NAME:ダゴン
海蛇のような、それでいて人型のような姿。
背から生えた、石灰質の骨格のみで形成された複数の腕。
退化した目を押しのけるような巨大な口には、凶悪な牙でびっしりと埋め尽くされている。
これがBF20で一刀が釣ったモンスターである。
名前的にタコっぽいモンスターを想像していた一刀。
しかしその正体は、見るもおぞましい怪物だった。
「ぜあっ!」
その異形に対し、躊躇うことなく偃月刀を振り下ろす愛紗。
怪物による不気味な反撃にも、必要以上に大きく避けることもない。
彼女は平常心そのままであった。
さすがは関羽の加護を受けた少女、と言いたい所だが、これは愛紗だけではない。
ダゴンに怯む者など、この場には一人として存在しなかった。
実力的には漢帝国クランや華琳クランには一歩譲るものの、歴戦の勇士達が揃う桃香クラン。
幾度の戦闘で鍛え上げられた胆力に、外見の恐ろしさなどは何の役にも立たないのである。
だがダゴンは、見かけ倒しのモンスターでは決してない。
BF20のモンスターでありながら、その実力はBF21と同等かそれ以上の存在なのだ。
ダゴンの背中から腕が一斉に伸び、愛紗の武器を取り押さえに掛かる。
そうしておいて、彼女の柔らかな胴体に齧り付こうという魂胆だ。
単純ながら、だからこそ逃れ難い攻撃。
特に純粋な力量で劣る相手には、必勝の策であろう。
ところが明らかに格上の敵であるダゴンの腕を、愛紗は偃月刀の一振りでいとも簡単に凪ぎ払ったのである。
彼女の愛刀に纏わりつこうとした骨の腕は、所々に罅割れまでが生じていた。
能力ブースト香も使用していないし、朱里や雛里と別チームのためコモンスペルによるブーストもない。
確かに桃香の加護スキル【慈愛の抱擁】によって愛紗のステータスは上がっているし、パーティ効果だって彼女のステータスに影響を与えているだろう。
だからと言って、まるで格下を相手にしているかのような愛紗の戦い方は異様である。
そうするには、LVやブーストがまだまだ足りていないはずなのだ。
愛紗とダゴンの実力差を埋めている最も大きな要因。
それは彼女の加護スキル【義将】の効果だった。
常時発動のパッシブスキルであるそれは、己の成長率を高めるという、ややチート気味な性能を誇っている。
つまり彼女は、表示的にはLV20でありながら、実質はもう数レベル上の実力を持っているのである。
そしてその本領は、LVが上がるにつれて発揮されていくこととなるのだ。
一刀が見守る中、愛紗とダゴンの死闘は続いていた。
パーティメンバーは愛紗の他には桃香と、彼女達の義妹だという鈴々という幼い少女。
桃香が他のパーティにも【慈愛の抱擁】を施しに行っているため、実質は2人である。
いや、むしろ愛紗のソロだと表現した方が状況にマッチしているだろう。
なぜなら、鈴々は先程から戦闘には全く参加していないからだ。
だからと言って、彼女が何もしていない訳ではない。
先程から鈴々は、微動だにせずダゴンを睨みつけている。
そうすることにより、彼女の加護スキル【力を溜める】を使い続けているのだ。
その小さな体に練り込まれた氣は、今や爆発寸前であった。
「愛紗、今なのだ!」
「応!」
頃やよし、と鈴々が叫ぶ。
その声に合わせてダゴンを強く押しこみ、反動を利用して敵との距離を取った愛紗。
そこに満を持して、鈴々の形をした暴力の塊が飛び込んだ。
「おおおぉぉ!」
単なる強攻撃が、文字通りの必殺技となった。
ダゴンの頭上にある白NAMEだった表示が、黄色を通り越して赤くなり、そのままあっさりと消えてしまったのだ。
それもそのはずである。
ダゴンの胴体には、鈴々が楽に通り抜け出来る程の大穴が開けられていたのだから。
「にゃはは。突撃、粉砕、勝利なのだ!」
「ふむ、まだまだいけそうだな。一刀さん、次をお願いする」
華琳達や恋達とはまた違った強さを持つ義姉妹に、感嘆の念を禁じえない一刀なのであった。
今回のパーティ構成は、この桃香・愛紗・鈴々パーティ以外に4人1組で2チーム、合計3組に分かれての戦闘である。
一刀はこの3パーティのどこにも所属していない。
なぜなら、敵を釣ることは一刀にしか出来ないからである。
つまり一刀は全ての敵のタゲを取ってしまうため、彼がパーティに入ってしまうと経験値を常に2パーティ分の人数で分配することになってしまうのだ。
(予想外の役得っていうか……。なんか、皆に悪いな)
必然的に、一人だけ3パーティ分の経験値が入って来ることになる一刀。
しかも彼は、それぞれのパーティに敵を供給する必要があるため、戦闘行為を行っていない。
勿論その気になれば、一刀だって敵を釣っていない時なら戦える。
しかし、継続して戦えるのならともかく、不意に参戦されても各自の邪魔にしかならない。
そのため一刀は、大人しく敵を釣ることだけに専念していたのだ。
それにしても、と一刀はそれぞれの戦闘の様子を眺める。
やはり戦闘向けの加護スキルは凶悪だと、改めて実感する一刀。
特に愛紗や鈴々を始めとする、五虎将軍のスキルがヤバい。
趙雲の加護を受けた星の召喚した子竜のブレスは、攻撃に回復にとオールマイティの性能を発揮し。
馬超の加護を受けた翠の肩に掛けられた錦は、敵の攻撃を決して通さず。
そして極めつけは、黄忠の加護を受けた紫苑である。
≪-老黄忠-≫
現代でも、老いてますます盛んな人を指す言葉に使われる程に有名な武将の呼び名そのままの加護スキル。
それを使った紫苑の、20代後半を思わせるしっとりとした肌が、みるみるうちに青い果実へと変貌していく。
当然変化は、肌だけではない。
顔も体付きも、そして胸までもが、璃々と歳の近い姉を思わせる程までに若返ってしまったのである。
加護スキルの恩恵であろう、紫苑の身に付けている武器・防具までが、今の彼女にフィットするサイズにまで縮んだ。
恐るべし、ロリ黄忠。
若返った紫苑の放つ矢は、老練な技をそのままにパワーを増してダゴンに突き刺さった。
ここで間違えないで欲しいのは、矢のパワーと紫苑の力がイコールでは結ばれない所だ。
数十年後ならともかく、現時点の紫苑は全盛期である。
若返ったところで大幅な力の増加はありえない。
ではなぜ攻撃の威力が増したのか。
それは、紫苑の武器が弓矢であることと深い関わりがあった。
『老黄忠』のスキルによって紫苑の巨乳がチッパイとなったことで、引き手の邪魔にならなくなったのだ。
(……色んな意味で、凶悪なスキルだ)
ロリ紫苑の体型に合わせて縮んだ着物から覗く、まったいらな胸元に視線を釘付けにされた一刀なのであった。
水を入れたら赤ワインならば、海水はどうか。
そう思って試してみた一刀が得た物は、極上の白ワインであった。
(華琳へのお土産にするか。ワイン、かなり好きそうだったしな)
実験結果に満足しながら、『伊吹瓢』に栓をする一刀。
そんな彼に向かって、やや乱暴な声が掛けられた。
「おい。桃香様がお呼びだ」
「ああ、分かった。焔耶、ありがとうな」
「……ふんっ」
比較的悪感情を持たれている愛紗や翠とも、一刀はこの一週間でそれなりにコミュニケーションを重ね、関係の改善に努めて来た。
だが今呼びに来てくれた焔耶とだけは、全く会話が成立していなかった。
一刀は、特に寛容なタイプでもない。
しかしここまでギスギスされると、いっそすがすがしい。
そう思えるのも、今の一刀が持ちつつある余裕の為せる技である。
リアルの時は勿論、剣奴時代に出会っていたとしても、恐らく焔耶に対して苦手意識を抱いてしまったであろう。
だが数多の英雄達を見て来た彼にとって今の焔耶は、ちょっとツンツンしている子という印象であり、そこに悪感情を抱くことはなかった。
(それにしても、なんでブラとかしないんだろ……)
一刀にとって今の焔耶は、特に胸部の辺りがツンツンしている子という印象であり、そこに悪感情を抱くことなど一切なかったのであった。
焔耶の後にホイホイと付いて行った彼を待っていたのは、酒宴のお誘いである。
「一応明日で最終日の予定だから、一刀さんへのお礼も兼ねて打ち上げしようと思って。洛陽に帰っちゃうと、こういう宴会も出来ないしね」
今回の探索で莫大な儲けが出るはずの桃香クランだったが、洛陽市民の境遇を思えば贅沢はし難いのであろう。
迷宮内ではあるが、ここなら一刀の釣ったカニやエビのお陰で、ちょっとした高級料理店に行くよりも美味しい料理が味わえる。
そういうことなら、とBF20のレアポップ魚『カニカマ』を提供したかった一刀だったが、残念ながらリポップはまだのようであった。
だが今の一刀には、それ以外にも宴に華を添えられる。
「ふむ、主殿。これはなかなかのワインですな」
「なんだよ星、主殿って」
「いえ、一刀殿を『ご主人様』と呼称するようにとのお達しが出ましてな。なので私は、主殿と呼ぶことにしたのですよ」
「どれ、お館様。儂にも一献、頂けませんかな?」
「桔梗さんまで。……まぁいいか。ほら、どうぞ」
「うむ。これは美味い」
「あらあら、羨ましいわ。私にも頂けませんか、一刀お兄ちゃん」
「って、紫苑さん。ロリ黄忠のまんまなんだ……」
「うふふ、こっちの方が一刀お兄ちゃんの好みに合いそうですので」
「そんなことないぞ? いつもの妖艶な紫苑さんだって、大好物だよ」
「おお、主殿。なかなか豪儀ですな。さ、もう一献」
「さすがはお館様。どれ、もう一献」
「あらあら、うふふ。次は私に注がせて下さいな」
と、酒好きの星、桔梗、紫苑に大好評の『伊吹瓢』。
アルコールとチヤホヤ感でいい気持ちになっていた一刀に、朱里と雛里が近寄って来た。
「あの、ご主人様。今回のドロップアイテムの配分についてご相談させて下さい」
「ご主人様の助力が大きかったのは確かなのですが、どうか人数割りに……」
誓って言うが、酒宴も星達の歓待も、交渉に利用すべく行われたわけではない。
だが今の一刀が精神的に隙だらけなことは確かなのだ。
いくら幼いように見えてもさすがは策士、期を見て敏であるといえよう。
しかしそんな彼女達ですら、次の一刀の言葉を予測することは出来なかった。
「ああ、いいよいいよ。今回は俺、分け前なしでいいからさ」
そもそも今回の探索前に、一刀に対する報酬条件を設定していなかったのは、明らかに桃香達側のミスであった。
一刀の提案した作戦の妙味に夢中だったこともあるし、なにより彼女達はこれまでその辺をナアナアで済ませて来たことが主な原因であろう。
だが、今回の収入は今までとは規模が違い過ぎる。
ダゴンのドロップアイテム『珊瑚』は、触るまでもなく秘めた魔力が察知出来る程の一品であったし、同じくドロップした『銀の短剣飾り』にしても高価な品である。
これらの品であれば、捨て値で売っても1万貫を軽く上回るであろう。
出し惜しみしつつ価格を調整すれば、3万貫は稼げるはずだ。
基本的に一刀のことは信用している朱里や雛里であったが、金銭が人を変えてしまうことも知識として十分に知っていた。
そして今回の取り分で一刀が多少の無茶を言う権利があることも、わかっていたのだ。
なぜなら、ダゴンを倒す者は桃香達でなくても構わないが、それを釣るのは一刀だけにしか出来ないからである。
つまり朱里達は、具体的な契約がないことを盾に、総収入の半分などと言われてしまう事態を避けたかっただけなのだ。
不当な要求をするつもりなど全くなかったのに、当の一刀が報酬などいらないと言い出したため、状況が無意味に混乱してきた。
酒を楽しんでいた星達からも。
食事を楽しんでいた鈴々達からも。
その様子を眺めて楽しんでいた桃香からも。
なにやら生温かい視線が、朱里達に向けられていた。
クランのためを思ってした行動なのに、と半ばパニック状態の2人。
そしてこれと同様の視線を、先日2人は味わったばかりであった。
あろうことか、子供達に夜の教育を施した際のトラウマまでが蘇ってしまったのだ。
「はわわ、し、知ったか振りなんかじゃないでしゅ!」
「あわわ、先生達はずっとそのままでいてねって……」
言っている内容はわからないが、朱里達が傷ついていることだけは、酔っ払っている一刀にも分かった。
言葉足らずだったのかと思い、2人に向かって自分の気持ちを口にした一刀。
「桃香達ってさ、今回は洛陽のみんなのために頑張っていたわけだろ? そんな姿を見せられたら、俺だって協力したいって思うに決まってるさ」
「で、でも、何千貫という大金なんですよ?」
「それを誰よりも人々のために正しく使えるのが、朱里や雛里、そして桃香達だと俺は思ってるんだ」
「あ、ご主人様……」
アルコールの効果で、一刀は普段なら照れてしまって言えないようなことまで告白してしまった。
だがそのお陰で朱里達も落ち着きを取り戻し、周囲の微妙な空気も払拭されたのである。
再び活気を取り戻す酒宴。
飲兵衛組と杯を交わし始めた一刀の傍に、そっと近づく影があった。
「あ、あの、私にも一献、頂きたいのですが……」
「愛紗もお酒、好きだったのか? ほら、飲みな」
「……ふぅ、美味しいです。返杯をどうぞ、ご、ご主人様」
「ああ、ありがとう。って、愛紗?」
「先日は、そ、その、誠に申し訳なかったと。噂だけで勝手に思い込んでしまって。ですから、これはお詫びの証というか、あの、桃香様からの指示でもありますし」
「そっか、分かってくれたなら良かったよ。でも別に無理に呼ばなくても、今まで通り一刀さんでも全然いいんだぞ?」
「嫌ではないのですが、少々恥ずかしくて。あ、杯が空いてますよ。さ、どうぞ。……ご主人様」
こうして、愛紗と和解することが出来た一刀なのであった。
1週間の迷宮探索も今日が最終日。
3パーティ分のEXPを取得していた一刀は、数日前にLV23となっていた。
そして桃香クランのメンバーも、概ねLVを2つずつ上げた。
これは別に不思議なことではない。
確かに彼女達は1パーティ分しかEXPを得られないが、一刀よりLVが低い分だけ数倍のEXPを獲得しているのである。
つまり総合的に見れば、一刀よりLVアップしていて当然なのだ。
初日よりも短時間で、次々とダゴンを屠っていく桃香クランのメンバー達。
一刀も、総仕上げとばかりにガンガンと敵を釣り上げて行く。
「星、次いくぞ!」
「応!」
「翠、お代わりだ!」
「どんと来い!」
「愛紗、って、あれ? あ、ちょっと待った!」
「な、何事です?!」
一刀が愛紗パーティに向けて釣り上げたもの。
それは、ダゴンではなかったのだ。
海蛇のような人型のような、それでいて気弱な雰囲気を醸し出す姿。
赤い珊瑚で形成された、プリティーな複数の腕。
巨大な口に押しのけられたように退化した瞳は、なぜか涙目のように見える。
NAME:ダゴミン
不気味な顔を引き攣らせ、小さな腕をワキワキと動かしているダゴミン。
その仕草は、まるでこちらに何かを訴えかけているようだ。
『ぼくは悪いモンスターじゃないよ』
とでも言いたげな素振りである。
普通のダゴンであれば、既に一刀に襲い掛かって来ているはずである。
この時点で、何かがおかしい。
警戒しながら近付く一刀、その一挙一動にブルブル震えるダゴミン。
そして一刀の間合いに入った瞬間、ダゴミンがついに行動を起こした。
ダゴミンは自身の腕をへし折り、一刀へと差し出したのである。
「ぬ゛」
「あ、これはどうも、ご丁寧に」
まるで血を吸ったかような、深紅の珊瑚。
『これで許して下さい』と言わんばかりのダゴミンに、一刀はなにか近しいものを感じた。
なんとか見逃してやりたいと思った一刀は、血気に逸る愛紗を宥めにかかる。
「愛紗、ダゴミンだってさ。ダゴンとは違うモンスターみたいだ。なんか、いい奴っぽいかも?」
「ですがご主人様! 奴は敵なのですよ!」
「そうだけど、もうちょっと穏便にならないかな?」
「……ふむ、ご主人様がそう言われるのであれば」
「わかってくれたか、愛紗」
「ええ。せめて苦しむことのないよう、一撃で仕留めてみせます!」
「って、ちょっと待てー!」
偃月刀を振り被る愛紗を、背中から羽交い締めにする一刀。
ダゴミンのつぶらな瞳から、まるで真珠のような涙が溢れ出した。
「愛紗ちゃん。乱暴は良くないよ」
「ご主人様だけでなく、桃香様までそんな甘いことを!」
「でもダゴミンさんが襲って来たわけじゃないんだしさ。可哀想だから、逃がしてあげよ?」
「……わかりました、桃香様がそうおっしゃるなら」
愛紗がようやく偃月刀を下ろし、一刀も名残を惜しみながら彼女から離れた。
2人の見守る中、ダゴミンへ話しかける桃香。
「ダゴミンさん。もう一刀さんに釣られちゃダメだよ」
「ぬ゛」
「海へお帰り。元気でね」
「ぬ゛」
何度も振り返るダゴミンと、彼に向かって手を振る桃香。
ちなみに星チームや翠チームは、未だ戦闘中だったのであった。
行きは丸1日掛かる道のりでも、帰りは『帰還香』によって一瞬である。
折角LVも上がったことだしと、一刀は桃香達と大神殿へ向かった。
ところが、大神殿の様子がいつもとは異なっていた。
祈りを捧げている男達で異常に混雑しており、満足に移動も出来ないのである。
『贈物』は後日でいいやと、神殿から立ち去ろうとした一刀達。
そんな一刀の背中に、大神官から待ったの声が掛かった。
人々を掻き分けてようやく大神官の元へと辿り着いた一刀に、彼は切羽詰まった様子で尋ねた。
「一刀、『真珠』はどうなっているんだ?」
「あ、ごめん。今まで桃香のクランと一緒に行動してたんだ。その前は華琳のクランとだったし、『真珠』を取りに行く暇がなかったんだよ」
「なんとかならないのか、一刀? ここに集いし憐れな子羊達を救えるのは、お前だけなんだ!」
そう言われて振り返る一刀。
一刀を凝視している男達。
(なにこれ、怖い……)
「ち、近いうちに、必ず手に入れて来るからさ」
「聞いたか、皆の者! 性の神は救いを与えて下さった! いやさ、彼こそが洛陽に降臨した新たな神と言えよう!」
「「「「「おおおおおっ!」」」」」
「ちょ、煽るのは止めてくれよ!」
「いやいや、そう謙遜しなくてもいい。お前の功績は、この神殿で後世にまで語り継がれるであろう。頼んだぞ、新性器の神・一刀よ!」
こうして、休む暇もなく再び迷宮へと降りるハメになった一刀。
だがこれも、悪い側面ばかりではなかった。
有力者にばら撒かれた一刀の悪い噂など、この神殿の強烈なプッシュによってあっけなく一掃されてしまったのだから。
**********
NAME:一刀【加護神:呂尚】
LV:23
HP:424/367(+57)
MP:0/0
WG:100/100
EXP:2438/7000
称号:新性器の神
STR:31(+6)
DEX:47(+17)
VIT:25(+2)
AGI:34(+7)
INT:25(+1)
MND:19(+1)
CHR:47(+13)
武器:打神鞭
防具:スパルタンバックラー、勾玉の額当て、大極道衣・改、鬼のミトン、仙人下衣、ダッシュシューズ
アクセサリー:猫の首輪、浄化の腰帯、覇者のマント、回避の腕輪、グレイズの指輪、奇石のピアス
近接攻撃力:232(+37)
近接命中率:115(+20)
物理防御力:159
物理回避力:109(+20)
【武器スキル】
スコーピオンニードル:敵のダメージに比例した確率で、敵を死に至らしめる。
【加護スキル】
魚釣り:魚が釣れる。
魚群探知:魚の居場所がわかる。
封神:HPが1割以下になった相手の加護神を封じる。
所持金:19貫