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No.21322の一覧
[0] とある転生者の麻帆良訪問(ネギま!×とある魔術の禁書目録 オリ主憑依)[カラーゼ](2010/10/31 15:16)
[1] 第1話[カラーゼ](2010/09/04 00:26)
[2] 第2話[カラーゼ](2010/09/04 00:28)
[3] 第3話[カラーゼ](2010/08/21 12:48)
[4] 第4話[カラーゼ](2010/09/04 00:29)
[5] 第5話[カラーゼ](2010/09/04 00:32)
[6] 第6話[カラーゼ](2010/09/04 00:33)
[7] 第7話[カラーゼ](2010/09/04 00:35)
[8] 第8話[カラーゼ](2010/09/04 00:38)
[9] 第9話[カラーゼ](2010/08/24 20:46)
[10] 第10話[カラーゼ](2010/09/04 00:41)
[11] 第11話[カラーゼ](2010/08/25 23:45)
[12] 第12話[カラーゼ](2010/09/04 00:42)
[13] 第13話[カラーゼ](2010/08/28 20:02)
[14] 第14話[カラーゼ](2010/08/28 18:04)
[15] 第15話[カラーゼ](2010/08/29 12:30)
[16] 第16話[カラーゼ](2010/09/04 00:43)
[17] 第17話[カラーゼ](2010/08/30 18:21)
[18] 第18話[カラーゼ](2010/08/31 22:41)
[19] 第19話[カラーゼ](2010/09/04 00:24)
[20] 第20話[カラーゼ](2010/09/03 22:22)
[21] 第21話[カラーゼ](2010/09/04 17:48)
[22] 第22話[カラーゼ](2010/09/05 23:22)
[23] 第23話[カラーゼ](2010/09/05 20:24)
[24] 第24話[カラーゼ](2010/09/06 20:43)
[25] 第25話[カラーゼ](2010/09/08 00:52)
[26] 第26話[カラーゼ](2010/09/11 21:59)
[27] 第27話[カラーゼ](2010/09/13 12:53)
[28] 第28話[カラーゼ](2010/09/15 14:10)
[29] 第29話[カラーゼ](2010/09/16 03:25)
[30] 第30話[カラーゼ](2010/09/19 00:34)
[31] 第31話[カラーゼ](2010/09/24 21:39)
[32] 第32話[カラーゼ](2010/09/30 00:28)
[33] 設定集[カラーゼ](2010/09/29 00:48)
[34] 第33話[カラーゼ](2010/09/28 00:13)
[35] 第34話[カラーゼ](2010/09/30 17:36)
[36] 第35話[カラーゼ](2010/10/04 23:06)
[37] 第36話[カラーゼ](2010/10/14 12:10)
[38] 第37話[カラーゼ](2010/10/14 23:18)
[39] 第38話[カラーゼ](2010/10/31 15:29)
[40] 第39話[カラーゼ](2010/11/07 15:05)
[41] 第40話[カラーゼ](2010/11/08 01:44)
[42] 第41話[カラーゼ](2010/11/10 01:14)
[43] 第42話[カラーゼ](2010/11/12 01:21)
[44] 第43話[カラーゼ](2010/11/21 20:08)
[45] 第44話[カラーゼ](2010/11/21 20:12)
[46] 第45話[カラーゼ](2010/12/06 16:45)
[47] 第46話[カラーゼ](2010/12/06 16:48)
[48] 第47話[カラーゼ](2010/12/05 13:38)
[49] 第48話[カラーゼ](2010/12/19 02:01)
[50] 第49話[カラーゼ](2011/01/17 16:43)
[51] 第50話[カラーゼ](2011/03/29 01:58)
[52] 第51話[カラーゼ](2011/05/29 01:44)
[53] 第52話[カラーゼ](2011/08/18 15:44)
[54] 第53話[カラーゼ](2011/09/03 18:05)
[55] 第54話[カラーゼ](2011/11/04 21:57)
[56] 第55話[カラーゼ](2012/08/27 00:24)
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[21322] 第37話
Name: カラーゼ◆68f6dca0 ID:da7c297e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/10/14 23:18
SIDE 一方通行

暗闇の中、目を覚ます。
目を閉じる前の眩暈によって感じていた不快感はほぼ払拭されていた。
起き上がって体の調子を確かめるが、いつもと同じか、あるいはいつも以上に体の調子は良いようだった。
さっきの眩暈は一体何だったんだろうか、と思う。
頭を振りながら起き上がった。
ブッ壊した後に組み上げて修理した、機械構造丸出しの目覚まし時計を見ると、俺は数時間寝ていたようだ。
もうそろそろ晩飯時か……ミサカが作ってくれていたら良いんだが。
ギュッ、とスプリングが軋む音と共に立ち上がり、何百回と通ってきた道のりから襖を開ける。
電灯の明るさで目がくらみ、細目になる。
その細目で辺りを軽く見回すと、俺はその場で深い、それは深いため息をついた。
光に慣れてきて目を開くと、やはりその場にはこの時点で関わってはいけない面子がいた。

ネギ・スプリングフィールドに、神楽坂、そしていつの間にか麻帆良にやってきていたカモである。

ネギはソファーの上で毛布を掛けられて寝ており、神楽坂とカモはそれぞれ正座して座っていた。
神楽坂は明らかに緊張した面持ちであり、カモも似たようなものだ。
その目の前には茶々丸が正座していて、その隣にはミサカが機嫌悪そうに座っている。
寝起きにこんな空気叩きつけてくるんじゃねえ、と思うと同時に、まさかミサカが茶々丸救出フラグを立ててしまっていたことに驚く。
確かに仲は良かったが、まさかこの事件にかかわってしまうとは思わなかった。
寝起きのハッキリとしない頭で現実逃避を考えながら、俺はその状況をスルーして顔を洗いに行く。
誰も突っ込まないのはそうする余裕がないからだろうか。
ジャバジャバと顔を洗ってタオルで拭ってから、俺はリビングに戻ってくる。
相変わらず状況は膠着したままだった。
俺は面々を見回していると、茶々丸の左肩が露出していることに気づいた。
包帯が巻かれていることから、損傷していることがわかる。
「超を呼ぶか?」
茶々丸の横を通り過ぎながら、俺はそう言った。
それに対し、茶々丸は頭を振る。
「左腕の固定器具が壊されただけです。多少ぶらつきますが、さほど支障はありません」
「だからっつっても修理しねェわけにはいかねェだろォがよ。……色々と事情があるみてェだが、終わったら工学部に連れて行くぞ。超とハカセには先に連絡しておけ」
「……はい」
茶々丸が立ちあがり、家の外に出ていく。
電話をするのかメールをするのか知らないが、連絡を取っておくのは大事な事だ。
見た所中枢にかかわるような大怪我ではないようだから、さほど時間もとられないと思う。
まあ、超やハカセが徹夜する羽目にならないことを祈ろう。
さて、と俺はミサカの隣に腰を下ろす。
「わざわざ俺ン家に来てまでモメ事持ちこむンじゃねェ。他所でやれよ」
そう言うが、ミサカはしれっとした様子でこう返してきた。
「風邪をひかれても困りますので、とりあえず最寄りの暖かい所に拉致ってきただけです、とミサカは答えます」
「その心温まるエピソードは称賛に値するが、何故に俺の部屋なンだよ」
「むしろここがミサカの家っぽいので、とミサカの自宅は寝て起きて顔を洗うだけの部屋だと主張します」
確かに学校以外の私生活は修行かここで暮らすくらいのことしかしてないミサカにとって、ミサカの部屋は軽い認識なのだろう。
ほぼここが自宅になってしまう現実はどうにかしなければと思うんだが、別に不便もしてないわけだしそう言う理由が思いつかない。
結果、言いだせなくなるわけだが、やっぱり俺は甘いのだろうか。
ミサカだからなのだろうか、とも思うのだが。
俺はその話題に関しては終了させることにして、話を次の段階に持っていくことにする。
「で、俺にどォして欲しいンだ? 神楽坂がいるンならネギを連れて帰ってもらえばいいだろォが」
「茶々丸さんも怪我をしてしまいましたので、ここはどうするか年長者の意見を仰ぐことにしました、とミサカは人生の先輩に話を窺います」
「……ジジイに相談すりゃいいンじゃねェか?」
「学園長に相談するよりも個人的にアクセラレータの方が信用できるのです、とミサカは主張します」
確かに、相談し辛いだろうが……ジジイも涙目だな。
慎重な行動をとった結果、結局は俺の意見を仰ぎに来た、ということか。
わからないことがあれば年上に相談する。

まぁ、無難な所ではある。

俺もタカミチやジジイに相談したりするしな。
……実を言うと、頼りにされるということはほんの少し嬉しかったりする。
俺はとりあえず、現状を把握するための説明を求めることにした。
「とりあえず事情を聞きたい。来ちまったモンはしょォがねェしな」
そう言ってミサカを見ると、ミサカは頷いて説明を始めた。
ミサカは学校が終わった後、商店街でウィンドウショッピングをした後に猫缶を買い、茶々丸がいるだろう餌やり場に辿りついたところ、神楽坂やネギが茶々丸と戦っている所を見て加勢した、と言っている。
その結果、ミサカと茶々丸が勝利して、二人と一匹はここにいる、と。
勝利するのはわかる。
ミサカのスペックなら今のネギに負けることなんてないだろうし。

……得体のしれない主人公補正がかかっていれば話は別だが。

それらの説明を聞いた後、俺は神楽坂の方を見た。
俺の赤い目にビビったのか、少し肩が震えるのが見えた。
「次はそっち側の説明をしてほしいンだが……テメェが説明すると個人の意見が多分に入りそォだな」

神楽坂は感情的だしな。

口下手ではなさそうだが、だからと言って説明に向いているとは思えない。
だが、複数の意見を聞いておくのは得策だ。
ネギが寝ている事だし、好都合である。
それぞれの意見が食い違っている可能性もあるし、それをあぶり出すのにも役に立つ。
「神楽坂も説明してくれ。言っとくが嘘はつくなよ」
「つ、つかないわよ。ちゃんと説明する」
神楽坂が説明を始めた。
やはり俺の思う通り、個人の意見が多かったため割愛してこちらで説明する。
事の発端は桜通りの吸血鬼事件にネギが関わったことにある。
そこでネギと吸血鬼であるエヴァと戦っているところを目撃し、追跡。
その後、神楽坂はエヴァと茶々丸にネギが襲われているのを発見し、これを撃退する。
ミサカがそれに対して反応したが、俺の視線に黙った。
エヴァと茶々丸がそう簡単に負けるわけがないだろうとでも考えたんだろうが、エヴァも一般人を舐めてる所があるからな。
まさか女子中学生に蹴り飛ばされるなんて思わなかっただろうし。
それに敗北と言うよりは撤退という感じだろうしな。
そしてネギはエヴァの襲撃を恐れ、その戦力の一角である茶々丸を倒すことにした。
その時、ミサカが割り込んできてネギと神楽坂を倒し、この状況に至る、と。

説明が終わった時、ちょうど茶々丸が携帯を片手に戻ってきた。

茶々丸は少し困ったようにこちらを見てくる。
「超が今すぐ修理したいと言って聞かないのですが……」
「貸せ」
茶々丸から携帯を受け取る。
「俺だ」
『アクセラレータカ? 茶々丸が怪我をして修理が必要と聞いたが、本当カ? すぐに行って修理するネ』
「麻帆大の工学部で準備してくれればそれで良い。損害もさほど大したモンじゃねェ。テメェらのトンデモ技術ならサッサと修理できるレベルだ」
『それを判断するのは私とハカセヨ。茶々丸に会わせてほしい』
強い口調で超は言った。
子を思う親の気持ちなんだろうな、と少し思う。
少し、というかかなり気持ちはわかるし、茶々丸を小破させたまま放っておくのは嫌だが、ここは堪えてほしい。
「こっちもこっちで茶々丸不在だとややこしい問題が更にややこしい問題になりそォだ。心配なのはわかるが、今回は俺の言う事を聞いてくれ」
茶々丸自身にも深く関わっている問題なのに、そこに彼女が同席していないのはおかしい気がする。
超たちもすぐに準備できるわけじゃないだろうし、少し待っていてほしいと思う。
俺が言うと、超は電話の向こうでため息をついたようだった。
風を切る音が電話の向こうから聞こえた。
首でも振ったのだろうか。
『……わかったヨ。ただ、事情は詳しく説明して欲しいネ』
「当然だ。茶々丸を連れていった時に説明する」
『了解した。ハカセの部屋で待ってるヨ』
電話を切って、茶々丸に渡す。
「この話が終わったらハカセの部屋に連れて行く。それまでここにいろ」
「わかりました」
茶々丸が座ってから、俺は腕を組んだ。
神楽坂から聞いた情報をまとめると、展開はほぼ原作と変わらなさそうだ。
ミサカが介入した以外はほぼ原作通り。
ということは俺の知識もそこそこ役に立ちそうだ。


こちらのボロを出さないためにも、一つずつ情報を明確にしていくとするか。


「神楽坂、テメェは茶々丸を倒すことにしたっつってたが、誰の案だ? まさかコイツじゃねェだろ?」
そう言って、俺はネギを指さした。
神楽坂は基本的に正直者であり、実際に嘘をつくのは下手のはずだ。
う、と言葉に詰まって視線は正座しているオコジョに向かう。
下手どころか隠している素振りを見せないあたり、俺としては楽だが。
「テメェだな?」
「……その通りでさぁ」
カモが口を開くが……なんというか、正座しているオコジョが言葉を発するのはとてつもなくシュールだ。
真面目なツラで会話しているとアホらしく思えてくる。
オコジョは俺のイメージとは違い、真顔で自己紹介を始めた。

……オコジョが真顔ってのも変な話ではあるが。

「俺っちはアルベール・カモミール。カモと呼んでくだせえ」
「茶々丸襲撃案を考えたのはテメェってわけか。ネギや神楽坂じゃねェンだったら頷ける……神楽坂は話さなかったが、茶々丸に使った魔法は覚えているか?」
「えー……魔法の射手、光の11矢と、風霊召喚と……あとは白き雷っす」
それらの魔法を聞いて、俺は危うく頬をひきつらせる所だった。
ネギがそれだけの魔法を使っておいて、正常に動いている茶々丸が信じられなかったからだ。

特に白き雷なんて、茶々丸にとってはかなり危うい魔法だろうに。

それよりも、ネギに白き雷などといった魔法を出させると言う事は、多少ながら原作に違いがあったと言う事。
おそらく、茶々丸が俺やミサカと戦った結果、その戦闘データを収集していたおかげだろう。
茶々丸はミサカの電撃を避けていたし、そのやり方は相手の目線を読むことで行う。
目線で自分のどこに狙いをつけているのかを予測し、避ける技能だ。
それは実際に戦う事でしか身につかないものだ。
避けることについては強化されているということか。
今まで戦っていてまったく気づかなかったが……。
そして、俺の隣ではミサカが難しい顔をしている。
どうした、と声をかけると、

「正直に言うと、オコジョと普通に会話している絵というのはどうなんでしょう、とミサカは真剣に考えてみます」

「そろそろテメェも魔法の世界に馴染めよ。確かに一般的な目でみりゃァトンデモねェことに違いねェが」
首を捻っているミサカにそう言っている俺を見て、カモが不思議そうにこちらを見てくる。
「魔法については初心者なんですかい?」
「っつゥわけでもねェンだがな。まァ、喋るオコジョってのは初めて見たンでな、珍しいンだよ」
ミサカのせいで口調が和みかけているのを自覚して、俺は再び口調を硬いそれに戻す。
「それにしてもよくペラペラと俺に魔法関連の事を話したな。普通、事前に魔法関連の知識があるか遠まわしに確認するモンだが……」
「魔法を知ってるっていうのはミサカさんから聞いたのよ。だから起きてきたら全部話せって」
「第一、アクセラレータがそういう剣幕だったら話さざるを得ないでしょうし、とミサカは暗に顔が怖いんだよとボソボソ呟きます」
「その声の大きさは呟きレベルじゃねェ。耳鼻科に行け」
余計な一言を挟み始めたミサカを睨みつけた後、俺はぐったりとソファーに寄りかかった。
部屋に入ってきたときと同じように、盛大なため息をつく。


個人的な意見を言えば、ネギの行動はしょうがない部分が大きいと俺は思う。


エヴァと言う超絶な敵にいきなり遭遇し、エヴァにその気がなかったとはいえ殺されかけるような体験をしたのだから、その恐怖は凄まじいものだったのだろうと思う。
実際、日本では年齢的に小学生なのだから。
エヴァが子供を殺すことはないと公言していようとも、ネギがそれを知らなければ本気で殺されると思っただろうし。
不必要な恐怖とカモの助言、そしてアスナがパートナーになるという条件が重ならなければネギもこんな行動は起こさなかったはずだ……と考える。
しかし、子供だからというのを理由にして茶々丸を傷つけた事を正当化して良いというわけではない。
状況がそうさせたとはいえ、無罪でいられるという考えでいてもらっては困る。
極端な例ではあるが、いじめられたからと言って殺人を行うことが許されないのと同じことだ。
今回は傷害事件であるが、それでも何らかの処罰は下されなければならない。
今更ながらに覚醒してきた頭の中でこれからのシナリオを構築していると、カモが話しかけてきた。
「あのぅ……兄貴の処遇はどうなるんですかい?」
俺はカモに視線を向けず、つまらなそうに答えた。
「本国召還ってのはまずねェだろォが、何らかの処罰は下されるはずだ。具体的な事は俺にもわからねェな。総責任者はジジイなンだからよ」
ジジイのことだから相応の態度はとるだろうが、俺はまた別の考えを浮上させている。
今、俺が考えている事はジジイたちの最悪の対応である。


それは、神楽坂の記憶操作。


そうなるのは、ネギがマギステル・マギ候補生だからである。
ジジイにはメガロメセンブリアの上層部辺りか、あるいは魔法学校からナギの息子であるネギをマギステル・マギに成長させろという命令が下されている……と俺は考えている。
だからこそ2-Aなんていう才能の塊であるクラスを作ったんだろうしな。
仮契約候補者満載だし、マギステル・マギになるためにはパートナーは必要不可欠だ。
優秀なパートナーを得るための策略と考えれば、かなり前にその命令は出ていたと俺は思う。
そして、ジジイたちはネギを任された責任がある。
だからこそ、スキャンダルはもみ消される可能性だってある。
マギステル・マギ候補生の汚点を残しておきたいなんて誰も思わないだろう。
この事態をもみ消すためには、まず当事者の一人である神楽坂の記憶消去。
魔法についての記憶を一切消去し、茶々丸と戦ったり、エヴァが吸血鬼である記憶も消す。
そうすることでこの事態を口外する可能性のある目撃者を記録的に抹消する。
魔法完全無効化能力があるとしても、無自覚の今ならなんとかなりそうではある。
扱いが慎重になるのは間違いないだろうが。
カモについてはそもそも犯罪者だし、現在の状況では牢獄行きは間違いない。
口封じはアスナよりも簡単だ。
下手をすればこうなったのは全てカモのせいにされ、ネギのせいじゃない、という理由づけも考えられる。
俺たちについては色々と交渉すればなんとかなるだろう……と他人事のように考える。
所詮これは脳内シミュレーションであり、俺の想像にすぎないからだ。
まあ、まずそんなことはないだろうが、可能性として取り上げておく。
原作が大幅に変わるとこっちも対応し辛くなるからな……だから自重していたのにミサカは厄介事を運んで来た。
茶々丸を助けたのは良いことではあるが、それとこれとは話が別である。
俺はその原因となったネギの方を見た。
毛布をかぶりながらすやすやと眠っている。
これ以上目の前の二人と会話しても無意味だと判断した俺は、とりあえず安眠しているネギを叩き起こすことにした。
すっ、と俺はデコピンをネギに向ける。
それが何を意味しているのかわからない周囲は俺の行動を疑問に思ったはずだ。
ただ一人、これを食らった事があるミサカは『あー』と額を抑えてネギに同情の視線を向けていたが。


ババババシッ!!


四連続の高速デコピン。
ベクトル操作で生成した風の弾丸をネギの額に超高速で、且つ四連続で叩きつけたのだ。
流石にそれだけの衝撃が加えられると目覚めるらしい、ネギは跳ね起きた。
「あだっ!? いだだだだっ!?」
ネギは額を抑えて跳ね起きると床を七転八倒。
慌ててそれを助け起こす神楽坂。
随分と面倒見が良いな……あそこまでじゃないが、俺も人の事は言えないが。
額にコブができてしまったネギは、涙目でこちらを見やって、いきなり体を竦ませた。
俺にビビったのか茶々丸にビビったのか、あるいはミサカにビビったのか。
とりあえずビビったことに違いはないので、逃げ出さないように釘を刺しておくことにする。
「そこに座れ。聞きたいことと言いたい事がある」
「え、えっ? ここ、どこですか? どうしてアクセラレータさんが……」



「座れ」



俺の強い口調に、ネギは質問をやめて黙って座った。
それでいい。
その方が早く終わる。
「まず、ここは俺ン家だ。ミサカがテメェを気絶させて運んできたンだ。納得はできるな?」
「あ……はい」
ネギはすぐに覚醒するタイプらしい。
それとも痛みのせいか、その目ははっきりと起きていた。
まだ眠っていそうなら今度は十連デコピンを食らわせる所だったが、機会が失われて残念だ。
少し、俺はそこで間を置く。
ネギの中にも整理をする時間が必要だろうからだ。
説明によるとネギは気絶したんだから、色々と記憶が飛んでる可能性だってあるしな。
暫くすると、だんだんとネギは状況が把握できてきたのか、項垂れてくる。
その視線は包帯が巻かれている茶々丸の肩に向けられていた。
「状況はわかったみてェだな」
そして視線が俺の方に戻る。
俺は一息だけ、落ちつくために深呼吸を入れた。
「予想はできてるだろうが、ミサカは魔法使い側の人間になる。俺もそォだ。だから魔法の事については話していい。というより話してくれ。でないとテメェも喋りづらいだろうしな」

前置きをして、本題に入る。

「エヴァ……エヴァンジェリンがテメェを襲ったということは聞いた。テメェが茶々丸を襲ったと言う事も全部聞いた。これは事実だな?」
「は、はい」
「それを全部聞いた上で訊ねるが……もっと他に方法はなかったのか?」
俺は鋭い視線ではなく、探る視線でネギを視る。
その目の動き、指の動き、口の動きすら逃さないように観察する。
嘘はすぐに動きに出る。
こんな子供なら尚更だろう。
俺自身の経験上、それは明らかだ。
ネギは俺の探る眼から目をそらして、しかし、何とか持ち直してこちらを見てきた。
やはり怖いのだろう、と思う。

当然だ。

俺は怒っているのだから。
茶々丸が傷つけられただけで感情が昂ぶるとは。
ミサカが茶々丸と同じ立場だったら俺がどうなっていたか想像もつかないな……。
ネギは何度か口を開閉させ、絞り出すように呟いた。
「……あった、と思います」
「例えば?」
俺は即座に切り返す。
この場合、単なる『そう言っておけば良い』という安直な考えでの発言である可能性があるからだ。
子供の時の体験は、こう言う時にためになる。
『俺』も学校の先生に怒られた時、誤魔化そうとしてこの手で言い訳を封殺させられたもんだ。
しかし、ネギは別にそういうわけじゃなかったらしい。
おどおどとした口調ながらも、必死に説明しようとしていた。
「茶々丸さんを破壊するんじゃなくて、捕まえて負けを認めさせるとか……あるいは、話し合いで解決する、とか……」
「そうしなかった訳は?」
「……その時には思いつきませんでした」
「つまり、全力の魔法の射手一斉掃射と、白き雷で茶々丸を倒すことしか考えていなかったと、そういうことか?」
逃げ場は失われた。
ネギはこれに頷くしかない。
自分は魔法の物理的な力で茶々丸を破壊しようとした、その事実を自分で認めたのだから。
俺はネギの頷きに、わざと聞こえるようにため息をついた後、告げる。


「少し、例え話をするか」


俺は立ち上がると、冷蔵庫の中からリンゴを取り出し、それを机の上に置く。
「今、机の上にはリンゴが一つ乗っている。今、お前はこのリンゴを食べるという状況……まァ、つまりは食事だな。で、その場合、リンゴをどうやって食べるかを考えて俺に言ってみろ」
いきなり意味不明なお題だったためか最初はポカンとしていたネギだったが、俺の視線に急かされて、慌てて答える。
「普通ならナイフで皮を剥いて、適当な大きさに切って食べます」
「そォだな。あるいは?」
「え? ……そのまま齧る、とか」
「それもあるな。他には?」
「う、うーん……」
そのままネギは黙ってしまったので、俺は答えが尽きたと判断した。
俺は無言で立ち上がると、今度は台所からコップを持ってくる。
リンゴを持つとそのまま握り砕き、強引にその果汁をコップに注いだ。
地味にベクトル操作してるから果汁は零れ落ちる事はなく、コップの中はリンゴジュースで満たされた。
「リンゴに対しての『食事』は『齧る』だけじゃねェ、ジュースにして『飲む』ことも考えられる。ものの見方、考え方が少し違うだけで実際にはかなり違う結果が生まれるわけだ」
「……それは厳密には違うんじゃないんですか?」
「食事ってのは栄養素を吸収するための手段だ。それなら飲むことも間違いじゃねェだろ?」
リンゴジュースを一口で飲み干し、俺はどっかりとソファーに座り直す。
「こんな風に、物事には多くの見方と考え方がある。俺の言いたい事はわかるだろ」
「……はい。僕は全体的に視野が狭い、ということですね」
「間違っちゃいねェが、テメェの場合はかなり狭い」
俺がそう言うと、ネギは少し反抗的な目でこちらを見てきた。
……その目は『それほど狭いのか』と疑問に思っている目だな。
今までほとんど自分でやってきたんだから、自分の意見を持つのはしょうがないか。
だが、だからと言って意固地になるのは危険なんだが。
「つまり俺が言いたいことは、テメェに足りねェのは客観的思考だってことだ。少し考えてみろ、いつも主観的になって行動してないか? 自分がこうだから周りもこうだろうと決めつけてないか? その決めつけを他人に押し付けたりしていないか?」
「…………」
「主観的になることは必要だが、それだけじゃ独りよがりになっちまう。自分を客観的に見るってのは大事だぜ? そうすりゃあ、いくらでも出口ってのは作れるモンさ」
リンゴを齧る、絞る以外にも削るなどといった方法もある。
一つの答えを絶対的な答えだと信じるのは行動力に繋がるが、せめて3つくらいは他の答えを想定していても良いんじゃないか、と俺は思う。
こういう考えになるには年齢を重ねることが重要だ。
失敗などの経験が、自然と失敗した時のために保険を用意するようになるからだ。
ネギは先生になるには若すぎる……というか幼すぎる。
子供の思考にそこまで求めるのは少々キツいかもしれないが、ネギほど優秀な頭を持っているのなら二つや三つくらいの保険は考えられるだろう。
なにせ、今回の茶々丸戦だって、俺に聞かれていくつか答えを出した事だし。
茶々丸はエヴァと違って好戦的じゃないんだから、落ちついて話し合うことくらいはできたはず。
少なくとも、いきなり実力行使なんていう短絡的な行動に移ることはなかっただろう。
時と場合にもよるが、今回の茶々丸に対しての行動はそう受け取らざるを得ない。
例えば、小太郎などといった最初から敵意むき出しの連中に応戦するのは良いと思う。
降りかかる火の粉は払わなければならないし、話し合いの通じない連中は拳で黙らせるだけだ。

しかし、茶々丸は違う。

最初から殴り合うつもりではなかったはずだし、原作と状況がほぼ同じなら、あんな確認の会話ではなく、もっとエヴァたちの事情も知ることができたかもしれない。
少なくとも、話の通じない相手ではないのだから。
俺はネギが俯いたまま黙っているのを見た。
「俺がこう言うのは、俺がミサカの保護者だから言うンだぜ? テメェにミサカを任せてる以上、流石に自分の生徒を傷つけてることがわかったら口出しせずにはいられねェ」
俺はカモの方を見る。
「不安になっている所トドメを刺すようで悪いがな。このオコジョの作戦は一見戦力を削ることで有効に思えるが、それに対しての報復は考えなかったのか? やられたらやり返すの理論は相手にも通じるンだぜ?」
正直、茶々丸を破壊されてたらエヴァが本気になるだろうし、下手したらネギが殺されていた可能性もある。
今となって考察しても今更な話ではあるが、ネギはゾッとするだろう。
これに後悔して良く考えるようになってくれれば、俺も結構安心してコイツに修学旅行を任せられるんだが。


やはり行かなければならないのかね。


そう思っていると、ネギは小さく呟いた。
「……でも」
否定形が出てきた。
ネギの意見、それが聞きたい。
聞くだけなら誰でもできる。
内心で反論しておけばいいから。
反論が出てくるのなら真面目に聞いてくれていると言う事だ。
こちらもそれを聞く義務がある。
俺はネギの言葉を待つ。
暫くすると、ネギはもう一言、呟くような小さな声で言った。
「僕は、怖かったんです。アクセラレータさんの言う通り」
ポツリポツリと、ネギは語り始める。
「魔法学校から麻帆良にやってきて、ここでやっていけるか不安だった。アスナさんに魔法がバレて、魔法の事で色々と失敗して……それで、タカミチから失敗しないための手段を聞いて……でも、それでまた失敗して。改善しているのかどうかも自分で実感がないし、失敗したくないのに、こうして失敗を重ねてしまうんです」
一息置いて続ける。
「失敗するのも怖いし、何よりも今はエヴァンジェリンさんが怖い。真祖の吸血鬼だし、パートナーだっています。それが、僕の血を吸いに来るんですよ?」
ギュ、と小さく拳を握る音。


「怖くて、仕方がなかったんです……やらなきゃやられるって。そう思って」


俯いた表情は隣にいる神楽坂と小さなオコジョにしか見える事はなく、絞り出すような声は俺にその表情を想像させる。
だが、俺は一つの表情しか想像できなかった。
「あの時、エヴァンジェリンさんだけなら僕だけでも倒せたんです。でも、茶々丸さんが加わって数で不利になったらとてもじゃないけど勝てません。だから数を減らして勝とうと思ったんです。茶々丸さんを倒すことで」
ネギは俯かせていた顔をあげて、俺にその目を向けてくる。
それは何らかの決心をした目でも、反抗的な目でも、泣きそうな目でもない。
どこか、無気力なそれだった。
虚ろな目はガラスのように俺を映し、反射している。
俺が予想していたのは『怯え』の表情。
むしろそちらの方が良かったのではないかと思えるほど、ネギは無気力な表情をしていた。
「僕は、どうしたら良かったんですか。茶々丸さんを倒しちゃいけないんだったら、僕は負けるしかないじゃないですか。こればっかりは視野を広くしてもできないことでしょう。アクセラレータさんは僕には視野が足りないって言いましたけど、だからってエヴァンジェリンさんを倒せるわけがないじゃないですか」
まるで縋るように言ってくるネギを見て、俺は悩む。
俺が言ったのは魔法だけで解決する事は自分の見解を狭めている事だ、ということだったんだが、実際のネギの感覚からすれば、それを広めた所でエヴァに対抗する術なんてない、ということか。
「確かに、エヴァを倒す方法を考えてもしょォがねェな。明らかに格上だ、まずまともに倒すことなンざできねェよ」
強力な魔法障壁もあるし、身体能力はネギよりも上。
色々と上を行くエヴァを現時点で倒すことなど、不可能だろう。
それを断言するとネギは俯く。
「じゃあ……どうすれば僕は生きていられるんですか?」


「逃げれば良いんじゃねェか?」


極々単純な事実。
ただ単に生きたいだけなら、エヴァから尻尾巻いて逃げれば良いのだ。
「エヴァはこの麻帆良の外には出れねェし、イギリスに帰ったら手出しはできねェだろォよ。そうすれば生きることはできるぜ? 生きるだけならな」
正直、生きたいだけならネギほどの才能があればどこでもやっていけるような気がする。
容姿はいいし、頭も良い。
性格に関しては人それぞれだろうが、悪いというわけではないだろう。
普通に企業に就職して、普通に生活していくことは容易くできる才能を内包しているのだ、この少年は。

だが、その道はネギのこれまでの人生の意味を失うことになる。

父親と言う目標がなくなってしまう。
そうなると、抜け殻になってしまうのではないだろうか、と危惧してしまう。
ネギと魔法を切り離す事はもう無理なんだろうと思いつつ、俺はこの選択肢を提示する。
「勝ちたいか?」
逃げるのか、その二択。
人間を突き動かすのは欲だ。
何かをしたいと思うから動くのであり、指示をして無欲で動くのならそれはただのロボットだ。
今のネギは指示だけを求めている……そのロボットに近い。
生徒の茶々丸を傷つけたこととエヴァの事で頭がパンクしたのか、何も考えたくなくなったのか。
それなら、考えたくなるような選択肢を提示して、思考する頭に戻すだけだ。
ネギは俺の言葉を聞いて、すぐに答えた。

「勝ちたいです」

目が虚ろなそれから、弱気なものに戻った。
強気になることはないだろうと思ったが、虚ろよりはずっと良い。
俺はにやりと笑っていることに気づかずに、そのままネギに言った。
「その気持ちがあるンなら、また別の策を考えれば良い。どうしてもわからないンだったら周りに頼ることもできる。直接的に他人の力だけを借りるンならともかく、相手に関しての情報を得るだけだったら問題ねェだろ」
「で、でも、エヴァンジェリンさんは学園長やタカミチに頼るなって……生徒を人質にとられてるんです」
ジジイやタカミチも事情がわかっているから直接的な手出しはできないだろう。
それを踏まえた上での発言だ。
手出しできないのに縋られても困るだろう。
まー、だからと言って俺が口止めされてるわけじゃないし。
「エヴァの弱点はニンニクだ。それに、自分が力を持ってるからたいていの相手は下に見る場合が多い……油断することが多いってことだな。これにつけこんで一発勝負すりゃァ何とかなるかもな―――ああ、これは独り言だから気にするなよ」
それを聞いてネギは目を丸くした後、おずおずと頷いた。
「……そ、そうですよね。僕も気にしません。独り言なんて聞きませんもんね」
ネギは苦笑いをしていた。
そう答える時点で聞いているわけだが、こっちも聞かせるつもりで言ってるんだ、問題ない。
ミサカはアドバイスを行う俺を不気味に思ったのか、腕で体を抱えて後ずさる。
「なんというためになる独り言。いつの間にアクセラレータは良い人になったのですか、とミサカは鳥肌を立てて後退します」
「これくらいなら良いだろ、別に」
確かに、この行動はアクセラレータらしくはない。

やはり俺はガキに弱いのだろうか。

前の『俺』も子供に泣かれた時は慌てて顔芸で誤魔化したもんだったな……。
……顔が怖かったらしく、また泣かせてしまったが。
なんだかそれ以来、子供は苦手だ。
アクセラレータ自身、打ち止めには弱いからそっちの影響というのもあるだろうが、死ぬ前の俺であると証明できる薄れた記憶でも、その記憶は残っているのである。
もしかしたらアクセラレータのそれと混同しているかもしれないが……まァ、俺が子供の事を苦手なのに変わりはない。

ミサカ?

これは子供じゃないだろう、見た目的に。
そう思いながらミサカを見ていると、ミサカは不思議そうにこっちを見返してきた。
「何ですか、とミサカは変な視線を感じますと年相応に主張します」
「いや、なんつゥか、見た目ってのは年齢を上書きすると思ってな」
やはりミサカが1歳にも満たない存在ってのは考えられない。
鳴滝双子を見ても明らかだが、やはり肉体ってのは精神に大きく関係してくるんだろうか。
真面目に考察しても答えは出ないわけだが。
俺の言葉を聞いたミサカは『ほほう?』と目を輝かせ、
「ということはミサカは見た目以上にオトナだと、そういうことなのですか、とミサカはちょっぴり期待を込めてアクセラレータを見つめます」
「普通に女子中学生じゃねェのか」
「……せめて肯定か否定の言葉が欲しかったです、とミサカは微妙な返答に眉根を寄せます」
実年齢以上にオトナだということは認めるがな。
年齢の事はネギたちの前では言う事はできないし、その話題はそこで終わりと言う事にして、俺はネギの方に顔を向ける。
「とにかく、今回の事はある程度の処分が下ることは覚悟しておいた方が良い。茶々丸が無傷だったンならまだなかったことにもできたが、流石に修理する必要がある以上なかったことにはできねェ。相応の罰があるはずだ」
「……はい」
項垂れるネギ。
俺はそれを見つつ、それを考えるジジイたちにこの事を伝えておくべきだと考えていた。
おそらくジジイならもうこの事は把握していると思うので、その点の事は考えているはず。
まさか無罪放免はないだろうな、と思いつつ、俺は立ち上がる。
もう話す必要はないだろうし、向こうが話したいと思ったらまたここに来るだろう。
超たちをこれ以上待たせたら悪いしな。
「茶々丸、行くぞ」
「はい。それではネギ先生、失礼します」
「ミサカも行きます、とミサカは自己主張します」
茶々丸とミサカが立ちあがると、ネギが慌てて呼びとめてくる。
「待ってください!」
俺は振り向かずに、茶々丸とミサカだけが振り向く。
「あの……今日の事は本当にすみませんでした。僕のせいで怪我までさせてしまって……」
「私は生身の人間ではありませんので、この程度の損傷なら謝られるほどではないのですが」
肩の一部が砕ける損傷のどこが『この程度』なんだか。
茶々丸はいまだに自分の体は取り換え可能だからと言って、自分を大切にしないんだよな。
ミサカも茶々丸の頭をベシッと叩いている。
「ここは素直に謝られるべきです、とミサカは当然の見解を述べます」
「……わかりました」
茶々丸は頷いて、ネギの方に向き直る。
「私が損傷した以上、マスターにもこの事は伝えますが、次の満月までには行動を控えるようにします。マスターはネギ先生を真正面から力でねじ伏せることを望んでいます。マスターの攻撃は苛烈なものになると思われますが、その辺りは頑張ってください」
無責任な応援である。
茶々丸も、自分の体を壊されて腹が立っていると言う事か。
それとも、そういう事を言う自体結構親切なのではないかと考える。
茶々丸の嫌味という可能性も捨てきれないが。
「まァ、もォ少しエヴァについて調べていけば色々とわかりそうな気はするがな」
敢えて、俺は聞こえるようにネギに言った。
エヴァに狙われるネギに少し同情しているのもある。
今さっき説教した俺が言うのもなんだが、子供だからしょうがない、という意見も俺の中には存在しているのだ。
子供である以上失敗はするし、その失敗が決定的にならなかっただけでも今回は良しとしようと思う。

甘い、とか思われるかもしれない。

だが実際に見てみると、こんな子供が、と思ってしまうのだ。
まあ、だからこそ間違った事を正すために叱ってくれる相手がいれば、子供は間違った方向に進んではいかないと考えているのだが。
タカミチは……どうなんだろうな。
アイツは叱って伸ばすよりも褒めて伸ばしそうなタイプだよなぁ。
思考を暢気なそれに移行させ、俺は自宅を出る直前に振り向いてネギに声をかける。
「出ていく時は鍵とか閉めなくていいぞ。いつも鍵かけてねェしな」
そう言って、そのまま茶々丸とミサカと一緒に麻帆大工学部のハカセの部屋へと向かった。





SIDE ネギ・スプリングフィールド

僕はアクセラレータさんの家を出て、桜通りを歩いていた。
隣にはアスナさん、肩にはカモ君がいる。
アスナさんはアクセラレータさんの剣幕が忘れられないのか、どこか元気がない。

僕もそうだ。

怖い人に怒られたら、やっぱり元気をなくしてしまう。
アクセラレータさんは僕が出会った人の中では異質な人だ。
怖いし、無茶苦茶だし。
でも、そのぶっきらぼうな口調の中には多少の優しさがあって、僕は不思議な気持ちになっていた。
怖いんだけど、ただ怖いんじゃない。
どうも表現できない、不思議な感じだ。
僕がそう思っていると、これまでアクセラレータさんの家を出てから一言もしゃべらなかったカモ君が話しかけてきた。
「まさかここを管理してる人間にバレちまうとは……すまねえ兄貴、責められるのは俺っちのはずなのに」
「カモ君だけじゃないよ。やっぱり実行に移したのは僕だし……僕にも責任はあるよ。茶々丸さんを傷つけてしまったし」
あの時は僕も混乱していたのかもしれない。
それを言い訳にするつもりはないけど、エヴァンジェリンさんの件で精神的に追いつめられていたこともあると思う。
ただ安直に魔法の力に頼ったらダメなんだ。
やっぱり他にも色々と考える必要があるんだ。
そうやってキチンと決めないと……。
そう思っていると、アスナさんが僕の肩を叩いてくれる。
「アクセラレータの言う事はもっともだと思うけど、落ち込んだり、悩みすぎるのもどうかと思うわよ」
見上げると、アスナさんは困ったように笑っていた。
「茶々丸さんを傷つけた事は悪いことだし、私たちは……こんな事言っちゃなんだけどバカだったんだと思う。でも、だからって全部アンタが悪いのかって言ったらそうじゃないわよ。アクセラレータもアンタが全部悪いなんて言ってなかったじゃない」
「アスナさん……」
その優しい言葉に、僕の涙腺が緩む。
責任に押しつぶされそうになっていた所にそうやって声をかけてもらうと、とても嬉しくなった。
反省しなきゃならないけど、これくらいは許してほしい。
アスナさんはさらに続ける。
「それに、しかけてきたのはエヴァちゃんが先なんでしょ? エヴァちゃんに何もお咎めがないのも何か変よ」
「……そう言われたらそうっスね」
カモ君は一人で呟いた。
「エヴァンジェリンはどうしてああやって好き勝手できるんだ? 俺っちとしてもその辺りは気になるな」
「うーん……エヴァンジェリンさんはバレないようにしていたんじゃないのかな。見つからなければ怒られることもない、よね?」
卑怯な考えだけど、桜通りの吸血鬼として『吸血鬼』が噂になっているのに、エヴァンジェリンさんが疑われないというのはおかしいと思う。

そんな事を言えばおかしい所なんて、考えてみればたくさんある。

うまくやれば見つかることもないのかもしれないけど、僕は夜空で魔法を何度も放っている。
夜空で光っているからかなり目立つと思うんだ。
それに、アクセラレータさんが魔法関係の人だったし、もしかしたら麻帆良には僕以外にもたくさんの魔法関係の人がいるんじゃないかと考えた。
アクセラレータさんは夜の見回りをやっていると聞くし、たぶん他の魔法先生もやってるんじゃないだろうか。
となると、他の魔法先生も僕とエヴァンジェリンさんの戦いを見ていてもおかしくないはず。
僕がそう考えていると、カモ君が首を捻りながら言った。
「エヴァンジェリンの力が凄過ぎて抑えきれないんじゃないっスか? ここのトップは学園長って奴だろ? 真祖の吸血鬼を抑えつけられるほどの力を持ってるならかなり有名になってるはずっスよ」
「学園長先生って強いの?」
「いえ、僕もそれは知らないです。となると、エヴァンジェリンさんは力ずくで言う事を聞かせていることになるのかな? それだったら一気に大勢で僕に襲いかかってきても良さそうだけど……」
「あるいは全員吸血鬼化してるとか、ありえそうっスよ」
「ありえなくはないけど……い、嫌な想像させないでよ」
学園長先生とか先生たちが全部がグルなんて考えたくない……。
と、そう思ったところでまた閃いた。


全部がグル?


僕はそこで、以前に図書館島に落ちた時の事を思い出した。
その後、僕たちはアスナさんと一緒にテストの結果を受け取りにいったんだけど、その時に『あのゴーレムは学園長じゃないか』という疑問をもった。
ゴーレムにもかなり追いつめられたけど、もしかしたらエヴァンジェリンさんの件も学園長が絡んでいるんじゃないか、と思ってしまう。
疑心暗鬼っていう言葉が日本にはあるらしいけど、これがそういう状況なんだろうか。
学園長に聞くのが一番早いんだけど、エヴァンジェリンさんから頼ったらいけないとか言われてるし……。
そういう機会があれば良いんだけど。
「兄貴、どうしたんですかい?」
「ううん、ちょっと疑問に思う事があって。―――聞いてくれる?」
そこで一人で完結しないで、僕はカモ君に聞いた。
独りよがりになるのを避けるためには、他の人に意見を聞くことも重要なんだと思う。
決めつけると、また茶々丸さんの時のような二の舞になりかねない。
カモ君は反省してるみたいだし、アスナさんにも声をかける。
「アスナさんも、相談に乗ってくれますか?」
アスナさんは驚いた顔をして、その後で僕の頭を撫でた。
「あたりまえじゃない。ここまで来て見て見ないふりなんてできないわよ。エヴァちゃんの件が終わるまではしっかり付き合うわ」
子供扱いされているようでちょっと恥ずかしかったけど、そのアスナさんの言葉はとても頼りになる言葉だった。

「……考える事は苦手だけどね」

その言葉さえなければカッコ良いのに、と僕は思った。






SIDE 一方通行

「問題なく直せると言えば直せますが、今晩中とか言われると微妙ですね……頑張ってみますけど」
「念のためスペアとか作っていて助かったヨ。一から作るとなるとそれこそ一晩じゃ終わらないからネ」
ハカセの研究室では、既に二人がスタンバっていた。
まるでペン回しのようにドライバーを回しているハカセと超に向けて、俺は謝る。
「待たせて悪かった。茶々丸の事、頼むぜ」
「うむ。……しかし派手にやったものダ。鋭い爪に抉られたような傷ネ」
未来から来た超は過去の事を知っているんじゃなかったのだろうか。
まあ、原作の状況から見ると誰も目撃していないだろうし、エヴァとネギが戦った記録はなかったのかもしれないな。
ましてや茶々丸とネギが戦った記録なんて残っていないだろう。
だが、問題は超が『俺が変えていった未来』から来たのか『原作に沿った未来』から来たのかわからない以上、そこらへんの追及はしない方が無難だ。

ボロが出たら面倒だしな。

俺が黙っていると、茶々丸が傷の説明を始める。
「魔法の射手が掠りました。それでこうなったのですが……」
「魔法の射手でこうなるのカ?」
「私も突っ込んでいきましたし、相対的に威力が上がったものと思われます」
「突っ込んでいったの? あまり無茶をしないでねー、茶々丸」
そうやって現状を確認しながら、ハカセは茶々丸の服を脱がそうとして―――茶々丸がその手を掴んだ。
ハカセが怪訝そうに掴んだ手を見つめる。
「どうしたの、茶々丸?」
すると、茶々丸は何も応じずにこちらを見てきた。
何が何だと―――と、そこまで思考して、俺は当然の考えに至った。
もしも間違っていたらかなり恥ずかしいが、指摘される前に俺は背を向けることにする。
ただ背を向けて何か悟られるのは嫌なので、そのまま茶々丸がいる位置とは逆方向に向いている椅子に座った。
「……いえ、なんでもありません」
茶々丸の声が聞こえた後、カチャカチャと何やら部品を分解する音と、超とハカセの呟きが聞こえてくる。
それらを適当に聞き流していると、後ろからミサカがやってきて耳元に口を寄せてきた。
そのまま超小声でぼそぼそ聞いてくる。
「どうして後ろを向いてるんですか、とミサカは尋ねます」
「茶々丸も服を脱がなきゃなンねェだろ。男の俺が見たらまずいだろォが」
ミサカはそれを聞いた後、なんだかムッとしたような顔をしてブツブツと呟き続ける。
「……なんでしょうか、この敗北感、とミサカは先ほどのやりとりを思い出しながらため息をつきます。やはり女性として成長するためには茶々丸さんのようなスタイルになる必要があるのでしょうか、とミサカはゴニョゴニョ呟きを洩らします」
「言っとくが普通だからな? よっぽどの『紳士』じゃねェ限りガン見したりしねェだろォよ」
反射的に答えて、俺は気づく。
聞く限り、ミサカも成長を気にしていると言う事か。
女子中学生の悩みの中でもどうしようもない悩みだな……。

だが、同時に俺は少し嬉しくなる。

外見の年相応の悩みがでたということは、ミサカも精神的に成長している証だからだ。
出会った頃に比べれば考えられないくらいの人間性を垣間見た気がして、俺は嬉しかったのだ。
ニヤけそうになる顔を必死に抑えていると、俺の耳に超とハカセの会話が聞こえてきた。
どうやら断面を調べているようで、二人ともそれらの壊しっぷりに感心しているようだった。
「しかし見事に抉られてるね。チェーンソーで無理矢理削ってもこんな感じにはならないよ」
「ふーむ、茶々丸に魔法の射手を使う相手は想像がつかないのだが……誰かわかるカ、茶々丸?」
「ネギ先生です」


茶々丸が言った途端、感じられる超の雰囲気が変わった。


真剣な雰囲気が漂っていたが、それがピリッとした緊張感に溢れた微妙に違う空間に姿を変える。
「……何故、ネギ坊主は茶々丸を攻撃した? 説明してくれるんだろうナ、アクセラレータ」
俺の背からビリビリ伝わってくる超の怒気。
それはそうだ、自分の娘を傷つけられたような気分なんだろうからな。
傷も残さず直せるとは言え、それだけの破壊をもたらす攻撃を放ったネギの行動に怒りを覚えているのだろう。
しかし、超は桜通りの吸血鬼事件の事は知らないのだろうか。
エヴァがうんぬんのことは、表向きに一般人となっている超はその情報を知ることができなかったのだろうか。
俺はまず、それを確かめることにする。
「桜通りの吸血鬼については知ってるか?」
「エヴァンジェリンのことだろう? ネギ坊主の血を使って登校地獄の呪いを解除するということは聞いたネ。……いや待て、ということは……」
「テメェは聡明だから言わなくてもいいだろうが、エヴァの脅しにビビったネギが、エヴァの戦力を削り取ろうとして茶々丸を攻撃した、ってことだ。魔法の射手で攻撃されたのはそれが理由だが……まァ、信じられないのはわかる」
「確かにエヴァンジェリンに勝つために茶々丸を倒すというのは理にかなった戦略ではあるが……らしくないヨ。誰かが助言をしたとしか考えられないネ」
「助言者はアルベール・カモミールだ。だが、動くなよ。テメェは表向きでは一般人なンだ、そこらへんに介入すれば周りに色々とバレることになるぞ」
「わかってるヨ。茶々丸の生みの親である以上、少しムカついただけネ。……少し、ネ」
それだけの怒気を放っておきながら少しなわけないだろ。
超のことだ、茶々丸を傷つけられただけでこれまでの計画を台無しにすることはないはずだ。
感情的にならずにそれを制御することはできるだろうと思う。


俺とは違って。


「それに関しての処分は下させる。ジジイには報告するからな」
「……ああ。その辺りの事は頼んだヨ」
超はそう言って、茶々丸の修理を再開する。
ハカセは先ほどよりも事務的な口調になりながら、茶々丸にこの事件の事を聞いていた。
たまに詳しい説明を俺に求めてくるあたり、ハカセも怒っているのだろう。
俺はそのまましばらく質問に応じていると、盛大に腹の音が鳴った。
「悪い、俺だ」
「こ、この雰囲気で腹を鳴らすなんて……相変わらず規格外な男だヨ、アナタは」
「……超さん、アクセラレータさんにはもう帰ってもらいましょうか。昼寝から起きたのは夕方も暮れてからですし、今のお腹の音から察するにお腹も減ってるでしょうし」
「確かにこの場で質問することもほとんどないし、帰ってもらうカ」
そう言って、超はこっちにやってくる。
椅子をキイキイ揺らしてそれを待っていると、どうやら超はミサカの方に向かったようだった。
そのまま、短く柔らかな音。
布と布が触れ合う音と共に、超は言った。
「茶々丸を助けてくれてありがとう。感謝するネ、ミサカさん。今度とっておきのプレゼントを用意するヨ」
「あ、いえ……どういたしまして」
ミサカはいつになく焦っているようだ。
それもそうだろう。
面と向かってこうやってお礼を言われた経験なんて、今までないだろうしな。
照れているミサカが慌てている様を見るのは楽しそうだが、今はそれよりも腹が減った。
椅子から立ち上がり、出口に向かう。
「アクセラレータも、ありがとう。今度夕飯を奢るネ」
「別に俺が何かしたわけじゃねェンだが……まァ、貰えるモンは貰っとくぞ」
そう言い残して俺は部屋を出ていくと、超とハカセ、茶々丸に別れを告げたミサカが早足にやってくる。
ちょうどこの階に辿りついていたエレベーターに乗り込み、1階に行く途中にミサカに声をかけた。
「礼を言われて嬉しかったか?」
ミサカは短く頷いた。
「超さんにお礼を言われると、茶々丸さんを助けたんだという実感がようやく沸いてきました、とミサカは報告します」
「そォか」
隣にいるミサカを見降ろすと、礼を言われた事がむず痒いのか、なんだかそわそわしている。
明らかに浮かれているのでからかおうかと思ったが、上げかけた手を下ろす。
礼を言われるのが初めてなんだから、少し浮かれていてもちょうどいいかと思ったのだ。
俺はそんなミサカを微笑ましく思いながら、声をかける。
「良かったな」
ミサカは俺の台詞に驚いたようにこちらを見上げてくる。
やがてその意味を理解したのか、ミサカは短く答えた。


「……はい」


嬉しいのか、ミサカの声は弾んでいた。






SIDE ???

……よォやく戻ってこられたか。
自己が安定しねェ。
バランスが中途半端に崩れても結局は安定しねェのか。
誰かが突出するよォな行動は寿命を縮めるだけってことか……。
元は他人だから違和感があンのァ当然なンだが、それにしても今回の違和感は異常だ。

『あの時』はまるで体から剥離させられたような感覚だった。

以前、俺も強引に表に出た事があったが……その時のアイツの感覚ってのはこンなモンなのか?
空き巣が出没してるってのに、鍵もかけずに家を出ているような無謀な不安が残る。
精神のバランスが崩れるのはそれぞれの感情が昂ぶるからっつゥことはなんとなくわかってるンだが、それで寿命が縮まっていくのは不安でならねェな。
一応、安定しつつはあるよォだが、この先こんなことが何度も起きれば均衡なンざ保っておけねェぞ。
歪みは確実に拡大しつつある。
このまま何の対処もしねェンなら、それは自殺行為に等しい。
これが向こう側の攻撃なのか、それとも積載重量過多に肉体が悲鳴を上げているのかは定かじゃねェが、このままじゃ俺たちはまとめて仲良くあの世行きかもしれねェ。
そんなバッドエンドは御免だ。
せっかく居場所ができたンだ、それを手放すなンざ死んでもできねェ。
自己を確立させろとは言ったが、ここまで主張が激しすぎるとまた問題だということは、やはり無難に過ごすってのが一番か?
そうなると以前の意見と無限ループだ。
消極策だが、あまり感情を高ぶらせずに緩やかに生きていくのが長寿である第一歩か。

だが、と俺はため息をつく。

アイツの思考から『原作知識』ってモンが読み取れるが、それを基にして未来が決定しているとすると、穏やかに生きていくのは無理だ。
居場所を守るためには結局戦わなきゃならねェ。
しかもこの状況を警告しようと思ってもアイツに届きやしねェ。
もしかしたらこの均衡が崩れても、俺はアイツに会えねェかもしれねェな。
そうなったら……


死に物狂いで俺が全部を取り戻すしかねェ、か。






~あとがき~

アクセラレータ説教タイム。
ですが以前ほど過激じゃありません。
いつもは一方通行が出てきましたが、今回は出てきませんでした。
今回は相手が子供でしたし、彼はどこかしょうがないと思っていたため、言い聞かせるような形になりました。


ようやく更新できたなぁ、と実感。
以前のペースに比べればウサギとカメですね……。
言い訳をさせていただきますと、部活の方がすごい上に何度も書き直しをしていました。
執筆作業が2時から3時の間くらいにしかできない状況です。
だいたい4時間か3時間くらいしか寝てませんねwww
今週もそんな感じなので、また投稿は遅くなる予定です。
今週の土日に更新できなければ、更新日は来週の水曜日になる可能性が高いです。
水曜だけは時間がとれるので。
更新が遅くなりますが、これからもよろしくお願いします。


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