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No.11215の一覧
[0] 妙薬の錬金術師(現実→鋼の錬金術師、転生TSオリキャラ)【R15】[toto君](2012/03/30 23:20)
[1] 1話[toto君](2009/10/02 00:13)
[2] 2話[toto君](2009/10/02 00:13)
[3] 3話(さらに修正)[toto君](2009/10/02 00:13)
[4] 4話 上編 (修正)[toto君](2009/08/28 15:40)
[5] 4話 下編[toto君](2009/08/30 19:41)
[6] 5話 上編(修正)[toto君](2009/09/27 12:01)
[7] 5話 下編(修正)[toto君](2009/09/15 15:29)
[8] 6話(修正)[toto君](2009/09/18 22:28)
[9] 7話 上編(修正)[toto君](2009/09/18 22:53)
[10] 7話 下編[toto君](2009/09/26 17:32)
[11] 8話[toto君](2009/10/02 00:30)
[12] 閑話[toto君](2012/03/25 16:10)
[13] 閑話2[toto君](2012/03/25 20:50)
[14] 実家編1話[toto君](2012/03/27 00:20)
[15] 実家編2話[toto君](2012/03/26 23:34)
[16] 実家編最終話 【暴力表現あり】[toto君](2012/03/30 23:17)
[17] キメラ編 1話[toto君](2012/03/30 20:36)
[18] キメラ編 閑話[toto君](2012/03/30 20:46)
[19] キメラ編 2話[toto君](2012/03/31 07:59)
[20] キメラ編 3話[toto君](2012/03/31 13:29)
[21] キメラ編 4話[toto君](2012/04/15 19:17)
[22] キメラ編 5話[toto君](2012/04/01 10:15)
[23] キメラ編 閑話2[toto君](2012/04/02 00:30)
[24] キメラ編 閑話3[toto君](2012/04/02 12:08)
[25] キメラ編 最終話 上[toto君](2012/04/02 20:50)
[26] キメラ編 最終話 下[toto君](2012/04/03 02:45)
[27] 9話[toto君](2012/04/15 19:18)
[28] 閑話 魂の合成 自己採点編[toto君](2012/04/15 19:17)
[29] 閑話 怠惰な兵士と戦うアルケミスト 1話[toto君](2012/04/16 02:33)
[30] 閑話 怠惰な兵士と戦うアルケミスト 2話[toto君](2012/04/21 23:49)
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[11215] 閑話 怠惰な兵士と戦うアルケミスト 2話
Name: toto君◆b82cdc4b ID:39245a63 前を表示する
Date: 2012/04/21 23:49
「本当に彼女で良かったのかい?」

「はい、バーニアット少尉は優秀です」

「私にはそうは見えないがね………」

ロイ・マスタングはパラパラと一枚の書類を見る。
モニカ・バーニアットの人事評価の書類だ。

評価の全てにこう、書いてある。

特筆事項なし。



それが何年も続いている。


それを見て、少し不安に思う。

これから中央に異動になる可能性が出ている。
それまでに此処で自分の権力で出来ることはして置きたいのだ。
ましてや、鋼の錬金術師の件もある。
割ける努力は鋼の錬金術師以上に妙薬の錬金術師に行なうべきだ。



錬金術士の力は学んできた知識に直結するのだ。
食品加工技術に使われる錬金術もアームストロング少佐から伺えば
彼女の研究に使われている錬金術はあまりにも精密な故に、範囲が狭く、速度が遅く、動く物体には使えない、と聞いている。

綿密な構築式からなる錬成陣によって食物の加工を得意とする錬金術師だ。




故に彼女の錬金術は戦闘用としての使用には向かない。

緻密すぎて速度と攻撃範囲を必要とする戦闘に使うには人間の脳の処理能力では不可能なのだ。



創れば次に向かい、改良に時間は掛けないタイプである。

そもそも私や少佐のように戦闘用に特化させる必要も理由もないのだ。



それは、あまりにも広範囲な研究テーマのための犠牲でもある。

簡易な錬金術はそれなりに万遍なく出来るそうだが、それだけだ。
鋼の錬金術師も似たようなものだが、彼の場合、弟とのコンビネーションと体術を重視した戦闘の構築。
そしてあのシングルアクション錬成により万能の如くの強さだ。


国家錬金術師であろうが、誰しも強いというわけではない。

彼女は研究者、人間兵器ではない。

もし、傷の男にでも襲われれば、為す術もなく殺されるだろう。




だが、最も気心が知れているだろう妥当なあの少佐は、大総統の南部戦線視察の護衛任務に立った。
故に自分の周囲の戦力が足りず、取りあえず護衛任務に使えそうな人間を探したが
自分の見たところ、彼女は男性を苦手としている。
彼女の交友関係を見るとすぐにわかる。
傍にも置いてくれない人間を護衛に置いても意味がない。
故に女性でりながら強い、という人間は自分の横に立つ人間は彼女しか知らない。
自分の傍から離すことは出来ない、女性だ。

横目で彼女を見る。

すると

「彼女はなんて言うのでしょうか……そうですね、薄い存在です」

「薄い……?」

ロイにはよく分からないことを彼女は言う。

「ええ」

リザ・ホークアイは士官学校時代の事を思い出す。
山岳を使って行なわれた、実戦向けの個人戦闘の演習で最も多く勝ち星を挙げた彼女を。

「……幽霊のような気配の薄さ」

自分の頬をリザ・ホークアイは手で思い出すように撫でる。
眠そうな表情でゴムナイフを当てられた記憶を思い出して。

「そして、一度だけの奇跡とも呼ばれましたけれど……彼女は本物です。そして面白い子ですよ」

まるで、ルーチンワークをこなす様に同期を葬っていく銀髪の女。
疲れた表情で静かに敵を打ち倒す近接戦闘の天才。
自分の狙撃の才能に誇っていた、あの時代。
彼女のお陰で、狙撃の際の自分の周囲の把握について学ばされた。
彼女は面倒そうに私に気付かれず近寄り、私にこう言ったのだ。


「これで最後ッス………あと何人倒せばいいんスかねぇ……」

溜息を吐きながらピタピタと私の頬にゴムナイフを当て付けるモニカ・バーニアット。

これで私に死亡判定が付いたわけだが。

そこには嬉しさや誇りもなにもない。

ただ、疲れしか感じられない雰囲気。

どこまでもやる気というものが感じられない態度。

多分こういう人間だから気付きづらい。

やる気の無さ故に、誰にも気付かれないほどの隠密性。
まるで、微風のような静けさの接近。

「私で最後だと思うけれど?」

「…………ずっと狙撃していたのあんたッスか……あんな模擬弾頭でよくやるッスね……でも残念ッス、近くに寄れれば問題ないっス」

「その口癖面白いわね………」

「楽ッスからね………あーつかれったッス………あんたといい、なんでこうも面倒なんスか……」


「…………面倒なの?」

「面倒ッス………あまりにも真面目にやり過ぎたせいで、面倒なことになりそうだから、これからは適当にやる積りッス」

綺麗な短く纏め上げられたクセのある銀髪を揺らしながら微笑むモニカ・バーニアット。
実戦の訓練の筈なのに、まるで座学の教室での授業に対するような、静寂さを持った空気。

まるで熱のない、冷たさ。


「そう……………」


まるで、突発的な事故のような、目が覚めるような突然さに私は静かに頷くしか出来なかった。


という、懐かしい思い出だ。
あの子が言う面倒の意味が分からなかったが、イシュバール戦に飛ばされてから
気付いて、一時期は少し、彼女を恨んだものだ。
まぁ、そもそもいくら隠密能力が異常でも、殺し屋のような技術であり、戦場向きの能力ではない。
軍人は基本的に集団戦闘だ、あのような突出した能力は役には立たないだろう。
斥候としては抜群の能力を持つが、個人ではたかが知れている戦力だ。

案外、工兵としてなら使えそうだが。

それでも個人の能力は私のように狙撃という強みを持たない故、召集はされない。





だが彼女ほど護衛に向く人間はいないだろう。

軍人独特の厳格なルールに縛られたキビキビとした動きがない様は、まるで一般市民だ。
敢えて軍服を着せず、私服にさせてユーリック・バートンの傍に居させれば良い。
そう、彼女の特異さは警戒されないことにある。

あの彼女とモニカが一緒に居る光景を想像して思わず。


「ふふっ」

本当に面白くて思わず笑ってしまう。
友達同士で歩いているようにしか見えない。
雰囲気は地味な羊と牛のような二人だ。



「……そうか、なら期待しよう」

それを見て不気味な気分に陥るロイであった。

「それよりも大佐……あの子に対してデートを誘うのは良いのですけれど。貴方にその余裕があるのですか?」

リザ・ホークアイは上司の机に盛られる書類の山を見て、そう言う。









モニカは自分が借りているアパルトメントの一室で与えられた資料を見ていた。
ベッドの上で寝そべりながら読む姿は、目に通しておけ、という言葉に対し、挑むには怠惰で軽薄な態度だ。
そもそも軍の関係資料を自分の家に持ち帰る自体、彼女の軽薄さが伺える。

彼女は軍人でも珍しく、軍の関係者が経営する宿舎では暮らしていない。
いくら快適で安かろうが、同じ女性兵士が多い宿舎を嫌い、公私をしっかりと分けるために一般のアパルトメントを借りて暮らしているのだ。

そう、今はプライベートなのだ、仕事の資料は暇つぶし程度の娯楽にしかならず、彼女はお菓子を食べながら資料を読んでいく。



「まるで映画のヒロインのような完璧さッスね…………話には聞いていたけれど」

現在は塗り替えられたが、過去の最年少国家錬金術師資格取得者 【妙薬の錬金術師】ユーリック・バートン。
彼女の記録は多く、どれもこれも、際立った経歴だ。
アエルゴとの小競り合い、何年にも渡り国軍の戦線を維持する戦闘指揮者、ヴォルフガンク・バートンの娘。
ヴォルフガンクが行なう戦略はどれもこれも国軍兵士の犠牲を最小限にし、敵に夥しい犠牲を出させると聞く。
ヴォルフガンクは兵士達に特殊な訓練施すという。
ヴォルフガンクは変わり者と頭でっかちな秀才タイプの高官達は言うが。

南部の秘儀と呼ばれる技術を作り出した稀代の兵士である。

「板目を通る」という兵の技。


彼は兵を慈しむ者であり、自分の配下に恐ろしい訓練を行なう。
ありとあらゆるシナリオの状況を作り出し。あらゆる状況に耐えうる、最大効率の訓練。
兵士一人一人に万能とするべく訓練を行なう。
常に最新の訓練を施すらしく、いつも兵達は悲鳴をあげる、という。

敵と出会った瞬間の4秒間を支配する訓練、というものらしいが、あまりにもスパルタで殆どの人間が脱落しそうになるという。

だが、ヴォルフガンクの訓練を受けた者達は、皆個人的なテクニックが上昇し、劣悪な環境での戦闘はどの地方の軍人達よりも優れるという。




熱心なのはゲリラ訓練とサバイバル訓練、トラップ訓練らしく、私の同期も大分野生に戻った気持ちだったという。
モニカには向いているよ?とか言うが、冗談じゃない。

隠れ家と呼ばれる場所で4人で何日も敵陣の中で篭もるのは嫌だ。
私が今こうしてベッドで清潔に寝そべっている間も彼等は不潔で悪臭が篭もる小さな草木に溢れた塹壕の中で
水の中に放り込んだ過熱式レーションを食べ、残ったお湯でお茶を飲むのだ。
それが一日の唯一の楽しみ。

嫌過ぎる。

確かに私はトラッキング(追跡術)は得意だが、首狩り族の真似事はしたくないのだ。





そして、ヴォルフガンクの息子たちは誰も彼も国家錬金術師に匹敵する戦闘能力を持つという。
彼等は皆、呼吸をするように敵を刈取る。

ヴォルフガンクの血族

長男のバレット・バートン 
次男のグラーゼ・バートン
三男のパトリック・バートン
四男のクルーガー・バートン
4人とも敵軍から異名が付くほどだ。
優秀だがどこか皆、奇矯な人格者ばかりで、問題行動を起こしているらしいが………。

最近では4男が北に異動となったらしい。
不祥事ばかりで、「頭を冷やしてこい」という異動らしいが。
多分、北壁の戦術の取得の為だと考えられる。


ああ、なんという物騒な家だ。


その中で一輪咲く紅い花。
天才的な国家錬金術師。
多くの人々に貢献する、まさしく大衆の為に生きる錬金術師。
13での最少年国家資格取得。
若干14で行なった戦場での活動は有名だ。


最も有名なのは、多くの発明を此処7年で行なったという、稀代の発明家としての面。

そして、戦後の市民の生活の為に自分の手元に入る私財を投げ打っているらしい。

彼女の研究によって、戦後、職を得ている兵士が多いのだ。

「出来すぎッス…………胡散くさ過ぎッス」

ぱきり、とクリスプスが袋詰めにされた製品に手を伸ばして食べていく。
芋のスライスを揚げた食べ物、ポテトチップスだ。
過去レストランでしかこの揚げたてのパリパリとした食感が得られないものだったが。
これも彼女の発明の一つらしく、ここ数年で食料店で普通に見かけるようになった。
ガス充填包装と呼ばれるものを発展させたものらしく、長期保存が可能という包装技術らしい。
資料には食品の空気中の酸素の影響による悪変防止研究という数年前発明、と書かれている。

「しかし、言われてみれば……って感じッス」

工業において使われていたゼラチンの食品加工剤の発明。
増粘安定剤と呼ばれる植物性の凝固剤の発明のお陰で果実の酸味が強いゼリーが食べられるようになったとも。




「確かに有名な人物ッスけど…」

パリパリと塩味が聞いたチップスを食べていく、油っぽさと炭水化物が嚥下した時に満足感が得られる。
清涼感があるサイダーと一緒に食べると格別だ。

「映画館では禁止になったッスけど……ラジオを聴きながら食べられるし手軽でなんかノンビリできるッスね…」

食べ終わったら余計な後片付けがいらないお菓子というだけでも便利だ。

モニカは食べ終わった袋から手を抜き、指に付いたチップスのカスを舐め取っていく。
袋をそのままベッドの下にあるゴミ箱に投げ入れる。


先ほどまで流行していた音楽をラジオが流すのを止め、連続ラジオドラマ「明日に撃て」が放送される。
元軍人のアウトローな男がアメストリスに蔓延る悪を討つ、という陳腐な話だが、これはこれで王道もので面白い。
旅のお供に小さな少女という、設定が多くの人たちに受けるのだ。
ハードな物語の展開に出てくる、木漏れ日のような癒し、それが良い。


寝そべりながらうつら、うつらとしながら聞いていく。

小腹が満たされて眠くなってくる。

まどろみの幸せ。

とても地味だが、怠惰を好む人間にとって、これほどの至福はない。

「…………ちょっとした幸せの調味料、そんな感じっスね……」

彼女の経歴は胡散臭いが、彼女の発明はそういう風なものばかり。
なら、彼女という人間の本質は多分そういうモノなのだろう、とモニカは思う。
激流の中に身を置く事でしか生きる意義を見出せない者達、例えばあの大佐のような志に対する熱を持つ者にとって
彼女の存在は空虚なものなのかもしれない。
食べてしまえば、その存在を忘れてしまう。



このからっぽになった袋のような空虚さ。

大佐殿も、優秀な同期も、彼女の人柄の表し方は、通りすがる景色のような表現だった。
彼らの良い人間、という言葉は、彼等にとっての彼女の位置を遠くに置いている。
自分たちとは決定的に交わらない存在、そんな言い方だ。

しかし。

「今まで怖い物から避けてきたけれど………」

ユーリック・バートンの写真を眺める。

どんな凶悪犯罪者の写真を見ても、ただの情報としての存在だ。
自分と関らない者に感情を感じはしない、だけれど

「ユーリック・バートン…………か」

どこまでも、ただ前を、目に映るものを見透かすような、眼球。
白黒の映像を留めたものだが彼女の目はこちらを見ている。


ただのカメラ目線でこちらを見ているように気がするだけだ。

だが、彼女の写真と目を合わせるのを何処か敬遠したい。

不安になる。

だが、それも出会えば、わかる。
どんな危険な人間かはっきりと。


彼女から感じる臭いはまるで、毒のような香りだ。

甘いけれど、有毒―――そんな感じだ。

ま、しばらくは護衛任務まで公休の先取りでしばらく休めるのだ。
しばらくはダラダラできると安心して眠る。

安心出来るというのは不安があるから出来るのだ。
彼女の不安は的確に当るだろう。
不安は不安な現実を引き寄せるものである。





閑話 怠惰な兵士と戦うアルケミスト 2話


パトリシアは今、自分の位置に大変満足していた。

パトリシア・クイーンロウ退役中尉は軍人ではなく、ユーリック個人の私兵として雇われることになった。
家族には軍を退役し、家庭に入ることを薦められていたが、それよりも良い生き方が自分には在ったのだ。
家族には一方的にバートン家の娘の護衛となる、と伝えたまま、それからは連絡はしていない。


ユーリック・バートン

ユーリ。

誰よりも誇り高い、我が主。
私が振るう力は彼女の為だけにあり、そして彼女によって振るわれる私という力はきっと、正しく在れる。
彼女の正義はパトリシアにとって何よりも美しい。
国益の為に戦うよりも、彼女の為に戦うほうがきっと楽しいのだ。
初めて出会った時から彼女を気にしていた、ずっと気にし続けていた。
気になるのなら傍にいたほうが良い、そんな理由だが、間違っていない気がする。

出会ったときのユーリックは夢を見ていてもおかしくない歳頃の少女だったが。


所帯じみて現実的な人間のようであるが、実のところ、自分が持つ理想と良心を体現するために生きているような少女。

戦場に立った時も、陰惨な現実を正面から見据えていた。
大きな殺し合いに悲哀を感じていたが、泣いたり逃げたりせず、常に瞳は現実に向かっていた。


困った人間を見ると必ず手を差し伸べる勇気と優しさに満ち溢れ、他者に対する慈しみと労わりの努力を忘れない。
多くの発明も自分の好き勝手と簡単に言うが、実際やってのけるのに、どれだけの努力が必要だったのだろうか。


全てを優しさではなく、好き勝手な独善と傲慢である、と彼女は謳うが、彼女の優しさは正しい形となって他者の労わりになる。



戦場で出会った国家錬金術師達は彼女のことを馬鹿にしていた。
兵士も彼女を馬鹿にしていた者もいるし、正面からお前に何が出来る、と言った人間もいる。
正面から陰口をたたかれても、気にせず、いつも行動をしていた。

そして戦場で一番細い肩を揺らしながら、いつも言う。

「行きましょう、錬金術師の私なら役に立てます」


「危険です」


錬金術師としての力が無くても、多分、彼女なら行くだろう、そう感じた。
ただの14の少女という事実を錬金術師だから、という建前と嘘のような理由を着けて行くのだ。

彼女が最前線の補給に赴こうとした時は全力で止めた。

「ちょっと危ないかも知れないですね………えーと、だから、護衛よろしくお願いします」

お願いします、と私に頭を下げながら頼む少女。

すまなそうに私に言い、本当に危なくなったら私を見捨ててもいいですから、でもあんまり見捨てないでください、と笑う。

「はぁ……死んだらどうするんですか」

「死ぬつもりで行くわけではありません」

「危険な場所ですよ、安全なんかありませんよ」

「私は役に立てればいいんです、私は敵となった人を………でも出来ることが沢山あるかも知れません。
そこには危険とか安全とか関係ないと思うんです、やれることがあるなら、やった方が良いと感じるから、行きたいんです」

揺るがない意思



気高く、自らの誇りの為に行く少女。


「それに錬金術で弾薬の補給、塹壕の作成、医療設備の作成、とか色々出来ます……きっと向こうの人々にとってお得ですよ」

「食料は?」

「美味しくない栄養元と水なら可能だと思います…………」


現実的な意見を述べて微笑む。

命を掛けた決断をする時にはいつも微笑むのだ。
それは、どこかで自分の命を突き放した本当の戦士の笑顔だ。

いっつも、その笑顔に負けてしまい、ついつい我侭を聞いてしまう。
芋などこの少女の前では引いたりはできないと思ってしまう。


「それでも凄く役に立つと思います……ユーリック殿」

「…………おっけーですか?」

「しょうがない人ですね……貴方は」

「うん、付き合ってくれてありがとうございます」



そして彼女は錬金術という魔法で多くの人の役に立った。

兵器としてではなく、魔法使いとして戦場に行くのだ。

彼女を目にした人間達は彼女を兵器としてではなく、小さな魔法使いとして扱った。

兵達は彼女を愛していた。

彼女の前で皆は格好を付けるために弱音を吐かず、不満を言わないようになった。

彼等は彼女を旗本として勇敢になる。

正しく兵として在る為に。


ユーリック・バートンという混沌の中に生まれる秩序。



まさに英雄だったのだ。


彼女の近くに居た兵士達の中、今でも彼女に危険が及んだとしたら、すぐに駆けつける者は多いだろう。








彼女が物語のような姫君であったなら、と夢想をしてしまうのだ。

きっと生まれてくる世界を間違えたに違いない、そんな人間。

しかし、彼女は誰よりも無防備な人間のように見える。
本気で着飾れば誰もが振り向くような美しい人間のクセに、初めて出会う人間と全て信用と信頼から関係を始めようとするのだ。

人から欲望の眼差しで見られようが、知ったことはない、と言うように自分のやりたいことをやる。


どこまでも、やりたいから、やっている、そんな風に他人を助ける。




荒んだ場所に居る人間の心は荒む。
過去、彼女を性欲を伴った眼差しで見て、彼女の寝込みに暴力を振るおうとした兵士も中にはいたのだ。
勿論、容赦なく、こちらも暴力で返礼してやった。

そんなことがあって彼女には傍に居て守る人間が必要だ、そう思った。
だからこそ、友としてではなく、守護者として在る為に雇われることにした。



だが





「で………御嬢さま………何か言う事がありますか?」

「………パティ、その変な呼び方やめてください」


彼女は靴に付いた血を嫌そうにしながらハンカチで拭いていく。
人を蹴ったせいで着いた血だ。

話は簡単だ。

まずは東部からあの大佐殿の、まずはとにかく此方に来てくれたまえ、という連絡が入りアメストリス東部に向かった訳だが

折角だから美味しいもの食べましょう、と色々豪華に食べ歩いた。

ユーリックは元々異常に食い意地が張った少女であった、しかしあの一件から、食い意地の他に腹の虫が鳴きやすくなったらしく
非常に飲み食いが激しくなったのだ。



豚になりますよ、と言えば、身体が栄養を求めている、と止めない。

「うまうま」



まるで成長期の子供みたいに暇があれば何かを食べている子になったユーリック。
本当に成長期のように、ここ数週間足らずでありながら一気に身体の作りが変わって行くような気がする。

14の頃から殆ど変わらない少女の姿から変貌を始めているようだ。

胸もさらに大きくなり。
背も伸び始め。身体がギシギシと痛い、と成長痛さえも起こしているしい。

いくら食べてもお腹がすぐ空くらしい。

見ていて面白かったが、すぐに路銀がなくなり始めた。



だから、銀行でお金を引き出しに彼女と共に東部に着いてすぐに銀行に向かったのだが。


「貴女の護衛として雇われているわけなんですが、なんで貴女はそう、危険に対して猪のように突っ込むんですか?
貴女は馬鹿ですか!?死にますよ!?今回は良かったものを!」

私は怒る。


「いや……つい、でも森の狼のポリマーの高分子物質のフレームを参考にして作った私の新しい白衣は、すごいんですよ!?
なんと、アラミド繊維ですよ?銃で撃たれても、死にません!………ん?……撃たれた衝撃で死ぬ確率が……?
でもでも、白衣の内側にも幾層もグラファイトの元の(炭素)繊維を含ませた布も入っているので
錬成陣でモース硬度を六方晶ダイヤモンドぐらいにして防御も出来るし……最硬ですよ」

「いい訳はよろしいですか……」


この娘、生粋のトラブルメイカーなのかトラブルに出会い易いのか、向かった銀行先で銀行強盗に出会った。
そして、6人だ、6人もの銃で武装した強盗だ、動き方を見ると元々は軍人崩れだったのだろう強盗達。
それに臆することなく、銀行強盗として活動を始めた男達に対して
すぐさま喧嘩を売った。

ユーリ、大人しくして………とか言う前に鉄が入った靴のつま先で鮮やかな蹴り技を見せてくれたのだ。
まずは一人、相手の鼻先に正面蹴りだ。
見張り役目の一人で客達に銃を向けていた。
そいつが一番気に食わなかったのだろう、そいつは銃という凶器を人に向け脅して楽しんでいた男だった。
まるで地を縫うかのように俊敏に動き、飛び、蹴り上げ、蹴りはその男の鼻にめりこんだ。
見事な正中線を引いたような蹴りだった。
相手はその瞬間から行動不能となり、自分の顔を抑えて銀行の大理石の床で悲鳴を上げながら悶えることしか出来なくなった。

そして蹴りから着地した瞬間、片足の靴の裏に仕込んであったのだろう錬成陣を電光と共に起動させ、そのほか見張りに立っていた二人に対して床の大理石から飛び出す
丸い槍を作り、襲撃した。

流れるように、もう片足の錬成陣を起動。地面の床をカタパルト代わりのように勢いよく足の形に飛び立たせ、発射された弾丸のように
銀行窓口に銃を向けていた男達三人の下に飛んでいった。

一人には容赦ないラリアットだった。

そして着地し、相手をなぎ払い、全身に電光を纏い

どうやら、身に着けていた新しい白衣にも錬成陣が描かれていたらしく、その白衣も何かに変系させ鞭の様に相手の一人を打ち据えた。


アスベスト、怖いとか意味のわからないことを言いながら、最後の一人に銃を腰から引き抜き、向けて呟く

「12歳の女の子はね、私のようなお姉さんと明るい空の下で出かけるんです。一緒にお茶をして買物をして――――だから邪魔です。
貴方達のようなくだらない事をして、くだらない時間を私に提供する人間には容赦なくいきますよ?」

「お、お前、なんなんだ!」


あまりの瞬間的な制圧に男は混乱していた。
べつに、混乱したままでいいのだろう、ユーリックは胸を張り、正々堂々とこう言う。

「私の名はユーリック・バートン。世界最強の――――錬金術師だ。
貴方が先ほど言った言葉がありますね。弱肉強食と、ならば私が持つ最強に敗北してください。
私が信じる最強は、きっと貴方の弱肉強食の考えどおりに貴方を打ち砕く――最強だ」

森の狼と呼ばれる銃の銃口。
砂の狼と呼ばれる銃の銃口。

二つの銃口を男に向ける。


酷薄などこまでも冷たい殺意が宿る。
獲物を狩る狼の殺意。

銃口に狙われた男は心臓が止まるほどの恐怖を得ただろう。




「貴方、銃を抜きましたね、銃は人の手で振るわれる殺意の延長の為の兵器です。
銃口を向ける、という行為は、即ち人を殺す行為です、そして、醜いんです、怖いんです、いつ死ぬか分からないんですよ?
引き金の重さは4キロ程度です、たかだか4キロという労力で一発20センズの弾丸が人を貫いて、殺傷します。
しかも、未だに貴方の銃の銃弾はマッシュルーミングを起こす銃弾が使われています。
人の身体は水で出来ていると言っても過言ではありません、いいですか、腕や足でも至近距離で当たった衝撃で流体性静力学的ショックで即死するかも知れないんです。
わかりますか?………だから――――――銃を下ろせ」


「何を……言っている!?」

男はそれでもユーリックに銃を向けるのを止めない。
男の手は震えていた、そう、恐ろしいバケモノに出会って震える弱々しい人間となり。
弱肉強食を実感するのだ。


目の前の可憐な女性にはどうやっても、何をしても、勝てないと、実感する。

そうだろう。
私でも今のユーリック・バートンとは正面で戦うのは絶対に拒否したいのだ。
ここ最近では彼女の戦闘訓練に付き合っているが、あの絶大な殺意の篭もった瞳で見られていると、怖くてたまらないのだ。


かのヴォルフガンク少将以上の純粋なる闘争本能によって発揮される、冷たい瞳。
まだまだ全てが未熟だが、彼女から発せられる殺意は私が知る誰よりも恐ろしい。
クルーガーのような無機的な殺意ではなく、正真正銘の血の通った、熱血の殺意。


「馬鹿には馬鹿に対する馬鹿らしい行動を取りましょうか?―――――早撃ち勝負しますか?―――今流行の「明日に撃て」のように?」

ユーリックに銃口が男の足元を狙う。
だが、そんなことはさせない。
ユーリックの力はこんなくだらないことに使われるべきではないのだ。
彼女の力はあくまでも、彼女の大切なモノに振るわれるものだ。

その前に私はお得意の鉈で、相手の腕を軽く削り取った。
同時に手に持っていた銃口ごと銃を真っ二つに裁断する。

本当は私の異名どおり、粉【轢き】にしてやりたかったが、手加減してやった。


皮膚の一枚程度しかスライスしてないのに、男は悲鳴を上げて倒れ腕を押さえて床を這いずる。

「あ、パティ……ちょっとまた、うわぁ、血が…………あ、手加減しましたね、えらいです」

「ちょっとまた、なんですか?」

私は這いずる男を遠慮なく軍靴で踏み、暴走したユーリックを睨む。


「………お説教中だったのに、穏便に収めるために」

うわ、お腹と腕いたそー、と眼下の男を眺めながら言う。


その瞬間、人質になりかけた周囲の全員の人間が


「……………穏便?」


と呟く。


私の場合は貫通力が高い銃弾なのに、と腰に2丁を収める。
格好をつけクルクルと曲芸を見せ、どうだ、と私に言わんばかりに微笑む。


「格好が良いと穏便です……クールです」

「格好付けなくとも…………ていうかラジオに影響されすぎじゃないですか」

「「明日に撃て」カッコイイですよね?あんなカッコイイ感じで決めてみました」

「いや、どう考えても、ハードボイルドじゃないですよね、ユーリは」

「じゃあ、ハートフルです」

まぁ、心行くまで相手を恐怖させたと言えばそうだろう。

「ふふっ………ははははははははっ!」

ユーリックは笑う、自分の言ったことに自分で受けたのか知らないが、笑う。
あまりに様相に安全になって安堵する前に、彼女の様子に皆、ドン引きしたのか苦々しい顔をする。

一人の客が彼女に対して拍手を送りながら、愉快そうな笑いをはじめる。
すると皆、涙を浮かべるほど笑いはじめ、追随するかのように拍手を送る。

銀行員達は笑いながら、非常ベルを鳴らしはじめ、勇気がでたのか、倒れた男を荷造り用の紐で縛り始める。


「…………じゃあ、みなさんで金一封貰って分けましょう!少ないですけど、少し美味しいもの食べて―――お酒の一杯は飲めますよ!」

ユーリックは笑顔で声を上げる。



多くの人々が彼女の前に集い、笑う。


自分の立ち回りに声援を与えられて、恥ずかしいのだろう、ユーリックは、はにかんで微笑み。



ああ―――――なんという。






身体が震える。

総毛立つような震えだ。

身体が熱くなる。
燃えるのだ、猛るのだ、彼女を見ていると。




ユーリック・バートンは英雄になろうとしている。

戦う英雄に。

それはまさしく、私の夢。

国の為に戦う兵として戦ってきた。
そしてつい最近まで少女だった、彼女の父を理想の兵として仰ぎ、戦ってきた。

だが、ついに見つけた。

我が主、戦いの旗本。
そう、ついに守りたいものは、この手に強く在る。
私の生きる目的は―――守護。
守るものはこんなにも美しく、とても強い。
私は彼女の一振りの粗雑な鉈で良いのだ、きっとそれは楽しいのだ。
シルビアは言っていた、ユーリックの傍に居ると強くなれると。
ああ、そうだろう、彼女の傍に居れば、強くならざるおえないだろう。


流石だ、少将。

娘のことをよく分かってるらしい。

旅立つ前に彼は私に言った。

「ようやく、生まれた…………狼が、戦士が……中尉、いやパトリシア君、君は楽しくなるぞ。
あの娘は、何れ、最強となる。
そして、正しく、己の意志で戦うのだ。
まさにバートンだ。
そして勝ち続け、生きる強さがある。それこそが正しい戦士なのだ。
真に強く、真の戦いを行なえる者と傍に居られる君は―――――きっと生きるのが楽しいぞ」


ああ、楽しいです。

だから、彼女の傍に居たいのだ。
彼女と一緒に戦い守る。

これからもずっとずっと。

だが、その前に

わなわなと震え

「あのですね…………馬鹿ですか!」

私は叫んだ。

「ちょっとは自重しろ!馬鹿!」




最後に

だが、あの娘は本当に馬鹿だからな、狼の家に生まれた馬鹿だ。
馬鹿が馬鹿のまんま大きくなった。
シン国では麒麟と言う、伝説上の動物がいるのは知っているか?
そう、あれが馬鹿だ、よく覚えておいてくれ、パトリシア君。


とヴォルフガンク少将は言った。


だから


その前にお説教だ、馬鹿娘め。

彼女の馬鹿を叩いていたのは彼女の両親の役目だったが、これからは私の役目だ。
あのクルーガー以上に彼女は馬鹿なのだ。


彼女は全てと戦う者。
出会う全てを大切にするが故に、真剣に全てとぶつかる。

好戦的と言っても良い。


だから守ってあげないと。


パトリシアは自分が持つ最高の笑顔でユーリックを引っ叩く。
なに、この娘は丈夫だ。

遠慮なく叩いてやる。
指先でドカンと一発だ。


「いったー!」

最後に倒れたのはユーリックだった。

額を抑えて倒れ、悶える。

「体罰反対です、しかも頭脳プレイする私の頭を………」

「はぁ……………頭脳プレイとかどの口でほざくんですか、ユーリ」


よっぽど痛いデコピンだったらしく、ほろり、とユーリックは泣き出す。

その情けない様子に人々は笑う。


「はっ………だから直接教え込んであげてるんです、ハラハラさせられたお返しです」

「…………1分程度のハラハラで?これですか?」

「貴方…………馬鹿ですか」

「痛い!」

取りあえず後先考えず突っ込むことを禁止しないと危険だ。
そう思い、いろんな人々が居る前でお説教を開始する。

なに、どうせ直らないが。


私に真っ先に声を掛けないのが腹が立ったのが大部分の怒りだ。


あの時に大声で私の名を呼んでから走りだしていたら、こうも怒りはしない。
彼女はいつも決定的なところで一人で戦ってしまう。

そこが腹が立つ。

しかし、なんだ………この娘、何故男として生まれなかった。

男として生まれていれば、至高であったのに、何故だ。
彼女が彼であれば、彼をリーダーとして、このアメストリスの一個や二個、奪い取ってやるというのに。


ま、逆に女でよかったかもしれない。

この前聞いた話だが……この娘、あの東部の焔と同じ階級だという。
20で大佐だ、本当に男であったらなら、と考えると末恐ろしい存在だ。


こんなに可愛いくせに、特大の爆弾娘だ。

地雷のような女とはよく言うが、多分その類だ。
女にはモテるようだが、男に決定的な所でモテないのはこういうところにあるのだろう。
女は男にないスリルを彼女に求め、男はその爆弾のデカさにびびるだろう。


東部の大佐殿も及び腰だった。

彼女は男性が苦手というが、男が彼女を苦手とする。
普通の男であったなら、避けたいところだろう。



1分で6人もの銃で武装した人間を制圧できる怪物など貰いたくもないだろう。


バートンに嫁いだ親戚を思い出す。
あの人も爆弾だったなぁと。


「ちょっとパトリシアっ!どこ触るんですか!」

「躾です、ちゃんと上下を弁えてお腹を触られなさい」


「人が見てます!お嫁に行けなくなります」


「行く気あるんですかぁええ?」

「ひゃん」

「お、感じてます、感じてます、成長してますねー」

「おい、触るな、この変態」

「身体は正直ですねー」



親戚を思い出し、ついでに嫁ぎ先をクルーガーにされた苦々しい記憶を打ち消すように
私は自分の潤いの為に今日もまた、彼女に悪戯を行なう。









その光景の一部始終を見ていた一人の女性が言う。


「…………軍人やめようッスかね、これからを考えると心が折れるッス」

一人笑えなかったモニカは溜息を吐きながら、真剣にこれからの未来を憂う。
危険すぎる、こんなの護衛していたら、毎日が絶体絶命だ。

まぁでも。


「「明日に撃て」……はカッコイイッスね」



















あとがき

ありがち覚醒型主人公です。

そして熱血ヒーロー型

平凡に秘められた力……とかありがちです。


ちなみにアスベスト発言はユーリックが炭素から錬成したカーボンナノチューブの鞭から来ています。
馬鹿、麒麟はあの名作十二国記のオマージュネタ。
ユーリの白衣はまるでウフコック。
固ゆで、雛料理、程にはなりませんが、それなりに便利です。
アニマとアニムスの対比と統合による全能力向上の一端です。

現代人の男の記憶を完全に受け継いだ存在であり、男が忘れていて思い出せない記憶も引き出して使えるようになりました。
多分世界まるみえとかトレビアとか雑学系の知識も完全であり、正しく転生系の強みを発揮します。


現在遅い成長期に入りました。



これもありがち。



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