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赤松健SS投稿掲示板


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No.21017の一覧
[0] 【完結】千雨からロマンス(ネギま×親指からロマンス)【修学旅行編追加】[I・B](2015/08/02 23:00)
[1] プロローグ[I・B](2010/08/19 09:17)
[2] 第一話[I・B](2010/08/21 10:13)
[3] 第二話[I・B](2010/08/21 10:18)
[4] 第三話[I・B](2010/08/25 11:42)
[5] 閑話[I・B](2010/08/24 10:39)
[6] 第四話 前編[I・B](2010/08/25 11:43)
[7] 第四話 後編[I・B](2010/08/26 18:33)
[8] 第五話[I・B](2010/08/28 12:48)
[9] 第六話[I・B](2010/08/30 08:28)
[10] 第七話[I・B](2010/08/31 15:25)
[11] 第八話[I・B](2010/09/06 10:54)
[12] 第九話[I・B](2010/09/09 11:39)
[13] 第十話[I・B](2010/09/11 10:35)
[14] 最終話[I・B](2010/09/13 13:10)
[15] エピローグ[I・B](2010/09/14 10:54)
[16] 番外編[I・B](2012/03/03 10:47)
[17] 修学旅行編1[I・B](2015/08/02 23:01)
[18] 修学旅行編2[I・B](2015/08/04 01:14)
[19] 修学旅行編3[I・B](2015/08/08 09:30)
[20] 修学旅行編≪終≫[I・B](2015/08/08 09:40)
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[21017] 第五話
Name: I・B◆5d02e568 ID:617c8265 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/08/28 12:48

耳に響く音。
それが携帯電話の目覚まし機能だと気がつくのに、少しの時間を必要とした。

アップテンポな音楽。
これは、私のお気に入りの曲だ。

着うたで、この“マッサージロマンス”を見つけることが出来たのは、私としても嬉しかった。

これは、私が唯一歌えるポップスなのだ。

腕を伸ばして、目覚ましを切る。
その頃には、すっかり目が覚めていた。

「今日も良い天気……良いマッサージ日和だ」

天気が良いと、気分が良くなる。
気分が良くなることは、リラックスに繋がる。
そして、リラックスした身体はマッサージしやすくなるのだ。



現在、春休み中。
いつもとなんら変わりのない、私の一日の始まりだ。
















千雨からロマンス 第五話 ~千雨の一日/休日のマッサージロマンス~
















朝食は一日の力の源である。

柔らかめに炊いたご飯と、鯖の味醂干し。
わかめと油揚げの味噌汁に、高野豆腐と柴漬け。
温かい緑茶を添えれば、朝食の完成だ。

手を合わせて、まずは食材達に感謝する。
いずれ、魚のツボを探してみるのも面白いかも知れない。

箸を使ってご飯を口に運びながら、今日の予定を考える。
午後からはマッサージ研究会に出る必要があるので、午前中は暇になる。

まぁ、“ツボーズウォッチング”でもするか。

味噌汁の最後の一滴を流し込み、口の中に残る赤味噌の風味を緑茶で洗い流す。
喉を鳴らして飲み干すと、唇を一舐めして、手を合わせた。

「さて、まずは着替えて……」

春休み期間中だから、私服でも良いのだろう。
しかし、今一センスが解らないため、外出時には制服を着ることにしている。

マッサージ界のプリンスが好むブランド、“イクノ・オサタ”の文字Tシャツはかなり良いと思うんだが……一度着たら、綾瀬に涙目で止められたのだ。

良いと思うんだがなぁ。
ちなみに私のお気に入りは、同情を引くことがコンセプトのペアルック“浮気がばれて”と“女房に捨てられた”のセットだ。中々面白いと思う。

ちにみに綾瀬に止められたのは、“俺に触ると火傷するぜ”の文字Tシャツだ。
……いったい、何が悪かったんだろう?





閑話休題(それはともかく)





麻帆良学園の赤いベストに袖を通し、制服に着替える。
寮の自室から外に出て、まずは一息。

「さて……まずはツボーズウォッチングかな」

マイ双眼鏡の“ジョニー”片手に、学園内を歩く。
適当に高台に昇って、運動部の方をウォッチングするのだ。

「お、いい鳩尾(きゅうび)だ。あっちの神封(しんふう)も中々……」

マッサージ研究会のプレートを持って行けば、マッサージをやらせてくれたりする。
奇人変人ばかりだと思ってはいたが、おおらかだという点は感謝したい。
麻帆良学園の生徒で良かった、と思う瞬間だ。

「うん?あれは工学部の……葉加瀬か。肩こりだな」

偶然クラスメートの葉加瀬を視界に納めて、私はジョニーを鞄にしまう。
葉加瀬は普段から無理を溜めているからな……ここらで、発散させてやらねぇと。

そう思って、私は小走りで葉加瀬の方へ向かった。













――†――













私は、科学者だ。
未来から来たという超さんから“魔法”の事を教わり、協力して茶々丸を造り上げた。

魔法は私たちにも理解することが出来る、科学的な事象だ。
だから私は魔法と科学の融合を、実践して見せた。

この世に、“不思議”なんていう風にカテゴライズされる現象はない。
超能力だって、脳の機能の一端だ。
解明しようとすれば、可能だろう。

未知のパワーだった“魔力”ですら、既に私の“常識”にカテゴライズされているのだから。

そんな私でも、理解できないことがある。
……あって、しまった。

それが、同じクラスの、長谷川千雨という少女だ。

少しテンションが高いだけのクラスメート。
少し変わった趣味のクラスメート。

そのくらいだったら、大勢いるし、私もその一人だという自覚もある。

けれど彼女は、不可思議だった。

マッサージで疲労をとる。
これはいい。実に、理に適っている。

ツボに語りかける。
まぁ、マッサージが好きすぎて脳内麻薬的なものでアレなんだろう。
理解できないことは、ない。

ツボと言葉交し、宿主の職業を当てる。
超能力……ではない、謎のパワーだった。

ツボから情報を聞き出し、宿主の位置を探る。
ツボを掴んで投げて、水切りをする。
ツボを、ツボを、ツボを……。

「科学の冒涜です……うぅ」
「おーい、葉加瀬ッ!」
「ひぃっ」

思わず、変な声が出た。
私に向かって手を振り駆け寄ってくるのは、千雨さんだ。
運動データを集めるためにこんなところまで来てしまったのが、運の尽きだったのかも知れない。

「マッサージ、させてくれないか?」

断りたい。
けれど、断ったら、科学の敗北を享受してしまうような気がするのだ。
だから、私は断ることが、できない。

「……えぇ、どうぞ」

だから私は、背もたれのないベンチに座って、背を向けた。
自分で受けることにより、マッサージの謎を解き明かす。
百聞は一見にしかず……もう何度も見ているけれど、それでも諦めたくはなかった。

「もう少し、力抜けるか?」
「そう、言われましても……」

簡単に力を抜くことなど、出来ることではない。
身を強ばらせておかないと、理解できるものも理解できなくなるからだ。
そんな私に、千雨さんは小さく息を吐いた。諦めたのだろうか?

「仕方ない、か……【リラックスしてくれ】」
「っっっ!?」

耳元で囁かれた、甘い声。
データだけはとっておいたが、受けたことはなかった“フェロモンボイス”だ。
ローレライと名付けられたその技は、たった一撃で私の腰を砕いた。

そもそも、フェロモンボイスとはどういったものなのだろう。
老若男女だけではなく、動物にも効果があり、さらに何故か茶々丸にまで効いた。
音を遮断すれば聞かないことは判明したが、マイクを使って音量を上げれば単純威力が倍になるというのも、よくわからない。

うぅ、屈しない。
絶対、屈っするものか……。

私が声を聞いて倒れ込む頃には、千雨さんがどこからか取り出したシーツをベンチに敷いていた。用意が良い。

「肩こりには肩井(けんせい)!曲垣(きょくえん)!」

えーと、確か肩胛骨周辺にあるツボだったような……。
……あ、ダメ、眠い。

「左右両方にあるため全部で四カ所ッ!爪を立てるように、ツボの奥まで押すべしッ!!」

非科学的……非常識……でも……。



――――気持ち、いい、なぁ。













――†――













この春休み期間中、僕は明日菜さんと木乃香さんに、麻帆良の案内をして貰うことになっていた。

けれど、二人に用事が出来てしまったため、通りかかった風香さんと史伽さんに案内して貰えることになった。

そういえば、鳴滝さん達とはあまり話しをしたことがない。
折角の、この機会に仲良くできると良いなぁ。

二人は、散歩部の活動でここを歩いていたらしい。
散歩部といえば……やはり散歩をするクラブなのだろう。
のんびりとした良い部活だと思う。

そう、僕は思ったことを口にした。
けれど帰ってきた答えは、僕の予想を超えるものだった。

「違うよ先生!散歩競技は世界大会もある、知る人ぞ知る超ハードスポーツなんだよ!」
「えぇっ!」
「プロの散歩選手は世界一を目指し、しのぎを削って散歩技術を競い合い……」

熱の篭もった様子で語る風香さん。
その顔は、真剣そのものだ。

「“デスハイク”と呼ばれるサハラ横断耐久散歩では、毎年死傷者が――」
「――ス、スミマセン、散歩がそんな恐ろしいことになってたなんて知りませんでした」

まさか散歩がそんなことになっていたなんて……。
先生として、あとでしかっかり調べておこう。
生徒の部活のことを何も知らないのは、良くないよね。

「やほー、ネギくーん!」
「あっ、祐奈さん」

バスケットボールを持った祐奈さんに声をかけられて、振り向く。
話しをしている内に、中等部体育館に到着していたようだ。

「うちで強いのは、バレーとドッヂボールだっけ?」
「あと、新体操とか女っぽいのが強いです」
「へー……」

ドッヂボールと言えば、黒百合のみなさんですね。
……あれ?千雨さんしか思い出せない。
すごかったからなぁ……色々と。

「ちなみに、バスケは弱いよ」
「ほっとけ!」

後ろから、祐奈さんの叫びが聞こえた。
あ、あはは、バスケはあまり強くないようだ。





その後、僕たちは幾つかの運動部を見て回ることになった。
文化系の部活は、数が多すぎて今日中に回ることが出来ないそうだ。
確かに、これだけ大きな学園ならば、それも頷くことが出来る。

更衣室でからかわれ。
屋内プールでからかわれ。
屋外のコートでからかわれ……。

あれ、からかわれてばっかりだ。
……うぅ、僕、先生なのに。

「あれ?あれはなんですか?」

屋外のコート。
その端っこに建つプレハブ小屋を指す。

「あー、あれは“マッサージ研究会”だよ」
「何故か運動系の部活として登録されている、謎の部活ですよ」

謎なんだ……。
でも、マッサージが運動系だとは……いや、運動系だね。千雨さん的に。

「って、ということは、千雨さんの?」
「そうだよー。千雨ちゃん、ちょっと怖いからあんまり行きたくないけど」

怖いのかぁ。
いや、確かに怖いかも。

「まぁでも、今日は案内だしね」
「覗いてみますか?」
「は、はい!」

千雨さん以外の、マッサージ師かぁ。
どんな人たちなんだろう?やっぱり、千雨さんみたいな人たちなのかな。

「聞いた話によると、千雨ちゃん以外は普通らしいよ」
「はい、普通の人たちだという話しを、聞いたことがあります」
「そ、そうなんですか?……って、そうですよね」

千雨さんのみたいな人が何人もいれば、大変だ。
マッサージ師の常識なんか解らないけれど、それが普通ではないということはわかる。

僕は、風香さんと史伽さんに続いて、マッサージ研究会の門を叩いた。













――†――













お姉ちゃんと一緒にネギ先生を連れて回り、おそらく最後になるであろう部活の見学に、私たちは“マッサージ研究会”の門を叩いた。

千雨さんは、優しいと思う。
だけど、なんだか怖いのだ。様子が。

このライオンは心優しいと言われても、吠える姿は怖い。
そんな感覚に似ているのだと思う。

だけど、マッサージ研究会そのものは、普通だと聞いていた。
なんでも、高等部の人が趣味で設立して以来放置されていたけれど、千雨さんが入って持ち直したそうだ。

マッサージをしながら勧誘したら自然に集まった、と朝倉さんのインタビューで答えていた。

だから、マッサージ研究会の門を叩くことに、警戒心なんか持っていなかった。
朝倉さんのインタビュー記事も、千雨さん以外は普通に活動していた、と書いてあった。

そう、でも――――私はきっと、甘かったんだ。


「Hey Lock On!!」


入ってまず聞こえたのは、アップテンポなかけ声だった。

「ヒッヒッヒッヒッ♪百会(ひゃくえ)ッ!!」

黒い髪の部員さんが、額の上辺りを指で突き刺すようにしながら、ステップを踏む。
目が真剣で、怖い。

「ケッケッケッケッ♪肩髃(けんぐう)ッ!!」

茶髪の女の子が、肩を見ながら指をさして華麗なステップをする。
顔が真剣で、怖い。

「箕門(きもん)~♪大椎(だいつい)~♪天枢(てんすう)~♪日月(じつげつ)~♪」

身体の色んなところを指さしながら、華麗なステップと共に聞いたことのない単語で歌う。
十人弱という人数でありながら息はぴったりで、正直、気持ち悪い。

全員が妙に爽やかな顔をしているのが、それに拍車をかけていた。
初めのうちは真剣な顔だったのに、後半になるとこれということは、どこかで快楽に変化したということなのだろう。……帰りたい。

「すごい……なんて華麗で素敵なんだ」
「ネギ先生っ?!」

ネギ先生が、ぼんやりとした目でそう言った。
た、大変だ。いつの間にか、洗脳されてる!?

「――いいなぁ」
「お姉ちゃんっ!?」

お姉ちゃんまで、そんなことを言い始めた。
よく見れば目が虚ろだ。な、なんとかしないと。

「二人とも、しっかり――」
「――うん?ネギ先生か?」

そんな時、思いもよらぬ声――普通に考えれば、居て当たり前だけど――によって、私たちは正気に戻ることが出来た。

私たちが顔を向けると、そこでは千雨さんが、いつものように無表情で立っていた。

「こ、これは一体……」
「あぁ、効能は覚えたが場所は覚えられないって言ってたからな。世界最大のマッサージ専門学校の理事長が、秘密裏に使ったという、伝説のダンスをなんとか調べて持ってきたんだが……」

そう言って、千雨さんはそのダンスに視線を移した。
あれ?何故か千雨さんが引いている。

「やりすぎた」
「ダメじゃないですかっ!?」

うぅ、なんてところに出くわしてしまったのだろうか。
運が悪すぎるよ、本当に。

「ところで、鳴滝とネギ先生は何で……あぁ」

私が学園案内だと説明する前に、千雨さんは納得したように頷いた。
そして、踵を返して私たちから離れると、すぐに何かを持って戻ってきた。

手に持っているのは、持ち運びができる小さな黒板。
そこには、いくつかの“コース”が書かれていた。

<背中コース>
・すっかりほぐれる。
<腰コース>
・しっかりほぐれる。
<首コース>
・きっちりほぐれる。

「どれにするんだ?」
「何の話しですかっ?!」

いや、マッサージの話しだと言うことは解るけど。
だけど、脈絡がなさ過ぎる。

「全身コースがいいのか?それなら――」
「話しがかみ合ってないよっ!」

正気に戻ったお姉ちゃんが、すかさずツッコミを入れた。
戻ってきてくれて、本当に良かったと思う。
お姉ちゃんがあの謎のダンスを始めたら、私はここに放火して失踪する。

「に、逃げましょうっ!ネギ先生!」
「あ、あわわわわ」
「はは、早く行くよ!ネギ先生っ」

後ろからあのダンスで追いかけてくる、マッサージ部員。
私たちはそんな非現実的な錯覚に囚われながら、命からがら逃げ出した。


……うぅ、やっぱり怖いよ。













――†――













ツボーズウォッチングを堪能した後、私は部活に出た。

元々高等部の生徒が趣味でのんびり活動していたマッサージ研究会。
私はそれに所属して最初に、公開マッサージによって部員収集を行った。

結果として、マッサージ研究会は“同好会”から“部活動”にランクアップした。

しかし、この学園でツボーズが見えるのは私一人。
顧問の先生ですら見ることが出来ず、私が一番上手かった。
そのため、結果として教育能力ばかりが高くなってしまった。

こんな能力、弟子でもとらない限りは役に立たないだろう。
マッサージ専門学校の先生を務める気は、ないし。

やはり自分の手で患者さんに触れるのが、一番だと思う。

午後は一日、そうして過ごした。
マッサージダンスの途中にネギ先生達が来たが、何故か逃げてしまったのだが……。

それ以外では、順調に部活を終える事が出来たと思う。

「ふぅ、今日は妙に疲れたな……」

久々に、マッサージ巡りでもしようか。
自分がマッサージを受けるというのも、けっこう大切なことなのだ。
針灸の勉強ついでに、行ってみるのも面白いかも知れない。

「まだ……四時前か」

時間は充分。
私の休日の〆には、良いものになると思う。

麻帆良のマッサージ巡りのために、ゆっくりと歩き出す。


今日も充実した、良い一日だった。













――†――













風香さんと史伽さんに三時のおやつを奢った後、僕たちは世界樹にやってきた。
大きな枝に乗って見る、眼下の風景は、言葉をなくすほど美しいものだった。

「わぁ――」

夕焼けに照らされた、オレンジ色の麻帆良。
温かい朱色に包まれていく町並みは、優しくて綺麗だった。

「――この樹には伝説があるんですよ、片思いの人に告白すると、想いが叶うっていう」

そう語る風香さんと史伽さんの姿は、見た目よりもずっと大人っぽく見えた。
二人とも十四歳で、僕よりも四つも年上の女の子なんだ。

やっぱり、こうしてみると、僕はまだまだ子供なんだと実感する。
それが少しだけ……ほんの少しだけ、切ない。

「片思いの人、か」

故郷の同級生だった、アーニャ。
うーん……なんか、違う。

従姉妹の、ネカネお姉ちゃん。
いやいや、それは違うよっ。

同室の、木乃香さん。
木乃香さんは、優しい。けれど……。

よく迷惑をかけてしまう、明日菜さん。
ネカネお姉ちゃんにちょっと似てて、乱暴だけど優しい……お姉ちゃん、かな?

そして――千雨さん。
凛々しくて綺麗で、時折可愛い笑顔を見せる人。
自分の目標をしっかり持っていて、夢を叶えるために諦めずに頑張る人。
たまに少し変だけど……意志が強くて、優しい人。

そういえば僕は、何故マッサージをさせないようにしているんだろう?
きっと、千雨さんにマッサージをして貰えば、すごくすっきりすると思う。
けれど、いざ“させてくれ”と言われると、何故か逃げてしまう。

風香さんや史伽さんのように、恐怖心から逃げている訳ではない。
確かにちょっと……すごく怖い時もあるけれど、それで逃げたりなんかは、しない。


風香さんと史伽さんに子供扱いされて、逃げようとして捕まって、結局頬にキスをされた。


混乱する頭の中で、僕はやっぱり考えていた。
どうして自分が、逃げるのか?……と。





答えはまだ――でない。











◇◆◇


長谷川千雨、趣味→ツボーズウォッチング。


ということで、後書きです。
今回は、千雨さん的休日の過ごし方、でした。

部活がない日は、図書館島でマッサージの本を探して読むか、丸一日ツボーズウォッチングです。小遣いに余裕があれば、マッサージ巡りも。

今回で二巻の内容を終え、次回から三巻に入ります。
三巻、読み直すとイベント多いですね。カモとかw


ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
次話も、どうぞよろしくお願いします。





ちなみに、展開的に使わない(使えない)無駄設定。


覚醒後の千雨は、その気になればさよをガチ成仏させられる。


学園祭後、三年A組は二十九人に……。


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