今日は大ピンチ。
各地に散らばった残党のいくつかの集団が裏で話をつけて一斉蜂起。
各地で暴れているので紅き翼も分散して対処することになった。
一番人数が多いところにナギ。
二番目に多いところがラカン。
残りの二箇所の内の一つをアル、もう一つを俺と詠春さんで対処することになった。
しかし、現場に来てみると聞いていたより遥かに敵が多かった。
どうやら残党はぎりぎりまで戦力を隠していたらしい。
「ふはははは、青山詠春!貴様もこれでおしまいだな」
残党のリーダーが言うとおりかなりマズイ状況だ。
襲われている村を守りつつ数十の残党を始末しないといけない。
詠春さんも奮闘しているが、住民のほうにも気を配らないといけないのでなかなか敵を倒せない。
俺?俺はほら、あれだよ。避難誘導。
しばらくして、ようやく避難誘導が終わると詠春さんが全力で戦えるようになり、残党も数を減らし始めた。
俺はおとなしく離れたところから観戦している。
このまま勝てるかに思えたが、敵も最悪の手段をとることにためらいはなかった。
敵は人質をとろうとして、避難した住民に向けて数人が向かっていった。
「卑怯な!」
「我々は俗に言う悪の魔法使いだからな」
それもそうだ。
「ちっ、ダン!俺は住民の方に向かう!足止めを任せた!!」
えっ?
ちょっ、ちょっと待ってよ。
相手がまだ十人くらい残ってるのに。
「頼めるな」
詠春さんが真剣な顔で俺に言った。
流石に住民を放っておく訳にもいかない。
しかし、俺も死にたくはない。
「足止めをしろと言いましたが・・・・別に逃げてしまっても構わないんですよね?」
俺の言葉を聞く前に詠春さんは走り去っていった。
俺は必死に逃げた。
すると、なぜか敵は全員で俺を追ってきたので足止めとしては成功なのだろう。
でも俺の命の危険は増大中。
「このままでは埒があかない、全員一斉に攻撃を仕掛けろ!!」
「ちょっと、それタンマ!!」
敵の魔法が一斉に後方から迫ってきて、どうも避けれそうも無い。
俺死んだな。
そう思った時だった。
敵の魔法の前に誰かが踊り出てはじき飛ばした。
「ダン、待たせたな!」
ナギだった。
どうやら、ナギの方はすぐに終わったのだろう。
しかし、どうしてこっちに来たのか分からない。
連絡をとったわけでもない。
しかし、とにかく俺の命は助かった。
目の前では残党が蹂躙されていた。
あとでナギに話を聞いてみると「なんかダンがピンチな気がした」とのこと。
こいつにはセンサーでもついているのか。
もしかすると、俺がどっかで隠居生活を始めてもセンサーで居場所を突き止めたりするのだろうか。
恐ろしい話だ。
PS 残党の始末も終わり村に戻ると住民にめちゃくちゃ感謝された。
俺も逃げてただけだが、それを見ていない住民からすれば自らの身をかえりみず一人足止めに残ってくれた人らしい。
「映画やアニメのとおりの立派な人」とか言われた。
あと、詠春さんがファンだったとかいう女性に告白されてた。
美人で巨乳な人だったのですごく妬ましかった。
しかし、詠春さんは拒否した。
まあ、初めて会った人だから拒否するのはおかしくないけど、全く興味もなさそうな感じだったので聞いてみると。
「あの子は巫女さんじゃないだろ」と言っていた。
その時の顔が、こいつなに当たり前のこと聞いてくるんだみたいな感じだった。
激しくむかついたので巫女さん通信のバックナンバーをこっそり捨てて置いた。
三日くらい部屋から出てこなかった。
あとがき
詠春はもうだめです。
というか、紅き翼がダメです。
このころはまだネギが先生になる20年くらい前じゃなかったっけ?
ネットで年表とかあったの見るとそうなってた。
あと、最近やる夫にハマッた。
やる夫が~~~のようですとかそういうやる夫の話がおもしろい。