古の伝説に曰く。
とある戦闘の折、その腕に毒矢を受けて倒れてしまった義神・関羽。
医聖・華佗により治療されたのだが、それは肉を裂いて毒の付着した骨を削り落して縫合するというものであった。
その荒治療ゆえに、柱に腕を縛り付けて轡を噛ませようとする華佗。
だが関羽はそれを大げさだと断り、碁を打ちながら腕の治療を任せた。
本当であれば悶絶する程の痛みなはずなのに、自らの言葉通り呻き声ひとつ洩らさなかったという。
「さすがは一刀、洛陽でも評判の冒険者だけのことはあるな」
「それは単に俺が痛みに鈍いだけなんだって。関羽と比べられても……」
手術中はかなりの痛みを伴うとのことで、最初は卑弥呼と貂蝉に一刀を押さえつけて貰おうとしていた大神官。
だが一刀は、我慢出来るから必要ないと断ったのだ。
そして関羽の故事を思い出した大神官は、それを了としたのである。
部屋から追い出され、あまりの絶望感に悲鳴を上げる漢女達の声をBGMに、手術前の一刀は躊躇する己の弱き心と必死で戦っていた。
今の彼の気持ちは、下野クリニックに電話したことのあるタートルネックであれば、とても共感出来るのではないかと思われる。
(やるは一時の恥、やらぬは一生の恥! 今時の高校生なら、このくらい常識だ!)
どんな常識だよ、と思わずツッコミを入れたくなる一刀の思考。
恐らく今までプレイしてきたエロゲのセレクトに問題があったのだろう。
そして内向的なゲーオタだった彼には、その勘違いを指摘してくれるリア友などいなかったのだ。
施術の準備が終わり、いよいよ大神官が一刀の如意棒改造に取りかかる。
痛みには強いがスプラッタな光景は見たくなかった一刀。
意識をそらすため、彼は自身のステータス画面を注視した。
そのお陰で、一刀は自身のパラメータ表示の変化に気がついた。
『真珠』がポコタンにインした瞬間、CHR+10の補正を受けたのである。
装備欄には表示されていない『真珠』が、なぜかパラメータに影響を与えたということに疑問を覚えた一刀。
その答えは、施術が成功して満足げな大神官の口から語られた。
「ああ、まさに蒙を啓かれた思いだ! 丹田から近過ぎず遠過ぎず、この位置に『真珠』を埋め込むという発想が素晴らしい!」
昔から病魔を相手に戦って来た大神官は、一刀の願いを聞いた瞬間からこの結果がわかっていたそうだ。
『真珠』が発する魔力、どうやらこれが丹田への丁度良い刺激となっているらしい。
その刺激が、人体に対して極めて良好な働きをするとのことである。
つまり一刀のステータス補正は、『真珠』そのものが原因ではない。
それにより丹田が活性化し、彼自身の持つ魅力がブーストされたという訳だ。
「この発見だけでもこっちから礼金を払いたいくらいなのに、こんなにお布施まで貰ってしまって、本当にいいのか?」
「ああ、もちろん。手術代ってのもあるけど、元々大神殿に寄付もしたかったんだ」
これは華琳から「神への不敬」と指摘されたことによる罪悪感が発端である。
今回だけ目を瞑って下さいという、いわば受験前のお賽銭みたいなものだ。
手術に対する感謝の気持ちと合わせれば、200貫では足りないくらいだと一刀は思っていた。
その辺の感覚もまた、この世界の人物とはどこかずれていると評価せざるを得ない。
「もしまた『真珠』を手に入れることがあれば、是非大神殿へ売ってくれ。この施術は、きっとEDに悩む人々の希望になるに違いない!」
「わかった、必ず持って来るよ。合言葉は、オトコ生まれシンデン育ち!」
大神官の言葉に一刀は力強く頷いた。
こうして、本来の目的以外に瓢箪から駒と言えるステータスアップを果たした彼は、恨めしげなマッチョ達の視線を背に、宿へと帰ったのであった。
『傷薬』の効果で、翌朝にはすっかり傷も癒えていた一刀。
迷宮探索の準備も万全である。
集合場所である一刀の宿にやって来た華琳達。
1泊予定なので荷物の量は少ないが、それでも今晩用の荷物を置いていくつもりであったのだ。
荷運び役の美以と管理役の七乃に荷物を預け、一同は早速パーティ登録をした。
一刀も彼女達のパーティに入るのを遠慮したりはしない。
これも漢帝国クランとの迷宮探索で、その厳しさを十分に認識した結果と言える。
華琳のクランでは、現状2パーティに分かれている。
第一パーティ:華琳、春蘭、秋蘭、桂花
第二パーティ:季衣、流琉、稟、風
一刀は縁の深い季衣達の第二パーティに混ぜてもらうことにした。
ところが、そのパーティ登録で問題が起こった。
ステータスに表示されたパーティ効果が、赤く点滅していたのだ。
パーティメンバー:一刀、季衣、流琉、稟、風
パーティ名称:つるぺったん
パーティ効果:CHR3倍
今まで見たことのないような高い倍率と赤い点滅から考えて、これはおそらく非常にレア度が高いパーティ効果なのであろう。
それだけならば、問題という表現にはならない。
ではなにが悪かったかというと、要因は一刀のステータスにあった。
彼の能力値は、DEXとCHRが突出して高い。
そのCHRが3倍、つまり100オーバーになったのである。
「今日の一刀からは、なにやら気品が感じられるな。姉者はどうだ?」
「うむ、確かに。といっても、もちろん華琳様ほどではないがな!」
このように、一刀に対して嫌悪も好意も感じていない春蘭や秋蘭から見ても、雰囲気の変化に気づけるくらい彼は変貌を遂げていたのだ。
「なんだか今日の一刀を見てると、私……」
「華琳様もですか? 実は私から見ても、今日の一刀殿は一段とプフッー!」
「はいはい、稟ちゃん。首をトントンしますよー。おおぅ、風まで鼻血が出て来たのです」
そして、一刀にやや好感を抱いている3人の反応ですら、こうなのである。
既にその思いが愛情レベルに達している季衣や流琉の場合は、一体どのようになってしまうのか。
「兄ちゃん、なんかボク、お股がムズムズするよぉ」
「兄様、あの、その、ずっとお預けになってたアレですが、い、今から……」
一刀の両足にしがみ付く季衣と流琉。
彼女達自身のCHRも大幅な補正を受けていたため、当然一刀も彼女達がいつもの3倍魅力的に見える。
そのまま3人で宿に戻ろうとする彼等を、しかし妨害する存在がいた。
「ちょっと待ちなさいよ! その万年発情男専用の撫で回し幼女係は、私なんだからねっ!」
一体どこにそんな力が潜んでいたのであろうか。
桂花は季衣達ごと一刀を押し倒したのだ。
一刀を見つめるその瞳は、トロンとして焦点が合わず。
一刀の手を自分の胸元に導き、はぁはぁと浅い呼吸を繰り返し。
一刀の首筋に顔を埋めて、クンクンと鼻を鳴らしては体を痙攣させ。
さすがの一刀も、異常な状態の桂花より性欲を優先させることはなく、慌ててパーティから離脱した。
パーティ効果が無くなってすぐに我を取り戻した桂花だったが、自らの痴態に放心状態である。
もちろん正気に戻ったからといって、先程の出来事がなかったことにはならない。
「ふぅん、桂花ったら。そんなに一刀のことが好きだったのね」
「ひぃ! ち、違うんです、誤解なんです華琳様! こんな精液男のことなんて、なんとも思ってないんです!」
「まぁいいわ。その話は帰ってからゆっくりしましょう。一刀、それはパーティ効果のせいなのよね?」
「ああ、そうみたいだ」
「それなら、編成を変えるわ。今のままじゃ迷宮探索にならないし」
どうせ変えるならと、一刀は季衣、流琉、桂花と組むことを希望した。
この組み合わせが比較的パーティ効果の高いことは、『祭壇到達クエスト』で既にわかっていたからである。
そしてパーティ効果の説明を受けた華琳も、その組み合わせを承諾した。
「そ、そんな! 私は華琳様と同じパーティがいいです!」
「桂花、自分勝手な我儘を言う娘なんて、私のクランには必要ないわよ?」
「そうだぞ、桂花。こういうのはチームプレイなんだからな」
「……殺すわ。アンタ、いつか絶対に殺してやる」
こうして一刀は、背後に潜在的な敵を作ってしまったのであった。
案ずるより産むがやすし、というのはこのことであろう。
一番の懸念材料であった凪達の移動は、実にあっさりと可能であることがわかった。
では逆に凪達とここで出会えたことは、偶然の結果だったのか。
いや、彼女達が自由に迷宮内を探索出来るのであれば、それは奇跡のような確率となるであろう。
そんなものは偶然とは呼べない。
不自然と言うべきである。
そして彼女達との出会いには、やはりそれなりの理由があったのだ。
「この部屋以外は、すっごく居心地が悪いのー」
「部屋の外に出ても、早く帰らなければという思いが強くなりまして……」
「それに迷宮内は、誰もおらんのにじっと見つめられとる気がするしなぁ」
沙和と凪の言葉は、彼女達をこの部屋に縛り付けている制約があることを表している。
それはそうであろう、クエスト条件を調えた冒険者がここを訪れた時に彼女達が不在であったら、システム上の問題となるからだ。
沙和と凪の話は、これまでの自分の思考方法が間違っていないことを裏付ける、一刀にとっては貴重な証言となった。
しかし、この中で一刀が最も注目したのは真桜の言葉である。
彼女達はどうやら、モンスターの姿が見えていないらしい。
このことは、『試練の部屋』において彼女達が戦力外であることを示している。
そしてそれは、一刀の想定内でもあった。
なぜなら彼が美以とBF16で出会った時、彼女もモンスターもお互いを無視するような動きを見せていたからだ。
凪達がイベントキャラという位置付けであるなら、これは予測し得る事態である。
念のためパーティ登録も試してみたが、不可能であった。
これも上記と同じ理由で、一刀の予想を裏切る結果ではない。
「実は、凪達を迷宮から解放する裏技に心当たりがあるんだ」
「ホンマか?!」
「きゃー! さっすが隊長なのー!」
「隊長……!」
凪達に件の解放作戦を説明する一刀。
祭壇からBF20までの道のりは、華琳達のような熟練冒険者であっても丸一日かかる。
だが敵を無視出来る凪達であれば、その時間を大幅に短縮することが可能である。
「作戦は1週間後だ。祭壇までの地図を渡しておくから、意識下の強制力に負けないよう、それまで移動の練習をしておいてくれ」
「任せて下さい! 自分達が祭壇へ移動出来なければ、作戦が成立しないですし」
「うちらあんまり疲労もせぇへんから、ずっと全力疾走出来るし大丈夫やろ」
「迷宮から解放されるためなら、脅迫観念くらいへっちゃらなのー!」
決行日を1週間後にしたのは、天和達の新たな装備を制作するのにそれだけの時間を要するからである。
だから一刀自身は、迷宮探索が予定通り明日で終了すれば、久しぶりの休暇であった。
(稟と風に協力して貰ってパーティを組めば、やっと季衣達と……)
今では立派なハーレム野郎と化している一刀。
それでも、この世界で最初に愛情を感じた相手である季衣と流琉は、やはり彼にとって特別な存在だ。
5日間ぶっ通しで存分に愛し合おうと考えていた一刀に、華琳から声が掛けられた。
「折角ここまで来たのだし、このままBF21で戦闘経験を積みましょう。お香も使ってみたいしね。迷宮探索の期間を延長するけど、構わないわよね、一刀?」
「……λ?」
恐らく「え?」と聞き返したかったのだろう、動揺の余り人外の声が出てしまった一刀。
ある意味、非常に惜しい間違いではある。
ちなみに熟練の冒険者は、予め決めてあるスケジュールを変更することはない。
荷作りの都合上、当然ではある。
だが、もし一刀のように宿から無制限に荷物を持って来て貰うことが出来たとしても、それは変わらないであろう。
予定外行動が思わぬ事故に繋がることを、経験則で学んでいるからだ。
そしてそのことは、もちろん華琳も承知している。
ではなぜ華琳が、その鉄則を無視してまでLV上げをしようとしているのか。
それは他ならぬ一刀のためである。
加護神を封印して『試練の部屋』に臨む一刀に対して、せめてLVを上げてやろうという好意だったのだ。
そんな華琳の気遣いは、しかし一刀には伝わっていなかった。
彼女が自分の好意を丁寧に説明する性格ではないことも、その一因となっている。
(な、なんて自分勝手な奴なんだ……。でも『吸精』でお世話になる予定だし、今は我慢だ、俺!)
そんな一刀の思いは知らぬがフラワーの華琳。
血を見ずに済んだという意味でも、彼の自重はお互いにとって幸運だったと言える。
こうして凪達の部屋で睡眠を取り、明日からの戦闘に向けて英気を養う一刀達なのであった。
複数のモンスター達が、彼らに矢を放った秋蘭に対して怒りの雄叫びを上げながら追いかけて来る。
と言っても、実際に秋蘭をタゲっているのは先頭を走る2,3匹程度であり、後ろの敵は前に釣られているだけだ。
そんなの結果的には一緒だろ、と思われるかもしれないが、実は全然違う。
≪-駆虎呑狼-≫
桂花の加護スキルが粒子となって、最後方を走っていたヘルハウンドを包み込む。
するとヘルハウンドが桂花の意志に従い、周囲の敵に攻撃を仕掛けてあっさりとタゲを奪い、一刀達の待ち構えている方へと運んで来た。
僅かに間隔をおいた華琳達の拠点には、秋蘭がそのまま残りを引っ張って行く。
もし後方の敵も秋蘭がタゲを取っていたら、こうも簡単に敵を分断することは出来なかったであろう。
それに秋蘭がタゲられていない敵を一刀達が狙うことにより、パーティ経験値の分散も抑えられる。
一刀達の方へ来たのは、オーガ2体と桂花が『駆虎呑狼』で操ったヘルハウンドだ。
『離間の計』とよく似たスキルである『駆虎呑狼』だが、前者が敵を味方に変える術なのに対して、後者は敵の意識を誘導するという特徴がある。
従ってメリットとしては、『離間の計』より低燃費でレジスト率も低いことが上げられる。
詠が術を成功させるのに極めて過大なMPと集中力を要するのに対して、桂花の場合はそれがないのだ。
もちろんデメリットもある。
それは、操れる時間が短いことだ。
実際に桂花がヘルハウンドを操っていたのは、後方のオーガ達を攻撃させた所までである。
そこで洗脳が解けたヘルハウンドは、オーガをこちらに釣っていたのではない。
オーガと一緒に桂花を襲って来ていたのだ。
彼女に飛び掛かって来るヘルハウンドの鼻先を、横から盾で殴りつける一刀。
攻撃の軌道を無理やりに変えられたヘルハウンドは、桂花のすぐ横へと着地した。
「きゃあっ! ちょっとアンタ、もっとしっかり守ってよね!」
「分かってるって! 桂花には指一本触れさせないさ!」
文句を言いつつも一応は信用しているのだろう、ヘルハウンドがすぐ脇にいるにも関わらず、桂花は目を閉じて集中し始めた。
ヘルハウンドと彼女の間に割って入った一刀。
彼が体を張って稼いだ時間で、桂花は次の呪文を完成させた。
≪-二虎競食-≫
この加護スキルは、同種のモンスター2体に対して効果を発揮する。
対象は、現在流琉が相手をしているオーガ達だ。
動きの素早いヘルハウンドにこそ抜かれてしまったが、流琉の役割は壁である。
彼女は加護スキル『仁王立ち』を使ってオーガ達を相手に、一歩も譲らぬ大立ち回りを演じていた。
そんな流琉と対峙しているオーガ達の攻撃が、更に激しさを増したのだ。
これが桂花の『二虎競食』の効果である。
と言うと誤解を生んでしまうが、もちろん敵に利するだけの能力ではない。
オーガ達は自分が流琉を攻撃しようとするあまり、邪魔なもう1体にも攻撃を加え始めたのである。
『二虎競食』の効果は、それだけではない。
所謂バーサーカーと化しているオーガ達は、現在防御力が低い状態であるのだ。
隙だらけになった敵の様子を見て、季衣がアタックを仕掛けた。
「ボクの【猪突猛進】を受けてみろ! えいやー!」
岩打武反魔を頭上で振り回しながら、オーガ達に向かって突撃する季衣。
その小さな体全体が氣に包まれ、あろうことか3Mの巨体を誇るオーガ2体を上空へと弾き飛ばしたのである。
「……オーガって、飛ぶんだ。っと、やべっ!」
「ぎゃー! ば、ば、馬鹿! ボーっとしてんじゃないわよっ!」
確かに季衣達の活躍に見惚れている場合ではない。
お香と桂花のコモンスペルでブーストこそされているものの、LV19の一刀にとってBF21の敵は、言うまでもなく格上の相手なのである。
しかも桂花を守りながらであるのだから、気を抜く暇などある訳がないのだ。
だがタイマン勝負なら一刀はここ1週間ずっとやり続けて来たし、既に鞭装備での攻撃のコツも掴めている。
敵のHPを気にせず、WGが満タンになったら即座に『スコーピオンニードル』を使う一刀。
『チョン避け』によりWGの貯まりが早いため、無駄打ちでも気にならないのだ。
1回目、2回目と失敗したが3度目の正直。
ヘルハウンドが『打神鞭』に心臓を貫かれたのは、丁度季衣が2体目のオーガを塵へと変えた時だった。
久しぶりに組んだとは思えない程しっかりと役割分担の出来ている一刀と季衣達は、こうしてBF21の敵を屠り続けたのであった。
**********
NAME:一刀【加護神:呂尚】
LV:19
HP:239/302(+87)
MP:0/0
WG:20/100
EXP:1128/5000
称号:エアーズラバー
パーティメンバー:一刀、季衣、流琉、桂花
パーティ名称:U.N.ロリコンは彼なのか?
パーティ効果:ALL1.2倍
STR:26(+4)
DEX:36(+10)
VIT:24(+4)
AGI:28(+4)
INT:24(+2)
MND:18(+2)
CHR:38(+12)
武器:打神鞭
防具:スパルタンバックラー、勾玉の額当て、大極道衣・改、鬼のミトン、マーシャルズボン、ダッシュシューズ
アクセサリー:猫の首輪、万能ベルト、蝙蝠のマント、回避の腕輪、グレイズの指輪
近接攻撃力:198(+17)
近接命中率:98(+20)
物理防御力:116
物理回避力:97(+23)
【武器スキル】
スコーピオンニードル:敵のダメージに比例した確率で、敵を死に至らしめる。
【加護スキル】
魚釣り:魚が釣れる。
魚群探知:魚の居場所がわかる。
封神:HPが1割以下になった相手の加護神を封じる。
所持金:6貫