五穀豊穣という言葉がある。
1人のお百姓さんが毎日一生懸命田畑を耕したとて、彼だけの力でそれを成し得ることは決して出来ない。
天と地と人、その全てがあってこその実りなのだ。
ある時は厳しい顔を見せる大自然に、隣人と力を合わせて立ち向かい。
ある時は優しい顔を見せる大自然に、隣人と共に喜びを分かち合い。
それら全てに対する感謝の気持ちこそが、何を隠そうミラクルフルーツライスシャワーの根幹を成しているのである。
慈愛の具現化とも言うべき、究極の性感マッサージ。
それを一身に受け続けた焔耶が、フルーツ(笑)の使い手となったのは至極当然のことであった。
「果物だものー!」
気合い一閃、焔耶が『鈍砕骨』を地面に叩きつけた。
迷宮中が揺れ動くような衝撃と共に、その大金棒に纏わせた焔耶の氣が敵味方に飛び散らばる。
美しい流星のような弾幕に、なぜか必要以上にうろたえる敵方。
しかし同じように焔耶の氣弾を浴びた一刀達が、その攻撃に痛みを感じることはなかった。
それどころか、なんと一刀達のHPは僅かながら回復までしていたのである。
残念ながら、焔耶の必殺技が敵に対してそれほどのダメージを与えた様子はない。
だがその代わり、不思議なくらいに怯んだ敵の隙を突いて、蒲公英が突撃した。
更に一刀も、反対側に回り込んで敵の群れを追い詰める。
一刀と蒲公英は同じタイプの冒険者なので、意志の疎通も図りやすい。
お互いの目配せでタイミングを合わせ、一斉に敵達を突き放した。
一刀達の働きで密集させられたモンスター達には、『豪天砲』の餌食となる未来が待っていた。
ここまでお膳立てをされていたら、例え桔梗でなくても敵を纏め撃ちするのは容易であろう。
鉄杭による『連射』攻撃を受けて瀕死状態のモンスター達は、そこに飛び込んできた焔耶の大金棒によって全身の骨を砕かれたのであった。
「俺達の連携も、ようやくまともになってきたな」
「ふん。私の実力を以てすれば、このくらいは当然だ」
「アンタ、今まで足を引っ張ってた癖に……」
蒲公英のぼやきも、今の上機嫌な焔耶には気にならない。
焔耶自身、それだけ最近の戦闘には手ごたえを感じていたのだ。
しかし練達者の桔梗から見れば、その戦い振りはまだまだであった。
「確かに今までの焔耶と比べれば、雲泥の差じゃ。だが、そこで満足してはならぬぞ」
「ああ。こっちを気にしてくれるのはいいが、今の焔耶はちょっと周りを見過ぎだな」
「なん……あ、いや、詳しく教えてくれ」
反発の言葉を飲み込む焔耶。
そんな彼女に、一刀は自分の意見を率直に伝える。
「俺や蒲公英に迷惑を掛けまいとするあまり、動きが消極的になってると思うんだ」
「だが私のフォローでお前達の行動を制限させてしまうわけにもいかんだろう」
「それが焔耶の持ち味を殺してしまっているのさ」
確かに焔耶が自分で対処出来る範囲内で戦う分だけ、一刀や蒲公英の攻撃回数は増える。
しかしそれらを足し合わせるよりも、焔耶が突っ込んで一刀達がフォローに回っていた以前の方が、敵に与えるトータルダメージは大きかった。
「ではお前は、私の戦い方を前の状態に戻した方がいいと言うのか?」
「そうじゃない。俺達が援護しやすいように突撃するんだよ」
例えば以前の焔耶だったら、敵に突っ込んだ勢いのまま向こう側へ走り抜けていた場面。
これを一刀のいる方向に変えてくれるだけでも、彼の行動選択肢は大幅に広がるのだ。
「ふむ、では次はそれを心掛けてみるか」
「周りの見えている今の焔耶だったら、すぐに出来るようになるって。それじゃ、ぼちぼち祭壇へ戻るか。焔耶、今晩はどうするんだ?」
「無論、行くに決まっている。2Pさん達には、まだまだ学ばねばならないことが沢山あるからな」
「そういえば最近は接客の作法も習っているみたいだけど、そろそろジャッ子は指名出来るのか?」
「ば、馬鹿、こんな所で源氏名を呼ぶな! それに、私が客なんか取るはずないだろ! あれはいつか桃香様にして差し上げようと……」
「まぁ、練習台がいるようだったら、いつでも声を掛けてくれよ。最大限に協力するからさ」
「ケロちゃんのお腹を膨らませて喜ぶような変態に、教わることなど何もない!」
「でもあれって、美容にもいいらしいんだぞ? 桃香も喜ぶかもよ」
「なに、それは本当か?! ……す、少しだけ聞きたいのだが、その、に、臭いとか、平気なのか?」
「めっちゃフローラル」
当然一刀と焔耶の会話は、すぐ傍にいる蒲公英達の耳にも聞こえて来る。
彼等の話の内容に、焔耶の保護者役として微妙に頬を引き攣らせている桔梗。
その時、ボソリと蒲公英が呟いた。
「……アイツ、随分と遠くに行っちゃったね」
「ま、まぁ、一概に悪しき変化とも言えぬ……のか?」
生温かい蒲公英と桔梗の視線を浴びながら、一刀と特殊プレイ談議で盛り上がる焔耶なのであった。
極一部の人生に多大な影響を及ぼしつつも、新生レスキュー隊の活動自体は順調であった。
桔梗達の給料も凪達の分を流用すればいいし、一刀自身は元から無給である。
もちろんその気になればかなりの額を貰うことは可能だったが、それが民達の血税だと思うと一刀は金を受け取る気になれなかったのだ。
幸いなことに、再建したてである馴染みの風俗店で酒を換金出来る一刀は、金銭には全く困らない。
まとまったお金が必要であっても『真珠』を取りに行けば済むし、焔耶を誘っての夜遊びにも全然不自由しなかった。
時にはムネムネ団の連中に酒や魚を振舞い。
時には団員達以外の探索者も救助し。
時には制式装備を大量発注して町に金を落とし。
気がつけば、一刀の人望は鰻登りであった。
一刀が愛用しているというだけで馴染みの料理屋はいつも満席となり、「嬉しい悲鳴だぜ」と店員さんを喜ばせるほどである。
逆に風俗店では一刀に遠慮して2Pさん達の指名が激減したのだが、一刀や焔耶が毎晩のように入り浸っているので、これもまた利益的にはプラスになっていた。
だからといって全てが問題ないのかと言えば、そううまく行かないのが世の常である。
現在の一刀を悩ませているのは、団員達の成長であった。
朱里達が考えた小隊制というのは、死傷者を大幅に減らすメリットだけがあるのではない。
実は通常の探索で考えると、かなりのデメリットが存在する。
1小隊25人が迷宮探索をするということは、敵との対峙を避けられないということである。
大人数のためにこっそりと移動出来ないのだから、そうなるのも無理はない。
そしてこれが、深い階層への移動を不可能にしていたのだ。
華琳や雪蓮などの有力クランが10人前後で迷宮に潜っているのは、探索が主目的だからなのである。
一刀が団長に就任してから早3ヶ月。
団員達も鍛えられ、そろそろ次のステージに進んでもいい頃合いだ。
しかし探索用のチームに編成し直して迷宮攻略を命じるという決断は、容易に下せるものではない。
当然これまで以上に死傷者が増えるであろうし、団員達の探索範囲が広がればレスキューだって難しくなるだろう。
一刀が麗羽からの呼び出しを受けたのは、丁度そういった過渡期の頃であった。
「大将軍?」
「おーっほっほっほ、そうですわ。特に何の宮廷工作もしておりませんのに、わたくしほどの人物になると、やはり黙っていても官位が上がってしまいますのね」
「……どのくらい偉いんだ?」
「大将軍っていったら、武官のトップなんだぜ、兄貴」
「今は大尉も空位ですので、実質的には軍部の最高位になりますね。確かに大出世なんですけど……」
と一刀に説明してくれる猪々子と斗詩。
だが猪々子はともかく、その言葉とは裏腹に斗詩は浮かない様子である。
「麗羽様、軍部の最高位ともなると、皇帝のいる長安に常駐せざるを得ません。折角自治権を手に入れたこの洛陽は、どうなさるおつもりですか?」
「大将軍になれるんだから、洛陽なんか欲しい奴にくれてやればいいじゃん」
非常に短絡的な思考の猪々子。
しかし意外なことに、その猪々子の意見を麗羽自身も支持した。
「斗詩さん。もともと洛陽は、近いうちに捨てるつもりでしたのよ。だからこそ、無茶な税率だったのではありませんか」
「で、でも、迷宮の攻略は……」
「わたくしのムネムネ団が一刀さんのお陰で急成長を遂げている今、もう数ヶ月もすればあるいは迷宮制覇も可能かもしれません。ですが華琳さんや雪蓮さんがいる以上、一筋縄では行きませんわ」
もちろん最終的に笑うのは自分の予定であり、そのための策もいくつか用意していた麗羽。
だが今はムネムネ団による迷宮制覇に固執して、中央に進出する絶好の機会を逃すべきではない。
迷宮攻略も終盤を迎えている現在、都市長としての観点から見ると、美味しい所は食べ尽くしたと言える。
多く見積もっても1年以内には迷宮も攻略されるであろうし、そうなれば洛陽の迷宮都市としての価値が激減することも間違いない。
その後を見据えていたがためのムネムネ団であり、そのための増税であったのだ。
麗羽の金の力で自治権が例外的に付加されているとはいえ、所詮は洛陽の都市長など官位五品に過ぎない。
それが今回、いきなり官位二品の大将軍に抜擢されたことには、恐らく自治権の返上に対する堪忍料も含まれているはずである。
今更洛陽が惜しくなったらしい皇帝の意図を考えれば、これは洛陽を高値で売り付けるまたとないチャンスであろう。
「わたくしの考えより数ヶ月ほど早いですが、この機を以てわたくし達は宮廷へと進出いたします。よろしいですわね、斗詩さん、猪々子さん、一刀さん」
「はいっ!」
「おうっ!」
「……え?」
ここまで麗羽達の話を、他人事のように聞いていた一刀。
しかし一刀はムネムネ団の団長なのだし、当然麗羽達も彼を戦力として数えている。
だからこそ、白蓮ですら呼ばれていないこの幹部会議に呼び出されたのだ。
「俺もなのか?」などと聞き返すことの無意味さを瞬時に悟った一刀は、頭脳をフル回転させた。
冷静に考えれば、決して悪い話ではない。
なにせ天下の大将軍、その親衛隊長なのだから。
しかも麗羽は、以前からそれを見越していた節がある。
である以上、大将軍は麗羽にとってあくまで通過点であり、決してゴールではないのだろう。
麗羽についていけば、一刀にも輝かしい前途が待ち望んでいるように思える。
「でもなぁ。ごめん、やっぱり俺、洛陽に残るわ」
「……わたくしについてくれば、出世栄達は望みのままなのですわよ?」
「というかさ、そもそも俺って外では役に立たないと思うんだよな。モンスターならともかく、対人とか無理だし」
「親衛隊長が自ら戦うなんて、そうそう起こりませんわ」
「でもさ、人を殺せって命令せざるを得ないことだってあるんだろ? そういうのは、絶対にやりたくないんだよ」
麗羽にとって、一刀の言葉は意外なものであった。
このご時世は、自分のために人を蹴落とすことなど日常茶飯事である。
直接人を切り殺すことに拒否反応を示す者はともかく、安全圏から他人に命令を下すということまで嫌がる者などほんの一握りであろう。
そのことに多少の抵抗を感じた者でも、麗羽から提示された身分を考えれば普通は目を瞑るところだ。
誰しもが垂涎するに違いない自分の親衛隊長の地位を、奴隷上がりの一刀がそんな理由であっけなく投げ捨てる。
麗羽はそのことに、いっそすがすがしいものすら感じていた。
「いいですわ、一刀さん。いずれ必ずわたくしと貴方の道が交わる時が来るでしょう。その時に貴方がどれほどの殿方になっているのか、わたくしも楽しみにしておりますわ」
「まぁ、ほどほどに頑張るよ。麗羽達も、元気で。宮廷は怖い所だって聞くから、気をつけてな」
迷宮探索要員から完全な軍兵に変化したことで、団員達の中にも退団する者がちらほらと現れた。
それに伴い給料が大幅に減ったことも、その動きを助長した。
しかし大部分の団員達は、麗羽の将来性に賭けてそのまま団に残ることを選んだ。
こうして麗羽の率いる地上最強の軍勢が、野に放たれたのであった。
さて、この一連の動きが朱里と雛里の策だったことは、今更言うまでもないであろう。
団の運営費をちょろまかし、以前BF20で手に入れていた『珊瑚』を使って行っていたこと。
それが一刀の宿屋で知り合った詠を通しての、麗羽に対する宮廷工作だったのである。
もちろん大将軍という地位を買うために必要な金は、それらだけでは圧倒的に足りない。
如何に皇帝との利害が一致していようと、最低限の金銭は必要なのだ。
その額、なんと50万貫。
慣例的には地位につくまでに半金、地位を授かってから残り納める取り決めなのだが、それでも25万貫は用意しなければならない。
浮かせた団費の流用と桃香達の私財を合わせても、せいぜいがその半分くらいにしか届かなかった。
そこで雪蓮との同盟の話に繋がるのだ。
華琳が不思議がっていた同盟の条件、それは桃香達への金銭的な援助と引き換えでの、雪蓮クランに対する迷宮攻略の援護であった。
ギルドの運営者である雪蓮でさえも、その膨大な金額を供出することは容易ではない。
しかし旧ギルドで差し押さえた財産を合わせることで、どうにか朱里達の要求額を負担することが出来たのだ。
桃香達の目標は、洛陽の解放である。
麗羽の自治権が消失すれば、洛陽は自動的に漢帝国のものとなる。
そしてここからが重要なのだが、現状で最も地位の高い漢帝国の役人は月なのである。
つまり暫定的に洛陽を治めるのは、月達の漢帝国クランになるのだ。
宮廷での政争に敗れた月達であったが、定期的にある程度の成果をきちんと献上しているため、皇帝に対しての受けは良い。
この先も同様かそれ以上の成果を献上し続ければ、皇帝から余計な手出しをされる可能性は低いであろう。
最初は月を目立たせたくないと、この工作に難色を示していた詠。
しかし最終的には桃香に説得され、また洛陽の現状を憂う月の気持ちに負けてしまったのだ。
ちなみに今の月が望めば、宮廷に返り咲くことだって可能である。
なぜなら、LVの上がった月達に手出しを出来る者など、宮廷中のどこを探してもいないからだ。
暗殺はもちろん毒殺すら難しい今の月達にとって、宮廷はすでに伏魔殿ではなくなっていた。
尤も、宮廷に戻りたいという意志など、月は欠片も持っていない。
月がそういうガツガツした性格であれば、とうの昔に宮廷を牛耳るなり命を失うなりしていたはずだ。
そんな月が治めるのだから、洛陽の税率も最低限に設定された。
この時代、やたらと税率が高い主な理由は、太守の出世欲である。
出世のためには賄賂が必要であり、そのためには民から金を絞り取る必要があったのだ。
しかし月の場合、この人事はそもそも出世ではなかった。
元々は四品の州刺史であったのが、宮廷闘争に巻き込まれる形で無理やり中央へと召集されたあげく、洛陽へと追いやられた月。
実質は懲罰人事であっても名目上は皇帝の意志を汲んでの迷宮探索なので、官位が剥奪されたわけではない。
従って月の身分的には、洛陽の都市長はむしろ役不足なのである。
当然、それに対する礼金を払う必要もないのだ。
「それで全てがうまくいきましたってなればいいけど、一つだけ気になる所があるんだよな」
「なんでしょうか、ご主人様」
「結局朱里達は、半金しか払ってないんだろ? それで残りを払うつもりもないんだよな?」
「麗羽さんの莫大な財力なら、恐らく自力で支払えるのではないかと……」
「でもさ、麗羽的には官位を買ったんじゃないだろ。それが元でこっちの工作がバレて、騙されたって怒って戻って来るとか、ありそうじゃないか?」
「工作自体はいずれ分かってしまうでしょうけど、問題はありません。折角取り戻した洛陽を皇帝が再び麗羽さんに渡してしまうことなど、考えられないですから」
「一度宮廷という枠組みに入ってしまえば、いくら麗羽さんでもこちらに手出しは出来ないかと……」
「うーん、朱里や雛里がそう言うなら大丈夫、なのかなぁ」
一刀は自室で、朱里と雛里から今回の策の全貌を説明されていた。
どうもその話にひっかかりを覚えた一刀だったが、既に事は起こった後なのだから今更であろう。
晴れて自由の身になった一刀には、それよりも他に考えなければならないことがあった。
それは、宿屋の新たな運営方針についてである。
元宮殿である行政府の主となった月達には、もう宿は必要ない。
月達自身には今まで通り一刀の宿に住みたいという希望があったものの、今後の収入が定額の給金から洛陽の税収に変わった以上、無駄な出費は極力抑えねばならなかった。
「収入が無くなったんだから、客を入れていかないとまずいよな」
「段階的には、そろそろ見知らぬお客さんが相手でも大丈夫だと思います」
「子供達の情緒は安定してますけど、定期的なメンタルケアだけは怠らずに……」
などと朱里達と相談していた一刀の部屋の扉が、音高く鳴らされた。
「どうぞ」という一刀の声が消えぬうちに入室して来たのは、今洛陽で一番忙しいはずの詠であった。
「手が、どうしても足りないのよ!」
「って俺に言われても……。朱里達でなんとか手伝ってやれないのか?」
「それが、近いうちに雪蓮さん達との探索があるんです」
「空いている時間も、子供達への講義があって……」
「朱里達の頭脳も欲しいんだけど、そうじゃないの。今は純粋なマンパワーが足りないのよ。ボク達のかつての部下は呼び集めている所なんだけど」
今詠達が必要なのは、書簡などを運んだり身の回りの整理をしてくれる、秘書的な人材なのだそうだ。
仕事自体は難しくないが、機密に近い場所で働くために信頼のおける人物をある程度揃えないと、行政が機能しないらしい。
「頭脳労働じゃないなら、恋達だっているんだろ? 手伝って貰えないのか?」
「恋とネネは桃香クランに、霞は華琳クランに、華雄は雪蓮クランに、それぞれ出向させたのよ」
「なんでまた?」
「皇帝に報告する成果が必要だからに決まってるでしょ。この調子じゃボクと月はこの先も迷宮になんて潜れっこないし」
月が都市長に就任することは、どのクランにとってもメリットがある。
下手に新たな人物が都市長に任命され、迷宮探索に横槍を入れられてはたまらないからだ。
また漢帝国クランの優秀な人材が自クランに入れば、戦力的にも大きなプラスとなるだろう。
この件では利害が一致しているため、各クランとも出向者を受け入れたのである。
「お願いよ、ご主人様の力を貸して下さい。お願いします……」
「うーん。……まぁいっか、詠達の部下が来るまでなんだろ?」
「ええ、そのつもりよ」
「分かったよ。可愛い詠の頼みだしな。でもさっきの話だと、俺1人だけじゃどうにもならなくないか?」
「だからメイド達もセットで助けて欲しいのよ。あの子達なら人柄もよく分かってるし、安心だわ」
美羽と七乃はなぜか麗羽について行かず、未だに宿に残留していた。
まずは彼女達も含め、子供達に協力を求めなければと動き出す一刀なのであった。
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NAME:一刀【加護神:呂尚】
LV:25
HP:454/399(+55)
MP:30/0(+30)
WG:30/100
EXP:143/8000
称号:炎の妖精
STR:38(+11)
DEX:53(+22)
VIT:28(+3)
AGI:41(+12)
INT:27(+1)
MND:20(+1)
CHR:53(+18)
武器:新・打神鞭、眉目飛刀
防具:スパルタンバックラー、勾玉の額当て、大極道衣・改、ハイパワーグラブ、仙人下衣、六花布靴・改
アクセサリー:仁徳のペンダント、浄化の腰帯、杏黄のマント、回避の腕輪、グレイズの指輪、奇石のピアス、崑崙のピアス
近接攻撃力:294(+39)
近接命中率:118(+14)
遠隔攻撃力:160(+15)
遠隔命中率:106(+18)
物理防御力:194
物理回避力:122(+24)
【武器スキル】
スコーピオンニードル:敵のダメージに比例した確率で、敵を死に至らしめる。
カラミティバインド:敵全体を、一定時間だけ行動不能にする。
【魔術スキル】
覆水難収:相手の回復を一定時間だけ阻害する。<消費MP10>
【加護スキル】
魚釣り:魚が釣れる。
魚群探知:魚の居場所がわかる。
封神:HPが1割以下になった相手の加護神を封じる。
所持金:23貫