なんか『紅き翼の伝説』とかいう映画がつくられたらしい。
魔法協会監修の大人気の全三部作の映画らしい。
今度小説になって、アニメ化もして漫画化もするということだからびっくりだ。
自分がどんなふうに映画になっているのか気になったので怖いもの見たさで見に行ってみた。
びっくりした。
なんかナギが魔法学校を主席で卒業したことになってた。
しかも卒業式での俺とナギの会話がすごかった。
ナギが「俺は、自分の力を世界中の救いを求める人々のために使いたい」とか言って
俺が「なら俺がお前の翼となり、救いを求める人々のもとへ誘おう」とか言ったことになっていた。
これが紅き『翼』の始まりだとか。
なにこのダニエル(笑)君。
俺が故・魔眼(笑)を手に入れるシーン
なんか、力不足によって目の前で守るべき人(一般人)を死なせてしまった俺が、悪の魔法使いの召喚した悪魔を倒した後に取引したことになってた。
「くくく、正義の魔法使いが悪魔の力を身に宿すと言うのか」
「この身が闇に染まろうと、地獄に堕ちることになろうと構わない!
それで一人でも多くの人を救うことができるというのなら、俺は喜んでこの身を差し出して見せる!!」
「・・・・よかろう。ならば闇の力を受け取るがいい」
「ぐあああああああ!!」
絶叫をあげて右目を抑えるダニエル(笑)
そして、しばらくすると痛みも収まったのか右目から手を離す。
すると、真っ赤になった右目があった。
「闇の力に耐えたか・・・・。
真実の強さを持った正義の魔法使いよ、その力で望みを叶えてみせよ!!」
そう言って悪魔が消え、一人佇む俺が「もう、誰も死なせない」と言ったらしい。
俺が捕虜になってたシーン
「なぜ、わざと捕まった」と隊長さんが言う。
「この右目が、お前の中に渦巻く悲しみを、怨嗟の声を届けてくれてな」と、ダニエル(笑)は右目から涙を流しながら言う。
そっからダニエル(笑)が復讐はいけない的な説教を続ける。
なぜか、それに感動した隊長さんが改心するという事になっていた。
かなりむかついた。
そして決戦前夜。
ナギと俺が会話したことになってた。
実際はナギが酔いつぶれていたので会話なし。
「明日で全てが終わるんだよな」とナギがダニエル(笑)に声を掛ける
「ああ」
「卒業式の日に俺とお前の二人で始まった紅き翼。
ただ始めはがむしゃらに助けてきただけだった、救えなかった命もある。
それが気づけばこんなところまで来ている、世界を救おうってところまでだ」
「そうだな、全てはあの日に始まったんだったな。
俺には、あの日がまるで昨日のように感じるよ」
「俺も同じだ。
なあ、俺たちは負けないよな」
「ふっ、当然だろ?
俺たちは負けない、そして明日世界は救われる。
俺たちだけじゃない、みんなの力でだ」
そう言って星を見ながらグラスを軽く打ち合わせて酒を飲む俺たち。
俺が置いていかれて目が覚めたシーン
悪の魔法使いたちが進軍するナギたちに奇襲をかけようとするのを見越して残っていたダニエル(笑)が止めに入る。
「貴様、まさか我らの奇襲を見越していたと言うのか」
「なに、嫌な予感がしただけだ」
「くっ、貴様一人で何が出来る!貴様を倒せばなんの問題も無い」
「ここは通さない、あそこにいるのは世界の希望だ。
それをお前たちのような連中に傷つけられては堪らないからな」
そして一人戦うダニエル(笑)。
もちろん奮闘して勝利。
そして転移魔法で合流。
どこに行ってたんだと問うナギ達に「なに、ちょっとした野暮用だ」と言う。
そして最終決戦。
悪の魔法使いの本拠地に乗り込んだ俺たち。
そこに出てくる敵たち。
全て倒しつつ進む俺たちだが、ラスボスを前に大変な事になる。
空中王宮が敵の策略で堕ちていく。
「ふはははは、オスティアの象徴である空中王宮を堕とせば民の希望は~~~~」とか親玉が言い始める。
親玉の相手をしないといけないのにどうすればいいんだと困惑する俺たち。
そして、ダニエル(笑)が魔法石のところに向かうことに。
魔法石を前に故・魔眼(笑)【赤目バージョン】を解放する俺。
「オスティアの人々の希望を壊させるわけにはいかない」とか言って、右目が力に耐えきれずに潰れるのも構わず魔力を注ぐ。
そして、空中宮殿は完全崩壊することはなく地面に降り立つ。
そして、それと同時にナギ達が親玉を倒す。
世界は救われた。ハッピーエンド。
こいつはフィクションだとかそんな甘っちょろいもんじゃ無かった。
他のみんなもあり得ないくらいカッコよかった。
まあ、ラカンが馬鹿なのは知られすぎてるから流石に修正入ってないけど、それでもかっこいいキャラになってた。
完全なる世界のこととかはいろいろと問題があるのか、敵は悪の魔法使いという設定で、世界征服が目的になってた。
他にもいっぱい修正があって、アリカ様とかの部分も削除してあったりした。
オスティアが滅んだのも悪の魔法使いと裏切り者のせいになってた。
頭をプロパガンダという言葉がよぎったが、難しいことはアル担当なので考えないことにした。
PS このことをみんなに話すと、ちょっと見てくると言ってみんな街に向かっていった。
帰ってくるとラカンが大爆笑。特に俺の部分で。
ナギは「そんなにダンのこと違ってたか?」とか言っていた。
こいつは記憶を改竄しているようだ。
アルと詠春さんなんかは難しい顔をして話し込んでいた。
それからというものの、下手に人のいるところに行くと勘違いしてる人たちに囲まれたりするので変身魔法の精度があがるまでは自重することにした。
しばらくすればここまでの熱狂は収まるだろうとアルが言っていた。
PS2 テオドラから手紙が届いた。
「映画マジ笑ったのじゃ」と書かれていた。
即刻破り捨てた。
PS3 両親からも手紙が来た。
「あなたは私たちの誇りよ」とか書かれていた。
実家にいた頃は俺には才能が無いとか言ってたし、俺が旅に出ても探してる気配すらなかった。
昔、一度手紙を出したのだが「お前みたいなのは息子じゃない」と書かれていたことがある。
俺は実家には二度と帰らないことに決めた。