おかしいネ。
私が今見てるのは、クラスメートの一人。
後の白き翼のメンバーで、趣味はネットアイドル。
現実主義者で平穏を好み、結構芯が強い少女……だたはず、ネ。
規格外な仲間達に対するツッコミ。
暴走しがちなネギ坊主を押しとどめるストッパー。
口が悪くて情が深い、なんだかんだデ面倒見のイイ苦労人。
日常を好むという彼女は、けしてコンナ……。
「くっはははははっ!」
……授業中に奇声を上げる、変人ではなかたはずネ。
閑話 超鈴音の受難 ~愕然編~
長谷川千雨という人物は、思エバ始めからおかしかたヨ。
彼女は孤独を好むように、ネギ坊主が来るまでは一人でいることガ、多かたネ。
調べた限りでは、それは確実だた、はずネ。
だと言うのに、彼女は一年生の時、私に声をかけた。
「大丈夫か?」
無表情で、能面のよーにそう告げタ。
私は驚きを表情に出さないよーに、注意を重ねて笑たネ。
「何のことカナ?」
「目だ。パソコン作業か?」
短い言葉だたヨ。
それでも充分、意味は伝わたネ。
長谷川千雨は、何故カ私の疲労を言い当てて、心配してイタ。
「少し見せてみろ」
「ア、アァ」
意図は解らなかたガ、触られてナニカされれば、気がつく。
ダカラ私は、あえて長谷川千雨の提案に乗ったヨ。
「ふっくくく」
異様な気配だたネ。
今思い出してモ、背筋が寒くなるヨ。
「本当に私が好きだな、風池、天柱」
フーチにテンチュウ。
そう言ったというのは解タが、それが何を指すのか、解らなかタ。
いくら私が天才デモ、知らない事は解らないネ。
「超、頭痛があるだろう?」
「まァ、時々……」
普段ならそんな弱みは見せナイのだガ、その時はすかり呑み込まれてイタヨ。
恥ずかしイ限りだナ。
「緊張性頭痛を治したいのなら、風池と天柱だ。首には二本の太い筋肉が通っている。風池も天柱もその外側だ。風池は頭のすぐ下の凹みで、天柱は首の辺りだ。ここを左右同時に三~四秒間押さえて離す。これを三分間繰り返して押すべしッ!!」
マシンガントークだたネ。
こんなに饒舌ではなかたハズ。
だが、私にマッサージをしているのは、確かに長谷川千雨だた。
不覚にも眠ってシマタこの後、私は“長谷川千雨”について、リサーチすることに決めたのだたネ。
――†――
その次は確カ、私が直接質問をしに行った時のことネ。
少しでも情報が欲しくて、まずは直接聞いてみたヨ。
「千雨サン」
「超か……疲れているみたいだな」
いきなり言い当てられたネ。
デモ、この時にはモウこの程度では、驚かなかたヨ。
……ソウ、“この程度”では、ネ。
「今、一番欲しいものはナニか?」
聞けば答えてくれるということは、解たネ。
ならば、この答えによって長谷川千雨の方向性を掴むことがデキル。
そんな期待をしてイタのだが、甘かたネ。
長谷川千雨は逡巡すると、スグに口を開いタ。
欲しいものガ、沢山あるということガ、これだけである程度、解タ。
……よーな気に、なっていたのダ。
「ナビ機能」
「なんのッ!?」
コノ私を、科学に魂を売り渡した私ヲ、思わずツッコミポジションに据える一撃だた。
ソノ恐ろしい攻撃に、私は警戒レベルを上げたヨ。思わズ。
「ツボーズが答えてくれんだよ」
「壺ーズ?蛸壺?」
私モ、自分が何を言っているカ、解らなかたネ。
仕方ナイだろう……向こうが火星人な気がしてきたヨ。
「ところで超、また天柱が泣いているぞ?」
「テンチュウとは、ツボのことだたヨネ?それは比喩カ?」
「いや、見たまんまだ」
「見たまんまッ?!」
目に映るセカイに、違いがあるのだろうカ?
私はもしかして、トンでもない“過去”へ来てしまったのでハ無かろうカ……。
「ストレスも、疲労の元だ。気をつけろよ?超」
どうでもイイガ、君にだけは言われたくないネ。
――†――
アレからも、ホントウに色々あたネ。
ハカセの苦難、龍宮の精神疲労、刹那サンの怯え。
そして、現在。
漸くネギ坊主が赴任し、未来を変える為の序章が始まタ。
……だというのに、全く安心できないヨ。
妙に強気な宮崎のどか。
これは、この時点で弱きか強気かなど解らないので、保留ヨ。
どう見ても“アッチに目覚めかけ”な綾瀬夕映。
……アレ?ネギ坊主に思いを寄せていたよーな気がするのだガ?
そう、そのネギ坊主のことガ、一番問題ネ。
会話の最中。
授業の最中。
他者へのマッサージの最中。
長谷川千雨に気がつかれないタイミングで、こっそり切なそーな視線を向けル、ネギ坊主。
バカでもわかる。アレは“恋”ね。
「そうなると……アレ?私の、先祖ハ?」
脂汗が、止まらないヨ。
学園祭で、未来を変える。
逆に言えば、未来を変えられるタイミングは、学園祭だけネ。
重要監視対象、長谷川千雨。
この時はマダ、私は知らなかタ。
これが私の、ストレスタイムの始まりダト、いうことに……。
……アァ、胃薬が欲しいネ。
◇◆◇
一万PV突破!
皆さん、ありがとうございます!
閑話と言うことで、今回は短めです。
超の受難、その幕開けでした。
彼女は現在に置いて確立された存在になっているので、タイムパラドックスで消滅、という事態にはなりません。念のためw
超の口調が難しく、しんどかったですw
違和感などがあったら、ご指摘ください。
どう書いてもギャグになってしまうため、シリアスな千雨魔改造を片手間に書いてシリアス分を補給しています。おそるべしは、親指からロマンスですね。
原作からして、シリアスになりきれないシーンが多いのでw
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
次話もどうぞ、よろしくお願いします。