SIDE ポンズ
「はぁ~~~~」
飛行船の中で自己嫌悪に陥る。
なぜ自分は、あそこまで意地になって、シュウにつっかかってしまったのだろう。
飛行船の窓のそばの手すりにもたれかかり、シュウとの喧嘩を思い出す。
シュウと明日からヨークシンへ一緒に行こうと誘われ、明日いやさっき日付がかわったから今日か、まあそれはどうでもいいが、デートに誘われたと思い期待し、1日目はここで2日目はここと、色々と予定を立てたのだが、ヨークシンへ向かう空港の中で、最初の4日間は仕事だから、一緒に居れるのはその後になると言われた。
私はせっかく予定を立てたのに、それがすべて無駄になったので、思わずカッとなりシュウに、仕事と私どちらが大事なの!!と言ってしまった。
シュウが答えに迷っている姿を見て、ますます怒りがこみ上げ、私はシュウにビンタを食らわせ、別の飛行船をチャーターし、ヨークシンへ向かったのだった。
ヨークシンに到着し、空港から一歩外を出ると、目の前がお祭り景色一色で覆われた。
私が今まで見たことのないほどの、人の海である。
どこもかしこも珍しいものや出店など、楽しい雰囲気であふれている。
私は少しその雰囲気に酔うことし、市場をふらふらと歩くことにした。
「あれ?ポンズじゃん。シュウと一緒じゃないのか?」
「本当だ。ポンズもヨークシン行くの?」
「ん?キルア君にゴン君、久しぶり!シュウは……ちょっとね」
しばらく歩いていると、すぐ横をどこか見たことある二人組みが通り過ぎたと思ったら、向こうから声をかけてきた。
シュウは仕事があるから、ドリームオークション5日目までは、別行動なのだとごまかした。
シュウの仕事が何かと聞かれ、普段の仕事は聞いたことあったけど、今回の仕事がどんな仕事なのか、教えてもらっていないことに気がついた。
危ない仕事じゃなきゃいいけど……私はシュウが心配になった。
言葉に詰まった私を心配して、ゴン君が大丈夫?と声をかけてくれた。
私はすこし人ごみに酔ってしまったのだとごまかし、シュウの仕事は人探しよと、普段の仕事を教えることにした。
キルア君達は、オークションにかけられる、とても高価なゲームを手に入れるためにヨークシンへ来たそうだ。
そのためにお金を稼ごうとし、騙され、その後二人で勝負していたようでゴン君が勝ったらしい。
けどゴン君……プロハンターなのに2週間で1万5千は少なすぎると思うわよ。
それとは違い、キルア君は12億まで稼いだが、博打で最後は無一文になったらしい。
この年で競馬ってどうなのかしら?
ゴン君が携帯電話を持っていないので、買いに行くことになった。
私も暇だったので二人についていくことにする。
手近な店に入り、オススメの携帯を聞いていると、後ろからマッタという声がかけられた。
振り返ると、私に最終試験で負けた奴がそこにいた。
そいつは目が会うと一瞬いやな顔になったが、私を無視し、自分のオススメの携帯を二人に教えていた。
携帯の性能を聞き終えると、私とキルア君とゴン君はその携帯を購入することにした。
「3本で60万?たけぇよ!!3本も買うんだから12万にしてくれよ!!わかった他で買うよ…ん?ん~~~~~じゃ15万!!これ以上出せん……」
1の位まで値切りだした。
すごいわね、あれは見習わなくては!!
値切りが終わると最終的に1本11万で買えることが出来た。
約半額まで値切るなんて思ってもいなかったので、最終試験で私に負けた奴…じゃなくてレオリオの評価を上方修正した。
そういえば、もう一人金髪の女の子みたいな男の…そうクラピカとかいうやつ、そいつも来るのかと聞くとどうやらクラピカも仕事らしく、時間が出来たら向こうから連絡してくるらしい。
今日泊まる宿を探すために宿屋やホテルがある地域を目指し、歩いているとレオリオからもシュウについて聞いてこられた。
私は5日まで仕事だと教えてあげると、放って置かれたのかと耳障りなことをぬかしてきやがりました。
普段なら流してあげられる言葉でしたが、イラッときた私は、オーラでちょっと強化した拳でレオリオを殴ろうとすると、ゴン君とキルア君に念覚えてない奴にそれはまずいと止められた。
確かにそうだと思い、落ち着きを取り戻すために何度か深呼吸をしていると、レオリオは念ならもう覚えたぞと言ってきた。
私はその言葉を聴いた瞬間、さっきより強化した右拳で改心のストレートを顔面にくれてやった。
さて、今日の宿はどこにしようかしら!
―――――9月1日 夕方
SIDE シュウ
ポンズと喧嘩別れしたまま、ヨークシンへ到着した。
飛行船の中で、ヒソカにいろいろと慰めの言葉をもらったが、俺のテンションは一向にもどらなかった。
ヒソカはこれからアジトに行くそうなので、空港で別れることにした。
ヒソカがバイクに乗っていくのを見送りとりあえず、ポンズに謝罪の電話をしたが、留守電になっていたので、メッセージを入れておくことにした。
メッセージを入れ終わり、通話を切ると、見計らっていたかのように声をかけられた。
「「久しぶりねシュウ、彼女にラブコール?」」
「ラブコールってエレナさんイータさん、えらい古い事いいますね」
ガシ!
エレナさんに右手で頭を捕まれました。
まずいと思った瞬間、頭を硬でガードしましたが、そのままアイアンクローをくらいました。
イタタタタタッタタ痛い痛い痛いやばい身がでる!
硬でガードしているにも関わらず、さっきから頭の骨がミシミシと、聞こえてはいけない音を発し、ありえない鈍痛が襲ってきています。
しかも横からイータさんが、オーラの薄くなったわき腹に拳をねじ込み、グリグリとしてきています。
しまった久々すぎて突っ込み度合い間違えた!
俺が見えてはいけないものが見えそうになった所で、エレナさんとイータさんに古いって私たちのことかしら?と背筋がぞっとする声で質問された。
俺は涙ながらに力の限り否定と謝罪の言葉を繰り返した。
満足したのか、もう逝くってところでエレナさん達に開放され、俺は力尽きその場で横たわった。
二人は俺の足を持ち、ズルズルと引きずりながら用意していた車まで行くと、文字通り俺を車に投げ込みました。
――――――車内
「で、なんで俺を呼んだんですか?二人で手に負えないレベルの仕事なら、俺呼んでも変わらないと思うんですけど。」
「「絶対当たる占いする子がいるって聞いたことない?
今回の依頼人は、そこの子に定期的に占ってもらっているらしいんだけど、今月の占いを見るに、どうやら私達とシュウがオークションに参加しないと、欲しいものが絶対手に入らないって出たんだって。」」
「依頼人って誰ですか?」
「「G・Iのスポンサーしていた会社の会長さんよ。」」
いたなぁそんな人、顔も覚えてないけど。
二人が出てきて、ゲームの管理はどうしているのかと聞くと、入島と出島の管理はゲームキャラを作ってそいつにやらせ、侵入者対策はリストとレイザーさんにやってもらっているらしい。
それなら安心だと、今回の依頼人について聞くと、どうやら安全のためにヨークシンにすら来ていないらしい。
金はいくらでも掛かっていいから競売品を競り落として来いとの事らしいです。
二人に原作知識で、今回の競売品は全部旅団に持っていかれると伝えると、こんな事を言ってきました。
「「それならその旅団から、買い取るか奪い返すかしてきなさい」」
………うそん!?