最悪の目覚めだった。
ナギと旅に出ることになってしまった数年前の夢を見た。
結局あれからナギと旅をすることになっていろんなところに行って事件に巻き込まれ、たくさんの人に出会い事件に巻き込まれた。
そして現在は、なんだか戦争に巻き込まれてる。
俺の人生終わったな。
旅を続けるうちにナギ絡みでぽんぽんと仲間が増えて、仲間にも引っ張られて連れて行かれていろんなことに巻き込まれてるうちに、紅き翼のメンバーとして俺も世間に公認されてしまった。
いや、俺は化け物みたいな強さの仲間がある程度増えた時点で「足手まといになるから、ここでお別れだ」みたいなこと言って颯爽とナギ達と別れようとしたんだぞ?
そしたら、ナギのやつがまたいつもの調子でさ。
みんなもなんだかんだで俺のこと抜けさせてくれなったし。
むしろ、「俺たちが鍛えてやるから大丈夫」とか言ってきたし。
まあ、そこで強引にでも抜けなかったのが俺の最大の失敗だな。
今となっては紅き翼の一人として見られるようになったせいで、ナギ達と別れると紅き翼に恨みを持つやつら(めちゃくちゃいる)に狙われる。
これでナギからは逃げられなくなった。
あ、そうそう。
旅立ちと言ったら、結局俺たち出発から2日後に森の中で魔法犯罪者に出会ったんだよ。
しかも賞金が3万ドルくらいついてる大物。
それも咸卦法を使うようなやつに、まあ当時はそんな技術知らなかったから魔力による身体強化だと思ってたんだけど。
そいつと出会ったときは死ぬと思った。
3万ドルとかかなりの大物だぞ。
しかも賞金首になった理由は大量殺人だったらしい。
殺しが三度の飯より好きとか言う変態だった・・・・変態だったが強かった。
出会いがしらのそいつのパンチ一発でナギが吹っ飛ばされた。
吹き飛ばされたナギが木を数本へし折ってようやく止まったのを見て、さすがのナギでも死んだと思った。
しかし当のナギは「鼻血がでたじゃねえか!!」とか言いながら平然と起き上がった。
そしてナギは「しかしすげえパンチだな。ただの身体強化じゃないのか・・・確かこんな風にしてたな」とか言いながらあっさりと咸卦法を使った。
あれには賞金首も唖然としてた。
もちろん、そこからはスーパーナギタイムでずっとナギのターンだった。
俺?俺は木陰でぷるぷるしてたよ(笑)
まあ、こんな感じでナギと一緒にいれば危険なことに巻き込まれる頻度が異常なくらい高くなるんだけど、結局はナギが超人パワーでなんとかしてしまうので死ぬことは無かった。
でも、やっぱり死にそうな怪我をしたりすることはあるので(主に俺というか9割以上俺が)ナギは疫病神だ。
そんな俺の姿を見て、タカミチとかガトウさんとかは時々同情のこもった視線をくれる。
いつになったらナギから解放されるんだろう・・・。
「ダンーーーー!!」
おい、ドアは蹴破るものじゃないといつも言ってるだろ。
「で、今日はどんな厄介ごとだ?」
「ついにできたんだって!!」
「は?」
「お前の始動キーだって!!」
いや、俺の始動キーは『マキコマレ』だろ。
あっ、ちなみに始動キーは結構大切なものだ。
個人個人相性のいい言語体系や語幹なんかがあったりしてそれによって魔法自体の威力や精密さも変わってくる。
そして、長く作れば作るほどにその効果は増す。
まあその分、速射性が落ちるんだけどな。
え?どれでも変わらないなんてわけないだろ。
どれでも変わらないなら誰だって「あ」とか「い」とかみたいに可能な限り短くするだろ。
「少しでもお前のレベルアップの助けになろうと思って、ずっと前からアルと考えてたんだ」
アルとナギのコラボとか、どう考えてもいいこと無さそう・・・・
「いや、気持ちは嬉しいがえんr「わかってるって。変えたりするといざってときに前のやつと間違えるかもしれないってんだろ?そこも考えてるぜ!!」」
「いや、だから話を聴けと」
「アルに始動キー絶対固定化の魔法を作ってもらったんだ!
詠唱しようとすると勝手に固定した始動キーを言ってしまうらしいから間違える心配は無い!解除はできないけど、問題ないだろ」
「いや、問題しかない!!」
俺はナギを止めようと急いでナギに飛び掛った
「うんたらかんたら・・・・・・始動キー絶対固定化!!」
結果、間に合わなかった。
光に包まれた俺はなにかが作り変えられて固まるのを感じるのと同時に、非情に嫌な予感がしていた。
「さあ、さっそく試して見ようぜ!」
だから引っ張るな
外に出た俺たちはさっそく試しうちをしてみることに。
「なあ、ナギ。どんな始動キーなんだ?」
「覚えてないけど、アルが「完璧です。これなら彼との相性も抜群で、なによりお似合いです」とか言ってたから心配するな」
そこはかとない不安を感じながらも手を空に向ける。
「ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッ・ロリッ。光の一矢」
空に向けていつもより力強い一筋の光が伸びていく。
「おお!かなり強くなってるじゃねえか!」
「・・・・・・ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッ・ロリッ。闇の一矢」
「やっぱだいぶ違うなぁ」
「・・・・・・・・・・・ロリ・ロリ・ロリータ・ロリッ・ロリッ。炎の一矢」
「ははっ、そんなに何度も試したくなるほど気に入ったのか?」
死にたい。
もう人前で詠唱魔法を使えなくなった。
「おいダン。もう部屋にもどるのか?」
とりあえず寝よう。
PS
一身上の都合により魔法がほぼ使えなくなったのでガトウさんに氣の使い方を教えてもらうことにした。