さて、現在進行形で捕虜をやっているわけなんだが。
知ってるか?最近の捕虜って料理つくるんだぜ。
「まずい」と王女様がここの牢屋で出されたものを食べて言った。
確かにまずかった。
いくら捕虜だからって扱いがひどくないかとも思ったが、捕虜だから仕方ないと諦めた。俺はな。
王女様は見張りの兵士にキレた。
こんなものは食い物じゃないとかなんとか。
「仕方ないだろ!俺たち下っ端だから料理人なんか雇えないんだよ!おんなじものを俺たちも食べてるんだ」とか下っ端の兵士が半泣きで叫んだ。
料理できるやつが居ないから当番制にして兵士たちが交代で料理をつくっているらしい。
すると王女様は言った。
「なら、こいつ(俺な)に作らせればいい」
そして、こっち来た時点で魔法とか封じられてるし、他にも逆らえなくする呪いとかかけられてるから問題ないと判断したのか、俺は料理をさせられることになった。兵士の分まで。
ここの隊長とかは「紅き翼の専属料理人のお手並み拝見とさせてもらおうか」とか言いながら貧乏ゆすりしながら食卓についていた。
よほど料理に不満があったのだろう。
まあ、こんな感じで今俺は兵士たちに料理を出している。
「これはまいった。紅き翼の専属料理人の力がこれほどとは。彼我の戦力差を完全に見誤っていたようだ」
隊長さんがピラフをものすごい勢いで口に運んでいる。
「おかわりならまだあるぞ」
「なんと!おかわりまでも!紅き翼の専属料理人は化け物か!」
おかわり~、と食堂のあちこちから聞こえてくる。
俺はお皿を持ってくる兵士たちにピラフを盛る。
「そもそも食事の質は戦場において極めて重要な・・・・・・」
隊長さんはぶつぶつとなんか言っているけどピラフを食べる手は止まらない。
そして、ピラフを追加で作っているときに思った。
ナギ、助けに来なくてもいいよ、って。
俺は元気にここでやっていきます。
あっ、そういえば王女様達にも持って行かないと。
「食事持ってきま「遅いのじゃ~!!」ぐふっ」
ドアを空けて入った瞬間に腹に鈍痛が走った。
テオドラが回転しながら突っ込んできたからだ。
ハリケーンミキサーとかテオドラが嬉しそうに言っていたけど冗談抜きで角が痛い。
とりあえずピラフを渡すと二人とも遅れたことに文句を言いながらも食べ始めた。
そういや、この二人と俺とでは重要度がかなり違うらしい。
俺は夜の迷宮から出たら感知魔法が脱走を告げるらしいけど、二人は牢屋から出た一歩でも出たら感知魔法が作動するらしい。
まあ、そのおかげで俺は料理をするときだけは牢屋からでることができる。
「それにしても、そなたの仲間たちはいつ助けに来るのじゃ!!」
別に助けに来なくてもいいんじゃない?とか言うとハリケーンミキサーをくらった。王女様にもビンタされた。
どうやら牢屋暮らしは退屈らしい。
これ以上めんどうごとや危険なことに巻き込まれないだけでも十分だと思うけどな。
まあ、こんな感じで俺は元気にやっているから助けに来なくてもいいよとナギに伝えたい。
PS 兵士の人達に聞いたんだが、紅き翼が反逆者として世界の敵になったらしい。正直わけがわからんが、どんどんとやばい方向に行っている気がする。
このままじゃ俺死ぬと思って牢屋の中でがんばって特訓してると、なんか王女様と組み手させられた。
お互い魔力封じられてるから氣か地力だけなんだけど、それでも負けた。
かなり落ち込んでいたら料理作ってるときに兵士の人達に慰められた。
久しぶりに人の温かさを感じた。
あとがき
先の展開はいろいろと考えているんですが、創造主戦が一番悩む。
今までのノリで行くか、シリアスにしてダンに熱い展開を作るか・・・・。
最強ハーレムオリ主(笑)になる日は永遠になさそうなという意見がありましたが、ナギルートのフラグは既に立っています。
でも、ダンが誰かと結婚とか想像できない。