【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第86話「・・・と、いうわけでな。策殿も周喩もお主らへの扱いに悩んだ結果、こうなった次第じゃ。あまり悪く思わんでやってくれ。」「はぁ・・・。」黄蓋の言葉に、高順達はなんとなく頷いていた。~~~交阯の政庁~~~高順達に遅れてやってきた黄蓋が「何故、高順を交阯へと派遣したのか」という理由を語り終えた。孫策・周喩からの命令書には、交阯へ向かえ。という意味合いの事が記されているだけ。それでは納得できるものではないだろう、と黄蓋に口頭で説明をしておき、合流した時に話してもらう心積もりであったらしい。「高順を太守に、という話がでると、それを快く思わん連中もおるでな。既成事実、ではないが、太守にして現地に派遣しておけば、無理をしてまで太守の座から降ろそうという輩も出ぬわさ。」「そういうもんですかね。人の悪意ってけっこう怖いのですけど・・・。」「そうじゃな。いかに周喩といえ、根本からどうしようもない連中の性根を叩きなおす事はできん。お主らは、きっちり事情説明すれば、不満はあっても理解してくれるであろう、という事さ」「はぁ。」微妙に納得できていないが、悪意があって交阯に行かせた訳ではない、と理解はしたのか、一応は皆が落ち着きを見せた。黄蓋が来た時は趙雲や李典が「何故こうなったー!」と本気で詰め寄るわ、間に入った高順が勢い余った2人に殴り飛ばされるわ、それを見た蹋頓が笑顔で2人を正座させたりとか、混沌とした状況だった。荒れるだろうという事は予測している黄蓋でも趙雲達が数秒で自爆する事まで予測できなかったようで、大笑いされてしまったが。「ま、ともかくじゃ。ワシが派遣されたのはお主らの動向を見守るため。悪いことをせぬように、という見張りじゃな。」「叛乱を起こすかも、と思われてるんですかね?」「ははは、そう思うのなら手元に置いておくであろ。が、手元に置いておく方がよほど危ない、と判断したのだろうさ。お主らであれば叛乱を起こすまい・・・と確信もしておるだろうよ。」「なら、何故お目付け役を派遣するのです?」「ふふん、心配の必要は無い。ワシも、主らが馬鹿な真似をするとは思っておらぬでな。あくまで名目、よ。」「はぁ。」「それに、自身で言うのもなんじゃが・・・ワシはこう見えて孫家の宿将じゃぞ? そーいう立場の人間を目付けにするというのは、良い意味悪い意味で注目され、気にかけておるという事じゃ。」蜀攻略の為の足がかり、孫権の出征。黄蓋は、周喩に「伝えても良い」と言われた事については全て伝えた。ただ、伝えるべきではないと思う情報については何1つ話していない。まず1つ目に、目付け役である自分には、連絡員としての仕事がある。高順がおかしな行動をしたらそれを伝えるように、と言われているし、何かあれば随時報告を、という事だ。戦力が増えてくれば、そのまま西進して南蛮攻略に乗り出すわけだが、その辺りの指示は黄蓋が出す事になる。孫策(周喩)→黄蓋→高順、という順番で命令が伝達されるのである。直接高順に命令或いは命令書が届けばいいのだが、寿春と交阯では距離がありすぎるし、人選によっては高順に全うに指示が行かないという事もありうる。当然、そこいらは信頼できる人間を中に立てないといけないわけで、そこから黄蓋が、という事だった。2つ目に、これは何と言うか・・・。黄蓋は、周喩からこんな事を言われていた。~~~回想~~~「曹操が攻めて来るまでには時間があるでしょうから、それまでに高順と懇ろな関係になって置いて下さい。」「・・・いきなりな話じゃなぁ。」「高順は、これからの孫家を支える将としての活躍を見込めますし、現実問題、いなくなられても困ります。」「それはそうかもしれんが・・・」「今の彼が叛乱を起こすというのは、よほど追い詰められた状況下でなければ・・・と思いますが、そうならないようにする布石でもあります。宿将を娶り、孫家運営側の一人として取り込めば・・・」「・・・。まぁ、血縁やら仲間やら、周りの人間の事から考えるあやつであれば、有効な手段ではあると思うがの。」ぶっきらぼうに言う黄蓋に、周喩は尚続ける。「ええ。その状況でも叛乱を起こすというのは、ソレより上の存在から疑われる・・・と言うことです。幸い、孫家首脳陣で、アレを嫌っていても疑う者はおりますまい?」「そうじゃなぁ・・・甘寧は嫌っておるようじゃが、裏切りを起こすような奴とは思ってはいないじゃろ。」「左様。なれば、高順が孫家から離脱する事はほとんど無くなります。その上、子が出来れば・・・」「万一も無くなる、か。搦め手なのか直接的なのか。」お主らしくないのぉ、と黄蓋は首を振った。「ま、構わんがの。しかし、そうなると・・・ふむ。」色々と気を使う必要がでそうだ。楽進とか特に。(しかしなぁ、どうすればそういう状況に持ち込めるかのぉ・・・? 蹋頓か趙雲に聞けば良いか? あれらなら、その辺りの手管手練に長じておるじゃろうし。)~~~(最後が不安な)回想 終 了~~~(うむ、流石にこれは言えんな)と黄蓋が思うのは無理からぬ話であった。さて、太守となったからには、ソレらしい仕事をしなければならない。高順は着任してから「前太守の治世を真似しつつ、問題があったら変えていきますからねー」と馬鹿正直な布告を出している。自分から真似するヨーと言っちゃってる辺り、ただの馬鹿でしかないのだが、これは自身の基本方針と重なるので変えるつもりは無い。交阯は異民族や、中央から逃げてきた文人やらが多い土地柄である。ある意味、自分が適任かもなぁ。と思うところが無いではないが、ともかく、やる事は多くある。この交阯にも山越が多く蔓延っているし、孫家に組み込んだ時のゴタツキで一部に敵を作ってしまっているようだ。そこらを説き伏せるのがちょっと難しいかな、と思うが、今回は徐州に比べればまだマシだと思う。あの時は有能な文官が少なかったし、内外に敵がいたものだが、今回はその逆だ。実務に優れた文官も多くいるし、優秀な武官も、兵もいる。何より、ストレスの元となる連中がいないというのが素晴らしい。ただ、問題が無い訳でもなく・・・ぶっちゃけると、暑い。湿った暑さではないし、心地良い風も吹くし、夜は涼しいし、それなりに水場もあって涼をとることは可能だ。暑さの問題は、高順の鎧である。あんなに通気性の悪い、しかも馬鹿みたいに重い鎧。交阯に入城するまでに、何度脱水症状を起こしかけたか。入城するときは「威厳見せとかなあかんのと違うか?」と李典に言われて、あの鎧のまま虹黒に跨って進んだが・・・確かに、おかしな威圧感を出せたかもしれないが、城に入った瞬間に死に掛かっていたのでは余り意味が無いとも言う。楽進も同じく、全身鎧なので「あぅぅう・・・暑いー・・・」とうだっている程だ。なので、新しく2人の軽鎧を李典に新調してもらう事にした。ついでに、と他の部将の鎧と武器も全面的改修することになっている。高順と楽進を除けばほとんどが最初から軽鎧であるし、老朽化の激しいところを補強するとか、そんな程度でよいのだから李典にしてみれば簡単なものである。てな訳で、しばらくは鎧無し。戦闘はできないので山越討伐などは後回しだ。それよりも、前士燮政権の官吏と兵の再雇用、雇用条件。戸籍の整理、税率・・・。前政権のやり方を踏襲するつもりとは言え、やらなければならないことは非常に多い。闞沢だけでは間に合わなさそうなので、仕方なく麗羽や審配にも手伝ってもらうことにした。黄蓋が「政治には介入させぬのではないのか?」と問いただしてきたものだが、高順は「孫家本元の政治には介入させませんよ。俺の手伝いくらいなら問題ありません。」と、あっさりスルーした。幸いと言うべきか、ほとんどが異民族から編成されていた兵士の雇用問題はあっさりと解決。治世のほうも、士燮と高順は「異民族を差別せずに受け入れる」という根っから同じ方針であり、回りも思った以上に高順のやり方を受け入れてくれた。また、官吏も異民族に差別意識を持たない人ばかりで、戦乱から逃れてきた文人などもそこに加わっている。名を上げると劉巴・程秉・許靖といった人々である。どういう人々か、と言うと・・・劉巴は元々荊州の人で、父親が江夏太守という人である。官吏として優秀な素養を持っており、劉表に何度か招聘されても応じず隠棲していたのだが、その評判を聞きつけた劉備にも招聘されている。ただ、劉備の事が気に入らなかったのかそれも拒否して交阯まで逃れてきた・・・という人である。程秉も似たようなもので、学問を学んでいたが戦乱の多い汝南から交阯まで逃れ、士燮から長吏に任じられている。許靖は、何進や董卓政権の時に人事を担当していたのだが、後に反董卓連合に名を連ねる韓馥や孔伷らを地方の要職・太守に任命している。その彼らが反董卓連合に参加した時に、難を逃れるために董卓政権から逃げて、各地を彷徨いながら交阯へたどり着いて今に至る、という事だ。話を聞いた高順は周倉以外の供を連れて行かずに彼らを訪ね、力を貸してほしいと頭を下げた。これからの治世に、優秀な文官は一人でも多く必要だ。優秀な人材と言うのは多くいても足りる事はない。程秉と許靖は(雇用待遇が良かった事もあって)あっさり承諾してくれたが、劉巴は少しだけ手こずった。士大夫が庶人に仕えるのは・・・と、不満があったのである。最初は断られてしまったが、それでも高順は何度も何度も足を運んで説得を続けた。そのうち、陳羣の事が話題に上ったのだが、その名を聞いたとき劉巴は大いに驚いた。彼女は陳羣と親友であり、交阯に流れ着いてからも何度か手紙の遣り取りをして互いの消息を確かめ合うほどに仲が良かった。陳羣は現在広陵太守だが、前任者に重用されているという内容の手紙を貰った事がある。前任者の名前までは書かれていなかったのだが「仕え易く、才能に見合った仕事を与えてくれる。お前も一緒に仕えないか?」という誘いも受けていた。「・・・では、その前任者と言うのは。」「ああ、俺の事かな。そっか、陳羣さん・・・太守になれたんだな。」「・・・・・・。」良かった、彼女が広陵太守になれば俺なんかよりよっぽど上手く治めるだろうし民にも良い結果になる、と彼女が太守に就任していた事を、高順は本心から喜んだ。その日はそれで終わったが、高順が帰った後、劉巴はじっと考えた。あの陳羣が絶賛していた前太守というのが、高順だったとは・・・。彼女は、大事に仕舞ってあった陳羣からの手紙を持ち出して、何度読んだか解らない文面に目を通す。(まだまだ甘いところは目立つし、本人にはそれほど治世の才能は無い。だが、人の出自など全く気にせず、才能と人格を見て仕事を与えて、働きに見合う報酬も与えてくれる。聞き分けの良いお人で、諌言にも素直に耳を傾け自分が悪いと思えば反省して改めようともする。貴方の好く士大夫ではないが、お仕えしやすい人だ。騙されたと思って、一度広陵に足を運んでみないか?)そんな意味合いの事が書かれている手紙を、劉巴は幾度も読み返した。後日、劉巴は自ら出頭。高順に仕えたいと願い出てきた。その申し出に高順は彼女の手を取り「ありがとう!」と大喜びしていたとか。さて、高順には1つだけ不安があって、劉巴に限らず士大夫が多いので、異民族の事を嫌っているかな? と危惧があった。だが、漢民族・異民族の混合軍を編成していた士燮に属していただけあって、皆、そのような差別意識は無いようである。政務室で次から次へと舞い込んでくる仕事を劉巴らの補佐を受けつつこなしていく高順だが、「ここは俺にとってかなりやり易い土地だね」と確信し始めていた。少なくとも、権力争いの為に人を差別するような連中がいる場所より、よほど落ち着ける。暑いのさえ無ければ、最高だったのだけど・・・と、思う高順だったが、彼は政務室で「手を休めている暇はありません、次はこれを!」とか「字を間違えています、やり直しです!」とか「太守殿、やる事は沢山あるのです。まだ休む暇はございません」と劉巴に叱られまくっていた。劉巴は「陳羣がそこまで言うなら騙されてやろう、ただしきっちりと仕事はさせていただく!」という・・・何だか出来の悪い子の養育に燃える教育ママみたいな感じで高順に接している。ここまで言われれば怒っても不思議ではないが、高順も高順で「はい、ごめんなさい!」と素直に謝るものだから、余計に悪循環とも言う。そのお陰で仕事は進んで、回りの人間もそれに感化されたかのように働く訳だが・・・。寝る間を惜しんで働いたせいだろう。数日後、当然のように高順はぶっ倒れたのであった。・・・本当に大丈夫なのだろうか?~~~楽屋裏~~~普通なら劉巴は高順に仕えないですよねあいつです(挨拶今回はちょっと駆け足だったよ!まあ、あれなんです。書いてたらいつの間にか劉巴とか出てました。(照れいや本当に何時出たか解らないくらいに自然に3人ほど入り込んでたんですよ!史実でも、劉巴は「劉備に使えたくないんだヨー!」と士燮のところへ逃げ込んでいます。そこを膨らませてこんな地味なお話にしたのですが・・・史実では、下に厳しく上におべっか使いの張飛に尊敬されていたのですが「士大夫が軍人なんぞと誼を結べるもんか」と彼をガン無視しております。関羽は上に厳しく下に甘い、という話があるのでこの義兄弟・・・まぁいいか。そういった性格を嗜めていたのがうっかり長兄たる劉備なのですが、その劉備からして演義では張飛がやった督郵リンチを、劉備自らノリノリでかました。ですからなぁ・・・w横山御大のアニメ版では中間を取って三人でタコ殴りにしてましたが(酷い中間だ)、あの辺りが史実のチンピラ3兄弟たる所以ですなw~~~番外編。もし高順が北に行けばどうなった? その4~~~「え・・・袁紹? あんたが、袁紹?」目の前に座った女性を指差し、高順は震える声で確認した。「ええ、間違いなく袁本初本人ですわよ? ・・・あぁ、この服のままで話をするのは無礼ですかしら。暫しお待ちになってくださる?」『・・・・・・・・・・・・。』高順・楽進・沙摩柯。3人は「まぁぢでぇ」みたいな顔で、着替えるために中座していく袁紹を見つめるのであった。お馬鹿。無茶無理無策の三無力。空気は読めず、我侭放題し放題・・・。高順らが聞いていた袁紹の評判とは、全てにおいて芳しくない話だった。そして今、衣服を改めて目の前に座る袁紹は、どう見てもそんなお馬鹿な人間には見えなかったのである。「・・・俺の聞いている噂と180度違う方向に見えるんですけど」「あら、大方「お馬鹿」だの「浪費家」だの、そういう類でしょう。ふふ、間違ってはおりませんけれど。」「・・・・・・。」やっぱ、聞いていた話と違う。楽進と沙摩柯も「これは一体」といった風情で、困惑している。困惑しているのは高順も同じだが、それでは話が進まない。思い切って自分から話を切り出すことにした。「あ・・・そうだ、忘れるところだった。で、そっちからの話ってのは一体?」「まぁ、私の頭の出来など、今はどうでも良い話ですわね。・・・さて、私からのお話なのですけど。我が袁家は貴方のような能力ある武将を欲しておりますわ。」正しくは、俺ではなくて、俺の配下の優秀な将兵、といった所だな。やっぱそれだよな。と高順は苦笑した。その苦笑の真意を読み取ったか、袁紹が少し不機嫌そうな表情をした。「誤解しないで頂きたいですわね。貴方の配下ではなく、貴方も含めて戦力と見なすのです。」「そうですか、そりゃあどうも。」「・・・その言い方では、断るおつもりのようですわね。」「そりゃあね。素直に話しますが、俺たちが頼ろうと向かっているのは公孫賛殿のところでしてね。まず公孫賛殿の敵となるであろう貴方に仕える道理はありません。」「そして、私が反董卓連合の仕掛け人だから・・・でしょうか。」「ご名答。ま、仕掛け人は袁紹殿と曹操殿、といったところですかね。ともかく公孫賛殿を滅ぼそうとするアンタは敵であっても味方じゃない。」正史であれ演義であれ、公孫賛は袁紹に敗北し、死んだ。色々と状況の変わっているこの世界でそうなるとは限らないのだが、呂布が負けてその勢力が消滅した以上、曹操は袁紹との戦を指標に動き出す。そして袁紹も曹操との戦いに備え、後顧の憂いを失くすために北へ攻め入るだろう。自分が手を貸せば公孫賛が生き残る、と自惚れるつもりはないが、烏丸・張燕と連携すれば、勝てなくても何とか生き残るだろうとは思う。そのうちに袁紹は曹操との決戦に引き込まれ、北にかまける余裕はなくなる。曹操が勝てば・・・まぁ、その頃は公孫賛も外に打って出る戦力は無いだろう。順当に行けば曹操に降伏という事になる。そうなれば、赤壁で負けない限りは曹操の天下統一でほぼ決まる。曹操の手助けをする格好になるのは気に入らないが、それで天下統一されて一時的にでも平和になれば、と思う。その時、自分は何をして・・・は、まぁ良いか。「ともかく、公孫賛殿を殺そうとしているアンタに協力はできんね。」つれなく言う高順だが、袁紹は怒るでもなく普通に言い返した。「誤解があるようですけれど、私は白蓮(公孫賛の真名)さんを滅ぼすつもりはなくてよ?」「はぁ?」「むしろ、仲間として引き込むつもりですわ。」「・・・。どうやって?」「先に南を制しますもの。その前に一度、戦力を削り落とす必要はありそうですけど。」「はぁ!?」「華琳(曹操の真名)さんに勝利すれば、白蓮さんも抵抗を諦めるでしょう。そうなれば、北方同盟も終わり。張燕さんとやらも、烏丸も抵抗する理由を失います。」「・・・北を制する事無く曹操に挑む? そんな事が」「できますわ。両面作戦にしなければよいだけの事。晋陽、北平、薊を攻め取るには相応の被害が出ます。しかし、その被害に見合うものがこの3都市にあるかと言えば・・・失礼を承知で言えばありません。」「だから攻めずに降伏させたいと?」「張燕さんとやらはまだ解りませんが、白蓮さんはやり手ですもの。防衛線も野戦も一筋縄ではいきません。そして、その背後には烏丸。真正面から攻めた場合どれだけの被害を被るか・・・。」「だから、降伏させたほうが良いと言うのか」「ええ。白蓮さんも、その将兵も中々の粒揃い。死なせるのも、すり減らすのも、余りに惜しい。」そして貴方の才も。と袁紹は笑顔を見せている。「貴方が問題にしているのは、白蓮さんや張燕さんの命と立場でしょう。私はソレを完全に保証するつもりですわ。当然貴方も、貴方の部下も。」「・・・そこには烏丸は含まれていないのですかね。」「あら・・・烏丸は保証以前に攻める気もありませんわ。帰順なり何なりはしていただくつもりですが、同盟の軸となるのは白蓮さん。彼女を口説き落とせば、他も私と戦う理由は無いはずです。」ここまで言われて、高順は頭の中で色々と考えた。袁紹は公孫賛を滅ぼすつもりは無いという。確かに一撃食らわせれば・・・そもそもの領土、兵力、国力に劣る公孫賛側は長期間立ち直れないだろう。烏丸と張燕、この2陣営と連携するように、とは言うものの、烏丸は相当数の食糧援助が無ければ長城を超えてくることも難しい。「・・・ふん、言いたい事は解った。だが、あんたが公孫賛殿を殺さない保証は無いだろ?」「そうですわね・・・不可抗力と言うものはありますが、その不可抗力を起こさないようにするのも私の役目ですわ。加えて言うなら」「言うなら?」「貴方が脇から白蓮さんを殺さないように、私の手綱を取ればよいのです。」「・・・・・・これはまた。部下に手綱を取らせ、る・・・」むぅう・・・と言葉に詰まる高順。・・・。そういや、孫策殿も周喩殿に手綱を取られてるような。あれは友人同士だからか・・・曹操の場合は、むしろ自分を掣肘しつつ時折暴走だし。劉備は・・・まあ良いか。割と珍しくないのだろうか、自分の暴走を部下に止めさせるようにっていうのは。「うーん・・・。」袁紹の言いたい事が解らないでもない、と高順は悩んでいた。頼ろうとしておいてアレだが、公孫賛を滅ぼすつもりが無いなら・・・と思い始めていたのだ。公孫賛に保護を求め、配下として戦っても袁紹に勝てる可能性は少ない。それならいっそ、恨まれる事になっても袁紹に加担して公孫賛・張燕の助命に奔走したほうが良いのではないか・・・。袁紹が噂どおりのお馬鹿さんで無い事が驚きではあったが、ソレに賭けるのも悪くないか?それも曹操に勝てればの話なのだが・・・どうしたものか。迷った高順は一度、許可を得て中座。周りの意見を聞きたいから、という情けない理由だったが。袁紹は眉を潜める事も無かった。「宜しくてよ。選択肢があるなら、あるだけ迷いなさいまし。ただし、決めたのなら迷う事は許されませんわよ?」そう言われ待ってもらえる事になったが、常に迷いっぱなしで生きてきた高順には痛い言葉であった。~~~楽屋裏~~~袁紹に仕えるフラグビンビンですねさて、地味覚醒袁紹は高順をどう遇するでしょうか。孫策よりも良い条件提示してきそうです。裕福ですし・・・さて、(これ書いてる時点で)明日はPSPの真・恋姫の孫呉編が発売ですね。周喩と一刀、そして彼らの息子? が中睦まじくしているサンプルCGを見たわけですが・・・・・・まぁ、あっちで生き残ったんだからこっちで無理に生き残らせる必要ないよね(あれ?まぁ、どうなるかはまだ解らんですが。~~~まだ武将紹介~~~今回のお題。張飛。張飛、字を益徳。(横山御大が描いた横山三国志では翼徳)丸い目と虎髭が目立つ、三国志世界で(多分)2番目の豪傑。演義では黄巾討伐の立て札を見ていた劉備を「てめぇ、それでも男かアァン?」と叱咤(恫喝)。兄貴分だった関羽と3人で桃園にて義兄弟の誓いを交わし、劉備に従って乱世へと切り込んでいく。正史では、やはり兄貴分だった関羽と共に劉備に仕える。(桃園の誓いはあったかどうか解らない)多くの媒体では「肉屋の息子」という話があり、それが真実としたら何進と同じ屠殺業だったのかもしれない。長所・・・ ○強かった。強かっただけとか言うな。(? ○演義では呂布と一騎打ちで互角・・・とは言い難い。そこには関羽、劉備も加わっており、俗に言う「虎牢関三英戦呂布」を展開している。 ○これをベースにしたネタを本編でやったら「痛々しい」とか言われて筆者凹む。多分羅漢中も凹む(羅漢中関係ない ○冗談はさておき、三人の英雄(・・・英雄?)相手に互角に打ち合う呂布、という図式であり、さすがの呂布も押し負けて退散している。 ○曹操配下の智将である程昱からは「一人で万の兵に匹敵する」と絶賛されている。関羽も同様の賞され方をしており、やはり武勇絶倫と言った人だったのだろう。 ○周喩も「自分なら関・張を従えて事業を為せる」という意味合いの事を言っている。逆に言えば孫権では無理と言うことだが。短所・・・ ○頭悪い。 ○態度も悪い。 ○関羽同様庶民であったが、徐々に身分を上げていった者の性と言うべきか・・・上に媚び諂い、下に乱暴と言う解りやすい正確になっていく。 ○兄である関羽は逆で、上に厳しく下に優しいという性格。兄弟揃って性格に難がある。 ○うっかり長兄である劉備からも「お前さぁ、もう少し下に優しくしろって。そんなだと、いつか自分のみに災いが降りかかるぜ?」と諭されたが全く聞いちゃいない。 ○今回、本編で出てきた劉巴を敬愛し親交を結ぼうとしたが、完全に無視されて怒っている。 ○劉巴曰く「大丈夫たる者があんな粗暴な馬鹿相手にできるわけねぇだろ!」 ○乱暴をした部下に恨まれてしまい、寝ているところを襲撃されてあっさり殺された。 ○兄も、あっさりとは言わないが上(或いは同じような身分)に恨まれて、それが原因の1つとなって死亡したので似たもの兄弟と言えなくも無い。 ○ロリコン。アグネスなんて怖くない。かかってこいよアグネス。 ロリコン、と言ったがこれは自分にとっては敵である曹操の配下、夏侯氏の少女を強奪し、無理やり自分の妻としている。その時薪割りをしていたそうだがこの少女、12、3歳だったらしい・・・どっちにしても犯罪です。良い子は真似しちゃ駄目。絶対。それが縁となって、蜀末期に夏侯覇という武将が蜀に亡命。張飛の娘を娶っていた劉禅からすれば親戚になってしまうわけで、車騎将軍という重職を与えられる事になるが割愛。終わりを全うしなかったせいか、陳寿からも少々手厳しい評価を受けている。ただし、後世の人々からの人気は高い。愛嬌のある性格と思われたのか、講談などでは大人気だそうな。また、(演義で)長坂橋にて殿を努めた折、ただ一騎で曹操軍を震え上がらせた場面なども大うけするらしい。乱暴ではあるが、愛嬌のある好漢と言った感じかもしれない。頭が悪いと書いたが、後年になると策を使って張郃を打ち破ったりしており、国家の重鎮・将としての自覚はあっただろう。ただし、人格までは変わらなかった。それが悲劇的・・・或いは自業自得な最後を呼び寄せたのだろうか。 ソレともう1つ。よく言われることだが、張飛の容貌。演義では虎髭だの何だのと言われているのだが、正史では外見に関しての話は殆ど無い。また、娘が劉禅の妻となっているし、その劉禅も美女好みだったろうから彼自身、けっこう美形だったのかもしれない。妻の夏侯氏が美貌の人で、そちらの外見を受け継いだだけという可能性も高いが・・・或いは、張飛同様に毛の濃ゆい武勇絶倫な女性だったのだろうか?(汁後年、後宮に美女を入れたがって(つうか入れた)劉禅。もしかして醜女専・・・いやいやいや。政略結婚の意味合いも強いのだろうけれど、外見が綺麗か自分好みでなければ劉禅だって嫌がっただろう。もっとも、ネタとしてみれば虎髭丸目、剛勇にして多数の兵にも屈さない屈強な女性でもイける劉禅、であって欲しい所ではある(笑~~~楽屋裏~~~懲りずに武将紹介。やらなくてもいいのでしょうけど、字数埋めに利用させてもらうよ!(駄目そろそろネタもなくなってきたので、取り上げてもらいたい人のアンケートとかとりたいところです。これに対しては縛りを設けているわけではありませんが「本編で出ている人」「そこそこ逸話の残る人」を書いております。知らない人とか逸話の少ない人とか「禰衡(でいこう)」お願いします! とか言われても困るのでwまぁ・・・内容は・・・殆ど・・・あいつの妄想だけどね!(やはり駄目だそれではまた。ノシ