【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第87話「高順さん、出資をしてくださらない?」その日、交阯における高順の一日は麗羽の一言によって始まった。高順の政務室。ここは遅くまで仕事を出来るよう睡眠や食事ができるような場所が作られており、自室に帰る手間も省けるので、高順が好んで寝泊りする場所だった。皆と食事が出来ないのは寂しいが、まだやることが多いため仕方が無い。その政務室で、朝早くに目覚めた高順。特にやる事も無いので「お茶でも飲むかな」と椅子に座ったところで麗羽の突撃訪問(?)を受けていたのである。「出資って・・・何にです?」「商売ですわ。」「どこで・・・?」「ここ(交阯)で。」「えーと・・・」自信満々に言う麗羽に、高順は言いよどむ。と言うのも、高順は高順で「交阯に店作れないかな」と思ってある程度の下見はしていたのだ。ところが、すぐに「駄目だな」と諦めざるをえない状況であることを理解した。元々交易都市であった交阯には、発展途上であった江南と違い、新規参入できる市場が無かった。大型、というか老舗、というか、後から入る余地が無かったのである。なので、諦めるしかないか・・・と思いつつも仕事をこなしていた訳だが、そこに麗羽が「商売をします!」とぶちあげてきたので「はい?」という反応になってしまったわけだ、それを知ってか知らずか麗羽は、ふふんと笑った。「後から来た我々では、市場開拓できない・・・と仰りたいのでしょう?」「まぁ・・・そうだけど。でも、解ってるのなら何故?」「抜かりはありませんわ!」断言した麗羽は、どこかから巻紙を取り出して、机の上に広げた。「これは?」「ご覧くださいな。」んー? と覗き込む高順。そこには、大手・老舗・・・交阯で名のある商家の名がずらりと並んでいた。「おやまぁ、随分と・・・で、これがどうかしたの?」麗羽は何も言わず、これまたどこかから取り出してきた筆と墨で、書き込まれた商家名の上に○とか×を書き記していく。そんなに時間がかかるわけではなく、作業自体はすぐに終わった。「・・・? これは?」「簡単に言えば、付け込む隙があるかどうか、ですわ。○が隙有り、×が隙無し、と思ってくださればけっこう。」ほほー、と高順は興味ありげに更に覗き込んだ。結構多く○が書かれており、×の数は少ない。「でも付け込むってどうやって・・・いや、それ以前にどうやって調べたの!?」「はい? ああ、影を使わせていただきましたわ。」「ちょ、勝手に動かしちゃ駄目ですよ!?」「皆、仕事が無いからって快く手伝って頂けましたわ。当然、私の懐から手当ては出しました。」「・・・。」確かに、太守としての仕事が忙しくて、影に仕事・・・諜報活動とかを命じていなかった。だからと言って、勝手に動かして良い理由にはならないのだが・・・。「動かしちゃったのは仕方ありませんけど・・・次からは俺に許可とってくださいね?」「ええ、覚えておきますわ。で、話の続きを。影に調べてもらって、色々解りましたわ。付け込む、というのは・・・」麗羽は「影」を使って、商家の内情を探らせたらしい。それによるとどの商家も暴利を貪り、使用人や雇用している・・・社員と言うべきか、その辺への金の払いが渋いのだと言う。それだけではなく、稼ぎそのものが渋くなって経営難に陥っている商家も多い。その経営難に陥った商家を買収しよう、というのが麗羽のいう付け込み所、落とし所なのである。「高順さんの思うのは、後から来た私達は商売をしようとしても入り込む余地が無い・・・という事ですわね?」「まぁ、そうなるね」「それなら、1つなり2つなり商家全体丸ごと買い取ってしまえばよいのです。」そうすれば、その商家の持つ販売・仕入れルートも手に入って、自分たちが1つずつ新規開拓をしなくて済む。金さえ積めば何とでもなるだろうが、とにかく自分の店が欲しい麗羽にとってはそちらのほうが手っ取り早い。店さえ作ればこちらのものだし、得意先もそこから拡げて行こうと言う寸法だ。ただ、そこまで多額の資金は麗羽の手元には無い。なので、高順に出資してもらいたい、と直談判に来たのである、「ふーむ・・・そういうことか」麗羽の説明を聞き終えた高順は、顎に手を当てて考え始めた。「出資と言っても結局は高順さんのお店。儲けも今まで通りの扱いになります。損はしないと思いますわ!」麗羽は身を乗り出して高順に詰め寄る。どうしてこうも必死になるのだろうか。熱心なのは良い事だし、むしろ彼女は働きすぎだとも思うが。「うーん。」疑う訳ではないが、どうにも高順の反応は鈍い。そこを勘違いしたか、麗羽は「当然、ただで出資して貰おうとは言いませんわ」と言い出した。「はぇ?」「担保は・・・そうですわね、私の体と、あと・・・顔良さんも付けると言う事でどうでしょう。」「はーーーー!?」「んふふ・・・高順さんの好みは解っていましてよ! 何せ蹋頓さんに全て聞きましたから! 文醜さんをつけないのは武士の情けです!!」「ちょ、貴方は何を聞いて、つうかあの人何言ったの!? それと、文醜さんに凄く失礼な事を言ってますよね今!!!」「あら、お聞きしたいんですの? 仕方ありませんわね」巨(中略)で、挟(中略)常に中(中略)、股間の槍(中略)心身と(中略)。獣(規制)後ろ(規制)騎(規制)正(規制)汁(規制)流石に子供には手を(アグネス)。一晩かけてねっとりと(ズギュン)全て(ドキュン)自分から(バキュン)、そうやってにk(バチョン)て、だからこそ性的な意味で陥陣営。「と、まぁそんな訳です・・・あら?」朝っぱらから凄まじい発言を聞いた高順は、|||orz な感じになって打ちひしがれていた。「ねぇ、高順さん。出資していただける・・・?」朝から(違う意味で)死にかけている高順に麗羽は体を摺り寄せて迫る(決断を)。「え。いや、そのー。」「あら、それじゃあ・・・体?」「違いますから! 誤解ですよ!?」「それじゃあ、出資・・・?」「解りました、出す出します! だから朝からはやめてええええっ!」・・・結局、出資することになったようです。この後、発情した麗羽に押し倒されそうになるわ、「太守様、仕事のお時間d何をシテいらっしゃるのです?」と劉巴に見つかってマジ説教を喰らうわで、朝から散々な目にあう高順であった。麗羽の提案によって、儲けは街道整備・潅漑など公共事業にも使用されることとなった。聞いてみると、麗羽は江南の店のような普通の商売ではなく、交易をしたかったようだ。南方の珍しい品をもっと内地に。そして、できれば西にも大々的な交易路を造り、更なる経済の活性化を計るということだし、その為に使用された金は民間へと行き渡る。また、街道整備・・・民衆が使うための道路を広げ、更に軍用道路を作るというのも経済政策のためだ。出来れば南蛮にも手を伸ばし、道なき道を整備して人と物の流入を活性化させ、交阯を更に強大な経済都市にする。武で天下統一を果たすことが出来なかった麗羽だが、彼女は自分の才覚を商売へ向けることに決めたようだ。自らの才覚が何処まで通用するか、どこまで行けるのか。ソレを試したい。壮大な野望と言うか、願望と言うか・・・。ともかく、彼女は高順の出資を得て交易商店を得ることになる。その儲けをもって店を大きくしていき、じわじわと各方面に影響力を深めていく麗羽だが、それはまだ先の事である。さて、朝からおかしな事になっていた高順だが、今回は新たな布告を発することにしていた。その内容は「戦火で焼け出された人の税金は1年免除します。また、これから街道整備するので人手募集、給料も払います。農閑期に行うので沢山応募待ってるヨ!」(意訳)少し前まで、交阯は孫家に攻め込まれ大なり小なり街に被害が及んでいた。畑や家が焼けて住む場所が無くなったり、生活手段を失ってしまった者も多くいる。人気取り、金のばら撒きに過ぎないが、街道整備で生活資金を失った人々に金を回して少しでも本来の生活に戻れるように、という事でもある。その分、麗羽が頑張らねばならないのだが、彼女の強運のおかげで稼いだ莫大な資金がある。現状でも何とかなる、という判断で布告を出すことにしたのであった。ただし、他にも布告はある。「人身売買」「脱税、または収益を誤魔化して税を安く抑える等の不当行為」「祀を建てる事、淫祀邪教」の禁止、これに反したものは重く罰する・・・というものだった。これらはどう見ても、商家に対しての牽制だ。麗羽が勝手に「影」を動かしたのには眉を顰めた高順だが、怪我の功名とまでは言わないまでも、他の問題ごとが噴出していた。暴利を貪っている商家のほとんどが前士燮政権と繋がりがあったという事を掴んでいたからだ。また、自分達ではない権力者連中が賽銭と言う名目で、民衆から不当に金を巻き上げている事実も掴んだ。どんだけ「影」は有能なんだろう? とか思ったが、それはそれとして、高順は基本的に商人が政治に関ることも、信仰を名目にして金を巻き上げる事も嫌う。そういう存在は殆どが自分が美味しい思いをしようとして一番上の権力者・・・ここでは高順になるが、献金だの賄賂だのを送って来るだろう。癒着、というものが発生すればズブズブと深みに嵌って抜け出せなくなる。政教分離、は当然だし政商もできる限り分離したいというのは高順の考えだ。自分自身がそこに含まれるか、と言えば・・・規定以上の税を払っているし、稼ぎも何らかの形で民に還元。兵の給料もきっちり払っていて、自分の手元に残るのはあまり無い。多分大丈夫・・・多分。後、高順は前士燮政権から続いて雇用された役人のうち数人が賽銭として農民から金を巻き上げている、つまり布告に反した行為を働いたとして罷免の上、全員斬首に処している。士燮政権じゃどうだったか知らんがいつまでも甘い汁を吸えるとは思うなよ、という一部の存在に対しての警告、見せしめであった。高順一党はこの処置に関して特に何かを言う事はなかったが、全員が全員「やっと凄みを見せたか、うんうん」と思っていたのが何と言うべきか。~~~楽屋裏~~~結局PSP真恋姫まだ未開封だよあいつです(挨拶どっかで見たネタだなぁと思ってたら蒼天曹操さんと似たような事をやっていた。向こうの方がよほどわかり易く苛烈だった記憶ですが。さぁて、内政ターンは終われ・・・るかなぁ(はそろそろ西涼もやりたいですし。でもこの次何を書くかは決まってなかったりします・・・あれ?どうしますかねぇ・・・黄忠さんと厳顔さんの配置も換えないといけないか・・・。それではまた。~~~懲りずに武将紹介~~~皆さんが知ってるような程度の逸話を延々タレ流す文字埋めにもかかわらず、リクエスト、ありがとうございます。頂いた順番で挙げますと、程秉・許靖袁紹公孫瓚華陀賈詡趙雲陸遜楽進と、なりました。しかし、華陀や微妙に逸話の少ない陸遜の名が挙がるとわ・・・まぁ、貰った以上はやりますとも。と、いうわけで今回のお題。程秉・許靖。程秉。字は徳枢(とくすう)。汝南の人。孫策の死後、孫権に召しだされた幕僚の1人。あまり逸話を知らないので長所・短所は書かないでおきます。演義での出番は2つ。曹操との戦いに巻き込むために孫権を口説きに来た諸葛亮。口説きは成功して赤壁の戦いになるのだが、その折に孫権配下の文官が諸葛亮の屁理屈・・・? に対して論戦を吹っかけている。その順番は、と言うと。「張昭」「虞翻」「歩陟」「薛綜」「陸績」「厳畯」「程秉」という順番だ。恐らく、呉の文官で権力を持っている順なのだと予測するのだが・・・張昭はどう見ても孫権の幕僚で一番重んじられていたと思う。当然、皆して演義におけるチート存在である諸葛亮に論破されてしまっている。おのれ羅漢中。もう1つ出番はあるが、それは夷陵の戦い。関羽を殺され、張飛を失ったことで・・・張飛は微妙に逆恨みに思えなくも無いが、ともかく劉備は止めておけばいいのに将兵をそろえて呉へと攻め入っていく。珍しく快進撃を続ける劉備に恐れを為した孫権は、程秉を使者として送り込む。張飛を暗殺して呉に逃げ込んでいた張達・范彊(はんきょう)、塩漬けにされた張飛の首を持参して停戦・和睦を求める程秉だが、劉備は聞く耳持たず殺されそうになって、何とか逃げ帰っている。演義での出番はこれだけである。正史。学者として声望が高まった頃に孫権に招かれ、長男孫登・・・つまり太子の教育係である太子太傅に任命されている。225年には太常に任命された、とあってけっこうな地位についている。この作品に出ている闞沢(かんたく)は、孫登が病死した後に太子となった孫和の太子太傅となっている。闞沢も太子太傅となった翌年、243年には病死しているのだけれど・・・(汁此処からは関係のない話になるが、前述した孫登は241年に亡くなったとされている。孫和が太子となったのはすぐ後。だが・・・この時期というのは、孫権最大最悪の大ポカである「二宮の乱」の時期に当てはまる。つまり、重臣の粛清が始まる前段階だ。まぁ、闞沢も程秉もこの時点で暗殺されたという訳ではないだろう・・・と思いたい。孫権の優柔不断と言う暴走が始まったのも、ここからだが・・・別の話になるが呉の丞相である顧雍(こよう)が243年に亡くなっている。その前に、234年だったと思うが呉の意見番であり、孫権の諌め役&漫才の相方である張昭も亡くなっている。陸遜が丞相を継いだものの、彼の任地は荊州。きっちり政治を見つつ意見をしてくれる、という人物が孫権のすぐ側にいなかった、ということになる。もしも、きっちり諌言してくれる重臣がいれば、と思わなくも無いが、人の言う事をあまり聞きたがらない孫権。結局、張昭以外ではどうしようもない状況じゃなかったのだろうか。諌言してくれる人が大好きで、多分諸葛亮の事もお気に入りであったろう孫権。・・・こう書くと、ドSでドMという、稀有な性癖(?)を持つ困った人にしか見えない孫権だが、実際にその通りなので仕方が無い。許靖。字は文休。従兄弟には月旦評で有名な許劭がいる。元々後漢に出仕している文官だったが、董卓時代に自分が太守に推挙した人々がこぞって反董卓同盟に参加してしまったために、災いを避けようと方々を流離い交州へ。後に益州を支配していた劉璋に招かれて巴郡・広漢郡の太守に任命されている。更に後、劉璋が劉備に攻められたときに劉璋をあっさり見捨てて劉備の元へ逃亡しようとするが(オオイ)これまたあっさり発覚、捕縛された。劉璋に処刑されなかっただけ感謝するべきだと思う。こんな行為を嫌われたのか、劉備は許靖を嫌って召しだそうとしなかったようだ。蜀攻略の功臣である法正に「あいつは名高い名士っすよ。あれを登用しないと、劉備殿が人を軽んじるって風潮ができちまいますぜ!」と説得されてようやく召しだしている。この時に与えられたのが些少軍いや違う左将軍。後漢から劉備が与えられた官位と同じなんですが・・・。劉備が漢中王を僭称した後にも昇進を重ねて司徒に任じられている。演義でも正史でもあまり変わらない人物の1人である。他国の人からも評判が良く、彼を評価しなかった許劭のほうが悪く言われている。彼の従兄弟である許劭は(割と一方的な)人物評を得意としていた人で、有名なものには曹操の評価がある。「治世の能臣、乱世の姦雄」である(または乱世の英雄、静平の姦雄)彼に良い評価をしてもらう、というのは一種のステータスであり、世の名士は彼の評価を求めて訪ねたそうだ。曹操は評価の内容はともかく、評価をしてもらったことを喜んでいたそうだし。ただし偏狭な人物であったようで従兄弟の許靖を重んじなかったという。その為、許靖は馬洗いなどをして日銭を稼いで貧しい暮らしをしていた、と言う話が残る。また、劉繇は孫策に攻められた時に、側近の「太史慈に軍を任せてみてはどうでしょう」という進言に対し「けど、太史慈使ったら許劭に悪い鑑定貰っちゃうだろうし・・・」と、評価を気にして結局使いこなせないでいる。裏を返せば、そういうことを平気で行うか、やっても不思議ではない人柄という表れなのだろう。こういった人柄の許劭。曹操は擁護する立場だったそうだが、反感を持つ人も少なくは無かった。曹丕、諸葛格、蒋済といった人々は「他人の欠点を挙げ連ねていい気になってるのが気にいらねぇ」という意識だったらしい。そんな許劭は人生の殆どを旅に費やし、劉繇が孫策に敗北した時に、巻き込まれるように逃亡、豫章で亡くなっている。今でも人物の批評を「月旦評」というようだが、人物評価の大家として許劭がそれだけ重んじられていたからこそ、残ったものなのだろう・・・。多分。~~~楽屋裏~~~何だか違う人の話まで混じってた・・・一応、リクエストどおりにこなして行きたいとは思いますが、途中で違う人が混じったり1回で2人分になったりするかもしれません。