【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第105話。江夏城外。負傷した高順は、ここに陣を設営して傷を癒していた。既に劉備軍は民と共に入城しており、高順隊はそれに少し遅れて到着している。劉備から「これからの事を話し合いたいという要望があって城に招かれたが、高順はこれに「俺が行かなければいけないのか?」と断っている。話し合いたいのならお前らが来い、と言わんばかりの態度なのだが、高順も高順で重傷を負っている。楽進や趙雲も「こちらから行く必要はない」と言っていたが、これは高順の体を重んじてのことである。事実、高順の容態は思わしくない。胸の傷は前よりも拡がって、楽進の治癒でも中々治らない。また、鎧内部の金属、これがささくれのように割れて高順の体に突き刺さっていた。それが胸の傷にも突き刺さっていて、余計に悪化した原因の一つとも言える。また、左手の傷も酷い状態だ。拳が割れた、というよりも手の甲が割れた、という表現が正しいのかもしれないが、手の甲に幾筋もの裂傷が出来てしまって、一部掌に達成しそうなものがある。これほど酷い傷で夏侯惇相手に奮戦していた、というのは驚嘆に値するのだが・・・。しかし、傷を増やしすぎだ、と回りは不安になってしまう。特に、高順の体の容態を見る機会の多い楽進はそれを良く実感している。戦うたびにどこかに傷を作って、それでも今までは何とかなってきたものだが・・・今回の負傷は余りにも厳しい状態だ。だからこそ、治療に専念するべきで、城に行かせるつもりは無い、というのが本音と言う事だ。味方なのかどうかも解らず、何をしてくるか解らない劉備相手では尚更、というのが楽進の意見だった。趙雲、周倉、沙摩柯も同意見で、もし高順が自分から行くといっても確実に止められていたのだろう。もっとも、交渉自体は魯粛の仕事である。高順がいようといまいと、それ自体に違いは無いのだが・・・魯粛は、この状況を利用したい、と高順に申し出ていた。「状況を利用・・・?」「おうとも。」高順の使用している天幕内。高順は寝台に寝かしつけられ、そこには周倉、趙雲など、現在の高順隊の主だったものも揃っている。「どういう意味ですかな?」「おっとと、そんな怖い目で睨まないでくださいよ。美人が台無し・・・いやだから怖いって!」魯粛のおどけた冗談に、趙雲は槍を持ち出しかけた。性格上、普通なら冗談には冗談で返すような趙雲であるが、高順が重傷であったせいかかなり気が立っている。「趙雲殿、落ち着いて・・・ゴホッ」「む・・・」高順が咳き込みながら仲裁し、趙雲もこれには黙って従った。「で、魯粛。利用って?」「あ、ああ。俺らは劉備・・・ま、実際は関羽だが、頼まれて張飛・華雄、ついでに民の護衛に回ったわけだ。本来なら立場が上の俺らに。」「ん。それで?」「その結果、旦那が重傷。冗談でもなんでもなく、一時的とは言え命がやばかった、と。こりゃ誰の責任になるのかねぇ?」「・・・。俺が弱いから、で終わらされるのでは?」「かなぁ? そもそも、劉備がきっちりと自力で民を守りゃそれで良かったんだ。それを救援に来て「やった」旦那にやらせたんだぜ? これは大きな失点さね」「そ、そーゆうもんかな・・・」「そーゆうもんさ。ま、旦那にゃあ悪いがこれはこっちに良い手札。もし奴らが「傷を負うほうが悪い」だのと言い出したら・・・へへへ、劉備嫌いの旦那にゃ嬉しい話かもね?」にっしっし、と意地の悪い笑みを見せる魯粛。「劉備はそこまで阿呆じゃないと思うけどな・・・」「そりゃそうさね。あいつらだって流石に自分達の立ち位置くらいは自覚してるだろ。だから、交渉がより有利になった・・・ってね。」なるほどねぇ・・・と、高順は相槌を打つ。「使えるもんなら、いくらでも使えばい・・・ケホッ」「おいおい、無理しなさんな。」「ゲホッ、ゲホッ! はー・・・流石にあんた一人じゃ不安だ。趙雲殿と沙摩柯さん、護衛を・・・」「解ったから無理して喋るな」「その通り。きっちりと役目を果たしますゆえ、高順殿は静養なされよ」「ん・・・済まないな」そんなやり取りをしてから、魯粛は勿体ぶりつつ江夏城へと向かっていった。そして翌日。まだ体調が思わしくない高順が寝台で暇を持て余していると「旦那ー! 上手くいったぜぇー」と、魯粛が上機嫌で天幕に入ってきた。「お・・・上手くいったのか? そりゃ良かった。交渉の内容はどうだったよ?」「にひひ、ほとんどこっちの思惑通りさぁ。きっちり説明すっから聞いててくれよ」魯粛の説明によると、劉備は同盟を結びたかったようだが、魯粛は「助けを求めて同盟ってのは都合よすぎねぇ?」と散々に苛め抜いてきたらしい。結果的に従属に近い形での同盟、となる。とはいえ、命令を無理やりとか、強制させるようなことはしないという事であるらしい。魯粛に寄れば、周瑜は担ぎ上げる形で劉備を利用しても、戦力的には何一つの期待をしていないのだ、という。自分が受けた説明と違うと思うのだが、そこは「もし戦力があれば使ってやっても良いが、隠そうとするだろう」との事で・・・つまり、期待以前に信用してない、という話だとか。あくまで開戦する為の方便として利用して、それ以上の価値は無い、と判断しているらしい。で、反対派を説得する為に、いう話になったらしい。説得に当たるのは諸葛亮で、護衛に華雄・・・という人選になった、と言う。「華雄姐さんが・・・」「そ。ま、これは上手い人選だわなー。旦那にとっちゃ華雄さんは取り返したいけど、一応は客だからな。強奪とか出来んし。」諸葛亮に迷惑イコール華雄に迷惑。そういう事か、と高順は舌打ちした。「じゃ、俺からは嫌がらせできないって事か・・・チッ!!」「チッ、って・・・ああ、旦那やっぱやる気満々だったわけね。いや、それはともかくも、この説得って意味無いんだよなぁ」「まーな。最初から開戦したいだろ、孫策殿は。もう曹操には両者が通じてると思われてるんだから、向こうにとっちゃ戦う相手、敵勢力の1つさ」「そゆこと。まぁ、そーいう理由で諸葛亮を寿春まで護衛せにゃならんわけだ。」「嫌だ、つっても通らないよなぁ。華雄姐さんを守る為だからと思えば・・・仕方ないな。それに、あくまで説得の為で、人質にするつもりも無い、か。」「・・・。なぁ、旦那。前から思ってたんだけどさ。そんなに劉備・・・劉備陣営の連中が嫌いかい?」「うん」「・・・。」間髪を入れない即答だった。これより数日後、劉備陣営からは諸葛亮と華雄、それに護衛の兵として500ほどを付けられ、孫家へと送り出される。高順も負傷を押して(この時は南中で使用していた軽鎧を装備していた)共に寿春へと向かうのだが・・・華雄も高順も、行軍中は「公務だから」と、馴れ合うようなことはせず、私的な交流をするのは野営をしている時くらいだったという。~~~ちなみに、魯粛と劉備の交渉の一幕~~~「ところで、劉備殿には何処か頼るアテがあるんですかい?」魯粛は途中でこんな事を言い出した。それまでは当たり障りの無い発言ばかりであったが、劉備は事前に諸葛亮らと相談して、この質問が来るのを待っていた。「実はですね、蒼梧(そうご)郡の呉巨(ごきょ)さんを頼ろうかと!」(蒼梧郡は、現在高順が統治(?)している交州の領内に当たる)「蒼梧の、呉巨・・・?」「はい、私の昔馴染みなんです!」「へぇ・・・なるほど」これは諸葛亮の考えだが、呉巨の名前を出すことで不安を煽って「それよりも孫家に協力するほうが良いですよ」と魯粛に言わせようと言うものだ。孫家に頼っておいて何をいまさら、とは思うが、少しでも良い立ち位置を確保する為であって、小勢力であれば仕方のない措置とも言える。が、しかし。「無いよ」「えっ?」「呉巨はもういない」「・・・ぇぇ、とぉ・・・それ、どういう・・・?」「そいつ、もう孫家に降伏してるんで。ついでに交州も孫家が領有してますぜ?」「・・・。嘘ぉ・・・」出鼻を挫くつもりが、逆に挫かれた劉備であった。~~~完 了~~~寿春には特に何事もなく到着。まず孫策に報告を・・・と行きかけた高順を、魯粛が「いやいや」と制した。「? 何で止めるんだ??」「旦那、報告は俺とあのおっかない姉ちゃん(趙雲の事らしい)でやっとくからさ。旦那は傷の治療に専念しなよ。」「む。いや、しかし・・・」「胸の傷も左手の傷もあまり良くなってないんだよな? あの華佗って先生のとこに行って来なよ。事情説明しとくからさ」「そうか・・・解った。すまないな」そう言って、高順はふらふらと歩いていく。それを後ろから見送る魯粛は(やっぱ上が無理させすぎなんだよなぁ・・・ま、曹操との戦いはもうちっと先だ。上にも言っておくから旦那は休んでなよ)と、友人の体調を気遣うのであった。~~~華佗の部屋~~~「そういうわけだ」「そんな事を言われてもな・・・しかし、お前も苦労するな」事情を聞かされた華佗は、すぐに高順の傷を見た。胸の傷、左手の傷。左手は然程時間がかからないだろうが、胸の傷が深すぎる。これらを見た華佗はすぐに表情を変えて「これは・・・時間がかかるな。」と、自分の技術でも完治するのは手間がかかる、と念を押すのだった。これ以降、体の治療に専念する事となる。そうは言っても、毎日のように誰かしらが訪ねてきて、特に暇だという事も無かったようである。最初に駆け込んできたのが馬超・馬騰・馬岱あたりで、あまりに(馬超が)やかましい事この上なかったので華佗に追い出された、という話もあったり・・・。後日、孫策や周瑜まで来るのだが、それはそれである。さて、諸葛亮の説得だが、これは出来試合のようなもので、反対派の意見を極力抑えさせるという孫策・周瑜の行動で、最初から諸葛亮の勝利が決まっていたようなものである。開戦反対派である孫暠や、孫暠とは別の派閥である張昭らは殆ど何も言わせて貰えず、開戦と言う運びになった。張昭らは決まってしまったものは仕方ない、として開戦の為の準備に入るのだが、こうなると面白くないのは孫暠。彼は「曹操に勝てるわけが無いし、このまま降伏したほうが利口だ」という意見だが「今の孫家であれば互角以上に戦える」と孫権に反論されている。何度も降伏したほうが良い、と言っても全く聞き入られること無く、開戦すると決定、軍議が解散されたのだが・・・「ちっ、面白くない」と、孫暠は不機嫌だった。孫策ならばともかく孫権に意見をされ、しかもそれが通るとは。孫策は亡き孫堅様の嫡子で、孫家の跡継ぎと決まっている。そこに不満は無い。しかし、孫権のような実績も実力も無い小娘が自分より上位であることには納得できない。大体、曹操との戦力・兵力差は明白ではないか?なのに孫策は戦うと言う。降伏すれば戦も起こらずに兵はもとより民の被害も無い。孫家も重く用いられて安泰であろうもの。これは普通の考え方だが、曹操は孫策と、孫策も曹操と戦いたがっている。それが解らない孫暠には、孫策が何故こうまで戦いたがるのか・・・それがどうしても理解できないのだ。また、孫暠は孫策を嫌っているわけではない。新参者を重用したり、政策的に敵対しているだけで、孫策個人への恨みと言うものは何も無いのである。が、それもそろそろ我慢の限界だった。高順という新参者の重用ならばまだしも、今回は事が大きすぎる。かといって、自分の意見など容れられまい。孫暠は鬱々としながら自邸に帰ることしか出来なかった。夜中、孫暠の邸宅では宴会が催されていた。と言っても仲間内・・・意見の合うもの同士の内々の愚痴り合いのようなものである。そこでは孫策や孫権では頼りにならぬ、やはり孫暠様でなくては、だの、大体、あのような無骨者ばかり重用されて・・・だの。「弟の孫瑜殿、孫皎殿すら孫策様に尻尾を振る始末」「さよう、兄である孫暠様に従わぬなどもっての外・・・」「いや、周瑜殿も周瑜殿よ。諸葛亮といったか、あのような小娘の意見を肯定ばかりして。」「そもそも、劉備の使者というが、孫策様は劉琦と盟を結ぶということではなかったか。劉備など劉琦の配下・・・にも拘らず大きな顔を」こんな感じである。孫暠はそんな意見、というか愚痴を聞きつつ杯を煽っていた。こいつらはこいつらで・・・と、苦々しい顔つきである。そんな中、2人の男が「孫暠様、おひとつ」と酒を注いできた。「ところで孫暠様」「何だ?」「孫暠様はこのままで良いとお思いで?」「・・・、何が言いたい。」孫暠はその男達の顔をじっと睨んだ。「いやいや・・・しかし、孫策様では駄目ですな。先の展望が全く無い。そこを行くと孫暠様は違う・・・いかがでしょう、孫暠様にその気があれば協力いたしますぞ」孫暠に不穏な話を持ち込むその2人。名は、爲覧(ぎらん)・戴員(たいうん)と言った。~~~楽屋裏~~~短い? だが知らんわっ! あいつです(挨拶ようやく暗殺にかけて動き始めました。諸葛亮の論戦とかは特に重要じゃないんでばっさり切りました。このお話的に現時点で劉備陣営はその他大勢扱いです。赤壁の主力になれる訳でもありませんし、あくまで担ぐだけw爲覧(ぎらん)・戴員(たいうん)? 誰それ? って感じですが、これは孫策の弟の一人である孫翊(そんよく)を暗殺した3人のうちの2人です。もう一人は辺洪(へんこう)というのですが、これは前述2人に罪をかぶされて殺されたので除外です。この2人は盛憲という人の配下でしたが、それを孫権に殺された後に孫翊の部下に、という良く解らない人々です。今回の場合は孫策に恨みがある・・・と言う事でいまさら過ぎますがかなり脚色されてます。さぁこれで孫策暗殺フラグがビンビンです。これを防げるのか、防げたとしてこの後の展開をどうするのか。作者は全く考えておりません。川の流れのようにその時の状況で変えます(最悪ですしかし、今回は短い。暗殺まで書くと前回みたいに無駄に長くなるので、それは次回に持ち越したいと思います。その代わりに、「日常」でも・・・~~~ちょっぴり息抜き、寿春的日常~~~高順は久しぶりに寿春市街を一人歩いていた。胸の傷も左手の傷も完治したわけではなく、まだ包帯を巻いているものの、初期に比べれば痛みも収まったし、膿んだりもしていない。ということで、息抜き程度なら外出をして良いぞ、と許可を貰い久々の散策である。昨日まで、随分沢山の人々が見舞いに来ていて、暇と言う事も無かったが・・・孫家の主要な面々はほとんどが様子を見に来ていたし、孫策と周瑜まで来たのは流石に驚いた。二人はまず高順に「悪い事をした」と侘び、傷の治り具合などを尋ねてきたり・・・と、これは負傷者に対して妥当な反応である。周瑜などは、高順がここまでの傷を負う状態と言うのは完全に予想外であった。彼女は高順にもう1つやって欲しい仕事があったのだが、この負傷では当分動けない。これは劉備に出し抜かれない為の仕事であり、これならば高順も文句は言うまい、とは思ってはいる。彼を駒の様に扱っている現状。これ以上無理をさせるのは高順に酷だし、彼の部下が納得しない。馬騰殿の領地のことも考えると、無理をしてもらわなくては困る・・・のだが、華佗曰く「下手をすれば命に関わる」程の重傷。無理をさせすぎた分、少し休息を与えたほうが良いだろう。仕事の話はすまい、と決める周瑜。そして孫策。「んなもん酒でも呑んどけば治るわよ?」と抜かし、高順に「酒を呑めない俺にそれを言いますか・・・」と反論され。「酒など呑んだら余計に悪化するぞ。」と華佗にまでつっこみを入れられ・・・。「・・・。はぁ。」思わず溜息をついてしまう周瑜であった。他にも黄蓋や孫権など、親しい人々は高順が重傷を負ったと言う話を聞いて見舞いに来ている。黄蓋は当然かもしれないが、孫権は甘寧に諸葛瑾・歩騭・張承達まで引き連れてやって来た。皆大げさだな・・・と、高順も苦笑するほどの騒ぎである。それはともかく、高順は市街を当てもなく歩いていた。家の中、というのも嫌いではないが、ずっとでは流石に気が滅入ってくるし、それを思えば散歩は良い気分転換にはなるわな、くらいは思っている。市街の賑わい振りやら、人の行き交う市場やら、見ているだけでも楽しいものだ。色々と見て回った高順、少し小腹がすいてきたなぁ、と感じて「どこかに食事処ないかなー?」と辺りを見回す。と、ここで見知った2人が目に映った。臧覇と太史慈である。(な、あの二人・・・一体何を・・・)太史慈が臧覇に気があることは薄々感づいている。だが、こうも堂々と・・・まさかデート? デートですか?それに、臧覇は孫尚香の親衛隊の筈。今日は非番なのかもしれないが・・・高順は物陰に隠れて2人の動向を見守る。見ていると、どこぞの店に入って行く。息仲睦まじく、あれこれと「ああでもない、こうでもない」と相談しているのが解る。だが、何を話しているのか声は聞こえず・・・(むぅ・・・太史慈め、何を話している・・・? くそ、よくも俺の(誤解)臧覇ちゃんをっ)大人げないことだが、高順ははっきりと太史慈に嫉妬していた。臧覇は丘力居同様、高順にとっては妹同然である。それが、結婚して自分の手元から離れていく娘・・・というような、父親めいた気持ちになってしまっているのである。自分に懐いてくれて、自分も色々と可愛がっていたのだから、その気持ちが余計に強いのだろう。しかし、それを小さいと言え声に出してしまったのが高順の命取りであった。「えぇい、太史慈・・・良い奴だと思っていたのに! 俺の目が黒いうちは臧覇ちゃんに手は出させん!! つか、臧覇ちゃんは俺の心の清涼剤なんだ!」(・・・つんつん(誰かが高順の肩を指でつつき「ここで譲ってやるつもりは無いぞ太史慈!! いやそれ以前に臧覇ちゃんは10代半ばなんだぞ? ロリコンか貴様はっ!」(つんつん(気付かない高順「そもそも、丘力居ちゃんが居ない今、彼女は俺に残された唯一の心の清涼剤なんだ! 許さん、許せんぞ太史慈ー!!」「ほぉ・・・?」「へ?」ここで高順、ようやくに気が付いた。自分の後ろに4人の女性が立っていたことを。「なるほど・・・」by楽進「つまり俺達じゃぁ」by周倉「高順殿の心の清涼剤には」by趙雲「なっていなかったわけじゃなぁ・・・?」by黄蓋・・・。「え、ええっ!? なんで皆こんなところに・・・」慌てて後ずさる高順。だが、目の前に居る4人からは不穏なオーラが見えそうになっていた。その4人、冷たぁぁぁぁぁぁぁぁい笑顔で高順を取り囲む。「いやいや、高順殿の見舞いに行ったら既に出かけたと聞きまして」「傷の具合は多少良くなっただろうけど、心配になってさぁ」「探し続けて、漸く見つけたと思ったら」「清涼剤云々・・・と聞こえてきてな。お主ら、先ほどの高順の発言・・・聞こえておったか?」黄蓋の問いに、まるで処刑宣告をするかのように、3人は笑顔を浮かべて言い募っていく。「聞こえました」「確かに言ってたぜ」「私も記憶済みですな」「・・・だ、そうじゃが? 申し開きはあるかのぅ?」「あ、あわわわ・・・」おびえる高順を、4人はがっちりと捕まえ、引きずっていく。「ちょ、ごめんなさい出来心だったんです! 別に皆を軽んじたわけじゃなくてそのっ・・・」「いえいえ、大丈夫ですぞ高順殿。その認識は こ れ か ら 改めてくだされば良いだけで」「え、これからって・・・な、何をするつもりなんだ!? もしかして拷問? 拷問ですか!?」「まさか。痛いことなど何1つありませんよ、隊長。・・・気持ちよくなるだけです、局地というか局所が。」「ぎゃー!? たす、助けっ・・・」「うるせぇぜ大将。男なんだから覚悟決めなって!」「ナニをするつもりか良く解ったけど、俺まだ体がっ・・・!」「勃たなくなっても、あらゆる手管を使って復活させてやるわ。大船に乗ったつもりで任せておけい。具体的に言えば・・・こう、穴に「つぷり」と指をじゃな」「ギャアアア、イヤダーシニタクナーイ!!!」 身悶えする高順を再度がっちりと押さえ込み、4人は意気揚々と引き上げていく。*この後の描写は特に無いです*「・・・? 今、高順お兄さんの声が聞こえたような・・・?」「ん、どうしたんだい?」「え? あ、お見舞いの品、って言っても色々あるんですね。高順お兄さん、何を贈れば喜んでくれるかな・・・」「はは、あいつなら何でも喜びそうだけど。臧覇ちゃんの元気な姿だけでも十分じゃないかな」「・・・そうですか? えへへ」でも、何にしようかな。果物とかが良いのかなぁ・・・と、臧覇は、再び高順の見舞いの品を選び続ける。・・・完全に高順の誤解であった。~~~翌日、高順の部屋~~~コンコン、と誰かが高順の部屋の扉を叩く。「おい、高順。起きているか? 趙雲らの姿が見えないのだが・・・」その誰か、というのは沙摩柯。趙雲達を探しているのだが見つからず、高順に尋ねに来たのだ。が、暫く待ってみたが返事は無い。「ふぅ、まだ寝ているのか。それともどこかに出かけたか」と溜息をつく。「ん? まさか、暗殺とかそういうことは・・・無いだろうな」状況が状況だけに不安になった沙摩柯は、悪いと思いつつも扉をすっと押してみた。(鍵は・・・かかってないか。起きているのか?)思いつつそっと扉を開けて中に入る沙摩柯。だが、入室した彼女が最初に発した言葉、それは。「臭ぁっ!?」室内に立ち込める混沌とした臭い。そこら中に捨てられている、くしゃくしゃに丸められて・・・何かを包んだような紙くず。目がチカチカして、鼻を刺すようなこの臭い・・・あの馬鹿、体調悪いのに犯ってたのか!? と、沙摩柯は目と鼻を押さえて臭気に耐えようとしていた。「ぐぅ、臭、くさ・・・臭っっっ!」そんな大声に気付いたのか、寝台で4人の女性に埋もれていた高順は沙摩柯にすっと手を挙げた。「やぁ、沙摩柯さん・・・良い朝だね・・・」シオシオというか、頬がげっそり落ちて、言われるまでも無くナニをやって・・・いや、寝ている女性陣を見て「ああ、犯られたなこいつ」と正当な評価をする沙摩柯。「って、良い朝、じゃないこの白濁兵器!! いいからサッサと換気しろこのポコチn(にちゃっ)うっわ何か踏んだっ!!!?」この後、当然のように4人の女性陣は華佗にめっさ叱られたと言う。~~~楽屋裏~~~麗大際のパンフ買いに行こうと自転車走らせてたら車に横から追突されたんだ。あいつです(ぁぁぁ両足負傷&自転車お陀仏とか辛すぎる;;皆さんはちゃんと左右確認しましょうね(教訓さて、いつもどおりの茶番です。こういう茶番だけで良いぞ、と言う人はいるのですかね?もっとやれ、とか言われても同じオチになってしまうのですがねぇ・・・w久々の登場となった臧覇ですが、いつの間にやら太史慈と仲良く・・・ロリコンですかそうですね。