<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

赤松健SS投稿掲示板


[広告]


No.3132の一覧
[0] それが答えだ! 15話更新)[ウサギとくま](2010/10/21 17:43)
[1] 1話[ウサギとくま](2011/01/14 18:05)
[2] 2話[ウサギとくま](2011/01/14 18:06)
[3] 3話[ウサギとくま](2011/01/14 18:08)
[4] 4話[ウサギとくま](2011/01/15 11:26)
[5] それが答えだ!ご[ウサギとくま](2009/01/27 15:22)
[6] それが答えだ!ろく[ウサギとくま](2008/06/04 20:36)
[7] それが答えだ!なな[ウサギとくま](2008/11/29 11:34)
[8] それが答えだ!はち[ウサギとくま](2009/04/14 18:16)
[9] それが答えだ!きゅう[ウサギとくま](2009/01/27 15:33)
[10] それが答えだ!じゅう[ウサギとくま](2008/11/29 12:11)
[11] それが答えだ!じゅういち[ウサギとくま](2008/07/12 00:11)
[12] それが答えだ!じゅうに[ウサギとくま](2008/07/12 00:16)
[13] それが答えだ!じゅうさん[ウサギとくま](2008/07/26 02:48)
[14] それが答えだ!じゅうよん[ウサギとくま](2008/08/09 04:19)
[15] それが答えだ! じゅうご[ウサギとくま](2010/10/21 17:39)
[16] それが答えだ!じゅうなな[ウサギとくま](2009/03/27 02:31)
[17] それが答えだ!にじゅう[ウサギとくま](2008/10/17 00:17)
[18] それが答えだ!にじゅういち[ウサギとくま](2008/12/11 20:51)
[19] それが答えだ!にじゅうに[ウサギとくま](2009/01/07 21:44)
[20] それが答えだ!にじゅうさん[ウサギとくま](2009/01/14 19:34)
[21] それが答えだ!にじゅうよん[ウサギとくま](2009/01/21 01:57)
[22] それが答えだ!にじゅうご[ウサギとくま](2009/02/05 01:11)
[23] それが答えだ!にじゅうろく[ウサギとくま](2009/04/14 18:14)
[24] それが答えだ!にじゅうなな[ウサギとくま](2009/04/14 18:57)
[25] それが答えだ!にじゅうはち[ウサギとくま](2009/05/30 12:30)
[26] それが答えだ!ばんがいへん[ウサギとくま](2009/03/08 21:58)
[27] それが答えだ!ばんがいへん弐(追加)[ウサギとくま](2009/03/08 22:10)
[29] それが答えだ!ばんがいへん参[ウサギとくま](2009/03/08 22:15)
[30] それが答えだ!ばんがいへん四[ウサギとくま](2009/03/08 22:29)
[31] それが答えだ!ばんがいへん五[ウサギとくま](2009/03/08 22:35)
[32] それが答えだ!ばんがいへん六[ウサギとくま](2008/11/05 10:23)
[33] それが答えだ!ばんがいへん七[ウサギとくま](2008/10/07 18:45)
[34] それが答えだ!ばんがいへん八[ウサギとくま](2008/10/31 16:46)
[35] それが答えだ!ばんがいへん九(追加)[ウサギとくま](2008/11/06 13:07)
[36] それが答えだ!ばんがいへん十[ウサギとくま](2008/12/11 21:04)
[37] それが答えだ!ばんがいへん十一[ウサギとくま](2008/12/11 21:02)
[39] それが答えだ!ばんがいへん十三[ウサギとくま](2009/01/17 23:26)
[40] それが答えだ!ばんがいへん十四[ウサギとくま](2009/02/10 01:19)
[41] それが答えだ!ばんがいへん十五[ウサギとくま](2009/03/13 08:06)
[42] それが答えだ!ばんがいへん十六[ウサギとくま](2009/04/14 18:13)
[43] それが答えだ!ばんがいへん十七[ウサギとくま](2009/04/14 18:12)
[44] それが答えだ!ばんがいへん十八[ウサギとくま](2009/04/29 03:29)
[45] ばんがいへん十九[うさぎとクマ](2009/09/29 22:14)
[46] キャラクター紹介[ウサギとくま](2009/09/29 22:16)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[3132] それが答えだ!ばんがいへん四
Name: ウサギとくま◆9a22c859 ID:1c9fc581 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/03/08 22:29
「そう言えば、元の世界にいた時、貴様らはどんな事ををしていたんだ?」
「……ほう、俺の過去が聞きたいと……小娘? ククッ、いいだろう。だがそれなりの代価は払ってもらうぞ。クハハッ!」
「……なあ。なんなんだ今日のコイツのキャラは? 普通にイラっとくるんだが……」

目の前で悪態をつく小娘。
ククク。

<まあ、マスターもお歳頃ですから、こんな痛いキャラクターを演じたくなる時もあるんですよ>
「痛いって言うな! かっこいいだろ!?」

茶々丸さんを見る。

「なあ、茶々丸さん?このキャラ、かっこいいよな?」
「はい、それはまあ……人によっては……じゃないでしょうか」

濁した!
えっ!? マジでこのキャラ痛い!?
当分これで行こうと思ってたんだけど……
エヴァがこちらを見て、

「ありえないほど似合っておらん。……そういう役はな、私の様に滲み出るカリスマを持っている者にしか出来ないんだよ、坊や。クククッ」
<いや、あなたのソレも相当痛いと、常々私は思ってましたけど>
「痛いっていうな! っく、こういうのは分かる者にしか分からんのだ……」

ぶつぶつと呟くエヴァ。
カリスマか……。
借りてきたスマガワさんの様に大人しい……って意味かな。
誰だよスマガワさん……。
まあいいか……。
それにしても、元の世界か……。

<懐かしいですね。もう3年になりますか……。黒ちゃんは元気でしょうか……>
「……誰だっけ、それ?」
<……うわあ。流石にそれはひきますよ……マスター……>

黒ちゃん……?
黒……黒……
……!

「ダリアか!」
<はい。1年も一緒にいたのに忘れたら駄目ですよ、マスター>
「……3年だよ」
<へっ!?そうでしたっけ!?……おかしいなあ。この世界に来る3年前に会って……あれ?でも私が稼動し始めたのは、この世界に来る1年前ですよね……>

……やっぱりその辺の記憶は混ざっているのか

「……あまりその辺は気にしなくていい。稼動直後で記憶が曖昧なんだろう」
<そうですか? じゃあ、そうします>
「……誰なんだ? その黒……ちゃんというヤツは?」

エヴァが聞く。
今思えば黒ちゃんって……CROSS†C……まあいい。

<えっとですねえ、プリチーな女の子で……メイドで……>
「ふむ」
<……あとは……魔王です!>
「……はあ? ……魔王?」
「ああ、魔王だ」

意味が分からないといった顔のエヴァ。
まあ、気持ちは分かる。
魔王なあ……。
そういえば魔王だったなあ……。

そして俺は回想する……あの時のことを……。
<マスター! 回想ですねっ!?>
……いや、そうだけど……何でそんなに嬉しそうなんだ……?
<そりゃ、そうですよ! この世界に来る前! 登場人物はマスターと私だけ!二人の愛の旅ですから!>
お前出ないけど。
<なんで!?>
だって回想するの、俺が始めてピーマンを食べたシーンだし……。
<何で、この流れでソレなんですか!? 普通に黒ちゃんに会った時の回想でいいですよ!>
いや、だって普通に回想しても捻りが無いし……。
<いいんですよ、無理に捻らなくて!>
そうか……。まあそこまで言うなら……。
(どちらにしろ、シルフ出ないけどな……)
<何か言いました?>
……いや

あれは俺とシルフがとりあえず、各地の大体の精霊との契約を終え、旅が一段落した時のことだ。



番外編 勇者×魔王 


ノースランド・世界の果て

「ここは世界の果てと呼ばれている土地で、俺とシルフはそこに眠っていると言われていた遺産を探しに来た。既にブツは手に入れ、さあどうしようといったあたりだ」
「……いきなりの説明口調に少なからず驚きました。これからどうします?」

隣を歩くシルフが言う。

「そうだなあ、とりあえず契約もぼちぼち終わったし、研究する拠点が欲しいな」
「そうですねえ」

辺りには何も無く、荒れ果てた大地が広がっているだけだ。
何でも、この辺りは魔王が存在した土地らしい、学校で習わされた。
魔王が倒された今も生物は存在しない土地になっている。

「拠点ですか……言い換えれば私とマスターの愛の巣、というわけですねっ」
「どちらかというと哀の巣って感じだが……」

何はともあれ拠点だ。
さすがにこの辺りには住める様な場所は無いだろうし。

「マスター、あれなんかどうでしょう?」
「……あ?」

シルフが指差した方向を見る。

「……!」

そこには巨大な城が建っていた。
……さっきまで何も無かったはず。

「あそこにしましょう、マスター! 私昔からお城に住んでみたかったんですよね! やっほーい!」
「おいっ!」

ビューンと走り去るシルフ。
昔と比べ、態度が柔らかくなったのはいいが、頭の方もいい感じになってしまったようだ。
走って追いかける。
シルフは巨大な門の前で立ち止って城を見上げている。
俺も見上げる。
これは……。
なんだろ……。
なんというか嫌な感じがする。

「……マスター」
「ああ」

シルフも気づいたようだ。

「この城……」
「ああ……」
「すっごくかっこいいです!」
「……」

何も感じていなかったようだ。

「おじゃましまーす」

シルフが門を開ける。
止めようかと思ったが、やはりこの城は気になる。
少し調べてみるか。

「おー」
「……」

城内は綺麗になっており、手入れもされているようだ。
……誰かいるのか?

「……マスター」
「なんだ?」
「この扉の向こうに人の気配が」

目の前の扉を見る。
こんな所に住んでいる人間か……。
気になるな。

「入るぞ」
「はい」

扉を開けて中に入る。
室内には玉座がぽつんと置いてある。

「マスター、玉座に」
「ああ」

何者かが、玉座に座っている。
遠いので姿は良く分からない。
近づく。
相手は反応しない。
何故なら……

「……zzz」
「寝てる」
「寝てますね」
「しかも」
「女の子ですね」

玉座に座っているのは10にも満たない少女のようだ。
……何故こんな所に?
しかもなんだこの格好は……。
黒いマント……。
どっかで見たような……。

「……ふ、ああ」
「……!」

目を覚ますようだ。

「ふああ、あ……zzz」
「寝るんかい!」
「zz……ふえ?」

目を覚ました。

「……おはよう、パパ、ママ」
「おはよう、もう起きなさい。学校の時間ですよ」

なんかシルフがのっていた。
俺は……

「隣のシルフさん! 勝手に家に入らないようにいつも言っているでしょ!」
「私奥さんじゃ無いんですか!?」
「……! だれ!?」

やっと気づいたそうだ。

「そっちこそ誰だ!」
「……そこでマスターが言うんですか」
「……わたしは魔王です……じゃなかった……魔王だ!」

言い直した!

「……魔王?」
「そうだ。えーと、……勇者よ、よくここまで来た。世界のはんぶんをやろう」
「無条件で!?」
「え? あれ、……えーと」

魔王(仮)は何やら手帳をめくる。
「魔王の心得」?

「……あっ、これか。……み、みごとだ、ぐふっ」
「……」

……

「君さ、こんな所で何してるの ?親は? 名前は?」
「わ、わしは魔王ダークダリア、わしの仲間になれば世界のはんぶんをやろう」
「……」

これは……いわゆるごっこ遊びか。
しかし何でこんな所に一人で……。
うーむ。

「……マスター、マスター」
「何だよ」
「……その」
「トイレなら一人で行けよ」
「違います! 女の子はトイレなんか行かないんです!」

……そうなんだ。

「じゃあ、なんだよ。まだ3時じゃ無いぞ」
「おやつでもありません! あの子ですが……」
「……おやつ!」

魔王(仮)に目線を向ける。
おやつに反応した。
やっぱ子供じゃん。

「……マジモンの魔王です」
「……それはあれか。マジモンというモンスターの中の魔王か?」
「そういうのはいらないです。本気で魔王です。保有魔力知りたいですか? マスターはショック死しますよ」

……まじで?

「……いや、魔王って死んだじゃん。なんだっけ……勇者ガリウスだっけ?」
「はい。確かに50年前に」

ちなみに勇者ガリウスは歴代勇者の中でも一番強いと言われている男だ。
存命で70越えてなお現役勇者である。
超がつく程の女好きだ。
……ん、50年?

「はい、今年でちょうど50年です。既に新しい魔王が発生する年ですね」
「……でもなあ」

少女を見る。
とてもじゃないが魔王には見えない。
あっ、こけた。
ガゴン!

「うぅ、いたい……また壁こわしちゃったぁ……」
「……えぇー」
「こけた時の衝撃波が壁にあたったようですね。子供であれですから、大人になるともっと凄いことになるのでしょう」
「……えー」

本物の魔王かよ……。

「……どうするんです、マスター?」
「どうするもなにも、逃げるだろ……んで勇者に通報する」

餅は餅屋だ。
あんなこけただけで壁壊すようなの相手にしてられん。

「……その、勇者ですが……」
「なんだよ」
「1年前に死亡したようです」
「……えぇー」
「死因は腹上死です」
「……えぇー」

魔王倒した勇者が腹上死って……。
ある意味うらやましいけど。
腹上死の意味が分からない人はお母さんに聞こう。

「……じゃあ、次の勇者がいるだろ」

勇者が死んでいると、魔王が発生すると共に新しい誰かに勇者の権利が譲られる。
大体それっぽい、正義感にあふれていたり、カリスマがある者が選ばれる。
ちなみに勇者になると、それっぽい力に目覚める、異性にもてる、色んな特権を持つ、家宅捜査が出来るなど盛りだくさんだ。

「その……勇者の子供の事なんですけど……」
「……子供なのか?」

勇者が子供なんて話はよく聞く。
……子供にそんな重荷を背負わせるのは酷だが……。
基本的に魔王を殺せるのは勇者だけだ。
魔王を見る。
こけたので涙目だ。
……罪悪感が……。

「その子なんですが……ハイハイをしたばかりなんです……」
「……ハイハイか。属に言う反抗期だな。母親に「勉強しなさい!」と言われ「ハイハイ、ちっ、ババアが!」って感じか」
「……」
「子供っていうか赤ん坊だな」

すっごいスベったよ。
……流石にそんな子供じゃあな……。

「どうするんです、マスター?」
「逃げて、王にでも知らせる。まあ、なんとかなるだろ」
「……そうですか」

心なしか残念そうなシルフ。
……俺にどうしろって言うんだ。

「じゃあ、ダッシュ!」

俺とシルフは逃げ出した!
しかし、逃げられなかった!

「何で!?」
「知らなかったんですかマスター?……魔王からは逃げられない……」
「何でかっこつけてんだよ!? ちくしょー!」

まじでやばい。
魔王は……。

「相手がこたえないときは……えーと、「勇者は基本的に無口なので、無言は拒否と取る」……。……それでこそ勇者だ。しりょくをつくしてかかってこい!」
「何か話進んでる!どうしよう!……何かボスっぽいBGMも!」
「戦うしか無いですね、マスター」
「無理だろ!」
「っ! マスターのバカ!」

……!
シルフが俺に怒った!
……。
……いや、いつも普通に切れるか。

「何だよ!?」
「マスターなら勝てます!」
「いや、無理だって! 俺の力で勝てるわけ無いだろ!」
「忘れたんですか。……マスターは一人じゃありません!」
「……!」
「私もいます。ちかちゃんもいます。他にもたくさんの精霊がマスターの味方です! それに私も!」
「お前二人いるぞ。……そうだったな、俺は一人じゃなかったな。忘れていたよ」
「マスターっ」
「戦う。あいつを倒す! 力を貸してくれるか!?」

ドクン、と
返事の代わりに大量の魔力が流れてきた。
ああ、一人じゃない!
みんながいる!
剣が門から出てくる

「行くぞ!シルフ!」
「はいっ!」

俺は剣を構え魔王に突進した……!



……batlle……

<すいません! もう、無理です!>

俺の手元から剣が落ちる
剣が持っている魔力が無くなったようだ。
これで、再び魔力が戻るまでただの剣になってしまう。

「次!」
「はい!」

シルフの補助で手元に剣が現れる。
Cランクの<魔刃>だ。

<行くぞ、主。我が力を見せてやろう!>
「ハアッ!」

剣を持って魔王に走り寄る。
剣を振りかぶって斬る!

「え、えっと……ばりあー!」

バリバリと剣と障壁の間で火花が散る!
そして……

<ふふっ、ここまでか。また会おう!>
「おいっ!もうちょっともたせろよ!」

手元から剣がすっ飛んでいく。
これで何本目だ……。

「82本です。やはりBランク以下では障壁すら突破できませんね。……ここまでとは」
「冗談じゃない……! 強すぎる! ゲームバランスがおかしい!」

流石魔王といったところか。
その魔王は再び手帳を読んでいる。

「えーと……い、いぐにっしょん!」
「……!」

大量の炎が上から降ってくる!
シルフが前に出て、

「プロテクション!」

防御魔法を唱える。
炎が障壁に遮られる!

「っ!っ!」

シルフは苦しそうだ。
あまり長くもたないだろう。

「来い!」

手元に新しく剣が現れる。
Bランクの<氷牙>
炎に向かって剣を振る!

<――凍れ>

冷気が氷牙からあふれだす!
炎が徐々に消えていく

<――っく>

完全に炎は消えた……が

<――ここまで>

同時に氷牙も消える。

「大丈夫か、シルフ?」
「はい、とてもじゃないですが全然余裕です」

どっちだよ。
まだ冗談を言う余力はあるようだ。
……しかし

「……まずいですね」
「ああ」
「……既に打つ手はありません」

障壁を破れるAランクの武器は使い果たした。
障壁は貫いたが、魔王の元々の防御力でかすり傷を負わせただけだった。
しかも、そのあと涙目の魔王の猛烈な反撃を受けた。

「……来い」

新しい槍を召還する。

<やっと自分の出番ッスね! 今か今かと待ちわびていたッス! さあ先輩、相手は誰ッス?! 私を誰だか知っるッスか!? ……そう、自分の名前は星屑! 落ちてきた星を鍛えて作られらた素晴らしい槍ッス! 実際は星で作られたがどうか分からないッスけど! 自分がやらねば誰がやる! この刃のきらめきを恐れぬ人はかかってくるッス!!>

……なんかすごいうるさいのが出てきた。
先輩て……。

「お前、あれ倒せる?」
<先輩! 何弱気なこと言ってるッスか! 自分がいればどんな敵だってけちょんけちょんに…………すいません、自分帰っていいッスか?>

相手のあり得ない力を見た星屑が弱気になる。
……だよなあ。Cランクだし。

「マスター、ここまでです。相手に攻撃は通らない、私の魔力は無い、勝てません。私のせいです」
「……別にお前のせいじゃないよ。俺も乗り気だったし」
「でも……! 分かりましたマスター。……私の体を好きにして下さい!」
「今言う台詞じゃないだろ!?」

こいつもいい感じに疲れてるな……。

「……え、えっと、でもんずらんさー!」

魔力の槍が飛んでくる!
星屑で払い落とす!

<痛いッス!? いたっ! いたっ! ……自分もう駄目ッス!>

3本払い落とした辺りで星屑が消滅する。
もちろん残りの槍は全て俺にささる。

「……かはっ!」

3本の槍がささり体に穴が開く。
回復は……しない。
精霊からの供給が止まったようだ。
……ここまでか。

「っ! マスター!?」
「お前は逃げろ!」
「かっこいい台詞ですけど、私も逃げられません!」

一回言ってみたかったんだよなあ。
これで……満足かな。

<ほう、ここで終わりであるか?>

……!

「マスター!」
「この声は……姐さん!」
<その呼び方で呼ぶなと言っておろうが!>

剣は一人でに門から出てくる。
きらびやかな装飾の施された刀。
銘は<神薙の太刀>
Sランクの刀。
本人曰く神を斬る刀らしい。
嘘っぽいが教科書で同じ刀が出ていた。

「何をしに出てきた?」
<つれないことを言うの。あまりにもみじめなものでな、つい出てきてしまったわ、ホホホ>
「見たなら帰れ」
<そ、そんな言い方は無いであろう? 汝が心から頼めば力を貸してやらんこともないぞ?>
「いいです。さっさと帰って下さい。どうせマスターの魂と引き換えとか言うんでしょ?」
<ち、違う! 妾はただ、契約者が死ぬのは面倒になるから……!>
「……」
<……心配になったのだ。ナナシ殿に死なれると、……その……困る。だから……>
「……分かった、力を貸してくれ神薙」
「……マスター!?」
<さ、最初からそう言えば良いのだ。では妾を手に取るがよい>

<神薙>を手に取る。

「……!」

傷が一瞬で塞がる。
AからDランクの武器を合わせた以上の魔力が体に流れ込む。
……これが永級指定遺物か。

「……でアレに勝てるのか?」
<馬鹿にしてくれる。妾を誰だと思っておる? 神薙であるぞ? あんな雑魚如き一振りで終える……! だが魔王だけあって血はうまそうじゃ>
「……本当に代償とか無し? ちょっと魂取られたり……」
<無い! 信用しろ妾を!>
「……使ったあと貯金が減ってたり……」
<くどい!>

自身満々だな。
まあ、そこで言うからには大丈夫だろ。
刀をその場で構える。

「……!? ……ば、ばりあー!」

何かをこの刀に感じとったのか障壁を張る。
いい勘だ。
だが……!
振り下ろす!

「……えっ! きゃあっっっ!」

ズシャリ、と衝撃波が魔王を襲う。
障壁も貫通し、魔王にもダメージを与え背後の壁まで吹き飛ばした。

「……うぅ」

魔王は立ち上がらない。
……本当に一振りで……

<どうじゃ、みたか! ホホホ!>
「ほほほほほ!」
<まねをするでない!>
「マスター!」

シルフがこちらに来る。

<……さて、魔王の血はどんなも味であろうか?>

魔王に近づく。

「……っ。っ……」

……何かぼそぼそ喋っているようだ。
……何だ?

「……しにたくない。しにたくないっ。しに、たくない。しにたく、ない。」
「……」
<ホホホ、すぐ楽にしてやろうかの>

門を開く。
神薙を門に突っ込む!

<っ汝! どういうつもりじゃ! お、押すな!>
「ぐぐぐ! 俺は約束した覚え、は! 無い!」
<な、なんだとぉ!?>

ぐぐぐ、と押し込んでいく。

<恩を仇で返す気か!?>
「ありがとう。超助かった。愛してる」
<……っ! そ、そんな事で! ……あ>

すぽん、と刀が門に納まる。
シルフがじとっ、とした目で見てくる。

「……マスター」
「何だ?」
「……ジゴロ」
「……」
「その子はどうするんですか?」
「任せろ」

魔王に目を向ける。

「おい」
「……ころさないで。ころさ、ないでっ」
「殺さない」
「……ほんとう?」
「ああ、だがお前は俺に負けた……分かるな?」
「……う、うん」
「俺が勝ったからお前は俺の物だ、分かるな?」
「……マスター」
「え、えっと……」

また、ぱらぱら手帳をめくる魔王。
どこかのページで手が止まる。

「……う、うん。まけたらなかまにしてほしそうな目で見るって書いてある」
「……」

大丈夫か……その本?

「な、なにすればいいの……?」
「まずこの城をもらう」
「う、うん。どうせ一人じゃ……さみしかったし」
「あと、お前……ダリア。ダリア、メイドな」
「……ダリア。うん、……じゃなかった、はい!」

元気に答えるダリア。

「あと、力とか使うの禁止。暴力、ダメ、絶対!」
「う、うん。……分かった。メイドふくに着がえてくる」

ツテテーと走りさるダリア。
……タラちゃんみたいな足音だな。

「マスターっ! 凄いです! 魔王を支配下に置くなんて! 何て……!何て…………何も思いつきません!」
「思いつかないなら言うな!」

……さてこれで拠点も確保したし……これからだな……

「俺、城の探検行ってくるわ! ヤッホー!」
「ちょ、マスター!」


「……え、えっとシルフ様?」
「ダリアちゃん似合ってますね!シルフでいいですよ」
「えっと……御主人さまは……?」
「……ああ、マスターの事ですか。……探検に行きました」
「わかった。……ねぇ、シルフ」
「はい、なんですか?」
「シルフ……もうすぐ死んじゃう……よね?」
「……分かるんですか?」
「う、うん。わるいものが体中にひろがってる」
「……マスターにはナイショですよ」
「……う、うん」





……エヴァ家……


「……という事があったのさ。……どうしたの皆?」
「……いや、貴様にしては……なかなかハードな話だったから……嘘じゃないのか?そもそも、そんなに貴様強くないだろ?」
「嘘じゃないヨ! 魔王たおしたヨ! ワタシ嘘つかないヨ!」
<何でカタコト……そういえばそんな出会いでしたね! 思い出しました! 元気にしてますかね!>
「さあ、まあ、ぼちぼちやってるんじゃないか?」

まあ、なんだかんだいっても魔王だし大丈夫だろ。

明日は修学旅行か……楽しみだな!


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.025081157684326