――子どもの頃、好きだったもの。昼ドラごっこに影踏みに、自転車で下り坂を皆で競争すること。苺とさくらんぼとホットケーキに、甘いデザート。お気に入りだったけど、振り回して壊した水玉模様のかさ。やけに大事にした硝子のビー玉と、きらきらぼしの歌が流れる安っぽいオルゴール。朝焼けの霜がかかった赤い空に、夏祭りの夜の花火。
たくさんたくさん思い出す。あの頃のわたしは多感的で、感情よりも倫理よりも、感覚的な楽しさと綺麗さが大好きだった。うつくしい思い出の中のわたしは、ほとんどの楽しいことと、ちょっぴりの苦い思いに悩んでいて、そして正に幸せな少女だった。その中でもとくべついっちばん、好きだったもの。――それは、なに?
「……できた、ってなんで……」
「この念能力なのよーーっ!!!」
少女の叫びは真剣だった。
純粋ギャグトリップもの。人生イージーモードからハードモードに切り替わってしまった少女のお話。
前の人生の知識(現代)ありで、原作でのハンター試験開始の五年前にトリップ。
文才とかとくにない。
主人公はけっこうウザい。