早朝のロンドン、一人の男が歩いていた。自分が住む場所はいても退屈なので、こうして朝からぶらぶら散歩するのが日課となっている。時折人とすれ違いになるが、大半の人はその男を見ると離れて歩く。男の異様であり、左目に巻かれた包帯、女性の和服、そして視線だけで人を殺せそうな不気味な眼。人は決して寄りつこうとはしないのだが、彼を知っている人は『占い師の女の子の隣りで音楽を奏でて、客寄せをしているミュージシャン』という認識をしていて、男の音楽が好きな人は男に笑顔で挨拶してくる。男は一応会釈をして、そのまま歩いて行く。いつもの散歩の道で大きな橋を渡っていると、半分言ったところに、ロンドンには珍しい僧が座っていた。男はその僧を見ると口元に笑みを浮かべて、僧に近づいた「久しぶりだなぁ・・お前もこの世界に来ていたのかよ、ヅラ」男はその僧を知っていた。ここではない別の場所で共に勉学を学んだ、幼馴染だった「ヅラじゃない、桂だ。高杉、貴様もこの世界に来ていたのか? 相変わらず変わらんな・・」男こと、高杉を見て、『桂』と自分の名を言った僧は少し驚いたようだが、高杉はまだニヤニヤ笑っていた「お前も変わってねえじゃねえか・・別にこの世界でも変装なんか必要ねえだろ、ここは平和過ぎるほど平和なんだよ。楽しい戦いや、激しい祭りもねえ・・退屈なところだぜ」「幕府の犬をこの世界に派遣する情報を、この世界に来る前に聞いていたのだ。念には念をだ」桂は高杉に返答した後はしばらく黙っていたが、しばらくすると逆に質問した「お前も幕府の極秘の『次元転送装置』を使ってここに来たのか?」「俺は違えよ、ここの世界の魔法使いに召喚されたんだよ、偶然だがな。お前はその装置を使ってここまで来たのか?」「そんな手もあるのか・・俺は幕府の『次元転送装置』を奪い、この世界で天人に大打撃を与えるような情報がないか来てみたのだが・・どうやら俺は罠にハメられたらしい。その転送装置は片道キップだった、一回使うと壊れてしまった・・つまり俺は帰れなくなった、恐らく幕府の連中が俺をこの世界に閉じ込める策略だったのだろ、どうりで手に入れるのが簡単だったはずだ・・」高杉は桂の事情を聞いて「クックック」と笑っていた。そして橋の手擦りにもたれて上を見る「お前から帰り方を聞こうと思ったんだがなぁ、お前もこの世界から出られねえのか。じゃあ、あのガキはまだ生かしておく必要があるな・・」高杉は独り言を呟いていると、ふと思い出したように空を眺めるのを止め、桂に顔を向けた「そういや銀時にあったぜ、この国じゃねえがよ」「何・・銀時の奴が? それは本当か?」「ああ、日本で学校の先生やってるぜ。クックック・・笑えるだろ?」高杉の言った言葉に反応して、初めて桂は高杉に顔を向ける。そして桂は高杉の情報をまとめる(日本か・・俺が最初に転送された場所か・・ふむ、留守番させているエリザベスやあの少年の事も気になるし、ここは一度戻ってみるか・・)桂が結論を出した時に、こちらに走ってくる女の子がいた。赤髪のツインテールで気の強そうな、まだ小学生ぐらいの少女だ「高杉ッ! あんた、こんな朝っぱから歩くの止めてよねッ! あんた見た目すっごい恐いんだからッ! さっさと帰って仕事の支度するわよッ! アンタが客寄せしなきゃ、お客さっぱりなんだからッ! 本当この前はあんたがいなくて・・あ~もうッ! 早く帰るわよッ!」桂はその少女を見て驚いた。高杉に対して恐れもなく、こんなに軽く喋れるのか? (もしやこの少女は高杉を召喚してしまった魔法使い・・)桂が考えていると、橋にもたれていた高杉は「フンッ」と鼻を鳴らして頭を掻きむしりながら、つかつかとその少女の方へ歩いて行った「屋敷にいてもつまんねぇから、こうやって散歩していたんだよ・・じゃあなヅラ、ガキの手伝いしなきゃなんないんでね・・銀時は自分で探してくれや」「高杉、誰その人? あんたの知り合い? あんたこの世界で友達なんていたっけ?」「そんなもんじゃねえよ・・もっと深い絆だ・・」高杉はさっさと歩いて、頭に『?』マークを浮かべている少女を置いて、行ってしまった。それを少女も気付き「待ちなさいよ~!」と言いながら高杉に向かって走って行く。その光景をみて桂は唖然として二人を見ていた。 (高杉を召喚した魔法使いがあの少女だとしたら・・早急に少女と高杉の接触を断ち切らないとあの子の命は無いな・・)桂は高杉とあの少女のことを考えていたが、一人フードで顔まですっぽり隠れている者が桂に近づいてきた「こんな所にいたんですか、ヅラさん、早朝の散歩は遠慮して欲しいですんけどね・・近々あなたの敵の『幕府』とかいう所の連中が来るんでしょ? 気をつけてください」「ヅラさんじゃない桂だ。狭いところにいるとどうにも落ちつかんのでな・・悪いがジョギングしてシェイクアップしていた。すまないなアル殿」「アル殿じゃなくてクウネルです。狭いところって私の隠れ蓑のことですよね? それにジョギングなんかしてないようですが?」桂に対して注意したのに受け流された、アルと呼ばれた男はその名前を否定してクウネルと名乗った「ところであなたはこんな所に何を目的で来たんですか? ここまであなたを連れて行くの大変だったんですよ?」「すまない、この国限定の『んまい棒 英国紳士味』があると聞いたので、それ目当てでお主に頼った」「いやなんですかそれ・・ていうかどんな、んまい棒なんですか・・味が聞くのも恐そうです」クウネルは呆れてため息をつく。だが桂はお構いなしにふところから『んまい棒 英国紳士味』を食べていた「・・なるほどこんな味か、新しい味だなこれは・・いっぱい買って、エリザベスとあの攘夷志士候補の少年に食わしてやるか・・ということでアル殿。京都へ帰ろうか」「アルじゃなくてクウネルですよ・・もう帰るんですか? 本当にんまい棒の事だけなんですね・・」「いや本当に、んまい棒だけだったんだが、情報を手に入れた。俺の友がどうやらこの世界にいるらしい」桂の言葉を聞いてクウネルはフードから顔を覗かせる。中性的な結構な2枚目である「友? 例のナギに似ている人ですか? この世界に来ているんですか・・一度お会いしたいですね~」「俺の友は日本にいるぞ、あ~捜索せねばならんな・・とりあえず京都に返って近衛殿とも茶を飲みたいし、あの少年を立派な攘夷志士にしなければ・・」色々と思案している桂を見て、クウネルはため息をついて口を開く「わかりましたヅラさん、あなたと京都に戻りますよ・・私がいないと、あなたこの国から一歩も出られませんしね」「ヅラさんじゃないって桂だって。さすがアル殿、俺の心の友よ。お礼にんまい棒を進呈しよう」「アル殿じゃありませんってクウネルですから。そろそろキレますよ? 一応貰っときますよ・・」クウネルと桂はんまい棒を食いながらロンドンを歩き始める「新しい味ですねコレ?」「だろ~それがわかるお主も立派な、んまい棒マスターだ」「あははは、私も10本ぐらい買って帰りましょうかね」「負けるか、俺は20本だ!」「張り合わないで下さいよ・・じゃあ私30本で」「50本だ!」「じゃあ100本で」「く・・そんなに金を持っているとは・・ここの魔法使いは化け物か・・」「あなたどんだけお金持ってないんですか・・」第十訓 どうしても斬れない絆もある「お~い俺の木刀直ったか~?」「あ、銀八先生、とっくに終わってますよ」銀八は学園内の研究所に来て、一人の少女、葉加瀬聡美に問いかける。葉加瀬は銀八に気付き、返事をする「さすが発明バカ、この世界にはねえ素材の木刀を修復するとはさすがだぜ」「誰がバカですか・・銀八先生の世界だろうが私に直せるものはありませんよッ! ていうか先生、真剣持ってんですから、木刀必要あります?」葉加瀬が銀八の背中の太刀に指差した。見事な野太刀の『夕凪』が銀八の背中に差してあった。ついでに業務中も差しているので生徒にとっては怪しさ満点だった「いやこれじゃあ落ちつかねえんだよ、元々これ俺のじゃねえしよ。やっぱ腰に差す木刀がいいんだよ、んじゃ俺の愛刀を返してくれや」「あ~はいはい確か・・あ、ありました」葉加瀬が持ってきたのは包装紙にくるまれた銀時の愛刀『洞爺湖』だった。銀八にそれを渡し、銀八は開けてみた「お~すげ~元通りじゃん、折れたのにそんな所微塵も感じねえ」「すごいでしょ~、更にこれからの為にパワーアップしていますよ?」「パワーアップ? マジで?」「ふっふっふ・・柄を押してみてください・・」葉加瀬が眼鏡を上げ、銀八に指示をする。銀八は少しドキドキしながら押してみた「うおりゃぁぁぁぁぁ!!!」ピュウッ!「醤油がでますッ!」木刀の先から醤油が勢い良く発射された。銀八はただ醤油の後を呆然と見て・・「ネタを提供してくれた読者の『からな』さんありがとォォォォォ!! そしてふざけんなァァァァ!!!」銀八は額に青筋を出して、木刀を叩きつけて葉加瀬に怒鳴る「なんで醤油が出るんだよッ! 俺ワクワクしていたの返せよッ! パワーアップするのになんで醤油発射ッ!? こんなもん目に入って痛くさせるという攻撃しかできねえよッ!」「醤油をさしてとどめをさすんですよ」「微妙にうまいこといってんじゃねえよッ! 意味ねえよ、こんなのッ! 眼鏡取れオラッ! 食らえッ!」ピュンッ!「ぐわァァァァ!! 目がッ! 目がァァァァ!!」葉加瀬の眼鏡を取り上げ、近距離から葉加瀬の目に木刀から醤油を放つ。葉加瀬は思いっきり痛がって、倒れてもがき苦しんでいた場所はイギリスのウェールズ。とある村で一人の女性がある場所へ向かって行った「最近、ネギからの手紙も相変わらずだし・・どうしたのかしら? 悪い人と遊んでなきゃいいんだけど・・」長い金髪をなびかせ、独り言を言いながら女性ことネカネ・スプリングフィールドは目的地に向かっていた最近は暇になったときは村はずれの小さな花畑にいく。花を見ていると癒される、余計な心配事が一時忘れれることも出来るそしてやっと目的地に着きネカネは静かに深呼吸した「やっぱりここが落ちつくわね・・あ~何か悩み事が吹っ飛んだかも、なんかもう叫びたい気分ね・・誰もいないし、不満でも吐き出そうかしら・・」ネカネは周りに誰かいないか確認して、大きく息を吸ったそして「ネギィィィィィィ!! ジャンプの事ばっかじゃなくて自分の事を書いてェェェェ!! お姉ちゃんどんどんジャンプに詳しくなっちゃうからァァァァァ!! ていうかあなたの事情よりジャンプの事情の方が詳しい・・」ヒュゥゥゥゥゥン「え?」ネカネが日頃の不満をぶちまけていると、突如、空から小型の船が降ってきた。アレ? こっちに来てない?バゴォォォォォォォォン!!!「でェェェェェェェ!! 花畑がァァァァ!!」その船がネカネの目の前の花畑に墜落して、一瞬で花達を押し花にしたのであった。ネカネもこの光景に驚きとショックを隠せなかったプシュゥゥゥゥゥッ「え? え?」小型船のハッチが急に開いた。それにしてもこの小型船、ついてる機械が半端ではない、まるで昔アニメで見た宇宙戦艦に近いかもしれない・・ネカネがそんなことを考えているとハッチから人の影が出てきた「アッハッハッハッハッすみまっせーんッ! 友達の家ば行こーとしたら、なんか変な次元に呑み込まれてしもうたきに、パニくってたらこんな所に落ちちゃいましたーッ! アハハハハハハッ!」人影はっきりと姿をあらわした。異様な服装に、黒のパーマの男はネカネに向かってお笑いしながら話しかけてきた・・・・・「えェェェェェェェェ!!!」ネカネの驚きの声と男の笑い声が押し花畑で響いているのであった場所は変わり、ネカネの家。とりあえずこの男を家に連れてきてこの男の素性を知ろうとした。あそこに置いとくと、またなんかやりかねないと思ったのもある。二人は一般用の大きさのテーブルを挟んで椅子に座り、お互い自己紹介した。男の名は『坂本辰馬』海援隊という組織で宇宙をまたにかけて商売をしている江戸一の商売人だと名乗った(ついでにこれだけ要点をを喋るのに1時間かかった)後本題に入った。「で? あなたは宇宙から突然、次元の狭間に飲みこまれて、あそこの花達を一気に押し花にしたと? ということですか? 坂本さん?・・」「ハハハハハッ! 何勘違いしとるんじゃあッ! わしは金時に会いにきたんじゃあ! せっかちじゃのうッ! 金時何処にいるか知りませんか~!? アハハハハハッ!」「会話のキャッチボールぐらいしろォォォォ!!」ヒュンッ!「おぶッ!」ネカネは持っていたお客用カップを坂本の顔面にクリーンヒットさせる。だが坂本は額から血が出ても、まだ笑っていた「アハハハ、最近の美人さんは凶暴じゃの~、そんな顔して中身はゴリラじゃな~」「誰が凶暴にしているんですか?・・しばきますよ・・」「あ~悪かったきに、ちょっとちょっかい出したかっただけじゃ、じゃから椅子を投げてくるのは、ちょっと止めてくれんかの~アハハ・・」ネカネが椅子を持ち上げたので、坂本は額に汗を流して、乾いた笑いをしながら謝った。ネカネはそれに不満そうな顔をしていたが椅子を下ろしてそこに座った「まったく別世界の人間って・・しかも魔法界じゃない世界って、言葉だけを聞くととても信じられませんが、坂本さんの格好とあの船を見ると、とても今の時代の人ではありませんし・・」「わしは色んな星を渡っているんじゃが、こんな事になったのは初めてじゃぁ! ほんまにここは地球か~!? 天人とかもいるのか? アハハハハハッ!」「天人ってなんですか?」「宇宙人の事じゃ~そんなことも知らんのか~? ネカネさんはアホじゃの~アハハハッ! あ、すんませんわしが本当に悪かったきに許してくれんかの? ・・あのテーブルはヤバイと思うんじゃが・・それわしの頭に当たったらわしは死んでしまうかもしれんの~。もしくは頭をぶったたいた瞬間なんか別の人格になってしまうとかいう。そういうパターンのオチになるかもしれんじゃろ?・・」ネカネはついにキレて、両手でテーブルを持ち上げ(魔力は使ってません)椅子に座ったまま恐怖で動けない坂本を冷たい目で見下ろしている。「別人格になっても構いませんよ? コジロウになろうが小次郎になろうがロックオンになろうが私は構いませんから・・」「アハハハハ コジロウって二回も言っちょるど、ネカネさんは本当にバカじゃ・・」ゴスンッ!テーブルが坂本の脳天に直撃する。坂本はふら~っと椅子からずり落ちる「や・・やっぱり兄さんみたいにはうまくいかんの・・」「本当に別人格になりましたね、しかも弟の方ですか、もう一回叩けば兄のほうになるかもしれませんね・・」ネカネは恐ろしい事を呟き、また両手でテーブルを持ち上げる(何度も言いますが魔力は使ってません)「や、やめるんじゃアニューッ! わし等はわかりあえるはずじゃッ!」「だれがアニューですか・・アニューは別のキャラでしょ」ゴスンッ!「お前等・・こんな世界で満足か・・わしは・・ゴメンじゃな・・」最後の言葉を残し坂本はガクッと気絶してしまった「本当に兄のほうになりましたね・・それにしてもこんなにダブルオーのネタやって大丈夫でしょうか?・・」ネカネはテーブルを元の場所に戻し、坂本は放置して、もう結構な時間になったのでさっさと寝室で寝る事にした。視点場所が変わりロンドン。空はすっかり夜空になり、一人の少女と一人の男は帰路についていた「やっぱあんたが楽器弾いてると、お客さんが来てくれるのよね~。あんた最初出てきた時はビックリしたけど、あんたのおかげで修行がやりやすくなったわ」「俺の方が三味線を弾いてる時に召喚されたからもっと驚いたがな・・なに半人前のくせに召喚魔法なんてやろうとしてんだよ」「う・・それは言うんじゃないわよ・・」男は少女に嫌味を言い、何も言えない少女は男を悔しい目で睨みつける初めて、男が少女の仕事の観察するために同行したのだが「あんた、暇なら客寄せでもやりなさいよッ! じゃないと飯抜きよッ!」と少女に言われたので渋々、ここの世界に来た時に持っていた三味線を少女の隣りで弾いていたら、思いのほかお客には大反響であった。今では占い稼業の少女より儲かっているのが現状だ「あんたが儲かっているのは癪だけど、私も客が増えてきたし、一応プラスになったのかな?」「知らねえよ、俺は屋敷にいてもつまんねえから、お前についていってるだけだ。お前が儲かろうがすかっぴんになろうがどっちでもいい」「あんた本当に性格悪いわよね~・・高杉? 前の感じでもそんな感じだったの? そんな性格だとレディーに失礼よ」「別にお前に好かれようとは思ってねえよ、お前が俺の世界に返してくれるまで一緒にいるだけだ」「あんたさっきから「お前、お前」って・・私には『アンナ・ユーリエウナ・ココロウァ』って名前あるんだからねッ!」「そんな長ったらしい名前呼べるか・・」「じゃあアーニャでいいわよッ! わがままなんだからッ!」「どっちがだよ」少女は、アーニャと名乗った少女はプイッと高杉に顔を背ける。高杉はやれやれといった感じで頭を掻く。そんな感じで歩いていると、アーニャは突然ピタリと止まったので高杉も止まる「どうしたんだよ」「あそこのアイスクリーム屋まだやってんだ・・ちょっと待ってて買いに行って来るッ!」走って近くのアイスクリーム屋に入っていく、アーニャをみて高杉はハァーとため息をついて夜空を眺める「何やってんだろうなぁ俺は・・あんな生意気なガキとおしゃべりなんて・・んなガラじゃねえのにな・・いつか殺すかもしれねえガキと何仲良くしてんだか俺は・・」高杉は夜空に向かってそんな事を呟いていた自分を召喚した魔法使いを殺してしまった場合、どうなるかはわからない。なので一応帰る手段を見つけるまで少女を生かしている・・少女が自分を元の世界に返せるような、魔法使いになれるのは到底期待していない。自分の力だけで帰る、そのために色々と準備が必要だ。今は我慢して少女と共に行動する事にするか・・「おまたせッ!」アーニャがアイスクリーム屋から出てきたので高杉はそっちに顔を戻す。右手にチョコ、左手にバニラのソフトクリームを持って、高杉の方にに走ってきた「なんで二つ持ってんだよ、お前二つも食うのか?」「食べないわよ二つもッ! これはアンタの分ッ!」アーニャは高杉にグイッと持っていたバニラを差し出した。高杉は少し驚いた顔を見せる「なんで俺の買ってんだ?」「今日は客がいっぱい来たからそのお礼よッ! 勘違いするんじゃないわよッ!」アーニャがグイグイッとソフトクリームを押しつけてくるので高杉は渋々受け取った「別に頼んでねえんだ、礼なんか言わねえぞ」「わかってるわよ、そんぐらい、あんたにお礼なんて言われたら気持ち悪いもん」高杉に対して軽くため息をつき、アーニャはチョコのソフトクリームを持ち、なめながら歩いて行く。高杉はまだ歩かずに持っているバニラのソフトクリームをしばし見ていたが、おもむろになめてみた「甘ぇ・・」高杉は小さな声で感想を漏らし、そして再び夜空を見る(俺も甘ぇな・・こんなガキと付き合って・・)「どうしたの高杉?」アーニャは後ろを見ると、夜空を見ながら立っている高杉を見て不審に思った。そして高杉は上を見ながら喋る「アーニャ、明日は雨が降るぞ、占いは休みにしとけ」「本当にッ!? ああせっかくの稼ぎ時に・・あれ? いま私の名前呼んだ?」「さあな・・」高杉は空を見るのを止めて、ソフトクリームをなめながら、質問してきたアーニャを流して、そのまま先に行ってしまった「待ちなさいよッ! 本当わけわかんない奴ねッ!」さっさと歩いていく高杉を、アーニャはソフトクリームを大事に持って、早足で高杉の隣りに向かって行った。四つの絆はやがて繋がる教えて銀八先生~のコーナー「物語は10話目に突入~今回の話しはいつもと違う感じになっており、『ここで一区切りして、次回からは新たなスタートにしよう』とかいうバカ作者の考えで決まったんだよ、ていうか俺の出番少ねェェェェェ!!」「いでッ! 知らねえよッ!」イライラした様子の銀八が一番前の席に座っている千雨に奴当たりで頭を殴る。それに千雨も怒る「なんで俺の出番少ねえだんよッ! 主人公だぞ俺はッ! この恨みを誰にはらせばいいんだァァァァァ!!」「あだッ! 私にはらしてるだろうがッ! さっきから痛えよッ!」銀八は再び、千雨の頭を殴り、千雨は頭をおさえながらツッコんだ「ところで銀さん? 今日久しぶりに私達三人そろいましたが、今日もなんかテーマがあるんですか?」二人のやり取りを見ていたあやかは銀八に質問する。銀八は千雨に奴当たりするのを止めて、頭を掻いて答えようとする「あ~今日は・・」「うおォォォォォォォォ!!!」突然銀八の声をさえぎる雄叫びが、窓の外から聞こえてきた。そして・・「とぅぅぅぅすッ!!!」パリーンッ!窓を割って入ってきたのは、見た目が地味な、眼鏡を付けた少年・・「読者に対する怒りをはらすためッ! 前回に引き続き再登場ッ! 初代ツッコミ王者、志村新八じゃぁぁぁぁぁ!!!」「帰れ」「えェェェェェェ!! いきなり帰れって酷くないですかッ!? 銀さんッ!?」かっこよく自己紹介したと思っていた新八に、即退出命令を出す銀八。それにすかさずツッコミを入れる新八をみて、千雨とあやかは唖然とする「銀八・・その人誰?」「原作『銀魂』のツッコミ担当の新八。本編入りは無いと思われるキャラ、ナンバーワンだ」「どんだけェェェェ!? 僕そんな不名誉なナンバーワンに輝いているんですかッ!? ていうかいつそんなの決まったんですかッ!?」「読者の感想を見た作者の考えでだよ、ぶっちゃけお前よりふんどし仮面の方が高えよ」「うそォォォォォォ!! ふんどし仮面に負けたァァァァァ!!!」新八は頭を壁に何度もガンガンぶつけて、悔しさを表現していた。そんな新八の乱心にあやかはどん引きである。「な、なんなんですか、この人は・・本当に銀さんの世界のツッコミ担当だったんですか?」「よくぞ聞いてくれましたァァァァァァ!!!」「ひぃッ!」壁に頭をぶつけるのを止めて、頭から血を出しながら新八はあやかの声にすばやく反応した。思わずあやかも恐くて叫ぶ。「僕はねぇ・・前回の話しの後、絶対『やっぱりツッコミは新八でしょ』とか『個性がないのが逆に個性だ』とか『新八は俺の嫁』とか様々な応援メッセージが来ると思ったんですよッ! なのになんだよ読者ッ! もう言葉に出来ない程の罵詈雑言・・挙句の果てに『新八はいらないでしょ?』ってどんだけだァァァァ!! お前等の血は何色だァァァァァァ!?」「いや『新八は俺の嫁』はないだろ・・」新八のアホ発言に冷静にツッコむ千雨だが、それが誤りだということに気付く。新八は恐ろしい眼光で千雨を睨みつける。「お前かァァァァァァァ!!! この作品のツッコミ担当とかいう長谷川千雨とかいうアマはッ! このヤロウッ! 女だけという理由で読者に反響もらいやがってッ! ちょっとツッコミが出来るぐらいだろうがッ! 僕はねぇ、銀さんとは長い付き合いですしねぇ・・僕が銀さんの操縦が一番出来るんだァァァァァ!!!」「アムロ? お前どっちかというとウッソじゃん」「カテジナさァァァァんッ!!」銀八の要点の違うツッコミに思わず新八は別世界でのかつての想い人の名を叫んだ「うるせえよッ! ていうか今回ガンダムネタ多くないッ! どんだけダブルオーの最終回に影響されてるんだよッ!」「千雨さん大変ですわッ!」「これ以上の大変って何ッ!? ガンダム知らない人に怒られるよコレッ!」「これ書いてるときにふと、なの魂の最新話読んだみたら『なの魂』でもダブルオーのネタやってますわッ!」「ぐはァァァァァ!! めちゃくちゃマズイじゃんそれッ! こっち潰されるよッ!」千雨は一人、『なの魂』にどう謝ろうか考えていたジリリリリリリッ!「あ~終わったか・・ある意味終わったかもな・・銀八、私疲れたから先に帰るわ・・」千雨が疲れた様子の声でさっさと帰る支度をした、だがそれを見て新八が不敵に笑う「ふっふっふ・・逃げるんですか、千雨さん・・だったら僕がこの小説の新たなツッコミ担当にさせてもらいますよッ!」「無理、帰れ」「銀さァァァァんッ! なんか僕にドライじゃありませんッ!? 長年の付き合いの僕をそんなに簡単にダストシュートするんですかッ!?」「『なの魂』とか『東方よろず屋』がお前出してあげてんじゃん、こっちはそんなにいっぱいキャラ出すと混乱するんだよ。作者の能力の差なんだよ。お前は一生本編入りは不可なんだよ」「くそォォォォォ!! いいじゃん僕がいたってェェェェ!! 僕も銀さんみたいにフラグ立たせてぇんだよォォォォォ!!!」新八は不満を再びぶつけるために、壁にまたガンガンと頭をぶつける。そんな新八を見て、千雨はポツリと呟く「銀八と長い付き合いになるとああなるのかな・・」「まあ、話が進む度にああなるかもしれませんわね・・そうならないよう努力なさったらどうですか?」「う~ん・・頑張る・・」新八を見て千雨は、自分の行き方について深く学んだのであった「次回、第十訓 『友達は自然になるもんだ』をお送りします、そういえば今回生徒の奴来てねえな?」「最初から教室に来てましたよ~」「あれ? 誰の声? なんか聞こえたんだけど? 気のせいだよな・・アハハハハ・・」「先生、やっぱ聞こえてますよね~私の声~?」「うぉぉぉぉぉ!!! 俺気絶しろォォォォ!!」「何事ッ!?」突然銀八が新八の隣りで壁にガンガン頭をぶつけたので、千雨は思いっきり驚いた銀八先生のそこんとこ詳しくのコーナー銀八「え~では今回も3通から選ばさせてもらいました。まず一通目『お面君のキャラを洞爺湖の仙人と斬月のおっさんを足して2で割ってみたらどう?』という意見を貰いました・・お面君って誰・・?」千雨「え~と・・・お面君ってのは銀八が編集前に持っていた物で今は編集が終わったので見ることは出来ません・・・」銀八「作者の黒歴史」千雨「それ言ったらお終いだろッ!」銀八「2通目『刹那のキャラ違くない?』という意見です。もっと来ると思ったんですけどね、一通しか来なかったので逆にビックリですよこれ、なんかヤンデレになっちゃいましたね、通常版刹那も死装束刹那もぶっ壊してしまいました、今度からはキャラの性格を覚えとかなきゃな」千雨「まあ、キャラの構成覚えとけ作者って感じだな・・」銀八「3通目~『土方死んでくんない?いやマジで?』・・・・・・・・・・・・俺もマジそう思う」土方「おいまだ来んのかよコレ? どんだけ俺は死んで欲しいと思われてるんだ?・・」銀八「とかいって本当は嬉しいんじゃないの~? これで本編入りも早まる可能性があるんだからな」土方「嬉しくねえよッ! ていうか近藤さんに誰も応援送ってないだろッ!? あの人、落ち込んで枕濡らしていじけてるんだけどッ!?」近藤「甘いぞトシ、枕どころかシーツ、いや畳まで・・・・・・・」土方「オイィィィィィィ!!!」