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No.10059の一覧
[0] ハルケギニアの舞台劇(3章・最終章)  【完結】 [イル=ド=ガリア](2009/12/04 20:19)
[42] 第三章 史劇「虚無の使い魔」  第一話  平賀才人[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:55)
[43] 史劇「虚無の使い魔」  第二話  悪魔仕掛けのフーケ退治[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:54)
[44] 史劇「虚無の使い魔」  第三話  悪だくみ[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:54)
[45] 史劇「虚無の使い魔」  第四話  箱入り姫と苦労姫[イル=ド=ガリア](2009/12/07 06:59)
[46] 史劇「虚無の使い魔」  第五話  アルビオン大激務[イル=ド=ガリア](2009/12/05 23:28)
[47] 史劇「虚無の使い魔」  第六話  後始末[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:54)
[48] 史劇「虚無の使い魔」  第七話  外交[イル=ド=ガリア](2009/12/04 20:19)
[49] 史劇「虚無の使い魔」  第八話  幕間[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:54)
[50] 史劇「虚無の使い魔」  第九話  誘拐劇[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:54)
[51] 史劇「虚無の使い魔」  第十話  夏季休暇[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:54)
[52] 史劇「虚無の使い魔」  第十一話  戦略会議[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:54)
[53] 史劇「虚無の使い魔」  第十二話  それぞれの休暇[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:54)
[54] 史劇「虚無の使い魔」  第十三話  遠征へ[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:54)
[55] 史劇「虚無の使い魔」  第十四話  侵攻前[イル=ド=ガリア](2009/12/05 23:32)
[56] 史劇「虚無の使い魔」  第十五話  闇の残滓[イル=ド=ガリア](2009/09/06 22:53)
[57] 史劇「虚無の使い魔」  第十六話  出撃[イル=ド=ガリア](2009/12/05 23:35)
[58] 史劇「虚無の使い魔」  第十七話  軍神と博識[イル=ド=ガリア](2009/09/07 00:24)
[59] 史劇「虚無の使い魔」  第十八話  魔法学院の戦い[イル=ド=ガリア](2009/09/06 23:15)
[60] 史劇「虚無の使い魔」  第十九話  サウスゴータ攻略[イル=ド=ガリア](2009/09/06 04:56)
[61] 史劇「虚無の使い魔」  第二十話  休戦と休日[イル=ド=ガリア](2009/12/05 23:36)
[62] 史劇「虚無の使い魔」  第二十一話  降臨祭[イル=ド=ガリア](2009/09/13 01:48)
[63] 史劇「虚無の使い魔」  第二十二話  撤退戦[イル=ド=ガリア](2009/09/13 01:52)
[64] 史劇「虚無の使い魔」  第二十三話  英雄の戦い[イル=ド=ガリア](2009/12/05 23:39)
[65] 史劇「虚無の使い魔」  第二十四話  軍神の最期[イル=ド=ガリア](2009/09/15 22:19)
[66] 史劇「虚無の使い魔」  第二十五話  アルビオン戦役終結[イル=ド=ガリア](2009/12/05 23:40)
[67] 史劇「虚無の使い魔」  第二十六話  それぞれの終戦[イル=ド=ガリア](2009/12/05 23:48)
[68] 史劇「虚無の使い魔」  第二十七話  諸国会議[イル=ド=ガリア](2009/09/19 22:04)
[69] 史劇「虚無の使い魔」  第二十八話  エルフ[イル=ド=ガリア](2009/09/18 06:07)
[70] 史劇「虚無の使い魔」  第二十九話  担い手と使い魔[イル=ド=ガリア](2009/09/19 08:02)
[71] 史劇「虚無の使い魔」  第三十話  シュヴァリエ叙勲[イル=ド=ガリア](2009/09/20 10:49)
[72] 史劇「虚無の使い魔」  第三十一話  スレイプニィルの舞踏会[イル=ド=ガリア](2009/09/20 10:41)
[73] 史劇「虚無の使い魔」  第三十二話  悪魔の陰謀[イル=ド=ガリア](2009/09/20 14:37)
[74] 史劇「虚無の使い魔」  第三十三話  アーハンブラ城[イル=ド=ガリア](2009/09/21 22:50)
[75] 史劇「虚無の使い魔」  第三十四話  ガリアの家族[イル=ド=ガリア](2009/09/21 08:21)
[76] 史劇「虚無の使い魔」  第三十五話  ロマリアの教皇[イル=ド=ガリア](2009/09/21 23:06)
[77] 史劇「虚無の使い魔」  第三十六話  ヨルムンガント[イル=ド=ガリア](2009/09/22 23:13)
[78] 史劇「虚無の使い魔」  第三十七話  編入生と大魔神[イル=ド=ガリア](2009/09/22 10:47)
[79] 史劇「虚無の使い魔」  第三十八話  楽園の探求者[イル=ド=ガリア](2009/09/22 23:32)
[80] 史劇「虚無の使い魔」  第三十九話  我ら無敵のルイズ隊[イル=ド=ガリア](2009/10/21 21:23)
[81] 史劇「虚無の使い魔」  第四十話  舞台準備完了[イル=ド=ガリア](2009/09/23 22:42)
[82] 史劇「虚無の使い魔」  第四十一話  光の虚無  闇の虚無[イル=ド=ガリア](2009/09/26 04:29)
[83] 史劇「虚無の使い魔」  第四十二話 前編 神の名の下の戦争[イル=ド=ガリア](2009/09/29 20:27)
[84] 史劇「虚無の使い魔」  第四十二話 後編 王の名の下の戦争[イル=ド=ガリア](2009/10/01 21:44)
[90] 最終章 終幕 「神世界の終り」  第一話  悪魔の軍団[イル=ド=ガリア](2009/10/01 22:54)
[91] 終幕「神世界の終り」 第二話 前編 フェンリル 第4の使い魔[イル=ド=ガリア](2009/10/04 08:05)
[92] 終幕「神世界の終り」 第二話 中編 フェンリル 貪りし凶獣[イル=ド=ガリア](2009/10/04 08:06)
[93] 終幕「神世界の終り」 第二話 後編 フェンリル 怪物と英雄[イル=ド=ガリア](2009/10/07 21:03)
[94] 終幕「神世界の終り」  第三話 侵略と謀略[イル=ド=ガリア](2009/10/08 18:23)
[95] 終幕「神世界の終り」  第四話 狂信者[イル=ド=ガリア](2009/10/08 18:25)
[96] 終幕「神世界の終り」  第五話 歴史が変わる日(あとがき追加)[イル=ド=ガリア](2009/10/09 22:44)
[97] 終幕「神世界の終り」  第六話 立ち上がる者達[イル=ド=ガリア](2009/10/09 22:45)
[98] 終幕「神世界の終り」  第七話 人が神を捨てる時[イル=ド=ガリア](2009/10/20 17:21)
[99] 終幕「神世界の終り」  第八話 串刺しの丘[イル=ド=ガリア](2009/10/18 02:40)
[100] 終幕「神世界の終り」  第九話 悪魔公 地獄の具現者[イル=ド=ガリア](2009/10/20 17:26)
[101] 終幕「神世界の終り」  第十話 アクイレイアの聖女[イル=ド=ガリア](2009/10/21 21:07)
[102] 終幕「神世界の終り」  第十一話 パイを投げろ![イル=ド=ガリア](2009/10/21 21:12)
[103] 終幕「神世界の終り」  第十二話 変動する時代[イル=ド=ガリア](2009/10/21 21:16)
[104] 終幕「神世界の終り」  第十三話 終戦の大花火[イル=ド=ガリア](2009/10/21 21:16)
[105] 終幕「神世界の終り」  第十四話 新時代の担い手たち(一部改訂)[イル=ド=ガリア](2009/10/14 21:01)
[106] 終幕「神世界の終り」  第十五話 パイを投げろ!inトリスタニア[イル=ド=ガリア](2009/10/17 06:50)
[107] 終幕「神世界の終り」  第十六話 王家の終焉[イル=ド=ガリア](2009/10/18 02:17)
[109] 終幕「神世界の終り」  第十七話 前編 終幕(エクソドス)[イル=ド=ガリア](2009/10/17 06:43)
[110] 終幕「神世界の終り」  第十七話 後編 終幕(エクソドス)[イル=ド=ガリア](2009/11/15 03:19)
[111] 終幕「神世界の終り」  最終話  そして、幕は下りる[イル=ド=ガリア](2009/11/15 03:25)
[121] エピローグ[イル=ド=ガリア](2009/11/27 22:24)
[122] A last episode  ”1000 years later”[イル=ド=ガリア](2009/11/29 09:37)
[123] あとがき[イル=ド=ガリア](2009/12/02 20:49)
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[10059] エピローグ
Name: イル=ド=ガリア◆8e496d6a ID:9c94e4c9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/11/27 22:24

エピローグ



それぞれのその後



イザベラ・マルテル
 ガリア共和国初代執政官、10年の任期を満了した後はロマリア州総督(後に知事と呼ばれるようになる)となり、ロマリアの安定化と産業の発展などに貢献する。王制から共和制へと転換した際の最初の執政官であるためその権力は最も王に近いものであったが、決して乱用することなく執政官としての立場に徹し、民が己の考えによって政治に関かることができるような社会へ発展させるための最初の土台を築き上げ、“黎明の星”と呼ばれる。公式には知られていないがガリア北花壇騎士団団長も勤めており、副団長ハインツの奥さん。ハインツを知る人間全員から、「ハインツの奥さんが務まるのは貴女だけだ」と呼ばれ、ハインツは「あの人の旦那が務まるのはお前くらいだろうな」と呼ばれる。似たような言葉だが意味は大きく異なり、前者はハインツの手綱を握れるのは彼女だけという意味であり、後者はイザベラの日常会話についていけるのはハインツくらいしかいないという意味である。彼女の知性は非常に高く、プライベートな会話の中でも国政に関することが次々に飛び出すので、それに完全に対応できるのはガリアに3人しかいない。それが北花壇騎士団副団長ハインツ、参謀長イザーク、副参謀長ルイズの3名で、団長イザベラと合わせて、ハルケギニアを裏から操る四悪と呼ばれる。ハインツとの間には二卵性双生児の子供があり、男の子がミルディン・マルテル、女の子がルファ・マルテルと命名される。


エクトール・ビアンシォッティ
 ガリア共和国二代目執政官。元は内務卿であったが、イザベラの任期満了に伴い、官吏たちの推薦を受けて執政官となる。彼の代では新制度の導入よりも、イザベラの代に次々に取り入れられた制度の安定化に力が注がれ、ガリアは安定した土台を保ちつつ徐々に発展していくことになる。彼は“秩序の継承者”と呼ばれ、三代目執政官による技術発展の時代につながることとなる。



ルイズ・ヴァリエール・バンスラード
 ガリア王国三代目執政官。元はトリステインの名門貴族ヴァリエール家の三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールであったが、ガリアが共和制へと移行する少し前にガリアに招かれ、技術開発局の二代目局長となる。3年かけて姉のカトレアの病気を完治させた後はビアンシォッティ内務卿の次席補佐官を勤め、彼が二代目執政官となった際、首席補佐官のオリヴァー・クロスビルの推薦もあり内務卿となる。その後、外務卿のイザーク・ド・バンスラードと結婚し、ルイズ・ヴァリエール・バンスラードとなり、二代目の任期満了に伴い、三代目執政官となる。彼女の時代にガリアの魔法技術は飛躍的に向上し、魔法族・ルーン族・先住種族の共存による社会構造の骨組みは彼女の代で出来上がった。同時に、北花壇騎士団副参謀長であり、ハルケギニアを裏から支配する四悪の一人。虚無の担い手でもあるが、その大半を“少女天国”や“百合の楽園”に費やすため、そのことは一般にはほとんど知られていない。ちなみにその二つは法にふれるグレーゾーンにあり、限りなく黒に近いが常に灰色であり続ける。さらに夫が“灰色の者”であることから“灰色夫妻”とも呼ばれる。身長は最終的に170サント近くまで伸び、かわいい女の子を抱きよせながら“銀の腕”を掲げる姿はまさしく“英雄”というに相応しい威容を誇っている。ただし、やることはその後ベッド直行である。夫であるイザークはその辺まったく無関心。




ニコラ・ジェディオン
 ガリア共和国法務卿。後のガリアでは閣僚も執政官の交代と同時に変化するようになるが、初期の共和制においては汚職による免職や、高齢による退職、本人の事情による辞職などを除けば基本終身制であった。これは王制時代の風習が継承されたもので、何もかもを急に変えるのはかえって混乱をまねき、社会の安定性を損なうという理由から法務省の主導によって旧制度の半分近くはそのまま残すことと定められたからである。これには当時のガリア王政府が完全な実力主義であり、彼ら九大卿よりも内政に優れていると自負できる人物が存在しなかったことも大きな理由となっている。結果、彼は70近くになるまでの35年間法務卿であり続け、“法の番人”と呼ばれる。



ジェローム・カルコピノ
 ガリア共和国財務卿。前者と同じ理由により、終身制に近い形で財務卿を務める。彼が財務協である間は一度たりともガリアの財政が貧窮したことはなく。また、公金をめぐる汚職もほとんど存在しなかったことから、“ガリアの金庫番”と呼ばれる。ヴェルサルテイル宮殿を燃やすよう進言した人物であり、費用の無駄は絶対に許さない。若奥様モードになっているシェフィールドが、ジョゼフの娯楽の為に高価な材料を使いまくるのを止めた唯一の人物である。その件で北花壇騎士団のトップ2人が、彼を”真の英雄”と称えた。



アルマン・ド・ロアン
 ガリア共和国国土卿。ガリア内部における陸上交通の要である『大陸公路』をさらに整備すると同時に、ネフテス、エンリス、そして東方(ロバ=アル=カリイエ)までをもおよそ30年かけて繋ぎ、最初の東西交易路を完成させるという偉業を成した。最初の道路はその一本だけだったが、それを主要幹線道路として四代目執政官の時代にはより整備され、活発な東西交易が行われることとなる。そのことから“街道の開拓者”と呼ばれる。



ヴィクトリアン・サルドゥー
 ガリア王国職務卿。メイジを支配階級ではなく産業を支える技術者として再編成し、他のルーンマスター、先住種族と協力しながら動かす新たな社会制度の実現に尽力した人物。初代・二代目・三代目の執政官の間、彼を中心にその方面の改革が進められ、ガリアは完全な新型国家へと変遷していくこととなり“三族体制の創始者”と呼ばれる。三族とは、魔法族、ルーン族、先住種族を指す。



アルベール・ド・ロスタン
 ガリア共和国軍務卿。従来の王を最高司令官とした王軍を一度完全に解体し、国家そのものに仕える軍隊として再編成すると同時に、革新的な軍制度改革をなした人物。専業軍人は戦争を前提とした存在であるためそれを廃止して軍を二分し、1年ごとのローテーションで片方が軍事教練をしている間はもう片方は東方の道路工事やガリア各地の鉱山開発などの労働力として集団で働くというシステムを作り上げ、事実的な軍縮を実現した。これは、治安維持活動が保安隊によってなされるようになったことも大きな要因となっていると共に、“魔銃”に代表される当時のガリアの兵器群が他国を圧倒していたので、強大な軍事力が必要無かったことも背景となっている。特に、“ヨルムンガント”、“フェンリル”、“レーヴァテイン”の伝説は戦争を抑止する絶好の材料となった。彼自身が率先して道路工事の指揮などもおこなったことから、“官吏軍人”と呼ばれる。



アルフレッド・ド・ミュッセ
 ガリア共和国保安卿。治安維持を専門とする新機構“保安隊”を創設した人物であり、この保安隊と軍隊との連携の強さは、彼の時代にロスタン軍務卿とともに築かれたものである。彼の指導の下、ガリアはハルケギニアで最も治安がよい国家と呼ばれ、彼は“ガリアの掃除屋”とも呼ばれている。また、新州であるロマリアの治安維持活動にも新総督イザベラと協力して当たっている。



ギヨーム・ボートリュー
 ガリア共和国学務卿。これまでは貴族が通う魔法学院か、軍人が通う兵学校、士官学校しか存在しなかったが、共和制に移行した後それらを解体し、メイジ学校、市民学校などを創設する。後にこれらは専門的要素が強い専門学校と、一般性が強い通常学校など特色によって分けられ、ガリア国民の識字率は飛躍的に向上することとなる。その結果“読み書きの父”と呼ばれる。また、メイジの素養を持つもののための魔法専攻課程と並列して、ルーン専攻課程をも作り上げた。



イザーク・ド・バンスラード
 ガリア共和国外務卿。元は“穢れた血”でありながら実力によって外務卿に上り詰め、九大卿の中で最も若く、同時にガリア共和国にもっとも長く仕え、24歳から85歳までのおよそ60年に渡り外務卿であり続けた怪物的な人物。ゲルマニア、ラグドリアンのみならず、ネフテス、エンリス、東方との外交を一手に引き受け、その全てと友好関係を成立させ、対等な条件における通商条約を結ぶという偉業を成しており、同時にガリア外務省の代表として“知恵持つ種族の大同盟”とも協力関係を築き上げた。ちなみに、後にルイズと結婚しているが、恋愛結婚などでは断じてなく、彼が外務卿、ルイズが内務卿として共和国政府の双壁と呼ばれている時代に、案件を処理するたびに互いの仕事場を行き来するのが面倒になったため、事務所を融合させる口実として利用しただけ。また、ルイズが三代目執政官となるには生粋のガリア人と結婚する必要もあったこともその一因となっている。夫婦仲が悪いわけではなくむしろ良好、しかし、サイト・シャルロット夫妻のように仲睦まじいとは口が裂けてもいえず、互いに信頼しあうビジネスパートナーという表現が最も的確である。また、北花壇騎士団の参謀長であり、ハルケギニアを裏から支配する四悪の一人であるため、裏側でも彼が参謀長、ルイズが副参謀長であり、この夫婦からどす黒い会話が絶えることはないと言われる。彼は女性に興味がなく、ルイズは百合のため当然男女の仲も存在しない。この“灰色夫妻”と、団長・副団長の“最強夫妻”によってハルケギニアの表側も裏側も全て掌握されている。



オリヴァー・クロスビル(クロムウェル)
 ガリア共和国内務卿首席補佐官。エクトール・ビアンシォッティ内務卿の首席補佐官であり、彼が執政官となってからは、ルイズの首席補佐官となる。そして、ルイズが執政官となった際エクトール・ビアンシォッティが再び内務卿となり、彼は首席補佐官であり続ける。記憶力に優れ、会議の内容を全て記憶することが出来、それを全て文章に書きおこすという凄まじい技能を持っていた。書類整理も得意とし、補佐官としては最高の人材と呼ばれた。故に、生涯首席補佐官であり続け、“ガリアの縁の下の力持ち”と呼ばれる。この異名を広めたのは当然ハインツである。普通に内務省に勤めていた女性職員と結婚し、普通の家庭を築いている。英雄達の活躍を影で支える一般人代表のような人物である。




サイト・ヒラガ・オルレアン
 ガリア共和国独立治安維持部隊“蒼翼勇者隊”のリーダー。元々は『ルイズ隊』の別名だったが、後に正式なガリアの機関となる。構成員は従来の7人に加えて、三花壇騎士団長や『影の騎士団』などもいるが、その全てが他の役職との兼任であり、“蒼翼勇者隊”のみに所属しているのはリーダーのサイトと副リーダーのシャルロットの2名のみとなっている。あくまでリーダーであって権力を持っているわけではない。仕事は対立の調停であり、子供の喧嘩から、個人商店のしまの取り合い、政府内部の組織の対立、国家間紛争、民族対立などなど、あらゆる対立を仲裁する役目を担い、彼ら二人の活動はガリア共和国執政官が全力で支援することが法で明記されている。(モデルは当然『ロードス島戦記』のパーンとディードリット、要は“ロードスの騎士”と同じ感じ)“ネフテス”や“エンリス”、東方(ロバ=アル=カリイエ)への特使としても幾度となく派遣されているが、イザベラとハインツのお願いを受け、外務卿のイザーク、そしてルイズと共に活動するという、実は仲間や身内を手伝っているだけだったりする。サイトの仲間や身内の大半は国家や民族、種族の重要人物だったりする(ウェールズ、アンリエッタ、ビダーシャルなどもその例)ため、仲間を手助けすることが民衆の為に駆け回る勇者的な活動となっているのである。シャルロットとの間には3人の子供があり、長男がルセト、長女がマリア、次女がメリエルという。ガリア共和国では、“最強夫妻”のように妻の姓に統一する場合、“灰色夫妻”のように夫の姓に統一する場合、そして、ここの“純愛夫妻”のように両方の姓を用いる場合の3通りがある。彼の渾名は“ガリアの勇者”もしくは“姫君の守り手”だったが、全然年をとらないので“永遠の騎士”とも呼ばれるようになる。



シャルロット・エレーヌ・ヒラガ・オルレアン
 ガリア共和国独立治安維持部隊“蒼翼勇者隊”の副リーダー。言わずと知れたサイトの奥さんである。この二人はガリアで一番仲が良い夫婦と呼ばれ、妊娠中以外は大抵共に行動している。同時に、子育てもやりながらなのでかなり忙しいことになるが、その辺は例の“青鬚”の協力もあり、東方(ロバ=アル=カリイエ)の“風の部族”の族長と会談した数分後に、子供を寝かしつけにオルレアン邸(旧ヴァランス邸)に帰ったりしている。彼らの時代は共和制の黎明期であると同時に黄金時代であり、そして“英雄の時代”でもあり、要は何でもありなのである。ジョゼフ、シェフィールド、マルグリット、イザベラ、ハインツ、サイト、シャルロット、ミルディン、ルファ、ルセト、マリア、メリエルと数も増え、仲が良い家族となったがそれぞれ個性が強く纏まりはない。しかし、なぜかシャルロットのお願いには皆応じる、それはジョゼフも例外ではない。そして年少組はハインツに言われたことは平気で無視するが、彼女の言いつけはしっかり守るのである。この辺は仁徳の差であろう。ハインツとイザベラがシャルロットに甘いのも相変わらずである。ちなみに身長は最終的に157サントくらいまで伸びた、ハインツの医療技術の賜物である。“ガリアの姫君”や“永遠の姫君”と呼ばれ、サイトとの恋愛は多くの舞台劇のモデルになっている。



キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー
 後にガリア最大の商会となるツェルプストー商会の創始者(ガリアにおける)。ゲルマニアとの実家との繋がりを持つと同時に、ガリア技術開発局との繋がりも深い。技術開発局で開発された新製品は、ガリアで一般的に普及するくらいになるまでは、ツェルプストー商会を通してしかゲルマニアに入らないため、完全に独占状態である。他の商会がルートを開発しようにも元となっているのは“蒼翼勇者隊”の繋がりなので、どうやっても真似できない。なぜなら“蒼翼勇者隊”に名を連ねているゲルマニア人は“赤き炎の女神”である彼女だけだからである。虎街道で“悪魔公”が投入した狂気の怪物“フェンリル”を打ち破った“栄光の勇者達”の伝説は、ハルケギニア全体に色んな尾ひれをつけながら広まっている。(当然広めたのはイザーク、外交に有利になる情報は何でも流す男である)フォン・ツェルプストーはアルブレヒト三世を擁立した選帝侯の一角でもあったため、ガリアとゲルマニアの友好関係の維持や、通商関係の変化などには、彼女の商会は大きな役割を持っている。若い頃は同時に10人以上を愛人にしていたことなどで有名だが、伴侶となる特定の人物はいない。彼女の情熱は全方向に発散されるため、一人の特定の男に収束することはなかった。その代り、かつてハインツが貧民街から助け出し、ギヨ-ム・ボートリュー学務卿が整備した学校の一期生達の多くをツェルプストー商会に勧誘し、彼らと共にゲルマ二アの孤児達を引き取る大規模な施設、“未来の家”を築きあげ、そこの子供達からは慕われている。




ギーシュ・ド・グラモン・モンモランシ
 ガリア共和国遊撃部隊水精霊騎士隊(オンディーヌ)隊長。同時に、“蒼翼勇者隊”のメンバーでもある。水精霊騎士隊は三花壇騎士団と同じく軍務省、保安省両方と繋がりをもつものの、独立機関となっている。花壇騎士団は治安維持を主任務とするが、緊急時には軍人と同じく前戦で戦うことが義務付けられており、その点が保安隊との大きな違いとなっている。しかし彼らはそれとも異なり、北花壇騎士団が裏の何でも屋ならば、彼らは表の何でも屋。要は一般市民の苦情聞き係りであり、夫婦喧嘩の仲裁だの、ゴミ屋敷の排除だの、町内会費の未払いの取り立てだの、保安隊(警察)が出ばるとかえってややこしくなりそうな揉め事の処理役、つまり便利屋である。サイト・シャルロットの活動はこれを国家規模でやっているようなものだが、彼らはそれを民間人規模で行うのであり、任務の大半を占めるのは祭りの手伝いとなる。各地域の村祭りなどが行われる際、喧嘩があったり資材が足りなくなったりと色々面倒事が起こるのでそういった際に彼らの協力を仰ぐ、早い話が文化祭時の生徒会役員みたいなものである。隊長のギーシュが最も得意とするは夫婦喧嘩の仲裁であり、千を超える喧嘩を仲裁したとして知られる。ただし、『“純愛夫妻”は夫婦喧嘩が一度もないし、逆に、“灰色夫妻”や“最強夫妻”が夫婦喧嘩をした日には僕なんかじゃ止められない』とは彼の言葉。そして、最も夫婦喧嘩というか、妻による一方的な断罪が多いのは他ならぬギーシュ・モンモランシー夫妻なのである。彼が若い女性に色目を使い、妻の新薬の被験体となった回数は100を超えると言われており、彼の夫婦喧嘩仲裁スキルは、己の経験によって磨き上げたもの。




マリコルヌ・ド・グランドプレ
 ガリア共和国遊撃部隊水精霊騎士隊(オンディーヌ)副隊長。同時に、“蒼翼勇者隊”のメンバーでもある。ギーシュの同僚であり、彼の担当は主に公衆浴場の覗き対策であると同時に“辿り着いた者”、“極めし者”という渾名を持つ。その由来は少々複雑であり、元々彼は覗きに関しては天才的な才能を持っていたがその彼をもってしても一箇所だけ突破できない難攻不落の要塞があった。それが技術開発局の浴場であり、そこにはルイズとモンモランシーが設計した凶悪極まりない罠が設置されており、挑んだ彼はあっさりと返り討ちにされた。そして、高等法院に突き出され、100以上の覗きを捕まえることで不問に処すという執行猶予をもらい、あっさりとそのノルマを達成する。覗きの達人である彼には下級の覗きがどういう思考でどのような物件をどのように狙うかなど手に取るように分かったからである。最強の盗賊こそが最高の防犯設備を考えつけるのと原理は同じであった。そして、自由の身となった彼はさらなる研鑽を積み、再び要塞に挑むがあえなく敗退、また100人の覗きを捕まえることなり、再三挑むが悉く敗退。そして、彼は邪念を持ったままではこの要塞を突破することは敵わぬということを悟り、自ら両目を抉り出し、聖人の如き力を発揮し、完全に風と同化した。そして、彼はついに要塞を突破しヴァルハラに辿り着いた。彼は語る、『そこには、至高の楽園があった』と、見えぬはずの彼の眼が何を見たかについては永遠の謎とされている。この武勇伝が知られて以降、世の中の覗きの質が変わり、“卑劣な犯罪者”というよりは“陽気な馬鹿”というべき存在と化していく、要は“タワー男”のようなものであり、『そこに壁があるから覗くんだ』と言わんばかりに阿保な方法で女湯に突撃し散っていく馬鹿が急増した。余談だが、ヴァルハラから帰還した彼は技術開発局が開発した義眼によって視力を回復するも、生涯独身を貫いた。





モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・グラモン・モンモランシ
 ガリア技術開発局三代目局長であり、ギーシュの奥さん。初代局長はシェフィールド、二代目局長はルイズであったが、初代は若奥様、二代目は内務卿と、それぞれの道に進んだため、彼女がその後を引き継いだ。ちなみに、ラグドリアン王国暗躍機関“水底の魔性”の最高幹部を務めてもいる(ルイズも同様)。ガリアが共和制に入ってからの時代は三国体制となるが、最初期は各国の為政者や暗躍機関は全て裏で繋がっており、ハルケギニア全体の利害関係を調整しながら発展していたのである(その中心はあの四悪)。水の秘薬に関してならばハインツと同等の腕前を誇り、フェンリルの肉体をも溶かした強毒“王水”を粘着性に改造したり、“イーヴァルディの勇者”や“睡眠薬”の煙タイプなどを開発している。局長となった後は水中人、エルフと協力し、水の秘薬を特権階級の独占物ではなく、一般市民でも手を出せる値段に出来るように様々な研究を行い、同時に、ハインツの家臣アンリが主導する薬師連盟と北花壇騎士団の情報網を駆使し、さらには共和国政府の力も借り、病院の原型となる設備を作り上げる。




ジャン・コルベール
 ガリア技術開発副局長。ルイズやモンモランシーが主に秘薬などの「水」関係を中心に研究していたため、彼はリザードマンと協力しつつ「火」の研究を進める。公衆浴場に使用されている「火」の技術をさらに進化させると共に、暖房設備など、これまで恒久的なものではなかった「火」の魔法を、永続的なものと出来るように研究を重ね、“ホッカイロ”や“温かコート”などの作品を作り上げる。さらに、水蒸気機関の改良にも着手し、これまでは大量の石炭を燃やして蒸気を発生させ、それで巨大なプロペラを回していたが、先住の「風」の技術によってプロペラを回すのに必要な蒸気の量を抑え、さらに、熱した石炭を再利用する循環システムなども造り上げた。これにはリザードマンの炎圧縮技術と、エルフの自然循環技術が両方使用されている。地球から流れてきた“ゼロ戦”などはあくまで資源を大量に消費し膨大な動力を得るだけであり、二酸化炭素も多く出すが、彼が先住種族と協力して作り上げた新動力は資源の循環を前提としており、自然の流れに沿う先住魔法を基幹とするため、環境へのダメージがほとんどないクリーンな動力となっている。言ってみれば、自然の川に水車を作って(当然ダムではない)水の力を利用するのを、鉱物資源である石炭の「土」、蒸気の「風」、熱する「火」などの分野で自然の流れに沿って行うものなのである。このように、自然に沿った動力の開発は彼以降も継続され、彼と共同研究者であったリザードマンのガラの名前を取り、“ジャン・ガラ研究”と呼ばれる。



ティファ二ア・オブ・サウスゴータ
 ガリア共和国外務省外交官、兼、“知恵持つ種族の大同盟”議長。元々はハインツが議長を務めていたが、彼の仕事が忙しく、以前のように続けるとまた過労死しかねないことから彼女がその役目を受け継いだ。ガリア共和国外交官としての肩書はそのための名刺のようなものである。アルビオン王家の血と“エンリス”のエルフの血をひく彼女はまさに同盟の象徴であり、異なる種族同士が手を取り合って平和を維持していこうという目的で作られた大同盟の調整役となっている。彼女の教えは同盟の基本となり、“アクイレイアの聖女”の他に“慈愛の聖女”、“平和の乙女”などの称号を持つ。多くの人間の男性が彼女に憧れ、告白しようとはしたそうだが、彼女があまりに奇麗な心を持つ故に、逆に自分の心の汚さが見えてしまうようで、ほぼ全ての男が身を引いて行った。結果、彼女と結婚したのは“ネフテス”の若いエルフで、ビダーシャルと共に派遣された精霊講師の一人である。ちなみにエルフには姓という文化がないので、苗字はそのまんまである。



マチルダ・オブ・サウスゴータ
 ガリア共和国外務省外交官、兼、“知恵持つ種族の大同盟”副議長。ティファニアは同盟の象徴だが、彼女は実務を取り行う。人間以外の種族の大半は書類仕事が苦手で頼りになるのはエルフくらいのため、彼女の仕事は結構多い。同盟の会議場は技術開発局かマルテル邸のどちらかと決まっているので場所の確保には苦労はしないが、参加数の把握や出席日程などを把握するのは彼女なので相変わらずの苦労人。また、ティファ二アの胸にある戦略兵器の誘惑に勝てず突っ込んだ馬鹿は悉く大魔神の洗礼を受け、生涯独身主義者に転向することとなった。同盟の中でもティファニアの言葉が皆に受け入れられるのは、逆らったら彼女に殺されるという根源的な恐怖があるからかもしれない。ティファニアは純粋そのものなのだが、後ろに核兵器が存在する状況なのは否めないのである。彼女が結婚できたかどうかについてはどこにも記されていない。ハインツ、イザークの両名が大魔神降臨の魔書として悉く回収し焼き尽くしたためである。



アンリエッタ・ド・ラグドリアン
 トリステイン王国最後の女王にして、ラグドリアン王国最初の王妃。若干17歳で他国との戦争中に戴冠したというトリステインの歴史の中でも珍しい経歴を持ち、アルビオン王国を一度は実力で滅ぼした男、ゲイルノート・ガスパールの侵攻を防ぎ切り、国土と国民を守りぬいた偉大な女王として知られる。そのため、“盾の聖女”と呼ばれることもある。その後、ガリアの援助を受けてゲイルノート・ガスパールを討ち取り、王政復古をなしたアルビオン王ウェールズと結婚しラグドリアン王国王妃となる。これにより始祖ブリミルから連なる三王権のうち、ガリアは共和制へと移行し、トリステイン・アルビオンは一つに纏まることとなった。彼女とウェールズ王の間には一男五女が授かるが、奇蹟的に王位を巡った権力争いは起きなかった。これには“水底の魔性”や“北花壇騎士団”の暗躍というか調整があったと言われている。



アニエス・ド・ミラン
 元トリステイン王国銃士隊隊長。後にラグドリアン王国近衛隊総隊長。トリステインの近衛隊はかなり幻獣の数も少なくなり、衛士の数も減っていたが、アルビオンと統合することにより一気に増加する。特に「風のアルビオン」には空の幻獣が多く生息しているのでラグドリアン王国にはグリフォン隊、ヒポグリフ隊、マンティコア隊、風竜隊、銃士隊の5つの近衛隊が存在しており、彼女はその総隊長である。ガリア共和国から輸入される“魔銃”が配備されているのは銃士隊のみであるため、幻獣をもたない銃士隊もその存在は大きいものとなっている。彼女もまた魔法が使えなかったが、後に“身体強化系”ルーンマスターとなり、“魔銃”と“剣”の両方を自在に使いこなす達人となる。ラグドリアン王国は二都体制をとっており、代ごとにロンディニウムとトリスタニアを首都として交代するという特異なシステムをとっているが、およそ100年後には首都機能の全てがロンディニウムに移ることとなる。しかし、それ以降もトリスタニアは副都として、ラグドリアン王国の最重要都市となって残る。余談だが、彼女の部下を確認したところ3名の隊員が“魔女”の餌食となっていた。その3名の特徴はいずれも背が低い方で、かわいく、やや幼さが残る顔立ちをしていたことであった。



スヴェン・ネイス・マザリーニ
 ラグドリアン宗教庁総大司教 兼 ラグドリアン王国宰相。元々ハルケギニアにはトリステイン宗教庁、アルビオン宗教庁、ゲルマニア宗教庁、ガリア宗教庁、ロマリア宗教庁の5つがあり、教皇がその頂点に君臨するためロマリア宗教庁は他国の上位にあった。しかし、ガリアが共和制となり、ガリア宗教庁、ロマリア宗教庁はその機能を全てガリア共和国教務庁に吸収され、さらにゲルマニア宗教庁もその機能の多くを帝国政府に抑えられたため、ラグドリアン宗教庁がハルケギニアにおける唯一の宗教庁となり、彼はそこの総責任者となる。そして、これまで神官が担ってきた住民の記録、登録などの仕事を宰相直下の国家機構とし、神官の役目を冠婚葬祭や宗教的行事の運営に限定し、その資金も王国財務庁の管轄下とし、実質的な宗教分離を推し進める。後に出来るセレス教が権力を持たないことを教義に掲げることも、既に権力を持つ宗教機構が存在していなかったことを起因とする。宰相としての仕事も同時しながら“水底の魔性”といった暗躍機関の責任者も務めており、苦労人気質は生涯抜けなかった。




ウェールズ・ド・ラグドリアン
 テューダー王家最後の王子であり、王政復古を成し遂げた王であり、ラグドリアン王国初代国王。かなり波乱に富んだ人生のため、彼とアンリエッタを題材とした物語はサイト・シャルロット夫婦を題材にした物語と双壁となっている。一人の野心家ゲイルノート・ガスパールの反乱によって王国は滅びに瀕し、愛する姫から亡命を勧められるも、愛するが故に応じることが出来ず勇敢に戦って死のうとした王子の下にガリアから思わぬ救いの手が現れる。そして、忠実なる部下と共に逃れ、異国の地で祖国を取り戻すための活動を続け、思い人である姫の国の軍隊がゲイルノート・ガスパールによって破られ、トリステインの運命が風前の灯となった瞬間、王子はガリア軍と共にアルビオンに帰還し、ゲイルノート・ガスパールを討ち取った。そして、王子様とお姫様は結ばれ、二つの王国は一つとなり平和な時代が訪れた。このように、ただ史実を述べただけで物語になるような存在なのである(脚本・演出は二柱の悪魔)。彼の治世の下、古き良き時代の貴族と平民の関係が復活した国家となり、帝政ゲルマニア、共和制ガリアと協力しながら発展していく。三国家において、変動を好み、他者を押しのけてでも成り上がりたい思う者はゲルマニア。逆に安定を好み、祖先から受け継いだものを守りつつ次代に伝えていこうという気風が強いのがラグドリアン。その中間がガリアという感じになっている。



パリー・ルウェリン
 ラグドリアン王国元帥。ウェールズ王最古参の重臣であり、第一王子ヘンリーの教育係でもある。最初は軍務卿を務めていたが、第一王子誕生と同時にそれを辞任し、王子の教育係という名誉職のみを務める。が、そんな風に楽できるわけもなく、あくまで個人的な友好ということでマザリーニの執務室でチェス盤を挟みながら政策について議論している。元帥のため王国軍司令官の地位にはいるが、実質的な権限はほぼすべて4将軍に与えており、彼は承認するのみとなっている。



ウィリアム・ホーキンス
 ラグドリアン王国陸軍大将 兼 軍務卿。陸軍といってもラグドリアン王国の領土は大きく二つに分かれているため、彼の担当はアルビオン地方である。最初の首都はロンディウムに置かれていたので軍務卿としての仕事がある彼は自然こっち担当となった。ガリア共和国と違って封建貴族が存在するラグドリアン王国では絶対的な軍権を有するわけではないが、現在の王軍と諸侯軍では錬度が比較にならない(旧アルビオンにはゲイルノート・ガスパールが軍の中央集権化を進めたため諸侯軍は存在しなかった)。パリーが亡くなった後は元帥となり、王国軍司令官となる。が、当然最高司令官はウェールズ王である。ちなみに彼は伯爵でもある。



ニコラ・ボアロー・ヴァリエール
 ラグドリアン王国陸軍大将。ホーキンスがアルビオン地方担当なので彼はトリステイン地方担当。生まれ故郷であるので気風や国土をよく知っているという理由も大きかった。彼ら4将軍は全員が領土を持つ封建貴族(伯爵)に叙されたのだが、彼の領土は何の因果か旧ワルド領を中心とした土地で、その他はルイズの“害虫駆除”で空いた土地だったりした。そういうわけでお隣さんのヴァリエールとも縁深くなる。そして紆余曲折があって、ガリア技術開発局局長となったルイズが病気を治したことで姓がヴァリエールに戻ったカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと結婚する。何気に同い年だったりするが、当然婿である。余談だが、エレオノール姉さまは生涯独身でありました。



ヘンリー・ボーウッド
 ラグドリアン王国空軍大将。彼はラ・ロシェールを母港とし、トリステイン方面を担当する艦隊を率いている。彼もまた伯爵となり、ルイズの“害虫駆除”で余った土地を任されることになる。ぶっちゃけ、大量の領土を運営できる程優秀な官吏がトリステインにはいないため王領には出来ず、アルビオンにもそんなに人材に余裕が無かっため、有能そうな軍人とかが押し付けられる羽目になったのである。ガリア空海軍と仲が良いので合同演習を行ったり、東方まで長期航空に出たりと、活発な交流も行っている。


オーウェン・カナン
 ラグドリアン王国空軍大将。彼はロサイスを母港とし、アルビオン・トリステイン中間空域とアルビオンの治安維持を主任務とする。残りの艦隊はダータルネスを母港にウェールズ王直属となっている。彼の領土もまた曰くある場所で、ガリアから割と安値で変換された旧モード大公領の南部を領土とすることになった。ちなみにホーキンスは北部を任された。理由はボーウッドと同じで、なまじ優秀だったがために領地経営まで押しつけられた苦労人。ゲイルノート・ガスパールに従っていた頃から変わらず、この4将軍はとにかく働きまくるのである。


リオ・セレス
 セレス教の開祖。アルド・チュルスと共に10年間ハルケギニア諸国各地を巡った後、およそ20年かけて“ネフテス”、“エンリス”、東方を巡り、各地に伝わる精霊信仰や、その他の教え、様々な文化などと直に接して学び、その後ハルケギニアに帰還する。政教分離が最も進んでいるガリア共和国を中心とし、人が目指すべき在り方や、融和の精神などを説いて回る。彼が生きている間にはセレス教は出来なかったが、彼の教えを受けた人々が彼の死後、それを宗教へと昇華させていく。セレス教は先住種族との共存を前提とした新しいハルケギニア世界における人間の生き方を説き、そして各国政府の方針と最も矛盾せず、かつ、開祖が素晴らしい人格者であり、人々の幸せのために尽くし続けた人物であることなどから、新しいハルケギニアの主要宗教となる。教義の中に、決して聖職者は権力を持たないことが掲げられ、人々の心の支えとして象徴としてあるべきであるということが謡われている。人々が彼を讃える言葉はいくつもあるが、最も有名なものが“新世界の光”である。



アルド・チュルス
 偉大なる聖人リオ・セレスの従者であり、彼が死ぬまで常に彼と共に行動し続け、“聖者の運び手”と呼ばれる。他者感応系のルーンマスターの中でも凄まじい能力を持っており、幻獣と共存しながら生活する種族との対話において大いに活躍したとされる。彼とリオが飛びまわり、かつ、歩いた距離は測ることが不可能と伝えられるほど各地を巡り続けたが、リオの死後は彼の墓所があるラグドリアン王国ダングルテール地方に留まり、彼の墓守となる。リオ・セレスがなぜそこを己の死に場所と定めたかについては知られていない。



アドルフ・ティエール
 ガリア陸軍大将。14歳で士官学校を卒業し少尉に任官、3年後の大粛清の時には少佐となっており大隊長を務め、その混乱に乗じて上官を始末すると共に治安維持活動に功績があり大佐へ。サルマーン家の反乱に際し、自らの連隊を率いて謀叛人エドモン・デュマ・サルマーンを討ち取り少将に昇進。アルビオン戦役においては一個師団を指揮しアルビオン軍総司令官ゲイルノート・ガスパールを討ち取り中将に昇進。そして、ラグナロクでは義勇軍60万の先鋒を務め“聖軍”を撃破、さらにロマリア攻略軍の副司令官としてロマリアを併呑する。最終的には陸軍大将となり、ガリア共和国陸軍副司令官となる。



フェルディナン・レセップス
 ガリア陸軍元帥。軍における経歴はアドルフとほとんど変わらず、大隊長としての大粛清、連隊長としての反乱鎮圧、師団長としてのアルビオン遠征、全てアドルフと共に行動した。ラグナロクの際には彼が陸軍司令官でありアドルフは副司令官だった。軍功自体もアドルフと変わらないが、軍組織においては明確な上下関係を決めておいた方が好ましいため、彼が元帥となり陸軍総司令官となる。下級貴族出身の一士官がたった21歳で陸軍最高司令官になるというのは当然前例がなく、彼らが生きた時代が歴史の一大転換期であったことが示される。




アルフォンス・ドウコウ
 ガリア空海軍元帥。14歳で士官学校卒業し砲術士官となる。17歳の時には少佐となり砲術長を務め、大粛清の際に治安維持方面で活躍し大佐となり、二等戦列艦の艦長となる。サルマーン家反乱の際に陸軍と連携して功績をあげ少将となり一等戦列艦の艦長に、アルビオン戦役においては神聖アルビオン共和国初代皇帝オリヴァー・クロムウェルと貴族評議会議員を吹き飛ばし、中将に昇進。ラグナロクの際には両用艦隊120隻がガリアから離反するも、クロードと共に残りの艦隊を指揮し、60万の義勇軍のうちおよそ20万を“バージ”を用いて『ゲート』通過させるという離れ業を行い、ロマリア攻略においても陸軍と連携しながら多大な功績を上げる。ラグナロク終結後元帥となり、空海軍総督、つまり空海軍総司令官となる。



クロード・ストロース
 ガリア空海軍大将。経歴はアルフォンスと同様であり、風竜警備隊の頃から共に昇進していく。しかし、アルフォンスがやらない書類仕事や、後方支援組や陸軍との連携のための連絡などは大抵彼の役目なのでアルフォンスよりも仕事量は多い。ラグナロクにおいて艦隊指揮はアルフォンスが担当したが、運ぶ物資の詰め込み作業などの部分は彼が担当し、完全な役割分担と、他部門との連携を見せた。そして、空海軍大将となり、総参謀長の地位に就く。名実共に空海軍のナンバー2.




エミール・オジエ
 ガリア軍司令部大将。13歳で士官学校を卒業し、何気に最年少卒業記録を持つ。上4人と異なり前戦での任務ではなく、後方の物資補給に専念していた。しかし、中佐の時のサルマーン家反乱の際には、反乱軍将校を討ち取っており、大佐に昇進。その頃からロスタン軍務卿の軍改革の効果が現れ、彼ら後方支援の役割は増加すると共に重要視され、ラグナロク発動時には中将となっており、合計200万人以上の食糧を確保するという大仕事をやり遂げる。ラグナロク終了後は大将となり、統帥本部副長となる。




アラン・ド・ラマルティーヌ
 ガリア軍司令部元帥。16歳で士官学校を卒業し、実家が侯爵家であったこともあり早くから重職を任される。サルマーン家反乱の際には大佐として参戦し、反乱軍諸侯を討ち取り準将に昇進。その後、ロスタン軍務卿と協力しながらガリア軍全体の軍制度改革に従事し、ラグナロク発動時には既に大将となっていた。ラグナロク終了後は元帥となり統帥本部総長となる。ガリア共和国には3名の元帥が存在することとなるが、その中で主座にあり、共和国軍総司令官となる 。



バッソ・カステルモール
 ガリア共和国東薔薇花壇騎士団団長。ガリアが共和制に移行してからは保安省と軍務省、双方から独立しつつも深く連携している機関となる。普段の仕事は保安隊と同じく治安維持だが、有事の際には軍人と同じく前戦で戦うこととなっている。ラグナロク以降、軍や保安隊のメインは“魔銃”で武装した平民となり、メイジは主に後方支援となるが、花壇騎士団はメイジのみの一級戦闘部隊として残っている。彼が率いる東薔薇花壇騎士団は特に「風」メイジの割合が多く、風竜、グリフォン、マンティコア、ヒポグリグなどの幻獣を操り、機動力に優れている。


ディルク・アヒレス
 ガリア共和国西百合花壇騎士団団長。西百合花壇騎士団は「土」メイジの割合が多く、拠点防衛に向いている。よって、他二つの騎士団は基本的に遊撃型でありガリア中を巡回するが、西百合花壇騎士団は地域密着型であり、それゆえに最も一般人との接点も多い。保安隊は“捕縛”を基本とするため、殺人は原則認められていないが、騎士団員は一般人に危険があると判断された場合、殺害が許可されている。


ヴァルター・ゲルリッツ
 ガリア共和国南薔薇花壇騎士団団長。南薔薇花壇騎士団は「火」メイジの割合が多く、特に“火竜騎士団”の竜騎士は全て「火」メイジである。騎士と軍人や保安隊員との最大の違いは法的な権限を持っているか否かであり、彼らには有事に限り、罪人をその場で断罪する権利が与えられている。そのため人選はかなり厳しくなり、各騎士団の定員は100名とされ、権力を乱用するような人物が騎士となることがないよう細心の注意が図られている。共和制初期ならば、権力を乱用するような花壇騎士は、フェンサーによって処理されることとなる。


ヨアヒム・ブラウナー
 北花壇騎士団副団長補佐官。大隊長。彼らは公的には存在しない役職であり、共和国政府の非常財源(マルテル家財産)からその年金が給付されている。ラグナロク後はフェンサーの主要任務は汚職官吏の始末などになるが、貴族領がなくなったため保安隊、軍、花壇騎士団がガリア全域に出動することが可能となったので、主にロマリアの治安維持に当たっている。ロマリアだけは表側の機構が整備されていないので彼らの力が必要となってくるからであり、副団長ハインツの代わりに彼がフェンサーを統括することが多い。


マルコ・シュミット
 北花壇騎士団副団長補佐官。大隊長。ヨアヒムと同じくハインツの代行として活動する。彼は主にデスクワークの方を担当し、フェンサーの位階を決定しているのは実質的には彼である。フェンサーは王国だった時の制度に合わせて創設されたものなので、四代目執政官の時代にはほとんどいなくなり、ファインダーが主流となる。粛清を司る裏の機関も、王家の終焉と共にその役目を徐々に変えていくこととなったのである。



ヒルダ・アマリエット
 北花壇騎士団団長補佐官。マルコ、ヨアヒムと異なり表側でもイザベラの補佐官を務めており、執政官補佐官の後は、ロマリア州総督補佐官となっている。その他に、マルテル家の財産管理なども兼任しており、北花壇騎士団員の給料は実は彼女によって握られているといっても過言ではない。イザベラとハインツをくっつけるためならあらゆる手段を取り、その結果ミルディンとルファが誕生した。



シェフィールド
 ジョゼフの奥さん、それ以外なし。彼女は完全に“ジョゼフ”という個人に仕えるものなので国家にも民族にも縛られない、よって姓もない。ラグナロク後はジョゼフと一緒に水戸黄門よろしく世界中を面白おかしく漫遊している。ただし、技術開発局アドバイザーとして手伝うこともあり、その際に彼女に連絡をとるのはルイズとなる。時には次元の挟間みたいな場所にいることもあるので、虚無の担い手であるルイズくらいしか捕捉が不可能というのが理由である。



ジョゼフ
 シェフィールドの旦那さん、それ以外なし。ガリアのことは娘とその夫に全部任せて諸国漫遊中。ただし、イザベラが妊娠している間だけは戻って来て執政官の仕事を代行していた。その際にジョゼフにお願いしたのは当然シャルロとである。虚無研究は相変わらず続けており、たびたびハインツを遊び相手にしている。複合ルーンの“サード”を開発し、当時まだ技術開発局にいたルイズに託したのも彼である。


ビダーシャル
 ネフテス老評議会議員 兼 “知恵持つ種族の大同盟”エルフ代表。苦労症は相変わらずで、技術開発局に協力しながら今日もルイズやモンモランシーにこき使われる(本人に自覚なし)。精霊魔法顧問として連れてきた人員のミスを嘆きつつ、エルフは銃器が大好きで、銃を握れば人格が変わり、狂ったように魔弾を撃ちまくる種族であるという先入観をなくすためにあちこちを駆けまわる。数百年くらい後に“ネフテス”の統領を務めたりもしている。



ハインツ・マルテル
 北花壇騎士団副団長、兼、ノール=ド=カレー州総督(旧ヴァランス領)、兼、暗黒街の首領。相変わらず多くの仕事を兼任しているが、これでも半分近くに減っている。副団長の仕事はマルコとヨアヒムに半分くらいは任せ、主に旧ヴァランス領総督として先住種族との折衝や、暗黒街八輝星を通した経済界の調整を行っている。現在の八輝星は昔と異なり裏側にも影響力があるほどの大商人の集まりとなっているので、それらを纏めるには純粋に財力で上回る必要があるため彼がその役目を担っており“財界の覇者”とも呼ばれる。何しろ、イザベラが保有していた“ガリア家”としての財産とハインツの“ヴァランス家”の財産が一つになったわけなので、問答無用でハルケギニア最大の金持ちとなっている。彼が住むマルテル邸はリュティスの旧市街にあり、“知恵持つ種族の大同盟”の各種族代表の逗留地ともなっており、とにかく色んな人種で溢れている。ハルケギニア各地への『ゲート』もジョゼフが作り直し、総合ターミナルをマルテル邸においてあるので世界中の情報がここに集まることとなり、当然オルレアン邸とも繋がっている。彼は相変わらず各地を飛び回りながら、今日も楽しく生きている。



ミルディン・マルテル
 ガリア共和国四代目&六代目執政官 兼 北花壇騎士団副団長。ハインツとイザベラの息子であり、イザークの弟子。ジョゼフから続く100年程は黄金時代と呼ばれるが、特に彼の時代に共和制ガリアは最盛期を迎えたと言われている。詳しい内容はこれから書く予定の外伝『マルテル家の日常』にて語る予定。


ルファ・マルテル
 ガリア技術開発局四代目局長 兼 北花壇騎士団団長 兼 八輝星統領。ハインツとイザベラの娘であり、ルイズの弟子。ハインツ、イザベラ、イザーク、ルイズ、この4人で分担していた仕事を、ミルディンとルファが受け継いだ。北花壇騎士団がフェンサーを有しており、ハルケギニアを裏でまとめる強力な機関であったのは彼らの時代までで、その後の時代は通常の国家の裏組織程度になっている。やっぱり詳しい部分は『マルテル家の日常』にて。



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 ダイジェスト式でちょっとあっさりしすぎたかもしれません。期待されてた方には、こんなんで御免なさい。

 この後は外伝はいくつか書こうと思ってます。本編で飛ばした原作1~5巻くらいまでの才人たち視点とか。

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 ジョゼフ・ド・ガリア

 虚無の王であり虚無の収束者。ヴェルサルテイルの主。観測者にして守護者。


 ハインツ・ギュスター・ヴァランス

 虚無の王ジョゼフの唯一にして絶対の臣下。ヴェルサルテイルの道化にして番人。


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