してくれてるからいいけどはぐれたら絶対迷うぞ。そんなことを考えていたら夏侯淵がある扉の前で止まった。おそらく、この部屋に曹操がいるのだろう。ここが政庁の中心部。宮殿で言えば玉座とかそのあたりに位置する場所だろう。「すまないがここで待っていてくれ。」と言い残し夏侯淵は部屋に入っていった。「やれやれ。ここで時間食うわけにはいかないんだけどな。」お役所仕事みたいに待たされなければいいのだけど、と思った直後に「話を聞いてくださるそうだ、入れ。」・・・えらく判断が早いな。じゃあ、入らせていただきますか。高順は拱手し失礼いたします、と言ってから部屋へと入った。正面の馬鹿にでかい椅子に座ってるのが・・・恐らくは曹操だろう、その横に夏侯姉妹、さらに離れて親衛隊、といったところか。しかし、曹操・・・やっぱ女なのな。ツインテールで背小さいし、胸もなまあいいや。その椅子から歩いて十数歩あたりのとこで止まり、拱手して口上を述べようとするがそれを曹操は手を上げて遮った。「構わない、ある程度のことは秋蘭から聞いたわ。」「・・・そうですか。」「自己紹介が必要かしら?私は曹操。字を猛徳。この陳留を預かる者よ。」ふう。なんというか、すごいな。本人にそのつもりは無いのだろうが威圧されているように感じる。さすがは三国志最大の覇者となる人だけあるな。とりあえず、跪いておくか。「さて。大梁に賊が出たと聞いたのだけど。間違いなく、黄巾なのね?」「はい、間違いありません。私自身が見たわけではありませんが・・・彼らと思しき亡骸の肩に「黄天」と。」「数は?」「そこまでは解りません。村長に聞いたところでは300ほど。しかしながらそれが全ての兵力数とは思えません。」「そう。村人達はどうしているのかしら?」「そのまま応戦しているか、それとも陳留に向かっているか。村の若者も見せしめに多数殺されたと聞きました。」「なるほどね。それで?あなたは尻尾を巻いて逃げてきたわけ?」曹操のこの言葉に高順はさすがにカチンと来た。非難しているのか、と思って曹操の顔をちらりと見てみたがそのようなつもりではないらしい。一言で言えば試されている、というところか。「ええ、その通りです。」「ふん、軟弱なっ!」高順の言葉に吐き捨てるかのような言葉を吐く夏侯惇。「黙っていなさい、春蘭。」「そ、そんなぁ・・・。」「高順と言ったわね。逃げた理由を聞かせてもらえるかしら?」「簡単です。誰かが助けを求めなければならないでしょう。あの村に戦力といえるものはほとんどない。しかし馬はない。俺の馬・・・虹黒に乗れるのは今は俺だけです。なら簡単でしょう?」「ふふっ。冷静に見た結果、それ以外のやりようが無いと考えて行動に移したわけね。・・・良い判断だわ。」どうやら、一定の評価をされたらしい。まあ、曹操の眼鏡に適ったわけではないだろうが。「春蘭、出撃準備を。騎兵5千もあればいいでしょう。私も出るわ。」「よ、よろしいのですか?」「当然よ。たとえ100だろうと200だろうと、それが自領の民であろうとなかろうと。助けを求める声があるなら私は絶対に見捨てない。行きなさい。」「は、ははっ!」夏侯惇は慌てて部屋を飛び出していった。たいしたものだ。判断が早いのにも驚いたが5千の兵士を即時動かせれるだけの態勢を整えてあるわけだ。いや、やろうと思えばもっと多くの兵を動かせるのだろう。これで、うまくいけばあの村の人々の被害も抑えることができるだろう。それに、民を見捨てるつもりが無いとも言い切った。覇者としても王者としても、風格があるということだな。「それでは、私もこれで。」高順も戦う準備をするために部屋を辞そうとする。しかし。「待ちなさい。」曹操に呼び止められた。「は・・・。何でしょう?」「あなたにまだ聞きたいことがあるわ。」「・・・私に?」「ええ。高順。これから先の時代・・・何が一番必要になってくると思う?」少しだけ楽しそうな表情をしながら曹操は質問をする。「兵力、生産力、資金力。その他諸々。その中であなたが一番重視するもの。それを聞かせて貰える?」いきなり何を言うのかと思えば。また、試すつもりか。この人は他人を試すことが好きなのだろうか?・・・史実じゃ、そういう面も確かにあったみたいだけどさ。高順は特に考えることなく、かつ面倒くさそうに答えた。「情報、あるいは知識です。」「へぇ・・・。根拠は?」高順は頭を右手の人差し指でトントンと叩いた。「判断が出来るからです。頭が良くても、知識が無ければ意味が無い。知識があっても、引き出す情報が無ければ意味が無い。」それからも高順の言葉が続く。「俺が逃げて来て、「大梁が襲われた。黄巾の仕業だ」と伝えるからこそ曹操様は出撃の判断をなさいました。どんな状況でどんな判断をすればいいのか?この先の時代を生きるのはまずそれです。」「なるほど。言いたいことはわかる気はするわ。」「特に貴方のように人の上に立つ立場であれば尚更です。判断材料、そして判断。それができなければ自分は当然部下をも失う結果に繋がる。材料が多ければその分迷うことも多くなるとは思いますがね。」迷える材料があるだけ、まだましでしょう。判断が出来なくなったとき、それが死ぬときですから。と高順は締めくくる。そして、その材料こそが「情報」なのだ。高順はそう言いたかった。「うふふ、あははははは。面白いわ、貴方みたいな手合いは兵力とか武力とか言ってくるのだろうと思ってたのに。思考の死角を突かれた、とでもいうのかしら?」「他の要素を軽く見ているわけではありませんよ。ただ、その辺りがないとここから先の時代、生き残るのは無理だろうな。こう考えただけです。」「あら、私はこう見えても後漢の人間よ?そういう発言は聞き逃せないわね。」「その割には怒りませんね。」高順の言葉に、曹操はまた楽しそうな表情をする。「さあ、どうかしらね?ああ、もう1つだけ貴方に聞きたいことがあるの。」「はぁ。」「こう見えて、私の「手」は長くてね。」「手?」手って・・・どう考えてもそれほど長くないよな。普通?「例えば、数年ほど前。上党のとある兵士の発案から良い肥料が作られるようになった。とか、まだ誰も食べたことが無いような食料を開発した、とかね。」げっ・・・まさか。そういう意味の手か!?「そして、名が「高順」といったかしら。。偶然ね、あなたと同じ名前よ?」横にいた秋蘭も「何!?」といった表情をしている。「まさかとは思うけど。同一人物かしら?」高順は内心で冷や汗をかきながら「まさか。」と言うのが精一杯だった。「できればその2つの作り方、教えて欲しいのだけどね?」「ですから、別人です。そんな名前の男なんていくらでもいるでしょう。」「ふぅん・・・。私は一言も「男」とは言ってないわよ?」「ああああっ!しまった!墓穴掘ったぁぁああぁああっ!?」「あら、カマをかけてみるものね。本当に本人だったなんて。」ふふ、と曹操は笑う。してやったり、という感じか。やばいまずいやばい怖い!何なのこの人!?そこまでの諜報組織持ってるの!?チートってレベルじゃないですよ本当に!OK俺は逃げる。どこまでも逃げる!俺は風、自由!(またしても自己暗示)そして、逃げようとして腰を浮かせかけた高順を曹操の一言が押し留める。「高順。私に仕えなさい。」・・・はい?何をいきなり?「冗談でしょう。俺なんて程度の低い塵芥ですよ。」だが、曹操の目は本気だった。先ほどまでの冗談を言ってるのか本気なのか判別のつきにくい表情などではない。「私は本気よ。あなたの判断、そして誰も知らない何かを生み出したその知力。これから先の時代を見越した慧眼。そして、春蘭を打ちのめすような獰猛な巨馬を心服させた度量。」「・・・・・・。」その眼は真剣そのもの。「貴方の腕、才覚。私が相応の値で買い上げる。悪くは無いと思うのだけど?」だがそこへ。「華琳さまぁっ!出撃準備完了いたしましたっ!」空気を読めない人が帰って来たのだった。「・・・。そう。ご苦労様、春蘭。」「姉者・・・。」「・・・。」今までの緊迫した空気はどこへやら、一気に緩くなってしまった。これから出陣なのに。大梁の人たち助けて黄巾と戦わなければならんのに。曹操さんが無駄にこっちを圧倒して・・・いや、これは助けられたか。「え?え?何だ?私、何かしたのか?」本人は何もわかってないようだったけど。「んんっ。で、どうかしら、高順?」話を続けようとする曹操。「・・・なぁ、秋蘭。」「何だ、姉者。」夏侯惇は小声で妹に話しかける。「何の話をしているんだ?」「ああ、華琳様が高順に仕えろと言っているんだ。」「そうkって何いいいいいいっ!?」いきなり大声を上げる夏侯惇に、曹操は溜息をついた。「・・・何、春蘭?」「駄目です!絶対に駄目です!こんな奴を華琳様に近づけるわけにはいきません!」腕を振り回して抗議をする夏侯惇。だが曹操はそれを完全に無視して話を続ける。「選びなさい、高順。私に仕えるか。それともこの鎌の餌食となるか。」「脅迫ですか!?ていうかいつの間にそんな鎌を!?」「それだけ貴方を評価しているということよ、勘違いをしないで欲しいわ。」「貴様ー!絶対に許さんぞ!断れ!断れー!?もしハイって言ったら私がお前を殺す!」「落ち着け姉者。それでは高順が死ぬだろう!」「私は一向に構わん!むしろそうなれば虹黒も私の馬に!」「だから落ち着け姉者!そんなことしたって余計に嫌われるだけだぞ!」何だこのカオスな状況。仕えなければ殺すと言われるし、仕えたら殺すって言われてるし。俺にどうしろと?まぁ・・・答えは決まってますけどね。「お断りいたします!」「・・・本気かしら?」曹操の目に殺意のようなものが宿っていく。「ええ、本気です。」「命が惜しくないと見えるわね。いいでしょう。」そう言って曹操は鎌を振りかぶる。だがそこへ夏侯惇が飛び出していった。「貴様華琳様のお誘いを断るとは何事だー!」「ちょっと待てさっきあんた断らなければ殺すってげぶはぁぁぁっ!?」殴られました。俺、何も悪くないと思うのですけど。気が殺がれたのか、曹操はまた溜息をついた。「もう良いわ。・・・貴方にとって悪い話ではないと思うのだけど。断る理由を教えてもらえる?」あの後夏侯惇は曹操によって昏倒させられ放置されてるので、今この場で起きているのは曹操・夏侯淵・高順である。(兵士もいるが「失礼なことになります故、それはご勘弁を。」「構うことは無いわ。一番文句を言いそうなのはそこで寝てるし。」ねぇ?と夏侯淵の方へ向き同意を求める。夏侯淵も苦笑するばかりだ。「それならば、失礼を承知で言わせていただきましょう。」「ええ。」「あなたは人を自分の機能としか見ていない節がある。」「機能・・・。」「俺はそれが酷く気に入らない。人のことを愛しているように見えて、そうじゃない。あなたは人の才能のみを愛している。」「高順、お前!」食って掛かろうとする夏侯淵を曹操が止める。「構わない。続けて。」「貴方に心酔している人は良い。だがそうでない人も多いだろう。全員が全員あなたに心からの忠誠を抱くと思うか?あなたの器の大きさは解る。だが、俺という存在は貴方の器の中に居場所が無い。すぐに弾かれるのが眼に見えている。俺は器の中に居場所を作ってくれる方にこそ仕えたい。まだ見つけてはいませんがね。」「なるほどね。ふふふ。つまり私は貴方に認められていないということね。」「俺程度に認められても楽しくなど無いでしょう。では、これで。」こう言って高順は退出していった。おそらく彼なりの準備をするつもりだろう。面白い。面白いわ。と言って曹操は立ち上がった。「秋蘭、春蘭を起こしなさい!」「ははっ!」「兵たちに伝達。これより我らは大梁へ向かう。民の保護を最優先、そして賊を殲滅するわ!」~~~楽屋裏~~~どうも、あいつです。やっと三国志の主役(あいつ主観)出てきましたね。曹操は書くのが苦労する存在です。覇者としての大きさを書くなんて私ごときじゃ無理。さて、高順君が曹操さんに仕えない理由を語っていましたね。私自身はそうは思ってないですが、仕えにくい人ではあるだろう、と思います。何故高順くんが曹操さんを敵視しているのか、というのは上記のこともありますが「自分を処刑する相手だ」ということも大きいと思います。曹操さんがどういう人物かも知らなかったわけですしね(知識として知ってるだけに過ぎません幼い頃から接していれば仕えるに値する、と思っていたでしょう。しかし、曹操の人格がえらく破壊されてますね。こんなの曹操さんじゃないwそれと惇姉さん。完全にギャグ的存在に。彼女が活躍できる場面は・・・あるのかな(笑さてさて、5千の曹操軍に混じって出撃する高順くん。彼らは間に合うのでしょうか?間に合わなければ困るのですけどねwそれではまた!