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赤松健SS投稿掲示板


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No.10422の一覧
[0] 【完結】せせなぎっ!! (ネギま・憑依・性別反転)【エピローグ追加】[カゲロウ](2013/04/30 20:59)
[1] 第01話:神蔵堂ナギの日常【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:53)
[2] 第02話:なさけないオレと嘆きの出逢い【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:54)
[3] 第03話:ある意味では血のバレンタイン【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:54)
[4] 第04話:図書館島潜課(としょかんじませんか)?【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:54)
[5] 第05話:バカレンジャーと秘密の合宿【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:55)
[6] 第06話:アルジャーノンで花束を【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:55)
[7] 第07話:スウィートなホワイトデー【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:55)
[8] 第08話:ある晴れた日の出来事【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:56)
[9] 第09話:麻帆良学園を回ってみた【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:56)
[10] 第10話:木乃香のお見合い と あやかの思い出【改訂版】[カゲロウ](2013/04/30 20:56)
[11] 第11話:月下の狂宴(カルネヴァーレ)【改訂版】[カゲロウ](2012/06/10 20:50)
[12] 第12話:オレの記憶を消さないで【改訂版】[カゲロウ](2012/06/10 20:50)
[13] 第13話:予想外の仮契約(パクティオー)【改訂版】[カゲロウ](2012/06/10 20:51)
[14] 第14話:ちょっと本気になってみた【改訂版】[カゲロウ](2012/08/26 21:49)
[15] 第15話:ロリコンとバンパイア【改訂版】[カゲロウ](2012/08/26 21:50)
[16] 第16話:人の夢とは儚いものだと思う【改訂版】[カゲロウ](2012/09/17 22:51)
[17] 第17話:かなり本気になってみた【改訂版】[カゲロウ](2012/10/28 20:05)
[18] 第18話:オレ達の行方、ナミダの青空【改訂版】[カゲロウ](2012/09/30 20:10)
[19] 第19話:備えあれば憂い無し【改訂版】[カゲロウ](2012/09/30 20:11)
[20] 第20話:神蔵堂ナギの誕生日【改訂版】[カゲロウ](2012/09/30 20:11)
[21] 第21話:修学旅行、始めました【改訂版】[カゲロウ](2013/03/16 22:08)
[22] 第22話:修学旅行を楽しんでみた【改訂版】[カゲロウ](2013/03/16 22:08)
[23] 第23話:お約束の展開【改訂版】[カゲロウ](2013/03/25 20:57)
[24] 第24話:束の間の戯れ【改訂版】[カゲロウ](2013/03/16 22:09)
[25] 第25話:予定調和と想定外の出来事【改訂版】[カゲロウ](2013/03/25 20:57)
[26] 第26話:クロス・ファイト【改訂版】[カゲロウ](2013/03/16 22:10)
[27] 第27話:関西呪術協会へようこそ【改訂版】[カゲロウ](2013/03/25 20:58)
[28] 外伝その1:ダミーの逆襲【改訂版】[カゲロウ](2013/03/25 20:59)
[29] 第28話:逃れられぬ運命【改訂版】[カゲロウ](2013/03/25 20:59)
[30] 第29話:決着の果て【改訂版】[カゲロウ](2013/03/25 21:00)
[31] 第30話:家に帰るまでが修学旅行【改訂版】[カゲロウ](2013/03/25 21:01)
[32] 第31話:なけないキミと誰がための決意【改訂版】[カゲロウ](2013/03/30 22:10)
[33] 第32話:それぞれの進むべき道【改訂版】[カゲロウ](2013/03/30 22:10)
[34] 第33話:変わり行く日常【改訂版】[カゲロウ](2013/03/30 22:11)
[35] 第34話:招かざる客人の持て成し方【改訂版】[カゲロウ](2013/03/30 22:12)
[36] 第35話:目指すべき道は【改訂版】[カゲロウ](2013/03/30 22:12)
[37] 第36話:失われた時を求めて【改訂版】[カゲロウ](2013/04/06 21:54)
[38] 外伝その2:ハヤテのために!!【改訂版】[カゲロウ](2013/04/06 21:55)
[39] 第37話:恐らくはこれを日常と呼ぶのだろう【改訂版】[カゲロウ](2013/04/06 22:02)
[40] 第38話:ドキドキ☆デート【改訂版】[カゲロウ](2013/04/06 21:58)
[41] 第39話:麻帆良祭を回ってみた(前編)【改訂版】[カゲロウ](2013/04/06 21:57)
[42] 第40話:麻帆良祭を回ってみた(後編)【改訂版】[カゲロウ](2013/04/06 21:57)
[43] 第41話:夏休み、始まってます【改訂版】[カゲロウ](2013/04/12 20:04)
[44] 第42話:ウェールズにて【改訂版】[カゲロウ](2013/04/12 20:05)
[45] 第43話:始まりの地、オスティア【改訂版】[カゲロウ](2013/04/12 20:05)
[46] 第44話:本番前の下準備は大切だと思う【改訂版】[カゲロウ](2013/04/12 20:06)
[47] 第45話:ラスト・リゾート【改訂版】[カゲロウ](2013/04/12 20:06)
[48] 第46話:アセナ・ウェスペル・テオタナトス・エンテオフュシア【改訂版】[カゲロウ](2013/04/21 19:20)
[49] 第47話:一時の休息【改訂版】[カゲロウ](2013/04/21 19:21)
[50] 第48話:メガロメセンブリアは燃えているか?【改訂版】[カゲロウ](2013/04/21 19:21)
[51] 外伝その3:魔法少女ネギま!? 【改訂版】[カゲロウ](2013/04/21 19:22)
[52] 第49話:研究学園都市 麻帆良【改訂版】[カゲロウ](2013/04/21 19:22)
[53] 第50話:風は未来に吹く【改訂版】[カゲロウ](2013/04/21 19:23)
[54] エピローグ:終わりよければ すべてよし[カゲロウ](2013/05/05 23:22)
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[10422] 第21話:修学旅行、始めました【改訂版】
Name: カゲロウ◆73a2db64 ID:552b4601 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/03/16 22:08
第21話:修学旅行、始めました



Part.00:イントロダクション


 今日は4月22日(火)。

 ナギ達は今日から4泊5日で京都へ修学旅行の予定である。
 ちなみに、本日の予定は以下の通りになっているが、
 世の常として予定通りに事が進むとは限らない。

  09:00 大宮駅に集合
  09:50 あさま506号に乗車
  10:16 東京駅着
  10:26 ひかり213号に乗車
  12:59 京都駅着
  14:00 清水寺を見学(16:00終了)
  16:30 旅館に向けて出発
  17:00 旅館着

 まぁ、予定通りに進む可能性もない訳ではないが。



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Part.01:修学旅行に向けて


 現在時刻は8:30。集合時間までは まだ充分に余裕がある時間だ。
 だが、イベント事のお約束として大宮駅には ほとんどの生徒が集合していた。

(まぁ、普段なら時間ギリギリに来るタイプのオレが言えた立場ではないけど)

 もちろん、ナギは修学旅行が楽しみだから早めに来た……訳ではない。
 ネギの『モーニングコール』で叩き起こされたうえに急かされただけだ。
 ナギとしては もうちょっと惰眠を貪りたかったが できなかったのだ。

「おはよっす、神蔵堂――って、朝っぱらから暗いけど、どーしたんだ?」

 ナギが「言っても無駄だが、心の平穏のために言わざるを得ない愚痴」を心中で呟いていると、
 クラスメイトにして同じ班のメンバーである、サッカー部の田中が話し掛けて来た。
 既に何度も出ているので、サッカー部の田中と言う紹介だけで最早 説明の必要はないだろう。

「いや、あんまり眠れなかっただけだから大丈夫だよ」

 さすがに「心の中で愚痴ってました」なんてことを言える訳が無いので、ナギは事実のみを田中に告げる。
 気遣われたことは嬉しくない訳ではないのだが、だからと言って正直に事情を話す訳にはいかないのだ。
 と言うか、ネギ云々の話をしても、妬まれるか生暖かい同情をされるか なので話さない方が賢明なだけだが。

「そっかぁ。神蔵堂でも修学旅行は楽しみなんだなぁ」
「ん~~(微妙に違うけど)、まぁ、そう言うことかな」

 どうやら田中は「ナギが興奮して眠れなかった」と解釈しているようだが、ナギは敢えて訂正しない。
 何故なら、訂正するのが面倒だからだ。と言うか、訂正しようにも うまい言い訳が思い付かないのだが。
 下手な言い訳をして薮蛇になるくらいなら、多少 不本意でも勘違いされたままの方がいい と言う判断だ。

「それはともかく、他の班員は? みんな来てるの?」

 やや強引な気はするが、いつまでも引っ張る話題でもないので、ナギは話題を変える。
 ちなみに、ナギが他の班員のことを気にしたのはナギが班長だからだ。他意はない。
 班長にされたこと自体は不本意だが、それでも最低限の責任は全うするのがナギなのだ。

「うん、もう来てるよ」

 ナギの意図(寝不足の話題を続けたくない)を察したのかは不明だが、
 田中は強引な話題の転換を気にすることなくナギの問い掛けに答える。
 ナギが ちょっとだけ田中に感謝したのは、ここだけの秘密である。

「そっか。じゃあ、ヒゲグラに報告して来るよ」

 ナギは一応の確認のために田中の視線を追って班員の姿を確認した後、神多羅木に班員が揃ったことを報告しに行く。
 本来は点呼の時に報告すればいいことだが、ナギの場合は神多羅木に話があるので今のうちに報告して置くのだ。
 そう言う意味では、神多羅木と話していても違和感を持たれないので班長にされたことは都合がいいのかも知れない。

 ところで、今まで後回しにしていたが……いい加減に ここら辺で班員の紹介をして置こう。

 まず、わかりきっているところから紹介して行こう。つまり、サッカー部の田中である。
 敢えて紹介して置くと、フルネームは「田中 利彦(たなか としひこ)」と言って、
 ニックネームは当然ながら「トシ」だ。噂では、超高校級のシュート力を持っているらしい。
 将来は「東洋の大砲(オリエンタル・キャノン)」とか言う異名も頂戴することだろう。
 ちなみに、ホワイトデーの時に告って玉砕したと思われていたが、告る前に自爆したらしい。

 そして、次は初出となる「平末 和弘(ひらまつ かずひろ)」だ。

 名前でピンと来た人もいると思うが、田中の親友で天才的なサッカーセンスを持つらしい。
 しかも、頭脳明晰で運動神経も優れているうえルックスも良い と言う高スペックを誇る
 のだが……残念と言うか何と言うか、そのすべてを台無しにする『性癖』を持っているようだ。
 まぁ、もったいぶっても仕方が無いので身も蓋も無く言うと、田中の後ろの穴を狙っている感じだ。
 もちろん、田中は そのことに気付いていない。だからこそ、親友関係を築けているのだろう。
 まぁ、薄氷の上を歩む友情ではあるが、これも性春――ではなく、青春だろう。多分、きっと、恐らくは。

 さて、そんな訳で次に進むが……次の人物も初出ながらも名前でピンと来るだろう。

 まぁ、わかる人には予想通りな人物、「白井 憲次(しらい けんじ)」である。そう、白井氏だ。
 メタになるが、当初は無理矢理臭い名前(四良石)だったけど、改訂を機に名前を変更したのである。
 では、紹介を続けよう。白井氏もサッカー部に所属しており、田中・平末と仲が良いらしい。
 ……ここで説明が終われば「そのまんま」だけど、ここで説明が終わらないのがミソである。
 何と、白井氏は野性味に溢れたナイスガイなのだが、重度のロリコンで田中の妹を狙っているらしい。
 もちろん、田中は気付いていない。普通に面倒見がいいだけだと思っているので、友情を育めるようだ。

 そんなこんなで、サッカー部トリオについては深く触れないのが賢明だろう。

 そのため、いろいろとツッコミたい気持ちを抑えて他の班員の紹介に移ろうと思う。
 まぁ、そうは言っても、他の班員達は既出なので、大した紹介はしないが。

 そう、他の班員はフカヒレと宮元である(と言うか、他に既出な男子生徒はいない)。

 フカヒレも紹介の必要は無いだろうが、せっかくなので紹介しよう。本名は「鮫島 新一(さめしま しんいち)」と言うのだが、
 最近ではフカヒレと言う呼称が定着した(呼び始めたのはナギだが広めたのは宮元)ため、フカヒレとして認識されるようになったらしい。
 どうやら本人は「シャーク」と呼ばれたかったようだが、それはそれで微妙なので まだネタにできるフカヒレで定着した と言う噂だ。
 まぁ、そこら辺は置いておくとして……紹介を続けると、結構な情報通でサッカー部トリオの裏事情をナギに教えたのはフカヒレである。
 特に平末の『性癖』についての情報は いろいろな意味で とても有り難かったので、ナギはコッソリとフカヒレに感謝しているらしい。

 最後に、宮元についてだが、やはり「長髪でケツアゴでアツ苦しい」と言う紹介しか思い浮かばない。

 あとは、口癖が「イヤオォオオ!!」と言うことや意外とメンタルが弱いことも紹介すべき事柄かも知れないが、
 元ネタがわからない人が圧倒的に多いだろうから、何を言っているのかサッパリ意味がわからないことだろう。
 だが、元ネタがわからなくても特に問題はないので安心して欲しい。何故なら、宮元は重要なポジションではないからだ。

 と まぁ、そんな訳で班員の紹介は終わった訳だが……果たして、こんな紹介でよかったのだろうか?

 18話Part.02で紹介するのをサボったツケを払う必要があったので紹介自体はしなければならなかったのだが、
 酷いメンツと表現してしまっただけに、もっと酷いメンツを期待されていたら少し微妙かも知れない。
 だが、ナギと亜子の関係を考えると田中は田中で大変だし、田中が絡むと平末も平末で大変だし、
 ナギがロリコンと誉れ高くてネギやエヴァと交友のあることを考えると白井氏も白井氏で大変だし、
 交換条件で のどかの情報を求めて来たことを考えるとフカヒレもフカヒレで大変な気がしてならないし、
 メイド萌えを公言して憚らない宮元が茶々丸のメイド姿を見たかも知れないので宮元も宮元で大変に違いない。

 と言うか、冷静に考えてみると、ナギを含めて大変なメンツしかいないのではないだろうか?


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―― ネギの場合 ――


 え~~と、言うまでも無いでしょうけど……今日からの修学旅行、ボクはちょっと複雑なんです。

 そりゃ、ナギさんと一緒に旅行できるのは素直に嬉しいですよ?
 旅行は新しい一面が見えたりしますし、思い出も作れますからね。
 ですが、旅行中にコノカさんの御実家にお邪魔する必要があるので、複雑なんです。

 あ、いえ、コノカさんは「日本でのzお姉ちゃんみたいな存在」ですから、コノカさんの御実家にお邪魔すること自体は別に問題じゃないですよ?

 ただ、それが「ナギさんがコノカさんの婚約者としてお邪魔する」ので、問題なんです。
 い、いえ、きっと、ナギさんは拒否したら「コノカさんの恋人の振りをしたことがバレる」とか、
 もしそうなったら「コノカさんが またお見合いさせられて困るのではないか?」とか、
 そう言ったことを危惧したから受けたんでしょうけど……それでもボクの胸中は複雑です。

 それに、ボクとナギさんに課せられた「特使としての任務」も困ったものなんです。

 実は、これって「ボクの課題の一環」としか思えないうえに一般人を危険に巻き込む可能性が高い内容ですので、
 エヴァンジェリンさんの時(13話)に学園長と結んだ「今後は一般人を巻き込むような課題は控える」と言う『契約』を使えば拒否できたんです。
 ですが、『ナギさんが』受けてしまったために「ボクの課題の一環」とは言えなくなり、それ故に拒否ができなくなっちゃったんです。
 きっと、ナギさんにはボクには窺い知ることもできないような、深慮遠謀に富んだ考えがあるんでしょうけど……
 ナギさんを危険に晒したくないボクとしては「特使としての任務」を断って欲しかったのが偽らざる心情なんです。

 ですから、せめてできることをしよう、と思ったんです。

 そのために、危険に備えて魔法具を用意しました(ナギさんに頼まれたからでもありますけど)。
 そのために、早めに起きてナギさんを『念話』で起こしたりしました(ナギさんはお寝坊さんなんです)。
 まぁ、正直に言うと、下心が無かった訳ではありません。やっぱり、ナギさんに誉めてもらえるのは嬉しいですからね。
 ですが、ナギさんのお役に立ちたい と思う気持ちはウソではありません。それだけはウソである訳がありません。
 ボクは心の底からナギさんの希望を叶えたいと考えていますし、ナギさんを邪魔するモノすべてを取り除きたいと考えていますから。

 言うならば、すべてはナギさんの御心のままに……ですね。


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―― 刹那の場合 ――


 はぁ、ついに始まってしまいましたね、修学旅行。

 お嬢様と共に公然と過ごせるのは嬉しいんですが、西の反東派達の動きが心配です。
 腐っても西に所属しているのだから、お嬢様に手荒な真似はしないとは思いますが……
 それでも、何かの間違いでお嬢様が怪我を負ってしまう可能性がない訳じゃないです。

 もちろん、別に那岐さんを心配していない訳じゃないですよ? 那岐さんも心配ですよ?

 ただ、那岐さんは事情を知っているうえに危険を承知で修学旅行に参加していますから、
 きっと私なんかが考えも付かないような『凄い対策』を用意している筈ですから、
 事情も危険性も理解していない お嬢様よりは、心配じゃないと言うか、そんな感じなんです。

 むしろ、私なんかがヘタに心配したら、「心配すんな」って怒られちゃいそうです。

 更に言うと、逆に「そんなせっちゃんの方が心配なんだけどねぇ」とか苦笑してくれる気がしますね。
 そしてそして、私が「だから、せっちゃんて呼ばないでください」とか怒った振りをすると、
 那岐さんは私をからかうように「だって、せっちゃん は せっちゃん じゃん」とか言って……

 って、私は何を考えているのでしょうか?

 私の任務は お嬢様と那岐さんを お守りすることであり、
 那岐さんとキャッキャウフフな会話をすることじゃありません!!
 そりゃあ、そう言った会話で気分転換することも時には大事ですけど、
 だからと言って、そんな浮ついた心ではお二人を守れる訳がありません!!

 あの時、私は この身に代えてもお二人を守ると誓ったのですから……


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―― のどかの場合 ――


 最近、何だか影が薄いような気がしますが……別に何もしていなかった訳じゃないですよー?

 今回の修学旅行で『決定打』を打つために暗躍――もとい、事前準備を入念にしていましたからねー。
 これでナギさんもイチコロって言うか、ライバル達を一網打尽って感じでナギさんをゲットできる予定ですよー。

 だから、この修学旅行を手薬煉引いて待っていたって感じですねー。

 最近の周囲の動向を見ていると、桜咲さんが再び要注意になってますからねー。
 ここら辺で決着を付けて置かないと、心配で心配でナギさんを監禁したくなっちゃいますよー。
 さすがに監禁は『最終手段の一歩手前』ですから、できるだけ穏便に片付ける予定ですー。

 あ、念のために言って置きますけどー、私は束縛するよりもされたい方なので、本当は監禁はしたくないですよー?

 ただ、ナギさんを他のコに盗られるくらいならば、そんな手段も辞さないと言うかー、
 何て言うか「私のものにならないならいっそのこと……」って感じですからねー。
 もちろん、『それ』は『最終手段』ですので、最悪でも監禁に止めておくつもりですけどー。

 まぁ、桜咲さんも魔法関係者っぽいので、その関係で親しいだけかも知れませんけどねー?

 それでもー、念には念をって言いますからねー、
 桜咲さんを注意して置くに越したことは無いですねー。

 ……当然ですけど、ココネちゃんも春日さんもエヴァンジェリンさんも、そして いいんちょさんも要注意ですよー?



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Part.02:事件は唐突に


 唐突に背筋がゾクッとしたナギは「もしかして、風邪でもひいたのかな?」などと暢気に構えていた。

 さすがに「もしかして、悪寒を感じたのかも知れないなぁ」とか言う想定はしなかったようである。
 それが普通の反応だろう。いくら何でも「痴情の縺れで殺されるかも?」とは想定しない筈だ。
 まぁ、ナギの女性関係を考えると想定して然るべきかも知れないが、それは気にしないで置こう。

 むしろ、ナギにはやるべきことがたくさんあるので、サッサと話を進めるのが吉だろう。

「クックックッ……これで終わりだ。観念しろ、神蔵堂!!」
「甘い!! トラップカード発動!! 『恐怖のカエル地獄』!!」
「な、なんだってーー!? このタイミングで それかよ?!」

 勝利を確信していたフカヒレに対し、ナギは『場』に伏せてあったカードを引っ繰り返すことで起死回生の一手を打った。

 言うまでもないだろうが、これが「ナギのやるべきこと」である訳がない。
 フカヒレにカードゲームを挑まれたので、仕方なく相手をしているのである。
 ちなみに、ゲームは『マジック・ザ・ハンティング』と言う名前らしい。

「クックックッ……『梅雨時のメモワール』が仇となったな?」
「くっそーー!! またもやハメられたぁああ!!」

 どうでもいいが、ナギの言葉の意味は「先程フカヒレが発動したトラップをトラップで逆襲した」と言うことである。
 単にトラップを発動するだけよりも相手のトラップを利用した方が、威力も精神的ダメージも大きいので癖になりそうだ。
 まぁ、「下げてから上げる」の逆用で「上げてから下げる」のも効果的である と言うことだろう。地味に酷い話だが。

 ところで、このゲームの名称が いろいろと秀逸過ぎる件には触れてはいけないに違いない。

「くっそ~~。神蔵堂、お前ちょっと強過ぎだ。もっと手加減しろ、手加減」
「手加減はいいけど……とりあえず、カードを使うタイミングを考えたら?」
「いや、これでも考えているんだぜ? デッキもコンボしやすい構成にしてるし」

 何だか14話Part.02で同じようなセリフを聞いたことがあるが、ナギは敢えて気にせずに話を進める。

「いや、引いたカードを そのまま使い過ぎだと思うけど?」
「でもさぁ、ゲームには『流れ』ってもんがあるだろ?」
「だから、その『流れ』に備えて手札を残して置くんでしょ?」
「いや、でも、いつ来るかわからん『流れ』を待つのはなぁ」
「まぁ、その気持ちは わからないでもないけどねぇ」

 そこを待てないからトラップに引っ掛かるのだろう。と言うか、ナギとしては『流れ』は誘導するものなのでピンと来ない。

 そんな どうでもいいことを話していると、女子車両の方から「キャーー!? カエルーー?!」と言う悲鳴が上がった。
 まぁ、考えるまでもなく、原作にもあった西側の反乱分子による妨害工作(と言うか、ただのイヤガラセ)だろう。
 ちなみに、『女子車両』と表現したように、男子と女子の座席は車両そのものが別れているので甘酸っぱさは皆無である。

「……どうやら、女子の方で何かあったようだね」
「いや、落ち着いている場合じゃなくね?!」
「そう? 何かあってもヒゲグラとかがどうにかするでしょ?」
「そ、そりゃそうかも知れないけどさ!!」
「それに、オレ達に何ができるのさ? 下手すると混乱を助長するだけだろ?」
「まぁ、確かに その通りだけどさ……」
「それとも何? まさか、野次馬でもしたいの?」
「い、いや、そんな訳じゃないさ!!」
「だったら、ここは教師達に任せてジッとして置くべきだよ」

 最初は取り乱していたフカヒレだったが、ナギの言葉を聞いているうちに どうにか落ち着く。

 ちなみに、ナギ達の会話を聞いていた周囲の男子達も落ち着いたようだが……
 亜子だと思われる悲鳴もあったからだろう、田中は速攻で女子の方に行ってしまった。
 想定の範囲内でしかないナギにとっては、田中が余計なことをしないか の方が心配なくらいだ。

「ってことで、オレはトイレに行って来るから」

 ナギとしても どう言うことなのか はわからないが、このまま座席に留まっている訳にはいかないので仕方がない。
 まぁ、女子車両とは逆の方向に向かったので「トイレに行く振りして女子車両の様子を見に行った」とは思われないだろう。
 とは言え、男子までパニックに陥ることを避けたかっただけなので、今更そう思われてもナギに不都合はないのだが。

 もちろん、ナギは実際にトイレに行く訳ではないのは言うまでもないだろう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


―― ネギの場合 ――


 先程、突然 列車内にカエルが大量に発生しました!!
 具体的に言うと、108匹もいました!! 大漁です!!
 あ、何で数がわかるのかと言うと、捕まえて数えたからです。

 ちなみに、ボク一人で捕まえた訳じゃないですよ? クラスの皆さんや先生達と一緒に捕まえました。

 ところで、その際にササキさんが「カエルは凍らせなきゃ!!」とか言っていたんですけど、
 アレは何だったのでしょうか? もしかして、日本には そう言った風習があるのでしょうか?
 ボクの知っている風習だと、カエルはお尻からストローを突っ込んで膨らませる筈ですけど……

 って、話が逸れましたね。

 まぁ、そうは言っても、そもそも本題はカエルが大量発生したことではありませんが(あくまでも前振りです)。
 だって、カエル騒ぎが終結した隙を狙われて「ボクが持っていた親書」を、敵の『式神』と思われる燕に奪われたんですから。
 そっちの方が大事と言うか、本題はそっちで蛙騒ぎは本題の前振りでしかない とわかっていただけたと思います。

 ちなみに、何で こんなに落ち着いているのかと言うと、正確には「奪わせた」って言った方が正しいからです。

 ナギさんから事前に受けていた「魔法的なトラブルが起きた時は『親書』を確認し、敢えて奪わせろ」と言う指示の通りです。
 それと「奪われた後は適当に追い駆ける振りをしろ」と言う指示も受けてますので、現在は それを実行中と言う訳ですね。
 まぁ、ナギさんが どんな思惑で そんな指示をしたのかは ボクにはわかりませんけど、ボクは指示通りに動くだけですから……

 って、あれ? 追い駆ける振りをするのはいいんですけど、いつまで続ければいいんでしょうか?

 今は まだ電車の中を飛んでいるので問題ないですが、電車から出た場合はボクも出るべきなんでしょうか?
 さすがに箒(飛行の補助具)もなしに新幹線から飛び出すのは ちょっとばかり躊躇しますね……
 いえ、別にできない訳ではないですよ? ただ、こんな序盤で魔力を無駄遣いするのも どうかと思うだけです。

 と言う感じに思考が駆け巡った時、ナギさんから『念話』が入りました。



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Part.03:過信は身を滅ぼす


 天ヶ崎 千草(あまがさき ちぐさ)は予想以上に事が運んだことに浮かれていた。

 当初は「楽しみにしている修学旅行を ちょっと混乱させてやろう」程度に考えてカエルを放つイヤガラセをしたのだが、
 特使のガキンチョ(ネギ)が愚かにも無防備に親書を露出させたために親書を奪うことにし、それが成功したのだ。
 棚から牡丹餅と言うか、鴨が葱を背負って来た と言うか、千草にとっては幸運尽くしだったので浮かるのも仕方がない。

 だが、浮かれていては足を掬われる。それがわからぬ程、千草は愚かではない。

 一応、「親書を奪ったら直ぐにダミーを作ってダミーを追わせ、本物はコッソリ回収する」と言う策を弄したとは言え、
 特使のガキンチョだけでなく他の魔法使い達も あの場にはいたのに、こんなに うまく事が運ぶのは怪しい事この上ない。
 そのため「これは何らかの罠なのではないか?」と千草は疑いを持ち、入手した親書をジックリと『調べて』みる。

 すると、チンケな罠――不用意に開封すれば呪いが掛かる と言う罠が発見できた。

(ハッ!! この程度の罠、ウチが見抜けんとでも思うとったんやろか?
 そうやったら、随分とナメくさってくれますなぁ……さすがは東のボンクラ共や。
 この程度の罠に掛かるのは、ひよっこか油断した中堅くらいやろな)

 そう千草は鼻で笑い、難なく呪いを無効化する。

 東の長(近右衛門)は呪術にも秀でていると誉れ高いが、所詮は「西洋魔術士の中で」でしかない。
 掛けられていた呪いは それなりに高度なものであったが、呪術の専門家である千草には児戯に等しかった。

(……そもそも、ヤツ等はウチ等をナメくさり過ぎなんや。
 こんな『紙切れ』でウチ等が どうこうなる訳ないやろ?
 こんなんで どうにかなるなら、もう既に どうにかなっとるわ)

 千草は「ただの紙切れ」になった親書を握り潰しながら毒を吐く。

 そもそも、東と西の確執は親書一枚で どうにかなる問題ではない。
 むしろ親書だけで どうにかなる程度の問題なら、とっくに解決している。
 何せ、東西のトップが義理とは言え親子関係にあるのだから。

 それでも、親書と言う形式には それなりの価値がある。そのために、千草は強奪したのだ。

(しかし、特使が あんなガキンチョっちゅーのもナメ過ぎやな。英雄の子か何か知らんが、あんなガキンチョを特使にするなんて信じられひん。
 そのうえ、そのガキンチョのパートナーとか言うんも、そこら辺にいるアホガキと変わらんような間の抜けてそうなガキやったしな。
 更に、特使としての役割っちゅーのも『東西のため』とかやなくて、ガキンチョが一人前になるための『課題の一つ』やっちゅー話なんやから、
 ウチ等を随分と低く見とるのか、ガキンチョを買い被り過ぎとるのか……まぁ、どちらにしろ、御蔭で難なく事が進んだことには感謝しとるがな)

 千草は仕入れた情報と目撃した状況を思い出し、更に憤りを燃やしていく。

 そもそも、東から魔法使い達が来るだけでも充分に腹立たしいのに、それに加えて特使として派遣されたのが子供だと言うのだ。
 いくら英雄の子とは言え子供に課題として特使をやらせるなど、東を快く思わない者にとっては「舐めるのも大概にしろ!!」と思うことであり、
 千草も そう思ったために今回のイヤガラセ(ついでに親書の強奪)を決行したに至ったのである。そう、火に油を注いだのは東なのだ。

(ククク……この紙切れが本当に盗まれたことがわかった時、あのボンクラ共はどんな顔をするんやろか?)

 思うところはあるが、慌てふためく東側の魔法使い達と反東の突き上げを食らう西側上層部を思うと溜飲が下がる。
 それに、必死に追い駆けていたガキンチョや稚拙な罠を仕掛けて安心している(としか思えない)アホ共を嘲笑いたくなる。
 今頃、ヤツ等は こちらが罠に掛かるのを今や遅しと待っていることだろう。その罠が既に解除されていることも知らずに。

(……ところで、コレには何が書かれとったんやろな?)

 そう言った背景と思わぬ大成功、そして罠を破ったことにより千草の心は緩んでしまった。
 そのため、千草は直ぐに破棄する予定だった親書を好奇心から開封してしまったのである。
 それが、致命的なミスであることに気付くこともなく、自ら進んで墓穴を掘削し突入したのだ。

 ……………………………………
 ………………………………………………
 …………………………………………………………

  パァァン!!

 数車両 離れた位置で耳を劈くような音を確認した時、ナギは予定通りに事が進んだことに思わずホッと胸を撫で下ろした。
 田中のイレギュラーな行動が心配だったが、どうやら田中は亜子が気絶したのを知ってアタフタしていただけだったらしい。
 まぁ、情けない と言えば情けない話だが、下手なことされて計画を狂わせられたくなかったので、ナギにはグッジョブである。

 ところで、ナギが席を立った後の経緯を この機会に説明して置こう。

 ナギは『念話』でネギから状況を報告させた後、ネギに「適当なところで力尽きた振りして、後は困った振りをしてて」と指示を出した。
 それだけである。それだけのことをやってしまえば、後は『時』を待てば自動的にトラップが発動する と言う寸法だったのである。
 そして、『時』は――ナギが仕掛けたトラップに相手が引っ掛かる『時』は訪れ、先程の「パァァン!!」と言う快音が響き渡った訳だ。

 予想は付いておられるだろうが、ナギが仕掛けたトラップは『スタングレネード』である。

 とは言っても、当然ながら「普通のスタングレネード」ではない。ハカセに依頼して作ってもらった、ハカセ謹製の逸品だ。
 何故なら、普通のスタングレネードは音響と閃光によって対象者をショック状態にして数秒間だけ意識を失わせる手榴弾だが、
 ハカセの作ってくれたモノは、そもそも手榴弾の形状を成していないし(封筒に入る程度の超薄型の直方体をしているのだ)、
 音響と閃光だけでなく催眠ガスも同時に放出するため(気絶させた後に眠らせることで)数時間も相手の意識を奪うことができるのだ。

 まぁ、「そんな代物を作れるか!!」とかツッコミたい気持ちはわかるが、茶々丸を作ったくらいなので可能なのだ(と納得して欲しい)。

 ちなみに、普通なら こんなありきたりと言えば ありきたりなトラップに引っ掛かる訳がない とお思いになるだろう。
 だが、親書を持っていたのが子供(ネギ)であり、その親書に「それなりの呪術的なトラップ」が施されていたため、
 親書を奪ったと思い込んでしまった相手は「盗まれた時の対策も無駄になったな」とか判断して油断してしまったのである。

 それに、「特使がネギの課題である」と言う情報を敢えて流したし、その証拠としてネギ一人に追い駆けさせて途中であきらめさせた。

 更に言うと、護衛達はネギの補助をするのが目的ではなく一般人(木乃香も含む)が巻き込まれた場合の手段、と言う情報も流して置いたし、
 ナギはフカヒレと遊んだり騒ぎが起きても特に動かなかったりすることで「パートナーになっただけで何もできない一般人」を装っていた。
 つまり、ナギは相手が本命のトラップに引っ掛かるようにミスリードを駆使していたのである(ある意味では、ミスリードがトラップだろう)。

 ……ここまで説明すれば もう説明するまでもないだろうが、せっかくなので親書自体についても説明して置こう。

 当然ながら、ネギに持たせて(盗ませた)親書は、ナギが用意して置いたダミーに過ぎないため、
 相手が親書を強奪した直後に廃棄したり、相手が本命のトラップを見破っていたりしたとしても、
 結局は「ダミーに引っ掛かった」ことになるので、最低限のトラップは成功していたことになる。
 それに、呪術的なトラップにしても、近右衛門が「失神させる程度に抑えてくれた」ものなので、
 仮に呪術的トラップが発動していても(快音は鳴らないが)相手が気絶することには変わりなかっただろう。

 まぁ、特製スタングレネードに引っ掛かってくれるのがベストな結果なので、現状がナギには願ったり叶ったりの結果らしいが。



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Part.04:神蔵堂ナギの遣り方


「さっきの爆発音は何だ!?」
「売り子さんが倒れてるわよ!!」
「一体、何が起こったんだ?!」

 ナギが爆発現場(正確には炸裂音がしただけで爆発はしていないのだが、大多数が爆発と認識しているため こう表現する)に駆け付けると、
 人垣を形成した野次馬が口々に好き勝手なことを喚いている中心で「車内販売の格好をした女性 = 千草」が一人だけ倒れていた。ナギの思惑 通りに。

「まさか……テロだったんじゃ!?」

 そのためナギは用意して置いたセリフを驚愕と恐怖をブレンドして叫ぶ。
 たったこれだけで、ナギのトラップは作動する。作動してしまう。
 まぁ、正確にはトラップと呼んでいいか わらかない手法なのだが。

「「「「「な、なんだってーー!?」」」」」

 野次馬達の驚き様は少し過剰に思えるが、これは時期を考えると無理もない。
 この頃、つまり2003年の頃は同時多発テロの影響でテロが警戒されている時期だからだ。
 ちょっとしたテロの可能性だけで、テロなのではないか と疑ってしまう風潮だったのだ。

 つまり、ナギがしたことは煽動――テロへの恐怖を煽っただけだ。

 その程度でも、テロ事件が記憶に新しい人々は充分に効果があった。
 テロの可能性を指摘されただけで、テロがあったに違いないと確信する程に。
 そのため、「倒れている女性」はテロの被害者となるのは当然のことだろう。

(だけど、そんな想定はオレが許さない。何故なら、この女性は敵対者だからね)

 快音をテロのせいにして警察と言う第三者を巻き込む。これで反東は動きにくくなるため、それはそれで効果的な手だろう。
 だが、ナギは それだけのためにテロのせいにした訳ではない。と言うか、ナギは その程度の結果だけでは物足りない。
 だからこそ、ナギは もう一言を付け加える。ナギの望む結末を導くために、最後のトラップを発動する一押しを付け加える。

「しかし、何で この女性だけが倒れているんでしょうか? ――まさか、実は この人は誤爆させた犯人なのでは?!」

 冷静に考えたら「そんな訳がない」とじゃ反論されて終わりな推論だろう。だが、恐怖に支配された人間の思考は軽く麻痺しているため有効なのだ。
 思考が麻痺した人間は実にチョロい。それっぽいことを言われたら、何の疑問もなく思考を誘導されてしまうくらい、精神的に無防備なのである。
 だからこそ、穴のある推論でも堂々と言われてしまうと簡単に信じてしまうのだ。つまり、女性は被害者から加害者へ格上げされてしまう訳だ。
 それが有効なのは この場にいる野次馬だけなのだが、目撃者として勝手に触れ回って外堀を埋めてくれるため第三者にも説得力が増すだろう。

(だから、後は放って置くだけでいい。オレのやるべきことは もう何もない)

 ところで、女性が敵対者ではない可能性について考慮されていない とお思いになった方もいるだろう。
 確かに、トラップに気付いた敵対者が廃棄した親書を拾ってしまって巻き込まれた と言う可能性や、
 敵対者が発動させたトラップに巻き込まれてしまったうえ敵対者だけが仲間に連れて行かれた と言う可能性もある。

 だが、今回に限っては、そう言った可能性はゼロだ。決して起こり得ないと断言できる。

 何故なら、エヴァが 女性の『記憶』を読んで(ナギが駆け付けている間に)報告していたからだ。
 だからこそ、女性はナギの敵対者――ナギが仕掛けたトラップに引っ掛かった千草で間違いないのだ。
 と言うか、敵対者だと確信していなければ、いくらナギでもテロリストに仕立て上げるなんてことはしない。

 と言うことで、その時のエヴァとナギの会話(『念話』だが)を紹介して置こう。

『おい、神蔵堂ナギ。無事に犯人の記憶を読めたぞ』
『それは お疲れ様。それで、どうだったの?』
『うむ。掛かったのは天ヶ崎 千草とか言う呪術士だ』
『念のために訊くけど、親書を取り戻してくれた味方、じゃないよね?』
『最初に犯人と言っただろう? この女が騒ぎと盗みの張本人で間違いない』
『まぁ、そりゃそうか。あ、他に情報は手に入ったのかな?』
『まぁ、近衛 木乃香を拉致して利用する などの計画を拾えたが……』
『拾えたが? 歯切れが悪いね。何か問題でもあったの?』
『あ~~、いや、基本的に行き当たりバッタリでな?』
『ああ、つまり、まともな計画ではなかったってこと?』
『まぁ、平たく言うとな。何せコイツは立案者のクセに実行者だからな』
『あ~~、なるほど。それじゃあ、協力者については何かわかった?』
『まぁ、実行の協力者ならば拾えたのだが……』
『つまり、資金面や情報面での協力者は不明ってことだね?』
『ああ。「今のまま」で拾えるのは それが限界だな』
『そっか。そう言うことなら仕方ないね。今回はあきらめよう』
『……「全力で」拾えば、もっと引き出せる可能性はあるぞ?』
『いや、いいよ。計画が拾えただけでも充分さ。後で詳細を教えて』
『ふむ、貴様が そう言うのなら、この場は これで引き上げよう』
『こめんね。エヴァの実力は まだ知られる訳にはいかないんだよ』
『ああ、わかっているさ。「切り札は取って置くもの」なのだろう?』
『まぁ、そう言うことだね。いやぁ、理解があって助かるよ』

 会話から お分かりだろうが、現在エヴァの魔力は制限された状態にある。

 理由は説明するまでもないだろうが、敢えて説明すると「情報を伏せて置きたいから」だ。
 敵に真の情報を与えてもいいことはないので、偽の情報で満足してもらいたいのである。
 だからこそ、エヴァに魔力を封印してもらって最後の最後にしか解放しないように頼んでいるのだ。

 それ故に、エヴァは千草の記憶を読むのに魔力を解放できず、得られた情報が中途半端なものになってしまったのだが。

 しかし、敵対者か否か を知るのが最低限の目的であったので、中途半端でも特に問題はない。
 と言うか、原作との相違を確認したいだけなので、ここで無理して情報を得る必要はない。
 むしろ、ここはエヴァの擬態を隠し通す方が重要なので上々の結果だ と言うべきだろう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


―― エヴァの場合 ――


 神蔵堂ナギへの伝達を終えた私は己の席に戻った。

 すると、隣の席にいた茶々丸が「マスター、如何なさいましたか?」と訊ねて来た。
 と言うか、何を言っておるのだ、この従者は? 如何も こうも一仕事終えて来ただけだろうが。

「いえ、妙に楽しそうな お顔をなさっておられましたので……」

 私の疑問を読み取ったのか、茶々丸が言い直す。
 と言うか、楽しそう だと? 楽しそうな訳が……
 あ~~、ま、まぁ、あながち間違いではないか。

「フン、少々楽しめそうだと思っただけだ」

 私は茶々丸に内心を悟られないように、素っ気無く聞こえるように言い放ったのだが、
 茶々丸の生暖かい視線と薄ら笑いから察するに、恐らくはバレバレなのだろう。
 まったく、つくづく私は身内に甘いと思わされるな。身内の前では冷徹になりきれん。

 それに比べて、あの男は実に腐っているな。自分を慕っている小娘を平然と利用できるのだから……

 最初、ヤツから魔力の制限を打診された時は、正直に言って「何を考えておるのだ?」と正気を疑ったものだ。
 だがしかし、ヤツの計画を聞いて その不審も消えた。いや、ヤツの案に乗ってやろうと思った、と言うべきだな。
 まさか、小娘を囮にして敵対者を罠にハメてしまおうなどとは……身内に甘い私には到底できん考え方だよ。

 まぁ、その腐った精神は好ましくは無いが、だからこそ興味深いとも言えるな。

 私には できん考えを平然と考え付き、私には できんことを平然とやってのける。
 そこに敬意も好意も抱けないが、その効果を考えれば否定するどころか評価するさ。
 私には私なりの『誇り』があるが、それを他者に強要する程 狭量ではないからな。

 ……たとえば、ヤツから依頼された『敵対者の確認』も私には考え付かない策だったな。

「そう言えば、相手の心を読む魔法とかってあるんだっけ?」
「まぁ、あるにはあるが……それがどうしたのだ?」
「いや、修学旅行の時に使いたいなぁって思ってさ」
「ふむ。つまりは、尋問の代わりに使いたい訳か」
「うん、まぁ、平たく言うと そうなるかな?」
「残念だが、レジストと言うものがあるので無理だ」
「レジスト? と言うと、魔法に対する抵抗ってこと?」
「そうだ。特に精神系は 余程 実力差がないと抵抗されるんだよ」
「つまり、エヴァの魔力が制限されている状態だと無理ってことか」
「まぁ、そう言うことだな」
「……それじゃあ、相手を抵抗し難くすることはできないかな?」
「まぁ、心神喪失状態にするなどで可能と言えば可能だが……」
「だが? 歯切れが悪いね。何か問題があるの?」
「何と言うか、そう言う状態にする魔法も抵抗されやすいんだよ」
「ああ、なるほど。押しても引いてもダメってことか」
「だから、私の実力を隠したいなら『記憶探査』はあきらめることだな」

 私は魔法使いとして考えるまでも無い結論(「魔力の隠蔽」か「情報の収集」か、どちらかしか選べない)を下すが、ヤツはあきらめなかった。

 数秒程 考え込んだ後、「いや、いい手を思い付いたよ?」と不敵に笑い、科学的手法で相手の意識を奪うことを提案して来たのだ。
 聞かされてみれば子供でも考えられる単純な話だが、魔法関係者には思い付かない手だろう。いや、「思い付こうとしない」と言うのが正しいな。
 魔法関係者は押し並べて科学技術を軽んじているからな。魔法を前座として扱って科学を本命とするトラップなど思い付くのを拒否するだろうさ。

 まぁ、科学と魔法のハイブリット(茶々丸)と言う例外もあるが、それでも「魔法の素人」でなければ、考えも実行もしようとしない手だ。

 そして、『記憶探査』をしたことを悟らせないために(『遠見』で様子を見られないようにするために)野次馬と言う「肉の壁」を用い、
 更に『記憶探査』が終了して相手を敵だと確定できた後は、その野次馬を扇動して相手を爆発事件の首謀者(テロリスト)に仕立て上げ、
 あまつさえ その前提条件のために小娘を囮として利用していたのだから……最早 脱帽するしかない程に『腐っている』としか言えんよ。

 ……だが、そこが興味深いのだよ、神蔵堂ナギ。

 言わば、貴様は醗酵途中のワインだ。腐り方を誤ればクズになるが、腐り方によっては上物に化ける。
 腐っているとしか言えん その性根がどんな風味を醸し出すようになるのか? ……実に興味深いよ、お前は。



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Part.05:まだまだ始まったばかりだ


 さて、あの後のことをサクッと説明して置こう。

 千草は次の停車駅で『重要参考人』として警察に引き渡された……のだが、それはナギの扇動だけで「そんな扱い」になった訳ではない。
 と言うのも、彼女の服装(車内販売の格好)が大きく影響しているからだ。車内販売の格好で発見された段階でピンと来た方もいただろうが、
 彼女は本物の車内販売ではなく変装をしていたたけなので「電車内をうろついていても不審がられない姿をして不審なことをしていた」と思われたのだ。

 まぁ、そう言う意味では、すべてが「計 画 通 り !!」と言う訳ではない。

 だが、結果としてはナギの思惑通りに事が進んでいるので、とりあえずは順調と言っていいだろう。
 と言うか、修学旅行は まだ始まったばかりなので、この時点ですら思惑から外れていては困るのだが。
 何故なら、既に原作を無視しまくっているので、原作知識は参考程度にしかならない状況だからだ。

 それはそうと、話は変わるが……原作で千草の式神(燕)を切り伏せた刹那だが、ここでは特に何もしていなかった。

 蛙の片付けは手伝ったが、ナギに言われた通り親書は放置していたのである。まぁ、一部始終を陰ながら見守っていたようだが。
 その証拠に、千草が連行されていく姿を確認した後に「あのような対策をしているとは……さすがです!!」と輝く瞳でナギを賞賛していた。
 確かにナギの狙い通りに事が進んだのだが……どう考えても褒められない手段を用いたので、ナギとしては そんなに賞賛されると居心地が悪い。

 あまつさえ「警察の目がありますから、これで西の過激派達は迂闊に お嬢様に手が出せなくなりましたね!!」とかマンセーする始末だ。

 ナギは策士を自負してしまうような男だが、さすがに「公権力を抑止力に使う」なんてことまでは狙っていない。
 いや、少しくらい利用しようとしたことは認めるが、それでも あからさまに利用しようとした訳ではない。
 どちらかと言うと、テロリストに仕立て上げて捕まえさせたのは「武力制圧するよりはマシだろう」と言う理由の方が強い。

(うぅ……せっちゃんの真っ直ぐな瞳がイタ過ぎるよぉ)

 ところで、非常に今更な気がするが……仮にも西側の人間を警察に引き渡してしまったのは よかったのだろうか?
 考えてみれば「関係者は関係者で裁く」と言う暗黙のルールがあるかも知れないので、後々 問題になり兼ねない。
 まぁ、計画を知っているエヴァが止めなかっし、一部始終を見ていた神多羅木達が静観しているから大丈夫だとは思うが、
 もしかしたら、エヴァはルールを知らなくて神多羅木達はナギに責任を取らせるつもりかも知れないので注意は必要だ。

 それ故に、不安になったナギは神多羅木に「もしかして警察に引き渡さないように手を打つべきだったんですか?」と訊いてみた。

「いや、その必要はなかっただろうな。彼女が何者であるのか、我々は『知らない』のだからな」
「そりゃそうですけど……西側の人間じゃないかなぁって予想は付いていますよね?」
「まぁ、確かに お前の言う通りだが、あくまでも想像でしかないからな、問題にはならないさ」
「つまり、確証がないのに犯罪者を助ける訳にはいかない とか言う詭弁を弄する訳ですね?」
「ああ、そうだな。『誰かさん』がテロリストとしての嫌疑を掛けてくれたから余計にな」
「いえいえ、『不審な爆発事故』の現場にいた人ですからねぇ、『念には念を』ってヤツですよ?」
「そうだな、何故に親書が爆発したのか とても不審だが、『疑わしきは罰せよ』ってヤツだよなぁ」
「ええ、公共の交通機関で爆発騒ぎ起こしちゃうような輩の逮捕に貢献するのは国民の義務ですよ」
「そうかも知れないな。ところで、お前に『自首をしろ』と言いたくなるのはオレだけだろうか?」
「まぁ、その場合は『特待生としての立場から学園長先生に脅されたんですぅ』とか自白しますけどねぇ」
「……ほほぉう? つまり、最終的にはオレの監督責任が問われるので下手にお前を売れない と言う寸法か?」
「さて、どうでしょうか? オレの保護者は高畑先生ですから、責任の在り処は微妙なところじゃないですか?」
「いや、担任としての立場に加えて『担当』としての立場もあるから。あきらかにオレが責任を取らされるな」
「ああ そう言えば、オレの『担当』って先生だったんですよねぇ。つまり、オレ達は運命共同体ですねぇ?」
「まぁ、そうなるな。だが、そうは言っても、余りにも お前が遣り過ぎた場合はスケープゴートにするがな」
「なるほど。具体的には『片棒を担がされるより、監督責任を問われた方がマシ』と言う場合とか、ですね?」
「それがわかっているなら、無茶はするなよ? もしくは、オレに迷惑が掛からないように無茶をしろよ?」
「うわーい、実に有難い お言葉ですねぇ。もう、本当にありがとうございます としか言えませんですよ」

 まぁ、返って来た反応も その後の会話も酷過ぎるが、それは いつものことなのでスルーして置こう。

 どうでもいいが、『担当』に関して以前には触れなかったが、ネギの担当はタカミチであるようだ
 ネギ本人には知らされていないが、そもそも担当制度すらネギは知らないので仕方がないだろう。
 ちなみに、愛衣と高音はガンドルフィーニであり、ココネと美空はシスター・シャークティらしい。

 ナギとしては神多羅木以外になってもらいたかったらしいが、世の中は思い通りにいかないものなので仕方がない。


 


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オマケ:天ヶ崎 千草の疑惑


 少し時は過ぎ……某県某警察署では、ひかり213号で起きた「不審な爆発事件」の重要参考人に対する取調べが行われていた。

「それで? 一体、何が目的で爆発騒ぎなど起こしたんだ?」
「せやから言うてるやろ? あれはウチが起こしたんちゃうって!!」
「そうか。それでは、何でアンタは爆発現場で倒れていたんだ?」
「せやから、ウチは巻き込まれただけやって言うてるやろうが!!」

 刑事と思われる中年男性が容疑者――ではなくて、重要参考人の女性に問い掛け、重要参考人の女性がそれに抗議する。

「ほほぉう? 巻き込まれただけ、ねぇ」
「何や、その引っ掛かる言い方は?」
「いや、どうも君の服装が気になってね?」
「服装? 爆発と何の関係が――あっ!!」

 重要参考人の女性――天ヶ崎 千草は自分で言っていて重要なことに気が付いた。

「確かに、アンタの言う通り、直接的には関係ないね。
 だが、アンタは車内販売員ではないのだろう?
 それなのに、何故そんな格好をしていたんだ?」

 中年男性の指摘する通り、爆発と千草の服装に直接的な関係は無い。だが、不審な爆発現場に不審な人物がいたことは、充分に関係があった。

「そ、それは……」
「それは?」
「しゅ、趣味や!!」
「……そうか」

 さすがに「ウチは西の呪術師で、東の魔法使いにイヤガラセするため」とは言えない。

 そんなこと言っても信じてもらえないし、信じてもらえても それはそれでいろいろと不味い。
 具体的には、西から「天ヶ崎 千草なんて知らない」と切られてしまい兼ねない。
 だが、だからと言って、その服装を「趣味でしている」と言い張るのは無理が有り過ぎだった。

 そんな趣味を公共の場でやっちゃっている段階で充分に問題があるからだ。

「そ、そんな哀れなモノを見るような目でウチを見るなや!!」
「いや、どんな反応をすべきか困ってしまってねぇ」
「そこは『そんな訳ないやろ』ってツッコんだらええやろ!?」
「いや、そんなことをすると『暴力を振るった』とか言われ兼ねんからねぇ」
「それでも、この微妙な空気を打開するのが『優しさ』やないんか?!」
「そんな優しさを持ち合わせていないし、そんな状況じゃないんだよねぇ」

 中年男性は「誰か取調べ変わってくれないかなぁ?」と本気で悩みながら、事なかれ主義全開の発言をする。

 それに対する千草は「善良な一般市民をテロリスト扱いしくさって……この国家の犬がっ!!」と思いつつも必死に無実を訴え、
 こんな事態になった原因である東に対して「こんな目に遭わせてくれたボンクラ共に復讐したる!!」と復讐心を燃やすのであった。

 まぁ、公共の場でカエル騒ぎを起こしたため、常識的に考えればテロリスト扱いされても文句は言えないのだが。


 


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後書き


 ここまでお読みくださってありがとうございます、カゲロウです。
 以前から「改訂した方がいい」と言う意見が多数あったので、改訂してみました。


 今回は「タイトル通り、修学旅行編が始まりました」の巻でした。

 どうやら今回は主人公の策がうまく作動した訳ですが、親書に施したトラップのネタって他の作品と被っていませんよね?
 いえ、ボクなりにチェックした限りでは、ダミーを盗ませるとかって対処は あったんですけど、
 魔法的トラップを囮にして科学的トラップで相手を無力化するって言うのはなかったと思うんですよ。
 なので、もし被っていたら、「パクった訳じゃありません!! 偶然です!!」と予防線を張って置きます。

 ところで、ネギが「特使役を断われた」って考えている件ですけど、たとえ断わっても修学旅行自体は行われるので余り意味はありません。

 特使を快諾した代わりに護衛を増加させられた と考えると、むしろ、木乃香を護衛するのに不安が生じるだけの結果になり兼ねません。
 上層部で決まったことは現場レベルの問題で覆すことができないことをネギは理解していないのです(特に組織をまたがった問題ですし)。
 主人公は それを理解しているので、条件の名目でアレコレ理由を付けて西側から護衛を出させたのです(エヴァは彼の功績ではありません)。

 ……説明不足を後書きで補填するなって話ですね。


 では、また次回でお会いしましょう。
 感想・ご意見・誤字脱字等のご指摘、お待ちしております。


 


                                                  初出:2010/01/11(以後 修正・改訂)


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