長谷川千雨は、麻帆良生徒の女子寮の部屋に一人で住んでいる。表の顔は何処にでもいそうな地味な学生なのだが一度家に帰ると・・・・・・「は~い! みんなのアイドルのちうたんは夜も元気だぴょ~ん!」夜の女子寮で千雨はいつも付けているメガネを取り、外を出る時は絶対にしない化粧までして、服を着替えて一転し、彼女ははパソコンの前に座って、普段は絶対に言わない口調を使いながら、物凄く早いタイピングで文字を打ち込んでいく。何故なら彼女の裏の顔は「今日はね~みんなに見せようと思ってゴスロリ衣装を着てみたの~! 黒がメインで白がちょっと混ざった衣装だぴょん、 今から写真とるから待っててね~!」千雨が今開いているホームページの名前は「ちうたんのホームページ」これは自分が立ち上げたサイトであり、彼女はそこでは表の地味さとは全く正反対のネットアイドルを演じている、これを知っているのはただ一人・・・・・・・「え~と・・・・・・カメラ何処置いたっけ・・・・・・?」「ちゆたん、ちうたん、こっちこっち、はいチーズだぴょ~ん」「は~い」「イイよ~ナイス笑顔、これで今月もネットアイドルランキング一位じゃねえの~? でも銀さん的には黒いゴスロリを着てるなら黒い翼生やすとか、髪の毛銀髪にするとか、やってくれるともっとイケると思うぴょ~ん」「そうですか~? じゃあ明日アキバで買いに・・・・・・って何してんだテメェェェェェ!!!」突然素に戻って、千雨はドロップキック。対象物はどさくさに普通に部屋に紛れて、カメラのシャッターを切る一人の白衣を着た男。坂田銀八、千雨のクラスの副担任でもあり万事屋のオーナーであり千雨が唯一信頼している男。そして彼女の事実を唯一知っている男でもある。「おいおい、ノリツッコミも出来るようになったのかよ、お前どんどんツッコミのレベル上がってんじゃん、もうネットアイドルじゃなくてツッコミアイドルで売り出してみろって、ヒットするぞ間違いなく」「うるせえよッ! ていうかどうやって入ってきたんだよッ!? ドアは今回は閉めてるはずだぞッ!」「そりゃあお前、ドアが入れなかったら窓から入ればいいじゃない? という格言を元にここまで来たんだよ」「どんな泥棒テクを身に付けたアントワネットッ!? 不法侵入罪で訴えるぞッ!」銀八の言う通り、窓が少し開いているので、自分が気付いていない内にここから壁を登って入って来たのだろう。どういう神経をしているんだこいつは・・・・・・と思いながら、千雨が窓をバタンと閉めて振り向くと、そこには普通に彼女の部屋でくつろいでテレビを見ようとする銀八の姿が。とりあえず千雨は深いため息を吐いた後、ゴスロリ衣装のまま彼の隣に座る。「何しに来たんだお前・・・・・・?」「へ~ヘキサゴンで普通にフジモンとユッキーナ共演してるよ、大丈夫なのかコレ? 大丈夫なのか紳助さん?」「いやヘキサゴンじゃなくて・・・・・・」「最近この番組見てるとさ、クイズの方じゃなくてそっちの方が気になるんだよね? イケるのあの二人? 庄司みたいにイケるの? 陣内みたいに破滅とかしねえよな?」「おいこっち向けってッ!」「うおッ! うるせえよッ!」話を全く聞こうとせず、テレビ鑑賞に浸っている銀八に千雨は彼の耳元で叫んでこっちに向かせる「で? 本当は何しに来たんだ?」「ネットアイドルを頑張っているちうたんを応援しにきたんだぴょん」「ウソつけッ! つーかその喋り方止めろッ!」何故かとぼける銀八を見て、千雨は目を細めて銀八に最後の追及をする。「で? とぼけるんじゃねえぞ、何で私の部屋に侵入してきたんだ?」「千雨・・・・・・」「な、何だよ急に真顔になって・・・・・・・」急に真顔になって自分を見つめる銀八に思わず千雨は座りながら身を固ませる。そして次の瞬間、銀八は両手を床につけて「俺を今晩ここに泊らせて下さいッ!!」・・・・・「・・・・・・は?」目の前で思いっきり土下座して必死に懇願する銀八に、千雨は口をポカンと開けてわけがわからずただ呆然とするだけだった時は数時間前に戻りエヴァの家にて「私が冷蔵庫にしまっていた大量のチョコが姿を消した、食べた奴は正直に手を挙げろ、今なら3分の2殺しで許してやる」「マスター、3分の2はほとんど死んでいます」「おいおい、京都で謎の忍者が目撃されたってよ、俺達の世界では結構いたけどこの世界にも、普通にいんのこうやって忍者? いやまあウチのクラスに忍者疑惑お奴出てるし、つーか完璧忍者だし、あー世の中もう忍者だらけだよ、NARUTOの影響どんだけ受けてんだよ」 エヴァが喋っているにもかかわらずまだ白衣を着ていた銀八はソファに寝転がって新聞を読みながら天を仰いでいる。鼻から血を出して・・・・・・「おいどうした幸せそうに鼻血垂らして? 美味かったか? 私のチョコ美味かったか?」「そんなチョコ食って鼻血出すなんて、今時そんなベタなの無いっすよ先輩」「誰が先輩だ、ここにいる奴らの中で物を食べる事が出来るのは私とお前だけなんだよ」鼻血を流す銀八の顔をむんずと掴んで尋問に入るエヴァ、銀八は顔を掴まれた状態でなおもすっとぼける「食べられない? いや待て茶々丸はきっと色々食ってるよ、あいつお前のいない所でモリモリ食ってるよ? ぜってー隠れてミスドやモスみたいなおしゃれな店に行ってるよ?」「こいつはロボットだから食べ物は必要ないんだよ」「じゃあチャチャゼロだ、あいつ食い意地悪そうじゃん、絶対食ってるよ間違いなく」「あいつも茶々丸と同じで食べ物はいらん」「マア酒ハ飲ムケドヨ~チョコトカソンナガキミタイナノ食ワネエヨ、ゴ主人ジャアルマイシヨ」「チャチャゼロ、お前も後で処刑」銀八の顔を掴んでいるエヴァの後ろでケラケラ笑っているチャチャゼロチャチャゼロは後でやるとして・・・・・・そう思いエヴァは銀八に顔を近づけていく。「お前食ったよな? 銀時?」「エヴァ・・・・・・・実を言うと俺の正体は侍ではなく、この世の悪を抹殺するために生まれた忍者なんだよッ!! 本当はあのチョコには猛毒が入っていて俺が処理するためにそこにあるチョコ全部食って・・・・・・むぐッ!」「何で猛毒入りが入っているチョコ食うんだよ・・・・・・!? 最近どんどん調子に乗って来たな、そろそろお灸をすえてやらなければならんのか・・・・・?」「お灸だァ~? 調子乗ってるのはお前じゃねえのッ!? チョコ食いました、それがどうしたんですかッ!? あ~美味かったよッ! チョコ美味かったよッ! 銀さんの口の中を満足に満たしてくれたよッ!」 顔の頬を思いっきり掴まれて、ついに本当の事を言った銀八にエヴァは勝ち誇ったような顔を見せる。「やっと白状したな・・・・・・つまみ食いした罪は重いぞ」「何だよ・・・・・・? つーかお前も前回やってなかった?」「今日は外で寝ろ」「は?」「茶々丸」「了解しました」「いや待てってオイ・・・・・・のおッ!」銀八が何か言う内にエヴァの命令で茶々丸は彼を窓からほおり投げる。地面に大の字で倒れる銀八に、窓から顔を覗かせてきたエヴァが喋りかける。「罰として今日は野宿で過ごせ、じゃあな」「いやちょっと待てってッ! おいッ!」立ちあがった銀八はエヴァに向かって走るのだが、彼が窓に手をかけようした瞬間ピシャッと目の前で閉められた。「ふざけんじゃねえよおい・・・・・・あのガキどんだけチョコ好きなんだよ・・・・・・スモークチーズじゃねえのかよ、しょうがねえ・・・・・・あいつの家にでも行ってみるか・・・・・・」ブツブツと小言を言いながら銀八は夜の中を歩いて目的地へと行くのであった。「で? エヴァと痴話喧嘩して追い出されて・・・・・・その目的地がどうして“私の所”なんだよ・・・・・・・?」「お前一人暮らしだろ? あやかの所は他に女子二人いるから居心地悪そうだし、それに引き換えここにはネットアイドル一人、寝るならここの方がいいだろ」「あのな・・・・・・」銀八の話を聞き終わった後、腕を組んで聞いていた千雨は頭を掻いてどうしたものかと考える。「生徒の一人の家に上がりこむ教師なんてお前ぐらいなもんだぞ・・・・・・」「安心しろよ、俺は子供に興味無えから、間違いは起こさねえ」「どうだかね・・・・・・・ハァ~もういいわ・・・・・・部屋汚すんじゃねえぞ」「へ?」「一泊だけだからな・・・・・・」「マジでヨッシャァァァァ!! 野宿しなくて済んだァァァァ!! いや~やっぱ同じ長谷川でも家がある長谷川は違うわ~」「どういう意味? まあいいや・・・・・・私ちょっと着替えてくるから・・・・・・」そう言い残して千雨はガッツポーズを上げている銀八を部屋に残してシャワールームの所へ着替えを持って行く。彼がいる目の前で着替えをするわけにもいかない「痴話喧嘩に巻き込みやがって・・・・・・まさか男と同じ部屋で寝る事になるなんてな・・・・・・」千雨はゴスロリ服を脱いでパジャマに着替えながら、ボソリと呟く「あいつって・・・・・・一体私の事どう思ってるのかな・・・・・・・?」化粧を水洗いで下ろして、いつものメガネをつけて鏡を見ながら自分に問いかけるように呟く。だがその答えは本人にしかわからないのであった第二十三訓『アイドルだって喜怒哀楽がある人間なんだよ』千雨は着替えを終え、部屋の中の物をほとんどシーツで隠して誰が着てもまさかここでネットアイドル活動していないような雰囲気にし、ただの殺風景な部屋に変えた後、銀八と共にテレビゲームをしながら時間を潰していた。「まあな~お前って気軽に友達を部屋に呼べる性質じゃないのはわかるよ、だってネットアイドルとかなんとか変なのやってる人間だし? 人には言えないような恥ずかしい事だと言うのは知っているけどよ、でもそういうのも全てさらけ出せばいいじゃない? あいつ等お前みたいに変な奴ばっかの集団なんだからさ、簡単に受け入れてくれるよ?」「誰が変なのやってる人間だよ・・・・・・お前だって変人だろうが・・・・・・!! 夜中に女の部屋に忍び込んでくるなんて立派な変人だろうが・・・・・・!!」「いや待て待て待て、ハメは駄目だよハメは、俺格ゲーとか慣れてないんだからさ~、しかも俺が選んだキャラただ俺と声が同じだからっていう理由だけだからね~コマンドとか全然わからないんだからね~」格ゲーをやりながら千雨と会話をする銀八は必死にテレビを見ながらコントローラーで操作するのだが、彼と比べて千雨はかなりのゲーマー、基本負けなしである。彼に話しかけられても彼女はコントローラを巧みに操って銀八が見たこと無いコンボでフィニッシュ。その瞬間銀八は深くうなだれる「何でお前こんなに強いんだよ・・・・・・一緒にやる友達もいねえのに・・・・・・俺等とエヴァの家でスマブラやる程度なのに・・・・・・」「よ、余計なお世話だッ! このゲームはオンラインもあるからネット上で顔も合わせずに戦えるんだよッ!」「結局ネット絡みかよ・・・・・・・ネットの交流もいいけど、リアルでも色んな奴と交流しろよ」「んだよ、別に良いだろ・・・・・・私はお前達と交流で精一杯なんだよ・・・・・・」千雨が過去交流が深い方なのはあやかやエヴァ、和美、そして一番交流が深いと思われる銀八という何とも寂しい人間関係を作っている。しかしこれでも彼女にとっては劇的な変化だ。「ったく、私ってお前がここに来るまではずっと一人でいたのによ・・・・・・お前と初めて出会った瞬間から私の人生が思いっきり変わっちまった・・・・・・・」「ああ、俺がお前と最初に会った時ね、スクーターで轢いた時?」「そうだよ・・・・・・あの前でもお前の印象最悪だったのにあれで更に悪化したんだよ・・・・・」銀八と千雨が初めて顔を見合わせたのはずっと前、校庭を歩いていると突然後ろから銀八がスクーターで体当たりしてくるという。ラブコメの展開を思いっきり突き抜けた出会いだった。「今だから言うけど、私ってお前の事嫌いだったんだぞ、無神経でちゃらんぽらんでバカで腰に木刀差している変人の中の変人・・・・・・そんな奴がここに来た瞬間、全てが終わったなって感じたな・・・・・・」「お前、俺の事そうだと思ってたの?」「今でも思ってるよ」「殴るぞオラ」千雨がスクーターで轢かれたその日に、彼女は早退してこの部屋に戻っていつものネットアイドルの活動をしていた時に彼が突然部屋に入って来たのだ。それにより彼女の歯車が狂いだす。「あの時は、ここでお前とこうやって一緒にいるなんて想像できなかったな・・・・・・」「まあ人の人生なんて小さな石ころ踏んだだけで変わっていくもの何だよ、わかったか?」「私にとってお前は石ころじゃ済まないんだけど? 超ド級の大岩なんだけど?」話をしながら千雨はゲーム機の電源を切って、押し入れから毛布を一枚取り出し銀八にほおり投げる。「それ布団に使って床で寝てくれ、じゃあ」「おいおい、何お前ベッドに入ってもう寝ようとしてるの? まだ9時だよ、テレビ見てみろよ世界仰天ニュースやってるよ? 『扇風機おばさん』とかすっごい怖いのやってるよ?」「いいよもう、基本この時間は私のホームページを更新するのに、お前がいるから出来ねえんだよ」千雨がベッドに入って布団に潜り込んだので銀八が潜り込んでいる彼女んに近づいて揺らして起こそうとする。ちなみに銀八が言っている『扇風機おばさん』というワードを絶対に検索してはいけない。「お前まだ夜は終わってねえよもっとはしゃげよ、普通人が泊まりに来たらテンション上がってオールで遊ぶもんだろ? おら起きろよスマブラ大会と桃鉄大会とかやってねえんだぜ」「子供かよ・・・・・・つうか大会ってそれ全部4人でやるもんだろうが、2人でやっても盛り上がらねえよ・・・・・・」「んだよじゃあもう2人連れてくればいいんだろ」「へ・・・・・・?」銀八が言った事に思わず千雨は布団から顔だけ覗かせる。なんだか凄くいやな予感がする・・・・・・そう思っていると彼は千雨の反対方向へと歩いて目の前にある壁に向かって「オラァァァァ!! 起きろバカ共ォォォォ!!」「何してんだお前ェェェェ!!」助走をつけて壁に向かってとび蹴りを行い、その瞬間部屋中に振動が響き渡る。いきなり何するんだと千雨が銀八に怒ろうとした時、隣の部屋からバタンッ! と勢いよくドアを開ける音が聞こえ、次の瞬間この部屋のドアを力強く叩く音が聞こえてくる。驚いている千雨を尻目に銀八は「お~来た来た」と玄関へと歩いて行く。「おら開けろコラッ!」「白夜叉ッ! 何でお前が隣にいるんだ開けろッ!」「うるせえな、はいはい今開けますよ」銀八がドアを開けるとそこにいたのは不機嫌そうな様子の土方と刹那が二人して息を荒げている。土方は寝巻用の着物で刹那はパジャマ。どうやらもういつでも寝る体制に入っていたらしい。「早かったな、お前等」「てめぇ仕事オフだから『世界仰天ニュース』見てるって時に壁蹴って驚かすとは良い度胸じゃねえか・・・・・・何がやりてえんだコラ?」「私なんかいきなり壁から白夜叉の叫び声が聞こえてきたから、飲んでたお茶吹き出したんたんだからな・・・・・・」「まあまあお前等の言いたい事はわかる、いきなり呼びだして悪かったのも認める、でもこっちもかなり深刻な状況だからさ」「深刻な状況だぁ・・・・・・? お前が女子寮の部屋にいる事自体“深刻な状況”だろ」「それ貴方が言えますか・・・・・・?」銀八に言い分に土方がツッコんで更に刹那が彼にツッコんでいると、銀八が二人を部屋に上がるよう誘う「とりあえず立ち話もなんだ、上がれよ」「おい銀八ッ! 何人の部屋に上がらせようとしてんだよッ!」「あ、万事屋の所のメガネ」「ああそういえばここ千雨さんの部屋でしたっけ?」「そうだよッ! 銀八いい加減にしねえと追い出すぞッ! アンタ等も帰っていいからッ!」慌てた様子で千雨が玄関に入ってきて土方と刹那を帰そうととするが、彼女の肩に腕を巻いて銀八が一旦玄関から離れてリビングに戻る。「いいか~? これはお前の為でもあんだぜ、万事屋の所しか交流の場が無えお前に、こうやって万事屋メンバー“以外”の奴等とも交流も深めていけばいつの間にか他の奴等ともツルめる事を覚えて友達ゲットだぜ、的なノリが成立するんだよ」「いいよ私はッ! そういうコミニケーションとか必要無えからッ! 友達もいらねえしッ!」「しょうがね~な、ここはシャイな生徒の為に教師たる俺が手助けしてやるか、おら上がれよお前等」「オイィィィィィ!!」勝手に2人を再度呼ぶ銀八に千雨が叫ぶも土方と刹那は、靴を脱ぎ捨ててリビングに入ってくる。「何だこれ?随分と殺風景な部屋だな」「千雨さんこのシーツ何ですか?」「だぁぁぁぁ!! それめくるなッ!!」ブツを隠しているシーツに刹那が手をかけようとした時、千雨がそれを全力で阻止する。バレたら非常にマズイ物がここにはいっぱい転がっているのだ、もし一つでも見られてしまったら千雨は二度と外に出たがらないであろう。(銀八の奴本当に何考えてんだッ! もしこいつらにバレてもしたらもう国内歩けねえよッ!)「あれ仰天ニュースって何チャンだ?」「6か4ですよ」「お前等は人の部屋で勝手にテレビいじってんじゃねぇぇぇぇ!!」土方と刹那が千雨の部屋にも関わらずテレビを見始めていると、銀八が二人に近づいて肩に手を置く。「今は仰天ニュースは置いとけ、実はなぁゲームの対戦やりてえんだけど2人足りなかったんだよね~、だから暇そうなお前等を誘ったんだよ」「はぁ? ゲームだ? 何言ってんだお前? 深刻な状況ってゲームの相手いないだけかよ、お断りだテメェ等と遊んでられっか」「暇そうなお前等ってお前の方が年中暇してるだろ、付き合ってられん」やはり二人とも銀八の誘いを断る。元々銀八とは相性の悪い二人、素直にうんと言うわけがない。これで銀八も諦めてくれるかな・・・・・・っと千雨が淡い期待をするのだが、残念な事に彼にとってこれは予想範囲だった、銀八は突然二ヤつきながら二人を見る。「何だお前等俺にゲームで負けるの恐いのか?」「あ? 今なんつった・・・・・・?」「負けるのが恐いだと・・・・・?」「まあ別にこのまま帰っていいけど~つまりそれは俺に負けるのを恐れて逃げたって意味になるわけで~それでいいならどうぞお帰り下さ~い」その言葉に土方と刹那の頭の血管がプチっと切れた。「上等だテメェ・・・・・・後で後悔すんじゃねえぞ・・・・・・」「そこまで言われて帰るわけにはいかない・・・・・・!」二人して喧嘩腰になる土方と刹那に銀八は満面の笑みで「そうこなくちゃな」と言った後、後ろでポカーンとしていた千雨に近づいて耳元で小声で話しかける。「・・・・・・ほら見ろ、こいつ等って筋金入りの単純構造だからよ、すぐ食いつくんだよ本当こういう台詞にさ~・・・・・・・」「・・・・・・つまりお前と同じか・・・・・・」「・・・・・・・俺は違えよこいつ等見たいな単純構造じゃねえもん、精密構造だからね銀さんは・・・・・・」「・・・・・・はいはい・・・・・・」銀八の意見を軽く受け流した後、千雨はもう諦めてため息をつくそして銀八、千雨、土方、刹那の4人による。夜中のゲーム大会が始まったのであった。「死ねェェェェェェ!! 万事屋ァァァァァ!!」「うっせえよお前が死ねッ!!」「あれ・・・・・・ジャンプって何ボタンですか?」「お前ゲームした事無えなら何でここいんだよ・・・・・・ていうかもう2時間プレイしてんだからいい加減覚えろよ・・・・・・」「白夜叉に挑発されたのが悔しくてつい・・・・・・私剣術以外の勉強は不足していて・・・・・」土方と銀八が互いにテレビに向かって叫びながらコントローラを押しまくる。それに引き替え、刹那はゲーム自体未経験者なので事あるごとに焦って隣のベッドの上で横になりながらゲームをしている千雨に質問してくる。「千雨さんってゲーム得意なんですね、白夜叉や土方さんも近づけないぐらい強いじゃないですか」「ま、まあ大した事じゃねえよ・・・・・・」「おいマヨッ! さっさとくたばっちまえよッ! つーかお前がリンク使うんじゃねえッ! 無双の政宗とBASARAの政宗でごちゃごちゃになるだろうがッ!!」「うるせえなッ! お前なんか侍のくせに何でファルコンなんか使ってんだよッ! 侍なら刀を使え刀をッ!!」「お前等少し静かにしろォォォォ!!!」「いえ千雨さんのツッコミも静かにした方がいいのでは?」吠えながらゲームをしている土方と銀八に千雨が静かにしろと叫ぶ。こんな大声で叫ばれたら他の女子寮に住んでいる人達に何事かと思われてしまう。目立ちたくない、それが彼女の性格だ。だが2人はお構いなしに声を荒げながらゲームに夢中であった。「はッ! 万事屋テメェもそろそろ終わりだッ!」「土方さん援護しますッ!」「んなろ~こうなったら・・・・・・ファルコンキィィィクッ!!」「アダァァァァ!!」「何ガキに向かってリアルの蹴りやってんだコラァァァ!!!」劣勢に陥っていた銀八はあろうことかリアルで隣に立っている刹那にローキックをお見舞いする。刹那が動けなくなった瞬間、銀八はゲームに戻り状況を立て直す。「お前何人のガキ、リアルでKOさせてんだよッ! これゲームだぞッ! ゲームなんだから大人になれよッ!」「お前に言われたくねえよッ! さっきお前等、俺をぶっ飛ばそうとしてボム兵投げまくったろッ! お返しだお返しッ!」「リアルで返すんじゃねえよッ! オラオラオラァッ!」「ぬおッ! ヤベェこのままだと・・・・・・千雨ヘルプッ!」「私を巻き込むんじゃねえよ・・・・・・つか両方とも大人になれ・・・・・・」ゲームで再び土方に押され出したので銀八は千雨に助けを求めるが、彼女は二人の戦いを傍観する事に。そんな千雨に銀八は舌打ちした後、右にいる土方に向かって・・・・・・・「ファルコンパァァァァンチッ!!!」渾身の右ストレートを土方の顔面に当てようとするが土方は膝を折ってそれを難なく避ける「お、俺のファルコンパンチがッ!!」「ふん、テメェの考えは見え見えなんだよ、ウチのガキの仇だ、くたばりやがれェェェェ!!」「食らうかボケェェェェ!!」「部屋の中で暴れんじゃねェェェェ!!」土方の反撃の前蹴りに、銀八はそれをなんとか避ける。そんな二人に千雨が叫ぶのだが全く聞いてくれない「へ、やっぱゲームよりこっちで決着付けた方が良さそうだな・・・・・・!!」「上等だかかってきな、おいガキ起きろ」「はい・・・・・・」「お前さっきまで倒れてたのに復活してんじゃねえよッ!」「私の部屋で暴れんなァァァァ!!」千雨の言う事も聞かず銀八、土方、刹那はコントローラーを置いて他人の部屋だろうが関係なくルール無用のリアルでの大乱闘を始めてしまう。混じり合う罵声、混じり合う拳、千雨の部屋全体が振動で響き渡るほど大きな雑音が鳴りっぱなしだった。それをドアの隙間から覗く目が一つ「土方さんと桜咲さん何やってるんだろ・・・・・・?」廊下を歩いていたら何やら騒がしいと思い、パジャマを着ている宮崎のどかは千雨の部屋を覗いてみると4人の男女がギャーギャー騒いでいる光景が、しかもそこには土方と刹那も混ざっている「ここ長谷川さんの部屋なのに何でいるんだろ・・・・・・?」「のどかさん千雨さんの部屋の前で何やってるんですの? 覗きのスキルでも開花したんですか?」「いいんちょッ! いやそうなじゃなくて、長谷川さんの部屋が大変な事になってて・・・・・・!」「はい?」のどかが千雨の部屋のドアを覗いているのを見て近づいてきたパジャマ姿のあやかに、彼女は必死にドアの隙間を指さす。あやかは首を傾げながらのどかが見ていた隙間から覗いてみる。「あれ・・・・・・? 何で千雨さんの部屋に銀さんが・・・・・・?」「土方さんもいます・・・・・・」「とりあえず入りましょうか、こんなに騒がしくされると眠れませんし」「え・・・・・・でも勝手に入っちゃ・・・・・・あ」のどかの制止も聞かずあやかはガチャっとドアを開く。その音に千雨が気付いて玄関まで走って来た。「すいませーん、近所迷惑ですわよ」「おまッ! 勝手に部屋に入ってくるなッ! これ以上ここに人呼びたくねえんだよッ!」「それより何で銀さんがここにいるんですか?」「いやそれは色々事情があって・・・・・・・」あやかに睨まれて千雨はうろたえながら説明しようとする前に後ろから叫び声が聞こえる。「ファルコンチョォォォォップッ!!」「そんな技ねえだろうがッ!!」「白夜叉ッ! 大人になれッ!」「だからお前等うるせえってッ! いい加減にしねえと銀八、お前泊めてやらねえぞッ!」千雨の声が耳に入ったので銀八は顔を玄関に覗かせる。「あれ? あやかか?」「こんばんは、銀さん」「銀八・・・・・・これ以上部屋を滅茶苦茶にするならお前が泊まる件は無しだからな・・・・・」「マジで? おいここは一旦休戦だ、俺がここに泊めさせてもらえなくなるから」「あん? そんな事で引き下がると思ってんのか?」「あの娘っ子来てるぞ」「娘っ子?」銀八が親指で玄関を指さしたので土方はそちらに首を出してみる。そこにいたのはあやかとその後ろから顔を覗かせている、土方とは時々喋る仲の生徒「宮崎、お前そこで何してんだ?」「いやそれって私の台詞なんですけど・・・・・・」のどかがいた事に首を傾げて彼女を名字で呼ぶ土方。余談だが現在彼が名前を言う生徒は彼女だけ、最近から名字で呼ぶようになって時々だが呼んで上げる事がある。(彼女の触角の付いた親友にうるさく言われためた)のどかを見た後土方は舌打ちした後「しょうがねえな・・・・・・」っと髪を掻き毟る。「あいつの前でお前と殴り合うのも何か後見が悪いしな・・・・・・」「わかってるじゃねえか、そこのガキもそのテレビ元の場所の所に置いとけ」「チッ・・・・・・」「え、テレビ投げようとしてたのッ!? 私の部屋にあるテレビ勝手に投げようとしてたのお前ッ!?」今まさに千雨の部屋に置いてあるテレビを銀八にぶん投げようとしている刹那に銀八が疎めると刹那は渋々元の場所に置いた。かなりのアウェイな戦法に家主の千雨がツッコむ。「よーし、まあ思わずゲームで熱くなるのもわかるが~」「いやお前が先に手を出したんだろ」「部屋の持ち主に迷惑かけるような事しちゃいけないつー事だ」「いやお前が一番迷惑なんだけど」所々に銀八に千雨がツッコんでいると、さっきまでずっといる生徒が銀八に近づく。「銀さん・・・・・・何で千雨さんの部屋にいるんですか・・・・・・? しかもさっき泊まるって・・・・・・」「え? いやその色々あって・・・・・・」「まさか千雨さんとそんな関係まで達していたんですか・・・・・・?」「違えよッ! エヴァの家から追い出されたから今日だけこいつの部屋に泊まろうとしただけだっつーのッ!」「じゃあ何で千雨さんなんですかッ!? 私じゃ駄目なんですかッ!? 私より千雨さんを選んだんですかッ!?」「あれぇぇぇぇぇ!? 何この展開ッ!? 何かお昼のドラマでこんなんやってなかったッ!? だからさ・・・・・・!!」千雨の部屋で泣きそうな顔をするあやかに銀八が必死に説明しているのを土方と刹那と勝手に入って来たのどかはボーっと眺めていた「ドロドロだな」「ドロドロですね」「ドロドロです・・・・・・」それから数十分、銀八と千雨が必死にあーだこーだと不機嫌な様子のあやかに事情を言っているにも関わらず、土方達三人はずっとテレビ鑑賞、しばらくしてようやく終わったのか万事屋三人の討論が終了する。「ようするに私が三人部屋だから駄目だと・・・・・・ふむ、夏美さんなら追い出せますが千鶴さんは・・・・・・」「何考えてんだよお前・・・・・・」「まあこれでわかったろ? 俺はこいつの部屋で一泊するだけだから、ガキなんかには全然興味ないですからね銀さんは、土方君と違って」「あ? 呼んだか?」「呼んでねえよ、オメーは三人仲良くテレビ見てろ」銀八の言葉に反応して土方は振り向くがそれを銀八は適当に流した後大きなあくびが出る。「やべえスマブラずっとやってたから眠くなってきた・・・・・・」「もう12時じゃねえか・・・・・・銀八もう絶対寝るからな」「まあ普通ここから朝までマージャンとか朝までUNOやるのが普通なんだが・・・・・・俺も眠いしな・・・・・・・」ゴシゴシと目をこすりながら銀八はテレビ鑑賞中の三人に顔を向ける。「お前等ももう帰った方がいいんじゃね? それにそこのガキ二人は明日学校だろ? 夜更かしすると寝坊するぞ・・・・・・」「テメェが俺等誘ってきたんだろうが、夜中までスマブラやらせやがって・・・・・・・しょうがねえ帰るぞお前等」「宮崎さんは大丈夫ですか? 家の人達が心配しているんじゃ?」「メールで夕映とハルナに連絡してたから大丈夫です、土方さんと一緒にいるから大丈夫って、2人の反応は全然違ってたけど・・・・・・」刹那に説明した後のどかは軽く項垂れる。最近の彼女の悩みはこの二人の友人がことごとく土方との関係に口出ししてくる事だ、しかも全くこの二人の意見は正反対なのも質が悪い。「何してんだ宮崎、帰るぞ」「あ、はい」「土方さん、何で宮崎さんは名前で呼んであげるのに、私の事は名前で呼んでくれないんですか・・・・・・?」「お前そんな事気にしてたのか?」「少し前からずっと・・・・・・」少しブルーなテンションで刹那が土方と話しながらリビングを後にして帰っていく。そしてのどかも万事屋の三人にお辞儀して「し、失礼しました・・・・・・千雨さん、いいんちょおやすみなさい、先生・・・・・・すみません・・・・・・」「何で俺だけ謝罪ッ!?」そうしてのどかは土方達の後を追うように玄関へと走って行った。そんな彼女に銀八は「何でマヨは大丈夫なのに俺にはあんなにビビるんだよ・・・・・・」っと呟いた後、テレビの電源を切る。「やれやれ・・・・・もう寝るか・・・・・」「やっと寝れる・・・・・じゃあ電気消すぞ・・・・・・」「千雨さん、私も布団ぐらい欲しいんですが? 押し入れにまだ毛布が残ってますか?」「ああ、そういえばストックで一枚あったな」「じゃあ借りますわね」「明日起きたら畳んでしまってくれよ」千雨はそう言った後、メガネを取って髪をほどき電気を消した後、そうして自分のベッドの下で寝床についている銀八をあやかを見た後すぐに横になった「じゃあおやすみ・・・・・・」「おお、おやすみ」「おやすみなさい」・・・・・「「って何でお前までここにいんだよォォォォォ!!!」」まっ暗闇の中、千雨と銀八が立ちあがって二人の間で寝ていたあやかに夜中にも関わらず大声でツッこむ。千雨が電気を点けるとあやかは不機嫌そうに目をこすりながら彼女を見る。「何で電気点けるんですか・・・・・・? 人が寝ようとしているのに・・・・・・」「いや何でお前まで当たり前のようにここにいるんだよッ! まさかお前までここに泊まる気ッ!?」「当たり前です、女性と殿方が二人屋根の下で寝るなんてそんなハレンチな所行、委員長として見過ごせません、お二人に“間違い”が無いようここでご一緒させていただきます」「間違いってそんな過ち犯すわかねえだろうがッ! そんなに俺の事信用できないッ!?」「信用はしてますが、こういう二人で寝るイベントって思わずテンションとかノリでイヤ~ンな展開になる確率はありますので、お二人がそうならないようここで眠ります」 そう言ってあやかはゴロンと再び横になって、目をつぶる。残された千雨と銀八は気まずそうに目を合わせる。「・・・・・・寝るか」「・・・・・・うん」銀八の意見を聞いて千雨は再びベッドに点いてる電気を消して横になる、もう結構な時間だしあやかはこうなるとテコでも動かないので諦めて眠りにつく事にした。(銀八と間違い何か・・・・・・ねえよ・・・・・・)千雨は暗闇の中、こちらに背を向け寝ている銀八を見る。間違いなんて無い、自分にはあやかやエヴァみたいな感情を銀八には持っていないのだ、確かに付き合いは長いが・・・・・・モヤモヤした考え事をしながら千雨はゆっくりと瞼を閉じて眠りについた。(ね、眠れねぇぇぇぇぇ!!)ベッドに横になって1時間半、千雨は一向に眠れずにいた。(ホームページ更新してないから不安になって眠れねえよ・・・・・・)千雨はベッドの下で寝ている二人を見る、あやかは寝息を立ててぐっすりと眠り、銀八は反対方向に横になっているので顔は見えないが、恐らく既にもう寝ているだろう。自分のホームページを更新していない事に気がついてそれが気になってしょうがなくなり、結局眠る事が出来なかったのだ。(どうせこいつ等寝てるだろうし・・・・・・こっそりパソコンやってもバレねえだろな・・・・・・)そう思い千雨は物音を立てないよう細心の注意を払って、こっそりとベッドから起き上がり、ゆっくりと爆睡しているあやかをまたいで、その先にある銀八もまたいでやっとパソコンが置いてある机に着く。千雨は焦らずパソコンを隠していたシーツを取ってパソコンに電源を入れた後、椅子に座って横を見る。(まだあいつ等は寝てる・・・・・とりあえず写真は貼れねえが、ブログは書けるな・・・・・・)パソコンにデスクトップが表示され急いで千雨は自分のホームページを出し、チェックを始める。ネットアイドルとして毎日こういう事をしていないと落ち着かないのだ。(・・・・・・別に掲示板も大丈夫だな、私のファンで一杯だ・・・・・・)「この『まるで出してもらえないおっさん』って奴ただ出番が欲しいって言ってるだけだから削除した方がいいんじゃね?」「あ、本当だ、何だよ出番って・・・・・・ハァ~最近変なのが増えたな・・・・・・って何で起きてんだよお前は・・・・・・!」突然彼女の後ろにヌっと出てきた銀八に千雨は驚きながらも小声にしてツッこむ。だが銀八はお構いなしに自分のサイトをジロジロと眺める。「相変わらず痛い連中ばっかだな、新八見たいな駄メガネがいっぱい巣食ってやがる」「何だよ駄メガネって・・・・・・メガネ付けてるかどうかもわかんねえのに決めつけてやんなよ・・・・・・」「うお・・・・・! お前って本当こういう時はっちゃけてるよな~何すかこの写真? ミニスカポリスとかバニーも良いけど俺的にはナースの方が・・・・・・」「だぁぁぁぁぁ・・・・・・・! 勝手に画像を見るなぁぁぁぁ・・・・・・!」掲示板の後自分の写真が入っている所を銀八が勝手にマウスを奪って調べ始めたので、千雨は慌ててパソコンにしがみついて隠す。 「もう頼むからネットアイドル関連の事だけはほっといてくれよ~恥ずかしいんだよ~・・・・・・・」「いや恥ずかしいならやるなよ」「そうだけど譲れないものがあるっていうか・・・・・・」顔を赤らめながら千雨はしばらく黙ってしまった。しばらくして千雨は顔を上げずボソリト銀八に呟く「・・・・・・なあ?」「あん?」「お前って私の事どう思ってる・・・・・・?」「は?」突然の千雨の降りに銀八は頭の上に「?」をつけるが、彼女は塞ぎこんだまま話を続ける。「だって私って地味だし、皮肉屋だし、ネットオタクだし、隠れてこんなネットアイドルなんかもやってるし、友達も作る事も出来ない・・・・・・こんな私ってどう思ってるのかなって・・・・・・」「何でそんな事いきなり俺に聞くんだよ」「いつも気になってたんだよ、こんな私に何でお前は一緒にいてくれるのかなと思ってさ・・・・・・」千雨は恐る恐る顔を上げて不安そうに銀八を見るが、彼はため息ついてめんどくさそうに答える。「別に俺はお前の性格が普通だろうが変だろうがどうでもいいんだけど?」「え?」「オタクだろうがネットアイドルだろうが、友達作れないほど内気だろうが、俺にとってオメーは大切なモンだ、俺がここに来て初めて万事屋の一員になってくれたお前を嫌いになれるわけねえよ」銀八が珍しくふざけずに言った言葉に千雨は深く黙りこむ。俺にとってオメーは大切なモンだその言葉が嬉しかった、こんな自分でも受け入れてくれる人がいるのがただ嬉しかった。単純構造の彼らしいと言えば彼らしい、「千雨よ~」「何だよ・・・・・・?」「当たり前の事聞いてんじゃねえよバカ」銀八は既にもう寝るのか、毛布に入りながら千雨を見ずにぶっきらぼうに言った言葉に千雨はフッと笑った。「・・・・・・改めて確認したかったんだよ」「そんなの確認すんなめんどくせえ」「ああ・・・・・・」眠そうに言う銀八の声を聞いて千雨はパソコンの電源を切ってベッドに戻る。更新は明日する事にした。例えここを卒業して大人になっても、私はこいつ等と・・・・・・銀八と一緒にいたい・・・・・・ったくずっと一人だった私がこんな事考えるなんてな・・・・・・誰にも見えない所でクスッと笑った後、千雨はベッドの中で静かに眠りについた。この先大きな苦難が待っている事も知らずにおまけ千雨の部屋から出て3分後。のどかが土方達と別れ自分の部屋へと戻ると電気も点けずに、彼女の親友の一人の綾瀬夕映がベランダから夜空を眺めていた。「夕映・・・・・・? 何してるの・・・・・・・?」「ん? ああのどかですか、ニコチンには襲われませんでしたか?」「ニコチンじゃなくて土方さんって呼んでよ・・・・・・それに襲われてないし・・・・・・」「それならいいです、しかしいつでも細心の注意を払ってください、男はみんな狼なので」「狼って・・・・・・それ誰から聞いたの?」「祖父からです」「どんな教育叩きこんでたんだろ・・・・・・」 ため息をついてのどかは眠そうにベッドに入る。もう一人の親友の早乙女ハルナは既に爆睡だ、寝言で「う~ん・・・・・・銀×ネギか、銀×土どっち描くか迷うわ・・・・・・」等とあやしい事を言っている。「あれ? 夕映は寝ないの?」「まだ眠くないので、おやすみなさいのどか」「うんおやすみ・・・・・・」そう言った後のどかは枕に顔をうずめた瞬間すぐに寝てしまった。ベランダに立っている夕映は懐からポッキーを取り出しそれをくわえる。「何かおかしな事が起こると星が言っているようです、ん?」ポリポリとポッキーを食べながら空を眺めていると、突然ここから見える大樹の所から不思議な光が見える、その眩しい光に夕映は思わずくわえていたポッキーをポロっと落とす。「何ですかあの光は・・・・・・ハルナ、のどか起きるです、大樹の根元で不思議な光が・・・・・・」夕映は急いでベランダから出て、寝ている二人を起こそうとするのだが・・・・・・「ごめん先生~ホウ酸団子は勘弁して~それ食べたら死ぬから本当~・・・・・・」「土方さん夕映と喧嘩しないでくださ~い・・・・・・ああ刀何か抜かないで~・・・・・・」「駄目です完璧に夢の中へ入っています・・・・・・」二人が寝言を言いながら眠りから覚めそうにないので、夕映はどうしたものかと首を傾げていると大樹の所で光っているのを、再び見て彼女は玄関へと走ってスリッパを履いてパジャマのままドアを開ける。「しょうがない、私一人でもあの謎を解明するです」そう言って夕映はペタペタと音を立てながら大樹の根元まで行く事にした、ここからだと歩いて時間がかかるのだが、彼女には秘策があった。女子寮を出て夕映は携帯を取り出してある場所に連絡するしばらくして「ここですタクシー」やってきたタクシーに手を上げる夕映。中学生でタクシーを用意する手際の良さで彼女は大樹のある麻帆良学園へと向かった。「あ、先に言いますが領収書お願いするです、土方十四郎で」本当に手際がいい中学生である。数十分後、夕映は麻帆良学園への前でタクシーを止めた。真夜中の学校と言うのは彼女自身もあまり好きではない。「ここまできたら後は引けませんか・・・・・・一体なにがあるのやら・・・・・・」生唾を飲み込んで意を決して夕映は学校内へと入っていく、目的地はもちろん大樹の前だ。期待と不安が交差する中、彼女はズンズンと進んでいく。その先に奇妙な現象が待っているのも知らずにしばらくして大樹の前に到着。夕映の目の前には信じられない現象があったのだ。彼女の目の前には何と動物園でしか見た事のないあの動物が大の字で倒れているではないか・・・・・・・「ゴリラ・・・・・・何でゴリラがこんな所に・・・・・・・?」「・・・・・お、お・・・・・・」「ん? ゴリラが起きたのですか・・・・・?」大の字で倒れるゴリラに恐怖心を拭い去り、夕映はゴリラに近づいてみる。よくみると服を着ているというなんとも珍妙なゴリラだ。「俺は・・・・・俺は・・・・・・・」「服を着たゴリラが何か喋ろうとしてますね、それにしてもこの服装は・・・・・・」夕映はそのゴリラを触ろうとした時・・・・・・・「俺はゴリラじゃありませぇぇぇぇぇぇんッ!!!! 一泊二日で近藤勲が別世界に~・・・・・・キタァァァァァ!!!!」ゴリラ否、真撰組局長・近藤勲が急に起き上がって両腕を上げて天高く叫ぶ。それを無表情で見ていた夕映は携帯を取り出して「警察ですか、学校内にゴリラが出たので早急に駆除をお願いします、腕のいいスナイパーも用意して下さい」「だからゴリラじゃないってちょっとォォォォ!!」自分を射殺させようと恐ろしい早さで携帯で会話する夕映に慌てて再び近藤は声を上げて叫んだ波乱再び巻き起こる。教えて銀八先生銀八「はいでは一通目。蛙さんからの質問」『近藤さん。少し下ネタを控えませんか?このままだと近藤さんの株は下がる一方ですよ』銀八「質問になってないその1」近藤「俺自身はそんな自覚ないんだけどな~」銀八「存在そのものが下ネタだろうがお前」近藤「そこまで言うッ!?」銀八「二通目、サハリンさんからの質問」『闇の幼女と恐れられたエヴァに質問があります。デコ那の傷口を塩を塗るような暴言吐くなよ。せめて暴言吐くならハバネロを傷口に馴染ませる用な暴言を吐きなさい。』銀八「質問になってないその2」沖田「あんなレベルじゃ駄目ですよ、もう5日は飯食えなくなるぐらい、傷口をえぐる様な暴言吐かなきゃな」エヴァ「生憎、貴様ほど性格は悪くないのでな」千雨「そうか? 十分ひねくれてると思うよ私は?」あやか「それがまとまな観点です千雨さん」エヴァ「お前らあとで死刑」銀八「三通目、剣聖さんからの質問」『とりあえず質問~ネギ、アスナ布団にもぐりこんでんじゃないの?そしてアスナが欲情してXXX板でしか語れないような事やったんだろ?(むしろやれ)本人達にも聞きたいです。ネギ!責任とれよ!アスナ!結婚はまだできないぞ!』銀八「質問になっていないその3」アスナ「私がこんあガキに欲情するわけにはいかないでしょ・・・・・・・けどバカネギがベッドに潜り込んでくる事はあるわね・・・・・・・」ネギ「いやだってアスナさんお姉ちゃんに似ているのでついクセで・・・・・・」アスナ「いい加減姉離れしなさいよ、アンタのお姉ちゃんも、もしかしたらアンタがいない隙に恋人でも作ってるかもしれないのよ?」ネギ「そうなったら恋人には血反吐を大量にぶちまけた後死んでもらいますから」アスナ「え・・・・・・笑って言う事それ・・・・・・?」銀八「四通目、ノリさんからの質問」『沖田は調教するならエヴァみたいなチンマイ体と、真名の様なけしからん体でしたらどちらのが縛り甲斐がありますか?もし後者でしたらしずな先生を 調教するのはどうですか?』沖田「誰でも良いんですけどね、まあ強いて言えば凸凹がついてる方が縛りやすいので後者で」エヴァ「悪かったな凸凹が無くて・・・・・・!」沖田「所で誰ですしずな先生って? サドりがいのある良い女んなんですかぃ?」銀八「おいテメェッ! しずな先生だけは何人たりとも触らせねえからなッ!」沖田「旦那のチビ金髪の方は?」銀八「別に」エヴァ「き、き、貴様~~!!」銀八「五通目、風の都さんからの質問」『あやかさんへ休日はどのように過ごされてますか?やはり銀さんと街へ買い物に出かけたりしているのでしょうか?』あやか「休日はまあ銀さんの所へ遊びに行ったり、千鶴さんや夏美さんとかと買い物言ったり・・・・・・銀さんとはまだ買い物言った事無くて・・・・・・」千鶴「駄目ね~まだ二人で買い物に行けないなんて、それじゃあ二人で『ディ○ニーラン○』にも行けやしないわ」あやか「そ、そんなカップルが行くような場所行けるわけないでしょッ!!」千雨「つーか著作権的に無理だよ・・・・・・」銀八「六通目、汁裂注射さんの質問」『SでMでニンフォマニアなオジコンなアスナさんに質問です。麻帆良学園教師陣で今一番(性的に)食べたいのはだれですか?』アスナ「高畑先生がいたんだけど・・・・・・あの人転勤になっちゃって・・・・・・・」ネギ「突然いなくなっちゃいましたからね・・・・・・どこいったんだろタカミチ・・・・・・」千雨「いやいやッ! ちゃんと本校にいるからッ! なあいいんちょッ!?」あやか「千雨さん、あの都市伝説まだ信じてるんですか? タカミティンに似た教師が学校内をうろついているというお話を」千雨「うわ、こいつ高畑先生の存在ごと消滅させやがった・・・・・・しかもタカミティンの方がオリジナルかよ・・・・・・」銀八「七通目、ユルカさんの初質問」『質問は銀さんに。週ジャン一年分、高さがエヴァの身長位あるパフェ、銀さんが好きに弄り倒していい人(勿論口で)、この3つの内、どれをあやかにプレゼントされたいですか?勿論選べるのは一つだけです』銀八「別に誰から貰ってもいいんだけど? エヴァぐらいのパフェでお願いします、おらあやかよこせよ」あやか「すみません、そんなパフェ用意できません・・・・・・」エヴァ「そんな奴より私に任せろッ! 裸になって体中にパフェの食材を塗ればたちまちお前が望むものが生まれるぞッ!」銀八「生まれねえよ、18禁物しか生まれねえよ」銀八「八通目、エンジンさんからの質問」『エヴァに質問です。これ以上「チビ」「ドチビ」「豆」と言われたら、神楽の兄貴(別世界)とか死神世界での白髪の10番隊隊長のように、「誰がドチビだコラァ!!」と言える自信はありますか?』エヴァ「意味わからん質問だな、何で私が・・・・・・」あやか「まあチビだと言うのは事実ですからね、そこは天地が引っくり返っても変わらない事実ですから」銀八「つまりそいつ等と何一つ変わらねえということだなドチビ」沖田「精神的にはこっちの方が下でしょうね、なあ豆?」エヴァ「吸血鬼に対して全然恐がらないよな貴様等・・・・・・」銀八・あやか・沖田「「「まあ小さいし」」」エヴァ「くそ・・・・・・泣きたくなってきた・・・・・・」千雨「いつもの事だろ・・・・・・・」銀八「九通目、正宗の胃袋さんからの質問」『変態ぬらりひょんに質問がある。妖怪が学園を支配をしてそんなに楽しいですか?それとも学園の生徒達を自分の食料として入学させているんですか?木乃香とデコ那も妖怪の血が受け継いでいるから人食い衝動が抑えられない時が来るかもしれませんね。その時は責任取れるんですか?』銀八「質問になっていないその4」学園長「食料なわけねぇぇぇぇだろッ! ワシのブラッドは人間のブラッドじゃァァァァ!!」銀八「どの口が言うんだテメェ? 人間の血は紫色じゃねえんだよ」学園長「いや紫じゃねえよッ!」銀八「十通目、q-trueさんからの質問」『銀さんに質問です。最近タカミティンが出ないのは、48の殺学園長技を開発中だからというのは本当ですか?もし本当なら、完成している技をいくつか教えてください。実践込みで!』銀八「そんな技お前持ってたっけ?」タカミティン「OK、OK 今カラ キン肉マンを読ンデ勉強シマス」学園長「そんなもん覚えるなァァァァ!!!」タカミティン「マッスルミレニアムッ!!!」学園長「ぐほぉぉぉぉぉ!! まさかの二世で来おったァァァァ!!」銀八「十一通目、ウィルさんの質問」『今回は意表をついて山崎に。地味で印象が薄いことに定評があると思うのですが、3-Aのクラスの生徒に気付いてもらえた人数とその女生徒の名前を挙げてもらえますか?楓と鳴滝姉妹を入れるかどうかは山崎のプライド、略してジミライドにお任せします。』山崎「えーと楓さんと風香ちゃんと史伽ちゃんと・・・・・・」銀八「速攻捨てたよジミライド」山崎「刹那さんと夏美ちゃんと・・・・・・あと・・・・・・・」銀八「もう終わりか?」山崎「あ、まだいましたッ! 最近知り合ったまき絵ちゃんがッ!」銀八「まき絵なんていねえッ! それはお前から生まれた妄想の産物だッ!」山崎「えぇぇぇぇぇぇ!?」まき絵「いやいるからッ!」銀八「十二通目、さるめさんからの質問」『質問つーか、報告「とりあえず、謝辞を親戚のおかんがお世話になりました。また何かあったら頼みます。あとかぼちゃ,お礼に100箱送っておきます。他の皆さんにもおすそ分けで送りましたので」』銀八「質問になっていない以前に質問じゃねえよコレ」茶々丸「銀時様、お荷物が」銀八「ジジィの所に全部投げろ」茶々丸「了解しました」エヴァ「学園長室は瞬く間にカボチャだらけになるな・・・・・・」銀八「十三通目、キョージュさんの質問」『銀さんに質問です。最近活躍してませんが(本誌の方でも)、そろそろ年のせいで息切れでもしてきましたか?ていうか、次いつ吉原ばりの活躍するんですか?』銀八「なめえんじゃねえよ、銀さんはいつでも現役バリバリだよ、修学旅行編にはもう大活躍だよ、次回だってきっと・・・・・・」夕映「第二十四訓・『拾ったペットから教えられる事もある』です、あなたはちょい役、もしくは出ません」銀八「おわッ! 何でいきなりお前がいんだよっ! しかも今なんつったッ!?」夕映「出番がないと言ったのです、それではさようなら」銀八「・・・・・・・え? これで終わり?」