【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第89話~~~西涼編~~~曹操軍が来た。Σ(・ω・)戦った。(・ω・)善戦した。(`・ω・´)でも負けた。(つω;`)~~~西涼編、完 璧 終 了~~~嘘。涼州、天水城より東。中原に放った密偵より「曹操軍進発」の報を聞いた韓遂だが、彼女らは既に出撃していた。韓遂だけではない。韓遂、馬玩、張横、成宜、楊秋、侯選、李堪、程銀、梁興、そして馬騰。西涼十軍閥全員が各々の部隊を率いて集結していたのである。勿論馬超らもいるが、彼女達は一部将扱い。基本的に彼らは横繋がりで誰が盟主、と明確には決まっていない。ただ、この中で漢王朝から将軍位を受けている馬騰と韓遂がリーダー格と言える。韓遂はこういった状況では義姉である馬騰を立てる立場にあり、実質的な盟主が馬騰である事は誰もが認めるところだった。何より。韓遂を始めとした武将たち「馬騰たま(義姉上)(´Д`*)ハァハァ」・・・曹操に負けず劣らずの変態共であった。韓遂は馬上にて、すぐ隣にいる馬騰へ話しかけた。「義姉上、曹操は進軍せず許都に留まっている模様。しかしながら、その数およそ14万」「そう。こちらよりも多いのね。」「そうですな。・・・夏侯惇でしたな、あれが帰ってすぐに態勢を整えて逆に一撃を加えようなど。義姉上も中々。」「我ら西涼軍は常に武具を整え、いつでも出撃可能という状態にしているのですから当たり前です。翠ならここまで早く動けなかったでしょうけど・・・それは経験の差ですね。」当然のように言う馬騰に、韓遂はうんうん、と嬉しそうに頷いた。病が快癒したとは言えず時折咳き込む馬騰だが、少し前までのように、寝たきりになることは無かった。「そろそろ、ですかな。翠らは上手くやっているでしょうか?」「守りには向きませんが、騎馬隊を率いさせればあの子に敵う者はそういないでしょう。無茶をせぬように龐徳もつけています」心配は不要です、と馬騰は言い切った。馬超達は3万ほどの兵を率いて長安を強襲している。夏侯惇が帰還した直後の事だ。馬騰も騎馬戦では自信のある方だが、電光石火、という言葉に相応しい馬超の機動力には敵わない。馬騰の言葉に韓遂は頷き、腕が鳴る。と呟く。久しぶりの戦場に彼女の心は躍っていた。久しぶりとは言うものの、韓遂は馬超・馬鉄・馬休、そして馬岱に稽古をつけていた為に腕は鈍っていない。どころか自身も強くなっている。基本は馬騰が稽古をつけていたが、彼女が病にかかった後は韓遂が面倒を見ていたのだ。曹操が強いのは知っている。国力の差でこちらが劣勢なのも解る。だが、そう簡単に負けてはやらん。西涼の狼を舐めるなよ、と韓遂は東を見つめていた。「・・・ところで蛍(韓遂の真名)」「は・・・なんでしょうか、義姉上」「蜂蜜は持ってきてないでしょうね。持って来てないですね!?」「・・・(キュピーン)」「!?」「ふ、ふふふ・・・いやぁ、義姉上は流石にお目が高い。良くお分かりで・・・ふ、くふふふふ・・・」「・・・・・・」韓遂の笑みを見てゾクッといやな寒気を感じた馬騰であった。ほぼ同じ頃、西涼軍先鋒である馬超・馬鉄・馬休・馬岱・龐徳は、曹操領である長安をもう少しで攻略という状況にまで追い込んでいた。同時期、曹操軍。曹操側の動きは、馬騰軍に比べて遅い。公孫賛が来るのを待っていた、と言うこともある。夏侯惇の報告が来る以前から、馬騰が降伏しなかった可能性を考えて軍勢の用意はしていたが、既に「軍勢に加えてくれ」と願い出てきた夏侯5兄弟に7千ほどの軍勢を預け、長安に向かわせている。その長安には3万ほどの守備兵と、曹一族の一人である曹洪が守りを固めている。そこに7千を加えれば攻められても問題は無いだろう。それに、自分のほうが兵力は上、普通に考えれば守備に回ってこちらに出血を強いる戦い方をするはず。西涼軍は城攻めもそれほど得意ではない・・・と見越していたのだ。だが、曹操は完全に見誤っていた。馬騰軍の機動力、攻撃力。騎馬主体の馬騰は、城攻めは不得手だろうから向こうから攻めてくることは無い、という思い込み。曹操の余裕と慢心が、長安失陥というまさかの事態に陥る。~~~長安、東門~~~曹洪は何とか残った兵をかき集めて、曹操が向かってくるであろう東へと駆け抜けようとしていた。「くそっ、まさか奴らがここまで・・・」曹洪も曹操と同じく騎馬主体の馬騰軍が攻城に慣れているとは思いもしなかったし、こうも一方的な展開になるとも思わなかった。曹操からは「固く守って自分たちの到着を待つように」と命令を受けていたが、馬超らの挑発に耐え切れなくった曹洪が夏侯兄弟を率いて1万からなる兵を率いて出撃。だが、馬超の攻撃力を甘く見たこと、先鋒に出した夏侯楙があまりにボンクラすぎた事、という条件が重なり見事に大敗、その上に潜んでいた部隊(馬鉄・馬休)の数十人が長安に撤退した兵の中に紛れ込み、数日後の夜半に開門。電撃的に攻めてきた馬超隊によって瞬く間に主要部を制圧されてしまう。その数日間に、曹洪は曹操に「早く援軍に来てください」という旨の急使を出しているのだが、それも無駄だった。龐徳に言い含められた馬岱が、少人数で編成された強襲部隊を選抜。長安付近に散らせて急使を全て捕縛していたからだ。挑発に乗った自分が悪い。悪いのだがあれほどの突撃力・・・過去に虎牢関で見た呂布軍、或いは高順隊に比するものだった。あれを止められるのは、曹操様、夏侯惇殿、夏侯淵殿・・・ソレくらいしか思い浮かばない。そして、その3人に及ぶはずのない自分では止めるどころか相手にならなかったのだ。曹洪は何とか敗残兵を纏め上げ、包囲の及んでいない東門を抜け一気に東へと駆け去った。その殿は夏侯覇を始めとした夏侯姉妹(覇を含め、そこから下は全て女)が努め、追いすがる西涼兵を斬り捨てつつ、自分達も撤退に成功している。とはいえ、そこからも苦労の連続だった。先に挙げた、馬岱の選抜した強襲部隊が撤退していく曹洪部隊に対しても効力を発揮していたからだ。実は、龐徳はこうなることを予見していた。全滅させるのも容易かったが、それはしない。曹洪をズタボロにして、急使ではなく、ズタボロにされた本人は「馬騰軍の強さは並みじゃない。先鋒部隊にすら手が出なかった」とでも言うだろう。そうすれば、曹操も少しは警戒して迂闊に攻めて来る事は少なくなる。その内にここから東の潼関あたりまで手中に収める、そこに陣を張り、曹操との決戦を・・・と思っている。馬騰、韓遂も最初から守りの薄い長安ではなく潼関で決戦を行うつもりであり、龐徳はそこまで読んでいる事になる。さて、その頃の馬超は、と言うと・・・。~~~長安政庁、太守の間~~~「おっし、こんなもんか。」曹洪が撤退した事を知って、北と西を攻め取っていた馬鉄・馬休を呼び寄せて政庁へ突撃。自分が一番乗りを果たしており、今は側に馬休・馬鉄と僅かな兵を置くのみだ。抵抗していた兵もいたが、あらかた掃討、或いは降伏せしめた。まだ龐徳と馬岱が市街の残兵制圧を続けているがすぐに終わるだろう。完全とは言えなくも長安を陥落せしめた、と言える。市民に対しての処置は母様と伯母上が来るまで・・・いや、こういう時は家とか住む場所がなくなった奴らに炊き出しだっけ。「高順は何て言ってたっけなぁ・・・?」「へ? 何が?」「何がですかー?」馬超の独り言に馬休と馬鉄が反応する。「いや、戦いが終わったろ? そーなると炊き出しとか・・・」と言ったところで、太守の座る椅子の後ろから「ゴトッ」と物音がした。その場にいる全員が反応して椅子に向かって獲物を構える。「誰だっ! 何者か知らねーけど、とっとと出て来い!!」馬超の恫喝に怯えたか、腰を抜かしたか。椅子に隠れていた男が震えながら出てきた。夏侯楙(かこうぼう)である。この男、逃げようとしたのだが、東に向かったはずが何をどう間違えたのか北に向かってしまい、そこも既に制圧されてしまって仕方なく政庁で隠れていた。しかも、曹洪に合流しようとしたわけではなく、単騎で逃亡を図っている。「うぅっ・・・頼む、命だけは・・・って何だ、女か!?」「声を聞いて解れよ! ってか誰だよお前」馬超の当然過ぎる突っ込みに答えることなく、夏侯楙は胸を張った。「俺は夏侯楙、字を小林! 夏侯惇殿と夏侯淵殿と同じ夏侯一族だ! どうだざまーみろ!」「・・・何だ、ただの馬鹿か。」「馬鹿だね。」「お馬鹿さんよねー。お馬鹿さんだねー。」馬家の三姉妹は極めて正当な評価を下した。「くぬぅぅうあう!!!?! この俺を、馬鹿にしたなああああっ!!」正当な評価を下された夏侯楙は、ぶんぶんと頭を振って否定した。「俺は馬鹿じゃない! 俺は優れているんだ! 金儲けが趣味で何が悪い!!!」「いや、誰もそこまで言ってない・・・まあ、馬鹿以下の阿呆みたいだけど。」「うん。」「ですねー。」「ぬギャああァァ貴様ら今すぐうおg;をh@0あqgr(聞き分け不能」更に正確無比な評価を下され、夏侯楙は完全にぶち切れた。大げさな身振り手振りで、馬超を指差す。「女ぁっ! 貴様、俺を怒らせたぞ! 今のおr「良いからかかって来いって・・・うざったい奴だなぁ」馬超は夏侯楙の言葉を遮って、再度槍を構える。「ふ、くっくっく・・・ならば見せてやる、俺の、この夏侯楙の秘奥義を!」「へぇ、見せてもらおうか。」何を見せてもらえるのだろうな、と馬超は少し楽しげであった。秘奥義と言うのだから、つまらないものではないだろう。「見せてやる! 喰らえぇーーー!!!」叫んだ夏侯楙は、太守の間の壁にへと一直線に走り、そして!「きえぇぇえぇぇぇぇぇえぇぃぃぃっ! 鷹爪三角脚!!!」ただの三角飛び蹴りを放ったのである!ずごっ!「おぎゃああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!????!!?」馬超の槍、「銀閃」が隙だらけの夏侯楙の股間を撃ち抜いた。「・・・期待して損した。」馬超の溜息をよそに、男にしか理解できない痛みに悶絶しつつ、夏侯楙は地面を転がり回る。血とか変な汁とか撒き散らしてのた打ち回っていた夏侯楙だが、その辺の柱に頭から突っ込んでしまった。ごずっ! と鈍い音が響く。「うわらばっ!?」と悲鳴を上げ、そのまま夏侯楙は動かなくなった。馬鉄がつんつん・・・と槍の穂先で夏侯楙を突いてみたが反応がない。ぐったりした夏侯楙の顔を覗き込むと、白目になって泡を吹いているが、呼吸をしていない。結論。「・・・ねー、こいつ死んでるよー?」「あっそ。燃やしてどっかに埋めとけ」「はーい。」すっごく冷たく言い放つ馬超に、馬鉄が挙手して答えた。夏侯楙、字を小林。ついでに真名は涙。馬超との戦いに敗れ(?)討ち死に。お金儲けが趣味で、実際に戦った馬超から「武辺ってのが欠片も無かったよなぁ」と評された男である。趣味もそうだが、能力も無い癖に自分が優れていると思い込み、妹達には尊大に振舞っていたため凄まじく嫌われていた。その死を後に知った曹操は「あ、そうなの?」という反応。夏侯4姉妹は「せいせいしたよ、うん」という反応でしかなかったそうな。つまり、実害無しという扱いだ。未だ許都にある曹操は、命からがら洛陽まで逃げてきた曹洪の使者より長安陥落を知る。報せに「甘く見すぎたか」と反省する曹操だが、「だからこそ戦う甲斐がある」と自身を奮起させ西を目指して進軍。この時点で公孫賛は到着しておらず、置いてけぼりを食らう羽目になる。行軍中にソレを知った公孫賛は「ふざけんなー!?」と叫んで、休む間もなく曹操を追いかけて西へ向かうのだが・・・どうにも、運の悪い人であった。~~~交阯、政務室~~~「ほぅ、太守様は南蛮と結びたい、と」「ん。」劉巴の言葉に、高順は素直に頷く。「一切の権限は太守様に、というのは孫策様のご命令ですが・・・ふむ。」「俺たちの現状目標は蜀の劉璋ですからね。南蛮を敵にするつもりも、そんな理由も無いんです。出来れば同盟か相互不可侵の盟約を結んで、蜀へ行きやすくなるように「道路作らせて」とか我侭言うつもりですけどね」その我侭さえ容れてくれれば、向こうに有利な条件で同盟結んでもいいんですけどね・・・と高順は腕組みをする。それを聞いて、劉巴は苦笑した。まったく、このお人好しの太守様は。普通、外交と言うのは両者に利益を、かつ少しでも自分に利益のあるように、と動くものだ。目端の利く者であれば、更に自分自身に利益を、と考えるものだが。それを、目の前にいる太守は同盟さえ結ぶことが出来ればこっちが損をしても良い、と言いきっている。どうしたらこうも栄達とか利潤に対して我欲の薄い性格になるものかな・・・と疑うほどだ。そこにはそれなりの打算、つまり蜀の、例えば江州や成都を取ればそれ以上の利得はある、という事は解る。そこから東に進んで永安経由で荊南に進むか、北上していくか、それとも周りを固めるか・・・そこは孫策の気持ち次第だが、そこを取っても高順は太守にはなれない。孫権が来るからだ。なので、実質的に高順が得る物は何も無い訳だ。それを言った所で本人は「別にいいんじゃね?」とあっさりした反応が返ってくるのが目に見えている。「太守様は利益を望まぬと仰せですか。平穏を望んでいる、とは聞きましたが・・・他に欲は無いのでしょうか?」「んー。・・・官位?」「! ・・・ほぅ、官位、と。どのような理由で?」「いやー、これまでついて来てくれた人・・・楽進とか趙雲さんとかなんだけど。」「太守様に初期から従った方々ですか。」「そう。なんだかねぇ、お金以外のことで報いてあげられないもんかなぁ? と思ってね。皆、ちゃんと自分の部隊を持ったわけだし、そろそろ将軍位とか欲しいだろうなぁ」あんだけ苦労かけといて、俺がしてあげたことって何も無いんだよなー・・・と高順は嘆息する。「いや、それは太守様が欲しい訳ではなくて、趙雲殿達にあげたいだけ、では・・・?」「うん。」ああ、うん。解っていはいたけど駄目だこの人。「あ、あのですね・・・太守様。皆様が将軍位を貰って名乗るには、まず太守様こそが将軍位なり官位なりを貰うべきなのですよ?」「え? 俺が?」「はい。彼女達はどちらかと言えば太守様の私兵というか・・・。とにかく、順序としては貴方が先にあるべきです。まず、交阯太守を狙うべきですね」「・・・・・・・・・。どうやって?」「それは、孫策様に貢いで覚えを良くして、ですね。漢王朝に働きかけていただかなくてはどうしようも」「・・・。」この発言に遠くを見つめて「望み薄だなー・・・」と抜かす高順だが、他に手が無いでもない。一番手っ取り早いのは高順が漢王朝に直接朝貢を行う事だ。ただし、それを行えば独立を狙っていると同義。まず孫策から疑われて・・・生き残れない。(何より、腹芸も出来そうに無いですしね、この人・・・。賄賂を贈ることはあっても、自分では絶対に受け取らないから権力者からするとやりにくい事この上ないでしょう)上司や部下からは認められているのに、どうも周りの評価が芳しくない。自身に対しての評価はそれほど気にせず、金にも権力にも恬淡として、周りの事を気にするあまり自分自身の事を考えていない。なんとも生きにくいと言うか、馬鹿というか。その馬鹿をずっと押し通して生きているのだからある意味で大したものだと思うが・・・だから周りが苦労し、やきもきするのだろう。と劉巴は趙雲らの苦労を思い遣った。(しかし、官位か。確か、孫策様に与えられた官位と将軍位は呉侯・討逆将軍。雑号将軍か。それでは他者に官位を与えられる段階ではない・・・太守様ではないが、望み薄か)雑号将軍、というのは権力者の都合によって量産される将軍位で、その中でもそれなりの順位があったりする。(むー・・・)と、劉巴は腕組みをして考える、自分のことが二の次、というのは社会・組織の中で生きていくうえでは致命的な駄目っぷりだが、官位が欲しいとか、部下に報いてやりたい、という気持ちは権力者としては悪くない姿勢だ。ただし、主である孫策が高位高官ではない為に与えられるものがない。となればやはり独自に朝貢を、となってしまうが、そちらのほうが危険は大きい。今の漢王朝を牛耳るのは曹操。それだけの経済力、主である孫策を蔑ろにする行為。かの人がそういった部分を見逃すはずも無い。絶対に切り崩しの工作を仕掛けてくるはずだ。しばし考え、劉巴は「やはり無理だな。この件は今は考えないほうが良い。まだその段階に達していない」と、現状からあっさりと切り離す。そうやって劉巴が一つの考えを終わらせた頃に、唐突に「影」が天井裏から舞い降りてきた。その「影」の手には一枚の書状が握られている。「ん? 何かあった?」高順の問いに、影は畏まって答える。「はっ。南蛮王孟獲殿よりの御返事にございます。これを」「おお、もう返事が来たかっ!?」影は、高順に書状を渡して再び天井裏へと姿を消す。「・・・南蛮王からの返事? 太守様、それはどういう」書状の封を開けて拡げている高順に、劉巴は疑問を投げかける。「同盟しましょ、良い関係を築きましょ、という手紙を送ったのさ。時間がかかるかなぁ、と思ってたけどけっこう早く返事が・・・おおぅ。話し合いに応じてくれるってさ!」「は、はぁ・・・」自分が知らない間に手紙を出していたのか・・・しかも、孫策様からの指令が来る前に。抜け目がないのか、独断専行の気があるのか。「よし、そうとなれば善は急げ、だ。すぐに兵を用意して・・・そうだ、南蛮の人ってどういう贈り物すれば喜んでくれるんだろう?」「はい? まぁ・・・無難に金銀、食料。といった所ではないでしょうか」「やっぱそこら辺か。よし、連れて行く兵はそれほど多くなくて良い。けど、万一の為に3千ほどはいつでも出発できるようにしておいて。人選は任せます。あと、贈り物も多めに用意しておいてね。」話を進める高順に、劉巴は待ったをかける。「は・・・あの、本当に行かれるのですか? 罠かもしれませんよ?」「向こうがこっちに罠を仕掛ける理由は無いと思うね。 ま、そうなっても問題ないように連れて行く人数を抑える訳だし、話し合いをしましょう、と言いだしたのはこちらだしね。誠意を見せる必要はあると思うのですよ。」細かい事はいいから早く早く。と高順は劉巴をせっついていく。「誠意はともかく少しも細かくは、じゃなくて今からの政務はどうなされるんです!?」「何も聞こえないなぁハハハハハ。」「誤魔化そうとしている!? 止めても無駄でしょうから止めはしませんが、本日の政務を終えてからになさいませ!」「ちょ・・・いだぁっ!? 劉巴殿、何その握力・・・いだだだだだああっっっ!!??」高順は劉巴に首根っこ掴まれ力ずくで連行されていく。じぃっと劉巴に見張られつつ「早く行きたいのにー・・・」とションボリしながら仕事をする高順であった。~~~楽屋裏~~~風邪で2日ダウンしてしまいましたあいつです(挨拶季節の変わり目になるとどうしても風邪を引く・・・ぬがぐぐぐ。さて、史実同様に西涼軍はボロ負けするのでしょうか。多分します(あれ?あと、孟獲は真・恋姫の娘じゃないです、今は。・・・この頃PCが「ピーピーピー」と三回ほど音鳴らして接続が落ちるんですが・・・何でしょうねコレ。もうPC寿命なんでしょうか?それではまた次回。~~~懲りずに武将紹介~~~今回の御題は公孫さん。じゃなくて公孫賛。公孫賛、字は伯珪。演義・正史共に劉備の兄弟子ポジションである。長所・・・ ○騎馬戦では無類の強さを誇った。 ○烏丸・鮮卑など、異民族対策のエキスパートと言っても良いかも。 ○容姿が優れていたらしい。三国志って容姿が優れてるって人多いよね(は? ○白馬義従。 ○白馬に騎乗した兵で編成された部隊は異民族からは相当恐れられていた。白馬来たら逃げれ! なレベル。 ○一時的に劉備の主君だった。 ○ぶっちゃけ見捨てられるフラグです。(長所と関係ない短所・・・ ○猜疑心の塊。 ○袁術に属して公孫越を援軍に出す。その公孫越が袁紹軍の部将である周昂との戦いで戦死、袁家と不仲に。・・・まあ、気持ちはわからんでもないけど。 ○劉虞を殺したことについては一切の弁明は許しません(誰 ○最後が妙に情けない。 ○さすがに蒼天のようなラストではなかった・・・とは思いたい。 ○やってる事は董卓とあまり変わらなかったりする。公孫賛。貧しい生まれだったようで、そのせいか上流階級という存在に対して弾圧をする人だったそうだ。自分が太守になった後に、あからさまにそういった人々を弾圧している。コンプレックスを持っていたようだが、周りの人からすれば逆恨みそのもので迷惑と言うかなにと言うか。「こっちが目をかけて取り立ててやっても、奴らはそれを当然と思うからなァ」ということらしい。そのせいで人心が離れ優れた人材が寄り付かなくなるのだから・・・認識は間違っていないかもしれないが、やってる事は大間違いだったりする。こんな男のすぐ側に配置される劉虞も運が悪い。なにせ、武力で異民族を打ち倒した・・・つまり、苦労をしていた公孫賛だが、劉虞が異民族対策に送られてくると、その異民族はあっさり方針転換。公孫賛に対しては頑なな態度だったのが、劉虞が来た瞬間に「和睦! 降伏しまーす!」なのだから、そりゃ面白くないだろう。ここで劉虞も、公孫賛の逆恨みメモリーに登録されたびたび陰湿な嫌がらせをされる羽目に。嫌がらせ内容:丘力居から劉虞に送られた使者を斬って和睦を台無しにさせようとする(失敗 :劉虞から異民族懐柔のために遣わされた金子を奪う。公孫賛曰く「あいつらまた反逆するから意味ねーし。俺が貰っておいてやんよ!」*複数回 :これらの件に業を煮やした劉虞に「ちょっと頭冷やそうか」とばかりに会談を要請されるが「俺、腹痛いんで」と逃げる。・・・董卓と同レベルのアレにしか見えません。劉虞としても我慢できるわけもなく、袁紹に敗れた後の公孫賛を攻めようとしたことがある。が、劉虞の参謀である魏攸という人が「あんなんでも朝廷には必要な人材なんです。ちょっとした悪行には目をつぶって下さい。」と説得、思い留まらせている。ところがどっこい、その魏攸はすぐに病没。劉虞は待ってましたとばかりに軍勢を集めて、公孫賛の何倍もの兵で攻め入るが・・・。結果、信じられないくらいの大敗北。逃げ切れずに捕まり市へと引きずり出され、その上で「今から雨乞いを決行する! by公孫賛」意味が解らないので説明すると「劉虞は袁紹に皇帝になれって言われてんだよなぁ? 皇帝になるような存在なら今から雨を降らせて処刑を止めることもできるだろうぜぇヒャッハァ!」凄まじい難癖である。雨乞いの技術などあるわけもない劉虞は、そのまま首チョンパされ、不幸な人生を終えた。降ったとしてもチョンパされてただろうけど。・・・公孫賛に関ったせいで。こーいう事を仕出かす危ない奴なので、自然と民衆は反発。袁紹に攻められ、敗北し、最後は易京に城を築いて篭城。袁紹をおびき寄せたり迎撃したりで意外と手を焼かせることになる。しかし、よほどの人間不信に陥っていたか・・・この時点の公孫賛は、どうしようもない状態であった。報告、というのは基本的に部下から聞くものだが、公孫賛はソレをしていない。報告をするのは正妻とか妾の役割だったようだ。(この時点ではつまり。「殿ー! また袁紹が攻めてきましたよー!」(妾さんが大声で「えーおいらいきたくないー」(公孫賛みたいな状態だったのである(末期的すぎる不利になった瞬間に門を閉じて出撃した兵士を見殺しにしたり(有名な話だと思う)して自分で自分を追い詰めた公孫賛。そんなんで人がついてくるはずもなく、多くの人々が公孫賛を見捨てて逃亡していく。その上、袁紹は地下道を掘って無勢となった易京を攻略。逃げる事もできなくなった公孫賛は家族を全員殺して自決・・・こんな流れで、袁紹は完全に北方を制圧する。袁紹も公孫賛に楽に勝ったわけではなく、苦戦を重ねて漸くの勝利だった、ということからそれだけの実力を持った群雄ではあったと思うが・・・何と言うか。色々な作品では1行か2行くらいの説明で「袁紹に負けた」くらいの扱いでしかない事も多いが、三国志前半を彩る1人であったことは間違いないと思う。後半では、アクの強い群雄がいないし・・・公孫淵はあっさり負けすぎなのでどうもパッとしない。やはり、三国志は前半以下略。ボロクソに書いたが、あいつ個人は好きな群雄の一人である。一度だけSLG三国志で、CPU公孫賛が袁紹を降して北方の覇者となったことがあったのだが・・・(実話「盛り上がってきたぜぇー!」となったのを今でも良く覚えていますwついで。夏侯楙。演義では夏侯淵の子、史実では夏侯惇の子。次男だったかな?史実:曹丕とは仲が良かったらしく、彼が帝位に就くと夏侯淵の持ち場であった長安に駐屯する。 :父親が功臣だったという理由で曹操の娘を娶っているが、仲は悪かった。だって妾ばっか寵愛・・・ :金儲けが趣味でそれ以外の才能が無い、と言う扱いを受ける。 :弟たちとも仲が悪く、夏侯楙の妻に罪を上奏させ、曹叡も処刑する気だったようだが、部下のとりなしで何とか助かっている。 :それ以降、特に話は無い・・・と、人格的に褒められたもんじゃない事がわかる。演義:金儲けが趣味で部将としての才覚が無い、というのは史実と同じ。ただしこっちは史実以上に悪く書かれており・・・ :自分から申し出て諸葛亮と対峙、あっさり敗北して捕縛される。 :姜維を得たい諸葛亮の策にかかって、姜維を失う。 :羌胡へと逃げ、そのままフェードアウト。 :司馬懿が曹叡に「夏侯淵の息子兄弟を従軍させとうございます」という上奏をしたときに「そいつら、羌胡に逃げたまま戻ってこない夏侯楙に比べれば出来はいいよね?」とか言われる。 :魏延からも「武辺の志、微塵も無し」という評価を受け、史実以上に駄目っぷりが強調されている。 この人も「演義被害者」だと思うが・・・。演義は蜀を善玉扱いしているとは言え、なんで魏の人って駄目な人が多いのだろう。