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赤松健SS投稿掲示板


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No.7093の一覧
[0] 3年A組 銀八先生!(ネギま!×銀魂) 【完結】[カイバーマン](2012/04/19 12:47)
[1] 第零訓 運命の出逢いは時に最悪[カイバーマン](2010/01/09 22:50)
[2] 第一訓 侍だって教師になれる[カイバーマン](2010/06/27 00:41)
[3] 第二訓 ジャンプを愛するものに悪い奴はいない[カイバーマン](2009/04/07 00:18)
[4] 第三訓 女子というのはだいたい見た目八割で決めるもん[カイバーマン](2009/04/07 00:19)
[5] 第四訓 物語はボケも必要、それを支えるツッコミも大事[カイバーマン](2009/04/07 00:22)
[6] 第五訓 金持ちの奴でも不幸な過去はあるもんだ[カイバーマン](2009/04/07 00:23)
[7] 第六訓 契約は計画的に、いやマジで[カイバーマン](2009/06/13 10:22)
[8] 第七訓 日常はスクープより奇なり[カイバーマン](2009/03/27 02:11)
[9] 第八訓 みんなそれぞれテメーの刀を持っている[カイバーマン](2009/06/08 12:13)
[10] 第九訓 大切なものを守る時は大切なものだけを見ないでその周りを守れるほど強くなれ[カイバーマン](2009/06/08 12:15)
[11] 第十訓 どうしても斬れない絆もある[カイバーマン](2010/03/13 10:56)
[12] 第十一訓 友達は自然になるものだ[カイバーマン](2009/04/09 14:48)
[13] 第十二訓 誕生日はプライスレス[カイバーマン](2010/06/09 00:56)
[14] 第十三訓 本気で戦うのが戦いのマナーじゃァァァ!![カイバーマン](2009/06/08 12:10)
[15] 第十四訓 メンバーは仲良くないと色々大変[カイバーマン](2009/04/25 22:44)
[16] 第十五訓 驚いた事があっても全く動じないのがスパイの基本[カイバーマン](2010/03/13 10:50)
[17] 第十六訓 老人は国の宝[カイバーマン](2010/03/13 10:51)
[18] 第十七訓 喫煙者にとってタバコは何よりも大事 それがわかるのは喫煙者だけ[カイバーマン](2010/05/02 14:00)
[19] 第十八訓 スタンドはスタンドでしか倒せない[カイバーマン](2009/06/28 23:00)
[20] 第十九訓 頼れる年上には憧れる[カイバーマン](2009/07/17 13:29)
[21] 第二十訓 銀と金[カイバーマン](2009/08/27 09:32)
[22] 外伝Ⅰ 国は違えど優しくその文化を受け止めよう・・まあ限度あるけどね[カイバーマン](2009/08/11 23:21)
[23] 外伝Ⅱ 空気の読めない奴は必ずクラスに一人はいる[カイバーマン](2009/08/27 09:31)
[24] 外伝Ⅲ 『ボールは友達恐くない!』って言った奴ちょっとツラ出せや[カイバーマン](2009/09/21 17:22)
[25] 第二十一訓 みんなが考えてるほど世界は広くない[カイバーマン](2009/10/10 12:31)
[26] 第二十二訓 人との交流は新しい扉を開けるチャンスである[カイバーマン](2009/09/04 01:53)
[27] 第二十三訓 アイドルだって喜怒哀楽がある人間なんだよ[カイバーマン](2009/09/27 10:35)
[28] 第二十四訓 拾ったペットに教えられることもある[カイバーマン](2009/09/12 22:22)
[29] 第二十五訓 ペットの責任は飼い主にも責任[カイバーマン](2009/09/27 10:40)
[30] 第二十六訓 ヘラヘラした奴って本当ロクな事考えねえよな・・・・・・[カイバーマン](2009/09/27 10:47)
[31] 第二十七訓 占いは当たるも八卦当たらぬも八卦[カイバーマン](2009/10/02 14:28)
[32] 第二十八訓 バカは死んでも治らない[カイバーマン](2010/03/07 13:58)
[33] 第二十九訓 修学旅行が始める前ってめちゃくちゃテンション上がるよね?[カイバーマン](2009/10/22 15:04)
[34] 第三十訓 主人公のいない世界なんてのりの無いのり弁と同じ[カイバーマン](2009/11/09 00:05)
[35] 第三十一訓 ダメ人間の代わりなんてダメ人間で十分なんじゃね?[カイバーマン](2009/11/15 00:17)
[36] 第三十二訓 誰かと比べられるのってかなり腹立つ[カイバーマン](2009/11/15 00:22)
[37] 第三十三訓 過去の因縁はどうしても消えない[カイバーマン](2009/11/21 11:32)
[38] 第三十四訓 一生隣で笑ってくれる奴等がいる事こそ最高の幸せ[カイバーマン](2009/11/28 12:58)
[39] 第三十五訓 旅は道連れ世は情け[カイバーマン](2009/12/05 23:37)
[40] 第三十六訓 最近の中学生は修学旅行だからってはしゃぎ過ぎなんだよッ![カイバーマン](2009/12/11 15:55)
[41] 第三十七訓 夜中に気を付けるのは見知らぬ女と見知らぬ忍者[カイバーマン](2009/12/18 15:06)
[42] 第三十八訓 転ぶ先に一筋の光[カイバーマン](2009/12/25 13:22)
[43] 第三十九訓 女が心配してるのに男って奴は・・・・・・・[カイバーマン](2010/01/01 00:25)
[44] 第四十訓 子供は早く寝ろ、じゃないと大人が夜更かし出来ないでしょうが[カイバーマン](2010/01/13 20:46)
[45] 第四十一訓 マナーを守らない奴はとりあえずTKO[カイバーマン](2010/01/14 20:59)
[46] 第四十二訓 侍ってのは高倉健の様に不器用な生き物[カイバーマン](2010/03/07 14:05)
[47] 第四十三訓 いつかは生まれるその感情に逃げるべからず[カイバーマン](2010/02/17 11:52)
[48] 第四十四訓 仲間の助けを借りて走っても走り抜けれるかはテメー次第[カイバーマン](2010/02/09 16:48)
[49] 第四十五訓 時には意外な物が武器になる[カイバーマン](2010/02/17 11:54)
[50] 第四十六訓 ドSは決して自重しない[カイバーマン](2010/02/17 11:47)
[51] 第四十七訓 なんだかんだで両想い[カイバーマン](2010/02/20 08:55)
[52] 第四十八訓 三つの愛 一つの運命[カイバーマン](2010/02/24 17:58)
[53] 第四十九訓 人の道それぞれ[カイバーマン](2010/02/28 11:43)
[54] 第五十訓 絡まる糸はほどく気がなければほどけない[カイバーマン](2010/03/01 09:45)
[55] 第五十一訓 隠し事はバレてこそ意味がある[カイバーマン](2010/03/04 13:02)
[56] 第五十二訓  闇と光は表裏一体[カイバーマン](2010/03/07 21:32)
[57] 第五十三訓 バカと役立たずにも五分の魂[カイバーマン](2010/03/10 09:38)
[58] 第五十四訓 人を傷付けたら必ず自分が傷付く事になる[カイバーマン](2010/03/12 22:24)
[59] 第五十五訓 昨日の敵は今日の友[カイバーマン](2010/03/16 21:12)
[60] 第五十六訓 親バカもシスコンも度が過ぎると引くから少しは自分を抑えて[カイバーマン](2010/03/19 11:55)
[61] 第五十七訓 酒は飲むモンであり飲まれるモンではない[カイバーマン](2010/03/22 17:02)
[62] 第五十八訓 時に酔いは人の本性をさらけだす事もあるんです[カイバーマン](2010/03/25 17:26)
[63] 第五十九訓 混沌招く血の宴[カイバーマン](2010/03/29 11:21)
[64] 第六十訓   死[カイバーマン](2010/03/31 12:59)
[65] 第六十一訓 夜王再臨[カイバーマン](2010/04/04 10:56)
[66] 第六十二訓 仲間を信じて顔上げて歩け[カイバーマン](2010/04/07 13:18)
[67] 第六十三訓 ただ愛ゆえに[カイバーマン](2010/04/14 18:26)
[68] 第六十四訓 ただ愛のために[カイバーマン](2010/04/14 17:21)
[69] 第六十五訓 ただ愛こそすべて[カイバーマン](2010/04/19 23:27)
[70] 第六十六訓 戦場を色取るのは忍者とチャイナとストーカー、そしてあんパン[カイバーマン](2010/04/25 16:25)
[71] 第六十七訓 凛と咲く桜の如く美しくありけり[カイバーマン](2010/05/17 01:16)
[72] 第六十八訓 バクチ・ダンサー[カイバーマン](2010/05/16 22:23)
[73] 第六十九訓 鬼が恐くて侍が務まるわけねえだろコノヤロー[カイバーマン](2010/05/16 22:27)
[74] 第七十訓 生半可な覚悟で正義や悪を語るものではない[カイバーマン](2010/05/24 01:12)
[75] 第七十一訓 その長き続く因縁に終止符を下ろせ[カイバーマン](2010/05/30 09:48)
[76] 第七十二訓 宇宙一最強の魔法使いは宇宙一馬鹿な親父[カイバーマン](2010/06/06 14:32)
[77] 第七十三訓 新しい朝[カイバーマン](2010/06/13 09:02)
[78] 第七十四訓 鬼の力 仏の心[カイバーマン](2010/06/27 00:40)
[79] 第七十五訓 その契りは永遠に[カイバーマン](2010/06/27 00:38)
[80] 第七十六訓 出会いもあれば別れもある 経験するたびに人はより成長していく[カイバーマン](2010/07/04 00:17)
[81] 第七十七訓 去る前にドタバタ騒いで最後の最後に別れを惜しめ[カイバーマン](2010/07/04 00:18)
[82] 第七十八訓 さよなら銀八先生[カイバーマン](2010/07/04 00:20)
[83] 最終訓 後悔ない人生を[カイバーマン](2010/07/11 00:11)
[84] 第?訓 銀色の魂を受け継ぐ者[カイバーマン](2010/08/01 07:50)
[86] 番外編 人気投票など死んでくれ・・・・・・[カイバーマン](2010/09/20 10:22)
[87] 番外編 人気投票など死刑だうわぁぁぁぁぁん!![カイバーマン](2010/08/16 13:18)
[88] 番外編 人気投票など・・・・・・あ、さっきからこれ言ってるの全部私だからな[カイバーマン](2010/08/23 00:00)
[89] 番外編 人気投票などに踊らされた哀れな道化共め[カイバーマン](2010/08/30 09:21)
[90] 番外編 人気投票など関係無い! 私達は私達だ![カイバーマン](2010/09/05 17:17)
[91] 山崎編 ZAKINOTE Ⅰ 学籍番号1番~10番[カイバーマン](2011/07/18 13:22)
[92] 山崎編 ZAKINOTE Ⅱ 学籍番号11番~20番[カイバーマン](2011/07/19 17:10)
[93] 山崎編 ZAKINOTE Ⅲ 学籍番号21番~31番[カイバーマン](2011/07/20 22:14)
[94] 山崎編 ZAKINOTE Ⅳ 教職員&学校関係者[カイバーマン](2011/07/21 20:39)
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[7093] 第五十六訓 親バカもシスコンも度が過ぎると引くから少しは自分を抑えて
Name: カイバーマン◆7917c7e5 ID:56da04f8 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/19 11:55

銀時はあやかと千雨と一緒に桂と木乃香りの言う目的地へ。
三人は他のメンバーが待っている筈の門の中をくぐる。
一瞬夕日の光が目に差しこんだ後、すぐに元に戻る。そして視界が旅行になった瞬間。
想像だにしない光景が三人の目の前に映った。

「「「「「おかえりなさいませ木乃香お嬢様ッ!」」」」」
「いいッ!」
「まあッ!」
「うげッ!」


何十人ものの巫女衣装を着飾った女性陣が列を作ってこちらに頭を下げてくる。この光景に三人は思わず驚きの声を上げた。

「なんだコイツ等ッ! ていうかさっき木乃香お嬢様って・・・・・・」
「なんだ知らんのか銀時」

驚いている銀時にフッと笑いながら桂が近づいてきた。

「関西呪術協会本部は木乃香殿の実家なのだ」
「はぁッ!? ちょっと待て関西呪術協会ってネギが言ってた奴だろ・・・・・・それが木乃香の実家ッ!?」
「そうだ、それに俺やエリザベス、アル殿も色々会ってここに住ましてもらっている、今では俺にとって我が家同然だ」

そう言って桂はクルッと振り返って、列をみなして歓迎してくれている女中達に目をやる。

「あの女中達とももう顔見知りだ、皆の者帰ってきたぞ」

桂が手を振ると女中は一斉に

「死ねッ!」
「このカスがッ!」
「さっさと出てけッ!」
「消えろ殻潰しッ!」 
「長にコレ以上迷惑かけんなクソロン毛ッ!」
「ハッハッハ~、ここの女中は全てツンデレ属性でな、俺に対していつもああゆう態度をするのだ、困ったものだな」
「ツンデレじゃねえよッ! 思いっきり毛嫌いされてんだよアンタッ! すげぇ剣幕で睨まれてんじゃねえかッ!」
「毛嫌いじゃないツンデレだ」
「現実を見ろッ!」

あらゆる方向から罵声が飛んでくるにも関わらず桂は笑って受け流す。彼の勘違いっぷりにさすがに千雨もツッコんだ。



桂と銀時達が話している頃、土方と沖田、のどかと夕映、ハルナ達5人もこの光景にやはり驚いていた。刹那と木乃香は別に驚いてなく自然体だが

「なんじゃこりゃあ・・・・・・!」
「凄いこんな山奥に人が一杯・・・・・・」
「まるで映画の世界にでも入った様ですね」
「ねえねえなんなのコレ、どういう事ッ!?」
「わ~みんな久しぶり~」
「相変わらず凄い歓迎ですね」

木乃香と刹那以外のメンバーが驚いていると、一緒にいる沖田も女中たちを見渡しながら額から汗を流している。

「マズイですぜ土方さん・・・・・・!」
「ん? やっぱ何がマズイ事でもあるのかコイツ等・・・・・・?」
「ええ、こんなにいると、いくら俺でも全員調教するのに時間がかかりますぜ・・・・・・!」
「どんだけ狩りつくす気だお前ッ! モンスターハンターでもやってろッ!」

目を光らせ女中の中から獲物を探ろうとしている沖田に土方は叫ぶ。こんなに女性がいるとあっち方向ばっか考えるのが沖田だ。
しかしそれはあの男も似たようなもので

「うほッ!」

最も彼の場合は女性が一杯いる=ハーレムという単純な構造なのだが

「最高じゃァァァァァ!! 誰でもいいからわしとユニゾンしようぜよ~ッ!」

銀時達と一緒に行動しているかつての攘夷志士である坂本辰馬が女中達に向かって狂喜乱舞しながらピョ~ンと飛びかかる。だが

「ノーセンキューッ!」
「だがぁッ!」

一人の女中に股間を蹴られそのまま地面に倒れる坂本、股間をおさえて悶絶する坂本に呆れたように同行者であるネカネが近づく。

「バカ・・・・・・底なしのバカ・・・・・・」
「ぬごぉ・・・・・・二度と使いモンにならなくなったかもしれん・・・・・・」
「そっちの方が世の女性達の為になるわよ」

苦しそうに悶えている坂本にネカネは吐き捨てる様に言葉を残した後、ふと違う方向に目をやる、意外な人物(?)が女中達と戯れていた。

「エリザベス様、お茶が入りました」
『御苦労』
「エリザベス様、高級和菓子でございます」
『褒めてつかわす』
「エリザベス様、火と灰皿でございます」
『苦しゅうない』
「エリザベス様、ストックのボードを持ってきました」
『大義である』

大勢の女中達に囲まれて豪華なイスに座ってキリッとした目つきで優雅に葉巻を吸っているエリザベスを見て、ネカネは目を疑う。

「モテてる・・・・・・アレが・・・・・・」
「UMAの特徴、巫女さんとハーレムしている」
「それ特徴ッ!?」

頬を引きつらせているネカネの近くでブツブツと呟きながら、メモ帳にペンで書き込んでいる和美。そんな事を覚えてどうするつもりなのだろうか・・・・・・

ネカネがそんな事を考えている頃。土方は木乃香と刹那から色々と話を聞いていた。

「実家だとッ!? ここがオメーのッ!?」
「そうやで」
「実家いやこれ実家ってレベルじゃねえだろオイッ! 将軍レベルだぞこれッ! お前の先祖将軍やってんのかッ!? 現役バリバリで将軍やってんのかッ!?」

その場一帯にある屋敷の膨大な数に土方は口をあんぐりと開けながら叫ぶ。
一番奥の屋敷なんかもう城と言ってもおかしくないぐらいデカイ
木乃香の実家がこんなにも大きい事に目を開いて驚いている土方に、刹那は説明をして上げる。

「お嬢様の実家は関西呪術協会の本部なんです、だから多忙な身の長はこれほどの広大な私有地を所持する必要があるんです」
「関西呪術協会? どっかで聞いたような名前だな・・・・・・」

土方が思い出そうと頭を捻っていると、ふと一番奥から一人の男性がこちらにやってくる。
メガネを付けた引きしまった顔の袴姿をした中年の男性、こんなにも大人数で来たにも関わらず落ち着いた態度で男はメンバー達に礼儀正しくお辞儀をした。

「初めましてみなさん、関西呪術協会の長を務めている近衛詠春と言います」

頭を下げて来た詠春に土方はピクリとある事に反応する。

「その声、もしかして小十郎か?」
「いえここでは詠春です政宗様・・・・・・」

真顔でそんな事を行って来る土方に詠春は早速ツッコミを入れる。

対高杉同盟軍は木乃香護衛の為に、彼女の実家である関西呪術協会の本部に辿り着いた。








































第五十六訓 親バカもシスコンも度が過ぎると引くから少しは自分を抑えて

広大な私有地を所持する関西呪術協会の本部。見た目も巨大であるが中身もかなりの大きさで会った。

「ここが大広間です、どうぞ皆さんの席は用意してありますのでお座り下さい」
「「デケェェェェェ!!!」」
「銀さん、千雨さん恥ずかしいから止めて下さい・・・・・・・」

歓迎ムードが漂う所で詠春がメンバー達に笑いかける。だがこういう場所に慣れていない銀時と千雨は落ち着かなさい素振りでそわそわと周りを見渡す

「おい座れって言ってるけど、どの辺に座ればいいんだ・・・・・・? 真ん中にある座布団でいいのか? 本当に座っていいのか?」
「落ち着かねえ・・・・・・体中から変な汗が出てくる・・・・・」

大広間の真ん中にある座布団に座っていいのか駄目なのか困っている銀時と千雨。だがあやかはそんな二人を尻目にそそくさと座ってしまう

「早く座りましょう、みっともないですわよ」
「いいんちょの奴落ち着いてるな・・・・・・」
「あいつの家も金持ってるからな、慣れてるんだろこういうの」

元々彼女の実家もここと負けないぐらいの大きさを誇っている。あやかにとっては慣れっこなので二人と違って随分と落ち着いている。
彼女に言われるまま銀時と千雨も恐る恐る座布団に座った。

他のメンバーも席に座った頃、詠春は全員を見渡せる場所に立ち、軽く会釈をした。

「改めまして、関西呪術協会の長の近衛詠春です、遠い所からはるばるとここまで来た事誠に嬉しく存じ上げます」
「ハハ、なんか固っ苦しいオッサンじゃの」
「しッ!」

銀時達の後ろでネカネが坂本を疎めていると、詠春は銀時の方に目を向ける。

「あなたが確か麻帆良で教師をしている異世界から来た噂の坂田先生ですね」
「え? 何で俺の事知ってんの?」
「ハハハ、義父と娘から色々と聞いていますよ」
「は?」

詠春の言ってる事に理解できていない様子で銀時は首を傾げる。すると彼は目の前にいる木乃香の手を取って

「いつも“娘”の木乃香がお世話になってます」
「はッ!? アンタが木乃香の親父ッ!?」
「うん、ウチのお父さん」
「お嬢様の実家なんだからわかるだろ普通・・・・・・」

思わず詠春に指をさす銀時に、木乃香は笑いかけ刹那はジト目で呟く
。この二人が血のつながった親子だった事に銀時はかなり驚いている様だ。

「マジかよ・・・・・・俺はてっきり木乃香はあのエイリアンジジィが攫ったモンだとつい・・・・・・・」
「エイリアンジジィってもしかしてお義父さんの事ですか・・・・・・」
「まさか攫ったのは木乃香じゃなくて木乃香の母親だって事か・・・・・・」
「いえ違います、ちゃんとエイリアン・・・・・・じゃなかったお義父さんと血が繋がってますから・・・・・・」

頭を手でおさえながらそんな事を言う銀時に詠春は苦笑した後、再び木乃香の方に向き直る。

「それにしてもこうやって会うのも久しぶりだね、普段は手紙や電話でしか連絡とってないからこんなに成長してるとは思わなかったよ」
「ウチもお父さんと久しぶりに会えて嬉しいわ~」
「ハハハ、ホント見ない内に母さんとそっくりに・・・・・・」

ほのぼのと親子でそんな会話していると詠春は木乃香の頭を撫でながら彼女のある場所に視点がうつる。
木乃香の左肩に破れた布が巻かれており、その上から若干血が・・・・・・

「ぐはぁぁぁぁぁ!!!」
「「「「「長ッ!!」」」」」
「お父さんッ!?」

彼女が怪我してる事に気付いて詠春はその場で叫びながら倒れ込み口から泡を吐きだす。慌てて近づく女中達、父のリアクションにビックリする木乃香だが、詠春はヨロヨロと起き上がり

「早く病院に・・・・・・娘が怪我をしている・・・・・・至急医療レベルの高いアメリカの病院に運ばねば・・・・・・」
「本当ですか長ッ!? すぐにヘリをチャーターしますッ!」
「お嬢様ッ! 応急処置をしますのでこちらにッ!」 
「お嬢様ッ! 傷口からバイキンでも入ったら命に関わりますッ! さあ早くッ!」
「い、いやウチ平気やから・・・・・・」

詠春を始め大慌てで木乃香の周りドタバタと女中達が飛び交う。
そんな光景に銀時達は目をぱちくりして静かに眺めていた。

「おいおい、娘の事になったらキャラ変わりまくってるぞあのオッサン」
「親バカってレベルじゃねえよあのリアクション」
「いいんじゃないですか娘の事を本当に大切にしているんですわきっと、少々行き過ぎですが・・・・・・」

銀時と千雨とあやかがそんな感想を漏らしていると起き上がった詠春が盛大に吠えている

「誰だぁぁぁぁぁ!!! 傷を付けたのは何処の犬の糞だァァァァ!! 前出ろッ! 前だッ!」

ものすっごい剣幕で怒鳴り散らす詠唱。一同唖然としていると、そこへ刹那が一歩前に出てかしづき

「長、お嬢様が傷付けられてしまったのは全ては私が原因なんです、責任は全て私・・・・・・」
「お前か娘を傷付けたのはァァァァァ!!」
「ぬごォォォォッ!!」

別に刹那が木乃香を傷付けたわけではないのに、いきなり彼女の頭上めがけて詠春が鉄拳制裁。娘の事で頭が一杯の詠春は彼女に怒りの矛先を向ける。

「オイ誰か鉄網持ってこいッ! このクソ鳥をすぐに焼き鳥にしてしまえッ! 晩飯にして食うッ! 娘を傷付けた奴は誰であろうと死刑じゃッ!」
「「「「「はッ!」」」」」
「ち、違いますッ! 別に私がお嬢様を傷付けたわけじゃッ! た、確かに私が不甲斐ないばかりにお嬢様に危険に巻きこんだのは紛れもない事実・・・・・・ですが私がお嬢様を傷付ける様な事は決して・・・・・・」

刹那がわけを言おうとすると、その前に詠春のメガネがギラッと光り、拳を振りかざし・・・・・・

「ピヨピヨピヨピヨうっせえんだひよこコラァッ!」
「ごはァァァァ!!」
「お父さ~んッ!」

またもや刹那の顔面に全力パンチ、更にそこから馬乗りになってラッシュをかける詠春

「死ねコラッ! 死ねコラッ! 死ねコラァァァァ!!」
「ごふッ! あがッ! ぐぎぃッ!」
「お父さんもう止めてぇぇぇぇぇ!! せっちゃんは悪くないから~ッ!」

木乃香の悲痛な叫びにも耳を貸さず詠春は刹那に向かって攻撃を連打。
土方は彼女を殴られる様を優雅にタバコを吸いながら眺めていた。

「何言っても聞きやしねえなあの親父」
「と、十四郎さん、刹那さん助けなくていいんですか・・・・・・?」

袖を引っ張って恐る恐る尋ねてくる隣に座っているのどかに、土方は澄ました表情で振り返る。

「なんで俺がそんな事しなきゃいけねえんだよ?」
「え・・・・・・」
「あいつは見た目より丈夫だからあんなの大した事ねえよ」
「刹那さん・・・・・・・」

すっかり傍観者モードになっている土方にのどかは刹那に同情するように彼女の方に目を向ける。

詠唱が冷静になるのはそれから数分後の事であった。




















































そして数分後、詠春は落ち着いた。

「いやはやみっともない所を見せて申し訳ない、娘の事になるとつい取り乱してしまって」
「あが、ががが・・・・・・」
「おいお父さん、娘さんの友人が危篤状態だぞ」
「大丈夫です、この子は丈夫なので」

体中ボロボロにして白目をむいて倒れている刹那を見て銀時にツッコんでも、詠春は微笑んで受け流す。

「とりあえず木乃香、君はその傷を治療するため席を空けなさい、この子の治療を頼む」
「わかりました5分でヘリを飛ばすよう指示しておきます」
「3分だ」
「だからヘリはいらん~~~ッ! 傷薬と包帯だけでええ~ッ!」

まだ親バカが収まっていない詠春と女中の会話に木乃香が両手を振って制止する。
自分で立ち上がって彼女は女中達に治療させてもらう為に“ある男”がいる別の部屋へ移動してしまった。

「よくよく考えれば治癒呪文が使えるアルの存在を忘れていましたよ、大人げない態度をお見せしまって申し訳ない」
「いや現在進行形で大人げないよアンタ」

行ってしまった木乃香を見送った後、頭を掻いて照れ隠しする詠春に銀時はサラッとツッコんだ後、彼の目の前で倒れている刹那を指差す。

「ていうかコイツも治療してやれよ、こっちの方がヘリ必要なんじゃね?」
「うう・・・・・・」
「ああ忘れていた、誰か、この子も頼む」

呻き声を上げている刹那を見てすっかり忘れていた詠春は彼女を指さして女中に声をかける。すると女中の一人は真顔で

「塩ですか? タレですか?」
「知っているだろう、私は塩派だ」
「あ、俺タレ派なんでタレも」
「お前等食おうとしてんじゃねえよッ!」

もはや刹那を焼き鳥にする事しか考えていない様な素振りで詠春と更に銀時も悪ノリして便乗する。
思わず千雨も初対面の詠春に対しても厳しめのツッコミを入れた。

程なくして刹那も女中達にズルズルと引きずられていく。
まさか本当に焼き鳥にするのでは? と千雨とあやかが怪訝な目で見送っていると詠春は今度は土方と沖田の方にしゃがみ込んで話しかけていた。

「あなた方は桂さんを日々追っている警察の真撰組の皆さんですね」
「・・・・・・その言い方は桂の過去にやって来た事を知っている素振りだな」

友好的に話しかけてくる詠春と違って土方の目は鋭く光る。

「桂が犯罪者だと知ってる上でかくまっているという事かアンタ?」
「ハハハ、まあ厄介者と関わるのは慣れていますので、それに私はあの人が悪人とは到底思えないんですよ」
「お人好しのアンタに忠告しておくが、攘夷志士は例外なく全員悪党だ」

土方は詠春を睨みつけたままタバコを咥えて火を付ける。
すると詠春はフッと笑って

「最初に言っておきますがここで桂さん達に手を出さないようにして下さい」
「・・・・・・もし手を出したら?」
「そしたら神鳴流最強の剣士と称されているこの私がご相手させてもらいます」
「・・・・・・」
「昔の話ですがね、ハハハハ」

陽気に笑っているが一瞬詠春から胸を刺す様な殺気を感じた土方は無言でタバコの煙を吐く。
恐らく今の警告は本気だろう。
土方がそう感じていると、突然桂が立ちあがり詠春の方に近づいて行く。

「案ずるな詠春殿、今の真撰組は我々と同盟を組んでいる為手出しはせん筈だ、侍ならば一度交わした約束は破らん筈だろ?」
「フン」

不敵に笑いかけてくる桂に土方は面白くなさそうに鼻を鳴らすだけ。
同盟を組んでいる限り土方も沖田も桂には手出し出来ない。高杉を倒す為、この先もしかしたら彼等の力が必要になるかもしれないのだ。

「真撰組だろうが攘夷志士だろうが、侍という事に関しては一切変わりは無い。詠春殿、この者達は木乃香殿を護る為に必死に戦ったのだ。その点に関しては感謝して欲しい」
「それはわかってます、私にとってはそんな組織の関係なんて知ったこっちゃないですからね、娘の事を護ってくれたことに感謝してます、本当なんとお礼を言ったらいいのか」

木乃香の事を護ってくれた土方達に詠春が感謝の言葉を漏らすと、土方はタバコを咥えながら

「お礼なんかいらねえ、これが俺達の仕事だからな」
「現金で頼みまさぁ、こんだけデケェ屋敷持ってんだ、金持ってんでしょ?」
「総悟、オメーは黙っとけ」

クールに返す土方とは対照的に沖田は金銭要求。すぐに土方が後ろに振り返らずに黙らせる。すると詠唱はフフッと笑って

「現金は無理ですが、今夜は皆様に歓迎の宴を用意しております、関西呪術協会の長として盛大にやらせてもらいますよ」
「宴じゃとッ!? ちゅうことは酒と食いモン食い放題じゃァァァァァ!!! 飲もう飲もうッ! お主等も一緒に飲もうッ!」

詠春の放った言葉にピクリといち早く反応したのはさっきまで座布団でずっと頬杖を突いて呆けていた坂本だった。彼は咄嗟に前に座っている夕映とハルナの飛びついて肩に手を回す

「うわッ! 変なモジャモジャッ!」
「触らないで下さい気持ち悪い・・・・・・」
「アハハハハッ!!」
「もう・・・・・・! 女の子が恐がらせるような真似はやめなさいッ!」

驚いてるハルナとかなり不快感を感じている夕映に坂本は笑いながら抱きついている事にイライラした調子でネカネが叱りつける。

ネカネが坂本を夕映達から引き離そうと躍起になって騒いでいると、土方とのどかも宴をするとかで話し始める。

「宴だとよ、お前酒飲めたか?」
「の、飲めませんッ! 未成年ですし無理ですッ! 前にも言ったじゃないですかッ!」
「んだよせっかくオメーと酒飲めると思ってたのに・・・・・・」
「え、ええッ!」

意外にも子供っぽくふてくされた態度を取る土方にのどか口を開けて驚いた。
一緒に酒を飲むのは彼なりの楽しみ方なのだろうか、のどかが断った事に少し後悔し始めていると、後ろに座っていた沖田が突然彼女に手を回してくる。

「大丈夫だよのどかちゃん、俺が浴びるほどドンぺリ飲ましてやっから、泣こうが喚こうが俺が無理矢理飲ましてやるって、そうすりゃ酒の味もわかるだろぃ」
「い、いいですッ!」
「遠慮するんじゃねえよ、氷割りとか水割りとかそんなちゃちなレベルじゃなくて、オールストレートで一気飲みコースをご堪能させてやるぜ」
「ほ、本当にいいですぅぅぅぅ!!!」

不敵な笑みを口元に広げながら未成年の少女に対して容赦無い事を口走る沖田、のどかは泣きそうな表情で首を激しく横に振った。
彼女が沖田から解放されるのは恐らくこの先ずっとないであろう。

一方、さっきから黙っていた銀時は千雨とあやかの方に振り返り

「お前らちょっとここで待ってろ」
「え?」

そう言った後、突然席から立ち上がり、あやかと千雨を置いて詠春の方に近づいて行く。
桂とエリザベスは何処かへ行ってしまったのだろうか、姿が見えない。

「詠春さんよ、アンタに一つ質問してぇんだけどいいか?」
「どうぞ、あなたは桂さんのご友人ですしね」
「いや違えから」

詠春の言った事を即座に斬り捨てた後、銀時は口火を切る。

「アンタなんで俺達がここに来るの知ってたんだ? まるで意図的に俺達が来るのがわかってたみてえじゃねえか」
「ああ、私は関西呪術協会の長としてここら関西地域のほとんどに式神を配置しているんですよ、私の“目”となる」
「目?」

言ってる事が理解できない銀時が首を傾げると、詠春はハハハと笑って話を進める。

「一般人にはただのノラ猫、カラス、ネズミ、ノミとしか見られませんが、それらの中には私が常に関西地域の情報が分かるよう『目』として動いている式神が潜んでいるんです」
「オイオイオイ、そんな事も出来んのか・・・・・・」
「プライバシーの侵害だと思われますが、関西呪術協会の長としてあらゆる事を把握しておかなければいけないので」
「いやどっかのジジィとはエライ違いだわ」

自分の所の学校でいつも自室でふんぞり返っている老人を思い浮かべて銀時は言葉を返す。
あの老人が詠春のような事をやっているとは到底思えない。

「てことは俺達がここでやってたことは全部知ってたって事か?」
「全部ではありません、あくまで大体です、私の力も最近衰えが来ているので目となる式神の数も減っているんです。本当は娘の周りに1000匹ぐらい私の『式神ゴキブリ』を配置したいんですがね・・・・・・」
「そうか衰えて良かった、娘さん泣くから絶対に止めろよそれ」

何気に恐ろしい事を自然に話す詠春に銀時はすぐに却下させる。
娘に対する愛情が深いのは分かるが、そこまで行ったら嫌がらせに近い。

「親バカも大概にしとけよアンタ」
「ハハハ、生前の奥さんにもよく言われてましたけどこればっかりはどうも・・・・・・それより私からも一つお願いしていいですか?」
「あん?」

小指で鼻をほじっている銀時に不意に詠春は口を開く。

「実は今、お義父さんから預かった親書を持ってきてくれたネギ先生がお見えになっているんですけど」
「あッ! やっぱアイツも来てんのかココッ!?」
「ええ、だいぶ前に」

銀時が鼻から小指を抜いて驚いていると詠春は更に話を続ける。

「あの子に会っても・・・・・・両親の件は黙っていて欲しいんです・・・・・・」
「父親が死んでいて母親が敵だって事をか?」
「まだ10歳の子供にそれを話してしまうのはあまりにも残酷すぎるので・・・・・・」
「・・・・・・」

真剣な眼差しで見つめてくる詠春に銀時は黙ったまま頭を掻き毟る。確かにまだあんなに小さい子供にそんな事を聞かされて動揺しない筈がない。塞ぎこんでしまう可能性もある。

「わかったよ・・・・・・親の事は言わねえ」
「ありがとうございます・・・・・・」
「それでいいのかはわかんねえけどよ」
「そうなんですよね・・・・・・」

詠春は銀時に頭を下げてお辞儀をした後、表情を険しくさせる。
こればっかりは何が正しいのか、詠春も銀時もわからない。

「じゃ俺は千雨とあやかと一緒にその辺ウロついてるわ、宴会の時間が来たら知らせてくれや」
「わかりました時間が来たらすぐに式神ゴキブリを」
「止めろ」

二カッと歯を輝かせる詠春に銀時は言葉を残した後、すぐに踵を返して座っている千雨とあやかの元に行く。そこには何故か彼女の姿もあった。

「ねえ隠し事してないで私にも色々教えてよぉ、私と夕映とハルナだけなんか疎外感MAXじゃ~ん」
「あ~後ろから抱きつくなうっとおしいッ!」
「何やってんのお前等?」

嫌がっている千雨の背中に、和美が猫撫で声を出しながら抱きついて離さない。
じゃれ合っている二人に銀時が不審な物を見る目つきをしていると立っていたあやかが話しかけてくる。

「あら銀さん、お話はもう済んだんですか?」
「終わったけどよ、なんで和美の奴は千雨の奴に抱きついてんの?」
「今まで起こった事を話して欲しいそうですわ」
「んだそんな事か」

訳を聞いた銀時はハァ~とため息を突く。よくよく考えれば和美や夕映とハルナは今起こってる事件の事を何にも知らない筈だ。

「ここまで来てんだ、ありのままに起こった事を全部教えてやってもいいだろ」
「いいんですか? 朝倉さんはわかってますが、夕映さんとハルナさんは魔法使いとか異世界とか知りませんし・・・・・・パニックになるかもしれませんわよ・・・・・・?」
「そんな事でパニックになる連中だったら、こんな所までついてこねえだろ」
「それもそうですけど・・・・・・」

楽観的に銀時は答えると三人の生徒を置いて大広間から出ようとする。

「お前等そいつ等に全部教えてやれ、俺はネギとバカレッド探す」
「あ、私も行きますわッ!」
「私もッ! むぎゅッ!」

開いてる入口から出て行く銀時にあやかが慌てて彼の後ろについていく。千雨も行こうとしたが、背中に乗っかっている和美にのしかかられて押し潰されてしまった。

「千雨ちゃ~ん、起こった事を全て私にぶちまけて~、千雨ちゃんの着替えを撮った写真クラスのみんなに配っちゃうよ~」
「・・・・・・教えてやるから、早く下りろバカ・・・・・・・」

脅しともとれる和美の催促に千雨は観念したのか、彼女に押しつぶされながら呻くような声で呟く。

数分後、千雨は和美、ハルナ、夕映相手に一人で世界の法則が歪みまくるぶっちゃけ話を渋々話し上げるのであった。























































夕日が沈み段々空が暗くなってきた頃、銀時はあやかを連れて木乃香の実家である屋敷の長い廊下を歩きながらネギとアスナの事を探していた。

「デカ過ぎだろここ、人の家で迷子になるのはゴメンだぜ」
「ネギ先生とアスナさんは何処でしょうね・・・・・・」
「しらみ潰しに探せば見つかるだろ」

曖昧な返事をしながら銀時はふと窓際に目をやる。
もうすぐ日が沈む。

「・・・・・・時が経つのは早えな」
「ええ、楽しい事や大変な事が続くと特に・・・・・・」
「楽しい事?」

銀時があやかの方に振り返って彼女の言った事に「?」と呆けた顔をすると、突然緊張したようにあやかは斜め下を向いて答える。

「あ、あなたと一緒にシネマ村をデート出来た事に決まってますわ・・・・・・・」
「ああそれか、忘れてたわ」
「なッ!」
「でもま、俺も楽しかったと思ってるよ、お前と二人にいる時間ってあんま無いしな」
「!!!」

珍しく素直に若干笑みを浮かべて感想を言ってくれた銀時にあやかは顔を紅潮させる。
彼の性格上どうせ不満をだらだらこぼすのかと思いきやまさかの・・・・・・

「反則ですわ・・・・・・」
「へ?」

震えながら呟いたあやかの言葉に銀時が後ろ髪を掻き毟りながら目をぱちくりさせる。
すると彼女は顔を上げて

「銀さんのそういう所が反則なんです・・・・・・」
「・・・・・・は?」
「そうやって恋愛の仕方がわからない少女を3人もたぶらかして・・・・・・」
「いや人聞きの悪い事言うなよ・・・・・・」
「・・・・・・・私の想いを知ってる上に更に畳み掛けてくるなんて酷いですわ」

怒ってるのか照れ隠しなのかわからないがいきなり銀時に文句を言ったあやかは、突然飛びついて彼に抱きつく。

「ってオイッ! いきなり抱きついてくんじゃねえよッ!」
「・・・・・・もう」

腰にしがみついてくるあやかに銀時は声を荒げながらパニックになっていると、銀時の胸に顔をうずめているあやかがボソッと呟いた。

「・・・・・・銀さんの女たらし」
「ハァ~・・・・・・悪かったな、こういう男なんだよ俺は」
「銀さん・・・・・・」
「あん?」

まだ言うかと銀時はため息を突いていると、あやかは抱きついている状態で銀時の方に顔を上げてニコッと笑った。

「今度はあなたの方から私をデートに誘って下さいね」
「!!!」
「銀さん?」
「お前も反則技持ってんじゃねえか~・・・・・・やべぇよこの娘、えげつない凶器隠し持ってたよ、審判何やってんの、ちゃんと没収しとけよチクショー・・・・・・」

いきなり顔を背けて小声で独り言をつぶやく銀時にあやかはキョトンと首を傾げる。
額から汗を掻いて動揺する銀時、あやかの思わぬ武器は、大人の姿勢を取っていた彼にはかなり効いたらしい。

「一瞬KOされるかと思ったわ・・・・・・」
「フフ、やっぱりこうやってると落ち着きますわね・・・・・・」
「お前だけだろ、こっちは落ち着かねえよ・・・・・・」

自分の胸に顔をうずめて笑っている様子のあやかに銀時は冷や汗を流しながらしかめっ面をする。
しかしそれから10秒も経たずに・・・・・・・

「腹減った~早くご飯食べた~い」
「アスナさん、いっつもお腹空いてますね・・・・・・」
「うっさいわね、成長期なのよ」
「兄貴、尻尾をのりで付けて見たんですけどどうッスかね・・・・・・?」
「いや無理だと思うよ・・・・・・帰ったら接着剤でも買って上げるよ」
「かたじけねえ兄貴・・・・・・」
「尻尾の一つや二つ取れたからって大げさなのよ、もっと自分に自信を・・・・・・」

突然向かいにあった襖から他愛のない会話をしながら出て来たのは、銀時とあやかが探していた、ネギとアスナ、そして使い魔のカモ。
二人と一匹は襖を開けた瞬間、目の前で抱き合っている銀時とあやかを見て、時が止まったようにフリーズする。
銀時とあやかもすぐに気付いて彼等の方に振り向く。
しばらく真顔で目が会う両者。
そして

「「「ごゆっくり」」」
「待てぇぇぇぇぇ!! 何気を使おうとしてんだテメェ等ァァァァ!!!」

襖をゆっくりと閉めて行くアスナ達に我に返った銀時があやかを引き離して飛びかかり、襖が閉まる前に両手でこじ開ける。

「違うからッ! これはアレだからッ! アメリカ式ハグだからッ!」
「何その下手な言い訳、ここ日本なんだけど?」
「銀さんも達もここに来たんですね、それと・・・・・・」

慌てた様子で銀時が言い訳するがアスナはジト目でそんな彼を睨みつけて全く信じていない様子。隣に立っているネギは軽く軽蔑のまなざしで銀時を見る

「前から思ってたんですけど何人もの生徒に手を出すのは僕はどうかと?」
「うるせえッ! 一番お前にだけは言われたくねえよッ! 自分の作品読めぇぇぇぇ!!」
「しょうがないッスよ兄貴、銀の兄貴だから」
「ナマモノそれどういう意味だコラッ! おいあやか何か言ってやれッ!」

ネギと彼の肩に乗っかっているカモにそんな事を言われて銀時は後ろに振り返ってあやかに助けを求める。だが彼女はフラフラした足取りでこっちに近づき、そして

ポフッと銀時に再び抱きついた。

「もういいですわ・・・・・・好きなだけ見て下さい」
「オイィィィィィ!! 何してるかわかってんのあやかちゃぁぁぁぁんッ!?」
「へ~成長したじゃないいいんちょ、どうせ気絶でもするのかと思ったら」
「あ~もうわかったよッ! そうやってずっと俺に抱きついてろッ! ハァ~・・・・・・それよりネギ」
「あ、はい」

また自分の胸元に顔をうずめてしまうあやかに銀時はもうどうにでもなれと諦め、ネギの方へ振り向く。

「お前のネエちゃん来てたぞ、早く会いに行ってこいよ」
「お姉ちゃん? えッ! それってもしかして金色の髪を揺らしてクリリとした目がカワイイ、すれ違ったら誰もが振り返るであろうな絶世の美女のネカネお姉ちゃんの事ですかッ!? どうしてまたッ!?」
「どんだけお前にとってネカネお姉ちゃんランク高いんだよ・・・・・・大広間にいるから会ってこい」
「わ、わかりました」

銀時にそう言われてわけもわからずにネギは頭を掻き毟りながら彼の横を横切る。

「なんでネカネお姉ちゃんが京都に来てるんだろ・・・・・・」
「久しぶりに兄貴の顔見たくなってきたんじゃないッスか?」
「それならこっちからウェールズに行ったのに・・・・・・」

混乱している様子でカモを連れてネギは大広間に向かって行った。
残されたアスナは一人でジーッと銀時に抱きついているあやかを眺める。

「幸せそうね」
「こうやってる時が一番幸せなんです・・・・・・・」
「あ、そう」
「あの~あやかさん、そろそろ離れてくれない?」
「すみません、もっとアスナさんに見せびらかしたいので・・・・・・」
「いや別に俺は見せびらかしたくないんだけど? 出来れば誰にも見られたくないんだけど?」

モゾモゾと胸に顔をうずめて動くあやかに、銀時は他に誰も来ていないか辺りを窺っていると、アスナはフンとあやかに向かって鼻を鳴らした。

「私だって抱きしめてくれる相手ぐらいいるわよ」
「嘘おっしゃい、銀河系全てを巡ってもいやしませんわ」
「どんだけ私モテないのよ・・・・・・! ちゃんといるわよッ!」
「じゃあ誰ですか?」

銀時に抱きつきながらあやかがアスナに疑ってる視線をぶつける。
アスナはフフンと笑い

「ここの家主の詠春さんッ!」
「は?」
「あの渋さがたまんないのよッ! 私決めたあの人と結婚するッ! 今度から木乃香には私の事を“お母様”と呼ぶよう義務付けさせるわッ!」
「・・・・・・」

親友の父親を真剣に狙っている表情をするアスナにあやかはしばし唖然とした表情。

しかしすぐにそんな彼女にゆっくりと笑みを浮かべボソッと呟いた






















「救急車呼びましょうか?」






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