今日は目的地に向かう途中でキャンプすることになった。
ちなみにキャンプ3日目。
保存食等無し。
いや、俺たちも持てるだけ保存食とか買ってから出発したぞ?
でもラカンとかナギとかラカンとかラカンが馬鹿みたいに食べるからすぐに無くなる。
タカミチとかは少年探偵団のほうの仕事でお留守番なのでいつもより減りは少ないはずなのに。
こういうときは自然にあるものでなんとかするんだけど、そういうときの食事係は俺か詠春さん。
まあ詠春さんは和食とか言う日本料理しかできないから、材料が揃ったときだけで基本は俺の仕事だ。
初めは当番制にしてたんだけど、ラカンとかナギが野生のイノシシやら熊を狩ってきて血抜きもせず内臓をとりだしもせずに丸焼きにするという激まず料理を作るので廃止になった。
「ダン~腹へった」
「もうちょっと待てって」
本日のメニューは川魚の香草焼きと天然の果物。
川魚は無詠唱で発動できる簡単な魔法の雷の一矢を川に叩き込めば簡単に取れる。
たまに魔物みたいなのが怒って出てきてびびるけど・・。
その魚を鱗を落として内蔵抜いたりして、あとはそのへんに生えてる匂いのいいハーブとか香草で包んで焼くというお手軽料理だ。
魚の臭みも取れてなかなかいける。
「できたぞ~」
最近俺の異名に『赤き翼の専属料理人』とか言うのが増えたらしい。
ちなみに、『赤き翼のダニエル氏監修 自然にあるものできるお手軽激うま料理 キャンプ編』13ドラクマでオスティア出版社から発売予定だから買ってくれよな。
「うま」
みんなで食事中なのだが、なぜかラカンがいない。
いつもなら凄いスピードで食べてるはずなのに。
「いや、本当にダンが居てくれてよかったな」
「詠春を除けば他に料理ができるやつがおらんので助かるの」
「まったくだな」
詠春さんにゼクトさん、それにガトウさんがしみじみと言った。
アルのやつはなんかニコニコしていてよくわからん。
時々、この人たちが俺を紅き翼から抜けさせなかったのは料理係が居なくなるからじゃないかと思うことがある。
一度そのことを聞いて見たのだが
ケース1 詠春の反応
「ははは、そ、そんなことあるわけないだろ」
冷汗だらだらでメガネがすこしずり落ちた
「あ、そうだ。今日は巫女さん通信の発売日だったんだ。すぐ買いに行かないと」
すごいスピードで走り去った
ケース2 ゼクトの反応
言った瞬間に瞬動で消えた
ケース3 ガトウの反応
「馬鹿なこと言ってんじゃねえ」
きっぱりと言ってタバコを吸おうとしてるが、咥えてるのが逆な上に手が震えてライターに火がつかない。
ケース4 アルの反応
「ふふふ」
ニコニコとしてるだけだった
いかん、このことは忘れよう。
「ナギ、そういえばラカンはどこにいるんだ?」
「あいつならメインディッシュを取ってくるとか言ってたぜ」
またクマでも狩ってくるつもりなんだろうか。
あんなにでかいと解体するのもめんどうだからやめろと言ってるのに。
結局ラカンが帰ってきたのは30分後だったのだが、狩ってきたのが竜だったのには驚いた。
軽く家より大きな竜を担いで帰ってきた返り血まみれのラカンは「大物だろ?ボリューム満点だな」と言って調理を俺に任せた。
流石に竜の調理法とか知らなかったので、とりあえず血抜きして内蔵取り出したあとに塩かけて丸焼きにした。
案外上手かったので、『自然にあるものできるお手軽激うま料理 キャンプ編』に超上級編というページを増やして竜の丸焼きを載せておいた。
PS ガトウさんの特訓を受けて一ヶ月ほど経ってようやく自分の中の氣の存在が感知できるようになった。
ガトウさん曰く「タカミチのほうがセンスがある」とのこと。
まだ氣を扱えるまでには至らない。
あとがき
人数増えると書き分けが難しい。
ゼクトとか未だに本編でも謎の人だからほとんど登場させれない、ちょい役くらい。