少女たちは、発見した地下への入り口を慎重に進んでいく。その先にあった扉をくぐるとそこには1人の男がいた。その姿は、いたって平凡な様子だった。黒目黒髪であり、中肉中背である。唯一つ特徴を挙げるなら左腕が無いことだろう。その男の身を包む服の左袖は何も入っていないのが分かるように垂れ下がっているだけだった。その男は入り口に背を向け、新たな役者がこの舞台に上がったことに気づいていなかった。ヴィヴィアンは鋭い詰問の声を男に向ける。「貴方が私を操っていたのですか!?」その声に男が振り向く。そして詰問するヴィヴィアンの姿を見てその表情は驚愕に彩られた。その表情は彼女の質問を肯定しているようにしか見えなかった。「そうですか…、やはり私は他人に操られていたのですね…」ヴィヴィアンが苦々しそうに男を睨む。男は反論できなかった。なぜなら、彼女を操っていたのは確かなのだから。「私は!貴方を倒して自由になります!」そう叫び、全力の堅をもってヴィヴィアンは男に走りよる。戦闘にはまったく適正の無い男はその速度に反応できない。そしてそのまま、ヴィヴィアンの拳は振り上げられ…3択-一つだけ選びなさい 1.惨めな男は突如として逃げ出す方法を思いつく。 2.誰かが助けに来てくれる。 3.よけられない。現実は非情である。□□□□□□□□□□□□□□□□すべての敵を倒した私たちは敵のアジトから家に帰る。「ヒルダさん、とうとうこれで終わりましたね。」「ええ、そうね、これで貴方を脅かすものはすべていなくなったわ。 さっきも言ったけれど、私もこれでお払い箱ね。」「そんな…、私はまだヒルダさんがいないと…」「そんなことはないわ、貴方は立派に一人前よ。 私も少し長居しすぎたのよ。そろそろ本業に戻らないとね。」「…、わたし、今度のハンター試験を受けます!」「そうね、其れもいいでしょう。貴方ならきっと受かるわ。 でもひとまずは日常に戻りなさい。 これまで貴方は十分がんばってきたのだから、多少休んでも誰もおこらないわ。」「そう…、ですね…。ルルと一緒にお買い物して…、お父さんとお母さんと一緒に何処かに出かけて…」私は、やっと終わった実感と、平穏が戻ってくることを確信して、知らず知らずのうちに張っていた気持ちが解けると同時に、涙がこぼれてきたのだった。「ほら、もう、泣かないの。」そういってヒルダさんは私にハンカチを渡してくる。なんだか其れは最初に会った日のときのようで少し笑ってしまう。其れを見たヒルダさんは困ったような顔をして苦笑する。私は青い空を見上げ、まぶしい太陽を見やる。そう、私はもう自由なのだ。そうだ、ハンター試験を受けるのもいいだろう。きっとみんな応援してくれるに違いない。ルルなんてきっと驚くだろう。でも、案外"運動だけは出来るもんね"なんていってくれるかもしれない。私にはこれから輝かしい未来が待っているに違いないのだから!FIN