銀魂勢とネギま勢の合戦は遂に本格的に始まろうとしている。前回や前々回から神楽に色々と酷い事を言われていたエヴァは目の前で指でくいくいとこっちに向かって投げてみろと挑発している神楽に、彼女は振りかぶって右手で投げる構えに入る「かかってこいよオラァァァァ!!」「言われなくても投げてやるわこのクーフェイと……キャラ被り娘がッ!」そう言ってエヴァは持っていたボールをぶん投げる、しかしそれはあまりにも「エヴァ選手投げたァァァァ!! しかしこれは速いぞォォォォ!!」「くたばれチャイナァァァァ!!」実況している花野アナが思わず身を乗り出して驚く。勢い良く投げられたボールは轟音を立てて神楽に襲いかかってくる、だが「ふんごォォォォォ!!!」「神楽選手受け取ったァァァァ!! それにしても凄い衝撃だァァァァ!」それを両手でなんとか神楽は食いめる事に成功する。受け止めた瞬間の深い衝撃、一瞬地面から浮いて吹っ飛ばされそうになりながらも、なんとか神楽は地面に足をつけて踏ん張った。自分の攻撃を受けきった神楽を見てエヴァはフンと鼻で笑う「手加減して投げてやったのに必死だな随分と」「神楽ちゃん大丈夫ッ!」「大丈夫アル、新八……」神楽と同じ万事屋の一員の新八が慌てて彼女に近寄る。神楽は問題無いと言うように自分の手をフーフー吹いて冷ましながら後ろに数歩後退する。「ミニ乳の分際で私に喧嘩売ったのは高くつくネ」「相変わらずミニ乳、ミニ乳、って……お前だって小さいだろうが……」「結局両方『貧乳』って事ですわね」「「うるさいわボケィッ!!」」あやかが口を挟んだ事に二人は目をむいて同時に叫ぶ。彼女達にとってのコンプレックスを一番そのコンプレックスと無縁の人に言われたので一層腹が立った。「ミニ乳狩ったら次はデカ乳アルッ! うおォォォォォ!!」「来たか、実力の差、歴戦の差を教えてやる」「神楽選手猛牛の如くエヴァ選手に向かって助走をつけて投げる体制に入るッ! 正に力と力ッ! やっとゲームらしくなってきましたッ!!」「長かったね~いや本当」両手でボール掴んで神楽はエヴァに突っ込むように走る、一方エヴァはそれに構えもせず余裕に立っているだけだった、約600年生きている吸血鬼に14年程しか生きていない小娘の球など容易に受け止める。そうタカをくくっていた。だが向こう側にはあの男がいた。真撰組一番隊長 沖田総悟が声を上げて叫ぶ「あ、旦那がネギまクロスなのに涼宮ハルヒとイチャイチャしてるッ!」「何ッ!?」エヴァは思わず沖田が叫んだ方に顔を向ける。何でネギま×銀魂なのにハルヒ? そう思いながら見るとそこには「銀さんですよね? 初めまして桂さんから聞いていますよ、クウネルですよろしくお願いします」「ああそう早く自分の所に戻れって、アレ? お前とは初めて会った気がしないんだけど?」「アハハハ、ナンパの仕方が上手いですね~」「おい顔が近いって止めろ、近い近い」銀八が自分の知っている男と会話をしているだけだった「いや涼宮ハルヒじゃなくて、古泉……!」「死ねェェェェェェェェ!!」「え? ちょっと待てッ!」エヴァが銀八達に気をそらしている間に神楽は既に右肩を使い思いっきりボールを発射そして……「めがっさッ!!」「エヴァさんッ!」神楽の投げたボールがエヴァの腹にクリーンヒット、これには彼女も思わず膝をついて崩れる。慌ててあやかがエヴァに近付く「エヴァさん大丈夫ですかッ!?」「くそ……あのサドめ……」「ヒットォォォォ!! エヴァ選手、大砲のようなボールを腹に砲撃ッ!! 一人アウトッ!」「エヴァちゃんやられちゃったよチャイナさんに……」花野アナと和美が喋っている時もエヴァは腹を押さえて痛がる、なんとか苦悶の表情で顔を上げて向こうを見ると。そこにはニタニタ笑っている神楽と沖田が立っていた「き、貴様等……」「勘違いしてんじゃねえぜ、俺はこいつを助けたんじゃねえ、一人消えるのに越した事は無いんでねそこに便乗したまでよ」「ギャハハハハハッ!! あんなに余裕ぶっこいて当たってやんの~!! すげ~弱いアルッ!! ギャハハハハッ!!」沖田がガムをクチャクチャしながら言った後、隣りに立っていた神楽の下品な笑い声を上げる。彼女の笑いに反応してエヴァがキッと睨みつける「違うわッ! そこのサドが邪魔をして……」「言い訳してやんの~!! 負けたからって言い訳してやんの~!」「い、言い訳じゃないッ! お前等が卑怯な手を使うから……」「勝負に卑怯? ……そう言うのが言い訳なんだヨッ! ギャハハハハッ!!」「うう……」口でもまた負かせられたエヴァは思わず悔し涙を目に滲ませる。彼女が神楽に見せる2度目の涙。それを見て神楽が一層ニヤニヤする「おお、また泣くアルか~? もう泣きキャラ決定ヨロシ?」「う、うるさい……泣いていない……」「涙目になってどこの口がほざくアル」「だから泣いていない……」「泣くなよ、虐められたからってよ……」「虐められたからって泣いても何も始まりませんわよ?」「な、泣いて……泣いてない……」段々と嗚咽をしながら喋るエヴァ、誰から見ても泣いているので思わず千雨とあやかが心配そうに近付く。「ほらハンカチ貸しますから、涙拭いて下さいみっともない」「泣いてない……」「いやどうみても泣いてるから……」「うう……」「よぉぉぉぉし一人ヒロイン潰したァァァァ!! これで私がヒロインに戻れるのに一歩近付いたアル、キャッホーイッ!!」あやかから貰ったハンカチでぐしゃぐしゃになった顔を拭いていると、また神楽がいらん事を言って驚喜していた。それを聞いて再びエヴァは顔を上げる。「だだだだ、誰がヒヒヒヒ、ヒロインだって……」「あ~もういいアル、声を震わせながら何言っても迫力の欠片もないネ、さっさと失せて銀ちゃんに泣きついてろヨ、泣き虫」「うう~……うわぁぁぁぁんッ!!!!!」「あ~あ本格的に泣いちゃったよ……」「銀さん、エヴァさんが泣いて……」「銀時~~~~~!!」「おい、自分から向かったぞあいつ……」ついに大声で泣き出したのであやかと千雨が泣いてるエヴァをなだめ役の銀八の所に持って行こうとするが、彼女は泣きながら自分で、少し遠くでイスに座ってネギ達と喋っている銀八の方に走って行った。「なあ『こち亀』の実写版ってさ両さん役香取君じゃん? あれ大丈夫なの?」「僕としては合わないというか……ラサールさんが駄目なら小さいしガタイも良い、ケンコバでも良かったんじゃないかと思うんですよね……」「お前本当にケンコバ好きだな、いや俺も嫌いじゃないけど……お前ぐらいの年で好きになる芸人じゃねえよあの人?」「私は別に香取君でも悪く無かったですよ、全く別物のこち亀と割りきればあれはあれで楽しいですから」「いや確かに香取君でも良い、だが俺はやっぱり両さんは麗子さんより背が低い方が……わぷッ!!」両隣にいるネギとクウネルと銀八が喋っていると突然何かが飛んで抱きついてくる。一瞬何事かと思って抱きついて来た物を見ると彼の同居人「エヴァ……?」「……」「何してんの……?」「ぎ、ぎ、銀時~~~~~~!! 」「ちょッ! いきなり泣いてんじゃねえよッ!!」いきなり自分の胸に顔をうずめて泣き出したので銀八は慌てる。さっきまで主審にも関わらずずっと銀八達は喋っていたので、エヴァが泣いている経緯を知らないせいで何が起こったのかさっぱりだ。「何があったんだよ……?」「あのチャイナ娘がな……私よりずっと……とととと年下なのに……」「神楽? あ~ハイハイ、また泣かされたのね、めんどくせえな~オイ」成り行きが読めた銀八は、だるそうに自分の胸で嗚咽しているエヴァの頭を慣れた手つき撫でている、すると隣りに座っているクウネルが面白そうに眺めながら口を開く。「随分とその子の相手するの慣れてますね」「ああこいつすぐ泣くからさ、この前も教師の奴等と朝まで飲んでたらよ~家に帰ったら怒りながら泣いてやんの、時々あるんだよこういうの、まあ頭撫でてれば泣き止むんだけど」「いや泣き止まさないで良いですよ、彼女が泣いてるのもっと見たいので、カメラ持ってこれば良かったと後悔してます」「あれ? おたくもドS?」銀八がエヴァの頭を撫でながらクウネルと変な会話をしていると、花野アナがどうしたらいいか困った顔で実況を再開する「え~一人泣き出してしまいましたが続行します……とりあえず一人アウトです、朝倉さんこの情況どう思います?」「明らかに麻帆良生徒が劣勢だね、だって相手男ばっかだよそれにあの神楽って子化け物? もちろん沖田さんもかなり危険だし、ゴリラもきっとゴリラなんだから力はあるだろうし、ウチの警備員の土方さんも凄そうだよね~、あの地味な眼鏡は~……わかんないや」「ではこのままで生徒の皆さんに勝機は無いと?」「いやわかんないよ、千雨ちゃんを除けば運動能力が高い連中ばっかいるからね、それにあの外野陣のブラザーズも未知数だしね」花野アナと話しながら和美はブラザーズこと外野に立っているカツオ(本名・桂小太郎)を指差す。伝説の兄弟の兄のコスプレをしている男だ、何をするか分からない。そんな事を考えていると彼はお腹の所にある大きなポケットから何かを取り出す「そろそろ食事の時間にしよう」「お兄さん、それ何や?」「決まっている、んまい棒……あこっちは駄目だ、食事はこの1UPキノコだ」兄、カツオこと本名『桂小太郎』はポケットからんまい棒を戻して緑のキノコを取りだしモグモグと食べ始める(食べた瞬間何故かピロリロン♪と音が鳴った)、同じ外野の木乃香はそれを不思議そうに眺めていると、弟の方が銀八の方から帰ってきた。「何でキノコ食ってんですか?」「戦の前にはまず栄養補給だ、そうだ近衛殿も食べるか? もう一個あるのだ」「ええの? ていうか何でウチの名前知ってるん?」「まあ父上から……いや何でも無い、俺は侍だから何でも知っているんだ」「ごまかし方めちゃくちゃ下手ですね」桂のごまかし方にクウネルが呆れているが、木乃香は気にしなかったように彼から貰った大きなキノコを面白そうにモグモグ食しているので別に気にしていないらしい。「結構美味いな~せっちゃ~ん」「何ですかおじょう……って何食ってんですか? しかもデカ……」「キノコ」「何でこのタイミングにキノコ食ってんですか……?」異様な大きさのキノコを木乃香が食べているのに刹那は頬を引きつらせながら小さな声でツッコンだ。この情況で何でそんな得体の知れないキノコを食べているのだろうか……?「何であんなの食ってるんでしょうか……まさかあの変な兄弟から貰ったのか……」「なあ桜咲」「何ですか千雨さん?」桂達を見ていると突然後ろから千雨に呼ばれたので振り返る。すると千雨はいつもの仏頂面で指を差して「狙われてるぞ」「へ?」「死ねせつにゃぁぁぁんッ!!!」「でッ!!」千雨が指差した方向にいるとボールを振りかぶって物騒な事を言いながらこちらに投げる沖田の姿が。彼にとって刹那も立派な調教対象である。「しまったッ! スキを突かれ……!!」「どりゃァァァァァ!!」「アスナさんッ!!」レーザービームの如く飛んできた沖田のボールを刹那に当たる前にアスナが横っ飛びで受け止める。そして地面に足をつけた後すぐに投げる体制に入り「死ねサドォォォォ!!」「チッ、エテ公が」センターラインギリギリにいた総悟は舌打ちして一歩下がるもアスナは容赦なく近距離にいる沖田に思いっきり投げる、勿論顔面狙いだ。ボールが沖田に襲いかかる、だが「とぉぉぉぉぉ!!」。「えッ!? 何よあのゴリラッ!?」アスナと同じように近藤が沖田に当たる直前のボールを横っ飛びでセーブ。近藤は着地した声高らかに親指で自分を指差して叫ぶ「ゴリラじゃないッ! 近藤勲だァァァァ!! 総悟大丈夫かッ!?」 「大丈夫ですよ、近藤さん」「よしッ! 悪いがツインテール娘ッ!! ここで退場してもらうぜッ! 何故なら……なんか当てても読者に怒られそうにないからッ!! 」「何よその不毛な考えッ!」近藤は叫んだ後、ボールを持って足を軸にし、グルグルと竜巻のように回る「うぉぉぉぉぉ!!! 食らえ大回転魔球ッ!!」「何アレ……?」グルグル回ってる近藤を見ながらアスナは呆然と立ち尽くすが、とりあえず何か無いかと策を考える。あんなガタイだ、投げる球もタマったもんじゃない筈。回りに何かゴリラボール攻略の鍵を探す。そうしていると彼女はある物を見つける。銀八に腰にちょこんと座って試合を見ているエヴァ後ろには腕を組んで立っている雪広あやかその時アスナに圧倒的策が脳内に浮かぶ!「いいんちょッ!」「何ですかアスナさん? バナナでも食べたいんですか? 千鶴さんが持ってましたわよ?」「ぶん殴るわよッ! それよりアンタあれ見てどう思うッ!?」腕を組んで観客のように眺めていたあやかに向かってアスナは走ってある方向に指差す「エヴァちゃんがアンタの天パ一人占めしてるわよッ!」「え……? あッ! エヴァさんのくせにあんなに銀さんと仲良く……!」「早く行かないとあのまま独占されるわよッ!? でもね、私に良い考えがあるのよ……」「あなたの良い考え……? とりあえず何ですか? 早く言ってください」「それはね……」「いくぞツインテール娘ェェェェ!!」いやらしく笑っているアスナがあやかの肩を持って説明しようとする前に、後ろで近藤が回転しながら「食らえェェェェェェ!!」「力を溜めていた近藤選手がついに投げたァァァァ!! ですがあそこまで回った意味がわかりません」「そもそも時間がかかり過ぎだしね」花野アナと和美がツッコんでいるのも束の間、近藤が回転を入れて投げたボールは砂埃を撒き散らしながら轟音を立ててアスナに襲いかかる。だがアスナは後ろを振り向いてニヤリと笑い「いいんちょ、チャンスよ」「え?」「あれに当たってさっさとアウトになって天パの所に向かいなさいッ!!」「ってッ! アスナさん何をッ!?」アスナがあやかの襟を掴んで強引に向かってくるボールに突き出す。その瞬間衝撃音が鳴り、大量の砂埃が宙を舞う。パラパラと砂が待っていると中から人影が「ふ~危なかった……」「ア……アスナさん……」ぐったりして頭にコブが出来ているあやかの襟を掴んで、アスナは涼しい顔で平然と立っていた。「アスナ選手、あやか選手を盾にしたァァァァ!! 沖田選手とは違い、自分の陣地の仲間を盾にッ! てか原作ヒロインがあんなことして良いんですかッ!?」「絶対駄目だね……あ~あゴリラさん、いいんちょやっちゃったよ……彼女人気高いのに」和美が机に肘突いてしかめっ面で近藤を指差す。近藤は体中から汗をダラダラ流しながら明らかに焦っている姿があった。外伝Ⅲ 『ボールは友達恐くない!』って言った奴ちょっとツラ出せや麻帆良生徒側がここまで二人脱落、勝負は圧倒的に江戸側が有利の情況。「おいあやか~生きってか~?」「死んでるか~? どうせなら死ね~」現在、近藤によりぐったりしているあやかを銀八が自分の側に置いて顔をペチンペチン叩きながら、もう泣き止んでいるエヴァと二人で彼女の意識を確認している「いや~さすが近藤さん、読者の目なんか気にせず問答無用に人気キャラをぶっ飛ばすなんて俺もまだやってませんよ、本当凄えや」「凄いって何が……?」「よくやったアルッ! あの憎たらしいデカ乳は私がやりたかったけどゴリラにやられた方がきっと屈辱になった筈ネッ! ザマ~ミロッ!! ヒャ~ハッハッ!! 」「いやよくやったって何が……?」「さあ、現在一人の選手が意識昏倒してますが、いよいよ盛り上がってまいりました、果たして生徒の皆さんには勝機はあるのでしょうか?」花野アナが実況をしている中で、頬を引きつらしている近藤は沖田と神楽に絶賛されるが全然嬉しそうではない。一方それを見る生徒陣営「いいんちょアンタの敵は取って上げるわよ……」「いやアスナさんが壁にしなければ生存してましたよ彼女……」「さ~てもう三人しか残ってないんだから刹那さん、千雨さん、油断しちゃ駄目よ」「とりあえずお前の近くに立たねえ事にする」千雨と刹那がツッコまれた後、アスナは全く気にせずボールを拾い、これで何度目かのターゲットに狙いを絞る。「よし今度こそサドをッ!」「待ってくださいアスナさん、ここは一旦外野に渡した方が良いのでは?」「何でよ?」「このまま何回も直接狙っても向こうの猛者共には絶対に止められますよ、裏をかいて外野の人達にパスしましょう」「裏をかくにも……裏がアレよ……?」刹那に言われてもアスナはしかめっ面で自分たちの外野を指差す。「よっしゃぁぁぁぁ!! 『トランセル』ゲットだぜッ!」「良かったですね、そこまで喜ぶほどのモノでもないと思いますが」「モンスターボールが切れててマスターボールというモノしか残ってないので使ってみたら一発で捕まえられたぞ、さすが俺だ」「ああ、ご愁傷さまです」「二人とも今度は何やってるん?」木乃香がゲーム機を持ってガッツポーズを上げている桂と隣りで同じくゲーム機を持っているクウネルの方に質問する。すると桂は少々誇らしげに「うむ、近頃子供達に流行っているゲームをちょっとな、『ぽけっともんすたー・赤』こんな小さなゲーム機でこんな名作が出来るとは時代も変わったものだ、確か『げーむぼーい』という物なのであろう?」」「ちょっと古すぎやない……? ポケモンもとっくに随分出てるし、ゲームボーイも色々新化してるで……」「そうですよね、言ったでしょ桂さん、今は『ぽけっともんすたー・金』ですし、げーむぼーい所か今では『げーむぼーいからー』が出てるんですよ」「何ッ!? 何だその見たことないポケモンはッ!? しかも画面に色がついているだとッ!? これが時代の最先端ッ!?」「いや両方とも古すぎやと思うんやけど……」クウネルが持っているゲームボーイカラーに驚いて叫んでいる桂とその反応に嬉しそうにしているクウネルに木乃香が遠慮がちにツッコんでいる。それを見ていたアスナと刹那は……「あの連中にボール渡すの?」「え~……とりあえず、渡してみましょうよ……このままだと私達負けちゃいますし……」「しょうがないわね……アンタ等ッ! ボール渡すから受け取ってッ!」ため息をついた後、アスナは思いっきり高く向こう側にいる外野三人にボールを渡すため、高くほおり投げる。「おおーっとッ! ここは一旦外野にパスです、ですが外野勢は全くやる気無しのようですがコレが凶と出るか吉と出るかッ!?」やがてボールは桂達の前にポトリと落ちる。それと同時に桂とクウネルは持っていたゲーム機の電源を切る「弟よ、どうやら俺達の出番のようだな」「兄さん私一回投げてみたいんで良いですか? あの人達相手にするの面白そうなので」「ではあの幕府の犬の総大将を仕留めてくれ、ああいうデカいのを仕留めれば後々楽になるのでな」「ゴリラの人ですね、わかりました」「二人とも頑張ってな~」ゲーム機をお腹のポケットにしまい二人は歩き出す。兄が拾ったボールを弟が受け取り。目の前で腕を組んで立って不敵に笑っている近藤を見る。「ふっふっふ、2枚目だろうと俺を倒す事なんざ出来ねえよ」「じゃあどうぞ」「……何そのフライ?」弟はふわ~んと相手側にボールを上にほおり投げた。この弟の可笑しな行動に近藤は小さな声で「何考えてるの?」と呟く。だが彼の真上にボールが来た瞬間「はいモンスタボール」「はい?」「落下」そう言って弟が笑顔でボールをピッと指差すと「あれ? ボールの向きが?」ギューンッ!! と音を立ててボールが突然音を立てて隕石のように急降下、狙いは「え、何アレ? 嘘、俺に向かって降って来てね? 凄い音立てて降って来てないアレ?」「近藤さぁぁぁぁんッ!! 避けろぉぉぉぉ!!!」「え?」土方が近藤に叫ぶのも束の間ボールは凄い勢いで一気に近藤に向かって「いやちょっと待って、何でこんなあぼぉぉぉぉ!!!!」「近藤さぁぁぁぁんッ!!!」ズドオォォォォン!! と音を立てて近藤の腹に向かってボールが降ってきた。その場所に大きなクレーターが出現して、その中心にそのまま大の字に倒れる近藤だが、まだ終わっていない「ぐおぉぉぉぉ!! 超重ぇぇぇぇぇ!!! 何ッ!? 何なのッ!?」「何言ってんだ近藤さん、早くボール……重ぇッ! 何だコレッ!?」土方が近藤の腹にあるボールを取ろうとするも重くて出来ない。こんな不思議な現象は初めてだ、土方は笑顔で見物している兄弟を睨む。「てめぇ等何しやがったッ!! ボールがこんな重くなるなんてありえねえだろッ!?」「ハハハハ、何ででしょうね私もわかりません」「ふ、俺達を疑う前に自分の大将を心配した方がどうだ?」「ん? ってオイィィィィ!! アンタ何Vの字になってんだッ!?」「ぐおぉぉぉぉ!! トシ、総悟ヘルプッ!!」兄弟に言われて土方が降り返るとそこにはあまりのボールの重さに体でVの字にしている男が一人助けを求めていた。「近藤選手アウトッ!! 近藤選手、突然降ってきたボールに直撃して現在Vの字を作っていますッ! これはどういう現象なのでしょうかッ!?」「あのバカ……人前で魔法を使いおって……」「やっぱ魔法ですか……てことはあの人も魔法使いって事ですよね……?」「まあな、何であのバカがあのロン毛の所にいるのかはわからんが……」花野アナが実況している隣りで、相変わらず銀八の膝の上に座っているエヴァと隣りのイスに座っているネギは一般人の前で重力魔法を普通に使うクウネルの存在に疑問を持っていたが、魔法に疎い銀八と彼の隣りに座っているあやかはわからなかった様子だ「すっげ~なあやか、ゴリラがVの字作ってるよ」「汚いVの字ですわね~」「お前等さっきボールの不自然に気付か……おいッ! 何銀時の近くに座ってんだッ! 離れろッ!!」エヴァが振り向くとそこには銀八の隣りのイスに座っているあやかがいたので離れるよう怒鳴る。だが彼女は目を細めてめんどくさそうにエヴァを見つめ返す。「アスナさんのせいでゴリラさんのボールを頭に当てられてズキズキするんですよ、頭痛いんで叫ばないで下さい」「だったら保健室なり病院なり行って来いッ!!」「銀さん、エヴァさんがうるさい」「いや両方うるさい、ていうかお前等暑いんだから離れろ」「「イヤ」」「ハ~……」膝の上に座るエヴァと隣に密着するようにすわるあやかに銀八がダルそうに言うが、二人は一向に離れる気配が見えない。「お前等当てられたんだから外野に移動だろ? さっさと行けよ」「頭を負傷した私にまだゲームに参加させる気ですか?」「まだチャイナ娘に傷つけられた私の心は癒えてないので休ませろ」「何だよそれ……」あやかとエヴァが聞く耳持たないので銀八は深いため息をついた。諦めてこの暑苦しい環境で何時間持てるか考えていた。「よぉぉぉぉしッ!! よくやったわ変な兄弟の緑の方ッ!! これでゴリラが死んだわッ!」「いやゴリラって……」「早く終わんねえかね……」アスナが近藤撃破に嬉々している中、千雨はもうとっくに帰りたかった。この試合彼女には何のメリットも無い、それは刹那も同様で楽しんでいるのはアスナだけである。「どうよサドッ!? アンタの所のゴリラやられたけど大丈夫ッ!?」「うるせえよテメェなんかモンキーじゃねえか」「うっさいドSギツネッ!!」テンション上げ上げのアスナがダウンしている近藤を銀八の所に引きずり終え、戻ってきた沖田に向かって挑発するが沖田は軽く受け流し、土方からボールを受け取ろうとする、だが「待ってくださいッ!」「ん? どうした新八君? ていうかいたの?」「おお新八、何処行ってたアルか?」「何だ万事屋の所のメガネじゃねえか、今来たのか?」「いやさっきからずっといたからねッ!?」同じチームのメンバーにまるで珍しい物を見ている目で眺められて初代ツッコミの新八が指をさしてツッコむ。そしてツッコんだ後咳を一回して真顔で口を開き出す「次は僕に任してください」「オメーがやんのか? 言っとくがツインテール娘とあのガキは手強いぞ」「違いますよ僕は……」土方が言った二人が新八のターゲットではない。新八は向こう側にいるその二人とは別の人物を見る。全くやる気のなさそうにあくびをしてこちらに背中を向けている生徒。自分が長く立っていたポジションをいきなり出てきて、あっという間に奪った新八の憎き敵、長谷川千雨がそこにいた。「この試合で絶対痛い目に合わせてやりたいんですよッ! 皆さんどう思いますッ!? 自分がずっといた立ち位置にいきなり知らない女に奪われるこの屈辱をッ!? ずっと耐えてきたんですよ僕はッ!? 感想掲示板に『新八いらなくね?』とか『新八がEUイナクトだとすると千雨はリボーンズガンダム、これぐらい差がある』とか『新八は『元ツッコミ』じゃなくて『故ツッコミ』ですよ(笑)』とか散々言われてもずっと耐えてきたんですッ! だから……」新八は近藤の腹に落ちたボールを持っていた土方から取り両手でボールを強く握り締め目をギラギラ殺気立てる「この外伝で僕の存在力がいかに大切かを読者の奴等に見せつけてやるんですよ~……!!」「へ~新八君殺気立ってるね、土方さんどうやらここは任せた方が良いようですぜ」「俺は元々誰が投げようがどうでもいい、さっさと帰りたいそれだけだ」「さっさと帰って地獄少女と何する気ですかぃ?」「よし一遍死んでみるか?」「新八ッ! お前の気持ちわかるアルッ!!」「神楽ちゃんッ!」新八が目をギラつかせていると神楽が力強く叫ぶ、これには新八も嬉しくなる。そう考えれば彼女も被害者なのだ「私も新八みたいにヒロインのポジションを奪われたネッ!」「そうだね、神楽ちゃんも取られたんだよね……でも神楽ちゃんの場合本当に向こうの方がレベル高……ぐほッ!」新八が言い終える内に神楽の正拳が腹に入る。一瞬意識が飛ぶ新八、だがなんとか持ち堪えヨロヨロと立て直す「ごめん……神楽ちゃんもレベル高いよね何て言ったって釘宮ボイスだもんね……」「そうだコラ、なめんなくぎゅボイスをよ~こちとらツンデレ界のエースオブエースだぞコラァ、あのデカ乳なんかただのテニプリだろうがコラァ~ただのギアスだろうがコラァ~ただの遊戯王だろうがコラァ~」「いやテニプリもギアスも遊戯王も結構凄いと思うよ……?」ヤンキー口調になっている神楽を新八はなんとかなだめ、しばらくして一回落ち着いた後再び相手側に目を戻す(標的は長谷川千雨ただ一人……)「近藤選手が再起不能になり勝負再開ッ! ボールを持っているのは……誰……?」「え~と(故)ツッコミじゃない?」目を細めて誰だったか思い出そうとする花野アナと、笑って酷い事を言う和美の声ももう新八の耳には届かない。彼は意識を集中する。眼前でだるそうに頭を掻いている千雨とふと彼女と目が合う(教えてやるッ! 銀さんを上手く転がせられるのは僕だと教えてやるッ!)(何だアイツ……適当にぶつけられてさっさと銀八の所に戻るか……てか何でアイツはあんなにしつこいんだよ……)新八に睨まれても全く動じず千雨は、新八のボールに当たって試合を観戦している万事屋一同の所に行く事を算段していた。 そんな事を知らずに新八はボールを持って千雨に狙いを定める。(ついに来たんだ僕は、こういう舞台でいつかあの女に何かで勝って僕の存在を見せ付けるのを……見ていてください、僕と同じくポジションを奪われた神楽ちゃん……僕と神楽ちゃんがいなくても、全く気にせずにむしろ女の子に囲まれて私欲の限りをつくしている銀さん……あれ? 何かあの人無性に殺したくなった……そして僕のことを常に応援してくれた姉上……あの時の言葉、僕は忘れてませんよ……)新八は静かに目を閉じる。そして江戸にある自宅で最愛の姉・お妙との会話を思い出す。あの日は江戸でも珍しい大雨だった……「そういえば新ちゃんと同じツッコミ役の千雨ちゃんっていう女の子って、新ちゃんより人気高いわよね?」「え……姉上……今何て?」大雨でとても出られる情況ではない外を見ながら、新八の姉で見た目がおしとやかに見えるし結構美人な女性、志村お妙がボソリと呟いた事に居間に座って煎餅を食べていた新八がすぐに反応する「どうしようかしら、このままだと新ちゃんみんなから忘れられる存在になるわ」「だだだだ大丈夫ですよッ! 読者って飽きっぽいからすぐに人気なくなりますよッ! その時に僕の出番ですッ! 本編に颯爽と登場して銀さんにツッコミまくりますよッ!! あしたには僕の出番かなッ!? うんッ!」「あしたっていつの明日かしら?」「あ、あしたですよ……」新八はそう言って黙り込む、持っていた煎餅の食いカス床に落としながら。しばらくしてお妙はそんな弟に微笑ながら近付きそして……「あした、あしたっておのれは何回同じ事言えば気が済むんじゃァァァァ!!」「どほォォォォォォ!!!」微笑みから急に豹変して鬼のような形相を浮かべてお妙は新八を思いっきり蹴っ飛ばす、新八はそれを顔面から受けゴロゴロ回転しながら家の柱にぶつかる「な、何するんですかッ!? 可愛い弟になんて事をッ!?」「オメーそのあしたって言葉、一ヶ月前にも使ってたじゃねえか、いつになったらあしたは来るんだ? お前の『あした』はいつなんだ? あん?」「う……」新八はそれを言われてグゥの音も出ない。確かにそうだ、いつまで経っても本編入りの話なんか一向に来ない。それどころか他のキャラは次々と本編入りをしている、あの自分と同じ地味な立場の山崎でもだ。悔しそうに歯を食いしばる新八、だがそこに真顔に戻った姉が近付いて話しかける「確かにあなたは地味で個性もアイドルオタクとメガネしか無い童貞よ、あっちの世界で誰一人フラグ立たせる事なんて100%出来ないチェリーボーイよ、けどね……」「さっきからズバズバ酷い事言ってますよね……? ていうか童貞の所を強調しないで下さい……」「それよ新ちゃん、あなたには誰にも負けないツッコミの才があるの、あなたはそのツッコミの才で誰かに負けてもいいの?」「姉上……」姉の言葉が新八の心に深く刺さる、そうだ自分はまだ終わっていない。新八は決心したように立ち上がる「わかりました姉上、僕はツッコミ道を極めます、そしていつか読者の奴等を見返してやるツッコミリストになりますよッ!!」「その意気よ新ちゃん、じゃあ早速特訓ね、まずは初歩的なツッコミ『どんだけ~』を完璧にマスターしましょう」「え、それ古くないですか……? まあいいですけど……」ちょっと古めのツッコミ方法に新八は戸惑うも、とりあえずやってみようと実戦する「え~どんだけ~ッ!!」「駄目よ、もっと声を上げてッ!」「どんだけ~ッ!!」「もっと上向きにッ!」「どんだけ~ッ!!」「発音がズレてるわッ!」「どんだけ~ッ!!」「歌うようにッ!」「どんだけ~ッ!!」「また元に戻ってるわッ!」「どんだ……っていい加減にしろォォォォ!! 小説だからわかんないでしょここッ! 行数稼ぎと思われる可能性大だし、ていうか完全にそうでしょッ!?」「そうよッ! そのテンションで言うのよ新ちゃんッ!」「マジでッ!? やったァァァ!! ってどんだけェェェェ!!!」大洪水の雨、志村家では雨の音にも負けない声で新八のツッコミが高くこだま響いていた。(そう僕はまだ終わっちゃいないッ!)「いま死ぬほどどうでもいい回想シーンがあったぞ」「多分ほとんどの読者がページを早送りしたな」「めんどくさいですわね……」銀八達が愚痴っている中、新八はボールをもって後ろに歩いていく。そして「うぉぉぉぉぉ!!!」「ツッコミ選手が助走をつけてボールを投げる体制にッ!」「誰がツッコミだぁぁぁぁ!! 新八じゃボケェェェェ!!」実況している花野アナにツッコミながら新八は走るそして右手にボールを握り「姉上ッ!……『あした』って今ですッ!」背負い投げのようなフォームで新八はぶん投げる、目標は千雨「当たれェェェェ!!!!」ボールは真っ直ぐ飛んで千雨を狙う、だが「よっと」・・・・・「へ?」千雨に当たる前にボールはアスナが走ってそれを止める「いくわよメガネ~」「え? あの……」「おら……よッ!!」きょとんとしている新八にアスナは構わずボールを思いっきり投げて……返す。「あぼぉぉぉぉ!!!」「ツッコミ選手ッ! アスナ選手にまさかのカウンターに成す術無しッ! 顔面に直撃してこれで3対3になったァァァァ!!」「結局あの回想シーンって何……?」顔面からアスナのボールを受け止めメガネを見事壊されながら後ろに倒れて行く新八、ゆっくりと意識が消えて行く中彼は表情を和らげて思った(何か……全然絡んでない人に邪魔されたんですけど……)「新八ィィィィィィ!!」その場にバタリと倒れ消えていく意識の中、こちらに叫びながら走ってくる男を見た。今までずっと冷たかった銀八が自分の為に必死に走り寄ってくる「新八ィィィィ!! 大丈夫かァァァァ!!」「ああ銀さん……やっぱり僕のことをまだ忘れていなかったようですね……」ようやく自分の存在を思い出してくれて、これで死ぬなら本望と新八は思っていた。だが急に銀八は新八から反れてある物が落ちている所に向かう「神楽ッ! 新八大丈夫かッ!?」「粉々アルッ!」「新八ィィィィィ!! こんなにめちゃくちゃになっちまってェェェェ!!」「いやそれメガネェェェェ!! 新八こっちィィィィィ!!!!」新八ではなく新八がかけていたメガネ、神楽と銀八はスクラップにされたメガネを見て嘆き悲しんでいると、本体が自力で這い上がってツッコンだ。そんな折、沖田は新八の顔面にヒットしていたボールを拾って前に歩いていく。「いや~また一人減っちゃいましたね土方さん」「そうだな、つーかあっち側で張りきっている奴ってあのサルみたいにすばしっこい奴だけじゃねえか?」「サルみたいにじゃなくてサルですよありゃあ、まあ俺に任してください、けどその前に……」土方との話を一旦止めて目を細めて向こう側にいるターゲット対象を定める「千雨さんッ! あんたもっとやる気出しなさいよッ! 私がいなかったら当たってたわよッ!!」「うるせえな、さっさと適当に当たって終わりたいんだよ」「何言ってのよコラァァァァ!! 刹那さん刀持ってきてッ! 勝負する気が無い奴は切腹よッ!」「いや刀持ってないので……」アスナに怒鳴られているにも関わらず、相変わらずやる気のなさそうに頭を掻いている千雨。沖田は彼女を見てニヤリと笑う「戦場で戦意を失ってる奴は早々と退場してもらいましょうかね……おい出番だメス豚共ッ! 狙いは旦那の所の2代目メガネだッ!」「はッ!? ちょっと待てよッ!?」「「「かしこまりましたご主人様ッ!!!」」」千雨が急に何のかかわりも無い沖田に狙われたので戸惑っている中、沖田が命令した後に外野にいた三角形のフォーメションをしていた黒百合三人衆栄子、ビビ、しぃは沖田に敬礼、ドSの王子はその中の一人、三人の中では唯一短髪にしているビビにボールをほおり投げる、センターサイドにいる彼女なら一番奥で暇を持て余している千雨にぶつけれるのは容易だと思ったからだ。「おら受け取れメス豚Bッ!」「イエッサーッ!「「させるかァァァァ!!」」「あぼッ!! 栄子、しぃッ!? 何でッ!?」「おおっとッ!? 助っ人の黒百合三人組の一人が取ろうとしたら他の二人がそれをさせまいとドロップキックで受け止めをカットッ! どういう事だこれはッ!?」飛んできたボールをビビが受け止めようとすると、すかさずメス豚Aの栄子とメス豚Cのしぃがボールカット後ろに吹っ飛ばされたビビは思わずボールを手放す「何すんのよッ!」「お黙りッ! 私がご主人様に手柄を誉めてもらうのよッ!」「何言ってのよ栄子ッ! 私の所に来たんだから私のボールよッ!」「関係無いわッ! 手柄を貰うのはこの私……」「せぇぇぇぇいッ!!」「おごッ! しぃッ! あなたもビビと一緒に引っ込んでなさいッ!」「栄子が引っ込みなさいよッ!」黒百合のリーダー格である栄子がボールを投げようとするとすかさず、しぃがスライディングタックルで足払い。そこからどちらが手柄を取るかキーキー言い合いながらボールの奪い合いが勃発する「大変な事になりましたッ! 試合そっちのけで内乱開始ですッ!」「うわ~……」「おい総悟、お前が手駒にした女……」「見てください土方さん、メス豚共が醜い争いしてますぜ、見てるだけでご飯3杯いけますわ、あ~たまんねぇ~」「……近藤さんがもっとしっかり教育してれば……」 自分が原因で内乱が起こっているにも関わらず沖田はその光景を面白そうに見てるだけ。彼の上司の一人がもっとしっかり人の道徳を教えていれば……タバコの煙を吐きながら土方は頭を抱えるそんな土方を尻目に黒百合メンバーはボール争奪を行っており、そのせいで三人にみくちゃにされていたボールが上に上がった瞬間、三人は同時に飛びあがってボールを手に入れようとする。「「「手柄は私の……!!」」」「どきなさい脇役風情がァァァァ!!!」「「「だほッ!!」」」「ボールを取ろうとした三人に突然飛んできた鎖に当たり打ち落とされましたッ! ボールを手にしたのは……あれ? あの生徒さんって……」突如三人に長い鎖が襲い彼女達を地面に落とす。その瞬間空中でボールを奪う影が一体。黒百合に当てた鎖を右手でブンブン回しながら、左手にはボール。見事ボールを手に入れた人物は後ろに振り返る。「ご主人様に誉めてもらうのは私じゃぁぁぁぁ!!」「柿崎ィィィィィ!!!」「正規の選手ではないのに2度目の登場してきた少女ッ! 本当に彼女の未来が心配ですッ!」前回こってり沖田に調教された美砂がボールを持って叫ぶ。いきなりの再登場に千雨は思わず大声で叫んだ。「お前ゲーム参加者じゃねえだろうがッ!!」「シャーラップッ!! そんな小さい事気にしてないで……」「いッ! ちょっと待てッ!!」「テメェのタマ(命)気にしなさいよォォォォ!!」千雨の話を聞かずに美砂は右手一本でボールをほおり投げる、狙いは勿論自分の主人が言ったターゲットの……「そいやァァァァァ!!」「あだッ!!」思わず後ろに走って逃げようと思ったのが運の尽き、美砂が投げた球は千雨の叩頭部を捕らえる。「千雨選手にヒットォォォォ!! しかし当てたのは正規の選手じゃないのですが……どう思いますか朝倉さん?」「いいんじゃな~い? どうせみんな好き勝手やってんだから、1回ぐらいは多めに見ようよ」「いえ彼女2度目です」花野アナが和美にツッコんでいる一方、千雨は叩頭部をさすりながらキョロキョロと何かを探す。さっきの拍子にいつも付けている伊達メガネを落としてしまったらしい「いて~……柿崎のせいでメガネどっか飛んでっちまった……」「フッフッフ……まだ全然傷ついていないようね……」「あ……?」落としたメガネを探していると何やら美砂が誰かに言っている。不審に思った千雨が降り返ると「私のボールで傷つかないなんていい度胸じゃないッ! 私はご主人様にはMだけど、ご主人様には指名されたアンタなんかには私はSに走るわよッ!!」「ってそれ私のメガネだァァァァ!!」美砂が持っていたのは自分のメガネ、それをさぞかし千雨本人と喋っているようにブラブラさせながら両手で持っていた。本物の千雨が叫んでいると、後ろからアスナが声を上げる「柿崎ッ! 千雨さんをどうする気よッ!?」「違ぇよッ! 柿崎ッ! それ返せってッ!」「決まってるじゃない……こうするのよッ!」「千雨さぁぁぁぁぁんッ!」「だから本体こっちッ! てかメガネェェェェェ!! 何壊してんだテメェェェェ!!」突然、美砂が両手で千雨のメガネをグシャリ、いきなりの暴虐行為に千雨は彼女にドロップキックをヒットさせる「あ~めちゃくちゃじゃねえか……」「千雨ェェェェェェェ!!」「銀八……? 何だよ……?」フレームもレンズのボロボロに変形している自分の伊達メガネをもってぼやいていると、銀八が必死に走り寄ってくる、そして千雨が両手ですくい上げている壊れたメガネをひったくって「俺がマック行ってテイクアウトしてる間にこんなにボロボロになっちまってェェェェ!!!」「だから千雨こっちじゃボケィッ!!」「千雨さん……まさかこんな形で永遠のお別れが来るなんて……」「既に死んでる扱いッ!? 健在だよこのバカ共ッ!」「何だ死んだのか、じゃあこの作品誰がツッコミやるんだ?」「だから生きてんだよッ! つか何で無視してんのお前等ッ!?」銀八と、彼の後ろからやってきたあやかとエヴァが既に千雨本人を死者と認定しているので、千雨は見を乗り出して三人にいつも通り大声でツッコんだ。「何という事でしょうッ! たかがドッチボールにまさかの死者がッ!!」「千雨ちゃん……無念だったろうね~……」「お前等にとって私はメガネしか見えてねえのか……たく……」ため息をついて千雨は銀八達と客席に戻っていると自分の顔をおさえながら銀八の方にむく「銀八……」「何だよメガネ掛け?」「そろそろ埋めるぞ……お前の伊達メガネ貸してくんねえか? 落ち着かねんだ……」「別に素顔のままでいいだろ、掛ける必要も元々ねえんだからよ」「あんまり自分の素顔晒したくねえんだよ、早く貸してくれよ……」自分の顔を隠して喋る千雨、どんだけ自分の顔に自信ねえんだよっと銀八はしかめっ面をした後、彼女の壊れたメガネを自分のポケットに入れて、自分の付けていた鼻に掛ける用の小さな伊達メガネを彼女に渡す。「ほら、これでいいんだろ?」「少し小せえけど……まあ素顔よりは……」「あら千雨さん生きてたんですかッ!?」「メガネ掛ければ私見えるようになるのかお前は……」銀八の小さなメガネをつけると、近くにいたあやかが驚いたような声を上げたので、それに千雨はジト目で睨む「さあ選手が一人減ってしまい二人になってしまった生徒の皆さん、この戦況を覆せるのかッ!!」「覆す? んなもん今からでもやってや……!!」「待てぇぇぇぇいッ!!」「うわッ! アダッ!」落ちていたボールを拾いアスナは敵側に投げようとする前に突然誰かの声に驚いてその場にズッコける。一体何事かと顔についた砂をはたきながら声の主の方へ顔を向ける。声の主は自分達の外野陣であり、今はセンターサイドで自分を親指で指している、あの兄弟の……「このカツオブラーザスが兄の俺に任せろッ!! この情況をあっという間に解決して見せようッ!!」「はぁッ!? あんたの弟なら凄いのはわかるけど今までアンタはずっとポケモンやってただけでしょうがッ!!」「フ……この時間帯でトランセルをバタフリーに進化させたぞ」「自慢気に話してんじゃないわよッ!」相変わらずズレた兄にアスナは怒鳴り散らす。どうやらドッチボールが激戦している中ずっとゲームをやってたらしい、そんな男が信用できるのだろうか……だが彼の弟はあのガタイの良いゴリラを一撃でノックダウンさせたのだ、もしかしたらこの兄も……アスナは半信半疑で彼に希望を託す事に決意する「よりあえずアンタ出来るの……?」「何度も言わせるな、もし俺が誰も倒せなかったら」「倒せなかったら何よ?」「俺が手塩にかけて育てたバタフリーをあげようッ!!」「いらないからッ! あ~もういいわッ! 渡すからさっさと受け取って誰かにぶつけなさいッ!!」兄に渡される品物をアスナは全力で拒否した後、彼にボールを託す。敵側の頭上を飛んでそれはカツオブラザーズの兄、カツオの元に託された。「確かに受け取った、見せてやろうスポーツには力だけでは無く頭も必要だということを……」「アスナ選手ボールをあのマリ……カツオ選手にボールを託しますッ! 一体彼はどんなプレイをするのでしょうかッ!? 補足ですが、私が江戸のゲーム店で彼とあった時は恋愛ゲームでヒロインの母親を口説いてました」「うん、その補足だけで江戸の人達ってやっぱり変なのばっかだってのがよくわかるね」花野アナの実況に和美がツッコんでいる中、話の中心の男カツオ、本名桂小太郎はボールを持ち誰を狙うか絞りだしに入っていた(真撰組の犬共を血祭りにしてやりたいが……ここは容易に俺の策にハメられる……よし)力強く頷いたカツオは誰を狙うか絞った。彼女なら自分の作戦に見事やられる、そう確信する「リーダー、悪いがここで退場してもらおうか?」「私を狙うつもりアルか? ふん、ヅラの球程度にこの私が屈すると思うアルか?」「ヅラじゃないカツオだ、リーダーに見せてやろう、食い意地の悪いリーダーにこそ出来るこの技を」指名された神楽は鼻で笑って桂を軽く挑発するが、彼はお腹のポケットからある物を取り出す、そのある物こそが神楽攻略のルーツ「んまい棒だ」・・・・・「「「「「は?」」」」」」自信満々に桂が持っている物、それが「んまい棒」。その事実にそこにいたほとんどの人達が敵味方関係無くきょとんとする。だが桂はそんな反応にお構い無しにんまい棒を投げる構えに入り「リーダー、そろそろ腹も減った頃だろ、これで……腹を満たすがいいッ!!」「カツオ選手、んまい棒を投げたァァァァ!! 正に意味不明ですッ!!」「何やってんのよバカ兄貴ィィィィ!!!」「キャッホォォォォイッ! ありがたく頂戴するアルッ!」アスナが思わずキレて怒鳴るのと同時に神楽は投げてきたんまい棒に走り出す。敵に塩を送られた彼女は口を開けてそれを食べようとする、だが……「甘いなリーダーッ!」「何ッ!?」「このボールも……食らってもらおうかッ!?」んまい棒を投げた桂はすかざす一瞬でボールを投げる。神楽は既に飛んできたんまい棒に食いつこうと走っている。しかしその後ろからは彼が投げたボールもせまっていた。「食い意地の悪いリーダーだ、例え敵からもらった物であろうと簡単に食べようとする、思ったより簡単に成功したものだ」「くッ!」「んまい棒と共に飛んでくるボールに神楽選手止まれませんッ! これはカツオ選手の作戦勝ちかッ!? ていうかボール以外の物を投げないで下さいッ!」見事に桂の作戦にハメられた神楽は万事休す。突っ込んでいた神楽はんまい棒の後ろから来ているボールを受け止める事も避ける事も……だが彼女に眠る夜兎の力は決して伊達ではない「なめんなァァァァ!!」「な、なんと神楽選手ッ!!」「何だとッ!?」余裕の表情をしていた桂に衝撃が走る。神楽は走りながら、まず先に飛んできたんまい棒を口にくわえ、そして瞬時に前宙返り、それにより次に飛んできたボールを避け、更に足でそのボールを空中で挟んでキャッチするという荒技を成し遂げる。そのまま着地した神楽は口にくわえていたんまい棒をパキッと半分に折って目の前に立っている桂に向かってニンマリと笑う「お前のんまい棒、悪くない味アルな?」「くッ! さすがリーダーだ……」「アクロバットな技で神楽選手、カツオ選手の罠を見事に回避ッ! とても人間技とは思えない動きでしたッ!」「何やってのよバカロン毛ッ! ボール止められてるじゃないッ!」「シャ~ッハッハッ! 時には魅せる事も必要なんだヨヒロインにはなッ!!」んまい棒を半分食べきり残りの半分を指でクルクル回しながら神楽は余裕の高笑いを見せつける。敵を倒す所か敵に食べ物を補給させてなおかつボールまで渡してしまった。桂の失敗にアスナが叫んでいると、彼は深くうな垂れたまま顔を上げようとしない。「どうしたヅラ~? 私に負けたのがそんなに悔しいアルか~? 負けた責任で私に本編入り譲れよヒャ~ッハッハッ!!」「フッフッフ……」「ん?」「悪いがその責任は出来ない、俺はリーダーとの戦いに勝ったのだからな」「何言ってるアルか? お前のボールを私が……うッ!」さっきまでニタニタ笑っていた神楽の顔に突然大量の汗が流れる、次の瞬間その場に膝をつき何故か腹を押さえて苦痛の表情を浮かべる「ぐおぉぉぉぉぉ!! 何じゃこりゃぁぁぁぁ!!!」「どうした事でしょうッ!? 突然神楽選手がお腹を押さえて苦しんでいるようですッ! 体調不良でしょうかッ!?」「ヅラ……お前何したアルか……?」「今リーダーが食べたのは俺が作った特製んまい棒でな、中には大量の下剤が含まれているのだ」「な、何ィィィィィ!!!」「試しに試作品を京都にいる少年に食べさしてみたが、それはそれは酷い状態に陥ってな、そのせいで一週間は口聞いてくれなくなってしまった」今度は桂の方が勝ち誇った笑みをしている、腹を押さえて必死な形相を浮かべる神楽に桂は淡々と説明を始める「俺はボールは当てるのが目的ではなかった、そのんまい棒をリーダーに食べさせるのが本当の目的だったのだ」「そ、そんなバカな……!?」「勝つときは時にこういう戦法も使わなければな、リーダーがあの娘を倒した時のように」「て、てんめぇぇぇぇぇ!!!」神楽は腹を押さえたまま桂に吠えるも、すぐに腹の波が押し寄せてきたのですぐに地面に倒れ横になる。そんな状態の彼女に沖田と土方が近寄ってきた「おいチャイナ娘どうした? ウ○コでも漏らしそうな顔して?」「話しかけるんじゃねえヨッ! こちとら別のモンと必死に戦ってんだドS野郎ッ!!」「おい誰かこいつをトイレに連れてけッ!!」沖田はその辺から拾ってきた細長い棒で神楽を突っついてジワジワ責めていると神楽は人をも殺しそうな顔をして彼にブチ切れる、そんな彼女を見て土方は観客席にいるメンバーに向かって救援要請。原作ヒロインがよもやこんな所でとんでもない不祥事を起こさせるわけにはいかない。すると誰かがひょこっとこちらに近付いてくる、死にそうな神楽を助けようと……ではない、これまで苦渋を飲まされつづけ、そして今苦しんでいる彼女を見て至上の喜びを感じている人物だった。「クックック……いい気味だなチャイナ娘……私を散々コケにした天罰だと思え」「く……金髪ミニ乳……」「苦しそうだな、さっさと泣きながらトイレに駆け込んでくるがいい、貴様にはそれがお似合いだ」「…………」「どうしたうずくまって、私に悔し涙を見せたくないのか? うん?」神楽に近付いてきたのはニタニタ笑っているエヴァ。散々罵られていた彼女は今がチャンスと神楽に対して強気な態度を見せつけ、それに対して神楽は顔を下げて黙り込む。そこに更なる追撃をかけようとエヴァが近付いて行くが「て、て……」「何だ、まだ喋れるのか? だがもう得意の毒舌攻撃は出来な……」「てめぇも道連れじゃぁぁぁぁ!!!」「むぐッ!」神楽は持っていたある物を残っていた力をこめてエヴァに襲いかかり、彼女の口に何かを無理矢理詰め込む。いきなりの行動にエヴァは一体何事かと思っているうちに、思わず彼女から咥えされた物を飲み込んでしまう「ゴクッ……ハァ、ハァ……貴様私に何を食わしたッ!」「ヘッヘッヘ……私が食べたもう半分のんまい棒アル……」「何ィィィィィィィ!! うぐッ! 腹が……!!」「私と同じ苦しみを味わうがいい、デヒャヒャヒャ……ぬごぉぉぉぉぉ!!!」神楽が残していた半分の下剤入りんまい棒、それがエヴァの腹の中に……彼女に強烈なビッグウェーブが襲いかかる。倒れている神楽同様エヴァも腹をおさえて苦しみだした「ぐわぁぁぁぁ!! ぎ、銀時ィィィィィ!!」「銀ちゃぁぁぁぁんッ!! トイレ何処ォォォォ!!??」「あ? 知らねえよ、今てりやきマック食ってんだから忙しいんだよ、勝手に漏らせチビ共、」「「この腐れ天パァァァァァ!!」」あまりの激痛に思わずエヴァと神楽は同時に観客席で座っている銀八に助けを求めるが、彼はクチャクチャとお持ち帰りしてきたマックを食べながらそっけない態度で一蹴。だがしばらくすると銀八は思い出したようにエヴァ達の方に向く「こっから近いトイレって体育館のだぞ」「そうかッ! よし急いで体育館へ……」「でも銀さん、あそこのトイレ今故障中でまだ一個しか使えませんわよ?」「マジで? つーか何俺のエビフェレオ食ってんだテメェ、返せコラ」銀八が持ってきたマックを勝手に食していたあやかの情報を聞いてエヴァと神楽が同時に立ち上がる、そしてお互いを睨んで「どっちがヒロインとしてふさわしいか……」「ここでケリつけるアルか……」学園内のトイレにはこの腹の痛みからして恐らく間に合わない、ならば体育館に1つ残っているベルサレム(トイレ)にどっちが先に辿りつけるか……同じ事を考えていたエヴァと神楽は額からポタポタ汗をしたたせながら顔を見合わせて、静かに笑った後「「負けるかコラァァァァ!!!」」「今エヴァ選手と神楽選手が何処かに向かって猪の如く走って行きました、何があったのでしょうか?」「さあ? ゴリラさんはどう思う?」「んも~誰か俺のことを人間と認めてくれよ~」必死な形相でエヴァと神楽は、互いに妨害をしながら体育館へと走って行く。そんな珍行動に花野アナと和美が首を傾げて一体何事かと、ようやく復活して今は和美の隣にイスに座って安静している近藤に尋ねてみる。彼は深く考え込んだ後「二人の顔から出る汗の量からして……あれは俺も何回も経験してる状態だな」「どんな状態?」「決まってるだろ、きっと……おごごごごごッ!!」「あれゴリラさん? ゴリラさ~ん? 背中にバナナこんなに生やしてどうしたの?」近藤が言い終える内に再びあの感触が、しかも今度は散弾銃のように背中に大量のバナナが突き刺さり、その衝撃でイスから転げ落ちてそのまま倒れながら白目を剥いている状態の近藤を見て和美は彼に近付いて揺すっていると「うふふ、女の子の前で何下ネタなんか言おうとしているのかしら?」「もしかしてこれ千鶴さんのせい……?」「いいえ神からの審判よ和美」「近藤さんがまた死んだァァァァ!!」近藤の後ろから突然出てきた千鶴に和美は疑いの目を向けるが、彼女はニコニコ笑ってとぼける。同じく千鶴と一緒にいた夏美は慌てて近藤に駆け寄った。「ちょっとちづ姉やりすぎでしょッ! このままだとマジで……」「どうも、校庭で騒いでいる声が聞こえたから来てみたんですけど何やってるんですか?」「あ、山崎さんッ! 急いで救急車を……! って何で泣いてるんですか……?」「いや……俺の名前知ってる生徒もいるんだなと思ってつい……」「そんなことッ!? それよりこの人がヤバいですから早くなんとかしないと……!!」学園内で情報活動していた真撰組の密偵を勤める山崎退がここでは珍しく真選組の服装をして、何をやっているのかと見に来たのだ。来て早々夏美に名前で呼ばれたので少し涙ぐむ山崎に夏美がツッコんだ後、近藤を指差す。だが涙を拭いた山崎はそんな近藤を見ても全く動じていなかった「すんません……え~と とりあえずこれ抜きましょうか、ていうか何で局長がいるんですか?」「ちょっとッ! 人の命の灯火が消えかかってるのに何その対応ッ!?」「ああ大丈夫、俺等の世界でも大体局長はこんな感じだし、心配してくれてありがとね」「ええ~……この人ってそっちでもこんな感じなの……」夏美の心配をよそに山崎は淡々と説明を終えた後、倒れている近藤の背中のバナナをズボズボ抜いて背中から噴水が出ているにも関わらずその血を止めるために持っていた包帯でグルグル巻きにする。「こうしてればすぐに復活するからウチの局長は、この人凄いタフだから」「確かに前々回ちづ姉にやられても前回では普通に出てきたね……ていうか何で山崎さん普通に包帯携帯してるの……?」「何でって、ここで働いている以上必要だからに決まってるでしょ、最近は楓さんやら旦那の所にいたチャイナ娘そっくりな娘に勝負吹っかけられるんすよ?」「あ、それは……ウチのクラスメイトが本当すみません……」真顔で答える山崎に夏美は頭を掻いて素直に謝る。色々と騒ぎを起こすのはもっぱら我等3年A組の元気過ぎる生徒達である。後ろでニコニコしている千鶴も無論例外ではない。「夏美、その人だ~れ? ゴリラさんの飼育員?」「違うよちづ姉……ここで働いてる山崎さんだよ、時々見るじゃん……」「あらそうだったかしら? 全然気付かなかったわ」 「あ~ここの生徒って本当俺のこと見えないんですね……俺もしかしたら死んでるのかなアハハハ……」「重ね重ねすみません……」千鶴にスパっと一蹴されて山崎が軽くうな垂れているところを再び夏美は彼に謝る。山崎が見える生徒は現時点では極限に少ないのが現実であった。山崎が己の地味さを実感しているその頃、神楽が途中退場になった事で2対2となり、アスナはその事に勝機ありと見てテンションが上がりっぱなしだった。「ヨッシャァァァァ!! 思ったよりあのバカロン毛使えたわね刹那さんッ!」「そうですね……ていうかアスナさんさっきからずっとテンション上げ上げですけどよく持ちますね……」「当たり前でしょッ! あのサドに一度痛い目に合わせないと本編入りしたら何しでかすかわかったもんじゃないじゃないッ!?」「そりゃそうですが……」一応アスナの言い分は納得できるし、時折自分も狙ってくるので危険なのはわかるがそれほど執念深く殺意を発するのもどうかと刹那は首を傾げる。何より土方の部下なのでほんのちょっぴりでも常識というのは持っているはず……「おい総悟、ガム噛むの止めろクチャクチャうるせんだよ」「土方さんもタバコ吸うの止めてくれませんかね? タバコ臭くて敵わねえや」相変わらず自分の上司に対して軽い調子で返す沖田を見て。やっぱり無いのかだろうか……と刹那が考えていると花野アナが試合再開の宣言をする「さあ~色々起こってますが遂に終盤までやってこれました、本当に長かったです、読者の皆様こんな長ったらしくてすいません、では試合再開ですッ! 現時点でボールを持っているのは……おーっとッ! 沖田選手だァァァァァ!!」「チャイナ娘の屍から剥ぎ取ってきました」神楽が残したボールを片手で持ち上げ沖田はジリジリと今回の彼の一番人気のアスナに迫る。だがアスナの近くの方にいた外野の黒百合部隊の英子をチラリ見て「メス豚Aやれ、今度他のメス豚共と喧嘩したら車にくくりつけて首都高疾走だからな」「わかりましたご主人様ッ!」「チッ! 直接来ると思ったら外野にパスしてきたわねッ!」「沖田選手、黒百合集団の一人にパスッ! これには何か策があるのでしょうかッ!?」ボールを素早い手際で英子にパス、沖田の戦略が何かわからないがとりあえずアスナは英子から来ると思われる攻撃に身構える「フッフッフ……またぶつけさしてもらうわよバカ力さん……」「サドの配下のくせに調子乗ってんじゃないわよ、一回見たアンタのボールなんて軽く止められるわよ」「へらず口は相変わらずね……ならばこのボールを止められるかしらッ!?」そう言うと栄子はボールを持った状態で高く飛びあがり、アスナに狙いを定める。アスナからの視点で彼女は後ろに照らしている太陽と重なる「くッ! また……!」「必殺! 太陽拳ッ!」原作で栄子がアスナに使った戦法を再び行う。栄子の後ろの太陽によりアスナは眩しさのあまり飛んでいる栄子が直視出来ない、この状態で投げられたらアスナは再びやられる。だが一度見た技を再び食らうなどアスナはそれほど無能ではない。「刹那さんッ!」「うわッ! 今度は私を盾にする気ですかッ!?」「安心しなさい、盾じゃなわいよ」「へ?」すかさずアスナは刹那の後襟を掴んで栄子の射程距離の範囲内へ。あやかのように今度は自分を盾にするのかと刹那は思ったが、アスナの考えは違った。彼女が刹那を欲した理由、それは……「こ、これは……!!」「刹那さんの出てるデコで……必殺! 太陽拳返しッ!」「私の額を使って何やってんですかッ!? そんなの無理に決まって……!」いきなりアスナに前髪を後ろに持ってかれて栄子の前に突き出され困惑する刹那だが、彼女の言葉とは裏腹に……太陽の反射で刹那の額が光る「うッ! 眩しいッ!! あの娘のデコが光り輝いて前がッ!」「え、ちょッ! 私の額ってそんなにでかいんですかッ!?」「しまったボールをッ!」「黒百合さんが刹那選手のデコフラッシュで思わずボールを生徒さん側に落としてしまったァァァァ!! これはチャンスだッ!」「勝手に私の技みたいに言わないで下さいッ! 何ですか『デコフラッシュ』ってッ!? ちょっとコンプレックスなりそうですから止めてくださいッ!」花野アナの勝手な実況に刹那が怒鳴っている頃、彼女の額を使って敵の攻撃を防ぐ事に成功したアスナは落ちてきたボールを受け止める、同時に外野の方で栄子が墜落していた。「よしッ!」「うぎゃッ!」「アスナ選手が黒百合さんが落としたボールをキャッチしますッ! 同時に黒百合さんが落ちてきましたが大丈夫でしょうかッ!?」「く……すいませんご主人様……」「使えねえ野郎だ、デコ那のデコ程度でやられてんじゃねえよボケ、」「う……任務に失敗して悔しいのとご主人様に罵られて嬉しいのが両方に……」「あんたどんどんサドのせいで人の道を踏み外してるわよ……」ドS沖田に美砂同様洗礼され、賛美の表情をして立ち上がろうとする栄子を見てアスナは頬を引きつらせる「何か私の周りの人達がどんどんキャラ変わっていくわ……」「いえアスナさんも結構変わってますから……そういえばさっき持ってたボールは……」「ああ、あれは……」「どうせ食い物と思って食ったんだろこのモンキー……イテ」・・・・・沖田がアスナを挑発しようとした時にポンと柔らかい感触が彼の頭に響く「アスナ~当たったで~」ふと沖田がそちらを向くとアスナに向かってはしゃいでいる外野の木乃香がいた。「沖田選手ヒットォォォォォォ!! まさかのアスナ選手の機転により気付かない内にボールを外野の木乃香選手にパスしていたァァァァ!! これは迂闊、私も彼女の存在を忘れていたので気付けませんでしたッ!」「空気だったもんね木乃香ちゃん」「いやや~そんなん言わんといて~」和美の言い方に木乃香が泣きそうな顔で訴えているにも関わらずアスナはピョンピョン跳ねながらはしゃいでいた。遂に沖田退場、こうもあっさりと、更に全くノーマークの少女に当てられ……「サド死んだァァァァァ!! 今夜は宴よキャホォォォォイッ!! ざまあみろヒャ~ハッハッ!!」「アスナさん段々テンションが向こうのチャイナさんと一緒……」「せっちゃ~ん、助けて~!!」「え……?」狂気するアスナに刹那が何か言おうとする前に、突然木乃香の必死に助けを呼ぶ声が。一体何事かと彼女の方へ刹那が顔を、向けると「せっちゃ~ん!」「おい助けなんて呼んでんじゃねえよ、今から粛清してやるから覚悟しろよこのなまり娘が」「お嬢様ァァァァァ!!」木乃香の首根っこを片手でおさえ、宙ぶらりんにした状態でもう片方の手には自分の刀を握って今すぐにでも刺そうとする沖田がいた「き、貴様ァァァァァ!! お嬢様に何する気だァァァァァ!!」「俺に恥かかした罰でさぁ、ちょっくら死んでもらいま~す」激昂して沖田に吠える刹那を尻目に沖田は無表情で物騒な事を言う、だがそれはさすがにヤバいと上司の土方が止めに入る「総悟止めとけ、その娘っ子は俺ん所のガキのダチだ」「そうよ私の友達でもあるのよッ! 木乃香に手出したらぶん殴るわよッ!!」「いや元々お前が原因だろうが……」アスナが飛んできて沖田に怒鳴るが本来彼女が木乃香にボールを渡したのが原因ではなかろうかだが土方の言葉やアスナの脅しも聞かずに沖田は刀を戻さない「誰に言われようと俺はもう止まらないぜ、俺はここでドS界の神になる」「沖田選手ッ! 木乃香選手を殺る気マンマンですッ! ちょっと誰か止めてッ! これヤバいからッ!」「せっちゃ~ん!」涙目になりながら木乃香は沖田に掴まれながらも刹那に助けを求める、そんな彼女を見て刹那の頭の中でブチっと何かがキレる音がした「て、てんめぇぇぇぇぇ!!」「あれ刹那さん……?」「それ以上お嬢様を恐がらせる真似したら殺すぞコラァァァァ!!」「何だデコ那やる気か?」「上等だテメェッ! おい山崎ッ!」「は、はいッ! あれ俺呼び捨てッ!?」いきなり豹変した刹那にいきなり指名された山崎が慌てて彼女に近寄る。何と言うか自分の上司の一人と同じ口調なので思わず敬語を使ってしまう「刀よこせッ!」「いや刀は武士の魂だからただの生徒に刀貸すのはちょっと……」「てめえの陳腐な魂なんざ知ったこっちゃ無えんだよッ! あのサド殺る前にオメーを殺ってやろうかああんッ!?」「は、はいィィィィィ!!」普段は敬語で喋ってくる刹那が、まるで別人のようにチンピラ口調になる彼女に、山崎は急いで腰に下げていた刀を鞘ごと投げ、刹那はそれを片手で受け取る。そんな彼女を見て沖田は口元に笑みを浮かべる「ついに覚醒しやがったか土方マークⅡが、オラよ」「きゃん!」木乃香の首から手を放して沖田は彼女を地面に落とす。木乃香は尻餅をつくも外傷は無い「いくぜデコ那」「あのお二人さぁぁぁぁんッ!! これドッチボールなんですけどォォォォォ!? 何で刀持って斬り合いおっ始めようとしてんのォォォォォ!?」花野アナの叫びも沖田と刹那には馬耳東風、互いに刀を持って二人はじっと立ち尽くす。沖田は笑って刹那は無表情で。それを眺めていた土方はタバコを携帯灰皿に入れてふと空を見上げる「俺の周りは戦闘バカしかいねえのか……」「ひ、土方さ~ん」「え?」嘆いている土方に自分を呼びかける声、土方はこの声を聞いた事がある。色々世話になった生徒の声……「土方さ~ん」「いや待て待て、ここであいつの声が聞こえるわけが……」「土方さ~ん、大丈夫ですか~?」「ないないない、このタイミングで来るはずねえって、ここで来たらマズ……」恐る恐る土方は声のする方向へ顔を向ける。声がした方向は観客席。そして見つけた。長い前髪から目をチラつかせ、自分に向かって叫んでいる少女を「土方さ~ん応援に来ました~」「何来てんだテメェェェェェ!! はッ!」「デコ那~悪いな……あちらのお嬢さんが先だ……!!」「何?」そこにいたのは土方に手を振っている宮崎のどか、それを見た瞬間土方は焦りだす、何故なら部下の沖田が本来一番星で狙っていた少女は刹那に剥いていた総悟は急転換して観客席にいるのどかに体を向ける。そして……ドSモード・レベル2・ON邪悪な笑みをして総悟は目を赤く光らした「遂にツラ出しやがったなのどかァァァァァ!!!!」「きゃぁぁぁぁぁ!!」「待てや総悟ォォォォォ!!!」「どうした事でしょうッ!? 沖田選手、観客席に向かって刀を持って暴走していますッ! 誰かを追っているようですが……あの少女は……?」「本屋ちゃん?」刀を持って沖田は土方の静止も聞かずのどかに向かって襲いかかる、花野アナと和美が観察して見ると、泣きそうな顔で逃げているのどかと、刀を持って吠えながら追う沖田の姿が「のどかちゃぁぁぁぁんッ! あ~そ~び~ま~しょォォォォ!!」「いやぁぁぁぁぁ!! 助けてぇぇぇぇ!!」のどかは必死に逃げるも沖田の方が断然早い、走りながら沖田は懐からある物を取り出す。「のどかちゃ~ん、ちょっとこの鎖に巻かれてくれな~い」「いやです~!! 何で鎖なんか持ってるんですか~!!」「君のハートを調教したいのさ~~」「何か恐い事言ってる~~!!」刀を鞘に戻して取り出した鎖をブンブン回しながら逃げるのどかの背中に近付いて行く沖田。無表情で鎖を振り回す彼を見て、一層のどかは激しい恐怖感を抱く。「の~ど~か~ちゃんッ!」「ひぃッ!」沖田は鎖を投げて彼女を捕まえようとする。思わず後ろを振り向いたのどかはこちらに向かって来ている鎖を見て思わず目をつぶる。もう終わった、のどかはそう思った。だが鎖は飛んで来ず、代わりにガキンッ!という何か固いものを斬る音が聞こえた「ハァ……ハァ……ったくこいつが来てる時に来るんじゃねえ……」「土方……さん……?」「何するんですか土方さん、俺の特注の鎖をぶった斬って、高かったんですから弁償して下さいね」「テメェやりすぎだ……そろそろ止めとけ……」咄嗟にのどかの前に出てきたのは土方十四郎。彼はのどかに来る鎖を持っていた刀で断ち切ったのだ、息が荒いのは恐らく必死に走ってきたのであろう。そんな土方に沖田は不敵にニヤリと笑う「土方さん、そこどいてくださいませんかね?」「断る、お前が誰を調教しようが構いはしねえが、コイツだけは止めとけ、読者に叩かれるぞ」「読者に叩かれるから駄目じゃなくて、土方さん個人の理由があるからじゃないですかぃ?」「何が言いてえんだテメェ……」意味ありげに笑う沖田の言葉に土方は睨んで答える、視線だけで人を殺せるような狂犬の目。だが沖田は全然動じず口に指を入れてピーっと笛を吹く。「その娘ッ子よこしてくれないなら俺にも考えがありますぜ」「俺とやりあう気か、総悟」「俺一人では不安なのでこいつらと一緒にのどかちゃん頂きますぜ」「こいつら……?」「「「「お呼びでございましょうかご主人様ァァァァ!!!!」」」」「やっぱそいつ等かよッ! てか短期間でどんだけ教育してんだテメェッ! 来るの早えッ!」余裕の表情を浮かべる沖田の後ろに黒百合三人衆と美砂の四人が走ってきて早々沖田にひざまずく。あまりの手際の速さの良さに土方は思わずツッコんでしまう。「俺とこのメス豚軍団を相手に一人でやれますかい土方さん?」「チッ、5対1か……つかどこの悪役だテメェ……」「土方さん……」女子供を連れた沖田はヒッヒッヒと笑い、土方を挑発する。黒百合や美砂など土方とのレベルは全く違う。だが女を相手にするのは苦手な土方にはちとやりずらい。そんな彼にのどかは思わず彼の腰に抱きつく。「だ、大丈夫ですか……?」「大丈夫だから少し離れろ、こりゃあ一人で相手にするのは面倒……」「一人ではありませんよ」「刹那さんッ!」「私も加勢します」土方の隣りに颯爽とやって来たのは山崎の刀を持った刹那、そんな彼女を土方は見ずに話しかける「俺にガキの助けなんか必要ねえ」「私はあの男に借りがありますので、生憎それは譲れません」「……好きにしろ」「言われなくても」「小娘後ろに下がれ、怪我するぞ」「は、はい」「行くぞガキッ! 真選組副長 土方十四郎ッ! 推して参るッ!」「お嬢様に楯突く奴は何があっても許せん……死ぬ覚悟は出来たかッ!?」のどかを後ろに下がらせ、土方は刹那と背中を合わせ、刀を構える。そんな光景を見て沖田はフンと鼻で笑う「何処の伊達軍ツートップですかぃ? 政宗だろうが小十郎だろうが俺のサド道は止められねぇ、行くぞオラァァァァァ!!」「「「「イエッサァァァァァ!!!!」」」」刀を振りかざし号令を掛ける沖田、それを聞いて沖田のメス豚部隊と共に一斉に土方達に襲いかかる。それに立ち向かう土方と刹那。「「死ねコラァァァァァ!!!!」」「土方さん刹那さん、が、頑張って~~!」「せっちゃん、土方さん頑張ってな~」のどかと何時の間にか来ていた木乃香の応援を背に、土方と刹那は沖田の軍勢に二人で立ち向かう。かくしてここに上司と部下、生徒と生徒の合戦が始まるのであった。「って何してんのアイツ等ァァァァァァ!!!」白線がしかれたコート内で一人アスナが天を仰いで叫ぶ。そう本来の試合はドッチボール、なのだが……「大変な事になりました、土方選手と刹那選手がまだアウトになっていないのに、あっちでガチバトルおっ始めてます……」「向こうは向こうで盛り上がってるけど……銀さんどうする?」「どうもこうもバカレッドしかいねえからな」「じゃあこのまま生徒側の不戦勝で?」「ふざけんな、あいつ等が勝ったら俺が焼肉奢るんだぞ、ちょっと待て今打開策考えるから……」銀八は椅子に座りながら頭に手を置いて考える。そんなことしているうちに、後ろから「死ね土方ァァァァァァ!! お前等撃ちまくれェェェェ!!」「テメェ等バズーカは反則だろうがァァァァ!!」「シャーラップッ! 勝てばよかろうなのだァァァァァ!!」「どんどんキャラ変わってますけど大丈夫ですか柿崎さんッ!?」「せっちゃんも人のこと言えないんちゃう……?」と爆音と叫び声が入り混じりながら、大量の砂埃を撒き散らしている。後ろでフィーバーしている中、銀八は黙々と考える。彼にとってこれは金がかかってるのだ、不戦勝など断じて許せない。しばらくすると隣りに銀八の隣りに座って彼ののメガネを付けている千雨がボソリと呟く「野球みたいに代わりの選手でもいればいいんじゃねえか?」「代わりの選手ってお前……」千雨の助言を聞いて銀八の顔は曇る。そんな都合良く目の前に使える江戸の住人など……「何やってんでしょうね、副長と沖田隊長、ていうかあの子俺の刀返してくれるかな……」適材発見、その時銀八の目が光る。自分の刀で黒百合の栄子に峰で兜割りを決めている刹那や、自分の上司を眺めていた山崎の背中に近付いて銀八はポンと彼の肩を叩く「出番だジミー」「……は……?」「いや~問題が起こりましたがなんとか解決して良かったですね、朝倉さん」「そうだね~まさか土方さんの代役が見つかるなんてね~」「銀さん銀さん」「あれ? いたのネギ?」「いました、あなたの近くにずっといました……」「マジで? 何かお前、新八並に地味になってるきてんじゃね? 気を付けろよ」「……はい……」銀八に言われて彼の左に座っていたネギは(ついでに右にはあやか、その隣りに千雨)軽く落ち込んでうな垂れるが、すぐに顔を戻して銀八に口を開く「土方さんの代わりの人ってあの人ですか……?」「そうだ、普段は全く地味で、いや本当地味で、何やっても地味で、とにかく地味で地味で仕方がない男それが……!」銀八はビシッと銀魂チーム側にポツンと立っている男を指差して「その名もジミーこと山崎ッ! 行けェェェェ!! ジミィィィィィ!! 地味キャラの力を見せてやれェェェェェ!!」「地味地味うっせェェェェェ!!!」いらん事を連呼されるので山崎は思わず銀八に向かって吠える。何故彼がここにいるのか?理由は簡単、途中で抜け出した土方の代理である。いきなりコートに立たされた山崎は目の前に仁王立ちしているアスナを見て、顔から汗が出す(マズイぞ……副長と旦那のおかげでいきなりこんな舞台に立たされるなんて……! アレ? でもこれ目立てるチャンスじゃね? 考えればこれ俺の一人舞台じゃん? しかも活躍すれば更に目立てて……いやいや密偵の俺が目立っちゃマズイでしょ……)山崎が頭を抱えて自問自答をしている頃、アスナはボールを構えて目をギラつかせながら山崎に狙いを定める「誰だか知らないけど、さっさと終わりにして焼肉食いに行かせてもらうわ」(でもこれで目立てればな~もうちょっと扱いが良くなるかもしんないな~……いやでも地味キャラが定着しているのにいきなりここで華になってもな……それにボールぶつけるとしても俺あの生徒と何ら関わり無いし……)「おい山崎前ェェェェェ!!」「いやッ! ここは目立とうッ! 思いっきり目立って、定着している地味キャラの殻を破ってやろうじゃないかドフゥゥゥゥ!!」悩みに悩みぬいて決心した山崎が顔を上げる。だが顔を上げた瞬間……彼の顔面に深い一撃が叩きこまれた「ヨッシャァァァァ!! 知らない人倒したァァァァァ!!」「土方選手の代理アウトォォォォ!! 人が悩んでいるシーンの時に狙い撃ちするとは本当に空気が読めないアスナ選手ッ!! しかしこれで決着ッ! 遂に決着ですッ!!」アスナのボールが山崎の顔にクリティカルヒットした瞬間、そのまま彼は後ろにバタッと倒れてKO「山崎テメェェェェ!! 何普通に突っ立ってんだよッ! 仕事しろよッ! 税金泥棒じゃなくてギャラ泥棒に転職かコノヤローッ!!」試合に負けた腹いせに倒れた山崎に向かって野次を飛ばしまくる銀八、それに見事復活して彼の後ろに立っていた近藤が頷く「山崎の奴、日頃の鍛錬が怠っているから、ここぞという時に何も出来ないんだ、やっぱ男は俺みたいに日頃から鍛えてなきゃな、ねえ千鶴さん?」「そうね、動物園に行くと時々自分の胸を叩いて鍛えてるわね、ゴリラさんは偉いわ」「違いますよッ! あれは『ドラミング』と言って胸を鍛えてるんじゃなくて向かってきた相手に威嚇行為をしているんですッ!! めっちゃビビるでしょあれッ!?」「ツッコむ所違うよ近藤さん……」千鶴に近藤がツッコんで近藤に夏美がツッコんでいると、ふとネギが後ろに振り向いて彼女に喋りかける「そういえば試合終了のホイッスル吹かないんですか?」「あ、そういえばそれ私の役だっけ……」「おいふざけんじゃねえッ! まだ終わってねえッ! まだ終わらんよッ!!」「銀さん……」ネギの提案に銀八が席から立ち上がって猛抗議、だがネギはため息をついた後、なだめるように銀八に向かって口を開く「だってみんなアウトになりましたよ、銀さんの世界の人?」「俺がいるじゃねえかッ! まだ真のラスボスがここにいるじゃねえかッ! おいバカレッド勝負だコラァッ!!」「しつこいわねッ! 勝ったのはこっちでしょッ! 素直に奢りなさいよッ!」「ここは認めしょうよ銀さん……タン塩で」「負けは負けですわ銀さん……私カルビお願いします」「銀八、私レバー」「お前等ドサクサに注文してんじゃねえよッ! まだ戦いは終わってねえってッ! まだ僕等の戦いは終わっちゃいないんだァァァァァ!!!」普通に欲しい肉の種類注文するあやかと千雨にツッコんだ後、銀八は声高らかに叫ぶ。だが何を言おうが終わりは終わり、長期に渡るクロス作品対抗試合はネギま側の勝利となり幕を閉じるのであった試合が終わって数十分後、夕日の空を見ているとカラスの声だけが聞こえ、どこか寂しげな雰囲気が漂っていた「なあネギよ~金貸してくんねえかな?」「良いですけどそんなには持ってませんよ」「ったく……あのバカ共が負けたおかげで何で俺がガキ共に……」愚痴をこぼしながら銀八はネギからお金を少しばかりもらいため息をつく。試合が終わってからもずっと抵抗を続けていた銀八だが結局、生徒側の猛抗議により高級焼肉店JOJO苑に行かされる事になったのであった。「銀行行かねえとマズイなこれ……それにしてもあいつ等……」頭を掻き毟りながら銀八は周りを見渡す、ふと見ると千雨の所に誰かが近付いている。「おい……試合はどうなった……?」「試合云々よりお前が大丈夫かエヴァ?」ようやく戻ってきたエヴァがだるそうに地面に座って休んでいる千雨と喋っている。エヴァはまだ調子が悪いのか腹をおさえて表情に辛そうなのがよく現れている「もう帰りたい……何時間もトイレにいた……」「そりゃあ、ヒロインとしてどうかと思うぞ」「まだ痛い……あのチャイナめ……私がトイレに入ろうとした瞬間、私を蹴っ飛ばして自分は中に入って……学園内のトイレに行くまで地獄だった……」「それは災難だったな……」「大体何だあのチャイナ……こっちにはチャイナ二人いるんだぞ、キャラ被りにも程があるだろ……」「へいへい」すっかりグロッキー状態のエヴァを見て千雨は軽く同情するも、それからは延々と千雨はエヴァから神楽への悪口を聞かされ続けられた。一方その神楽はというと……「ヘッヘッヘ……今回は大人しく引いてやるヨ……だが次会った時は今度こそヒロインポジションを取り返してるネデカ乳……」「腹おさえて何言っても迫力に欠けますわよ、チャイナさん」「うるせぇぇぇぇ!! 覚えてろよチクショォォォォォ!! あだだだだッ!」「はいはい、早く帰って養生して二度とこっちに来ないで下さいね~」エヴァ同様疲労困憊の神楽は腹をおさえながらもあやかに対しては全力で敵意をむき出す。そんな彼女にあやかは腕を組んで立ち尽くし、何を言われても適当に流していた。続いて銀八はさっきまで試合が終わってからもずっと別の事でやりあっていたグループを見るすっかり入で立ちがボロボロの状態で刀を杖代わりにしてお互い随分やりあった形跡が残っている土方と沖田だった「ゼェ……ゼェ……どうだ総悟……」「ハァ……全く土方さんもせつにゃんもしぶといですね……本当に死んでくださいよ」「だ……誰が死ぬか……まだ俺達とヤリ合う気か……?」「いえ今回は引きやす、メス豚共が全員せつにゃんにやられたんでね……」クイッと沖田は親指で後ろで目を回して倒れている栄子、ビビ、しぃ、そして美砂を指差す。彼女達ながら頑張ったものの、刹那相手にすっかりやられたようだ「次はこうは行きませんぜ、本編入りしたらもっと強いメス豚をゲットして土方さんとせつにゃんぶちのめして、のどかちゃんという大将首を取ってやりますぜ、あとまだかすがにも会ってないのでそっちもやります」「かすが……? あいつか……あのガキはいくらやっても構わん、むしろやれ」「だ、駄目ですよ土方さ~ん……私の友達売らないで下さ~い」「イデデデデデッ! わかったッ! わかったから抱きつくなッ! あちこちイテェんだよッ!!」自分の友達への調教を許可する土方に、それは止めて欲しいとのどか彼の腰に抱きついて懇願する。いきなり抱きつかれた土方はあまりの痛みにうっすら目に涙を滲ませる。そんな土方達の近くで地べたに座り、彼同様ボロボロになっている刹那の姿。まだ息が荒くひどく疲れているのがよくわかる「サド王子の部下の皆さんなんであんなゾンビみたいに攻撃的に……おかげで全員峰打ちで倒すのに時間がすごいかかった……」「せっちゃん生きとる~?」「ええかろうじて……」目が死んでいる刹那に木乃香が気の毒そうに近付く。ずっと見ていたがバズーカやら鎖やらを受けていた彼女を見てたのでかなりのダメージを食らってると思われる「せっちゃんこれ食べて、さっきのお兄さんから一個貰ってきたで」「お嬢様これは……」「キノコ」「それ食ってパワーアップするのは配管工兄弟だけなんですよお嬢様……」無邪気にキノコを持っている木乃香を見てツッコむものも、その無垢な純粋さに少し癒される刹那であった。ドッチボールそっちのけでスマブラやっていた集団をジト目で睨んだ銀八はため息をついた後、何やら大声で笑っている声が聞こえたので、銀八はうるさい声が聞こえる方向に顔を向ける「ガ~ッハッハッ! どうでしたか千鶴さんッ! 俺の『天真爛漫』な大活躍をッ!」「近藤さん『天真爛漫』使うところじゃないよそこ……」「凄いわ~あんなにVの字になって、ゴリラの体ってやわらかいのねゴリラさん」「ゴリラ、ゴリラ……夏美君、もしかしたら俺は本当にゴリラなんじゃないのかな……もうゴリラとしてターちゃんでもいるジャングルにでも移住しようかな……」「ちょっとぉぉぉぉ!! 自分に自信持ってェェェェ!!」相変わらず千鶴に人間として認められないので、どこか遠い目で見つめて自分の存在に疑問視している近藤に夏美が慌てて励ます。「考えてみてよッ! ゴリラって服着るッ!? 近藤さん着てるでしょッ!?」「ああ着てるね……」「あとゴリラはもっと毛深いよッ!? 近藤さんも結構毛深いけどモノホンゴリラはもっとゴワゴワだよッ!!」「確かに……」「そうだよッ! ていうかゴリラは刀なんか持たないよッ!」「そうだッ! ゴリラは刀なんて持てねえッ! 刀を持つ俺はゴリラじゃねえッ! 侍だッ!!」夏美(十代前半)の励ましに再び活気を取りもどす近藤(二十代後半)。そして近藤はもう一度千鶴の方に顔向ける。「千鶴さん考えてくださいッ! ゴリラって刀持ってないでしょッ!? 俺刀持ってますよッ!」「まあゴリラさんじゃなくて、武器を持つことを覚えた北京原人だったのね? ごめんなさい勘違いしてたわ」「やったぞ夏美君ッ! 俺ゴリラじゃないってッ!」「いや原人扱いだからねッ!? ゴリラじゃないけど原人だからねッ!?」「でも原人さんよりゴリラさんの方が言いやすいから、ずっとゴリラ一本で行きましょうゴリラさん」「駄目だァァァァァ!! ゴリラの輪廻から飛び出せねぇぇぇぇぇ!!! ずっとゴリラのターンだァァァァ!!」「とりあえず地道に頑張って人類として認められようね近藤さん……」何を言っても人として認めてくれない千鶴に、近藤は遂に天に向かって大声で絶叫する。そんな彼に夏美は小さな声で応援のメッセージを届けるしかなかった……それを見て「うるせえなあのゴリラ……」と銀八が舌打ちしていると後ろの方向からまた何やら騒いでいる声が、振り向くと気難しい表情のネギと負傷している山崎、メガネがボロボロの新八という、何ともおかしな三人組がいた「新八君やっぱり俺達って何やっても地味なまんまなんだよ、もう諦めよう、そして地味キャラでずっと生きていこう……ねえネギ君」「え……何で僕……?」「山崎さんの言う通りかもしれませんね……地味は地味なりに頑張ってる所を読者に見せつけるのも良いアイディアかもしれません……ねえネギ君」「いや……これでも僕なりに色々とやってるんですよ……?」ネギの言い分にも山崎と新八は全く聞いておらず、彼等はそっとネギの両肩に手を置く「もしBASARA3の家康みたいに地味キャラから主人公キャラになるような真似したら……」「僕等地味トリオは解散です、そして地味キャラから抜け出した君を地の果てまで追いかけてシメますよ……」「地味トリオって何ッ!? そんな所に所属してましたっけ僕ッ!?」いきなり変な団体の名前を上げられたので慌ててネギは澄まし顔の山崎と新八に叫ぶ。それを聞いて二人はわかっているように「何言ってるんだい、本編での出番からして君は俺らジミー・ザ・トリオに決まってるだろ」「そうですよ本編見る限り君もこっち側ですし……」「いいですッ! そこは言わないで下さいッ! まだ『BASARA2の家康』から『BASARA3の家康』になれる可能性はありますッ!」「なったら潰すぞコラ……」「あの恐いんですけどこの人ッ!?」いきなり新八の目が血走ったので戦いの師とやりあってる時と似た恐怖をネギは抱き始めた。果たして地味キャラ脱出はあるのだろうか……一方地味とは全く無縁、個性の塊のような男はネギが叫んでいる近くで何やら生徒の一人に話しかけていた。個性の塊のような桂はカツオの衣装のまま、試合が終わって一息ついているアスナに近付く「終わったようだな」「ええ、アンタ途中で弟と一緒にポケモンやってたでしょ……見てたわよ、まあアンタもよくやったじゃない、チャイナやっつけたし」「そういうお主も仲間を切り捨ててでも勝利を掴もうとする貪欲な姿勢、その姿に俺は敬意を称する」「勝てばいいのよ勝てばね……」「お見それしましたッ!」原作ヒロインとしてはもはや失格レベルに到達するほどやさぐれているアスナに、何故か敬礼のポーズをする桂。彼は行う事がいちいちわからない。敬礼を止めた後桂は再びアスナに話しかける。「所でその強欲な姿勢を持つお主を是非俺達の組織に入れようと考えているのだが」「は? グループって何……?」「いわばこの腐った世界を救うメシアのような組織だ、どうだ凄いだろ?」「そういうアホな発想をしているあんたが凄いわ、キッパリお断りよ」「今組織に加入した人は入会特典でこのあそこにいる幕府の犬もこっぱみじんのC4爆弾を贈呈、更に使い放題を進呈します」胸のポケットから桂が取り出した球体状の爆弾をしばらく見た後、桂が指差しているまだ土方に文句を言っている沖田を見るアスナ。・・・・・「よしッ!」「あざーすッ!」「何やってんですかあんた等、バカな事してないでさっさと京都に戻りますよ」即決定するアスナに再び敬礼する桂の二人にクウネルが軽くツッコんだ後、桂の後襟をひっ掴んでズルズルと出口の校門へ引きずって行く。「ハッハッハッ! では次会う時に正式に加入してもらうかッ! さらばだ攘夷志士の卵よッ!」「待ちなさいよッ! そのサドぶっ飛ばせる爆弾だけ置いて行きなさいッ!」「彼女、爆弾目当てですよきっと」「口ではそういって本心は俺のように世界を正そうとする考えに共感しているに違いない、それが今流行りの……確か『ヤンデレ』って奴だな?」「『ツンデレ』です全然違いますから」ズルズルと引きずられて行きクウネルと会話しながら桂は抵抗せずにそのまま帰っていった。「爆弾寄越せェェェェ!!」と叫んでいるアスナを置いてそんな風景を見て銀八はタバコに火をつけて吸う、しばらくして煙を吐いた後「何このカオスな空間……?」銀八がボソリと言った事はこの作品の象徴を表していた「さてこれにより銀魂対ネギまの対抗試合ドッチボール戦は終了です、皆さんお疲れ様でした。司会・実況は私花野アナが」「解説は朝倉和美がお送りしました~」「朝倉さん、やっと終わってふと思ったんですけど……」「何ですか?」「私の台詞、並のキャラより多くありませんか?」「そうだね……」「次回は本編に戻りそして第三章スタートッ! 第二十一訓『考えてるほど世界は広くない』、どういうお話かご期待下さい」「花野アナさん、JOJO苑行く~? 銀さんが奢るんだって」「ご一緒させて頂きます」外伝の外伝 佐々木まき絵の奇妙な冒険part2まだ対抗試合が過熱していた頃、3A生徒、佐々木まき絵と珍獣エリザベスという奇妙な組み合わせで学園内をトボトボと歩いていた「疲れた……きっと学校の中にはいないよ、エリザベスさん……」『マジで?』「うん、ここに来ているなら多分校庭じゃないかな……?」疲れ気味のまき絵が隣りで一緒に歩いているエリザベスに話しかける。もうボードで会話するエリザベスにもすっかり慣れて来た。色んな所や部屋に行ってきたがどこにもいないとすると残っているのはまき絵がいた体育館、もしくはあの広い校庭ぐらいだ『よし校庭まで案内しくよろ』「はいはい……あれ……?」「あらエリザベスさん、こんな所で何やってるの? それに何なのその格好? でってぃう?」廊下の突き当たりから出てきたのは和服美人という感じのポニーテールの女性だ。何故こんな人がいるのかまき絵は疑問だが隣りのエリザベスは『どうもです』と親しげな様子だ「エリザベスさん、この女の人と知り合い?」「志村妙って言います、みんなからはお妙って呼ばれるわあなたは?」「え~と佐々木まき絵ですここの生徒です」「あら随分カワイイ生徒さんね~」「い、いえ滅相も無いですッ! お姉さんの方が美人ですしカワイイですッ!」「知ってるわ」「ハハハハ、そうですか……」笑顔でサラリと言うお妙にまき絵は頬を引きつらせていると、まき絵は彼女が持っているある物に視点が移る。紫色の何やら何か入っている風呂敷を彼女が何なのかと眺めていると、その視線にお妙が気付いた。「良かったら食べる? さっき教師の人達に分けてたのよ」「え? 食べ物ですか?」「そうよ、ホラ」そう言ってお妙は風呂敷をとく、そこには食べ物……「何ですかコレ……」「卵焼きよ」「え? 何処に卵がいるんですか……?」「そんな細かい事どうでもいいじゃない、大切なのは中身よ中身」出てきたのは大きな黒い塊。見た瞬間まき絵の表情は固まる、隣りのエリザベスも『ゴゴゴゴゴゴ』と擬音をボードに書いてヤバい物だと察知しているだがそれを製造した本人は笑顔でそれを前に突き出す「さあ食べてみて」「え……すいません私ダイエットしてて……」「あらダイエット機能もあるのよ? さっき太った先生にこれを1つ食べさせて(無理やり)上げたんだけど数分経ったら稲川淳二並にスリムアップしてたわ」「恐ッ! 稲川さんの怪談話より恐い現象起きてるよそれッ!」そんな不気味な食べ物(?)は死んでも食いたくない。まき絵は助けを求めるように隣りのエリザベスの方に顔を向けるが……『そうだ京都に帰ろう』そう書いてあるボードだけが置いてあった(逃げられたァァァァァ!! 変なニセヨッシーに逃げられたァァァァァ!!)「何してんのまき絵ちゃん? 早く食べなさい」「いやちょっと待って下さ……!!」エリザベスにエスケープされた事に頭を両手で抱えていると、お妙が早く食べるよう促す。そんな彼女に焦るまき絵、どうしたらいいのかと考えている時「何をしているんだ佐々木」「グッドモーニン」「新田先生とタカミティンッ!」突然後ろから話しかけてきたのは生徒から『鬼の新田』もしくは『コロコロ新田』と呼ばれている新田先生と、この学園で何故か時々会う、謎のマッチョな外国人のタカミティン(名称銀八)だった。まき絵は何故その組み合わせ?っと疑問に感じていると、その二人に気付いたのかお妙はそちらにお辞儀する「始めまして志村妙です、さっき職員室にいなかった先生の一人ですね、これほんの江戸からのおみやげです、そちらの外人の方も食べてください」「む……それはどうも……」「センキューベリーマ……」新田先生とタカミティンがお礼を言おうとした時、元々無表情の二人の表情が固まる。目の前にあるのは黒い塊、これを食べろと?「大変だ、帰って録画していた『ドラえもん』を観なければ」「オーマイガー、カエッテ『オーラノ泉』観ナケレバ」「はいッ!?」「健闘を祈るぞ、佐々木」「忘レハ~シナイ~」「いや……って何でムーンウォークッ!? しかも早ッ!」「ジャクソンに敬意を」「どうでもいいよッ! ていうか本当に待って……!」まき絵が何か言う前に二人はすごい勢いでムーンウォークの状態のままあっという間に遠くへ……その姿をただ呆然と彼女は見るしかなかった「もう差し出され物を受け取る前に帰るなんて駄目な人達ね、でもあなたは大丈夫よね?」「へ……?」「勿論食べるわよ……ね……?」一見笑顔だが目は一切笑っていない。逃げたら殺すぞ、その目がそう言っているようにまき絵は感じた。もう断れない、そして逃げられない事にまき絵は気付いたのだ「私から食べさして上げるわ、はい口開けて」「いやその……え~と……」「しょうがないわね~」お妙はそう言った後、まき絵が逃げれないように彼女の頭をガシッ!と掴んで拘束する「お砂糖と塩を間違えちゃったけど、大丈夫よきっと」「そんなレベルじゃないような気が……」逃げる事は出来ない、お妙の微笑みから感じる恐怖、そして「はいどうぞ」「ちょ、ちょっとマジでヤバいんじゃないですかそれッ!? 私まだ死にたく……」まき絵が言い終わる内にお妙が右手に持っている怪物はどんどん接近してくる、そして「あれ? 何だ今の悲鳴?」とある女性の悲鳴が聞こえたので、学園内探索で諜報活動していた山崎は持っていた書物から顔を上げた。「まあいいか、この学校って不思議な事ばっかだし、今更ね……そういえば校庭で何か騒いでたな、局長の声が聞こえたけどまさか……一応行ってみるか」山崎は教室に誰かが忘れたと思われるこの世界の日本史を閉じて、校庭へ向かうために教室を後にした。数分後校庭に向かおう歩いている所に廊下に横たわっているまき絵を見つけた山崎は、慌ててまき絵を保健室に運んでいったのであったまき絵は保健室で寝ている間ずっと『ダークマターが……ダークマターがこっちに……』と散々うなされていたのは言うまでもない。第一部 完銀さんの質問コーナー銀八「は~いでは一通目バカの質問、じゃなかった『Ououo』の質問」千雨「最低の間違いだなおいッ!」『銀時さん。キャバ嬢、誰にするか決まった?ちなみに俺は巨乳の『ナツキ』ちゃんかな!!(笑)』銀八「え~お答えします、その日焼肉屋に奢らされたので金が無くなったので行けませんでした、決めるも何も行けませんでした、これらは全て焼肉屋でバカ食いしたバカレッドのせいですねはい」千雨「お前もヤケになって食ってなかったか?」銀八「本当ふざけんじゃねえよチクショウッ! 人の金なんだと思ってんだチクショォォォォォ!! バカでも少しは常識知れよッ! ウチのチビは偉いよッ! 何も食わずにずっと横になってんだよッ! それなのにお前等バクバク人の金で食いまくりやがってよッ! 少しはアイツ見習えよッ!」千雨「それはあいつが腹痛かったからじゃね……?」銀八「あ~腹立つわ……続きまして二通目行くぞッ! 『ノリ』さんの質問ッ!」『銀魂組でドッチボールのメンバーが三人足りない時に気づいたのですが山崎が抜けていません?それとも山崎って人物は最初からいなくて俺が勝手に産み出した妄想の産物だったのでしょうか...仮に存在していたとしたら今回の扱いについてどう思いますか山崎さん?』銀八「いますよアンタッチャブル山崎」山崎「いやいやいやッ! それ別人ですからッ! 芸人じゃなくて真選組の山崎ですッ!」銀八「それから~?」山崎「俺は存在しますよ今回いたでしょ? まあ最初から呼ばれなかったのは軽いショックでしたけど……」銀八「そしてそこから~?」山崎「え~と……何で芸人の方真似してんですか……?」銀八「ひっくり返ってそれで~?」山崎「ウゼェッ! その真似止めてッ! 腹立つッ!」銀八「三通目~? 『汁裂注射』さんからの初質問~?」千雨「もはや山崎でもなんでもねえって……」『マホスポの記事で、刹那さんご乱心。放課後の教室で『君が欲しい』と絶叫告白とあったのですが、それについて木乃香さんのご意見はいかがですか?また、その後のステルスさよちゃんとのご関係はいかがでしょうか?』銀八「質問は一個にしろ~次やったら『ロードローラーだッ!』の刑だぞ~木乃香「せっちゃん、そんな事言ったん?」刹那「いや言ってませんけど……ていうかマホスポって何ですか……?」銀八「作者曰く「調べてみてみたけど、読もうと思っていいんちょの所読んだらあまりにも恐かったので断念した」だとよ、要するにビビリお断りらしいから、無理でしたすいません。さよの方ですが時々こいつの後ろにいます」刹那「え? マジ……?」銀八「ああ、それに今でも……次行ってみよ~う」刹那「待てェェェェェ!! 今でもなんだァァァァ!!」銀八「四通目~『風の都』さんからの初質問」『あやかさんへ銀さんはエヴァの所に住んでいますが、やはり「自分の所に来て欲しい」という想いはありますか??(ある意味、父・銀さん、母・あやか、姑・千鶴、娘・夏美という、ドタバタコメディーが出来そうな予感)』あやか「いやそれは……ストレート過ぎるというか……いきなり同棲なんて……そういう家族構成も魅力的ですが……」銀八「おい飯持って来いよコラァァァァ!! あと酒だ酒ェェェェ!!」あやか「いきなり家族設定ッ!? しかも何で暴力亭主なんですかッ!?」千鶴「あらあら、あやかさん貴方最近味噌汁の味が薄いけど……もしかして手を抜いてるのかしら? こんな母親にはこれで十分だと思ってるのかしら?」あやか「千鶴さんもそこ乗らないで下さい……性格の悪い姑設定似合い過ぎですわよ……」夏美「お母さん、何か道の端っこに捨てゴリラがいたんだけど飼っていい……?」近藤「捨てゴリラですッ! どうか俺をこの暖かい家庭に入れてくださいッ!」銀八・あやか・千鶴「「「捨ててきなさい」」」夏美・近藤「「家族の心が1つにッ!」」銀八「五通目です『正宗の胃袋』さんの質問」『崇高なるGS組織を作った偉大なる木乃香様に質問があります。銀八と一緒にジジィを4分の3殺しに行きませんか?週に3回くらいありますから一度で良いから行ってみた方が良いですよ?病み付きになりますよ。』木乃香「銀ちゃん、4分の3って……」銀八「お前がちょっと懲らしめてくれって言ったからやったんだろうが、言っとくけど俺等は容赦しねえから」木乃香「4分の4でええのに……」銀八・千雨「「はいッ!?」」銀八「何かあの娘が黒く見えたんだけど……まいっか……気を取りなおして六通目~『穀潰し』さんからの初質問」『刹那よ、近藤さんがトップだって事に驚いてたようだが、自分のトップの事はどう思ってるんだ?』銀八「ジジィの事?」刹那「強いて言うならばそうかもしれないが……何も言えないとしか……」銀八「素直に死んでくださいって言えばいいんだよ」刹那「そんな事正直に言えるかッ!!」千雨「いや言ってるだろそれ……?」銀八「せつにゃんがカミングアウトした所で七通目『ウィル』さんからの質問だ」『銀さんは大昔のツッコミ(○八)と今のツッコミ(千雨)、どちらが好きですか?まあ、聞くまでもないことですがw。これで○八って言ったら銀さんはアブノーマルです。』銀八「俺から見ればどっちでもいいんだけど?」新○「いやいや銀さん銀さん、僕との長い付き合いでしょ? 色々と楽しい思い出あったじゃないですか? それを踏まえて……はいどっちのメガネッ!?」銀八「アンタチャッブル・柴田で」新八・千雨「「いやそっちのメガネかよッ!」銀八「どうでもいいんだよ、結局両方ツッコミとしたら似たようなツッコミだろうが、レベルなんて知らねえよ、結論、読者の間でどっちが上か決めてください」千雨「投げやりだなオイ……」新八「ていうか僕が元祖ツッコミなのに、何でこんなに嫌われてるんだよ……このウィルって人は明らか僕に敵意を剥き出しですよね、やるんですか? いつでもやりますよ僕は……?」銀八「新八が哀れに喧嘩売ってる間に八通目~『Citrine』さんから~」新八「アンタそろそろシバますよ……?」『購買の八郎の母ちゃんは「あの」八郎の母ちゃんと同一人物なんでしょうか???前にも聞いたような気がしますがもう一回お願いします』銀八「お答えするとこの世界にいる八郎の母ちゃんと江戸の母ちゃんとは別です、いわばパラレル母ちゃんです、八郎の母ちゃん見たいな一発キャラ見たいなのは、時々いきなり出てくるかもしないので注意するように」沖田「じゃあ俺も一発キャラなんで出て良いですかい?」銀八「おめえレギュラーだろうが」沖田「安心してください一発狙ってバズーカ撃ったら帰るんで」銀八「そっちの一発ッ!? 何しようとしてんだテメェはッ!」沖田「そりゃあ色々と……あ旦那駄目ですわ、一発じゃ足りませんから百発キャラで出して下さい」銀八「学園ごとふっとばす気かァァァァ!!」銀八「バカはともかく……九通目……『サハリン』さんからの質問」『糞エイリアンに質問があります。木乃香が崇高なるGS組織の創立者であります。今の気持ちを詳しく教えなさい。』銀八「おいおいこういうのバラすのはもう少し時間をかけてだな~……」学園長「木乃香が? そんなわけないじゃろ~最近の読者何考えてるんじゃ全く……」銀八「あ、本当駄目だわこのジジィ」木乃香「そうやな~ウチはそんな事せえへんよ」学園長「そうじゃそうじゃ、ワシのカワイイ孫があんな鬼畜業の総統なわけないじゃろうが、フォッフォッフォッ」銀八(あのガキの目、笑ってねえ~)銀八「十通目か……最近増えてきたな……『白夜叉』さんからの質問」『千雨に質問です。柿崎が(性的に)ヤられたとき、一〇輝みたいに「柿崎ィィィィィィィィィィィィィ!!!!」と叫びそうになったんじゃないですか?そこんとこ教えて下さい。むしろ吐け。さぁ、曝け出せ。今こそ公衆の面前に『ちうたん』の顔を晒せ!!そっち方面の人間である事であることをカミングアウトするのだ!!いくら隠そうが、貴様も十分変人の一員じゃ!』銀八「ここはまず千雨の代わりに俺が答えますが、柿崎は別に(性的に)はやられてません、ただ色々と調教されただけです」沖田「そうですぜ、ガキの体なんか興味無いんでね」美砂「そんなッ! 私はいつご主人様に押し倒されて、いつでも貞操を捧げる事を心待ちにしているのにッ!?」沖田「一生待ってろメス豚、オラオラ」美砂「ああ……鎖で吊らさないで~……」千雨「結局この質問の意味は何だ? 私のプライベートを晒せって言ってんのか……?」銀八「だろうな、で? どうする」千雨「断るに決まってんだろうが……」銀八「そろそろお前をネットから表の世界に出してやろうと思ってんだがな、プロデューサーの俺としては」千雨「何処のアイドルマスターッ!?」銀八「十一通目『白々燈』さんからの初質問」『銀さん、大丈夫。エヴァは見た目ちびっ子でも何百年も生きた合法ロリッ子だから。だからそのままゴールインしちまえYO!!そして(ry(コレ以降は一身上の都合により削除されました))』銀八「いくら東方よろず屋の作者様でもキレるぞおい、出来るかそんなこと」あやか「そうですッ! こんな見た目小っちゃいのにッ!」エヴァ「身長は結婚するのに関係無いだろッ! 年は全然余裕なんだから可能だッ!」千雨「いやいや無理だろ……どうみても親娘にしか見えねえって……」エヴァ「何をッ!? 昔ナギの奴は私に言ってたぞッ! 『いちご牛乳飲んでおけばいつかお前もマイケ○ジョーダ○並に伸びるんじゃねえの?』ってッ!」千雨「無理だし恐えよッ!!」エヴァ「だが数十年飲んでるのに一向に伸びんッ! 吸血鬼のこの体が腹立つッ!」千雨「どんだけ忠告通りにしてんだよ……」銀八「チビの可哀想な事情はその辺に捨てて、十二通目~『エンジンさん』からの質問」エヴァ「捨てるなッ!」『銀八先生に質問。この世界(ネギま)で、天気予報はみますか?(キャスター目当てで)結野アナ以外にも興味がわいたキャスターがいたら教えてください。』銀八「見てます、キャスター目当てで、何処の世界にもいるんだな」エヴァ「お前はそんな不純な動機で私が見てる番組を変えていたのかッ!?」銀八「もう『おはスタ』卒業しろよいくつだよお前……ずばり言うとお気に入りキャスターは長門アナとかだな」エヴァ「その名前どっかで聞いたような……」銀八「あと朝比奈アナも好きです」エヴァ「いやそれ別世界だろ……? お前でも私の所の世界でもない……」銀八「だけどめちゃくちゃに番組を振り回す涼宮アナがこれまた……」エヴァ「ハルヒから離れろォォォォ!!」銀八「っと熱くなってきたところで最後のしつも~ん、十三通目『ハモン』さんから」『銀さん、作者の名前の由来は何なんだ?カイバーマンって事は遊戯王の海馬と関係性でもあるのか?教えてくれ』銀八「随分変わった読者もいるもんだな~作者がハンドルネームで使っている『カイバーマン』っていうのは、遊戯王のカードやアニメに出ている海馬瀬人がモデルのカードで、アニメだと精霊、ついでに声も性格も社長と同じだ。効果は『場に出ているこのカードを生け贄にすることで手札から『青眼の白龍』を一枚特殊召喚できる』って感じですが……はっきり言って攻撃力も守備力も最低クラスなのでザコです、もう完全にザコですからね、ピンチの時にこれ引いたらすげ~腹立ちますよ? もう破いてやろうかコラ? って思っちゃいますよ?」千雨「そこまで言う……?」銀八「あと『BASARA3早く出て欲しい』だの『カイジ観たい』だの『嘘喰いおもしれ~』だのそんな事ばっか考えてますからねアレは、そんなの考えてないで小説書けやボケって感じですね」千雨「いやそれって……」銀八「結果的に言うと、『本当カイバーマンはバカでザコである』これテストに出るぞ~」千雨「まあ、あながち間違えてないし……別にいいか」