まえがき
今回はなんというかカオスです。
いってらっしゃいとネギたちに見送られて初出勤。
校長に転移魔法で合流地点まで送ってもらったのだが。
ドドドドド
チュイン
頬が裂け、血がでた。
なんか既にドンパチをやらかしていた。
しかも明らかに悪の魔法使いって感じのやつがいるところと、NGOらしき人達がいるところの間に俺が立っている。
しかも悪の魔法使いは銃を装備している。
NGO?の人たちは物陰に隠れて隙を見ては魔法の射手を打っている。
これ以上ここにいるのは危険だと思い、急いで短距離転移でNGOらしき人たちのところに向かった。
やはりNGOの人たちだったらしい。
そして、事情を聞くと悪の魔法使いたちがNGOの動きを知り先手を打ってキャンプに奇襲を仕掛けてきたらしい。
もちろんそれで簡単にやられるわけも無く交戦していたのだが、やつらは銃を装備しているので近寄ることができなくて戦況は芳しくないとか。
銃は本当に怖い。
魔法みたいに詠唱もいらないから速射性は銃の方が上、連射性もあっちが上、威力も申し分ない。
しかも魔法より速い。
魔法の射手とかだとがんばったら避けれるけど銃の弾はまず見えない。
旧世界の兵器は本当に恐ろしいと思う。
「だが、ダニエル殿が来てくれたのです。
あんな連中を蹴散らす事など赤子の手をひねるようなもの!」
いや、無理。
あんな弾幕張られてたらどうしようもないだろ。
あれ絶対マシンガンとかもあるぞ。
こっちには銃は無いのかよ。
「我々正義の魔法使いはあのような野蛮なものには頼らないのです!!」
あれが野蛮だというのならその手に持ったモーニングスターはなんだ。
中世かここは!
「これでやつらに正義の鉄槌を味合わせることこそ私の至上の喜びであり、生きがいです」
中世の棘付き棍棒VSマシンガン
やばい、勝てる気がしない。
いや、まだ他のメンバーがいるはず。
かすかな希望を持って他のメンバーを見てみた。
その結果他のメンバーも杖以外には、似たりよったりな中世よろしく的な武器しか持っていないということがわかった。
詰んだ。
「ダニエル殿、どうかご指示を!!」
この状況で?
とりあえず退却しようよ。
「正義が悪に背を向けて逃げるなど言語道断です!」
じゃあ、もう突撃でもしてきたら?
正義の魔法使いには悪の魔法使いの銃弾なんか当たらないでしょ。
「なるほど、それは名案です!
全員魔法の射手一斉射の後突撃だ!!」
おおーっとみんなが声を上げた。
ここはいつの時代の戦いをしているんだ。
校長、せめて現代的な場所を選んでくれ。
「放てーーーー!!」という声と共に打ち出した魔法の射手は敵を一瞬ひるませた。
その隙に全員(俺を除く)が物陰から飛び出し敵に向かって走り出した。
杖で空をとぶことすらしない。
もちろん敵もすぐに足並みを揃え直して弾幕を貼り直した。
しかし突撃は止まらなかった。
「正義である我々にこのようなものが当たるはずは無い!!」
リーダーが先頭を突っ走る。
あ、足に弾が当たった。
「ぐっ、我々に当たるはずはない。だからこれは気のせいだ!!」
しかし止まらなかった。
気のせいってなんだよ。
血が出てるし、ズボンが赤く染まりだした。
「おお、燃え盛るような我が魂に当てられて衣類まで赤くなり始めたぞ!!」
だからそれは血だって。
他のメンバーも似たり寄ったりなようで、気のせいとか言う声が聞こえてくる。
悪の魔法使いのほうを見てみると凄く困惑していた。
気持ちはわかる。
こいつらどこの原始人だよ。
「捉えた!!くらえ正義の鉄槌!」
結局最後まで止まることの無かった原始人達の武器は悪の魔法使いたちの脳天に振り下ろされた。
「それにしても、ダニエル殿が来てくださって助かりましたな」
いや、俺なにもしてないぞ。
「ダニエル殿の言うとおり、我々には銃弾なんぞ一つもかすりもしませんでした」
かするどころか直撃してたぞ。
ほら、その足とか・・・・ってうおおお!!
こいつらいつの間にか傷ふさがってる!
銃で打たれた傷が治療魔法無しに1時間もたたないうちに治るってどうよ。
「我々正義の魔法使いが負けるはずが無いと言うことですな」
正義の魔法使いって、お前ら魔法じゃなくてほとんど武器で直接攻撃してただろ。
正義の鈍器使いくらいにしとけって。
あと、縛り上げてる悪の魔法使いたちが頭から血流しながらびくんびくん跳ねるように痙攣してるぞ。
「やつらは心を入れ直しているところなのでしょう」
心入れなおす前に死にそうなんだが。
ちょっと治療魔法かけてくる。
「おお、なんという慈悲深さ!
はずかしながら我々のメンバーは攻撃魔法以外使えない者ばかりなのです」
防御魔法も使えないのかよ!
「私は元々魔法使いとしては落ちこぼれでして、マギステル・マギなんぞ到底目指せるものでもないと思い、仕方なくただひたすらとモーニングスターを振る日々を送っていました。
あの頃はなんで自分はこんな無駄なことをやっているんだろうと思ってばかりいました」
なんでマギステル・マギが目指せなかったら、仕方なくモーニングスターを振ることになるんだ。
無駄だと思うならそこでやめろよ。
「しかし、ふとしたことからNGOに入ってからは、このモーニングスターも振りどころを見つけることができたのであの日々は無駄ではありませんでした」
とりあえず、せめて魔法使おうぜ。
鈍器を使って撲殺する正義の味方とかいないって。
ビジュアル的にまずいものがある。
「ところで、ダニエル殿はどのような鈍器がお好みですか?
うちにはいろいろな種類の鈍器があるので、きっと希望に答えられると思います」
俺はいらないって。
うわ、モーニングスター持たせるな!
返り血がまだべっとりとついてるだろ。
みんなも自分の鈍器とお揃いにしようとか言うな。
そこの女の子、ペア鈍器ってなんだよ!
PS 鈍器からはなんとか解放された。
疲れたので家に帰ることにした。
家に帰ると、ネギが「魔法の射手4本できました」って言ってきた。
笑顔で頭を撫でてあげた。
そしてふて寝した。
あとがき
感想を見ていて、そういやダンのフルネームってなんだっけと自分でも思ったが、よく考えると元から存在してなかった。
まあ、今更だしても仕方ないのであくまでダニエルで。