屋上で対峙するのはツインテールの少女とポニーテールの長身の女性。
二人の間を走る一陣の冬風が緊迫感を更に高める。
魔導鎌を構える小柄な少女に対し、自然体のまま女性剣士は問いかけた。
「更に装甲を薄くしたか」
「その分、早く動けますから」
少女が纏っているのはレオタード状の黒衣と手甲程度の装備。
肌の露出が多く、防御を捨てているのは一目瞭然だ。
しかしその問いに間髪を入れず少女は答えた。
「当たれば死ぬぞ。正気か? テスタロッサ」
「勝つためです。強いあなたに立ち向かうには、これしかない」
少し顎を引き、鋭い眼光を放つ少女。
対する女性剣士は奥歯を噛みしめ、苦悶の表情を浮かべた。
そして紫の魔力光が彼女の体を中心に渦巻き鎧の形を成していく――――
「ネギーお手紙が来たわよー」
玄関の方からする声によって少年は現実に引き戻された。
「うん、ちょっと待ってネカネお姉ちゃん!」
これからが彼にとって一番お気に入りのバトルシーンだが仕方ない。
ネギと呼ばれた赤髪の少年はリモコンでDVDの再生を止め、足早に玄関へと向かった。
「はい、これね」
ネカネと呼ばれたシスター服の少女から、小学生ほどの少年は国際便の封筒を受け取る。
その差出人の名を見て目を丸くした少年はすぐ封筒を開く。
封筒に入っていたのは一通の手紙と、一枚のチケット。
手紙は達筆な日本語で書かれていた。
ネギ君へ
こんにちは、元気ですか?
翻訳魔法なしでも日本語は大丈夫かな?
もうすぐ教師として新しい生活が始まりますね。
日本で君と会える日が待ち遠しいです。
さて今回は航空チケットを同封させてもらいました。
着任日より一週間早いけど、もし君さえよかったら早めに日本に来てみませんか?
日本に少しでも慣れてからの方が仕事しやすいでしょうし、他の先生方が是非とも君に研修を施したいと言っています。
予定より一週間早いので学園もまだ部屋を用意できていませんが、それまでの間、君さえよければ僕の所に来ませんか?
部屋数は充分ありますし、君と同じ歳の男の子も一緒に来る予定です。
なお連絡先は――――
思わず笑みが零れ墜ちる。
待ちに待っていた日が早まったのだ。
接点は二カ月ほど前のこと。
名も知らぬ日本人からメルディアナを通して小包が送られて来た。
ネギやネカネはそれを怪しんだが、校長やドネットによって出所の確かさは保証された。
手紙の差出人の名は近衛和葉。
“深淵の探究者”の二つ名を持つ研究者で、若手で最も“立派な魔法使い”に近いと噂されている人物。
魔法世界において様々な分野で活躍し、名を知らぬ者はいない有名人らしい。
父と同じく“立派な魔法使い”を目指しているネギにとっては、大先輩にあたる人物からの贈り物に彼は心を躍らせた。
箱の中身は日本語の教科書と「リリカルなのはシリーズ」と呼ばれる日本製のアニメDVD、しかも全巻が揃えられていた。
そして同封の手紙にネギは目を通す。
送り主が自分と同じく麻帆良に行くらしく、ネギと是非仲良くなりたいとのこと。
互いの父親同士が友人関係であったこと。
このアニメを見て日本語を学びなさいということ。
この三点が要点として記されていた。
前の二点は裏付けも取れたため理解得来たが、アニメで日本語を学べという点だけが理解できなかった。
しかし彼はすぐに考えを改めることになる。
はまらないわけがなかった。
あまりにも熱中しすぎて何周も見てしまうほどの要素が、このアニメには詰まっていた。
父の背中を追うために魔法漬けの日々、そんなときに突然送られた魔法少女のアニメ。
娯楽というものを今までほとんど知らなかった彼にとって、このアニメは余りにも衝撃的だった。
ストーリーなど彼にとってどうでも良かった。
画面を埋め尽くすほどの大出力の魔法や、練られたコンビネーション技、全く知らない魔法体系に魔法理論。
彼の眼をテレビに釘付けにさせたのは圧倒的な力と、自分と同じくらいの年齢の少女たち。
特に雷光を操る同い年の少女に彼は心を奪われた。
雷を巧みに扱う技術に圧倒的な速度、そして友人のピンチに颯爽と駆け付ける姿。
それを見る度に六年前の雪の日に現れた偉大な英雄の背中を思い出す。
そしてようやく彼はこのアニメが送られてきた意図を自分なりに理解した。
まずはアニメを通して日本語の聞き取りや発音の勉強になった。
同時に日本の町並みや生活習慣なども少し理解できた。
また実際の魔法とは異なるが新たな発想を取り入れる機会になった。
それにアニメという接点を生徒たちと持てる可能性もあり、まさにメリット尽くしだ。
このような経緯があって、ネギはこのDVDを送ってくれた近衛和葉という人物に感謝し、日々期待を膨らませていたのだ。
そしてその彼からまさかの誘いが来た。
日本語は既に完璧に習得している。
断る理由など何処にもなかった。
手紙の内容をネカネに伝えると、少年は今にも飛び出す勢いで荷づくりを始める。
「やった秋葉原だ!」
ドア越しの言葉によってネカネは貧血で倒れ込んだ。
一方麻帆良学園の、とある平日の朝。
図書館島の最深部、世界樹の根が張り巡らされた空間にある魔力溜まりの遺跡にて。
石造りの堅い床に寝そべりながら、和葉は大学ノートに複雑な数式を書き込んでいた。
ときに「間違った」と独り言を呟く度、黒のボールペンで無造作に塗りつぶしてはページの端に新たな記号やコメントを連ねていく。
うつ伏せになっている彼の周囲には、試薬の入ったビーカーやボトル、数々の書物や書類、水晶や筆記具が散乱している。
刹那とユキを交えた早朝の修行後、刹那と自身の式神を学校に送り出してから“出勤”したのは二時間ほど前のこと。
「エントロピーの増大は宇宙の理だから仕方ないよな。うん」
皮肉がついつい小難しい用語になってしまうのは研究者の性。
最近レンタルした魔法少女アニメによる影響ではない。
要するに整理という選択肢を放棄した彼は、悲惨な現状から眼を背け天井を仰ぐ。
その見上げた先には六つの桜色の光球が飛翔していた。
一定の速度で環状の軌跡を描きながら、研究に必要なデータを収集していく。
静寂を切り裂かれたのはペンが止まってから十五分後。
靴底が床を叩く音が地下の空間に鳴り響いた。
硬い音が段々と大きくなり、彼は上体を起こしてそちらへ向き直る。
足の裏を合わせる様にして胡坐を組んだ。
「おはようございます」
「おはよう近衛君。こんな朝からご苦労様」
和葉の右隣に片膝を抱える様にして座りこむのはチョッキを羽織った男性。
細身ながらもそれなりに上背があり、肩幅も狭くはない。
ワイシャツの上からでもわかる鍛え上げられた胸筋も見てとれる。
自らの父とどことなく似た雰囲気を和葉は感じ取っていた。
「明石教授こそ、いつも貴重な時間を頂きありがとうございます」
「瀬流彦君や弐集院先生と比べたら大学講師の僕が一番暇だからね。空きコマぐらい協力させてくれ」
基本的に和葉が式神を活用して魔力溜まりに引きこもり、それをユキと刹那が木乃香の護衛などを交代しながら資料整理や禁書捜索などで補助していく形で研究を進めている。
しかし研究所における部下たちは主に魔法世界で忙しいため、現地の研究補助員として学園長により魔法先生を貸し出されていた。
電子精霊のエキスパートの弐集院、結界に長けた瀬流彦、そしてその両方の分野で名高い明石の三人だ。
勤務体制の違いもあり、三人の中では明石と作業をすることが最も多い。
「それを言ったら自分は常にサボりなんで頭が上がらないです」
「式神とリンクさせて授業も受けているんだろう? 刀子さんが納得するなら別にいいと思うけど、一体どんな魔法を使ったんだい?」
「それは禁則事項です」
和葉は口元に指を当て愛想笑いを浮かべる。
「合コンのセッティングで手を打ちました」とは口が裂けても言えない。
まして「ウチの部下相手ですけどね」とは死んでも言えるわけがない。
今の刀子を敵にするのは反転した鶴子より危険だということを、この数日で彼は正しく認識させられていた。
「それで研究の方はどうだい?」
明石は和葉の手元にあるノートを覗き込みながら問いかける。
新たな話題に切り替えてくれたことに安堵の息を漏らす和葉。
「こっちは中々良い感じですよ。“世界樹をこよなく愛する会”のおかげですね」
「それは良かった。大学のサークルに入りたいって言うから何事かと思ったけど、役に立ったなら何よりだ。僕も名前だけしか知らなかったけどね」
“世界樹をこよなく愛する会”とはその名の通り、世界樹を皆で愛で観察し続けるといった活動内容の大学サークルだ。
一般人の視点からとはいえ、長年の観察データの蓄積は和葉の研究にとって意味が大きい。
このサークルの存在を知ると、和葉は明石に頼みこんで所属を認めてもらえるようになった。
このとき用いた出席日数をチラつかせるという手段は、アリアドネーで講師をしていた彼だからこその発想であり、明石だからこそ実行できることだ。
小・中・高を受け持つ魔法先生ならあり得ないが、元臨時講師の少年と若くして大学教授になった二人からすればこういったことは日常茶飯事。
他の真面目な教師たちから非難を浴びるような秘密を既に共有していることもあって、二人の仲はかなり進展していた。
「毎年の生長量や発光量、開花日のデータは特に貴重ですよ。レイラインや魔力の影響が大きく出ますからね」
「今取っているデータから相関を出せば過去のデータも推測できるというわけだね」
「ええ」
明石はクリップで止められた書類の束をめくり、無数の点が並んでいるグラフを指先で示す。
和葉は頷きながらそのグラフに右肩上がりの直線と近似式を書き込んだ。
「ですから本格的な測定自体は発光量ピークと予測されている麻帆良祭あたりまでで充分そうですね」
「どうも今年は大発光が一年早いらしいけれど、まさか温暖化が影響しているのかな?」
「それが腑に落ちないんですよね。環境問題がレイラインを弱らせている影響なら考えられますけれど、それだと遅くなるはずですし」
一定周期で各地の世界樹は大発光と呼ばれる現象を起こすことが知られており、麻帆良の世界樹も例に漏れない。
そしてその発光は地脈から数年がかりで吸い上げ蓄積した膨大な魔力の解放に基づくものである。
よって、この周期の変化は非常に大きな問題であった。
世界樹をこよなく愛する会の緻密なデータを信じれば、発光のピークが一年早まるのはほぼ確定事項。
ならば世界樹か地脈のどちらかに大きな変化が生じていると考えるのは当然の流れである。
「近衛君、こういうのはどうだろう。確かに環境問題で地脈から力をくみ上げるべき森林や霊地が衰退しているけれど、その余剰分がここに集中していると考えられないだろうか?」
「なるほど。それなら辻褄が合いますね。旧世界規模でみたら最大の魔力溜まりで――ん、いやこれは逆に利用できないかな?」
手を合わせて納得の意を示した和葉。
しかし急にボールペンで頬を叩き出し、一人思案にふけ出した。
「何か思いついたのかい?」
「ええっとですね。力の汲み上げの機構の改善と並行して、レイラインの要所に弁を付けたら力の集中と分散を上手く扱えるんじゃないかと思ったんです」
ノートの新たなページに図を書き込みながら笑顔を見せる和葉。
早口になっていく言葉が彼の興奮度を示している。
「ふむ弁か。その目の付けどころはいいね――と言いたいけれど、君はアリアドネーで教鞭を執っていたんだろう?」
新たな提案を肯定しながらも、明石は和葉に問いかけた。
もちろん彼は首を縦に振る。
「さて、ここで一つ問題だ。西洋魔法において魔法陣は円形を基本とするのは何故だかわかるかい?」
人差し指を上に向けながら和葉に問題を投げかける。
その言葉に一瞬目を見開いた後、彼は深く目を瞑って静かに口を開いた。
「一つは術式を円の内側に閉じ込めて固定し、魔力を規定量まで満たすことで制御を容易にするため。またもう一つは輪に沿って力を循環させることで“全は一、一は全”を体現し、術者が精霊に働きかけるためですね」
「うん回答は満点だ。近衛君、その顔だと僕が言わんとすることに気付いたみたいだね」
ゆっくりとした拍手を送りながら笑顔を向ける明石。
気恥ずかしそうに頭を掻いて和葉は言う。
「ええ随分と応用ばかりに気を取られて基礎を疎かにしていたようです。一点集中による効率化を後回しにするなんてまだまだ精進が足りないですね」
「君は若い。そんなに生き急ぐことはないさ。たまには足を止めて今までの軌跡を振り返ることも重要だよ」
「はい」
午前の研究も一段落つき、二人で昼食を取っていた。
今日の弁当は木乃香の作だ。
新たな学校生活も落ち着き、基本的に和葉、刹那、ユキも合わせて四人の当番制ということになっている。
人数が増えても詰める手間ぐらいしか変わらないからということだが、自分が作ると主張し合った結果だ。
木乃香と同じ部屋の少女の分も含め、普段用意するのは五人分。
しかし温めないレトルトカレーを食する程の無精である明石が弁当など用意するはずがないため、今日のような日は彼の分も用意することになっていた。
「そういえば明石教授の娘さんは確か妹と同じ2-Aでしたよね。クラスの雰囲気なんかはどんな感じなんですか?」
ラップに包んだおにぎりを頬張りながら和葉は明石に質問する。
「とっても元気で明るいクラスみたいだよ。持ち上がりだから仲もいいしね」
明石もタッパーに入った卵焼きを素手で摘みながらそれに答えた。
「そうらしいですね。妹と同室の子たち数人と食事もしたんですけど、屈託のない良い子たちでしたよ。兄としてホッとしました」
「本当にのびのびして良いところだよここは。どうだいここの空気は気にいったかい?」
「これ程に住みやすい所は初めてですよ。これだけ人が多いのに負の感情が全然漂ってない。一つ言えば甘ったるい空気が難ですかね。ここの結界は心地良すぎて、いつ染まるかちょっと怖いです」
笑顔はそのまま絶やさない和葉だが、段々声色が曇り細くなっていく。
「最初の晩のやりとりは焦ったけど、君の言うとおり認識阻害に改善の余地があるのは確かだからね。管理チームでも最近議題に挙がっているよ」
「そうですか。いつもお世話になってます。今回の研修の件では特に」
「いやいや、お礼を言いたいのはこっちの方だよ。ネギ先生が赴任するなんて君が言いだすまでほとんど誰も知らなかったからね」
和葉の言う研修の件、話は数日前にさかのぼる。
“日本で教師をすること”が修行内容ということは以前から和葉も情報を得ていたが、高畑のクラスの担任をするとわかったのはつい最近の事。
明らかに異質なクラスへとネギ少年を放りこむ学園長の計画に、和葉は戦慄を覚えた。
刹那や木乃香、その他の筋を通してそのクラスの情報は知っていたが凄まじいメンツだった。
超天才科学者にロボット、忍者も傭兵、果ては和葉ですら未だに接触が躊躇われる吸血鬼と思しき少女まで。
メガロから引き離すためだけに祖父が尽力したとは思っていなかったが、これはあからさま過ぎる。
おそらくメガロと思想は違えども、祖父や高畑は次世代の英雄を育てるつもりなのだ。
冗談ではない。
ネギ少年には自分で道を選ぶ権利がある。
だがまだ幼い彼に導き手が必要なのも事実だ。
そしてそんな綺麗ごと抜きにして、和葉もネギを心から欲している。
「これだけの可能性の塊を――――英雄程度で終わらせるかよ」
危機感を覚えた和葉は自らの野心のために動き出す。
しっかりと選択肢を与えた上で必ず自分を選ばせてみせると意気込んだ。
まず助力を請うのは詠春と家庭事情が似ている明石だ。
ある日、明石にネギ少年の話題を何気なく出したが、彼も和葉と同じくどこのクラスに赴任するかまでは知らなかったようだった。
「ハハッ、ウチのゆーなをまだ十歳の子供に預けるだって? それはジョークだよね。本国ならまだしも、ここは日本だ。労働基準法的にも認められない」
彼は怒気を顕わにしてハッキリと言い切る。
「自分も卒業してからすぐ働いてたんで就労年齢は気にしないですけど、流石に担任は無茶ですよね」
「そうだよ。全く持ってその通りだ。僕らみたいに専門分野だけを教えるならいいさ。でも他のケアまで十歳の子供にやれるとは思うかい?」
和葉は無言で首を横に振る。
免許のいらない大学講師を除いて本当に教師の資格を持っているのは、学生時代から麻帆良で育った瀬流彦やその他数名程度のメンバーだ。
多くの教員はモグリとして、多くの失敗を重ねながら足りない知識と経験を補っていった。
大人たちでさえそうなのだ。
どう考えてもたった十歳の子供先生がクラスを治められるとは考えられない。
同じ考えに至った二人は学園に対して切り札を切る。
魔法使いとしてではなく父兄として学園長室に乗り込んだのだ。
二人の主張をかなり乱暴に纏めると「ウチの娘(妹)は魔法と切り離して育てる(と父が言っている)から2-A以外にしろ」という身勝手な親のクレームだった。
十歳児が中学教師をすることに対する問題提起よりも、まずは身内の安全確保に走る。
だが、どうしてもそこだけは譲れないと学園長も頑固だった。
そうなると裏で囁かれているネギのパートナー候補説がさらに真実味を帯びて来る。
そこでクラスが変えられないならネギを変えればいいと、二人は新たな作戦を立案する。
それがネギへの着任一週間前の来日チケット送付だ。
学園長の采配に疑念を持つ他の教師陣に相談したところ、授業練習や教育論の基礎についての研修時間に当てた方がいいのではとの声が寄せられた。
要するに見習い教師及び魔法使いとして、彼を一週間鍛え直すプランに行きついたのである。
既にネギと接点がある和葉が、友人として和葉の部屋に招くというのは名目上問題ない。
そしてもし着任後にも和葉の部屋に定着するなら、ネギ及び周囲の状況も掴みやすく親睦も深められる。
あのアニメを見ていれば新たな魔法への興味をきっと抑えきれないはず。
和葉はそう考えイギリスからの連絡を待つ。
だが彼の予測は角砂糖よりも、蜂蜜よりもずっと甘かった。
ネギ少年の本質を和葉は理解していなかったのだ。
稀に見る純粋ゆえの影響されやすさ、都合よく曲解する癖、復讐心に基づく力への欲求。
和葉のプラン以上にあのアニメは無垢な少年を染め上げてしまっていた。
現在そのことに気付いているのは姉と幼馴染だけ。
たった一本のアニメによるバタフライエフェクトに、未来人が頭を抱えるのはもう少し先の事。
罪状は世界の深淵よりも深く、そして重い。