だだっ広い部屋の中央で、上着を脱いでもらい、俺はポンズを一度周で包み込むことにする。
一応死なれては困るので、少しでもリスクを減らすために、纏の感覚を覚えてもらうことにする。
この方法は、俺が覚える時に行った方法で、一度体験しているとしていないでは、かなり違ってくる。
それにしてもポンズの肌白いなぁ……ブラ紐の色は黒でした。
顔と下半身の一部に血が集まっているのが分かる。
俺は首を左右に振り、煩悩を飛ばす。
とりあえず平静を装いポンズに話しかける。
「この状態で何か感じるか?」
「えぇなにか薄い布で包まれている感じよ。これがオーラ?」
「ああそうだ、今俺のオーラでポンズを包んでいる。
オーラが体中を駆け巡ってとどめている感覚がわかるか?」
「なんとなくだけど…」
ポンズの後ろに立ち、ポンズの背中に手を当て、ポンズをオーラで包み込んだ。
ポンズをオーラで包むこと数分、なんとなくではあるが、感覚を掴んだようだ。
これも原作チートの恩恵か、俺の時と比べるとありえないくらい早いです。
ポンズ本番に入っていいかと聞くと、心の準備もできたそうだ。
今度は今までと違い、ポンズの精孔をすべてこじ開ける感じでポンズにオーラを飛ばします。
「じゃぁ今度は本番でポンズ自身のオーラを起こすから今みたいにとどめてみてくれ」
―――ドン
「ちょっとこの湯気みたいなやつ聞いていたより早く吹き上げているけど大丈夫なの?」
「説明しただろ、それが普通だ、さっきの感覚を思い出してオーラをとどめろ!!」
俺は少し強めにポンズに注意すると、死のリスクを思い出したのだろう、ポンズは見た目平静を取り戻した。
ポンズは俺のアドバイス通り、自然体になり、目を閉じ、オーラの流れを留めようと勤めた。
垂れ流しだったオーラの量が徐々に減っていき、ポンズは纏をすることに成功した。
ポンズはなんとか纏をすることができたが、オーラをつかいきったのか、その場に崩れ落ちるようにして、眠ってしまった。
俺は横になっているポンズが、風邪を引かないように布団をかけた。
ポンズが落ち着いたことを確認できた俺はポンズから離れ、大きく息を吐き出した。
はぁ…うまくいってよかった。
よし!ここからは俺の戦いだな。
勝てるかな………煩悩に。
かわいい子が無防備に横で寝ていて数分は確実に起きないことがわかっています。
だけどがんばれ俺!負けるな理性!!
俺はそんな卑怯な男じゃないはずだ!!!
とりあえずポンズを視界に入れないようにし、自分の修行をすることにする。
煩悩退散煩悩退散!!
――――数時間後
「ん…なにしているの?」
「燃えるほうの燃だよ。おはよう、昨日のこと覚えているか?」
燃で集中し煩悩を消していると、ポンズが目をさました。
よかった、俺の理性の勝利だ。
それにしても限界だ、眠い……
「私…生きているってことは纏ができたってこと?」
「あぁできていたぞ、ねむったのはオーラを一時使い切ったんだろう。纏は一度おぼえた
ら自転車みたいに乗り方を忘れることがないから安心しろよ」
「そうよかったわ。そういえば船はあとどれくらいでつくかわかる?」
「今朝だから、予定じゃ今日の昼につくらしいぞ」
「そう、それじゃぁそれまでになにかできることってあるかしら?」
「燃えるほうの念をやればいいよ。基本はどんなことでも大事だからね」
「わかったわ。シュウはその間どうするの?」
俺はポンズに、最低限やっておくことを伝えると、眠ることした。
SIDE ポンズ
私の三回目のハンター試験に向かう船の中で、私はシュウという男の子に念を教えてもらうことになった。
最初に話を聞いたときは、ちょっと頭のおかしい子なのかと思ったが、実演を見せてもらい、本物であると理解した。
ハンターの必須技能なんて初めて知ったわよ。
シャツ一枚になり、シュウに背中を向けると、後ろでごそごそしていたので、こっそり後ろを覗くと、顔を赤くして下半身を膨らませ、頭を左右に激しく振って、それを必死に抑えようとしていた。
そんな姿を見て、かわいい親戚の年下の男の子みたいだと思った。
落ち着いたのか、シュウが私の肩に手をふれると、体全体にもやみたいなものがまとわりついてきた。
これがオーラというものらしく、これを体にとどめるイメージを一生懸命に覚える。
ある程度練習を繰り返すと、いよいよ本番が来たようだ
「そろそろ本番に行くけど大丈夫か?」
シュウにそう言われ私は、大丈夫よと自信満々に言った。
本当は少し怖かったけど、これもハンター試験の一つだと思うことにして、自分を奮い立たせた。
シュウにドンと背中を押されたと思った次の瞬間、自分の視界がオーラの湯気で覆われた。
私は少しパニックになり、シュウに質問をした。
「ちょっとこの湯気みたいなやつ聞いていたより早く吹き上げているけど大丈夫なの?」
「説明しただろ、それが普通だ、さっきの感覚を思い出してオーラをとどめろ!!」
ちょっとしたパニックになったが、練習した感覚を思い出す。
徐々にオーラを留めていけているのが分かる。
少しすると、なんとかオーラをとどめることができた。
ほんと死ななくてよかったわ。
留めることができ、安心すると、すごい眠気が襲ってきた。
私は眠気に勝てそうにも無いので、その場で崩れ落ちた。
目を覚ますと、シュウが座禅しているところが目に入った。
シュウに纏が習得できたと言ってもらえた。
シュウは私に船が到着するまで何をすればいいか伝えると倒れるように眠ってしまった。
もしかして私を心配して一晩中看てくれていたのかな?
私はうれしくなりシュウの頭を撫でることにする。
「ありがとう、おやすみなさい。」
撫で終わると、あのかわいい弟みたいな師匠の言っていた、燃をすることにする。
私って一人っ子だったし、兄弟ができたみたいでなんだかうれしいや。
「これからよろしくね。エッチな弟君。」