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No.7091の一覧
[0] ちょっとした彼の話  (人外系 異世界ファンタジー風味)[寒ブリとツミレ](2009/03/31 01:03)
[1] ちょっと淫魔と戦ってみた[寒ブリとツミレ](2009/03/08 15:35)
[2] ちょっと姐さんと会ってきた 前[寒ブリとツミレ](2009/03/08 15:35)
[3] ちょっと姐さんと会ってきた 中 (エロ部分)[寒ブリとツミレ](2009/03/08 16:45)
[4] ちょっと姐さんに会ってきた 後[寒ブリとツミレ](2009/03/08 16:46)
[5] ちょっと先生の家まで行ってきた 前[寒ブリとツミレ](2009/03/08 16:44)
[7] ちょっと先生の家まで行ってきた 後[寒ブリとツミレ](2009/03/08 16:44)
[8] ちょっと姉さんに拉致られた 前[寒ブリとツミレ](2009/03/08 17:35)
[10] ちょっと姉さんに拉致られた 後[寒ブリとツミレ](2009/03/08 17:36)
[11] ちょっと後輩君と遊んできた 前[寒ブリとツミレ](2009/03/27 02:20)
[12] ちょっと後輩君と遊んできた 中 (微エロ?)[寒ブリとツミレ](2009/03/27 02:06)
[13] ちょっと後輩君と遊んできた 中の下 (エロ?)[寒ブリとツミレ](2009/03/27 02:07)
[14] ちょっと後輩君と遊んできた 後[寒ブリとツミレ](2009/03/27 02:15)
[15] ちょっとお化けを家に連れ帰った 前[寒ブリとツミレ](2009/03/29 01:01)
[16] ちょっとお化けを家に連れ帰った 前の下[寒ブリとツミレ](2009/03/29 01:01)
[17] ちょっとお化けを家に連れ帰った 中 (エロ)[寒ブリとツミレ](2009/03/29 01:01)
[18] ちょっとお化けを家に連れ帰った 後[寒ブリとツミレ](2009/03/29 01:02)
[19] ちょっとギルドに寄ってきた 前[寒ブリとツミレ](2009/03/30 04:01)
[20] ちょっとギルドに寄ってきた 前の下[寒ブリとツミレ](2009/03/30 04:01)
[22] ちょっとギルドに寄ってきた 中の中 (微エロ)[寒ブリとツミレ](2009/03/31 00:32)
[23] ちょっとギルドに寄ってきた 中の下 (エロ?)[寒ブリとツミレ](2009/03/31 00:32)
[24] ちょっとギルドに寄ってきた 下 (番外)[寒ブリとツミレ](2009/03/31 00:32)
[25] ちょっと姐さんと模擬戦した 前[寒ブリとツミレ](2009/04/12 22:51)
[26] ちょっと姐さんと模擬戦した 中 (エロ)[寒ブリとツミレ](2009/10/22 03:58)
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[7091] ちょっと姐さんと模擬戦した 中 (エロ)
Name: 寒ブリとツミレ◆69dcb0e1 ID:9522d730 前を表示する
Date: 2009/10/22 03:58


 さらりと間が空いて、正直スマンカッタ。
 って言うか前編で止めてたとか、さすがにアレ過ぎる。反省。
 あと、エロ自体もテンポが悪い。これも反省。
















 纏め上げた髪を解くと。バッと広がって。
 姐さんの顔の周りを、豊かな髪が埋めていく。
 金の水流が白の岩に砕かれ広がるかのような。そんな幻想的な美しさだった。

 オレがちと、目の前のそんな情景に見惚れていると。
 姐さんが不審そうに問い質してきた。

「どうかしたのか?」
「いや。姐さんに見惚れてた」
「……あまり、からかうな」

 照れくさそうに目を逸らす姐さんが素敵。
 頭撫でてみた。振り払われたりはしなかった。

「こんなとこでするの、姐さん的にはアウトだろうけどね」
「当たり前だ」
「ま。訓練だから。その辺は大目に見てよ」
「……その話、本当なのだろうな」

 胡乱気な姐さんに、オレは笑った。

「信頼してよ。オレが姐さんに嘘吐いた事なんて無いでしょ」
「嘘を吐かれた事は、な」

 口元を歪めた姐さん。
 それに、オレは笑いながら、頭を撫で続けただけだった。



 うん。
 と言う訳で、姐さんとヤる事になった訳よ。(つっても、仕事なんだけどね)

 互いにアーマーは外して。常服に着替えてね。
 練兵場の部屋ん中からは動かんで、話なんかしてた訳よ。

 前戯に入るのかね、こういう会話って。

「それで、どうすれば良いんだ?」

 犯ると決めても、姐さんはやっぱり戸惑い気味。

 練兵場で犯るってのは、まああれだけどさ。
 それ別にしても、姐さん、受身な訳で。それじゃ訓練の意味がない。

「姐さん姐さん、これ、訓練なんだからさ」

 相変わらず頭を撫でつつ、オレは言った。

「戦闘で敵に、次どうしましょ、って訊く? そこは自分で考えんと」
「それはそうだがな――――」
「姐さん」

 オレは姐さんを遮って、目を見据えた。
 見返す視線にも、まだ戸惑いの色が移ろってる。

 まあ、練兵場で、それも勤務中に犯るとかね。
 いつもなら有り得ないんよ。姐さん的にも、当然オレ的にも。(蛇妖の嬢ちゃんの件は突っ込まんでよろしい)
 それに、オレがここまで強引なのも珍しいしね。普段は模擬戦との交換条件だし。

 その辺の認識は億尾にも出さず。
 オレは説明を続けた。

「姐さんはさ、その辺、ムリムリで押しちゃう。大体はそれで押せちゃうしさ。
 でもさ、だからあの淫魔さんには敵わなかった」
「……そうだな」

 苦い顔を隠さない姐さんが可愛くて。
 オレは姐さんを抱き寄せて、胸元に顔を掻き抱いた。

「だから、ま、訓練が必要なんよ。分かる?」
「それは……分かるが」

 オレの胸に顔を埋めたまま、姐さんは呟いた。

 されるがままだよね。
 姐さん、エロい方向じゃすぐ受け手になるんだから。

 でも今日は、それじゃ不味いんでね。

「ほら、姐さん。どうすりゃいいか、考えて考えて」
「ど、どう考えれば、良いんだ?」
「搾る時は相手の望む事を探る。殺し合いじゃ相手の嫌がる事を探る。
 相手のね、心理や思考を読むってのはどっちも変わらんのよ。だから考えるんだ」

 首を下ろして、耳元で囁く。

「オレが喜びそうな事。気持ちの良い事」
「気持ちの、良い事、か」
「そのためにはね、色々、前提条件を頭に入れる事」

 オレは続ける。小声で、囁いて。

「オレは姐さんの事が好きなんだ」
「あ、ああ、わ、私も……」
「今はね、オレの言葉だけ聞いて。それで考えて」
「あ、ああ」
「姐さんが好きだから、姐さんに喜んで欲しい」
「あ、ああ」

 オレは姐さんの頭を撫でる。撫でる。

「姐さん、渇いてたんだよね」
「そうだ」
「今も?」
「ああ。少し、だが」
「じゃあ、何か飲みたいよね?」

 姐さんが、喉を鳴らした。

「姐さんが、飲んでくれるとね。オレも嬉しいんだよ」
「ん、あ、ああ」
「姐さんはオレを気持ち良くする。しなきゃなんない」
「……ああ」
「じゃあ、答えは?」

 姐さんが顔を上げた。

 重なるオレの言葉を、受け入れて。咀嚼したためだろう。
 既に、その顔は欲情に濡れていた。

「お前のを、舐めて、飲ませてくれないか?」
「上出来」

 オレは姐さんの頭を一撫でし、身を離した。



 オレのズボンを脱がした姐さんは。
 今にも食らい付きそうなくらい、俺の物に顔を寄せていて。

 オレが手で、肩を止めてなかったら、とっくに始めてただろうね。

「駄目、なのか? 間違っていたのか?」

 戸惑いが、失意に変わっている。
 怖々と訊ねる姐さんは、常の姿からは程遠い。

「そうじゃない」

 そんな、どこか濡れた目で見上げる姐さんは凶悪に可愛いが。
 オレは冷静を装って、首を振った。

「姐さん、焦らしてみようよ」
「じ、焦らす、か?」
「そう。焦らすの大事だよ?」

 囁き声を上から落とす。

「オレが堪らなくなるまで、焦らすんだ」

 片手で頭を撫でる。撫でる。
 艶やかな金の髪の中、姐さんは頭を震わせている。

「オレがね、姐さんが欲しくて堪らなくなるまで焦らす。焦らすんだ。ほら、手で触って、擦ってみて」
「あ、ああ。こうすれば、良かったのだな?」
「ん。そう。そんで、オレの反応見て、色々、探って」

 顔を寄せたまま、怖々と両の手で俺の物を触り。
 撫でるように表面を触り、撫で付ける。
 本当に優しく。
 今にも壊れそうな古物にでも触れるかのように。

 確かに焦らしだけども。
 これじゃ、刺激が少な過ぎるよね。

「姐さん、ほら、握ってみて」
「あ、ああ」
「それで、擦って。そう、もうちょっと力を入れて。そう、そんな感じで。もっと色々と探ってみて」

 頷く姐さんに、俺は髪を撫で。
 姐さんは強張らせた顔で、ゆっくりと擦る。
 そのぎこちなさは、生娘かと見紛うばかり。
 俺の物から目を外せない姐さんを見下ろし、少し意地悪げに笑った。

 これじゃ、どっちが焦らしてんだか。
 先に進めない、そのじれったさを感じてんのは、どっちが上なんだろうね。

 姐さんの手も焦りがちで。雑。
 ほとんど口淫ばっかりだったからね。手淫は珍しいんよ。

 元が腕力も強靭性も人間と比べ物にならんから、力の加減に怯えがある。

 だから、ま。雑なんよ。
 もちろん、姐さんのしてくれる事は嬉しいし、素直に気持ち良いと思う。
 それでも刺激がまだまだ不十分なのも確か。

 頭を撫でながら、言った。

「姐さん、唾、手に付けてみて」
「あ、はあ、唾、か?」
「姐さんの唾でベタベタにしちゃおうよ。その方が、オレも気持ち良くなるしさ」
「ん、ああ、分かった」

 一度手を外し、唾液を零して。

「手にすり込んで。もっとたくさん。こっちを見て。ほら、もっとたくさん零して」

 息も荒く、涎を垂れ流しながら見上げる姐さんは、綺麗だ。
 何故だろうね。こんなに下品で、淫らどころかだらしなくすらあるのに。
 黒の目で見上げる姐さんは、本当に本当に綺麗で。
 今すぐ抱き締めて、時間を忘れて犯りたくなるくらい、素敵で。

 でも我慢我慢。
 オレが正気を失ってちゃ世話ないわな。

 オレは一度頭を振って、言葉を続けた。

「ほら。オレに見せるんだよ。手を。すり合わせるのを。見せ付けるんだ。そう。そうそう」
「ん、これで、良いのか?」

 グチョリグチョリと。
 手をこね合わせ、擦り合わせながら、姐さんは見上げる。
 媚びるような、泣いてしまいそうな目。
 そんな目が良い。
 惹きつけられて。耳が姐さんの手の音にだけ集中させられてる。

 やっぱり姐さんは良い女なんだよ。
 こちらを魅せる技術なんてなくても、そのままオレを魅了しちまう。

 元がこれだけ良いの持ってるのに、すぐ受身に回るんだから。勿体無い。
 オレは内心で苦笑しながら、言った。

「その手で、オレのを握ってくれるんだよね?」
「あ、ああ、そう、そうだ……」
「じゃ、それを口で言って。こっちに知らせて。興奮させるんだ。分かる?」
「あ、ああ」

 ごくりと、唾液と洩れ始めた腺液とを飲み込み。
 重ねていた手を開いて、おずおずと、姐さんは言った。

「い、今から、お前の、その、物をだな」
「うんうん」
「こ、この、唾液まみれの、手で、ん、擦って」
「擦って?」
「き、気持ちよく、させて、やるから、な」

 上出来上出来。
 隠語なんか言わない生真面目な姐さんにしちゃ、上出来ですよ、マジで。

 本当に、恐る恐る、といった風な具合の語り口。
 これで構わないか、とでも問いたげな上目遣い。

 オレは再び姐さんの頭を撫で、誉めた。

「そうそう。そうやってちゃんと口に出すのが大事なんだよ」
「い、今ので、良かった、のか?」
「今すぐにね、姐さん押し倒したいぐらい」

 そしてオレは促した。

「じゃ、今までの忘れないで。続けてみて」



 グジュルグジュると手にへばり付いた液が音を立てる。

 手の滑りは、悪い。
 舌から漏れ出た腺液が粘ついているからだ。
 その抵抗に応える様に姐さんは両の手に力を込め、すっていく。
 それは先程までとは全く違ったレベルの快楽だった。

 グジュプ、ジュプジュプ、ブジュプ、グジュプジュジュプジュプグジュプジュプ────

 腰が浮ついて、軽く振っている。無意識に。
 ただ締りの良いだけの膣にぶち込んでいるよりも、今の姐さんの手の方が何倍も気持ち良い。

「あ、姐さん……」
「ん、は、ああ、あ、な、なん、だ?」
「ん、い、いまの、これ、ね、きもち、いい、から」
「あ、ああ、ああ……!」

 今にも口付けそうな位置に顔を置き、姐さんは必死にこちらの反応を見ている。見上げている。

 興奮に理性の線が切れ始めてる。
 汗に塗れつつあるその顔は純粋に綺麗で、エロくて。

 今までの余裕はどこに行ったか、オレも仕事を半分忘れて、快楽を貪っていた。

 腰の振りが徐々に大きくなる。
 時折、姐さんの上向いた顔の、上唇や頬に、先がぶつかる。
 汗や唾液でぬめり、滑って、それはまた刺激となって、興奮を加速させる。

 時折力の加減が変わり、緩んだ手の内を強く突いた。
 腰を戻す時に、力が入り、未だにこびり付く液がひどく腰を重たくさせる。
 それで、またオレの腰は、もう一押しの力を使って、自分から快楽の嵩を増していく。

 じゅぷじゅぷ、じゅぷじゅぷと。

 姐さんの手の動きと、オレの腰の振りとが一体となっていた。
 オレは姐さんの手を犯し、姐さんは手でオレを受け入れている。

 完全に余裕を失っていたオレは、気づかない内に姐さんの頭を掴んでいた。
 もう限界なのだ。つっかえつっかえ、それを伝える。

「ん、あ、あね、さん」
「は、あぁっ、んん、なん、だ……?」
「おれ、も、んんっ、げんか――――っ!」

 喉奥で言葉がつかえた。
 代わりにオレは、呻きのような声を洩らしていた。

 手の、狭い狭い間が、抜けて。
 違った窄まりに、オレは物を突き込んでいた。
 いや、突き込まされていたんだ。
 その感触のいきなりの変化に耐え切れず、目の奥で火花が散った。

 吸い付き、離れない。
 ただでさえ悪かった滑りは、もうべとべとになって。動きすら難しい。
 そう思わせるくらいに姐さんの口内で、オレの動きは鈍った。

 だが、それは、腺液のせいだけじゃない。

 隔離されていた思考すら消し飛びそうな衝撃。
 圧倒的な快楽の渦に、オレは幻惑されていた。

 腰の動きはもう、オレの意思から外れていた。
 ぐちゅりと鳴る、穴の奥深くまで突いて、穴の入り口に引っ掛けるために引き戻す。
 ただ貪るためだけに、オレの抑えなんか忘れて、ただただその動きを繰り返していた。

 喘ぎ、見下ろすと、見上げる姐さんの顔が見えた。
 それは、訊ねる顔。
 蒸気が上がりそうなほど体温を上げ、顔を紅潮させながら。
 それでも、姐さんはオレに訊ねていた。

 これで、正しかったのか、と。

 ああ、そうだ。
 正(まさ)しく、これで良かったのだと。

 そう返事をする代わりに。
 オレは、姐さんの喉に、そのまま精を放っていた。
 堰を切ったかのように、激しい勢いで。どくどくと。



 抜き終わったオレは、茫然と意識を浮かせてたんだけど。
 その間も、姐さんは後処理まで丁寧にしてくれていた。

 ちょっとの間、まだ出るんじゃないか、と言わんばかりに、口内で物を弄んでた姐さん。
 一度口を離すと、綺麗にオレの物を舐め、精の残滓すら余さず拭い去って。
 オレから少し距離をとって、胡坐でその場に座り込んだ。

 頬に朱色を残したまま、姐さんは深々と嘆息した。

「結局、だな」
「結局?」

 姐さんの言葉に、オレも自分を取り戻して。聞き返す。
 姐さんは口元に苦さを浮かべて、呟いた。

「お前の言うことに、従ってただけだったな」

 オレはそれに、言葉は返さないで。
 周りに目をやって、お目当ての品を探してた。お、発見。
 あ、ズボンですよ。探してたのは。
 ずっと下半身丸出しってのも恥ずかしいもんでね。

 姐さんは、オレを横目に言葉を続けていた。

「考えろと言われて、このざまだ。情けない」

 衣擦れの音が残る。
 いや、オレが返事返さなかっただけなんだけどさ。

 ちとね、この後の段取りがぐるぐる回ってたんだけども。
 姐さん、ほったらかしてちゃいかんよね。反省。

 ズボンを履き直したオレに、姐さんがポツリと零した。

「終わりか?」
「ん?」

 再び落とした嘆息も深々だ。

「……やっぱり、駄目だったんだな」
「いや、違う違う」

 よっと。まあ、そんな感じに。
 姐さんの隣に寄ったオレは、そのまま腰を下ろした。

「違うって姐さん」
「何が違う? 何が違った?」
「いやいや。姐さん、上出来だったから」

 ふと上げた視線に、明るさが戻る。
 聞き返す声色も、少し上向いたものだ。(まあ、第一段階はクリア、だろうかね)

「……本当か?」
「マジマジ。嘘言ってもしゃーないでしょ」

 ぶんぶんとオレは首を振った。
 それでも姐さん、納得いってないみたいだけども。

「……しかしな」

 だから姐さんは、言い募るのを止めない。

 それを遮るオレは。
 一つ、シニカルに笑って言った。

「いや、ほらね。あれだよ」

 姐さんねぇ。
 多分ね。ちと、上見すぎなんだよね。

「姐さんはさ、まあ、あれなんだよ」
「だから何なんだ」
「性に関してだけど。卒業したてのヒヨっこバリなんよ」

 オレの適当な言い草に、姐さんはハテナ。
 ま、そりゃ今の言い方じゃ分からんわな。

「ヒヨっこばり? 何だそれは」
「訓練学校、卒業したばっかのヒヨっこ。オレのパーティによく来るような連中みたいって訳」

 姐さんの髪、手櫛で梳きながら。オレは説明を加える。

「姐さん、ヤる技術とかさ、あんま考えた事ないでしょ」
「あ、ああ。確かにそうだが……」
「学校で習って、実践でどう使うか考えてないのと同じ」

 髪が整って、オレは手を離した。
 そのまま手を広げ、伝える。ちと辛辣な話を。

「計画立てて、やってみて、それで評価する。
 これ繰り返してさ、経験って積む訳でしょ。戦闘経験も。性技も。
 こっちの分野で姐さん、そういう経験以前に、そんな事も考えた事ない。そういう訳よ」

 無言。
 姐さんの顔、良いね。集中してる。戦闘前の会議ん時の顔だ。

 姐さんはゆっくりと口を開いた。

「つまり……今の私は、素人同然、なのだな。
 何の経験も積んでいない、知識だけのヒヨっこ」

 屈辱をかみ殺すような声音。

 姐さんは、ラングダ。
 性を扱えぬ淫魔と鬼の混血。
 だから、姐さんが性技に達していないのは致し方ない。

 だからって、仮にも淫魔がね、人間にヒヨっこ扱いされたんだ。
 屈辱を感じない方がおかしい。
 特に、ギルドで勤め、淫魔と直で接している姐さんなら。淫魔としての自覚を持ちつつある姐さんなら。

 オレはあえて表情を動かさずに、頷いて返す。

「そそ。だから、先輩が指示する。それに従う。なんかおかしい?」
「いや。そうか。それで上出来、なのか」
「姐さんのレベルじゃ、まだオレが指示しなきゃいけない程度なの」

 すっと、小さく音が聞こえる。
 姐さんが息吸った音だ。

 こちらが身震いするくらい、姐さん、集中してる。

「それで、私はどうしたら良い?」



 良いね。
 本気で良いよ。姐さん。

 でもね、姐さん。
 姐さんがフゥッラと、こんな桁違いの相手と戦うなら、やっぱね。一足飛びでいかにゃならんのよ。
 並大抵の成長じゃあ、いつになるとも知れんから。

 視界の端で、祓われてない地面を見る。

 ったく、トンでもない。
 よくもまあ、オレなんかに殺されたもんだよ。戦場は怖い。

「姐さん」
「ああ」
「オレの目を見て」

 正面に回って。
 オレは姐さんを見据えた。

 座り、向き合ったオレと姐さんの間には、風一つ吹かない。静かだ。

 可憐とすら言える、薄い口唇をきっと閉め。
 姐さんもオレを見返している。
 黒の瞳が、全部、オレの目を、その奥を見詰めている。

 オレはちょっとだけ、目だけで笑って。言った。

「姐さん」
「ああ」
「キス。して、良いかな」


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