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No.21322の一覧
[0] とある転生者の麻帆良訪問(ネギま!×とある魔術の禁書目録 オリ主憑依)[カラーゼ](2010/10/31 15:16)
[1] 第1話[カラーゼ](2010/09/04 00:26)
[2] 第2話[カラーゼ](2010/09/04 00:28)
[3] 第3話[カラーゼ](2010/08/21 12:48)
[4] 第4話[カラーゼ](2010/09/04 00:29)
[5] 第5話[カラーゼ](2010/09/04 00:32)
[6] 第6話[カラーゼ](2010/09/04 00:33)
[7] 第7話[カラーゼ](2010/09/04 00:35)
[8] 第8話[カラーゼ](2010/09/04 00:38)
[9] 第9話[カラーゼ](2010/08/24 20:46)
[10] 第10話[カラーゼ](2010/09/04 00:41)
[11] 第11話[カラーゼ](2010/08/25 23:45)
[12] 第12話[カラーゼ](2010/09/04 00:42)
[13] 第13話[カラーゼ](2010/08/28 20:02)
[14] 第14話[カラーゼ](2010/08/28 18:04)
[15] 第15話[カラーゼ](2010/08/29 12:30)
[16] 第16話[カラーゼ](2010/09/04 00:43)
[17] 第17話[カラーゼ](2010/08/30 18:21)
[18] 第18話[カラーゼ](2010/08/31 22:41)
[19] 第19話[カラーゼ](2010/09/04 00:24)
[20] 第20話[カラーゼ](2010/09/03 22:22)
[21] 第21話[カラーゼ](2010/09/04 17:48)
[22] 第22話[カラーゼ](2010/09/05 23:22)
[23] 第23話[カラーゼ](2010/09/05 20:24)
[24] 第24話[カラーゼ](2010/09/06 20:43)
[25] 第25話[カラーゼ](2010/09/08 00:52)
[26] 第26話[カラーゼ](2010/09/11 21:59)
[27] 第27話[カラーゼ](2010/09/13 12:53)
[28] 第28話[カラーゼ](2010/09/15 14:10)
[29] 第29話[カラーゼ](2010/09/16 03:25)
[30] 第30話[カラーゼ](2010/09/19 00:34)
[31] 第31話[カラーゼ](2010/09/24 21:39)
[32] 第32話[カラーゼ](2010/09/30 00:28)
[33] 設定集[カラーゼ](2010/09/29 00:48)
[34] 第33話[カラーゼ](2010/09/28 00:13)
[35] 第34話[カラーゼ](2010/09/30 17:36)
[36] 第35話[カラーゼ](2010/10/04 23:06)
[37] 第36話[カラーゼ](2010/10/14 12:10)
[38] 第37話[カラーゼ](2010/10/14 23:18)
[39] 第38話[カラーゼ](2010/10/31 15:29)
[40] 第39話[カラーゼ](2010/11/07 15:05)
[41] 第40話[カラーゼ](2010/11/08 01:44)
[42] 第41話[カラーゼ](2010/11/10 01:14)
[43] 第42話[カラーゼ](2010/11/12 01:21)
[44] 第43話[カラーゼ](2010/11/21 20:08)
[45] 第44話[カラーゼ](2010/11/21 20:12)
[46] 第45話[カラーゼ](2010/12/06 16:45)
[47] 第46話[カラーゼ](2010/12/06 16:48)
[48] 第47話[カラーゼ](2010/12/05 13:38)
[49] 第48話[カラーゼ](2010/12/19 02:01)
[50] 第49話[カラーゼ](2011/01/17 16:43)
[51] 第50話[カラーゼ](2011/03/29 01:58)
[52] 第51話[カラーゼ](2011/05/29 01:44)
[53] 第52話[カラーゼ](2011/08/18 15:44)
[54] 第53話[カラーゼ](2011/09/03 18:05)
[55] 第54話[カラーゼ](2011/11/04 21:57)
[56] 第55話[カラーゼ](2012/08/27 00:24)
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[21322] 第31話
Name: カラーゼ◆68f6dca0 ID:da7c297e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/24 21:39
SIDE 桜咲刹那

今日も天気の良い夕暮れ。
不思議な事に、麻帆良で雨が降ることは滅多にない。
というのも言いすぎかもしれないが、私の記憶によると梅雨でも晴れていたことが多かったように思える。
世界樹に被って見える夕日がきらきらと光って綺麗に見えて、アクセラレータさんの言う事ももっともだ、と思う。

今、私は久しぶりに部活に行ってきた帰りだ。

普段はお嬢様の護衛で部活にはいけないのだが、たまには部活に行け、との学園長の『お願い』だ。
私としても剣道は好きなので、久しぶりにする剣道は楽しかった。
シャワーをしてさっぱりしたので、とりあえず帰路についている。
その時に世界樹の近くを敢えて遠回りでも通るようになったのはいつからだろうか。
あんまり意識した事はなかったんだが。

世界樹の周りを歩いていると、時折散歩部の面々を見かける。

それぞれ笑って楽しんでいる所を見ると、ちょっと羨ましく思ってしまう。
私はそんな光景に羨望を抱いている事を自覚して、笑う。
お嬢様を守ると決意したあの日から、ああいうこととは無縁の生活を送ってきたからこそ私がある。
ああ言う風になっていたら、私は私じゃない。
きっとこの強さも手に入れられるはずがなかったのだ。


ガチャ、と竹刀と夕凪を担ぎなおす。


夕日に照らされながら歩いていると、世界樹広場にやってきた。
三月の中盤と言ってもまだまだ寒いので、あまりここに来たがるもの好きはいない。
……いや、まあ、いるにはいるが。
それを証明するように、目の前では意外な攻防戦が繰り広げられていた。


「ふふふ、ミサカさんはまだまだ甘いヨ! 防御はともかく攻撃はなってないネ!」
「茶々丸さんや古さんに続いて麻帆良は化物揃いですか、とミサカはこの世界の不条理さに突っ込みますッ!!」


超さんとミサカさんだった。
その傍には古さんもいる。
白いつけ髭……なんだか仙人みたいな変装をしている。
ふぉふぉ、と学園長みたいな感じで笑ったりしているが、あれはなんなのだろうか。

ツッコミ待ちなのだろうか?

「こんにちは」
そっちに近寄ると、三人が気づいてそれぞれこちらに振り向いた。
それぞれもこっちに挨拶を返してくるのを少しだけ嬉しく思いながら、私はミサカさんに聞いた。
「どうしたんですか、こんなところで武術の練習なんて」
「いやー、ミサカさんもそこそこの使い手だと聞いてネ。古が手合わせしたいと聞かなくなって……」
そのついでに超さんも腕が疼いたらしい。
怪我をさせては困るので本気の手合わせではないらしく、軽いさし合いみたいなものだ、と言っていた。
「古さんはいつも戦ってますね……で、ミサカさんの実力はどうだったんですか?」
「うむ。雑魚ではないけど、強者というほどでもなかったアル」
「……もうちょっとオブラートに包んでくれませんか、とミサカは要求します」
「むむ? おぶらーと?」
首をかしげる古さんを見て、ミサカさんは困ったように超さんを見ました。

どうも見る限りではミサカさんは古さんの事が苦手の様子。

もともとミサカさんは説明口調で話すから、難しい言葉が通じない人はコミュニケーションを取るのが難しいのかもしれない。
悪気がないことが分かっているから、尚更対応しにくいのかもしれない。
「古にはもうちょっと直接的に話すといいヨ。回りくどい説明は通じないネ」
「自然に話せないというのは疲れます、とミサカはがっくり項垂れました」
「日本語、勉強中アルから」
たははーと笑う古さんだが、なんとなくそういう問題じゃないんだろうと思う。
確かにミサカさんは説明口調だが、そうそう難しい事は口にしてないと思うんだが。
私は密かにそう思いながら、古さんの隣に立つ。
「じゃあ、私も見物させてもらいます」
「おろ? 刹那にしては珍しいアル。前にこう言うのを見るのは無駄だとかなんとか言ってなかったアルカ?」
「今回はただ見たいだけです。ミサカさんの強さがどれくらいのものなのか、ちょっと興味がありますし」

私の本音はそれだ。

実際、私はミサカさんが戦っている所を見た事がない。
アクセラレータさんからも実力は高畑先生をてこずらせるくらいのことを言っていた気がするし、体術についてはどの程度か見極めておくのも悪くないと思ったのだ。
もちろんミサカさんが敵対する事はないと思っているし、これは味方の戦力把握のようなものだ。
一般人であるが、拳法の達人である超さん相手にどこまでやれるか……見物だ。
「そんな見物できるようなものではないと思いますが、とミサカは呟きます」
「まあまあ、いいじゃないカ。私もまだまだ戦い足りないと思っていた所ネ」
そう言って、両者とも構えを取る。
どちらも流派が違うのか、まったく違う構えだ。
というのも、私は古さんのように武術には詳しくないのでそれくらいしかわからない。
若干、超さんの方が重心を後ろに置いている、というのがわかるくらいだった。
そのまま両者とも静止する。

ピリッ、とした緊張感が辺りに漂った。

その空気が私の肌を撫で、目つきを自然と鋭くさせる。
二人ともお遊びではなく、かなり本気のようだった。
「「……ッ」」
短く、両者が息を吸い込む。
最初に踏み出したのはミサカさんだった。
やはり身体能力はかなり高いのだろう、気などを使っていないとは思えない速度の踏み込みだ。
それに対し、受けに回るつもりなのか超さんは動かない。
ただ、ミサカさんの目をじっと見つめるのみ。
ミサカさんが踏み込んで拳を繰り出し―――それを超さんは手で払いのけた。
というよりは絡みつくような動きで軌道をそらした、というべきだろうか。
そして流れるような動きでミサカさんの顎に右拳を突き出して、それを咄嗟に左腕でミサカさんは防御する。
バシッ、と音が鳴り、その攻撃は防がれたと思ったが、


「甘いヨ」


良く見れば超さんが有利なのは変わりない。
ミサカさんが盾にした腕を体重をかけるようにして超さんの腕が無理矢理に下げさせる。
抵抗しようとしたミサカさんだが、何故か異様なほど簡単にその腕は下げられてしまった。
がら空きになる顎。
素早く超さんはミサカさんの腕を身体ごと押すようにして押して封じ込め、残る右拳を振りかぶる。
しかし、ミサカさんは驚異的なバネで後方に跳躍した。
押される力も利用してか、一気に後方に離脱する。
ボッ!!と超さんの拳が空間を突き抜けた。
軽やかな動きで跳躍から着地したミサカさんは、再び突撃を敢行する。
「それは効かないヨ―――なんて、ミサカさんがそんな単純な攻撃をするとは思わないネ」
先ほどとは比べ物にならない速度で踏み込んだミサカさんは、腹と顎、両方に向けて拳を突き出した。
自らの突進力も利用して、かなりの威力になるはず。
それを、超さんは受け流す。
それぞれの腕の間に手を滑りこませ、円の動きで滑らかに受け流す。
同時に踏み込み、ぴたりとミサカさんの顔面に肘を突きつけた。
数瞬沈黙し、ミサカさんと超さんはお互いに軽く笑った(ミサカさんはそんなような雰囲気を出しているだけだが)。
「―――とまあ、こんな感じです、とミサカは手をブラブラと振ります」
「ミサカさんは身体能力は高いんだけど、技が足りないヨ。だから茶々丸にもあしらわれるネ」
「確かに速いけど、速いだけだったらいくらでもやり過ごしようはある、ということアル」

やはり、武術の使い手は凄まじい。

ああいう円の動きで剣の腹を叩かれたら剣だって弾かれるだろう。
そうやって踏み込まれれば向こうの独壇場。
超接近戦においては剣よりも拳が有利か。
手数の多さを考えると、それも仕方がないか、と思うのだが。
「そういえば刹那さんはいつも剣術ばかりですが、武術はしないのですか、とミサカは素朴な疑問を口にします」
「一応、私の流派は無手での戦闘も視野にいれてはいますが、基本は剣ですね。やっぱり慣れたものの方が落ちつきます」
誰しも慣れない得物で戦うほどやりにくいことはない。
私も、やはり基本的には夕凪が一番戦いやすい武器であるに違いないのだ。
私の視線につられてか、それぞれ三人が私の夕凪を注視した。
そして誰かがそれについて口を開こうとした時、


ぐぅ~~~~


「アイヤー、おなか減ったアル」
なんというか、色々と台無しにされた気分だった。
超さんとミサカさんもそれぞれ肩をすくめあっている。
「それじゃあ、とりあえず汗を流して……いやむしろガッツリお風呂に入るべきカ。古には悪いけどまだ準備が整っていないんダ」
腕時計を確認しながら言う超さん。
「準備とはなんですか?」
「夕食会ヨ。アクセラレータの家でパーっとハシャいで賑やかにするネ」
「え? アクセラレータさんの?」

超さんとアクセラレータさん。

何やら二人ともニヤリと笑って悪だくみをしていそうな光景が目に浮かんだ。
……被害妄想かもしれないが、そういう想像しか浮かばないのだ。
いや、それよりもどうしてこの二人に接点があったのか、だ。
私はアクセラレータさんの家には通っていたが、それにしても超さんがいきなりアクセラレータさんの家でパーティを開くなんていうことは、少なくともこれまでではありえなかった。
そういえば、かなり前にお嬢様を護衛している時にアクセラレータさんと超さんが一緒にいた所を目撃した覚えがある。
いつだったか……去年の麻帆良祭か?
そうだ、確かアクセラレータさんの背中に超さんが纏わりついていて、なんか物凄く親しげだったのを覚えている。
なんかちょっと、それが羨ましく思っている自分がいて、慌ててその妄想を振り払った。
いきなり頭を振った私をおかしいと思ったのだろう、ミサカさんは首を捻った。
「どうしたのですか、とミサカは刹那さんの不可解な行動に首をかしげます」
「いえ、なんでもありません……アクセラレータさんのことをちょっと思い出しただけですから」
間違いではないが、おそらくミサカさんは私に対しての被害の事を思ったのだろう、あんまり深入りせず、
「ちょっとは自重するように頼んでみましょうか、とミサカは呟きます」
「ミサカさんなら可能性はありますけど……彼の場合、もう十分に自重してる感はありますからね」
実際、あんな力を持ちながら、それを犯罪などに好き勝手にしない時点ですでに自重している気がする。

確かベクトル操作能力だったか。

自分は学がないのでよくわからないが、頭の良い高音さんも驚いていたんだ、それはすごい能力なのだろう。
なんだかよくわからないけど凄い力、という風に考えていても間違いじゃないだろうし。
「それじゃあ、この際だから刹那さんも一緒にどうカ? 部活帰りだからシャワーも浴びていないんじゃないカ?」
「いえ、シャワーは浴びましたが……」
と、ここで超さんにジロリと睨まれる。
それは敵意あるものではなく、なんだか白けたそれだ。
空気が突然変わった気がしてミサカさんの方を向くと、何故かミサカさんも白けた顔。
まさかと思い古さんの方を見ても、やっぱり白けた顔。
だが若干にやけていることからただ真似をしているだけのようだった。
「ノリ悪いネ、刹那さん」
「ここは嘘でも入りたいというべきですよ、とミサカは超さんと共にため息を吐きだします」
なんでだろうか、別に私が入らなければならない理由は『この場に一緒にいた』くらいしかないのに、なんでこうも妙にムカつく仕草をされなければならないのだろうか。
だんだんとムカついてきたが、それで怒ってもこの二人の事だ、アクセラレータさんのように受け流すに違いない。
ならば、
「それなら、私もご一緒します。……確かに、シャワーでは物足りないとは思っていたところでしたし」

言い訳っぽくなってしまったが、本心ではある。

私は例え部活でシャワーを浴びても大浴場に行って疲れを癒すタイプの人間だ。
大きな風呂とは、なかなか落ちつけるものだからである。
ただ、今が入る時間ではないというだけだ。
私がそう言うと、ミサカさんはひそひそと何事か超さんに話しかけた。
「今のはツンデレでしょうか、とミサカはライトノベル的な知識から刹那さんの属性を予想します」
「いやいや、あれはまだ弱いヨ。確かにそう取れるかもしれないが、意味も違うネ」
「ツンデレって何アルカ? 強いアルカ?」
「(ううっ、ダメだ、この面子は私一人ではさばききれない……ッ!!)」
完全に浮いている……というかこの三人に対して私は明らかに空気が違う。
アクセラレータさんならうまく落とし所をつけてくれるんだが、この二人は永遠にやるタイプだ。
やってる本人たちは楽しいから良いだろうが、付き合うこっちは疲れてしまう。
古さんは……まあ、本人が苦労していないのなら良いだろう。
深く考えていてはこっちが疲れてしまうから。
私は今度はツンデレ談議を始めたミサカさん達を見た後、いつの間にか夕日は半分以上沈んでいっていることに気づいた。
初春の風は、今日も寒い。






私たちが住んでいる寮には、巨大な大浴場がある。
旅館、というのは大げさかもしれないが、銭湯よりも遥かに大きく、金をかけているのがわかる。
初めて見たら、まるで温水プールみたいという印象を抱くかもしれない。
人によっては走り回ったり飛びまわったりと自由自在ができる場所である。
もっとも、そんな危険な事をやるのは2-Aの面々くらいだが。
本当はミサカさんはこの寮の住人じゃないので入ってはいけないのだが、2-Aではあるのだし、入る権利はあるだろうと超さんは言っていた。
実際、アクセラレータさんの隣に住んでいなければここに住んでいたのだろうし。

私たちはそれぞれ身体を洗ってから風呂に入ることにする。

これはこういう大浴場に入るルールみたいなものだが、ミサカさんは割と世間知らずなのか、そういうことを知らなかった。
浴槽に近づいたミサカさんを慌てて引き戻す羽目になったのだ。
なんだか目がキラキラしてて様子がおかしいと思ったら、どうやらこういう風呂の存在自体を初めて知ったようだった。
「……ミサカは大変感動しています、とミサカはあるのなら教えろよアクセラレータと愚痴を呟きながらガッツポーズをとります」
何故か怒りの矛先はアクセラレータさんの方に向かっているようだったが。

左から古さん、超さん、ミサカさん、私の順に並んで身体を洗う。

私はシャワーではなく桶を使う人間なので、桶にお湯を汲んで頭からザバーっと被って泡を流していると、横から肩を叩かれた。
顔を手で拭いてそちらを向くと、ミサカさんが目の前にある押しボタンを指さしていた。
「これを押せば下からお湯が出てくるんですよね、とミサカは確認を取ります」
「ええ、そうですけど……まさかそれも知らなかったんですか?」
「はい、来た事がなかったので―――おおっ、とミサカは溢れてくるお湯に戦々恐々とします」
そっちはシャワー派なのか、シャワーを身体にかけながら超さんが笑った。
「あははは、ミサカさんは面白い人ネ。小学校の時に合宿とか行かなかったのカ?」

「―――いえ、その時は捻るタイプのものでした、とミサカは答えます」

一瞬の間をおいて、ミサカさんはそう言った。
私の勘違いかもしれないが、その一瞬、少しだけミサカさんの表情が硬くなったような……小学校のころに何か嫌な思い出でもあるのだろうか。
すぐ後、いつものミサカさんの表情に戻ったので、私はそれを気のせいにすることにした。
あまり詮索するのもよくないことだからだ。
ミサカさんは私の真似をすることにしたのか、桶にお湯を汲んで身体にかけていく。
一足早く身体を洗い終わったのか、古さんがミサカさんの後ろに立った。
ふむふむ、と顎に手を当てながら―――正直言うとあんまり似合っていないが―――ミサカさんの首から肩、背中と流し見ていった。
「ふぅむ、しかしミサカの体はなかなか引き締まってるアルなぁ。見ただけでわかるアル」
「そうでしょうか、とミサカはボタンを押してざばーっとお湯を出します」
「そうアルヨ。今日手合わせをしてみたが、ウチの部活の連中よりもよっぽど強かったアル。また戦いたいアル」
「そうですね、とミサカは生返事を返しながらボタンを連打します」
ミサカさんはよっぽどその押しボタンの感触が気に行ったのか、バシバシと連打している。
しかし、シャワーの時もボタンのはずだったが……確かに下のボタンの方が大きいが。
ていうか聞き流している事を伝えてしまって古さんが機嫌を悪くしたらどうするのだ、と思っていたが、どうやら古さんはそんなことで機嫌を損ねる小さな人間ではないらしい。
むしろまた戦えるということに喜んでいるらしく、風呂場なのに飛び跳ねていた。
この滑る風呂場で飛び跳ねても転ばないボディーバランスには驚嘆させられる。

「……あ、とミサカは素朴な疑問を思いつきます」

ボタンの連打をやめて、ミサカさんは超さんに振り向きました。
「ミサカの家のユニットバスは捻ることでお湯や水を出すのですが、どうしてここは押しボタンなのでしょうか、とミサカは超さんに質問します」
そのミサカさんの疑問に、超さんはちょっと悩みながら答えた。
「私はよく知らないが、出しっぱなし防止のためじゃないだろうカ? 押しボタンなら出しすぎる事はあっても出しっぱなしにすることはないだろう」

言われればそうだ。

悪戯で蛇口を全部全開にして放り出す人だっているかもしれないしな。
……そういうしょーもないことを2-Aはやりそうで怖い。
私も普段は使っていない頭をちょっとだけ回転させてその議論に加わる。
「それに、もしユニットバスが押しボタン式になったらとすれば、出しっぱなしにしないと湯船にお湯がたまらないからじゃないでしょうか? いちいちボタンを押して溜めていくのはかなりの労力になると思います」
「おお、そういえばそうネ。よく考えればそんな面倒な事やってられないヨ」
あっはっは、と笑いながら、超さんはせかす古さんと共にプールのような浴槽へ向かって行く。
ミサカさんの方を見ると、ダバダバと溢れているお湯を気にせずにもうひと被りし、立ち上がった。
その時に視線がボタンに向いていることから、やっぱりその押し心地はなんだか気に行ったようだった。

そして、私とミサカさんも浴槽の方に向かう。

運動部の人たちは先にシャワールームで汗を流し、そして夕飯を食べてからここに来ることが多いので、今の時間帯はさほど混んではいない。
というより、ほぼ貸し切りだ。
たまにこういう時間帯を狙って貸し切り状態を狙う人もいる。
それに、シャワー室に行くのが面倒だから、と直接こっちに来る人もいるのだ。


「―――きゃああああああっ!?」

「おおおおおおおっ!?」


どぱーんッ!!という水が飛び散る轟音。
声を聞くに、おそらく古さんともう一人、誰か。
少なくとも超さんじゃない。
聞いたことがあるが、誰だっただろう。
「……覗きでしょうか、とミサカは予想します」
「ここを覗けるくらい根性がある人は高等部の方に行くと思いますけど」
案外温い雰囲気を受ける麻帆良だが、一応そういう盗撮などに関してのセキュリティは万全だ。
特に私がいる中等部の堅牢な警備は凄まじく、容易く怪しい人間を中に入れたりはしない。

それはお嬢様がいるからだ。

魔法の結界もあるらしく、もしもここを物理的に破壊しようとしたのならそれを展開し、一瞬にしてこの寮は魔法要塞と化すらしい。
中等部の校舎に次いで防御機能が高い、と聞いた。
生半可な人間ではここに侵入することも難しいだろう。
それらの指示は学園長からだろうが……そこまで万全にしてもらっているからこそ私も寮の中ではちょっとは気を抜いていられる。
それに、個人的に覗きがないのは安心できるものだしな。
さて、私とミサカさんが声のした方にいくと、やはり覗きのようなものではなかった。
「いったた……何してんのよくーふぇ!? いきなり特攻なんて何考えてんのよ!!」
「アイヤー、一人水上ジェットスキーを楽しんでみたかったのだが、ちょっと滑りすぎてしまったアルヨ。ごめんアル」
頭を抑えて不満をぶちまける神楽坂さんと、愛想笑いをしながらぺこぺこ頭を下げる古さん。
苦笑いしている超さんを見ると、その視線の意味を察して説明してくれた。
「古が調子に乗ってネ。たまにやるのだが、ダッシュしたまま水の上に飛び乗って水上スキーの真似ごとをしたヨ。いつもなら止まれるのだが、今日はバランスを崩してちょうど進路上にいたアスナさんに当たってしまったわけダ」
「つまり、テンション上がってバカしたら神楽坂さんがとばっちりをくらった、ということですね、とミサカは確認します」
「ま、そういうことネ」
ぎゃーぎゃー騒いでいるのをまるで他人事のように言いながら、二人は浴槽に浸かった。
かく言う私も関わるつもりはない。
自業自得だからだ。

そして浴槽に入り、一気に肩までつかる。

そこで、ふぅ、と息が漏れてしまうのは仕方がないだろう。
この液体に包まれてふわふわしている感覚は、どうしようもなく癒される。
この一瞬だけ、何もかもを忘れられる気がするのだ。
現実逃避かもしれないが、一日で一回くらいこういう瞬間があっても良い、と私は思う。
ミサカさんと超さんも私と同意見なのか、それぞれ息を漏らしていた。
「ふー……何故こうしていると癒されるのか、私はこのリラックス効果を解析してみるのも良いと考えているヨ」
「解析してどうするのですか、とミサカは首をかしげます」
「甘いヨミサカさん。解析して何をどうするかは問題じゃない。まず解析してみようと思う事に意味があるのだヨ」
「科学者としては経過も大事ですが、まず第一に結果では、とミサカは更に首をかしげます」
「解析した結果としては……まあ、癒される『音』の開発だろうカ。廃れた現代社会でこれはウケるネ!」
「なんだかそれは既出な気がします、とミサカは暗に更に新しいものを出しなさいと要求します」
それにしてもいつの間にこんなに仲良くなったのだろうか、この二人。
そういえば今日は教室に帰ってきたら超さんとミサカさんがやけに注目されていたが、何かあったのだろうか。
その事を聞くのも野暮かと思い、その疑問は取っ払うことにして前を向くと、古さんと神楽坂さんがやってきた。
「チャオ、アスナも誘っていいアルカ?」
「ん?」
超さんが古さんの方を見ると、古さんは愛想笑いして頼み込んできていた。
どうも、迷惑をかけた代わりに神楽坂さんを夕食に誘おうとしているらしい。
超さんは顎に手を置いて、一瞬考える。
「んー、古が異常に食べると思ったから量的に問題はないはずだが、アスナさんの方は良いのか?」
「行く行く! 超が作るってことは超包子の料理が出てくるってことでしょ? 食べられるんなら食べたいし!」

超包子。

四葉さんと超さんが料理人をしている料理店のことだ。
味は恐ろしいほどに美味しく、そこらのファーストフード店とは比較することもできないくらいだ。
私も初めて食べた時はそう思ったものだ。
最初は噂ほど凄まじいとは思っていなかったが。
「ふむ。ならば良いが……場所はアクセラレータの家ヨ? 本当にいいのカ?」
「え!?」
と、そこで神楽坂さんは固まった。
ずらっ、と彼女は私を含めて全員を見渡す。
「こ、ここにいる全員でアクセラレータの家に押し掛けるわけ!? っていうか男の人の家に上がりこむなんて……」
「アクセラレータはセクハラなんてしないヨ。仮にも広域指導員、そんなことをしたらクビになってしまうネ」

……まあ、彼はそういうセクハラはしないと思う。

ていうか、神楽坂さんに言われて、いつのまにかアクセラレータさんの家に通う事が日課になっていた私が異様に恥ずかしくなってきた。
そういえば、男の人の家に通っているんだ、ということを自覚して、思わず顔が赤くなる。
常識的に考えて、二、三歳違いの異性の家に二人きりになるなんて―――意識したらもう止まらない。
思わず頭を抱えてしまった。
「どうしたんですか、とミサカは刹那さんの髪を引っ張ります」
「ちょっと一人にしてください……」
私からにじみ出るドロドロとした雰囲気を察したのか、ミサカさんはそれ以上聞かなかった。
こう言う所を察するのはうまいなあ、と思う。
「うー……アクセラレータかぁ。あの人苦手なんだけど……」
「ほほう、どうしてカナ?」
「広域指導員だし、ほら、結構怖いって噂じゃない。それに、昔にちょっとつっかかっちゃったことがあるのよ。もう一年くらい前になるかな……校舎に入ってきたときに変質者扱いしちゃって」
「「「ぶふっ!?」」」

それに同時に吹いたのは、私と超さんと、そしてミサカさんだった。

「ぷっ、あははははははっ!! なるほど、変質者カ!! そりゃああんな目つきの悪い容姿の人間が校舎に入ろうとしてれば怪しがるのも無理はないネ!! アクセラレータにそんな過去があったとは……これは使えるッ!!」
「確かにアクセラレータの容姿は怪しいで―――ぶふっ!とミサカは笑いをこらえる限界を超えます」
「へ、変質者……ぷっ、くくく……」
不覚にも笑いをこらえられなかった。
なんというか、とてもわかりやすい構図だ。
一年くらい前、というのなら、おそらくアクセラレータさんがやって来て間もないころの話だろう。
アルビノという目立つ容姿と目つきの悪さからしても、アクセラレータさんをまともじゃない人間と第一印象で決めつけてしまう人間も多いはず。

実際、『ホワイトデビル』と言われて恐れられているわけだし。

あの頃は有名じゃなかったから、怪しんでしまうのもしょうがないだろうな。
し、しかし変質者と勘違いするとは……ダメだ、笑いが抑えきれない。
「ちょ、ちょっと、そんなに笑わなくてもいいじゃない」
「ああ、悪かったネ。いやあ、あまりにも情景が思い浮かびすぎるからつい笑ってしまったヨ」
ここで超さんはバチャバチャと顔を洗って、一息ついてから話を変える。
「そういえば来るのはアスナさんだけカ? それ以上となるとちとつらいガ」
「あ、それは大丈夫。このかは図書館探検部でミーティングがあるから遅くなるって言ってたし、ネギは高畑先生に誘われてるんだってさっきメールで届いたの。ちょうど夕飯作るの面倒だと思ってた所なのよ」
そこでボソッと『……羨ましいけど』と呟いたのを、私の鋭敏な聴覚は見逃さなかった。
神楽坂さんは一息、ため息をつくと、『ま、いいか』と小さく言った。
「変質者の事は今日謝ればいいし、それで許してくれる……かな?」
「アクセラレータはちゃんと相手に反省している意思があればきちんと許してくれますよ、とミサカは言います」
よっぽどじゃない限り怒りませんし、とミサカさんはつけ足した。
私も一年間アクセラレータさんに付き合っていたが、何故かミサカさんは更にアクセラレータさんを知っているような気がしてならない。
なんだか夕飯も一緒に食べているようだし、もしかしたら一緒に、ね、寝たこともあるのかもしれない。
変な意味じゃなくて、純粋に。
なんだかこの人だとありそうで困る。
だが、私にそう言う事を聞ける勇気があるのなら、もうお嬢様と親しくなっていることだろう。
結局、何も聞けずに私は湯船からあがった。






道中、神楽坂さんは私たちからアクセラレータさんのことについてよく質問してきていた。
どうやら彼女の思っていたアクセラレータ像と私たちの言っている事がかなり違っているため、かなり戸惑っていたようだった。
神楽坂さんのアクセラレータ像は、ほぼ一般人のそれだろう。
噂を聞きかじっただけで本人と会っていない一般人のアクセラレータ像の見本のような意見だった。
アクセラレータは不良を見つければ暴力を以て鎮圧を行う。
その鋭い目つきは鷹すら殺す。
その威圧感だけで人を気絶させられる。
ポケットに手を突っこんだままパンチをする。
壁を走る。
アスファルトを素手で殴って、陥没させる。
などといった、もう普通の人が聞いたら笑い飛ばせるような話ばかりだった。
そして私は思う。

もうちょっと自重してくれ、と。

アクセラレータさんが凄まじく強いのも無茶苦茶なのも知っているが、そういうことが噂になる前にちょっと自重して欲しい。
高畑先生辺りは噂も広がらなくてうまいものだと思う。
実際、どんな攻撃をしているのか知らないし。
高畑先生の場合、ただ普通に殴ったり蹴ったりするだけで鎮圧はできるんだろう。
アクセラレータさんもそうすれば良いのに。
「なんでああも派手にやるんでしょうか、アクセラレータさんは」
「ああすれば多少は抑制になるとか言ってました、とミサカは報告します」
ということは、噂を広めたのもわざとだろうか。
確かにそうした上で鎮圧していけば効果はあると思うが……まあ、好奇心旺盛な古さん辺りを呼び込む羽目になるかもしれないのだが。
古さんは私のその予想通り、やはりアクセラレータと再び戦いたいとか言っている。
「あー、見た見た! あの鬼ごっこの最初よね?」
「あの時見事に振りまわされたわけだが、あの握力は凄まじかった。腕力も相当なものと見たアル」
実際は反射やベクトル操作能力の恩恵らしいのだが、ここには一般人ばかりなので発言を控えることにする。
実際、武術じゃなくて超能力だと知ったら古さんはどんな顔をするだろうか。
落胆する様は思い浮かばないが、やはり理不尽だとは思うだろう。

しょうがない、あれはそう言う類の能力なのだから。

さて、雑談をしているとアクセラレータさんの住んでいるアパートにやってきた。
何やらここにアクセラレータさんが住んでいる事がそこそこ有名になってきたせいか、そういうのを嫌がる人たちが引っ越していき、このアパートには現在、アクセラレータさんとミサカさんしか住んでいないらしい。
アクセラレータさんが言うには最初から変わり者の集まりだったらしく、そういう環境の変化に耐えられないんだと言っていた。
本当かどうかは定かではない。
まあ、このアパートは見た目はボロだが中身はそこそこ整っているので、そう悪い所ではない。
悪いとすれば駅が遠い事と学校からも遠いところだろうか。
アクセラレータさんの場合はそれでも良いだろうが、ミサカさんは苦労している事だろう。
そう思ってそれを尋ねたのだが、
「むしろ近いと早く起きすぎてしまって暇な時間が多くて困ります、とミサカは返答します」
いや、遅くに起きれば良い話なのだが……どうもミサカさんは早くに起きるタイプらしい。
更に話を聞くと、ミサカさんは寝起きが非常に悪く、早めに起きておかないと何もできなくなるらしい。
「というのもミサカには自覚がないのですが、アクセラレータが壊れたノートパソコンを見せてきてから認識を変える必要にかられました、とミサカは若干しょんぼりします」
それでなんとなく予想がついたが……まさか寝ぼけて放電でもしたのだろうか。
元々が六億ボルトもの電気を操る人だ、パソコンくらいなら一気に壊れるだろう。

基本、電化製品に対しては天敵な人だ。

その問題はこれからもずっとついて回るんだと思うと、便利な半面不便でもあると思う。
古臭く、安っぽい階段を上がり、通路の一番奥にある部屋にやってくる。
代表してミサカさんがインターホンを押した。
どこの家も同じなんだなあ、と実感させる音が鳴り、やがてそのドアを開けて出てきたのはアクセラレータさんだった。
一瞬私たちを見回して、げんなりとした表情になる。
「……予定よりも多くねェか? ハカセから聞いてた人数と違うンだが」
「まぁまぁ、細かい事は気にしないネ!」
「ここは俺ン家だ」
「おじゃまします、とミサカはアクセラレータの横をすり抜けます」
「相変わらずテメェのスルー能力は涙が出そうなほど素晴らしィな」
言っておきながら自分は奥に引っ込む辺り、拒絶はしていないのだろう。
私も一言断って中に入ると、相変わらず清掃されている部屋が見える。
それと同時に包丁で何かを切るような音が聞こえてきた。

「あ、こんにちはー」

台所で包丁を使っていたのはハカセさんだった。
その慣れた様子にちょっと意外に思った。
彼女は機械をいじっているしかないくらいの印象だったが、超包子の一員なのだ、包丁くらい使えて当然だろう。
いや、むしろ私よりも料理の腕は上かもしれない。
ミサカさんと言い、超さんと言い、なんでこうも料理が上手な人たちが多いんだろう。
私もできるにはできるが、ミサカさん達ほどじゃない。

そう思うと、何故かちょっと悔しかった。

リビングの方に向かうと、新しく買ったらしい一人掛けのソファーに座っているアクセラレータさんが見えた。
いつもはテレビでバラエティを流しているのだが、今日はニュースを見ていたらしい。
アクセラレータさんはすぐにリモコンを操作して明るい感じのバラエティに変える辺り、細かい気遣いが見て取れる。
それは私たちを歓迎してくれているように見えて、私はほんの少しだけ笑った。
アクセラレータさんはどこぞの悪の組織の長みたいな感じで頬杖をつき、長いソファーに座る私たちを眺めた。
「超、刹那、ミサカ、古菲まではわかるが、なンで神楽坂がいるンだ? ついにネギを育児放棄したか?」
「わっ、私はネギの親じゃないわよ! ―――っていうか、なんでネギと一緒に住んでるってこと知ってんの?」
思わず神楽坂さんが突っ込む。
「そりゃあテメェ、早朝に言ってたじゃねェかよ。ネギ・スプリングフィールドとかいうガキと一緒に住むことになってダルいとかなんとか」
「早朝?」
それに反応したのは私だけではない。
台所に向かおうとした超さん、そしてミサカさんもぴくりとアクセラレータさんの方に顔を向ける。
「……まさか気づいてねェなンてこたァ言わねェよな。もう何か月も一緒に走ってンだぞ。声の感じだって覚えてンだろうが」
「いやっ、え、ええっ!? 一方さんとアクセラレータって、同じ人だったの!?」
「あのなァ、俺の本名は一方通行ってンだぞ? 頭捻ればわかりそうなもンだろォがよ」
「そんなことわかんないわよー!!」
混乱しまくっている神楽坂さんだが、今はそれよりも気になることがある。
というより、もうお決まりの一言。


またか、この人。


「もう驚かないつもりでしたけどね。流石にもうないと思ってましたけどね? でもやっぱりあなたは2-Aの人間に対して異常なほど縁があるみたいですね!? 狙ってやってると思われてもしょうがないですよ!?」
「うるせェな。俺の人間関係が2-A寄りになってても別にいいだろ。偶然そうなっちまってンだからしょうがねェだろォが」
「刹那さん、その偶然が必然になるのが『カミジョー属性』です、とミサカは説明します。つまりはもうどう足掻いてもそういうのを止めるのは不可能です、とミサカは既に諦めの境地に達していることを表明します」
「……フフフ。やはりアクセラレータさんは私の予想の上を行く。最早策略としか思えないネ」
「ちゃっ、チャオが笑ってるアル!? なんかすごい黒いものが見えるんだが気のせいアルカ!?」
「い、一気にカオスな感じに……」
結局、その後はアクセラレータさんが早朝に走っている時に偶然神楽坂さんの新聞配達の時間帯とかみ合うらしい、という説明を聞かされて、この場は多少沈静化することになった。
もう少しマシな嘘を、と思ったが、本当に偶然らしく、しかも会ってしばらくはお互いに正体を明かしていなかったらしい。
その時のアクセラレータさんの姿はフードにバイザーと、明らかに不審人物だったらしいのだが……何故神楽坂さんは声をかけたのか、非常に気になる。
「どうして神楽坂さんはアクセラレータさんに声をかけたんですか?」
「うーん……なんとなく、かなぁ。結構前の事だからあんまり覚えてないんだけど」
首を捻りながらそう応じる神楽坂さん。
ため息をついて、アクセラレータさんが助け船を出す。
「テメェが『おはようございまーす』とか声をかけてきたから、俺も挨拶し返しただけだ。次の日からなんか慣れ慣れしく話しかけてくるようになってきたンだよ」
物凄いわかりやすい説明だが、なら神楽坂さんはどうして声をかけたのか、という当初の疑問に戻ってしまう。
それを神楽坂さんが覚えていないんだから、結局はわからない、と言う事になる。
それに、この人の事だ、下心あって近づいたわけじゃないだろうしな。
でなければ、こんなにたくさんの人が慕っているわけがないだろうに。
そう思いながら、私は安心したような、呆れたような溜息をついた。






その後、超さんはハカセさんと一緒に料理を作るために、そしてミサカさんはその技術を学ぶ(と言っては言いすぎかもしれないが、本人が言っていたので)ためにそれに同行した。
私と古さん、神楽坂さん、アクセラレータさんがこの場にいるわけだが、なんとも微妙なメンツだ、というのが私の感想だ。
古さんは神楽坂さんと親しいが、私とは少し話したくらいで、アクセラレータさんとは鬼ごっこの時に戦っただけ。
神楽坂さんはアクセラレータさんと面識があり、古さんとも親しいが私と話した事はない。
アクセラレータさんは私と神楽坂さんとは話した事があるが、古さんと話した事はほとんどない。

ややこしい。

だが、その辺りをあまり気にしない性格の古さんやアクセラレータさんがそこそこ話を盛り上げてくれたので、それぞれ黙るようなことはなかった。
黙ってしまったらなんとなく気まずいし。
こういうのが広まりすぎた交友関係の弊害と言ったものだろう。
そういう辺り、誰とでも仲良くなれそうな古さんや誰にでも同じように話しかけられるアクセラレータさんはあまり苦じゃないのだろうが。
神楽坂さんは私と同じ気持らしい、なんだかそわそわしている。
「…………あ、あのー」
「あン?」
古さんと話していた……というよりは一方的に話しかけられていたアクセラレータさんが、神楽坂さんに敏感に反応してそっちを向く。
ずっと武術系の話だったから、流石にうんざりしたのだろうか。
神楽坂さんは悩むように一度天井を仰いでから、アクセラレータさんの方を見た。


「……あの時は不審者扱いして、すみませんでした」


そう言って、頭を下げた。
そこでようやく私は思い出せた。
神楽坂さんがアクセラレータさんと面識があると言う衝撃ですっかり忘れていたが、そういえばそんなことを言っていた事を思い出す。
今さっきそわそわしていたのもそのせいだろう。
学校で見ている限り、そういうのはズバッと謝りそうな感じの人だっただけに、少し意外ではあった。
対してアクセラレータさんは、言われて一瞬眉をひそめたが、思いだしたかのように一つ頷いた。
「一年以上前の話じゃねェか。よく覚えてたな」
「わ、私だって忘れちゃいけないことと忘れていいことの区別はつくわよ」
「ほほう? 学校の勉強は忘れていいことの範疇なンだな?」
「ぐあ……な、なんでその事を!?」
「2-Aのことについてはミサカから聞いてるぜ。バカレッドさんよ」
「う、ううう……」
バカレンジャーになったらああやってからかわれるんだろうなあ……と思うと、私は意地でも勉強する気になってしまう。
今でも十分からかわれていると言うのに、更にからかわれる要素が増えたら非常に困る。
いつも抓られている頬をさすりながら、一つため息をついた。

やがて、ハカセさんが台所から料理を持ってくる。

待ってましたーとばかりに拍手する面々。
アクセラレータさんも小さく拍手していた辺り、やはり超さんの料理は彼にとっても御馳走のようだった。
台所から、自前のエプロンを外しながら超さんが歩いてくる。
「家庭の台所だからちょっと時間がかかったケド、皆が満足できるような出来にはなったはずネ」
その後ろではミサカさんが妙に燃えていた。
……超さんの料理を見て何かが刺激されたのだろうか。
料理に対しての情熱は私にはわからないので、スルーしておく。
やがて皆で並べられた料理を食べ始めたのだが、やはり美味しい。
神楽坂さんのように美味しいを体で表現する人もいれば、古さんのように食べる勢いで表現する人もいる。
私も含め、皆さんから称賛を浴びて超さんとハカセさんは照れ臭そうだったが、アクセラレータさんだけ黙々と咀嚼していて何も言わない。
食べていることから美味しくないわけじゃないのだろうが、何も言わないというのはどうなのだろうか。
ちょっと心配そうに超さんはアクセラレータさんの方を見る。
好みに合わなかったのかと不安なのが、その目から伝わってきた。
私だけではなくミサカさんも気づいたらしい。
「アクセラレータ、とミサカは呼びかけます」
なンだ、とでも答えようとしたのだろうか、アクセラレータさんが口を開きかけたままミサカさんの方に振り向くが、ミサカさんが超さんの方を指さしているのを見て超さんの様子に気づく。

「美味ェよ。今度、また食わしてくれ。材料費は払う」

短く区切って言うのは、多分照れ臭いからなんだろうな、と思う。
超さんとアクセラレータさんの仲がどういうものなのか、私はよく知らない。
あの麻帆良祭のときの光景を見る限りでは超さんが一方的にじゃれているように見えたが、アクセラレータさんのことだ、おそらく軽口を言いあうような仲なのだろうと思う。
なんとなく、超さんがからかわれている光景は想像しづらいから。
そんな仲だから、改めて褒めるというのは照れ臭いのだと思う。
アクセラレータさんの性格からすると、きっとそうだ。
彼の言葉に安心したのか、超さんも照れ臭そうに笑った。
「材料費は良いヨ。ただ、今までツケていたお金を払ってくれればそれで良いネ」
「……そんなことをしていたのですか、とミサカは軽蔑の眼差しを送ります」
「あの時は金がなかったンだよ。……っつかいくらだ? 俺もよく覚えてねェンだよな」
「約11万円ネ。サッサと払ってくれればありがたいのだが」
「ブッ!? じゅ、11万!? アクセラレータさん、あなたどれだけ超さんに迷惑かけてるんですか!?」
すると、流石にその額は予想外だったのかアクセラレータさんが珍しく狼狽する。
「あ、いや、俺も流石にそこまでいってるとは……タカミチと飲みに行った時にもツケてたからか? ガンドルフィーニと飲みに行った時も凄まじかったからな……」


理由が完全にダメ亭主のそれである。


ていうか、どれだけ飲みにいってるんだ、この人。
「言っておきますが、ミサカは貸したりしませんよ、とミサカは絶対防衛線を張ります」
「テメェの奨学金からもらおうなンざ思ってねェよ。……しかしそろそろヤバいな。ジジイからもらった金もそうそう長続きしねェか」
後半の独り言はばっちり聞こえていた。
彼の場合、何故かものすごく食費がかかるとのことで、部屋がさっぱりしていても家計が厳しいのはそのためらしい。
……いや、もしかしてこの部屋だけさっぱりしていて、趣味に物凄くお金をかけているとか……。
そう思うと、私の視線は自然と襖の方に向かう。


私も見たことがない、アクセラレータさんの自室。


この部屋からさっぱり片付いた淡白な部屋、という印象だったのだが……もしかしてそれとは違う光景があるのか、と考えてしまう。
すると思い浮かぶのが、ぐちゃっと雑誌などに塗れている部屋。
や、やっぱりアクセラレータさんも男だから、ああいう系統の雑誌も持っているのだろうか。
そういう妄想が膨らんでしまい、私は気づかぬうちに顔が赤くなっていたらしい、ミサカさんが不思議そうに話しかけてくる。
「刹那さん、顔が赤いですがどうしたのですか、とミサカは首をかしげます」
その問いかけた不意打ちだったため、私はびくりと肩をすくませてしまう。
それが益々怪しいと思ったのか、ミサカさんは目を細めた。
「あ、いえ、特に気にする事ではないと思うんですけど……アクセラレータさんの部屋って、どんな感じなんだろうなと思いまして」

「ほほう?」

それにギラリと目を輝かせたのは超さんだった。
「なるほど、それはとても興味深いネ。ミサカさんは見たことはあるカ?」
「そういえばありません、とミサカは意外に思います」
おそらく毎日ミサカさんはアクセラレータさんの家に出入りしているのだろうが、それでも中に入った事はない、と。
なんだろう、抑えてきた好奇心が湧き上がってくるのを感じる。

ぶっちゃけると、見たい。

ものすごく見たい。
それは超さんも同じ意見らしく、私以上にそわそわしている。
アクセラレータさんはそれに……まあ、かなりあからさまだったし気づいたのだろう、盛大なため息をつく。
「男の部屋なンざつまンねェモンばっかだぞ?」
「価値観は人それぞれヨ。アクセラレータさんがつまらないものと言っても、私にとっては宝の山かもしれないネ」
アクセラレータさんが渋っていると言う事は、やっぱり見られたくないものがあるんだろうか。
それ以上を踏み込むことは失礼に当たるが、とっても見たい。
更に渋るかと思ったアクセラレータさんだが、


「そんなに見てェンならさっさと見てこい。そわそわされるとこっちも落ちつかねェ」


案外あっさりと許可を出した。
ならばと超さんが立ちあがってアクセラレータさんの自室に向かう。
それに続いて私、ミサカさん、そして何故か古さんや神楽坂さん、ハカセさんもついてきた。
「ぜ、全員ですか?」
何故かこくりと頷く面々。
純粋な興味らしく、なんだか古さん辺りは目をキラキラさせている。
小さく、『ここにアクセラレータの強さの秘密が……』とか言っているが、そんなものはないだろう。
超さんはまるでどこぞの探検隊の隊長にでもなったかのようなシリアスな様子でこちらに振り向く。
「……いいカ?」
全員がそれにつられて緊張した面持ちで頷く。
後ろでガツガツと超さんの料理を食べているアクセラレータさんの咀嚼音をBGMに、その襖がスッと開かれる。
その時、私たちが見たものは……。
あまり狭くはなさそう……おそらく六畳くらいの空間。
全部の服や下着などが入っているだろう、大きなタンスが隅に置かれている。
漫画やゲーム、ビデオにDVDなどが整理されて置かれている本棚。
入りきらないのか、その下に『新世紀エ○ァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』『ぼくらの』『勇者王ガオ○イガー』『ペル○ナ ~トリニティ・ソウル~』『鋼殻のレギオス』などといったDVDやビデオが積まれている。
私でも知っているようなメジャーなジャンプ作品もあったし、どうもアクセラレータはそれほどジャンルにはこだわらないらしい。
部屋の隅にはテレビがあり、その下にはPS2とゲームキューブ、そして64。
コントローラーはゲームキューブにのみ繋がっており、『スーパーマ○オサンシャイン』と書かれているパッケージが転がっている。
部屋の3分の1ほどを占領しているのはシングルのベッド。
安いと断言できないし、かと言って高いとも断言できないシンプルなベッドだった。
それ以外は特にない……というか、何もない。
雑誌が散らばっているとか男性向けのそれがあるわけでもなく、非常にきっちりとした真面目な空間だった。
がっくり、と超さんが膝を突く。

「……私の部屋よりも綺麗だ……」

それはへこむ、とミサカさんは超さんの肩を叩いていた。
いや私が散らかしてるんですすみません、とハカセさんが謝っていたが、こちらの方が綺麗な事に違いはないのだろう。
そして、ミサカさんはズカズカと部屋の中に入り、いきなりベッドの下に手を入れた。
私たちがそれを見守っていると、ミサカさんはピクリと反応して何かを取ったようだった。
静かに、かつ凶悪な表情でニヤリと笑ったミサカさんはそれを抜き取る。
まさかそういう類の本か、と思ってドキドキしながら駆け寄ったが、ミサカさんは肩を下ろし、それを私に見せてくる。

『グラッ○ラー刃牙』と書かれた、一昔前を感じさせる漫画だった。

ちょっと期待していただけに、それは明らかに『寝る前に読んでそこらへんに放り出してたらベッドの下に落ちていた』という展開を予想させるもので、がっくりと項垂れるミサカさんの期待外れな気持ちがちょっとだけわかった気がした。
探る所なんてそんなものだし、一同は静かにその襖を閉じる。
後ろで黙々と食べていたアクセラレータさんが戻ってくる私たちを見て、静かに言った。
「別に、何もなかっただろ?」
それに私たちは頷くしかなかった。
なんというか、乱暴な言動をしている割には約束を守ったり、仕事はやる時はちゃんとやったりと彼の真面目な内面が現れているような感じがした。






それぞれ夕飯を終え、料理はできないが片付けくらいはできると皆で片付けを手伝い(その時アクセラレータさんはお皿を台所に運ぶ役だった。引き受けたのはまた食べたかったからかもしれない)、私たちは帰路につく。
と言っても、ミサカさんはまだアクセラレータさんの部屋に残るようだった。
アクセラレータさんの家を出て、神楽坂さんはため息をついた。
どうしたのかと聞くと、

「一方さんと同一人物なのはわかってるんだけど、やっぱり同じようには話せないのよ。私にとってアクセラレータは怖い広域指導員だし、一方さんはジョギング仲間っていう認識が抜けないのかも」

私はそれを聞いて、それも当然だと思った。
私がこうしてアクセラレータさんと話すようになったのも、彼と出会って何カ月も経ってからだ。
しかも神楽坂さんにとって、アクセラレータさんの立ち位置はひどくややこしいのだろう。
それについて悩んでいたせいで疲れた、と神楽坂さんは言っていた。
五人ですっかりと暮れてしまった空の下を歩きながら、私はふと思う。

こういった団体で行動する事はほとんどないと思っていた私だが、こう思えばかなり団体行動をしているように思える。

いつからこうなったのだろうか。
それが嫌というわけじゃない。
他人との触れ合いと言うものは良い。
だが、同時に怖くもある。
このごろ曖昧になってきているのだ。
こうやって触れ合い、親しみ合う中で、私の精神は緩んできているのではないか、と。
お嬢様を守ると言う心の柱が緩んできているんではないかと。
私も仕事の時とフリーな時との区別はついているつもりだが、どうしてもそうなっている感が否めないことも事実だ。

たるんでいる、と昔の私ならそう言っただろう。

だが、今はそう断言できない。
この皆で一緒に話すという暖かさを知ってしまったから。
一緒に話すというのがこれほど楽しいものだとは知らなかったのだ。
楽しいものに、人間は惹かれる。
そして惹かれすぎると堕落すると私は考えているが、惹かれすぎるのも無理はない、と思う。
楽しいというのがこれほど魅力的だったとは。
私はため息を抑えて、話している面々を見る。
超さんと古さん、そしてハカセさんは仲が良かったはずだが、神楽坂さんは古さんとしか接点がない。
こうして超さんやハカセさんと話すのも、アクセラレータさんという接点があってのことだ。
かく言う私もそうだ。
それぞれ二人きりで話す機会があったんだろうと思ったところで、今の自分にそれを強制的に当てはめてしまった。
このごろ、私はアクセラレータさんの家には訪れているが、その時には必ずミサカさんがいる。


二人きり、というのはこの頃ほとんどない。


仕事の時も二人きりにはなるが、戦場では殺伐とした雰囲気になり、とてもそういうことを話すような場所ではない。
というか、ああいう安心した感じは、アクセラレータさんの家にあるのだ。
外ではやはり緊張してしまうからだろう。
あそこが私にとって気を抜ける場所だった。
だが、今は違う。
ミサカさんが来た事で、私の『居場所』はなくなってしまった。

私だけの、空間。

落ち込んだ私をからかいながら励ましてくれたアクセラレータさんがいる、あの空間。
それはもう存在しない。
ミサカさんがあそこにいることで。
そのことを恨んでいるつもりはない。
むしろ、少し羨ましいと思う。
これが嫉妬と言う感情ならば、私はそうだと断言しよう。

私は竹刀と夕凪を背負いなおしながら、建物などの光でライトアップされたように見える世界樹を見た。

あそこで彼と一緒に見た夕日。
あれはとても綺麗だった。
今でも鮮明に思い出せる、彼の表情。
一回りも体格は良くなったが、それらの顔つきよりも、なんだか性格がその時よりも変わっているように思える。
アクセラレータさんも成長しているのだろうか。
それに比べ、私はなんと甘ったれた考えをしているのか。
いつまでもアクセラレータさんに頼れはしない。
甘えることだって、いつまでできるのか。
こういう風に、皆でわいわい騒ぐ時間があれば十分なのだ。
そう、それでいいのだ。


……それだけで。






~あとがき~

ものすごく長い一日でした。
展開としては前回が学校編、今回が放課後編でしょうか。
多分過去最長だと思います。ダレずに読んでくださった方、ありがとうございます。

次に投稿するのは、ちょっと課題とか打ち上げとかあるので、一週間後くらいになるかと思います。
しかもその時には学校が始まってるっていう……ああ、行きたくない。
なるべく早く投稿できるように頑張ります。


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