人気投票最終結果!1位(81票) 坂田銀時2位(70票) 長谷川千雨3位(55票) 雪広あやか4位(42票) ネギ・スプリングフィールド5位(30票) ナギ・スプリングフィールド6位(27票) 近藤勲7位(26票) 沖田総悟8位(25票) エヴァンジェリンA・K・マクダウェル9位(24票) 佐々木まき絵10位(23票)アリカ・スプリングフィールド11位(22票)坂本辰馬12位(20票)桂小太郎13位(19票)土方十四郎14位(18票)桜咲刹那15位(17票)宮崎のどか16位(16票)高杉晋助17位(13票)綾瀬夕映/山崎退18位(12票)神威19位(11票)神楽坂明日菜20位(10票)村上夏美21位(9票) 神楽/那波千鶴/柿崎美砂22位(8票) 志村新八23位(7票) 龍宮真名/操絡茶々丸/朝倉和美24位(6票) アーニャ/犬上小太郎/エリザベス/アルビレオ・イマ/ネカネ・スプリングフィールド/服部全蔵25位(4票) 近衛木乃香26位(3票) 阿伏兎27位(2票) カモ/早乙女ハルナ/長谷川泰三/松平片栗虎/長瀬楓/夜王鳳仙28位(1票) お登勢/近衛詠春/チャチャゼロ/月詠(ネギま)/鳴滝風香/鳴滝史伽合計693票 人気投票に参加して下さった皆様ありがとうございました。思えば人は何故、なにかと順位を決めつけたがるのだろうか『ナンバーワンにならなくていい元々特別なオンリーワ~ン』とか何処かのアイドルユニットが歌っていたが現実はそんな綺麗に生きる輩などいやしない。毎日順位を競い合って人間共は競争社会に徹している。高みを目指し人間達は努力を続け、今日も何処かで順位づけをしているのであろう。だがしかし本来向上するべき場所に立ちながら、頑張っても頑張っても目標に決して向上する事のない番付があるとしたら?向上心も泣く敗北心だけしか残らない番付があったとしたら?はたしてそれは必要な事なのか?だからあえてここで言おう、人気投票って必要なのか?仮に必要だったとしてもそれを人様に公開する事は必要なのか?メインヒロインだったのに8位だった私は・・・・・・必要なのか?番外編 人気投票など死んでくれ・・・・・・ザーザーと外で雨が鳴り響いている中、とあるファーストフード店の二階にて一人の少女はいた。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル(8位)はボーっとした顔で窓から外を眺めている。「あれ、エヴァさんじゃん。こんな所で何してるの?」「・・・・・・」後ろから聞き覚えのある声が聞こえたのでエヴァはげんなりとした表情で後ろに振り返る。そこには自分と同じこの人気投票にランクインされているキャラの一人が。「・・・・・・なんだ9位か」「9位って言ったね、別にいいけど普通に9位って言ったよね、まき絵だから、佐々木まき絵だからね」「うっさい9位、仮に私が貴様の名前を呼んでも貴様が9位だと言う事に変わりは無いんだぞ、現実を受け止めろ9位風情が」「ああもういいや9位で、今は好きに呼びなよ」後ろからやってきたのは自分より順位が一つ下の9位こと佐々木まき絵が、自分と同じ死んだ表情で両手にハンバーガーやらジュースやらが乗ったトレイを持ってつっ立っていた。エヴァに何を言われても傷付いた様子も無くまき絵は彼女の隣に座った。「万事屋には行かないの?」「・・・・・・どのツラ下げて行けると思ってんだ、相変わらず貴様の頭には何も入っていないのだな」「ごめん、そうだよね。トップ3がいる場所になんて行く気しないよね・・・・・・」「それを言うな、今は現実に直面する事だけでも鬱になるのだぞ・・・・・・・」両方とも虚空を見つめ目も合わさずにそんな会話をしていると、エヴァの方がうなだれてどっと深いため息を下に向かって吐いた。「・・・・・・なんでヒロインなのに8位なんだろうな・・・・・・」「仕方ないよ、エヴァさん修学旅行編に参加したの終盤だったし。ちょっと運が悪かったんだよ、ちょっと運が悪くて30話ぐらい出番なかったからだよ」「・・・・・・私と同じぐらいしか出ておらんのに5位の奴だっているんだぞ」「・・・・・・」掛ける言葉が見つからないほどにエヴァは激しく落ち込んでいた。まき絵がどうしたもんかと考えていると、突然隣にいた彼女がガン!と両手の拳で強くテーブルを叩きつける。「なんでヒロインの私が8位なんだッ!」 「・・・・・・」「私以外のヒロイン二人が主人公と仲良くトップ3に入っているのになんで私は8位とかいう中途半端な位置に座っているのだッ!」「あの~エヴァさん落ち着いて、他のお客さんに迷惑だから・・・・・・」何度も拳でテーブルを叩き始めるエヴァをまき絵は疎めようとするも、エヴァは椅子の上に立ち上がって抗議する。「大体おかしいだろッ! なんでメインヒロインの一人が30話も放置プレイ食らわなきゃいかんのだッ! 上手いモンは最後に食べる為に残しておくというのがあるが時間かけ過ぎだろッ! こっちはもう完全に腐る所だったわッ! 修学旅行の序盤から出ていればこんな醜態晒す事無かったのにッ! 銀時と私でワンツーフィニッシュが出来たのにッ! 長谷川千雨のいる位置は私だったのにッ!」「いやそれはどうかな、トップ3の投票数見る限り他キャラを圧倒しているし・・・・・・」「黙れヒロインでもなんでもない脇役がッ! そもそも貴様と一つしか順位に差が無い事がムカつくッ! なんでこの私が貴様のような脇役と一票しか差が無いのだッ!」自分を見下ろして怒鳴り散らしてくるエヴァ、うっすらと涙目を浮かべている彼女にまき絵は唖然とした表情を浮かべて目を合わせる。まさかこっちに八つ当たりしてくるとは・・・・・・「私だって・・・・・・私自身だってなんで9位とかいう一ケタ台に入っているのか不思議でしょうがないよ。シリアス回の終盤は出番なんて無かったのに・・・・・・本当はもっと後ろにいたかったのに読者がふざけて投票入れるからこんな位置にまで昇っちゃって・・・・・・」「・・・・・・9位」目の前に置かれた食べ物に全く手もつけずにまき絵はただうなだれてエヴァにギリギリやっと聞こえる様な小さな声で呟くだけ。エヴァは八つ当たりするのを止めて静かに立っていた椅子に座り直す。そういえばさっきからずっといつもの様な覇気がない。本来なら彼女はいつも騒がしいポジションに立つキャラだった。だが今の彼女は自分よりも衰弱しているのではないかと思うぐらい暗い表情を浮かべている。「変にこんな順位になっちゃたから亜子や裕奈に「ちょっと調子乗ってるんじゃねえの?」的な目で見られたし・・・・・・いやホントに私、9位になんて高い順位なんかに入る人間じゃないんだよ、エヴァちゃんの言う通り私は脇役として脇役らしい所にいたかった・・・・・・人気は無いが不人気でも無い、出番は無いけどたまにウロチョロしながら登場してレギュラー達と絡む。そういう場所に立っている私がこんな位置にまで立てる資格なんてないんだよ・・・・・・」「9位・・・・・・貴様そこまで思い詰めていたのか」「いい加減名前で呼んでくれないかな・・・・・・・」しんみりとした顔で聞いてくれているエヴァにまき絵はボソッとツッコミを入れるとおもむろに席から立ち上がった。「私、ちょっと気分悪くなったから寮に帰るよ。なんか外も雨模様だからちょっとテンション暗くなっちゃった、ごめんね変な話しして、ちょっと愚痴の一つや二つ言ってみたくて・・・・・・聞いてくれた俺に私のハンバーガー食べていいから」「・・・・・・言う相手を間違えてるぞ、今度から愚痴を聞いて欲しいなら朝倉和美にでも言え。私は悩むクラスメイトに励ましの言葉やアドバイスを送るとかそんな事が出来る女ではないのだからな」「ハハハ、そうだね・・・・・・」背を向けて去ろうとするまき絵の方に振り向かずにエヴァはぶっきらぼうに一言。誰かの為にアドバイスを送る事など自分には出来ないと彼女自身がわかっているのだ。そんな彼女にまき絵は申し訳なさそうに苦笑した後、最後に一言付け加えた。「頑張ってね・・・・・・」「ん?」背後から聞こえた意味深なセリフ、まき絵が持って来たハンバーガーを早速食べ始めているエヴァは咄嗟に後ろに振り返るが。そこに9位の少女の姿は無かった。「頑張れって何を言っているのだあの9位は・・・・・・順位はもう決まってしまったのだから今更頑張っても意味が無いだろ。やっぱバカだなあいつは」モグモグと両手で持ったハンバーガーを食しながらエヴァはいなくなったまき絵に呆れた調子で独り言をつぶやいた。今更どれだけ頑張ろうが努力しようがもう遅いのだ、自分はもうどれだけ足掻いても8位から上の順位になる事も出来ない。トップ3から五つ離れた所が自分の順位だと決まってしまったのだ。「せめて4位だったらなぁ・・・・・・」虚ろな目でハァ~とエヴァがそんな途方も無い望みを呟きながらため息を突いていると。突然、後ろの方から誰かが話しあう声が聞こえた。「今回の人気投票って絶対おかしいわよね、特に2位が」「そうだな、この作品において先生の隣は私だって公式に決まっているのにな」「公式とか勝手にねつ造しないで、ストーカーのあなたは一生天井裏に潜んでなさい。誰がなんと言おうと2位に立つべきは“ウチのあやか”だった筈よ」(なんだ、また聞き覚えのある声がするぞ・・・・・)二人の女性がある事について抗議を出し合っている。嫌な予感を感じながらもエヴァは恐る恐る声が聞こえた方に振り返ってみる。案の定、そこには見知った顔のクラスメイト二人が4人用の席に座って向かい合って喋っていた。23位の龍宮真名と21位の那波千鶴という普段滅多に絡まないであろう二人が(何やってんだアイツ等・・・・・・)「龍宮さんも残念だったわねぇ、色々と出番があったのに不甲斐ない順位で」「ああ、やはり全年齢対象板だったのがダメだったな。×××板だったなら間違いなく上位にランクインしてただろうに」「あらあら、一体何やらかすつもりだったのかしら」エヴァの疑問をよそに千鶴は口に手を当ててクスクスと目の前で腕を組んで座っている龍宮に笑いかけている。どうやら今回の人気投票について語り合っている様だが・・・・・・「そういえばあなたと同じ順位の朝倉さん遅いわね」「ん? 朝倉は私と同じ順位なのか? あんなに出てるのに」「そうよぉ、ほとんど出ずっぱりだったのに23位だなんてホント可哀想」「それに比べて君はそこまで出てないのに私達より上なんだよな」「嬉しかったわぁ、夏美も20位だったし。あやかの仁徳のおかげね」「いや別に彼女は何も・・・・・・」「綺麗で優しくて人との絆を大切にするあやかのおかげねぇ」「・・・・・・なんでそこまで雪広をプッシュするんだ?」「これ読んでる人にいかにあやかがヒロインとして素晴らしかったのかを教え込む為よ、『3年A組 銀八先生!』のヒロインはあやかが至高なのだと頭の根の底にまでねじり込んでおかないと」「それ洗脳だろ」(コイツ等って二人だけだとこんな会話するのか・・・・・・)ニコニコと笑っている千鶴に龍宮がいつもの無表情で話しかけているのをエヴァは息をひそめて聞いている。別に二人が嫌いだと言う訳ではないが、苦手意識みたいなのがあるからだ。(龍宮真名は銀時専用の変態マゾストーカー、那波千鶴は前々から銀時には雪広あやかが一番合うと言い続けてる女だからな。この二人に絡むとロクな事にならないのは目に見えている、単純な構図にするとコイツ等は敵勢力みたいなモンだしな)「めんご~待った?」(ん?)エヴァが冷静に思考しながらオレンジジュースをストローで飲み干していると龍宮と千鶴のテーブルに一人の少女が階段を上ってやってきた。「いや~ちょっと寝坊しちゃって」「2位は連れてきて無いのか?」「当たり前でしょ、私達下位と違って千雨ちゃんはコレ以上無い程のベストポジションにいるんだから」「あら残念、“色々とお話したかったのに”」「千鶴さんがいる所には絶対に連れてかないようにしてるから」「ウフフ、どういう意味かしら」(朝倉和美だと・・・・・・? なんだこの組み合わせは・・・・・・全く個性も考えも違う者揃いではないか)現れたのは万事屋情報員担当の朝倉和美であった。エヴァが驚いている中、コーヒー一杯を片手に持ったまま和美は龍宮の隣に座り、席に着くなり頬杖を突いて大きなため息を突いた。「あ~あ、それにしても千雨ちゃんは銀さんとワンツーフィニッシュという不動のヒロインとしての貫録を見せつけたのに私は23位か~・・・・・・・」「君は修学旅行編ではかなりの登場頻度だったのにな」「まあ私は元々千雨ちゃんのアシスト役として話に出てる様なモンだったからね、こんぐらいの順位が妥当なんだろうけど。欲を言えばもうちょっと欲しかったな~、まさか変態ストーカーと同格扱いされるなんて」「朝倉、私はな先生に変態だとかマゾだとか、ストーカーだとか言われると興奮する。だがな、同級生のお前に言われても全然嬉しくないんだぞ」「なにその理不尽かつ冷静な怒り方、恐いんだけど」「ダメだな、お前にはマゾヒストのツボを突くサドヒストとしての才能が無い」「そんなもんあってもすぐにティッシュに丸めて捨てるよ」(このアホ共はこんな事を話し合う為にやってきたのか・・・・・・?)コーヒーを飲みながら隣で腕を組んでマゾヒストについて冷静に語り出す龍宮を適当に流している和美を見てエヴァは呆れた目つきで物陰から眺める。とても今時の中学生が会話する内容では無い。(龍宮真名、那波千鶴、そして朝倉和美。まさかこんな三人組とこんな所で会うハメになるとわな・・・・・・)「それじゃあまず上位にランクインされた人達を改めて検証してみようか」(ん?)テーブルの上に持って来た一枚のA4サイズの紙を和美が楽しげに広げると、龍宮と千鶴はその紙に書かれた内容を読む為に顔を近づける。書かれているのはもちろん、本編で行われていた人気投票のランキングだ。「上位って言ってもどこから上位なんだ?」「う~ん、15位ぐらいからが上位だと思うよ」「じゃあ15位から順にどんな人物なのかを改めて読者達に紹介して、なおかつなんで彼等が人気が取れたのかを私達で考察してみましょうか」「この選ばれた15名は何故読者にウケが良かったのかを今後の為に調べておこう」「ははは、面白くなってきた~。じゃあまずは15位から13位までをチェケラ~」(・・・・・・なんか始まった・・・・・・)8位という称号を頭の上に付けているエヴァがコッソリと眺めている中、和美、龍宮、千鶴の三人は自分達のテーブルに置かれたランキング用紙をジッと眺め始めた。15位(17票)宮崎のどか「15位は宮崎さんねぇ、非戦闘要員なのにここに食い込めるとはさすがね~」「ほう、ていうことはアレか? 私があせくせ戦っている中、彼女はのうのうと票を増やしていたのか? 私が先生との会えない苦しみがピークに達している間、彼女はのうのうとニコチン男とイチャついてかつ票を貰っていたのか?」「その言い方だとなんかのどかちゃんが悪く聞こえるから止めて・・・・・・」感心している言葉を漏らす千鶴だが、龍宮の方はここにはいないのどかに向かって軽いジャブ。和美はすかさず目を細めて彼女に向かって指摘した後、次の順位を見る。14位(18票)桜咲刹那「む? なんで刹那が宮崎の上なんだ? コイツ読者に散々ヘタレだとか空気読めない子だとか言われていたキャラの一人じゃないか」「全蔵さんとの戦いとか意外にシリアス方面で活躍したからじゃない? この子も一応修学旅行編の中で成長した人物の一人だし」「シリアスで頑張れば票が貰えるの? じゃあ私次回からはシリアス方面で頑張るわ」「一生無いよ、うん絶対」笑顔で拳を顔の所まで掲げてガッツポーズを取る千鶴に和美は即座に口を挟む。空気ブレイカーの彼女だけはどんな事があろうと間違いなくシリアスサイドの話にはならない。和美の直感がそう告げていたのだ。千鶴にツッコんだ後、和美は再びランキング用紙に目を下ろした。13位(19票)土方十四郎「ここで名前が出たか~この人ならもっと上の方に行ってもおかしくない筈なんだけどな~、主役級に活躍してたよねこの人?」「それほど上には上がいたんだろう二つの作品を合わせた人気投票だしな。原作通りの順位に入るのはこの空間では難しい筈。私も原作通りの順位だったらもっと上だった筈だしな」「あら? 龍宮さんって原作だと24位だったわよね、今の順位より下じゃない?」「だってよ龍宮さん」「・・・・・・なんか無性にやりきれない気持ちになった・・・・・・31人に絞ってもそんな順位なのか私って・・・・・・」両手で顔を押さえて塞ぎこむ龍宮、よっぽどショックなのであろう。だがそんな彼女を隠れて見ているエヴァも思わず彼女同様やりきれない気持ちになる(原作だと私3位だった・・・・・・なのにここだと8位・・・・・・)原作とこの世界の人気の差に店内にも関わらずエヴァが床に両手をついて深く絶望していると、彼女の存在に気付いていない和美は次のランキング用紙を持って次の順位を発表した。「じゃあ今度は12位から10位だね」12位(20票)桂小太郎「悪役でもあり正義の味方でもある桂さんの登場だよ」「ああ、刹那が嫌っている男か」「あらあら、桜咲さんはこういう長髪系の男の人は苦手なの?」「長髪関係無くこの男と刹那は根本的な考えが違うんだ、だから刹那は彼を嫌っている。刹那の奴は完全に悪・即・斬の真撰組思考だからな。近衛もそれで苦労しているだとか」「どうして近衛さんがそこで困るのかしら?」「う~ん、木乃香はどちらかというと桂さんサイドだからね・・・・・・。今後が大変だよこの二人・・・・・・・まあそれは置いといて次は11位行ってみようッ!」(切り替え早いな・・・・・・・)11位(22票)坂本辰馬「出たよ原作ではちょびっとしか出てないのに人気だけはある男、意外にバトルでも活躍したしコレぐらいの順位が妥当かな?」「攘夷組が二人連続か」「さっきの人といいここら辺は私ちょっとわかんないわねぇ・・・・・・」「まあ桂さんと坂本さんは銀さんが言うには神出鬼没らしいからいつか会えるかもよ」(止めろッ! その女とあの男達を絡ませたら余計この世界が破綻するだろうがッ! ただでさえグラグラしてていつ崩れるかわからない世界観なのにッ!)立ち直ったエヴァが笑っている和美に心の中で叫んでいる中、千鶴も笑みを浮かべながら「そうねぇ、いつか会ってみたいわねぇ」と言って次の順位を見た。10位(23票)アリカ・スプリングフィールド「あらまた知らない人、誰かしらこの綺麗な人」「ネギ先生の母親だよ」「へ~ネギ先生のお母さんってこんな若くて綺麗なのね~、一体いくつの時に子作りしたのかしら」「はい千鶴さんストップッ! 変な事考えなくていいからッ! それにしても修学旅行編では銀さんにとってのラスボスと言っても過言ではないネギママさん、まさかここまで上がって来るとは意外だな~」「とりあえず私はこの人は嫌いだ、私の先生を何度も剣で突き刺したと聞いたからな」「どさくさに私の先生とか言わないでよ、ストーカーはホント自己中的な考えなんだから・・・・・・」「そうよ、銀八先生はあやかだけのモノよ」「違うよ千雨ちゃんのモノだよ」(お前等も自己中だろうが・・・・・・ていうか銀時は私のモノだッ! いやむしろ私がアイツのモノだッ!)三人で誰が銀時に相応しいだとかを揉めているのを隅に隠れながら心で叫んでいるエヴァ。普通の一般客から見ればかなり異様な光景である。「まあいいよ千雨ちゃんが銀さんに相応しいってのはランキングでわかってるんだから、今更二人が何を言っても決まってる事だからいいんだけどね」「ランキングなんか関係ないさ、大事なのは愛だ愛。読者が決めたランキングなどで誰がヒロインに相応しい等、そんなふざけた幻想ぶち殺す」「フフフ、少なくともウチの作品は変態さんをヒロインに採用する事は無いと思うわよ」「その幻想もぶち殺す」「いや幻想じゃないから、事実だから、リアルだから、いい加減受け止めて現実を。さて、今度は9位と8位を・・・・・・」真顔でアホ丸出しな事を言ってのける龍宮にツッコミを入れた後、和美はテーブルに置かれたランキング用紙に視線を送る。9位(24票) 佐々木まき絵8位(25票) エヴァンジェリンA・K・マクダウェルだが次の順位を見た瞬間すぐに顔をしかめて「ああ~・・・・・・9位と8位はパスでいっか」(なにぃぃぃぃぃぃぃ!?)「佐々木とエヴァンジェリンか。この二人は読者がノリと哀れみで入れたとしか思えないから別に学ぶ事も無いだろ」「調子乗ったら墓穴掘る、反面教師的なモノは学べるけどね。ホントなんでトップ10に入ってんだろこの二人、その辺墓穴だらけのクセに・・・・・・」(ふざけるなぁぁぁぁぁ!! 9位はともかく私は活躍しとるわぁぁぁぁぁぁ!! さっきまで「このキャラがここが凄かったから上位に入れた」とか言ってたのになんで私と9位の時だけは冷たいんだお前等ッ! 早く私の長所を上げろォォォォォォ!! ずっと楽しみにしてたんだぞコラァァァァァ!!)「へ~こんな人達でも上位に入れるの、世の中って意外と適当に回っているのね、真面目に生きてるのがアホらしくなってくるわ」(おのれに言われたくないわァァァァァァァ!!! つうかお前自分で真面目に生きてると思ってるのかッ!?)さっきまでとは打って変わって冷めた表情の和美に龍宮が頷き千鶴も笑みを浮かべながら相槌を打つ。このやり取りに8位のエヴァは怒りに悶えながら彼女達を血走った目で凝視していた。(忌々しい下位順位トリオがッ! 私の人気に妬みおってッ! いや8位とかいう中途半端な位置だけど・・・・・・だがコイツ等に比べれば私の人気の方がはるかに上だッ! 今から殴り込みに行って痛い目見せてやろうか・・・・・・!)「さてさて、中途半端の順位なのにプライドだけは無駄に高いエヴァちゃんが飛んでくるシチュエーションが入る前にさっさと順位を発表しちゃおう、ここから一気にベスト7からベスト4まで」(チクショウ私の行動読まれたッ!)エヴァの思考回路を先読みした和美は頭を掻き毟りながらさっさと次の順位の発表に取りかかる。7位(26票) 沖田総悟「出たよ出たよ・・・・・・ネギま世界最も脅威となる悪魔がッ! この人ホントなんでこっちの世界にやってきたのッ!? 完全にいちゃいけない人だったよねッ! 高杉さん以上に危険人物だったよねッ!?」「ウチの生徒も何人かこの男に襲われたからな、先生に匹敵、いやそれ以上のサディストかもしれん。まあ私は先生のサドっぷりが一番だとわかっているがね」「そんなに怖い人だったかしら? 私が話しかけるとすぐ逃げ出しちゃうから、女性に慣れていないちょっぴりシャイな男の子って感じだと思ってたんだけど?」「さすがこの世界唯一無二のドSキラー・・・・・・この人がいればなんとかネギま界があの人に征服される事はないね・・・・・・」「あらあら、人をカビキラーみたいに例えるの止めてくれないかしら?」ニコッと笑って訂正を求める千鶴に「いや事実だからしょうがないじゃん、これからもよろしくドSキラー」と言って和美は軽く流し、すぐに次の順位に目をやった。6位(27票) 近藤勲「あ、あのゴリラが6位ッ!? 凄いッ! 奇跡ってこの世に存在するんだッ! なんか空から槍でもカエルでも降ってくるかもしれないよコレッ!?」「ほう、やはり綾瀬とのラブコメがこのゴリラをここまで票を取らせたか、意外性ナンバーワンのカップルだからな」「あら? このゴリラさん飼育小屋に閉じ込めてたのに逃げちゃってたの? まあ大変、今度見つけたらちゃんと頑丈な檻に閉じ込めておかないと」「・・・・・・なんかあったのこのゴリラと?」頬に手を当てて笑みを浮かべる千鶴に、和美は何か恐ろしいものを感じながらもランキング用紙に視線を落とした。5位(30票) ナギ・スプリングフィールド「あ~ネギパパかそりゃあそうだよね、ラスボスを倒したのはなんていったってこの人だからね。出番あんま無かったのにこんな位置にまで昇り詰めるとはさすが英雄」「先生の活躍を横から掻っ攫った男か、やはりスプリングフィールド夫妻は気にいらないな。今度ヒマがあったら撃ち殺しに行こう」「いや返り討ちにあうのが関の山だと思うよ」「ネギ先生ってお母さんも若そうだけど、お父さんもお若そうね、きっとわたし達ぐらいの年の時に自らのノリとテンションに任せてネギ先生を作・・・・・・」「千鶴さん、それ以上の憶測はプライバシーに関わるから喋るの止めて、出来れば一生」暴走する龍宮と千鶴を巧みに黙らせながら和美はどんどん話を進めて行く。こういう手順はすっかり万事屋の所で慣れている。司会進行はお手の物だ「さ~て、次は4位だね」4位(42票) ネギ・スプリングフィールド「おおッ! 修学旅行編では出番も多かったし活躍の場もあったし、幼馴染との確執、師匠との予想だにしない再会、一度は死を経験をしながらも以前よりもずっと成長をして復活したネギ先生ッ! 序盤の銀八先生では予想だにしなかった結果だねッ!」「ああラスボスか、やっぱ強いんだなラスボスは」「ラスボスって言うなッ!」「ラスボスになると人気が上がるの? じゃあ次回のラスボスは私が・・・・・・」「アンタがラスボスになったら誰も勝てないでしょうがッ! ていうか無いからッ! 絶対無いからッ! ってかよくよく考えればこういう時にツッコむ人って千雨ちゃんが一番の適任者じゃんッ! なんで私がこんなことしなきゃいけないわけッ!?」(今更か・・・・・・)龍宮と千鶴のボケ合戦に遂に和美は両手をテーブルに叩きつけて吼える。そんな彼女をようやく落ち着いて来たエヴァがこっそりと心の中で呟いていた。(億が一にも無い事だが“コイツ等には”負けなくて良かったな。負けていたら私の高貴なプライドがズタズタに引き裂かれる所だった、いや8位でも十分ズタズタだが)「はぁ~、もういいや気を取り直して・・・・・・・それじゃあ遂に本作品最も人気のあった三本指、「3年A組 銀八先生! 第1回人気投票」に見事ベスト3入りを果たしたキャラ達を紹介しようか」(うわ・・・・・・遂にこの時が来たか・・・・・・)「この3人はダントツで票を貰っていたからね、もう完全に出来レースだったよ。やっぱ主人公とヒロインの力は絶大だね」(私もヒロインなのに・・・・・・)ヘラヘラ笑いながら喋っている和美にエヴァが物陰からコッソリ顔を覗かせながら寂しげに心の中で呟いていると、「それじゃあ第1回人気投票でベスト3に輝いた猛者達を発表しま~すッ!」とエヴァの気も知らずに和美は軽い口調で龍宮と千鶴に向かって叫んでいた。3位(55票) 雪広あやか「ある時は万事屋のまとめ役、またある時は健気に恋の成就を夢見る純粋無垢な少女、更には世間知らずのお嬢様、銀さんと一緒にボケを連発するなど多彩な顔を持つヒロイン、その少女の名はいいんちょッ! 本作品で二人目のヒロインが3位を獲得ッ! てか55票とかどんだけッ!?」(ホントにどんだけだ、私の2倍以上の票を獲得するとか意味がわからん・・・・・・・)「ウチのあやかは別格だから」「そうだね~まあその別格のヒロインを超えたヒロインは更に別格だと言う事になるけどね~」「ウフフフ、朝倉さん。私だって“怒る時には怒るのよ?”」「那波の背後から黒いオーラが出て来たぞ」「ここで臆したら負けだ・・・・・・! 続いてみんなが待ってた2位を紹介ッ!」目の所に影を作ってゴゴゴゴゴゴと奇妙な擬音を鳴らせながら笑みを浮かべる千鶴に対して和美は少し畏怖しながらも勇気を振り絞って次の順位を発表した。2位(70票) 長谷川千雨「万事屋、いや本作品のボケの飽和を防ぐ我らがツッコミ隊長ッ! そして女性キャラとしても最も人気の高い完全無欠のヒロインッ! 長谷川千雨ちゃんの登場だァッ! 者共頭が高いッ! 控えおろうッ!」(クソ~やっぱダメだ、改めて見るとこの女の人気にはまるで勝てる気がしない・・・・・・)「70票だと・・・・・・私と朝倉の10倍もあるとか化け物か・・・・・・くッ!」「ええ、どれだけ自分で自分に票を入れたのかしらね。そんな事を裏でコソコソとやっていたなんて確かにウチのあやかとは別格ね、ウチのあやかはそんな事しないもの」「千鶴さ~ん、残念ながらこの人気投票に不正は無いからね~、ありもしない事を平然と言ってのけないで~、いくらいいんちょが“負けた”からって千雨ちゃんに向かってそれは無いんじゃないかな~」「あやかが負けた? や~ねぇ、長谷川さんが2位になれたのってあの子が読者の人気を得るが為にツンデレだとかダルデレだとかクーデレだとかその辺のジャンルを手当たり次第にやって必死に票を伸ばしたからじゃない。その点ウチのあやかはモジデレ(モジモジしながらデレるの略称)一角です、人気では負けたかもしれないけど女では勝ったわ」「ふふ~ん、それって千雨ちゃんは幅広いジャンルに適応してなおかつそれぞれ特化してるって事だよね。一つのジャンルのみにしか特化していなかったいいんちょには悪いけど、それが3位と2位の違いなんじゃないの?」「落ち着け朝倉、キャラが変わってるぞ」「・・・・・ちょっとネギ買って来ていいかしら?」「落ち着け那波、なんかこう全体的に落ち着いてくれ。黒いオーラがどんどん広がってるぞ」(な、なんで魔力も持たない筈の那波千鶴が背後から漆黒の影を創成しているんだ・・・・・・)不敵な笑みを浮かべる和美に対して千鶴は背後からどす黒いオーラを放ちながら口元だけを無理矢理笑わせている。さすがにこの気まずい空間にいるのが堪えられなくなったのか龍宮は交互に彼女に話しかける。ちなみにエヴァは千鶴の覇気に怯えて隠れたまま震えている。「今日は長谷川と雪広のどちらかがヒロインに相応しいかと議論する為に集まったわけじゃないだろ、その議論は私がいない時に勝手に二人でやってくれ。お前等二人の近くに座っているだけでこっちは息苦しいんだからな」「はぁ・・・・・・仕方ない、千鶴さんとの議論は後回しにしよう、なんか無限に続きそうだしここで話したら番外編がそれだけで潰れちゃうよ」「そうねぇ・・・・・・ネギ持ってきてないし」「一体何でそこまでネギに執着するのかはわからないけど・・・・・・とりあえず本作品最も票を手に入れ一位に君臨した人物を発表するよ~」珍しく龍宮が仕切り役になり喧嘩が勃発しそうな和美と千鶴を疎める。それを受けて二人は渋々と引き下がった。千鶴の方はまだ納得していない表情だが。和美はそれにビビりながらもランキング用紙を手に持って、人気投票一位を発表した。「『3年A組 銀八先生!』で一番人気の高かった人物、第一位は・・・・・・」1位(81票) 坂田銀時「やっぱり銀さんだァァァァ!! さすがは主人公、確固たる人気を持ち不動の地位に堂々と君臨ッ! なぜここまで人気があるのかは説明は不要ッ! 強いて言えばこの人はこの人だからこそ1位を取れたと言う事だけだねッ!」「さすがは私の嫁」「いえあやかの嫁よ」「千雨ちゃんの嫁ッ!」(そこ嫁じゃなくて婿だろうに・・・・・・う~銀時に三倍以上の票の差で負けてしまった・・・・・・ハァ~~~~~~)相変わらずの不毛な争いをやっているのを呆れた顔で見送った後、エヴァは物陰に隠れながらその場にペタリと体育座りして大きなため息を喉の奥から吐いた。(やっぱ出番が終盤のみだったのがダメだったんだな、出番さえあればきっと読者の奴等はおろか銀時でさえ私の魅力にイチコロだったのに・・・・・・)泣きそうな表情でしばらく天井を眺めていたエヴァだが、突如スクッと立ち上がって頭を垂れながら変える準備を始めた。(こんな所で連中の話を聞いていても返って惨めになるだけじゃないか・・・・・もう私が8位だという事は揺るがない事実、8位は私が一生背負わなければならない十字架なんだ・・・・・・さっさと家に帰ろう・・・・・・)自分のトレイと先に帰ってしまったまき絵のトレイをトレイ置き場に置いて、和美達の方からは見えないようにエヴァは落ち込んだ表情でコソコソと帰ろうとする。だがその時「それじゃあベスト15のメンバーが誰だかわかった所で・・・・・・そろそろ“本題”といこうか」「そうだな、だがそれは本当に出来るのか?」「ふふん、まあやってみないとわからないけど、コレさえ出来れば・・・・・・」(コイツ等まだつまらん事語り合う気か・・・・・・いい加減自分の順位を認めろ馬鹿共が・・・・・・)「コレさえ出来れば順位が上がるのよね、上手くやれば私達も上位ランクに格上げよ」(・・・・・・へ?)三人の会話に最初エヴァは心底呆れた表情でさっさと帰ろうとした。だが楽しそうに言った千鶴の一言が、エヴァの足をピタリと止めるのは容易であった。(順位が上がる・・・・・・? バカなッ! もうこの人気投票は既に結果が出ているッ! 投票キャンペーンは8月1日を持って終わっているというのにコイツ等一体何をッ!)「人気投票とは読者からの票のみで競い合うゲーム、だけどこのゲームにはかっこたる抜け穴が存在する・・・・・・投票が終わった後でも、私達が上位にランクイン出来るという抜け穴をッ! それを今実証する時が来たよッ!」「実証だと? どうやってやるんだ? まさか私達の中で・・・・・・」「ご安心を、ここに来る前にちょっといい事あってね~、ほら」「まあ、あらあら、こんなものよく手に入れたわね~」「まあ“あの中”では一番取りやすいしな、さっそくコイツで試してみよう」(ぬおぉぉぉぉぉぉ!! 気になるッ! 一体あいつ等はどういう方法で上位を上げる気なのだッ! 私だって順位を上げたいッ! ヒロインに相応しい順位になりたいッ!) 和美達の言っている内容にすぐに食いついたエヴァは先程までは家に帰ろうとしていたのを忘れて三人娘の方へ振り向き気付かれぬように近づく。そして・・・・・・和美の手には「9位」と書かれたプレートあった。(・・・・・・おいアレって)「さっき偶然9位の人に会っちゃって~、まあそん時に・・・・・・アハハハハ」「やだ~神様からの贈り物かしらね~、9位」「9位は犠牲になったのだ、仕方ない、私達が9位の魂を受け継いでやろう」(おいアレェェェェェェェ!!)顔を横だけ出して覗いていたエヴァは驚きを隠せない表情で凝視する。数分前に別れたクラスメイトの順位プレートが今和美達の手中にあるのだ。恐らく自分と別れた矢先に和美と出会って・・・・・・(殺ったのかッ!? 9位殺ったのかッ!? クラスメイト殺ったのかッ!?)「じゃあ早速これ砕いてみようか」(え?)「えいや」(ぬわぁぁぁぁぁ!! 9位がッ! 9位がァァァァァァ!!)一瞬の躊躇も見せずにクラスメイトの順位プレートを強くに握って破壊する和美。グシャリと音を立てて粉々になってしまった無惨な9位プレートに、エヴァは思わず手を伸ばして心の中で絶叫を上げてしまった。しかし次の瞬間、彼女は更に驚く現実を目のあたりにする。「やった~順位が22位に上がった~」(23位→22位)「9位が消えたおかげで先生の順位に一歩近づけたな」(23位→22位)「凄いわこんな事が出来ちゃうなんて、これでベスト20に入れたわ」(21位→20位)(じゅ、順位が上がったァァァァァァ!! どういう事だ、9位のプレートが破壊された事によって奴等の順位が上がるなんて・・・・・・!) なんと和美達の順位が一つだけ上がっているのだ。嬉しそうにはしゃいでいる三人を見てエヴァは我が目を疑う。人気投票の結果はとっくに決まっている筈なのになぜ順位が?今目の前で行われた現実を受け止める為にエヴァは難しい表情で頭を必死に捻る。そして10秒後、彼女はハッとして顔を上げた。(もしや私達の上に付いているこのプレートは順位を決めているだけではなく人気投票の参加者という資格証明でもあるのかッ!? その資格証明を奴等は破壊した、破壊したのは9位・・・・・・よって9位から下のメンツは1つ繰り上がったという訳かッ!)「次は誰にしようか? 夏美なら千鶴さんがお願いすれば順位譲ってくれるかもしれないよ、譲ってくれないならその時はその時だけど」「この『志村新八』とかいう奴誰だ? なんで私の上にいるのかは知らんが狩ってもいいんだな?」「上位になると強い人が多いから難しいわねぇ、次は誰から行こうかしら?」(コイツ等上の順位を潰していって自分の順位を上げる気なのか・・・・・・? なんという強引なやり方だ、人気ではなく己の力のみを行使して順位を上げるとは・・・・・・)楽しそうになんとも物騒な話を喋りあっている三人にエヴァは背後からぞくりと寒気を感じる。だが戦慄する恐怖と共にふといいアイディアが閃いた。(イヤだが待て、これは私でも出来る事ではないのか? 私の上にいるメンツの順位プレートを奪えば、私の順位も跳ね上がるのではないか?)和美達がやっていた事を行使すれば自分の順位を上げるチャンスである。さっきまでずっと落ち込んでいたエヴァの表情にニヤリと明らかに悪だくみしている笑みが現れた。(人気投票争奪戦か・・・・・・面白い、その争奪戦に私も狩人として参加してやろうではないか、そしてゆくゆくは2位に、いや1位になってやるッ!)よからぬ企みごとをしなければエヴァは踵を返してその場から去ろうとする。(待っていろ私より順位が上の奴等・・・・・・特に雪広あやかと長谷川千雨は絶対に私の手で狩らなければな・・・・・・!)「ん~、あ、決めたわ、この子にしましょう」(ん?)帰ろうとした矢先に千鶴が次はだれを標的にしようかと決めたのが耳に入ったので、またもやエヴァは足を止めてそちらに目を向ける。しかしそれと同時に「次は・・・・・・8位からやりましょう」今まで見た事も無い妖艶な笑みを浮かべて。千鶴はこちらにチラリと目を向けていた。どうやら彼女はずっとエヴァの存在に気付いていたらしい・・・・・・「ずっと隠れて盗み聞きしてたわよね・・・・・・けどエヴァさんにはもう必要のない事じゃないの?」「ふ・・・・・・ふぇ?」千鶴の放つ迫力と風貌ににエヴァはビクッと体を震わせ硬直する。まるでヘビに睨まれたカエルの様に。そしてエヴァは改めて自分の身の状況に気付いた。自分は『狩人』としてではなく『獲物』として彼女に見られている事を「3年A組 銀八先生!」最後の戦いが始まる。