本日の、「金の酒樽亭」は満員御礼だ。
内戦状態のアルビオンから、命からがら逃げ出した傭兵たちで店は溢れている。彼等は皆、王党派についていた。雇い主の敗北が決定的になった会戦のおり逃げ出したのだ。
それは、彼等にとって別段恥じるようなことではない。彼等にとって恥ずべきは、負けた方に付いてしまった事である。
命を金で遣り取りし、生き残れば残りの半金を貰う。うまくいけば、貴族とはいかなくとも 国の兵士として取り立てられ年金をもらえる身分になれるかもしれない。
いってみればギャンブルである。だが今回は負けだ。報酬は前金のみ。本来はこういった逃亡を防ぐため半金とは名ばかりの4分の1ほどであり、それでも尚一人なら1年ほどは暮らしていける金額だった。
「アルビオンの王様はもう終わりだね!」
「いやはや、『共和制』ってヤツの始まりなのか!」
「では、『共和制』にかんぱい!」
彼等は、基本的に明るい。暗いやつは負けなのである。辛い時、悲しい時こそニヤリと笑い、くだらないことを言う。いい悪いではなく、それが長い傭兵暮らしで身につけた心を守る知恵なのだろう。
彼等は、先日帰ってきたが、ある事情で自分のアジトに戻らず、ここに2日ほど逗留していた。
羽扉が勢いよく開かれ、白い仮面にマントの男が現れた。
「おい、団長。団長はいるか!」
「へ、へい。ここに」
「貴様のよこしたあいつらは、とんだ役立たずだ。ガキ4,5人に体よくあしらわれたぞ!」
白い仮面の男と対応したその男は、目を見開いた。
「そんな馬鹿な! あいつらはこの傭兵団でも腕利きの……」
「だが失敗した。前金を返して貴様の傭兵団の名を地の底に沈めるか。それとも、……」
「……2番目のヤツでお願いしやす」
負けた側についたことで、男の傭兵団の株は下がった。だがそれは、運が悪かったですむ。
無論、儲けは少なかった。だからこそこの胡散臭い白仮面の話に乗ったのだが、貴族とは言えガキ4~5人に傭兵団員が負けたなどと言いふらされては、もはや男の傭兵団を雇うものなど居まい。その傭兵団はそれなりに名の通った傭兵団だった。名が売れればそれなりに値段は高くなる。
目の前の男を死人に口無しとばかりに殺しても無駄だ。「金の酒樽亭」にいる客は、全員が自分の所の傭兵団というわけではない。
無論、それを狙って、それ以外の傭兵に聞こえるようにでかい声で言ったのだろうが。
それに、白仮面の男。こいつはどうやら『偏在』らしかった。依頼を受けたときに、違和感を覚え、念のためと思い自分のインテリジェンス・ナイフ「ザレク」で確認をしたのだ。
だが、金は本物だったし、どうでもいいかとも思っていたのだ。行きがけの駄賃、楽な小遣い稼ぎだとも。
「いいだろう、だが後金は半分だ!」
「そ、そんな……」
「雇うときに言ったはずだ、甘っちょろい王様と一緒にするなと」
その傭兵団の長であるらしい男は俯き、きつめの目元が一層険しさを増し、悔しげに歯をギリッと鳴らした。
「……へぇ、わかりやした。ですが一つだけうかがっても?」
「なんだ!」
「その、あいつらは……」
「言わんと、わからんのか!?襲撃に失敗した傭兵がどうなったかなど」
別にどうにもなっていないのだが、正直に話す理由も無い。いや、かえってこの事で悔しがり少しはやる気を見せるかもしれない。
白い仮面の男は、これで話はすべて済んだとばかりにきびすを返し、来た時と同じように羽扉を勢いよく開いて去っていった。
団長と呼ばれた男は、未だ揺れ動く扉を憎しげに睨みつけ、酔っ払った部下に怒声で号令を掛ける。
第十九話 アルビオンへ その2
「ハーイ、シンジくーん!」
「あれ、キュルケさん、どうしたんですか?」
「助けに来てあげたんじゃないの。昨日の遣り取りばっちり聞こえちゃったしね」
シンジが“あちゃ~”っと声を上げ、顔を手で覆う。
誰も、あの時「サイレント」を掛けていなかったとは言え、多少の大声で隣の部屋に音が漏れるほど寮の壁は薄くない。結局は、昨晩のアンリエッタ姫の秘密の訪問は秘密でもなんでもなくダダ漏れだったということだろう。考えてみればギーシュに覗かれている時点でその可能性を疑うべきだった。
「あたしは朝方、あんたらの武運を祈って窓から見送ったけど、モンモランシーがね……」
教室にギーシュが来ていない事に疑問を持ち、ついでにルイズもいない為、学院中を探し回ったというのだ。見かねて、キュルケが実は……と喋ってしまったらしい。その後は、授業が終わるのを待ち、タバサに頼んで風竜を出してもらった、と言う事だった。
さすがに、竜の中でも、いや全幻獣の中でさえ最速を誇る風竜である。本来なら、馬で2日の行程をたったの4時間で走破したのだ。シンジら4人は休み休みとは言え、必死になって12時間以上かかったというのに。
「そいで、あんたはあっさり喋ったと」
「別に隠す必要も感じなかったし、まさかモンモランシーが追っかけるなんて思わなかったもの」
しれっとした顔でいうキュルケ。
実際は、ギーシュとモンモランシーの修羅場を暇つぶしに見学したかっただけだが。ついでに言えば、モンモランシーに追いかける手段が無いため、知恵を貸したのがキュルケだったりもするが。
「とにかく、感謝しなさいよね。あんたたちを襲った連中を捕まえたんだから」
キュルケは倒れた男たちを指差し、そう言った。怪我をして、おまけに手足を拘束されている襲撃者たちは口々に罵声をルイズたちに浴びせかけている。
「なによ、あんたらなんかいなくたって、あたしたちだけで撃退できたわ」
ルイズは腕を組み、キュルケをにらみつけた。ちなみに、ギーシュはモンモランシーに、土下座を超えて五体投地中である。……違った、ただぶっ倒れているだけのようだ。
キュルケは、ルイズに向かってフフンッと鼻を鳴らし、グリフォンに乗ったワルドににじり寄り始めた。
「おひげが素敵よあなた、情熱はご存知?」
「僕の婚約者のクラスメートかな?助けてくれてありがとう。だが、これ以上近づかないでくれたまえ。ルイズが誤解するといけないのでね」
さわやかな笑顔と共に、そう言った。キュルケはつまらなそうだ。慇懃な態度で自分を拒否している。
今まで、どんな男だろうと、自分に言い寄られたら、どこかに動揺の色を見せるものだが、ワルドの態度にはそういった様子が見られなかったのだ。代わりに、婚約者と言われたルイズが赤くなっている。
「なあに? あなたの婚約者だったの?」
ルイズは困ったようにもじもじし始めた。
「ワルドさ~ん!とりあえず、全員縛りましたが、どうしましょう」
シンジがワルドに指示を仰ぐ。
「そうだな、軽く尋問しておくか。もしアルビオンの貴族派の息のかかったやつらなら情報を引き出せるかもしれん」
「どいつもこいつも“自分はただの物取りだ”と言ってます」
キュルケの火あぶりから始まり、タバサの氷攻め、なぜか参加したモンモランシーの水攻めにも、ふてぶてしくただの山賊だという主張を繰り返すばかりでらちが明かない。
「仕方ない、このまま捨てていこう。町に入ったら騎士の詰め所に連絡をする」
そう言うとワルドはひらりとグリフォンに跨り、颯爽とルイズを抱きかかえた。
「今日はラ・ロシェールに一泊して、朝一番の便でアルビオンにわたろう」
ワルドは一行にそう告げた。キュルケはシンジと一緒の馬に乗り、タバサ、モンモランシー、そして意識の無いギーシュは風竜に乗り、あるいは乗っけられラ・ロシェールの港町へと向かうのだった。
「アルビオンに渡る船はあさってにならないと、出ないそうだ」
ワルドは困ったようにそう告げた。ここはラ・ロシェールでも一番上等の宿「女神の杵」である。
ワルドが部屋を取る間、一行は一階の酒場でくつろいでいた。ルイズ、シンジに大した疲労感は無く、後から駆けつけた三人も特に疲れてはいない。ギーシュはすでに爆睡中である。
「急ぎの任務なのに……」
ルイズは口を尖らせている。
「さて、じゃあ今日はもう休もう。部屋は取ったよ」
鍵束をちゃらっと鳴らし、机の上に置いた。
「ルイズのご友人諸君、三人は相部屋だ。ギーシュ君とシンジ君も相部屋。そして、僕とルイズが相部屋だ」
まあ、順当だろう、婚約者同士だというし。 ルイズも特に何も言わなかった。
「ワルド、わたし貴方に相談したいことがあるの」
「ちょうどよかった。僕も君に大事な話があるのさ」
そう言って、二人は2階の部屋に消えて行った。他の一行もワルドの取ってくれた部屋に行こうと立ち上がった時だった。
「あら、あんたら」
呼び止められ、声のしたほうを振り返る。
「「「ミス・ロングビル」」」
ワルドの大事な話とは、この任務が終わったら、ルイズの学院卒業を待たずに結婚しよう、と言う事だった。ルイズにとっては、青天の霹靂。というほどのことも無い、(貴族の結婚は10代の後半が普通)驚いたのは確かだが。
未だ、自分に自信が持てないルイズにはワルドの可能性をつぶしてしまうような気がしてはっきりとした返事は出来なかった。結局、返事に関してはいずれということで先送りにしてもらった。
「それで、僕に相談てなんだい?」
「う、うんあのね、シンジのことなの……」
それを皮切りに、召還時に「召還の鏡」といわれる特殊なゲートではなく異様な玉が現れたこと。シンジについた二つの伝説のルーン。ルーンによる強制力や、効能がいまいちっぽいこと。(服従や感覚共有が効かない)
森で起こした巨大な火の玉が、自分とシンジのせいだったことなどを、内緒にしてもらうことを前提に包み隠さずワルドに告げていった。
ワルドも、あまりのあんまりなこの告白には、開いた口がふさがらないようだった。
「ふーむ、だが彼は君に従い、君を守っているのだろう。いくらルーンで、使い魔の知能が上がるとは言え、人のそれまで引きあがる物はまれだ。おまけに、強力な使い魔といっていい能力もちで、結構尽くしじゃないか。何を心配しているのかわからないがね?」
そこで、ルイズはワルドに向かい、小さな爆弾を投げつける。
「シンジのフルネームがね、イカリ・シンジって言うのよ」
ワルドは思わず飲んでいたワインでむせてしまう。
「ルイズ、そりゃあ……」
「ええ、ええ、あたしだって何千年も前に死んだであろう英雄様が現代に甦って、使い魔やってるなんて言わないわ。まーだ、あたしが実は虚無の系統でしたって言ったほうが現実味があるわよ。でも、彼が話す身の上や、容姿はまさしくイカリ・シンジのそれよ。これを、どう解釈したらいいかしら?」
ワルドは憮然と、ワインを 自分とルイズのグラスに注ぎなおす。
「君のことだ、何かしら答えを出しているのだろう?」
だが、ルイズはその問いにはすぐには答えず、
「ねえ、ワルド。貴方は神を信じてる?」
ワルドは深く椅子に座りなおし、口をへの字に曲げた。
「正直、あんまり……」
「そう、では魔法が神の奇跡であるという教会側の言い分をアタマっから信じているわけではないのね」
ワルドはドアに向かって杖をふるい、「ロック」と「アンロック」の魔法を交互にかける。部屋の鍵は、その呪文とふるわれた杖に従いガチャガチャ音を立て、開いたり閉まったりした。
「神様がいちいち僕の、僕らメイジの命令にしたがって部屋の鍵を掛けてくれるとは思えないからね。もし、そうなら、始祖ブリミルはとんでもない働き者だよ」
「でも、完璧にメイジの精神力、念動力だけでは説明がつかないことも確かだわ。鍵の形も、鍵内部の構造もそれぞれ違うのに、使う呪文や杖の振り方は一緒だなんてありえないもの」
「……」
「使い魔に刻まれるルーンも、メイジが知っていようが知っていまいが、ちゃんと刻まれる。他にもいろいろ魔法には謎が多いわ」
「むう……つまり、君の言いたいのは「内なるアガシオン」仮説のことか?」
☆☆☆
アガシオンとは、霊的な使い魔の総称である。肉体を持った使い魔、ファミリアとは対をなす。
出現した時は、何かしらの小動物の姿や、魔物の姿になるとされている。ここハルケギニアにおいて尚、伝説上のものである。代表的なアガシオンはランプの魔神や指輪の精など。
☆☆☆
「さすがは国一番のメイジ様。
風のメイジにとっては「空気を固めるもの」
火のメイジにとっては「温度を上げるのもの」
水のメイジにとっては「水を集めるもの」
土のメイジにとっては「ゴーレムを形作るもの」
そして、使い魔にとっては「ルーンを刻みその身に潜むもの」ってとこね」
「やめてくれ、僕なんかやっとこないだスクエアに上がったばかりのペーペーさ、上を向いたら、化け物ぞろいだぜこの国は」
「でも、若くて独身で、おまけに魔法衛士隊の隊長で、ワルド。あなたモテるでしょう。今更、こんな昔のちっぽけな婚約者なんて相手にしなくても」
「君は特別さルイズ。僕にはわかるんだ」
「昔計ってもらった精神量と精神圧のこと?」
二つ合わせて精神力。それは即ち、魔法力となりメイジのイメージを杖の先へと具現化させる心の力。
「ああ、それもある。君は確か当時でさえ、君の母君の1.5倍はあったね」
そんなワルドの言葉を聞いてルイズは両手を挙げる。
「だ~めよ、ワルド。操作力がゼロで、系統魔法の発現が未だに無いんですもの。いくら馬が大きくとも、言うことを聞かないのでは、何の役にも立たなくてよ」
「すまない、話がそれたね。それでかの英雄君の正体は?」
「その前に、約束して欲しいの」
「約束?」
「絶対に笑わないって」
「「「ミス・ロングビル」」」
宿の酒場で出会ったのは、なんと学院長の秘書ミス・ロングビルだった。
「あら、シンジ君じゃないかい?どうしたんだい?こんなところであうなんて、随分と珍しいじゃない」
普段、学院で使っているような丁寧な言葉使いではなく、どこかはすっぱな喋り方である。
あるいは、こちらがミス・ロングビルの地なのかもしれない。
「え、いや、ちょっとアルビオンに行かなくちゃならなくなりまして」
「この町にいるって事は、そう言う事なんだろうと予測はつくよ!知ってるのかい。アルビオンは今内乱中で危ないんだよ!」
「ミ、ミス・ロングビル?」
そこで、シンジ以外の視線に気づき、軽く咳払いをするミス・ロングビル。
「うっうん、失礼しました。少々地が出てしまったようで。ですが、ご存知なのですか?アルビオンは今、内乱の真っ最中で、とてもじゃありませんが皆さん方、学生だけで上陸できるような状態ではありませんのよ」
スルリ、といった感じで、学院秘書の口調に戻る。その様は、思わず拍手をしたいほど見事な早変わりだった。キュルケ、タバサ、モンモランシーは思わず目を見開いて注目してしまう。
「うーん、おやめになってくださいな。わたくしは貴族の名をなくした者なのですから。そりゃ、言葉使いくらいは多少は崩れますわ」
酒の効能も手伝ってか、照れたそのしぐさが大人の女性の魅力と相まってひどく可愛らしい。
モンモランシーなどは、ギーシュが寝ていてよかったと思うほどである。キュルケが貴族の名を無くしたといった所に引っかかった。
「差し支えなければ、ご事情をお聞かせ願いたいわ」
ミス・ロングビルはちょっと迷惑そうな微笑をうかべ、
「父は、アルビオンの貴族でしたの。それ以上はご勘弁くださいな」
「あら、ごめんなさい。お詫びにご一緒にワインをいかが?」
彼ら彼女らは、シンジの及びもつかない幼いころから、お酒を嗜んでいる。無論酔っ払うのは一緒だ。
さて、ミス・ロングビルは、貴族はちょっと……な人ではあるが、お酒は好きで、ただ酒となると大好物である。
「僕は、ギーシュを部屋に運んできます」
いや~んな空気をかいだシンジはそこから逃げ出そうとするが。
「あらん、シンジ君、おネ~様がたのお酒が飲めないなんていわないわよねぇ」
酒はともかく酔っ払いは苦手なシンジである。(まあ、両方苦手なのだが)
モンモランシーが立ち上がり、つかつかとギーシュに近づく。マントの内ポケットから、小ぶりのビンを取り出すと、中の魔法の秘薬をギーシュにふりかけ、呪文を唱える。
「イル・ウォータル・デル」(ヒーリングの呪文)
たちまちの内に、ギーシュの身についた傷がふさがっていく。顔の打撲跡が消えていく。モンモランシーは、ついでとばかりにもう一つ呪文をつむいだ。
「はっ、僕はいったい」
ギーシュの目が覚めた。どうやら覚醒の呪文らしい。シンジに逃げ場はなかった。
翌朝、シンジが目を覚ますと、ベッドの中だった。
キュルケはタバサと、ギーシュはモンモランシーと、そしてシンジはミス・ロングビルと一緒のベットだった。昨晩のことは大して覚えていない。トラブルになる前に急いでベットから出る。
うん、服はしっかり着ているようだ。ちらりとギーシュの寝るベット見る。
「ごめん、ギーシュ。君の尊い犠牲は忘れない」
外は十分に明るいが、それでも太陽は昇りきってはいない。そそくさと、本来の自分の部屋に戻る。軽く顔を洗い、ちょっと寝なおし、と思ったところで扉がノックされた。
「おはよう。使い魔君」
「おはようございます。 ワルドさん」
ワルドはにっこりと笑い、
「君は伝説の使い魔「ガンダールヴ」なんだって?」
「え?」
「夕べの、盗賊どもを退治した手際、真に見事だった。これから、僕の日課の朝錬なんだが、ちょっと付き合わないか」
「わかりました。ところで、僕のルーンに関してはルイズさんから?」
ワルドは少し首をすくめて言った。
「まあね、夕べは君の話ばかりでちょっと妬けたよ」
「申し訳ありません」
「はっはっは冗談だよ。 僕は歴史と兵(つわもの)に興味があってね。伝説の使い魔がどれほどのものなのか知りたいんだ。ちょっと手合わせ願いたい」
(うわちゃー)
シンジは心で悲鳴を上げる。実は学院でも、似たようなことが結構あり、そのすべてを「ガンダールヴ」発動でひたすら逃げていたのだ。
「ぼ、僕の「ガンダールヴ」はごく、おざなりなもので、多分ご期待に応えられる様なものではありません。どうかご勘弁願えませんか」
「駄目よシンジ。お受けなさい」
ワルドの影から出て来たの、はピンクの髪のご主人様だった。