「わはははは、今日は特別に俺が修行をつけてやるぜ!」
「やだ」
ラカンとか使えん。
お前みたいなバグキャラから学べることなど無い。
「はは、そう言うなって今日は特別に無料でお前に必殺技を教えてやろう」
お前の必殺技って適当に出してるバグ技だろ?
あんなのできねえよ。
いつも思うんだが適当に右パンチで障壁を割るなって。
相手の努力とか一瞬で砕いてるぞ。
「よく見てろよ。グレートラカンパンチ!」
轟音を上げ暴風を巻き起こしたラカンの右腕は、軽く数百メートル先の木々まで消滅させた。
適当に右パンチとどこが違うんだろう。
「さあやってみろ」
「できるか!」
「ちっ、わがままなやつだな。なら、これはどうだ。滅殺羅漢爆裂脚!!」
今度はラカンの右足から放たれた普通の蹴りが数百メートル先のさっきとは別方向の木々を消滅させた。
俺はそれを遠い目をして見ていた。
あ、そう言えば俺の書いた料理本は大好評らしい。
冒険者とか傭兵が大量に買っていくとか。
あと、いくつかの騎士団とか軍隊でサバイバルの教本になったらしい。
おかげで俺は印税でがっぽりともうけてる。
ちなみにメンバーには内緒だ。
バレたら莫大な額の食費が俺の支払いになってしまうのが目に見えてる。
あと、すでに紅い翼の専属料理人シリーズ第二弾の発売も決定しているので執筆作業に入っている。
俺、戦争が終わったら印税生活するんだ・・・・。
「どうだ。これならできそうだろ」
「無理」
というか、どういう原理であんなパワーが出てるのかわからん。
流石はバグ。
誰かワクチン持ってきて。
「というか、ダン。お前実際どれくらい強いんだ?」
ああ、そういやラカンが近くに居るときに戦ったことは無かったな。
「まあ、例のラカン式強さ表だと200~300くらいだと思う」
「弱っ」
うるせえ。
これでも成長したんだよ。
みんなそんな平凡な魔力でここまでくるとは、とか言ってくれるんだぞ。
ここまでこれたのも、お前らのせいで死線を何度もくぐったからだし。
普通に魔法学校で生徒やってたらいいとこ100とかだろうな。
「お前、このままだと戦争で死ぬんじゃねえか?」
「そう思うなら、ずっと前に抜けさせてくれたらよかったのに」
「お前が強くなれば問題ない」
できないから言ってるんだろ。
まだ氣も上手く扱えないし。
タカミチとか既に居合い拳の練習してるのに、俺は未だに氣での身体強化の練習。
詠春さんに剣の扱い方も習って見たけど、未だに持つ手が左右逆とかたまに言われる。どうやらこっちも才能は皆無らしい。
アルの重力魔法もちんぷんかんぷんだった。
転移魔法も上手く使えない
やばい、強くなる前に戦争終了か人生終了の二択しか無い気がする。
「しかたねえな。お前に死なれちゃ困るから俺がとっておきを教えてやるよ」
それは食事事情的に困るんだよな。
あととっておきはいらん
「よく見てろよ。ラカンエクスプロージョン!!」
ラカンを中心に発生した謎のバグパワーは、半径数十メートルのものを破壊したらしい。
なぜ、らしいなのかって?
「はあっ、はあっ。どうだ、ちゃんと見てたか・・・・ってダンーーーー!!」
俺は吹き飛ばされて気絶していたからだよバカヤロ~。
PS 目が覚めた俺は、なぜかラカンが破壊しまくった木々のことで環境保護団体の人に怒られた。ラカンに言うのは怖いようだ。
そして説教で疲れた俺は、今度は警備隊の人に怒られた。敵襲かと思ったらしい。
真夜中まで怒られて宿に帰るとラカンたちは酒盛りをしていた。
ふて寝した。
あとがき
そういえば俺初めはシリアスものを書くつもりだったんだよな。
ダンが強さ的に途中からついていけなくなると思うという意見ですが、同意です。
どうするべきか・・・。
そして、ダンがナギの子供に転生という意見ですが、面白そうなんですがなんかネギとは違って戦争での実戦経験もあったりするぶん、ナギの血筋のチートと合わさって凄いことになりそう。