一刀のメイド喫茶は連日の大盛況だったが、しかし客の回転効率が悪いという欠点もあった。
そのため行列に一度は並んだものの、待ち時間の長さに入店を諦めて帰る人達も多い。
美羽達の斑は今、そんな客達をターゲットにした軽食の売り子をしている真っ最中である。
「「「お帰りなさいませー!」」」
「主様、妾達の作ったお菓子、買うてたも?」
無邪気な笑顔を浮かべながら、班長の美羽が率先してお客さんに声を掛けていく。
そんな彼女のオネダリに負けて、大きなお友達が次々とお金を落としていった。
「予想以上の売れ行きだな。すぐに外販用のお菓子を追加で作らないと、足りなくなるかも知れないぞ、七乃。……七乃?」
「はうぅっ! 美羽様、可愛いぃ!」
「なんで七乃まで並んでるんだよ! さぼってないで、ちゃんと働け!」
「あうー、後生ですから、美羽様の手作りお菓子を買うまで待って下さい」
「流琉が作った見本を味見した時、お前が一番喰ってただろ!」
「それとこれとは、別腹なんですよぉ!」
「全く同じお菓子だっ!」
と、一刀と七乃が漫才を繰り広げていた時。
行政府では月と詠が、それとは比べものにならないほど深刻な討論を重ねていた。
「宮廷ではあの麗羽を味方につけた第三皇子が勢力を増大させているらしいけど、いまだ後継者争いは趨勢が定まらない様子よ」
「麗羽さんが主権を握ったら、きっと洛陽を支配下に置きたいって考えるよね。詠ちゃん、どうしよう……」
「くっ、朱里や雛里の策に乗ったのは失敗だったわ。1,2年じゃ政変は起こらないって見通しが、大甘だったのよ!」
「仕方ないよ、詠ちゃん。皇帝陛下がこんなに早く亡くなるだなんて、いくら朱里ちゃん達でも予測するのは無理だよ……」
ことの始まりは、宝玉の献上であった。
普段なら最優先で取り次がれるはずの謁見が、理由にもならない理由ではぐらかされ続けたのである。
不信に思った詠が諜報員を放った所、皇帝崩御の情報を掴んで帰還したのだ。
「今は様子を見るしか手はないわ。最悪でも都市長の座を降りれば、それ以上の混乱には巻き込まれないでしょうし」
「でも、苛政から解放されたって喜んでいるみんなを見捨てて逃げるなんて、出来ないよ……」
「月の気持ちは尊いものだけど、その情が仇になって民達を戦乱に巻き込んでしまうかもしれないの」
「へぅ……」
「とにかく、ギリギリまで推移を見守りましょう。その上で、よりベターな選択をする必要があるわ」
そのためにも、最新情報を素早く入手する必要がある。
子飼いの諜報員だけでは、詠が満足する結果は得られないだろう。
月のためであれば、高官達への賄賂も惜しまない覚悟の詠なのであった。
ちなみにこの世界でのスパイ行為のし易さは、現代とは比べものにならない。
その最も大きな理由は、高い身分の者ほど奴隷の存在を気に留めないことにある。
密談のために人払いをした室内の掃除を奴隷が続けていた、なんて冗談のような話まであるほどだ。
余程注意しないと情報が筒抜けになってしまう世情の中、皇帝崩御などという重大事項をいつまでも隠し続けられるはずもない。
そして秘密を保てないという意味では、同じことが月や詠にも言える。
もちろん機密事項の管理は厳格に行われていたが、月達だけが情報を取得出来るというわけではないからだ。
洛陽が閉鎖された城塞都市だった時ならともかく、今では人の出入りも普通に行われている。
当然そこからは、様々な噂話も入って来る。
街にアンテナを張り巡らせておけば、情報を入手するのは簡単であるし、それらの精度を確認する術などいくらでもあろう。
特に華琳などの有力者にとっては、皇帝崩御の事実を知るのは至極容易いことだった。
「洛陽を去る?!」
「ええ、そうよ。私達は迷宮探索を一時放棄して、一族の本拠地である許へ戻るわ」
ある日、華琳から呼び出しを受けた一刀。
華琳の話は、一刀にとって予想外の内容であった。
「迷宮制覇は華琳にとって、そんなにあっさり諦められるものだったのか?」
「優先順位の問題よ。このまま探索を続ければ、きっと半年も掛からずに大望は果たせる。でも今の政情だと、その数ヶ月は取り返しのきかない位に重要なものとなるの」
華琳の野心は、迷宮のクリアだけに向けられたものではない。
いや、元々はそれがメインだったのであろう。
紛いなりにも皇帝の下に治世が営まれている中で名を成すには、迷宮探索しか手段がないからだ。
一方で迷宮というのは、己の爪や牙を砥ぐにも恵まれた場所でもある。
日々の探索によって自らを鍛えながら、雌伏の時を過ごしていた華琳達。
皇帝の崩御をきっかけとした争乱は、そんな彼女には絶好の機会だった。
『治世の能臣、乱世の姦雄』と謳われた曹操を加護神に持つこの少女にとっても、同じく乱世こそが最も輝ける舞台となり得るのだ。
「もちろん積極的に争いを起こすつもりはない。でもいざ戦乱となった時、それを制する力を保持しておかねば私達は歴史の露と消えてしまう。それだけは絶対に認められないわ」
「そのための準備の方を、迷宮攻略よりも早急に行う必要があるってことか」
「もし私が考えているような争いが起こらないのであれば、集めた軍を解散させて洛陽に戻れば済む話だしね。その間に誰かが迷宮制覇を成していたのなら、それもまた天運よ」
逆に誰も迷宮の攻略が出来なかったら。
その時は、乱世を治めてから改めて迷宮攻略を再開すればいい。
神の視点で考えれば、数年単位の誤差などゴミのようなものであろう。
不老不死を望んでいた皇帝は、今まで後継者を定めることがなかった。
その事実は、早くから華琳に戦乱を予測させていたのである。
皇帝の死が一年ほど後だったら、おそらく華琳の名は大陸中に轟いていたはずである。
そういう状況の方が天下取りには理想的だったが、欲を言えばきりがない。
予想より早い事態ではあるが、この展開もまた華琳の想定内である。
一刀には唐突に思えた華琳の宣言も、彼女にとっては予期していた選択のひとつに過ぎないのだ。
「一刀、これが最後の誘いになるわ。私の後について……いえ、私と共に、これからの乱世を歩みましょう」
「悪いが、答えは否だ。人を殺す覚悟なんて俺は一生持てないし、持つつもりもないから」
「……そう、なら仕方ないわね」
文官としてでもいいから、などと未練がましいことを言うような華琳ではない。
それに一刀ほどの強者を後方で遊ばせておくような贔屓をしては、軍の秩序崩壊を招くだけである。
戦わない一刀を自軍に迎えることは、百害あって一利なしの行為となってしまうのだ。
「貴方と初めて出会った時のことを思い出すわ。もし私が貴方を買っていたら、今頃どんな関係になっていたかしら」
「どうだろうな。たぶん従順に働いていたんじゃないか?」
「ふぅん、従順な一刀っていうのも悪くないわね。そんな貴方を軍服姿で踏みながら罵るプレイなんて、とても楽しそうだわ」
「そんなことを言ってると、閨で優しくしてやらないぞ」
「ふふ、ならば私を従わせてみせなさい、一刀」
華琳の誘いに乗り、彼女を抱きかかえて寝室へ向かう一刀。
腕の中の華琳に口付けを落としながら、残り僅かとなった彼女との逢瀬を心おきなく楽しもうと考える一刀なのであった。
瞬く間に時が過ぎ、いよいよ華琳が洛陽を去る日が来た。
彼女達の見送りをすべく洛陽の城門前に待機していた一刀。
そこに騎乗した華琳達が姿を現した。
別れを惜しむべく、一刀の目前で馬から降りた華琳達。
真っ先に一刀へ声を掛けたのは、クランのリーダーである華琳だった。
「ごしゅじ……こほん、一刀。わざわざ来て貰って、悪かったわね」
「そんなこと気にするなんて、華琳らしくないぞ?」
「うるさいわね。私だって、何の感傷もないわけじゃないのよ」
「それもそうか。……本当に、寂しくなるな」
そう言いながら、華琳を抱き締める一刀。
一刀の温もりを体に感じ、脳裏に刻み込む華琳。
しかし華琳は、すぐに一刀から身を離して言った。
「私はもういいから、皆との別れを惜しみなさい」
「そうだな、時間もあんまりなさそうだし」
あっさりと同意した一刀の背中に、「バカ」と呟く華琳。
そんな彼女の言葉には気づかず、一刀は他のメンバーに別れを告げる。
「春蘭、秋蘭。元気でな」
「うむ。お前の方こそ、軽々に命を落とすんじゃないぞ。華琳様が悲しまれるからな」
「姉者の言う通りだ、一刀。生きてさえいれば再び会えることもあるだろう。だから命だけは大切にしてくれよ」
熟練の冒険者である春蘭達にとって、出会いや別れはこれまで繰り返し経験してきたことである。
二度と会えないというわけではないのだから、その言葉に悲嘆の色は見えなかった。
そのことは、一期一会を旨とする旅人であった稟や風にも共通して言える。
「一刀殿、これまでお世話になりました。どうかご壮健でありますよう」
「ようやくお兄さんのアレに体が慣れて来た所なのに、風は残念なのですよー」
稟の真摯な別れの言葉で重くなった空気から、風の軽口によって湿っぽさが取り除かれる。
そして霞もまた、飄々とした態度を崩さなかったうちの一人である。
「そういえば、霞も華琳達と一緒に行動するんだって?」
「政治的な判断ってやっちゃ。まぁウチも月達に頼まれたら断れんし、なんだかんだでここも居心地がええからな」
元々が軍人である霞なのだから、各地での転戦も慣れたものである。
霞は固く再会を誓って、一刀と拳を打ち合せた。
いつの間に仲良くなっていたのか、そんな霞の傍には凪達の姿もあった。
「凪達も、華琳について行くことにしたんだな」
「はい。自分達のような亜人でも差別されない世の中に、と華琳さんもおっしゃっていますし」
「沙和達、そのお手伝いを頑張るのー!」
「実力が正当に評価されるっちゅーのは、ウチのような職人にとっても魅力的やしな」
この日の出立のため、凪は数日ギルドに篭って短剣飾りをアイテムにする作業を行っていた。
先日雪蓮が大量に入手した『金の短剣飾り』の分もあり、凪がいなくてもしばらくはアイテムに困らないはずである。
また本来は逆であるべきなのだが、真桜と沙和は一刀への餞別を用意してくれていた。
『新・打神鞭』と『蛮盾』に対する特殊性能の追加である。
「いくら隊長が人と戦いたくないって言っても、もしかしたらそういうことが起こるかもしれないのー」
「だから、武器と盾にはそれぞれ『手加減攻撃』の機能を追加しといたんや。例え赤子を相手に思いっきり攻撃しても、命だけは保証するで」
少し前に「預からせて欲しい」と引き取った武器や盾を一刀に手渡しながら、そう説明する沙和と真桜。
当然ではあるが、この不思議な機能を追加するのは技術だけではどうにもならない。
そのために彼女達は、『時の砂時計』を作成した際に出た『金の天使印』の余りを、わざわざ華琳に頭を下げてまで使用してくれていた。
その魔力を使って武器の殺傷能力だけを削除した『手加減攻撃』は、なるほど今後の一刀にとって最も必要となる機能であった。
もちろん設定は一刀側で容易く変更出来るし、非殺傷というだけでダメージ自体は与えられるため攻撃力を損なうこともない。
いざ対人戦闘に巻き込まれた時、人を殺す覚悟のない一刀にとって、この『手加減攻撃』は欠かせないものとなるだろう。
沙和達へ礼を言う一刀に、とうとう我慢出来なくなったのであろう季衣と流琉が飛びついてきた。
「兄ちゃん、お願いだよ! ボク達と一緒に来てよ!」
「ずっと傍にいて欲しいです、兄様……」
目に涙を浮かべながら、一刀に懇願する2人。
だがこの問題は、既に幾度となく話し合ってきたことである。
「……ごめんな、季衣、流琉」
「ううん、こっちこそ、ぐすっ、ボク達、最後まで、我儘ばっかりで……」
「兄様、今まで本当に、本当にありがとうございました……」
季衣達は、貧困に喘ぐ小さな村の出身である。
治世下でも子供を売らなければ不作を乗り超えられない村など、もし乱世になったら一瞬で滅び去ってしまう。
そういった寒村が生き残るための最善策は、華琳の支配下に入れてしまうことだと2人は考えたのだ。
泣いて一刀にしがみ付きながら、それでも華琳に協力するという決断は変えない季衣達。
一刀とパーティを組んでいた頃から考えると、すっかり精神的な成長を遂げていると言えよう。
当時一刀が気になっていた依存気味な部分など、最早欠片も見当たらない。
季衣達は華琳から預かっていた金(いつかの報酬の一部)を一刀に渡し、赤くなった目を擦りながら、それでも笑顔を見せようとする。
そんな季衣達の頭を撫でた一刀は、1人離れた場所にいる桂花の元へと向かった。
「ふんっ。私は別にこれっぽっちも寂しくないんだから。かえって清々するくらいだわ」
「……桂花」
「もうアンタなんか、さっさとどっかに行きなさいよ!」
「……桂花、そんなに泣くなよ」
「なによっ! 私がどうしようと、私の勝手でしょ!」
ポロポロと溢れ出す桂花の涙を、一刀は指で拭う。
普段なら嫌がる素振りを見せるはずの桂花も、大人しくされるがままである。
「大体、アンタがついてくれば全て解決なのよ! 季衣達だって喜ぶわ!」
「悪いけど、俺は絶対に戦争には関わりたくないんだよ」
「別に戦に出なければいいじゃない! 許での後方支援だって、仕事は一杯ある!」
「形勢が圧倒的に有利な状況ならともかく、俺みたいに戦える奴がそうすると士気が保てない。桂花だって、そう言ってただろ」
「そんなの、私の智謀でどうにでもなるわ! アンタが私達と一緒にいたいかどうか、それだけの問題でしょ!」
「おんぶ抱っこで華琳達の足を引っ張るような真似、出来るわけないだろ」
今まで何度も繰り返されてきた、桂花との問答。
いつまでも終わらない2人のやり取りを見兼ねて、華琳が割って入った。
「悪いけど、そろそろ時間切れよ。桂花、もう二度と会えないわけじゃないのだから、そろそろ聞き分けて頂戴」
「……はい」
「皆、そろそろ出立するわ! 我等はこれより、歴史の表舞台へと立つ。だが、我が往く道は覇道! 堂々と胸を張って進み、決して意志を曲げることはない。その覚悟が出来た者から、騎乗しなさい!」
華琳の号令で一斉に馬に乗り、毅然と歩を進める一同。
その雄姿を、一刀はただ見上げるばかりである。
「また会いましょう、一刀」
「ああ。またな、華琳」
華琳達の未来に幸多かれと、その姿が見えなくなるまで手を振り続ける一刀なのであった。
華琳立つ。
その話題は、瞬く間に洛陽の街を席巻した。
皇帝崩御の噂で浮足立っていた民達には、そんな華琳の行動が古代の勇者のように思えたのだ。
更に3姉妹の歌う華琳の英雄譚が、人々の妄想を刺激した。
いや、洛陽中に広まっているのは、華琳のものだけではない。
母の無念を晴らすべく迷宮へ挑み、遂には新しいギルドを創設した雪蓮も。
困窮に喘ぐ民のため尽力し、洛陽を解放へ導いた桃香も。
そして剣奴の身から短期間で立身出世し、稀代の冒険者となった一刀も。
天和達の歌う英雄譚は、洛陽の著名人達が全て出て来る壮大な内容であった。
それが大流行していったのは、おそらく人々の政情に対する不安の裏返しなのであろう。
月の善政を保護してくれる英雄の誕生を、民達は待ち望んでいたのである。
ところが、その期待を裏切る出来事が起こった。
麗羽によって一方的な濡れ衣を着せられ、月と詠の官位が剥奪されたのだ。
あわよくば迷宮制覇を自分達の勢力によって成し遂げたい麗羽にとって、洛陽を支配する月達は単純に邪魔だったのである。
もちろん無官となった月達に行政を司る権限はない。
麗羽子飼いの文官が、洛陽の都市長として送り込まれて来ることになった。
「悔しいけど、ここは恭順を示すべきだわ。元々が濡れ衣なのはあちらも十分に承知しているのだし、素直に洛陽を開け渡せばそれ以上のことはされないはずよ」
「でも、かつて苛政を布いた麗羽さんの支配下に再び入ることなんて、民は認めてくれないよ……」
「そこを上手く説得するのが、私達の仕事でしょ。下手に抵抗して反逆なんて烙印を押されたら、私達も洛陽の民も一巻の終わりよ」
「へぅ……。それじゃ、十分に時間を掛けて根回しをしないと……」
そんな月と詠の相談は、残念ながら有効に活用されなかった。
新たな都市長に任命された者が、予想外に早く洛陽へ入ってしまったからだ。
そしてあろうことか、事前に何の告知もされていない民衆を相手に都市長の交替を宣言する麗羽の部下達。
月達の出方がわからないため、おそらく民衆に話を浸透させることで既成事実を作ろうとしたのであろう。
だが、それは逆の効果しか生み出さなかった。
街で流行っている英雄譚の影響もあり、強気になっていた民達は公然と反旗を翻したのである。
子供に石を投げられて怒り狂った兵士が、無礼打ちにせんとその頭上へ剣を振り降ろす。
ボッ!
という風切り音と鳴らして武器を蹴り飛ばしたのは、たまたまその場にいた一刀である。
緊急事態に慌て、思わず本気で蹴ってしまった一刀だったが、その威力に自分自身が驚いていた。
無茶苦茶な効果音もそうだが、剣自体がお星様になる勢いでかっ飛んでいったのだ。
今の一刀にボされたら、たかが一般兵など首から上が無くなってしまうだろう。
しかし、騒動はまだ収まったわけではない。
麗羽から新たな都市長に任命された文官は、武に疎いこともあって一刀を数の力で抑え込めると判断した。
そして部下達に、一刀を斬り捨てる命令を下したのだ。
自分だけなら専守防衛も手のうちだが、見せしめの効果を狙ったのか彼等は民衆にも刃を向け始めた。
こうなると一刀も、人と争いたくないなどと言っている場合ではない。
「来いよ。建物は壊したくない。こっちだ、ついてこい」
などと挑発し、一刀は兵達の攻撃を自分へと集中させる。
『手加減攻撃』が可能なよう武器を改造してくれた真桜に感謝しながら、非殺傷設定にした『新・打神鞭』を振るう一刀。
どうやら攻撃をしてもHPの1割は必ず残るシステムらしく、一刀は麗羽の部下達を次々と赤NAMEにして昏倒させていった。
とりあえず武器を持った者はあらかた倒した一刀だったが、そこから先の考えなど全くない。
これはあくまでも突発的な事件だったし、とっさに場の収拾をつけられるような機転も働かなかった。
新たな都市長やその部下達が民衆によって洛陽から追い出される様を、茫然と見ていることしか出来ない一刀。
こうして天和達の大げさな英雄譚に謳われた『天の御使い』として、叛乱の象徴に祭り上げられてしまう一刀なのであった。
**********
NAME:一刀【加護神:呂尚】
LV:28
HP:527/450(+77)
MP:30/0(+30)
WG:100/100
EXP:556/9500
称号:天の御使い
STR:44(+15)
DEX:60(+26)
VIT:27
AGI:47(+15)
INT:28
MND:21
CHR:54(+17)
武器:新・打神鞭、眉目飛刀
防具:蛮盾、勾玉の額当て、昴星道衣、ハイパワーグラブ、極星下衣、六花布靴・改
アクセサリー:仁徳のペンダント、浄化の腰帯、杏黄のマント、回避の腕輪、グレイズの指輪、奇石のピアス、崑崙のピアス
近接攻撃力:309(+42)
近接命中率:139(+22)
遠隔攻撃力:171(+15)
遠隔命中率:128(+29)
物理防御力:245
物理回避力:145(+35)
【武器スキル】
スコーピオンニードル:敵のダメージに比例した確率で、敵を死に至らしめる。
カラミティバインド:敵全体を、一定時間だけ行動不能にする。
ホーミングスロー:遠隔攻撃が必中となる。
【魔術スキル】
覆水難収:相手の回復を一定時間だけ阻害する。<消費MP10>
【加護スキル】
魚釣り:魚が釣れる。
魚群探知:魚の居場所がわかる。
封神:HPが1割以下になった相手の加護神を封じる。
所持金:735貫