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No.11032の一覧
[0] 『リリカルなのは お兄ちゃんも一緒』(リリカルなのはA’s×とらハ KYOUYA 習作)[A.K](2009/08/14 17:57)
[1] 『リリカルなのは お兄ちゃんも一緒』 ガチャピン…。[A.K](2009/08/15 19:02)
[2] 『リリカルなのは お兄ちゃんと一緒』 ムック…。(仮仮)[A.K](2009/08/22 18:21)
[3] 『リリカルなのは お兄ちゃんも一緒』 スナフキン…。[A.K](2009/08/30 01:08)
[4] 『リリカルなのは お兄ちゃんも一緒』 ハニ丸…。[A.K](2009/10/12 19:59)
[5] 『リリカルなのは お兄ちゃんも一緒』 モグタン…。[A.K](2009/10/12 20:00)
[6] 『リリカルなのは お兄ちゃんも一緒』 ポロリ…。[A.K](2009/12/21 23:00)
[7] 『リリカルなのは お兄ちゃんと一緒』 ロボコン。[A.K](2010/03/17 18:49)
[8] 『リリカルなのは お兄ちゃんも一緒』 マリモッコリ。(完)[A.K](2011/01/22 17:56)
[9] 『リリカルなのは お兄ちゃんと一緒STS』 ひこにゃん。[A.K](2011/03/14 19:41)
[10] 『リリカルなのは お兄ちゃんと一緒STS』 ゴン太くん。[A.K](2011/03/30 20:52)
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[11032] 『リリカルなのは お兄ちゃんも一緒』(リリカルなのはA’s×とらハ KYOUYA 習作)
Name: A.K◆f8db502c ID:53367bc1 次を表示する
Date: 2009/08/14 17:57
最初にいなくなったのは父さんだった。フィアッセを爆弾から守るために、その変わりになるように死んでいった。
まだ幼かった俺は、家族を守るためにと自分の体を顧みず鍛錬を繰り返し、その代償に右膝をいためてしまい、医者の見立てでは、完治する事は無いと言われた。
それでも、俺は父さんの敵を取るために鍛錬をやめなかった。いや違う…、父さんの敵、家族を守るため、俺はそれを良いわけにして全てから逃げるために、鍛錬に打ち込んでいただけだ。

俺は鍛錬に明け暮れながら、父を殺した組織に繋がるものを次々に潰していった。だが、その結果俺は全てを無くしてしまった。
母さんが経営している喫茶店がその組織により爆破されたのだ。運の悪いことに、俺の誕生日を祝うために全員が集まっていた時を狙われたのだ。俺が店の前に辿り着いたときには、建物は原形を留めないほどに破壊されていた。
そして、すでに建物の中から運び出されていた母さん達だったものを見て俺はその場に崩れ落ちた。昨日までは俺に向かって笑いかけ話しかけてくれていた筈の母さん達が、身内でも解らないほどに変わり果てた姿になっていた。
その中で、比較的外傷の少なかったなのははまるで眠るようにして死んでいた。俺は、もの言わぬはのはの遺体を抱きしめ、声を上げずに泣いた。

母さん達の菩提を弔ってから、俺は自分の体を治すことに専念した。完治しないと言われた俺の右膝だったが、直すことが出来るかもしれないと言うことがわかったのだ。
リハビリの期間は俺にとって苦痛でしかなく、本当ならなのは達を殺した奴らの息の根をすぐにでも止めたかったのだが、確実に相手を根絶やしにするのには、右膝の完治が必要なのだ。

俺の右膝が完治するのに二年の時間を要した。その間は膝に負担のかからないような鍛錬しかできなかったが、効率のいいトレーニングの仕方を学び、父さんの残してくれた御神流のノートを、穴があくほどに何度も読み返した。

鍛錬と平行して、俺は組織と関係のある施設を潰すことを再開したのだが、それまでは組織に関係する者達を再起不能にすることはあっても、殺すことだけはしなかった。
だがその日、俺は自分の意志で人を殺した。考えていたよりも、自然にそれをすることが出来た…、もう少し葛藤や躊躇する者だと思っていたのだが、いざその時になるとすんなりと、そうすることが当たり前のように殺すことが出来た。
それからは、組織の重要なポストにいる者から末端の構成員まで、組織に関わる者は悉く殺していった。少しでも恐怖を味わえばいい、少しでも絶望を味わえばいい、俺の受けた痛みの少しでも思い知るがいい…、あたかも自分がこの世界で一番不幸なのだと思いながら、俺は人を殺していった。

そして、俺は組織と同じ犯罪者になった。追う者から追われる者に、だがそれでも俺は、組織を根絶やしにするまでは、殺していくだろう。

追われ、追い、殺し、逃げ、また追われる。そんなことを繰り返しながらも、俺は段々と組織を追いつめていった。すでに、なのは達を殺した奴は、この手で殺すことが出来た。
敵を取ることが出来ても、思った以上に感慨はなかった。多分、俺はもう壊れているのだろう。

そして、組織の殆どを潰し、俺の目の前には組織のトップがいる。なぜ、こんな男が…、その思いしか浮かんでこないような、つまらない人物だった。
俺の家族を、守るべき全てを奪っていった大本が、こんなつまらない男だったと思うと、一気に殺す気が失せ、俺は不用意にその男に近づいてしまった。
男は俺が近づくとその分下がり、そのまま壁際まで下がっていった。俺はみっともなく命乞いをする男を殺すべく刀を振り上げ、なるべく恐怖を与えながらゆっくりと振り下ろす。

だが、俺が刀を振り下ろすよりも早く、男はいつの間にか手に持っていたボタンみたいな物を押していた。俺がそれに気がついたのは、男を殺した後でありビルの下の方から聞えてくる爆発音だった。
男が押したのはビルに仕掛けて立った爆弾の起爆装置だったのだろう、爆弾がこのビルの至る所に仕掛けてあったのは気がついていた。ここに上がってくるまでに確認した爆弾の数から、多分俺は逃げ出すことが出来ないだろう。
しかし、この男を殺した後は死ぬつもりだったので、自殺する手間が省けて助かった。

俺は、部屋の中心に立ち懐から取り出した一枚の写真を見つめる。その中には最後に見たときと変わらぬみんなの笑顔が有り、俺自身も微かに微笑みを浮かべている。
家族の敵を取る事を建前に、俺は多くの人間を殺してきた。それが自分を満足させるための欺瞞だと言うことはわかっていたが、自己満足の復讐をやめることは出来なかった。そのことに後悔はないが、出来ればあのころに…、みんなの笑顔溢れるあのころに戻れたのなら…。

そこまで考えて、俺の足下が振動と共に弾け飛び、俺の意識はなくなった。最後に見たのは、俺の胸で光っている宝石だった。



『リリカルなのは お兄ちゃんも一緒』(リリカルなのはA’s×とらハ KYOUYA 習作)

「…いやに所帯じみた天国だな」

「お兄ちゃん何言ってるの?」

恭也が朝眠りから目覚める感覚と共に目を開けると、寝ころんでいる恭也の顔を一人の少女が覗き込んでいた。恭也は、その人物に出会えたことで、あることを確信した。

「なのはがいるということはここは天国で間違いないな。美由希がいれば地獄なのだろうが…」

「良く意味は解りませんが、それは少し酷いと思います。それとここは天国ではなく、お家だよお兄ちゃん?」

恭也は、妹であるなのはの言っていることの意味が解らず、取り敢えず体を起こして周りを見回してみると、目に入ってくるのは、見慣れた光景だった。

「…なのは、兄の頬を抓ってみてくれないか?」

「? いいよ」

なのはは恭也の言っていることの意味が解らなかったが、取り敢えず言われた通り頬を抓ってみることにした。だが、なのはに抓られた恭也は…。

「ふむ、痛くないな。やはりこれは夢だな」

なのはが力一杯抓っても痛みを与えることが出来なかったようで、恭也は夢と断定してしまった。夢とはいえ、なのはに会えたことが嬉しい事に代わりはなく、取り敢えず昔良くしていたように、なのはの頭を撫でてやった。

「ふぇ?」

最初驚いていたなのはだが、すぐに猫のように目を細め、気持ちよさそうにしている。しばらくの間、なのはの頭を撫でくり回した恭也は、不意に立ち上がってなのはを抱き上げる。

「…どうしたのお兄ちゃん? 今日のお兄ちゃんはいつもより優しい気がします」

「そうか? 久しぶりに会った妹にサービスをと思ったのだが、嫌なら降ろすが?」

「嫌じゃないよ、すごく嬉しいよ! でも今日のお兄ちゃんはちょっと変です」

そんなことを話しながら、恭也となのははそれまでいた恭也の部屋から下の階に下りていったのだが、その光景を見て恭也は一度天を仰ぎ、軽く頭を振ってからもう一度視線を戻す。

「なのは、二階は天国で一階は地獄とかそう言うオチなのか?」

「母さん、恭ちゃんがおかしいよ?」

「黙れ愚妹」

恭也はそう言いながら美由希に少しきつめのチョップを喰らわし黙らせる。美由希が痛みで蹲っていると、奥から一組みの男女性が現れ恭也に声をかける。

「あらなのは、恭也に抱っこしてもらうのって久しぶりじゃないの?」

「良かったじゃないかなのは」

「…なるほど、ここは間違いなく地獄だな。なにかの間違いで美由希が天国にいることがあったとしても、父さんは間違いなく地獄にいるはずだ」

恭也は、自分の父親をみてそう断言した。一方言い切られた父、士郎は「こいつ何いってんだ?」みたいな顔で恭也を見ている。その横では母、桃子が声を上げて笑っていた。

「ならば、ここにレンや晶もいるのか?」

「? 誰それ恭ちゃんのお友達?」

恭也の一撃から復活した美由希が、聞いたことのない名前に反応して、逆に恭也に聞いてくる。流石に、事ここにいたって何かがおかしいことに、恭也も気がついた。

「なのは、兄は少し散歩に行こうと思うのだがどうする?」

「一緒にいっていいの?」

「ああ」

「ならいく!」

恭也はなのはを抱っこしたままの状態で外に出て行き、周囲を見回しながら街の中を歩いていく。所々、恭也の記憶と違うところもあるが、概ね記憶にあるとおりの町並だった。
一通り見て回った後、恭也となのはは公園で一休みすることにした。公園にあるたい焼きの屋台で、カスタードとチーズ味を買って、ベンチに座って食べている。

「ん? なのは、その首からぶら下げているのは何だ?」

「え? これ、友だちからもらったんだ。私の宝物なの」

「そうか…」

恭也は、なのはの答えを聞きながら、自分の胸元に手をやると、そこには硬い物があるのが手触りで解る。恭也の胸元にかかっているのは、恭也が組織を潰す少し前に拾った綺麗な石で、それに鎖をつけなのはと同じように首から提げているのだ。
公園でのんびりと休んだ後、なのはと一緒に家に帰った恭也は、夜になって近くにある森で、一人体を動かしていた。

「良く動く…」

体を動かしながら恭也は、自分の体が自分の物ではない感じを受けた。体はイメージ通り所か、それ以上に動く。自分が鍛え上げた体を若くすれば、こんな感じなのだろうかと考える。
実際、家で見た自分の姿は、二十歳半から十九歳まで若返っていた。十九歳というのも、カレンダーで確認して解ったことなのだが。

「もし…、もしもこの世界が俺がいた世界と違うのなら…、この世界の俺はどうなったんだ?」

恭也が、いまいる世界が自分のいた世界と違うのではないかと言う考えに行き着くと、その次に気になったのが、元からこの世界にいた自分は、どこに行ったのだろうか? と言うことだった。
家族が、自分に対する記憶をもっていたので、いなかったわけではないだろう。では、この世界の自分はどうなったのだろうか? だが、情報がほとんどないいまの状況では、判断のしようがない。

取り敢えず恭也は、いまの状態で考えても答えは出ないと結論づけ、考えることを止め、当分の間は成り行きに任せることにした。
だがある日、夜自分の部屋で時代小説を読んでいた恭也は、辺りがおかしな感覚に包まれるのを感じた。それと合わせて、なのはが家から出て行くのを察知し、愛用のコートに完全武装して、なのはにばれないように後をつけていった。

「…テレビの撮影か?」

恭也の目の前では、小さな赤い服を着た女の子が空中に浮いており、なのはがその女の子に攻撃を受けていた。しかも、途中なのはまでが変わった服に着替えていた。

「勝てんか…」

なのはと赤い服の少女の戦いを見ながら、恭也はなのはが勝てないだろうと考える。強さ以前の問題で、相性が悪すぎるのだ。なのはの戦い方を見た感じ、完全に遠距離型なのに対し、開いては近中距離を得意としているように見える。さらに、赤色の服の少女は、何か強い決意を持って戦っている用に感じられた。

「まずい!」

なのはの砲撃が、少女のかぶっている帽子を吹き飛ばしたのだが、それを見た瞬間、少女の顔つきがそれまでと一気に変わった。

「アイゼン! カートッリジローッド!」

「Ja」

コッキング音と共に、それまで以上の勢いでなのはを攻撃しようとし、なのはは来るべき衝撃に備え、体に力を入れるが、少女がこちらに向かおうとした瞬間、突如下の方向に引っ張られ、落ちていった。

「なっ!?」

「えっ!?」

なのはと少女は互いに驚きの声を上げる。

「それ以上なのはに危害を加えないでもらおうか? なのは、こっちに来なさい」

二人の目の前には、黒いコートで全身を覆った恭也に向けられ、恭也はなのはに声をかけながらも、少女からは視線を外さず、少しでも動こうとすれば、少女を拘束している物を巧みに操り、動けないようにしている。

「お兄ちゃん…」

「なのは、詳しい話はあとだ。それで? なのははどうしたいんだ?」

恭也は、少女に厳しい視線を向けながらも、なのはにかける声はとても優しく、その声からもなのはを労っていることがとてもよくわかる。

「なのはは、あの子が何でこんな事をするのか聞きたいの!」

「そうか、役に立てるかどうか解らんが、兄も微力ながら手伝おう」

「ええ!? でも危険だよお兄ちゃん!?」

「俺は、なのはを…、家族を守るためなら決して負けはしない。兄を信じろ」

「いつまでも無視してんじゃねー!」

恭也に拘束されていた少女が、大きな声と共に自分を拘束していた何かを断ち切って、二人めがけてすごい速さで突っ込んでくる。だが、恭也は、ゆっくりとコートの中から自分の愛刀を取りだし、少女に向かって構えを取る。

「護るための御神は最強と知れ」

一方、恭也に向かってきている少女は、困惑していた。あと少しで強大な魔力を収集出来る寸前だったのだが、思わぬ邪魔が入り、その邪魔者からは殆ど魔力を感じない変わりに、おかしな技を使って自分を拘束してきた。
そして、いま自分の前に立ちはだかる人物に、少女は一切勝てる気がしなかった。自分たちも、どうしても果たさなければならないことのために戦っている。
そのためにはどんなことでもすると誓ったのだが、目の前の男性からはそれ以上の何かが感じられるのだ。だが、自分たちは、ここで引くわけにはいかない。少女は自分を奮い立たせるために、雄叫びを上げる。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「その心意気や良し。だが、俺も引くわけにはいかん」

先程まで前方にいた男性の声が、すぐ横から聞えてきたことに少女は驚き、距離を取ろうとするが、その前にまた何かで体を拘束されてしまう。

「なのは」

「うん。私高町なのはっていうんだ。話し聞かせてくれない?」

「…」

だが、いくらなのはが話しかけようとも、少女は話をする気配が無く、何度も暴れたためその度に、恭也が再度拘束していった。
なのはが根気よく話をしている途中、急に恭也がなのはを抱いたまま、大きく後ろに飛び退り、その直後それまで二人がいた所に、刀が振り下ろされ一人の女性が現れた。

「どうした? お前らしくもないぞ?」

どうやら新たに現れた女性は少女の仲間らしく、少女は恭也が離れた隙に、自身を拘束している何かを解いていく。だが、その話の途中に、二人の体を言い表せぬ不安が襲い、二人は視線を恭也に向けると、そこにはなのはを背に庇いながら、先程とは別人に思える恭也がいた。

「いま、お前はなのはを狙ったのか?」

その声は、後から現れた女性だけに向けられており、声をかけられた女性は我知らず一歩後ろに下がっていた。

「もう一度聞く、いまの攻撃はなのはを狙ったのか?」

「…そうだと言ったら?」

女性は、恭也の問に肯定ととれる返答をした。確かに、魔力の余り感じられない男性よりも、強大な魔力を持っている少女を、女性は狙ったのだから。

「そうか…、ならば腕の一本や二本は覚悟してくれ」

言葉の前半は前方から、後半はすぐ横から刀の一撃と共に聞えてきた。女性は、素晴らしい反射神経で何とかその一撃を持っている剣で受け止めるが、それにもかかわらず受け止めた右手をかなりの衝撃が襲った。

「なっ!?」

「良く凌いだ」

男性の声が聞えると同時に、女性は吹き飛ばされていた。ビルの壁に叩きつけられそのまま壁を壊しながら、反対側に突き抜けていった。
女性は吹き飛ばされながらも体勢を整え、止まると同時に恭也に斬りかかり、そのタイミングに合わせ少女も恭也に攻撃を仕掛けてきた。

「舐めるな!」

「調子にのってんじゃねー!」

怒声を上げながら左右から恭也を襲うが、恭也は慌てることなく、左右からの攻撃を受け流し、体制の崩れたところを追撃する。
なのはは自分の兄が戦う姿を見て驚きを隠せなかった。

「おにちゃんって、こんなに強かったんだ…」





※後書き
KYOUYAです。なぜか急に恭也を書きたくなりました。作者です。
頑張って言い恭也物を書きたいと思います。
ではまた。


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