「あ~、なんでこう疲れることばっかりなんだよ」
人気の無い店内で千雨ちゃんという子がテーブルにうなだれている。
今日の出来事をダイジェストに紹介するとこんな感じだった。
・店内に一人だけいる客が溜息ばかりついていたのでどうしたのかと聞いてみた。
・なんでも、クラスがありえんらしい。子どもが先生になっているとか。
・ネギのことだと判明したので、俺の知り合いだと言った。
・俺も教師をすると聞いたときは驚いたが別に止めはしなかったと言った。
・なんで止めなかったんだとガクガク揺さぶられて怒られた。この時に本性発覚。
・バレちまってはしょうがねえということらしいが、学校では隠してるから誰にも言うなと言われた。
いや、まあネギが教師してるのは俺もどうかと思うけどね。
せめて魔法生徒として通わせろよ。
まあ、その疲れることが後でいい思い出になるかもしれないよ?
「ありえねえ。このままだと胃に穴が開いた上にゲシュタルト崩壊起こしそうだ」
一緒になって騒いだらいいのに。
まあ、限度ってモノもあるけどね。
「クラスメイトにやけに留学生が多いのは、まあまだ我慢できる。
でも、ガキが担任とかロボットまでいるってのはありえねえだろ」
ロボット・・・・・麻帆良って不思議な場所だよね。
「ああ、私は普通のクラスが良かった」
あの科学部のロボットとか初めて見た時さ。
日本の科学技術ってレベル高いな~とか思ったけど、あれって異常なんだよね?
「ああ、NASAでもあんな技術は持ってねえよ」
しかもあのロボットたち暴走する度にいつも俺のいるところにピンポイントで攻撃してくるんだけど。
「あんたも苦労してるんだな」
周りの人達もお祭り騒ぎで助けてくれなくて困るよ。
「ここの連中はおかしいことだとか、異常なことだとは思わないんだ。
なんでだよ、どう考えてもおかしなことだらけだろ」
ああ、多分それ学園にかけられている認識阻害の魔法のせいだ。
あの科学部も魔法関係者なんだろうと思う。
それにしても、この子は他の子に比べて魔法に対する耐性が強いのかもしれないな。
流石に魔法のせいで学校が楽しめないというのはかわいそうだし、こっちとしても責任を感じないでも無いから今度学園長に相談してみよう。
まあ、千雨ちゃん。
ほら、ケーキでも食べなよサービスしとくから。
「ああ、ありがとう・・・・・うまい」
それはよかった。
実はそれは今度新メニューにしようと思ってる試作品でさ。
誰かの感想が聞きたかったんだ。
「マスターは、普通に生きるってどう思う?」
素晴らしいね。
一日のんびりと過ごして、たまにうまいもの食べて、そんなふうに暮らせたら最高だろ。
「だよな~」
まあこの学園は普通って言葉をどこか遠い次元の彼方に置き忘れてるみたいだからね。
千雨ちゃんみたいな子にはちょっと暮らしづらいかもしれないけど。
疲れることがあったらここに来なよ。
ケーキと紅茶でリフレッシュすれば明日もがんばれるさ。
「ああ、ぜひそうさせてもらう。
じゃあ、私はそろそろ帰る」
うん、まあ頑張ってね。
PS エヴァがやってきた。
なんか俺に言い忘れてたことがあるらしい。
「そう言えば、ちょっと前から坊やが私に弟子入りしたんだが」
紅茶を吹き出した。
エヴァにかかって血を吸われた。
ネギ、なにやってんの!
「いや、なんでも私の火力に惚れたとか」
確かにあれはすごいけどさ。
お前、修行でネギを殺すなよ。
「まあ、善処はする」
ナギ、ネギはもうだめかもしれない。
すまん、俺の力が及ばなかったばかりに。
「ずいぶんな言い草だな。
それより、坊やの弟子入りの時に近衛木乃香もやってきてな。
どうやら魔法に関わりたそうだったが、お前が判断すると聞いていたので、そのことを言って帰らせておいた」
関わることにしたのか。
どうしたものかな。
「まあ、才能はケタ外れで、桜咲刹那というそこそこ優秀な前衛もついているんだから教えても構わんと私は思うがな。
というより、私の呪いを解くためにも絶対教えろ」
でもな~。
やっぱり危険なものは危険なんだよ。
自分には力があるからってだけで関わってもろくなことにはならないし。
そのへんは話を聞いてみないことには判断できないなぁ。
「まあ、とりあえず明日私の家に来い。
近衛木乃香も呼び出している。
そのときに話をつけろ」
わかったよ。
「あと、ついでにグッドマンも連れてきたらどうだ?
私の持つ別荘は修業をするには持ってこいの場所だしな。
なにより、いつかお前の弟子と私の弟子で戦わせてみたい」
高音さんか~。
まあ、一応声はかけてみるよ。
あとがき
ダンはなにかあったらケーキを出す。
ケーキポ?
久々にdies iraeをやった。
完全版欲しい。
しかし、エリールートがないことに絶望。
俺の中ではエリーが一番だったのに・・・・・。
こんなに悲しいのは、聖なるかなにエヴォリア、タリア、フィロメーラ、ユーフォリアのルートがなかった事に気づいたとき以来だ。
俺はロリではないが、ユーフォリアはありだと思うんだ。
あれだな、幼女を好きになったんじゃなくて好きになった子がたまたま幼女だったというやつ。