·いいじゃない、たまにはティアナ最強でも。
·でも、よく考えたらティアナが強かったらあの性格自体無い訳で。
·そんな訳で、ティアナって名前と容姿の『あの人』だと思って戴ければ。
·どちらかと言えばディシディア寄り。というかディシディアと幻想8じゃ性格変わってないか………?
·季節柄大量に湧く夏厨に便乗した作品だから、かなりの厨展開は覚悟した方がいいかも(核爆
·きちんと更新する目処が立ったのでとらは板に移動。地雷に引き続いて迷惑掛けます。
·合わないと感じたら即BACK推奨。
では、始めます↓
雨が降る。止め途無く。空を覆い隠して万人に降り注ぎ地に水溜まりとなって流れ落ちる。そこに映り込む一つの影。
少女だった。目付きは鋭く光を放っているのではないかと思える程しっかりしているが、あどけない顔立ちは子雛の様に心を擽るものもある。明るい色合の茶髪を雨に染めながら、彼女が見つめていたのは一つの墓標だった。
納棺したばかりだと言うのにその主を弔うのは彼の妹である少女一人。当然、なのかも知れなかった。両親はとうに他界し、彼―――ティーダ·ランスターの職場の同僚は『犯罪者を追っていて返り討ちにされた無能犬死に捜査官』と将校に公式にコメントされたティーダの墓参りには立場上行けなかった。
ティーダの勤めていたのは時空管理局地上部門。『魔法』という存在が普及した多数の次元世界の中で中心的な役割を自ら買って出ているミッドチルダの治安を担当していた一捜査官だった。だが、先の発言の様に犯罪者を追っていて反撃に遭い殉職し、死後不名誉なレッテルを貼られる事になる。
だが彼の妹である少女―――ティアナ·ランスターの表情にはその事に関する怒りも悲しみも、逆に嘲りも侮蔑も無かった。
「戦いの先に得るものに、他者の評価など存在する余地は無い。ただ俺はあんたが最後まで戦い続け、そして誇り高く果てた事を知っている。あんたの戦った意味は、俺がこの心に刻む。それでいいとしてくれ。」
静かに呟かれた言葉は、少女のその十に届くかどうかという年齢に似つかわしいかは置いておくとしても彼女の本音なのだろう。
「だが。俺はあんたに愛された。どれほど迷惑がって突き放してもあんたは兄として俺を支えようとした。ならばその分は返すさ。」
身寄りの無い兄妹で、ティーダは必死にティアナを愛し一人で育てて来た。それは生まれつきと言っていい程の昔から他者に無関心なティアナをして暖かいと感じさせるまでに。
獅子を象ったレリーフを握りしめ、瞑目する。
「――――あんたの汚名は、俺が雪ぐ。」
そう宣言して、墓標の前に一枚の白い羽根を置いた。今は雨に縫い付けられてはいるが乾けばやがて風に乗ってふわり飛んで行くそれに何を重ねたのか。
後の管理局任務達成率最高の兵士ティアナ·レオンハート·ランスターの、それが始まりだった。