【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第117話。江州城。「ええい、孫家の軍が攻めてきたとは・・・各門、守備状態は! 高沛は何処にいる! 冷苞は何をしているのだ!?」政庁にいる楊懐が兵に怒鳴り散らす。周りの兵も狼狽するばかりだ。「急な攻撃でしたので情報が錯綜しておりまして・・・」攻撃をされた、というのは誰にでも解っている。その規模がこちらより大きく、江州占領を目指してのことだろうと言うのも解る。ただ、降伏勧告すら無い一方的な攻撃なのである。(くそ、戦力に差があるのは直ぐに解るだろうがっ。孫家は何故降伏勧告を行おうとしない!)楊懐は心の中で八つ当たりをしていたが、本当に的外れだ。要するに、降伏勧告をされれば直ぐに従うつもりなのである。だが、その考えは伝令のもたらした情報によって一時的にだがかき消される「急報! 高沛様と部隊は敵軍に投降した模様! 高沛様の担当していた守備区域を既に制圧され敵軍が政庁へと押し寄せています!!」「何ぃ!?」「既に冷苞様も交戦を諦めて撤退、退いているとの事! 兵も次々に投降し残っているのは我々だけかと思われます。」「ええい、役に立たん!」「このままでは、政庁も陥落させられるでしょう・・・どうなさいますか」その日、未明より始まった戦は正午ごろには帰趨がほぼ定まっていた。何せ、高順は糧食守備隊以外の全ての兵、投石器などの攻城兵器を投入。被害など全く無視して攻め込んでいく高順隊の先頭を切ったのは周倉で、彼女は藤甲鎧を装備してから、城壁を「走って」登りきって、守備兵を蹴散らしている。途中で矢を射掛けられてもお構いなしだ。周倉の開けた防御の穴を高順が見逃すはずも無く、そこに兵力を集中させて自身の担当した方角の城壁を制圧。すぐに城門を開かせてこの場所の防御を無効化した。兵士の少ない江州勢では最初から全包囲からの攻撃に耐え切れなかったのだが、城門が開かれたと知るや守備を諦めて政庁へと撤退、篭城の構えを見せた。途中、交通の要所にバリケードを張ってそこから弓弩部隊が一斉射撃を行うなどして高順隊に対し足止めを行う部隊が少数あったが、それも楽進の気弾攻撃によって防御陣が破壊されて突破されてしまっている。政庁が包囲された時点で、江陽に駐屯していた東州兵3千のうち2千弱が戦死、高順隊に降伏しようとして認められず抹殺されている兵も少なからずいる。認められない、というより最初から皆殺しにするつもりでいるわけだから、降伏しようがしまいが全滅させる方針に変わりは無いだけ、という話だ。高沛やその周りが降伏できたのは「こいつらが責任者と言う事だな」と、そういう事だ。捕虜、人質の類の情報を吐かせてから始末される運命に過ぎない。降伏を認めないという時点で高順の怒りが大きいということが窺えるが、彼も彼で内心迷う所はあるしそれなりの罪悪感もあった。一度決断してしまった以上後悔などは無いのだが、自身のエゴ剥き出しという側面もあって後味だけはどうしても悪い。事実、この戦いが終わってから暫くして、高順は心労の為か倒れてしまう。これは数日間で復帰したが、やはり精神的なダメージが大きかったのだろう。ともかく、高順隊は立ち塞がり或いは逃げ惑う兵士を殺戮し、楊懐らが篭る城(政庁)を完全に包囲していた。包囲を完了した高順は、床几を据えて他の武将が集まるのを待っていた。突破は高順の部隊が一番早かったが、他の隊も直ぐに城門を突破。市街で敵兵を狩りながらだったので差は僅かなものだった。楽進、李典、趙雲・・・と集まって、再度突入が出来る状態になってから趙雲が高順の傍に馬を寄せ、地面に降りる。「さて、上手く追い詰めましたな。どうなされる?」「都市部に隠れた兵士は後々片を付けるとして、とりあえず目の前の問題を片付けますよ。まだ捕虜にされている人がいるかもしれないですからね」「ふむ。ならば敵兵を少しは生かしておくべきでしたかな? 情報を聞き出せば良かったですな」この言葉は、趙雲も高順と同じく途中で敵兵を殲滅したという事だ。「手っ取り早いのはこのまま突撃して目に付く者全て斬り捨てる、ですが」「蹋頓殿、それでは捕虜まで巻き添えです・・・」「むぅ」もうちょっと穏便にいけないのかな、このお人は。と思う楽進だが、彼女も怒り心頭なのに暴走しないだけ、まだマシなのかもしれない。一通り議論を行ったところで、高順はぽつりと一言を漏らす。「そうだな、捕虜を全員解放するなら投降を許す、でも良いかもな」「高順さん・・・? もしかして」彼らを生かして使うおつもりですか、と言おうとする蹋頓を、高順は右手を僅かに挙げて制した。「当初の予定と変わりはありませんよ。何もね」「・・・ならば宜しいのですけど。」生かすと言ったら色々な意味でお仕置きされそうな感じであるが、生かすという判断をしても蹋頓は独自に動いて楊壊らの抹殺に乗り出すのだろう。このまま突撃を行えば、まず勝てるのだが捕虜の事が気にかかる。ヤケを起こして捕虜を人間の盾に使うとかそういう事も考えられるのだ。そうなれば高順は手出しが出来なくなってしまう。悩むべきところなのだが、悩んでいても解決はせず逆に事態が悪化する。しかし、高順には手立てが1つだけあった。「ま、こういう時のためにコイツの降伏を許したんだが」高沛である。高沛は高順のすぐ傍で、縄で雁字搦めにされて転がされていた。気絶しているのか眠っているのか、眼を覚まさない。見ると、顔の一部が腫れ上がっており、そこを叩かれて気絶したのだろうと思われる。この男、異民族を家畜同然と言って憚らない性格であり、そこは楊懐達も変わらないのだが・・・。高順に「捕虜は何処に?」と聞かれ、やめて置けば良いのに彼の目の前で堂々と『捕虜などはいないが家畜ならいる。異民族は家畜だ! 遠慮など不要だ、我々人間に使われた事に感謝して死ぬべき」とか言ってしまったのである。ここで、ただでさえ頭に来ていた高順の、そして傍にいる蹋頓の堪忍袋の緒が切れた。高順は槍の柄で高沛を殴り、高沛は昏倒。最初こそ捕虜として扱っていたが「そちらが異民族を家畜と言いきるなら、俺も同様のことをさせて貰う」と高沛の服をひん剥き、裸同然にしたうえで再度縛り上げている。なので、高順の足元に転がっているのは裸同然の汚ねえおっさんな訳だが・・・ともかく。「起きろ」「げぶぅっ!」高沛の腹に蹴りを入れる高順。「げほ、げほっ・・・ぐ、うぅ・・・?」「さっさと起きろ。屑が」「な、に・・・? き、貴様よくもえぼぉっ!」「口答えする余裕があるとは驚きだ。さて、お前らが捕らえた人々・・・どれほどいて、どれだけ生き残っているかは知らんが、居場所を吐け。」「何? 捕虜などいないと言っただろうが! ・・・ごぱぁっ!」高沛は高順を憎憎しげに睨むが、高順は意に介さず更に蹴りを入れる。(うわぁ・・・高順兄さんガチで怒ってはる)李典も、というか楽進もだが彼女達が身震いする程度には、高順は高沛に怜悧で容赦が無い。 「ひ、ひぃ・・・貴様、こんな事をして許されると思っているのか・・・げふ、げふっ」「お前は異民族を家畜と思っているだろう? じゃあ逆に俺もお前を家畜以下と見なそう。『家畜に遠慮は要らない』だったかな?」大体、家畜如きに負けた自身の無能さを棚上げするんじゃねぇよ、と周倉のような物言いをする。「で、そろそろ喋ってもらえないか? お前に構ってやれる時間は少ないんだよ」高順は高沛の頬を、懐から出した小刀でペタペタと叩く。「ふんっ! そんな脅しには乗らんぞ!!」「・・・そうか、脅しか。じゃあ、本気かどうか自分の体で理解して貰おう」そう言った高順は、小刀の刀身半ば辺りまでを高沛の左頬に突き刺して下に引き裂いた。本当に一瞬で、高順の周りの人々だけでなく斬られた高沛も何が起こったのか判らないほど、高順の行動は自然なものだった。高沛の頬が裂け、顎辺りまで切り裂かれた傷から鮮血が迸る。「ぎやああああっ!? 血、俺の血、血がああああっっっ」半狂乱になって地面を転がり叫ぶ高沛の髪を引っつかみ、高順は「五月蝿い」と恫喝。「さて、そろそろ理解してもらえたかな? それじゃ、もう一度だけ質問だ。『捕虜は何処だ?』」完全に囲まれた政庁から、楊懐は高順隊の様子を窺っていた。いつでも攻め入ることが出来るのに、動きを止めた敵軍に不審を感じたからだ。かと言って出来ることは何も無い。兵力も戦力も及ばない上、降伏を願う使者を送るも「断る」とあっさり帰されてしまったのだから。何故ここまで自分達の殲滅を狙うのか知らないし、身に覚えが無い。彼も異民族や近隣の街・村から人を攫う事を当然と思うタイプで、高順はそれを許さなかったのだが・・・この当たり、両者の意識、或いは思想とかその辺りがまったく食い違っているので最初から理解しあえないのである。と、突然それまで静観を保っていた高順隊が動きを見せる。見ている限りでは、強行突破して政庁を陥落させるつもりなのだろう。こちらの守りは残兵500程度と、武将は自分と冷苞だ。その冷苞は門の守備であり、そこを抜かれれば・・・いや、完全に逃げ場が無い時点で後が無い状況。そんな彼らの前に、黒紫の全身鎧を纏った男とそれに付き従う数人の女戦士が姿を現す。兵士は彼らに道を譲るように左右に別れ、鎧の男達が最前列に出たと同時に隊伍を組み直し、突撃の構えを見せる。~~~高順達が最前列に~~~前に向かって歩いて行く高順達。「死ぬかもな、あはははー・・・」「そうか?」「そりゃそうでしょ・・・。つか、矢で狙われるよね? 俺、矢鴨状態になるんですけど?」矢鴨? と沙摩柯は首を傾げる。「別に良いだろう、李典が作成した左腕盾があるんだ。それに、異民族をモノ扱いする連中を一人残さず殺るんだろ?」李典の作った肩盾だが、更に仕様が変わっている。先端で突き刺すタイプだったが「これじゃ取り回しが不便すぎる」と、肩全体ではなく手持ちの携行盾バージョンも作成された。先端部分で殴り飛ばすことは勿論が可能で、増加装甲も施されており、重量相応の防御力を見せる。。汎用性など無きに等しく膂力が無ければ振り回すことも出来ないものの、今の高順には使える防具で、殴打武器としても使えるという意味不明な代物である。「良いとか言われた! しかも虹黒もいないし!」「当たり前やん、政庁に向かって馬で突撃してどないするん」別段、高順隊から突撃をせずとも良さそうな状況ではあるが、何せ江州守備隊は政庁門前に即席のバリケードを築いて応戦の構えを見せている。弓の有効射程まで近づいて撃つのでは、壁の有る無しで少々分が悪い。火矢で政庁が燃えられても困る。当然、楽進の気弾でバリケードを破壊するが、そこから弓兵展開でもたつけば、守備兵が政庁に逃げて少し厄介になる。迅速に守備隊を排除し、政庁に被害が出ないように、と考えると万歳突撃が一番効果があるような感じだ。近づきさえすれば敵は弓兵ばかり。「虹黒いないと俺なんてただの雑魚でしょうが!」「また自己卑下ですか。隊長も成長しませんね」「あっちの腕は成長を続けているのですけどね・・・ふふ」「・・・さっき、高沛って奴をあんだけ痛めつけたのに、なんで大将達気楽なんだろ?」何故か和気藹々としている状況に周倉は、うーん・・・と悩むが、直ぐに李典が周倉の肩を抱きかかえて耳打ちをした。(あほっ、あんなん無理してやっとるに決まっとるやろ)(えっ、そうなのか?)(当たり前やろー、普段の高順にーさんの言動考えたらすぐ理解できるやろが。それがのっけから「全員斬る、例外なく」宣言やで? 怒ってるのもあるやろけど、無理しとんのバレバレやっちゅーねん)二人がブツブツ話しているのを尻目に、趙雲が「しかし」と高順に問う。「うん?」「高順殿が奴らを皆殺しにすれば・・・こう言ってはなんですが、悪名になりますぞ?」「そうだな。それが?」「これからの統治に悪影響が出ないとは限りませぬ。それに、孫家のお偉方がこれを問題視すれば何とする?」「俺の首で贖う。」言い切った言葉に、趙雲は頷きつつ「・・・いらぬお節介、でしたかな」と呟く。「部隊は俺の決断で動く。皆はその命令を強制させられただけさ。だったら罰せられるのも俺一人。責任者が責任取らないとか聞いた事が無いぞ」「そんな人々が多ければ良いのですが・・・まあ、大丈夫でしょう。孫家にとっても高順殿がいなくなるのは困った事になるでしょうから」言いつつ、趙雲は蹋頓をちら、と見る。もし高順殿が処刑されれば少なくともこの女性が黙っていないだろうし、な。南越、南中を始め、益州諸部族に烏丸。下手をすれば西涼残党・・・どれだけの人が動き出すのやら。「だと良いけどね。皆、用意は?」「いつでも!」「出来ている。」「無問題やでー」「問題ありません。」「同じく。」「遠慮をする必要はありませぬな」よし、と高順は頷く。「李典、楽進は政庁に突入したと同時に捕虜が収監されているらしい地下牢へ行く。趙雲殿と沙摩柯さんは上に進んで殲滅及び占領。」『了解』「俺、周倉と蹋頓さんで残敵掃討だ。ここにはいないが閻柔さんたちは城外で待機、捕虜を助けた後の為に準備をしている。・・・さて」政庁を囲む部隊の最前列にまで来た高順は前を見据える。「一人でも多く助けて、一人残らず殺す・・・それだけだ。」高順はそれだけ言って、金砕棒を右手に、左腕の盾を構えて歩き、少しずつ速度を上げて走り出す。その後ろ姿を追い将兵が走り出し、それを討とうと江州兵が高順を狙って矢を番える。総大将を前面に押し立てて突撃してくる敵軍を見て、冷苞は「馬鹿なのかそうでないのか」と、自身も矛を手に迎え撃つ姿勢を見せる。江州兵も高順を狙って矢を放つ。総大将を討てば、兵の士気は下がるし一度は兵を引くだろうから態勢を立て直すか、自分達の場合は逃げることも出来る。その判断は間違っていないのだが、高順を討つ事はできなかった。高順が左手で構えている盾を打ち抜けないからだ。何本かは他の部分・・・腕や脚に刺さっていたが、如何せん距離が遠く、金属を何枚も張り合わせた鎧には効果が薄かったようで、刺さっても大した傷ではない。また、高順自身はそこまで考えていなかったが、彼が一番前に出たことで後ろの部下に対しての射線が狭まる。高順だけが狙われて、その後ろに対しての備えが疎かであった。それを感じた冷苞は、自分目掛けて進んでくる髑髏龍の武将を「こいつさえ倒せばなんとでもなる!」と見越して、矛を構えて突進していく。高順もそれを理解し、冷苞に向かって突進。この冷苞という男、武才は中々のもので武力だけで言えば劉璋軍の中でも上位に位置する。今の状況をひっくり返すことは出来なくても、自分の力量には自信があった。構えた矛を頭上で旋回させて高順に狙いを定め、お互いの得物が届くほどの距離まで接近していく。「一騎打ちのつもりか! 受けてやる、光栄に思えぇっ!」「断る」だが、高順は迫り来る矛を横に飛んで避ける。「ぬ!? おのれ、よくも無視し・・・げぇぉっ!!」高順のほうへ頭を向けて、言い捨てるかのような台詞だったが最後まで言えなかった。高順より遅れて走っていた周倉の投げた投擲斧が、振り向いていた冷苞の肩に命中。仰向けに倒れこむ。「ぐくっ・・・ひゅぐっ!!?」仰向けに転倒していた冷苞の喉に、高順の金砕棒先端がめり込んでいた。高順は手に力を込めてメリメリと喉に食い込ませていく。「げぼっ、が・・・ぐひゅぅっ、ごぷっ・・・」喉にめり込む金砕棒を引き抜こうとする冷苞だが、高順は盾の先端で冷苞の顔を滅多打ちにする。高順は、気絶してビクビクと体を震わせている冷苞の顔面に金砕棒を幾度も叩きつけ、冷苞が落とした矛を心臓あたりに突き刺してトドメとした。彼は返り血に濡れた金砕棒を構えて再び政庁へと向かう。将が討たれた事で呆気に取られた江州兵であったが、その一瞬が高順の後続隊の接近を容易にした。更に楽進が気弾を乱射。バリケードを壊し、兵を討ち、後続の兵が政庁までの道を平らげていく。続いていく兵士達が政庁の門を打ち壊して次々に進入していくのを見届けて、高順も歩を進めて行く。この日、江州は陥落。捕縛された楊懐以下、全ての将兵は斬首され郊外に京観(けいかん)として晒されたと言う。また、これより数日後に永安が孫権によって陥落。当初は高順との挟み撃ちを画策していたが、先に攻撃して戦力の封じ込めを行ってから高順の援軍を・・・と出兵してみたら、その必要が無いほど速く攻め落としてしまったのである。これは高順&李典の画策した兵糧の件であったが、孫権がそれを知る由も無い。おかしいと思いつつ、主力を使う事無く一勝を挙げた事には孫権も満更ではなかったようだ。成都以西・以南が孫家の手に渡り、ついに危機感を持ったのか・・・劉璋は北方戦線より厳顔・魏延などを呼び寄せて守りを固め始める。そして同族である事を頼りにして、劉備に救援要請の使者を送ったのであった。~~~ちょっぴり息抜き。長沙的日常~~~「はぁ、益州に攻め入る口実、ねぇ。」「ええ。どうしようかと考えているようで。」往来を歩いているのは華雄と徐栄。劉備軍の武将である彼女達だが、今日は二人揃って非番らしい。戦力的には重要な武将と言っても差し支えない両者だが、劉備軍内での席次は低いものである。劉備が荊州の一部を得るに当たって、配下たる諸葛亮・龐統のコネで、劉備にそっぽを向いていた人材、または縁故などを頼りに仕官してきた者達が流れてきて、それなりに人材が厚くなっている。華雄も徐栄も元々官軍であるが、日陰者にされるでもなく、かといって厚遇されているわけでもない。ただし、戦場では勇猛さを買われて、関羽同様に前線を任されるということは多い。「きな臭い話だな」「全く。それに・・・」はぁ、と徐栄が溜息をつく。「ん? 何だ、具合でも悪いのか?」「いえ・・・。関羽殿と諸葛亮殿の不和はご存知でしょう?」ああ、そっちの話か、と華雄は露骨に嫌そうな表情を見せた。江夏の件以降、諸葛亮と関羽の関係はしっくり来ない。どちらにも言い分はあるし、両者の主張は解らないでもないが、あれ以来両者は仲が悪くなっている。劉備軍筆頭武将と筆頭参謀の仲が悪いというのは、宜しくない事で「仲直りしようよ、ね?」と劉備が仲立ちしていたが、中々うまくいかないようだ。どうも、その一件から劉備軍内部でも派閥が出来上がりつつあって、劉備(諸葛亮)派と関羽派という、かなり面倒な状況になってしまっている。華雄と徐栄は関羽寄りではあるが、明確にどちら、という事はやっていないし言ってもいない。ただ、諸葛亮と関羽のどちらを支持する? と聞かれたら「関羽だ」と答えるのだろう。「上層部は「益州に攻め入る口実」がないからヤキモキしているみたいだしな。今は孫家が歩を進めているというが・・・そこに攻め入れば3つ巴。」「その上孫家とは対等とは言えない同盟。そんな事をすれば同盟を一方的に破棄したも同然・・・直ぐに南荊州統一という名目で動くのでしょうね」「孫家としてはそれを待っているのかも、な。劉備が益州を平和裏に奪うも良し。同盟破棄で自滅するも良し、と」「・・・。既にこの国の勢力はほぼ2分化されています。劉備がどちらかに頭を下げたほうが余程事態の終結が早まると思います」徐栄の言葉に、華雄も同意する。「だな。まぁ・・・それだと劉備にとっての前提条件が崩れるからな」「前提? 漢王朝ですか?」「ん。あいつは「漢王朝が頂点にあり、その下で民衆を幸せに」が目標だ。孫家と曹操も漢王朝をさほど重視してはいない。このどちらかが頂点に立てば漢王朝は無くなる、という危惧があるのだろ」難儀なことさ、と華雄は首を振った。さて、華雄はここ長沙でも民衆、特に女性と子供に人気があった。前も他の都市で同じような事はあったが、街を巡察していると子供が「あ、華雄さまだー」「ちっぱいの人だー」「お胸が可哀想な華雄さまこんにちわー!」とわらわら近くに寄ってきて・・・「またしても貴様だな徐栄!?」「(ニヤリ)さぁ・・・何のことか皆目見当がつきません」と、こんな日常である。女性に人気、は前と同様に「華雄の外見」が大きな理由だ。黙っていれば某宝塚っぽい場所でも通用しそうな華雄だが声や体型を考えれば女性であることは瞭然。が、その風貌・・・特に切れ長の鋭い視線がそこらの男より男らしいという評判である。本人が女らしくない・女らしい服を嫌うというのもだが、彼女の傍にいる徐栄の存在がそれを助長している。徐栄は世の女性が羨む「ないすばでー」。いつもは甲冑を身に纏っているが、今日は非番と言うことで、上は胸の谷間も露なVネックなセーター、下はスパッツでその上に超ミニなスカート、と際どい服である。何でこの時代にそんな服があるのかは知らない。男らしい華雄と女らしい徐栄。並んでいる事が多い二人を見て街の女性達は「お似合いよねぇ・・・」「きっと夜はネチョネチョ(ry」「絶対同性愛者だわ!」とか・・・いや大丈夫なのかこれ。さて、並んでいる二人に群がってきた子供達。華雄が子供達に遊ばれて(?)いる状況だが、子供というのは気まぐれで何人かが徐栄のほうに来ている。「徐栄様ー、ちっぱいってなーに?」「華雄様の事よ」「華雄様のお胸はおっきくならないのー?」「絶 対 なりません」とか、そんな酷い会話をしているのだが、このうちの一人がこっそりと後ろに回りこんでいた事に徐栄は全く気付いていなかった。その子は両手を組み、両手の人差し指だけを突き出して・・・「てやー♪」と徐栄のプリンとしたお尻にカンチ○ーをかましたのである!つぷっ。(何かが何かに刺さった音)「あぁん! 華雄様ぁ、だめえぇっ・・・!」「えっ」「えっ」「何が駄目なのー?」注:ここは天下の往来です。(ひそひそ・・・)←性癖が普通の方々の反応(ハァハァ・・・)←そっち系というか曹操と同類性癖の方々の反応「いや違う!? お前ら、私はそっちの人間じゃないぞ徐栄へばってないで何とか」「んんっ、はぁ・・・か、華雄様ぁ・・・」←目がトロンというかうっとりしている徐栄「おまっ・・・ちょ、やばいだろこれはあああああ!?」(ひそひそ・・・)←性癖以下略。(ハァハァ・・・)←そっち以下略。華雄の同性愛者説が事実と認定されました。(本人の意向お構いなしあれ?~~~更なる後日談。華雄の部屋より~~~「んぁ・・・?」自室の寝台で目を覚ました華雄。幾度か目をこすり「んん~~~・・・」と伸びをする。「はぁ・・・、今日も一日、仕事漬けか」爽やかな朝。すぐに思い起こすのが仕事と言うのは実に寂しいものだが、仕事と言っても警邏とか兵の訓練とかそんなものだ。上層部の会議などに出席できない立場なので気が楽と言えば楽。着替えを終え、普段の鎧に身を纏って「よぅし!」と気合を入れる華雄であったが、そこで誰かが扉を「こんこん」と叩いた。「ん・・・? 誰だ?」「おはようございます、華雄様。徐栄です」「徐栄か・・・待て、直ぐに開ける」先日の事を思い出し、華雄は僅かに気持ちが暗くなる。あれ以来、女性から告白されたり贈り物を貰ったりする事が多くなるわ、軍内でも「華雄殿ってそっち系のお人なんですか?」と質問されるわで散々な目である。誰が悪いといえば徐栄以外いないのだが・・・あそこで徐栄の尻に指ぶっさした子供が一番原因かもしれない。華雄は「何の用だ・・・」と扉を開けて部屋を出たが、幾人もの屈強な兵に囲まれて一瞬で縄で縛り上げられた。「むわーっ!? な、何だこれは??? て言うか何で私が縛られないといけないんだおいちょっと待て何だこの縛り方は!?(亀甲」「華雄様、申し訳ありません・・・しかし、我慢していただくしかないのです!」目の幅涙を流す徐栄、そして訳が解らない華雄。「だからぁ! 何故私が朝っぱらから変な格好で縛られにゃならん!?」「・・・。華雄様、劉備軍の現在の経済状況はご存知ですか?」「貧しい! 以上!!」「ひ、一言過ぎます・・・ではなく、貧しいのはそうですが、どうやって保たせているか、です。」「はぁ? そんなもん、租税と・・・あと、出資者から金を」「そう、それなんです!」ビシィ! と徐栄は華雄を指差す。「今仰った通り、劉備軍の主な収入源は租税ですが、一番大きいのは富豪の出資。それらで食糧を買い兵を雇い装備を整えています。ですが、この頃富豪も金を出し渋ることが多くて」「それがこの状況とどう関係するんだよ!?」「・・・・・・。その富豪の一人ですが、華雄様を「気に入った!」というお方が「華雄様を一日自由にさせてもらえたのなら、更なる出資を約束する」と。」一日自由、という言葉で華雄の血の気がスーッと引いた。「お前、まさか私を慰み者にするとかそういうオチか!? 絶対嫌だぞそんなの!」「大丈夫、大丈夫です! たった一日ですから!!」「一日でも嫌だこのボケ!」「大丈夫なんです! その方女性ですから!!!」「・・・」「・・・」「・・・は? 今なんつった???」「ですから、華雄様との逢瀬を望んでいるのは、女性、しかも若くて可愛らしいお嬢さんなんですよ・・・」「・・・」「・・・」「嫌だぁぁぁあぁぁああぁ!? それはそれで壮絶かつ凄絶に嫌な予感がするぅぅぅぅぅ!????」「既にお迎えの馬車も来ているんです! 劉備と諸葛亮が「あ、どうぞ」と二つ返事で返してしまったので後戻りできないんですぅ!」じたばたともがいて逃げようとする華雄と、可哀想にと思いつつもそれを抑える徐栄。「人の身を勝手に売るとか犯罪だぞ劉備と諸葛亮汚いにも程があるだろ!? いーやーだーはーなせぇー!!!(泣」「申し訳ありません、華雄様・・・皆、お願い!」『ははっ!!!』徐栄の号令一下、兵士達が華雄を担いで運んで行く。「ちきしょー! あいつら絶対恨んでやる! 化けて出てやるーーー!!!」「大丈夫です、汚くなっても私が綺麗にしますから。」「何をだよ!!! ちょ、頼むから離し・・・嫌だー死にたくなーい!!!!!」「死にませんよ、イくだけです」わーわーと叫んで暴れる華雄が運ばれて行き、暫く後に政庁付近に停められていた馬車が移動を始めた。華雄は、一日とはいえ・・・なんかもう可哀想な事態に巻き込まれたのである。~~~翌日~~~「・・・。」「・・・。」ひどく疲れた表情で帰ってきた華雄。何があったのかは聞かないことにした。~~~楽屋裏~~~・・・やっちまった・・・(吐血) あいつです(挨拶華雄さんも義弟に負けないくらい不幸ですな。何があったのかは・・・聞かぬが華でしょう。ここ2回ほど僅かに暗い話だったのでギャグを差し込もうと思ったら、姐弟揃って精神削られたとかそんな話でした。それと、長沙的日常時点では救援要請の使者は到着しておりません。私は原作で活躍しなかった華雄と公孫賛を活躍させすぎ(普通&ネタで)な気がしますがどうでしょう?袁紹もですがw裏設定ですが、華雄を買った(?)お嬢さん。実は最初は廖立(りょうりつ)でした。ただ、生まれが長沙では無かったですし(武陵だったかな?)マイナーな感じがするので・・・異民族武将出しているってだけでマイナーも何もないですな、うん。某三国志MMORPGでの魏の弱さは一体・・・一時、領地全て呉と蜀に取られてました。今はある程度持ち直してますが・・・挟まれてるから優位性0すぎる。(謎愚痴次回は戦後処理ですかね。また高順の下に人が来るのかも。~~~あまりといえばあまりだったので追加、例のアレの舞台裏~~~「中々上手く行かないねぇ」「そうですね・・・」「うーん、他の人にも融資を頼むべきなのかな?」「でも、他にいます? うーん、思い当たるのは・・・うぅ~ん」「はぁ・・・」「はー・・・」溜息をつく劉備と諸葛亮。二人は政務室で難しい顔を突き合わせながら、今日何回目になるか解らない溜息を吐く。理由は簡単、懐事情が寒いからだ。現状、劉備軍は総数で4~5万前後の兵を所持している。ほとんどが歩兵で、金のかかる騎兵は少ないわけだが、とりあえず数は揃えた、と言うところだろう。僅か2都市しかない劉備軍にとって、5万と言う兵数はどう考えても兵数過多、短期はともかく長期で維持できる数ではない。ならば何故そこまで兵を求めたか、と言えば、益州侵攻(進行ではない)を考えての行動である。何らかの理由、或いは難癖と言い換えても良いが、なんとかして益州を手にして漢中までを領有して長安に攻め込み・・・と、いう話だ。侵攻する前に兵を揃えて、までは良かった。ただし、いつまでそれを維持できるのか、が微妙なところなのだ。劉備軍としてはすぐにでも益州へ歩を進めたいが、進める理由・・・名分が無い。そして、兵を維持するには金も食料も必要だ。それらは富豪からの支援、そして租税などで賄っているが、もう少しだけ支援をして貰わないと、折角集めた兵が離散する。そんな事情があって、劉備は自分から富豪の元へ顔を出し交渉(するのは諸葛亮だが)をしているのだが・・・これまた、成果は芳しくない。金持ち連中だって見返りがあるだろう、と思っての支援で、寄付ではなく将来を見越しての融資なのだ。それなのに「もっと金を寄越せ」という話をされれば「何だコイツ」と思うのは当然であろう。不幸にも、劉備達には「更に融資しても良いだろう」と思わせるような、旨みのあるプランを提示することが出来ない。益州侵攻を成功させれば、多少の事は出来るだろうが、まだ発動すらしていない計画の旨みを説明されても困るし、説明することも出来ない。まあ、劉備の性格として「自分が頭を下げることを恥ずかしいと思わない」という所があって、それが誠実さとして映る事はある。そのおかげか、何件か融資を増やしてもらえそうなのだが・・・。そんな事を考えている2人だったが、政務室の扉を叩く音によって不意に現実に戻った。「ふぇあ!? ど、どちら様!?」「いえ、廖家よりお客様が起こしになられているんですが・・・如何いたしましょう?」お客様? と、劉備と諸葛亮はお互いの顔を見やった。~~~廖家邸宅にて~~~(・・・落ち着かないなぁ)あれから後、劉備と諸葛亮は長沙の富豪の一者、廖家にお邪魔していた。自分達から、ではなく、「ちょっと来て欲しい(要訳」という事で、お呼ばれされた立場である。通された客間の長椅子に座り、机の上に出された熱々のお茶を少しずつ啜りながら、二人は所在無さげに周りを見ている。暫くして、小柄な娘が「失礼します」と入室してきた。この小柄な娘が廖家の現当主である廖立である。「申し訳ありません、お呼び立てして。本来なら私が頼みに行くべきなんですが、少々聞かれたくないお話だったので」「え、はぁ。それで、その・・・頼み、っていうのは何なのかな」「ええ、それなんですが・・・そのー」「???」「か、か・・・かか、かゆうま・・・じゃない、華雄様の事なんですけど。・・・ええと・・・か、華雄様を一日だけ! 貸してください!」『えっ!?』「あの、変な事をするつもりはないんですよ!? 本当です信じてくださいお話したりお食事したりしたいだけなんです一緒に! こういうお話、ご本人に聞いたところで断られるのは目に見えておりますし」いや、そんなまくし立てなくても・・・と言いたくなるくらいの早口で、廖立は一気に言い終えた。何で華雄に? という質問に対しての廖立の言は・・・解りやすく言い換えれば「私、華雄様の大ファンなんです!」である。ミーハーと言うか何と言うか。しかし、廖立は華雄が夏侯惇相手に渡り合った4人の筆頭各である事を知っており「前からお近づきになりたかったのです!」と言う。反董卓連合時の情報まで仕入れている辺り、その入れ込みっぷりが窺える。「最初は知りませんでしたが、この長沙に攻め込んできた劉備軍の中に華雄様のお姿を見つけたときのあの喜び! しかも、華雄様は同性愛sゲフンゲフン。なので、大丈夫のはずです! 当然お礼はさせて頂きますし変な事も致しません、考えていただけませんか?」何が大丈夫なのかと子一時間問い詰めたいところだが、これに対しての劉備、諸葛亮の反応は・・・「(熱心な姿を見て)ああ、華雄さんの事が本当に大好きなんだなぁ。別に変な事企んでる訳じゃないみたいだし、友達になりたいって言うだけなら構わないよね?」(言葉通りの反応「あ、これ絶対変な事考えてる・・・でも、別に華雄さんが大変な目に合っても問題ないから構わないよね?」(深読みしすぎ『・・・解りました!』受け取り方に凄まじく剥離があるような感じだが、結果的な判断は同じ。~~~帰路にて~~~今回の件については、劉備と諸葛亮では捉え方が違った。理由は前述の通りだが、諸葛亮は「ここで廖家を完全にシンパにしてしまおう」という目論見がある。華雄一人で、たった一家であっても富豪が親劉備派に傾くなら(諸葛亮にとっては)安いものだ。帰路にある二人はとり止めの無い会話をしていたが、諸葛亮は(さあ、どうやって説得しようかな?)と考えてもいる。普通に言っても、華雄の性格なら拒否するだろう。となれば搦め手。徐栄あたりを丸め込んでしまうほうが早そうだ。徐栄も普通の説得には耳を貸さないだろうから・・・そうだ、脅迫しよう。「華雄さんの兵士の給料を払えなくなっちゃうから」とかで。ついでに呂布の食費も払えない(これは本当に大きな負担であるが)とか言えば、渋々従うだろう。渋るのは解っているのだから、更に「華雄さん達が生きていられるのは・・・桃香様のおかげですよねぇ?」とか言えば完璧。それで行こう。「・・・ねぇ、何か凄く怖いこと考えてないよね?」「はわわっ!? な、なんでもないでーす、えへっ☆」劉備の問いに、諸葛亮はあどけなく笑うが・・・黒かった。とてつもなく腹の中身が黒かった。そんなこんなで送り込まれた華雄が実際にどんな目に合ったのか、だいぢぇすと。1。「さぁ、華雄様・・・この服をお召しになって、食事に参りましょう!」「・・・こんな、貴婦人が着用するような服が私に似合うわけが・・・」「着てみなければ解りません、さあ、挑戦です!」「いや、何にだ?」2。「あぁぁ・・・華雄お姉様・・・素敵な、素敵な腹筋です!?」「待て、人の腹を触るなっておい鼻血出てるぞお前!!!」「ああ・・・あああぁぁあっ!! この、柔らかさと鍛え込まれた筋肉の硬さの絶妙な混ざり具合・・・猫のようなしなやかな肢体っ・・・! す、素敵過ぎて鼻血どころか耳血も出そうです・・・♪」「風呂場で何・・・え、耳血???」3。「お前な!? 昼間の飯はともかく、寝る時にまで・・・しかもこんなヒラヒラがついた服を着ろって言うのか!!!!!」「はい、華雄様にとても。とぉーっても! よく似合うと思います♪」「ち、ちっくしょう・・・うう、こんな服来たって知られたら周りにどんだけからかわれるか・・・(涙」(ああ・・・華雄様が涙ぐんで・・・舐めたい、じゃなくて慰めないと・・・はっ!? では、あの服には華雄様の残り香・・・はぁ、はぁああぁぁぁああっっっ・・・(ヘブン状態))・・・。子供のわがままに付き合ってたも同然で、とんでもなく疲れたようです。(ぇろーす要素一切無かったとか。)そんなこんなで、トンデモな目にあった華雄であったが、廖立から「お友達になってください!」とせがまれ、ほぼ一方的にお友達にされてしまった。一日中振り回されて、戦をしているよりも疲れたが・・・まあ、時には一日遊び倒すのも悪くないか、とは思える。変人と言うか徐栄と同じ変態臭のする廖立であったが、馬の早駆けを体験させてやったら随分と喜んでいた。本人は馬に乗れないので華雄の腰辺りにしがみついていたが、駆ける速さと身に受ける風の心地よさに、終始ご機嫌だった。(そう言えば、この年齢で富豪なのか・・・ん? 友人はいないのか?)廖立の家人にそれとなく聞くと、親が前に死んだばかりで、自身が商売で生計を立てることになったのだとか。そのせいか、同年代の友人もほとんどおらず、仕事ばかりの寂しい毎日であったらしい。そんな時に華雄に惚れ込んだ(?)らしく、今回のような騒動を引き起こしたのだ、と言う。こんなに喜んでいる姿を見るのも久しぶりだとも言った。「我侭なお嬢様ですが、時折でかまいませんので遊び相手になってあげてください」と頭を下げられてしまって、華雄も「どうしたものやら・・・」という反応。この日から、本当に時折しか来ないが、廖立から招待される度に華雄は「ったく、しょうがない」と言いながら出かける事になった。この二人が友人・・・? となった事がどんな意味を持つのか・・・それが語られるのはもう少し後。~~~楽屋裏~~~もういいよ設定上をそのまま話に組み込むよあいつです(挨拶批判? があったこの騒動に少しだけの救済を。さて、廖立は・・・実際には政治才能はあったけど人格が悪くて自滅、とどこぞの「牧童程度の小物」と孫権に酷評されたアレと同じようなタイプの人です。この世界では性癖(筋肉フェチとか・・・何というか)に問題が・・・あ、この世界の人ってそんなばっかでしたね。韓遂とか(ぁぁぁぁ