ある晴れの日。その手紙は届いた。
「兄貴達ー。マリアから手紙が届いたぞー」
ランドが手紙を片手に庭で筋トレ中のガルトとゴルトに呼びかける。
「何!手紙だと!」
「すぐに読むぞ!」
双子は筋トレをやめ、ランドの元へ走り寄る。
「さっさと手紙をだせ」
「はいはい」
急かす双子に、ランドは苦笑しながら封を切り、手紙を開いた。
そして、可愛い妹が魔法によって映し出され、近況を語る。
妹によって知らされた彼女等の現状は、三兄弟にとっては信じられないものだった。
「学園側の不手際で住む所を失ったうえに」
「学園長の所為で弟子の命の危機だとぉぉぉぉ!?」
マッスル双子は怒りに燃え上がった。
そもそもが、旧世界での魔法使いの修行というのは、魔法使いであることを秘匿し、上手く一般人の中に溶け込む訓練もかねているのだ。その為、選ばれる修行地には万が一に備えて、サポート出来る人材が揃えられている。
だが、今回はそのサポートする側の人間が原因で、命を危険に晒され、一般人に魔法使いである事が知られてしまった。
「「許せん! 今すぐ学園に乗り込むぞ!!」」
双子は吼え、怒りに身を任せようとしたが、ここで一つの違和感を覚えた。
「……む? いつもならここでランドが止めに入るんだが」
「ふむ。そのランドの姿が見えないぞ」
双子は辺りを見回し、ランドの姿を探し始めた、その時だった。
ドルルル……。
納屋の方からアイドリング音が聞こえてきたのだ。
双子は首を傾げながら納屋を覗くと、それは居た。
「くくく……なます切りにしてやる………」
禍々しいオーラを撒き散らし、ランドがチェーンソーを試運転していたのだ。
「ラ、ランド……?」
「何をしているんだ?」
流石の双子も、ランドの鬼気迫る様子に恐る恐る尋ねた。
「ああ、兄貴達。俺、ちょっと日本に行ってくるから」
ランドは爽やかな笑顔で言うが、オーラは依然として禍々しいままだ。
「そ、そうか……」
「日本へ、か……」
双子は頬を引き攣らせながら、チェーンソーを見つめる。
「じゃあ、ちょっと行ってくるな」
そのままチェーンソーを持っていこうとするランドを双子は必死の形相で止めた。
「ラ、ランド!」
「チェーンソーは置いて行け!」
巨体を活かして道を塞ぐ双子に、ランドは残念そうな顔をする。
「仕方ないなぁ……。じゃあ、これにしよう」
そう言って鉈を取り出す。
禍々しさがアップした。
「ランドォォォォ!?」
「お、落ち着けぇぇぇぇぇ!?」
慌てふためく双子に、ランドは笑顔で言う。
「嫌だな、兄貴達。俺は落ち着いてるよ。ただ、ちょっと学園長の長い頭はどうなっているのか気になるだけで」
鉈で素振りをし始めたランドに、双子は青褪める。
「落ち着けランド!」
「殺人はいかんぞぉぉぉ!?」
「大丈夫さ。証拠を残すようなヘマはしない」
爽やかに禍々しい事を言うランドを、双子が必死になって止めた、とある十三日の金曜日の出来事であった。
第十九話 来襲
「ふーん。あの人が来るんだ」
その日、マリアは兄達からの手紙を読んでいた。
マリアの手にあるのは、魔法が使用された手紙ではなく、普通の手紙だ。
しかし、文字がくたびれた様に見えるのは何故だろうか。
「マリアちゃん? あの人って?」
ネギはマリアの呟きに首を傾げた。
「ほら、図書館島での事を兄さん達に手紙で知らせたでしょ?」
「ああ、そういえば……」
今後の事について何かアドバイスが貰えないかと思い、マリアが三兄弟に手紙を書いたのだ。ただ、ネギはその内容を知らないのだが。
「それで、こちらが不利にならないように兄さん達が友人に頼んだ、って書いてあるの」
「へぇ……、そうなんだ……」
きっと、頼りになる碌でもない友人に違いない、とネギは思った。
「それで、今日来るって」
「早っ!?」
* *
春の訪れを感じさせる暖かな午後。
アルカ・スプリングフィールドは勝利の証であるズボンを穿いて接客をしていた。
「似合うと思うんだが……」
残念そうにゴスロリメイド服を眺める東堂店長は無視する。
そんな、普通じゃないことが日常の非常識な店『KANON』に、店には不似合いな男性が尋ねてきたのは、丁度客足が途切れた時の事だった。
「すみません。こちらに、アルカ・スプリングフィールド君はいらっしゃいますか?」
そう言って店に入ってきたのは、黒髪黒目で、病的なまでに痩せた青白い肌の男だった。銀色のアタッシュケースを持ち、品の良いダークグレーのスーツを着たその姿は、まるで現代版の死神の様だった。だが、そんなある意味似合っている男の姿で一つ浮いているのが、男の被っている帽子だ。帽子は白く、極彩色の羽飾りがついており、およそスーツに似合うとは思えない。
「あの、俺がアルカ・スプリングフィールドですが、何か御用でしょうか?」
「ああ、君でしたか。初めまして、私はこういうものです」
そう言って男が差し出した名刺には『交渉人 ロバート・パーカー』と書いてあった。
「……交渉人?」
首を傾げるアルカに、男、ロバートは微笑む。
「今回、学園長の所為で不利益を被ったため、それを清算して欲しいとマリアちゃんのご兄弟から依頼がありまして」
そこでアルカは思い出す。マリアが、物凄いのを送り込んでやる、と呪詛を呟いていたことを。
「ええと、じゃあ、貴方は……」
「私はガルトとゴルトとは古い付き合いでして。いざとなったらそれ用に弁護士資格も持っておりますのでご安心ください」
どうやら大変優秀な死神らしい。
感心していると、そっと後ろから忍び寄ってくる気配がした。
「アルカ君。何か込み入った話なら、奥ですると良いよ」
そう勧めてきたのは東堂店長だ。
「ああ、申し訳ありません。店内ではお邪魔でしたね」
恐縮するロバートに、東堂店長は笑顔を浮かべる。
「いえいえ。丁度お客さんも居ませんし、大丈夫ですよ。もし、気になるのであれば、コレを着ていただければチャラにします!!」
ビラッ、と取り出したのは、ゴスロリ風喪服だ。
まさか、ロバートに対して東堂店長節が炸裂するとは夢にも思わなかったアルカは、ツッコミのタイミングを逃してしまった。
そして、対するロバートだが……。
「ああ、綺麗な服ですねぇ。ですが、私が着るよりももっと相応しい方が居るはずです。そう、貴女の様な……」
ロバートは東堂店長の目の前まで距離をつめ、そう言って店長の頬にかかっていた髪を、するりと耳に掛ける。
そんな、流れるような動作に、流石の東堂店長も固まってしまう。
「ああ、ですが、貴女にはこちらの方が……」
そう言って、店内からシルエットが美しいスマートなジャケットとスカートを持ってきて、東堂店長に合わせ、微笑む。
「やはり、こちらの方が貴女の美しさをより引き立てますね。この服を購入します。そして、この服を是非、貴女に着て頂きたい」
歯の浮くような台詞の羅列に、東堂店長もアルカも固まる。
「すみません、こちらの服をカードでの支払いでお願いします。それから、誠に申し訳ないのですが、少々時間が迫ってまいりましたので、早速ですが、スタッフルームをお借りします。では、アルカ君。よろしいでしょうか?」
「へ? は、はい」
ようやく石化から回復したアルカは、そう返事をして、服の会計を済ますと、ロバートをスタッフルームに案内した。
この時、アルカは気付いていなかった。
店内に残された東堂店長が、ロバートが選んだ服を抱きしめ、頬を赤く染めてスタッフルームを熱い眼差しで見つめていた事を。
「素敵な人……」
まさか東堂店長が、変態店長から恋するヲトメへと華麗なる転身を遂げていたなど、アルカは思いもしなかったのだった。
* *
「気が重いのう……」
近衛近右衛門学園長は、人知れず学園長室で溜息を吐いていた。
学園長の気を重くしている原因は、今日の午後に入っているアポイントメントだった。
アポイントメントを取った主は、マッスル双子の代理人という名の刺客である。
何故代理人かというと、修行が始まってまだ一ヶ月位しか経っていないのに、親族が出向いたら修行の邪魔になるだろうという配慮らしい。
だが、実はそれは建前で、ランドの暴走阻止の結果であるというのは秘密である。
「しかし、ロバート・パーカーか。何処かで聞いた様な気がするんじゃがのう……?」
学園長はロバートという人物の事を思い出そうとするが、中々思い出せないで居た。
「ううむ……、年かのう。ちっとも思い出せん。しかし、どちらにせよあの双子の知り合いというからには、暑苦しい奴なんじゃろうなぁ……」
まさか、その正反対で筋肉どころか必要な肉までそぎ落としたかの様な痩せた男だとは思いもしない。
そうやって、鬱々とした気分でその人物を待っていると、扉をノックする音がした。
「学園長。お客様です」
「うむ。通してくれ」
男を案内してきたしずなが扉を開き、奇抜な帽子を被った男が入ってくる。
「初めまして、学園長。私、本日お約束させていただきましたロバート・パーカーです」
「うむ。知ってはいると思うが、ワシは近衛近右衛門じゃ」
握手し、ロバートを学園長室に隣接している応接室へ通す。
「掛けてくれたまえ」
「失礼します」
ロバートに席を勧め、学園長は話題を切り出した。
「それで、今日はワシに何の用かの?」
「はい。本日の用件は、先日のアルカ・スプリングフィールド君等見習い魔法使いの三人が魔法使いである事が一般人に知られた件についてです」
来たか、と学園長は身構える。
「うむ。その事については、ワシのミスじゃ。その件に関してはワシが責任を取る」
「そうですね。当然です」
学園長の言葉に対し、ロバートは冷ややかに返す。
「そもそも、あの図書館島に生徒が侵入した際に、気付いていたのなら警備員なり呼べばよろしかったのです。何より、図書館島は一般人の目から見れば、非常識の塊です。いくら学園に認識阻害魔法が掛かっているとはいえ、あのように奥へと侵入を許すべきではありません。あれでは魔法の存在を感づく者も出てくるでしょう。即刻、図書館島を閉鎖し、立ち入り禁止区域に指定すべきです」
ロバートの言葉に、学園長は反論する。
「図書館島に関しては、こちらで既に対策済みじゃ。現に、今まで図書館島が原因で魔法に関して気付いたものは居らん。今回の件に関しては、ワシのミスじゃ」
「では、図書館島を閉鎖する気は無いと」
「無論じゃ」
学園長の言葉を聞き、ロバートはアタッシュケースから、書類を取り出す。
「今回の件から、学園の現状を調べさせていただきましたが、どうやら学園内の魔法使い達は今二つの派閥に割れているようですね。まず、学園長率いる強行派。この派閥はネギ・スプリングフィールド君をより良い『立派の魔法使い』にしようと積極的支援という名の余計な世話を焼く組織のようですね。ネギ・スプリングフィールド君の為にあの偏ったクラス編成を考えたのもその一派ですね」
ロバートにそう切り込まれ、学園長は頬を引き攣らせる。
「それから、もう一つはネギ・スプリングフィールド君等三人を陰から見守り、消極的ながら支援していく穏健派。こちらは、本来先達の魔法使いのあるべき姿と言えるでしょう。こちらは明確なリーダーは居ないようですが、代表的なのはガンドルフィーニ教諭や、弐集院教諭ですね。スプリングフィールド兄弟は幼い子供である上に、大変デリケートな立場に居るのに、このような危険に巻き込むとは何事かと大変憤慨なさっているようでしたよ」
挙げられた名を聞き、学園長は事件当時の事を思い出す。
真面目一辺倒のガンドルフィーニがその事件を聞くなり、怒りも顕に学園長室に飛び込んで来たのだ。その後、ガンドルフィーニを皮切りに、次々に魔法先生等が学園長の元へ説明を求めてやって来て、緊急会議を開き、一時事態は沈静化したのだが、学園長の株は穏健派の人間の間では急落した。
今回の件は強行派の間で決定し、起こしたので、現在強行派の人間は肩身の狭い思いをしている。
「そう言えば、この学園には『紅き翼』のメンバーの一人である高畑氏が居るようですが、彼は出張が多すぎてどちら側の人間とも言えないようですね。と、言いますか、彼が教師という立場であるのが不思議ですね。素直に傭兵として雇ったと言えばよろしいのに」
ロバートは書類を捲り、更に切り込む。
「そう言えば、マリア・ルデラさんの居住予定だった家の爆破事件ですが、この犯人は何故何も処罰を受けていないのでしょうか?」
「何じゃと?」
学園長は片眉をひくり、と上げる。
「犯人は英雄の息子等を血族に取り込みたいという阿呆――失礼、自分勝手な思考の元、同じ年頃の女の友人が側に居ては邪魔と思い、住む場所が無ければ日本に来ないだろうという幼稚な考えで爆破したそうですね。泥酔状態だったとはいえ、放火は犯罪、まして爆破など言語道断。処罰が謹慎などと生温い。本国の然るべき機関に突き出すべきです」
ロバートは更に書類を捲る。
「そう言えば、学園長が学園の長をなさっているのにも疑問を感じます」
「何……」
流石の学園長もその言葉は聞き逃せなかったらしく、ロバートを睨み付ける。
「聞けば、貴方はずいぶんと女性教員に対しセクハラをなさっているようですね。よくぞ、今まで訴えられなかったものです。それとも、訴えないような女性を選んでセクハラをなさっていたのですか?教育者の長ともあろう者が嘆かわしい」
「うぐっ……」
まさか、そこでそれを持ち出されるとは思わず、学園長は言葉に詰まった。
「それから、私の独自の調査によりますと、この学園には『闇の福音』が繋がれているそうですね。何でも、彼女をここに繋いだのはナギ・スプリングフィールドだとか。貴方、その彼女をネギ君が受け持つクラスに入れるなんて、何を考えてらっしゃるんですか?」
「それは……」
流石に、エヴァンジェリンの事を突かれると痛い。
「まさか、惚れた男の息子だから大丈夫だとか、上手くいけば仮契約するかもしれないなんて、そんな馬鹿な事を考えてのことじゃありませんよね?」
「………」
図星だった。
「他にも、まだまだ色々とありますが……」
「ま、まだ有るのかの?」
アタッシュケースから新たな書類の束を取り出したロバートに、学園長は頬を引き攣らせる。
「それはもう、沢山有りますよ」
ロバートはイイ笑顔を浮かべてそうのたまった。
そして、学園長がロバートの話を全て聞き終わったのは、それから三時間後の事であった。
「では、今回の件で、家を爆破した教員は本国へ強制送還の後、然るべき機関で法の裁きを受けていただきます。それから、どうやらここの魔法使い達は随分と認識阻害魔法に甘やかされている様ですので、再教育プログラムを受けていただきます。それでも改善されないようであれば、教員を入れ替えさせていただきます。それから、今回麻帆良で受け入れた見習い魔法使い達三人ですが、この三人に何かあった場合、学園の長たる学園長に全ての責任を取っていただきます。図書館島に関しては、地下三階以下は立ち入り禁止に。図書館探検部の活動は、必ず顧問の魔法先生が同行し、その行動を制限する事」
「……分かったわい」
三時間にも及ぶ長時間の間、痛い所を正確に、完膚なきまでに叩かれ、流石の学園長も疲れ果てていた。しかも、このロバート・パーカーという男の話術、情報量は恐ろしい。
その情報の正確さ、何処から手に入れたのか、証拠すら揃え、全ての情報に裏付けが取ってあった。海千山千の学園長が始終押されっぱなしだったのだ。
「今回の調べで色々と分かりましたので、次に何かあれば、然るべき対処をさせていただきます。分かっているとは思いますが、隠し立てなど無駄ですので、あしからず」
「分かっておる……」
大きな溜息を吐き、学園長はロバートの案を了承した。
「では、私の用件はこれだけですので、長々と失礼致しました」
「ああ、ご苦労様でしたの……」
最後に二人は握手を交わし、ロバートは学園長室を後にする。
ロバートが学園長室から出る際、高畑とすれ違い、ロバートは被っていた帽子を軽く持ち上げて挨拶し、高畑はそれに会釈を返した。
そうして、高畑は学園長室に入り、ぐったりしている学園長に話しかける。
「戻りました、学園長」
「うむ、ご苦労じゃったの」
疲れ果てた様子の学園長に内心首を傾げながら、高畑は口を開く。
「先程、廊下で、あの『死神ロバート』とすれ違いましたが、何かあったんですか?」
「……『死神ロバート』じゃと?」
「あれ? ご存知有りませんか?」
そう言って、高畑が語った所によると、何でも魔法世界で有名な凄腕の交渉人で、『死神ロバート』という名で通っているらしい。彼の知識、情報量は、相手の逃げ道を塞ぎ、その話術で確実に首を刈り取っていく。その様がまるで死神の様だと、その名が付いたらしい。
「ああ、思い出したわい……」
知識と情報という名の鎌を持つ死神。学園長もその話はチラッとだが、聞いた事があった。しかし、相手は魔法世界の有名人であり、頻繁に話題に上るような人間じでは無い為、忘れていたのだ。
「そうと知っていれば、それ相応に準備したのじゃが……」
学園長は油断していたのだ。まさか、そんな大物があのマッスル双子と関係があるとは思いもしなかった。
「エヴァンジェリンに連絡せねばのう……」
疲れたように、深い深い溜息を吐く学園長を、高畑は不思議そうな顔で見ていた。
その後、学園長はエヴァンジェリンに連絡をするも繋がらず、エヴァンジェリンへの連絡は翌日に回す事にした。
しかし、学園長はこの時の対応を、後々まで後悔する事となる。何故あの時エヴァンジェリンを探し、連絡を取らなかったのか、と。
* *
その日の深夜。
麻帆良にある学園長の屋敷に、何者かが侵入した。
月明かりにギラリと刃物が光るが、それが振り下ろされる前に、二つの大きな影が襲撃者を捕らえ、音も立てずに去って行った。
* *
翌朝。
「……っぎゃぁぁぁ!?」
雑巾を引き裂くような老人の悲鳴が屋敷に響き渡った。
学園長の枕元に、肉切り包丁が深々と突き刺さっていたのだ。
その後、易々と麻帆良内に進入を許してしまった学園長は、犯人を探し出そうと躍起になったが、痕跡は既に消された後で、犯人は分からなかった。
そんな、犯人探しに気を取られた学園長は、大切な事を忘れていた。
「ククク……、アルカ・スプリングフィールドか……」
建物の影から、アルカを観察する二つの影。
『闇の福音』こと、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルと、その従者、絡操茶々丸だ。
そう。学園長は、エヴァンジェリンに連絡し忘れるという痛恨のミスを仕出かしたのだった。