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No.4438の一覧
[0] 色欲のルルーシュ(CodeGeass ※壊れ)[鈴木 可翔式](2009/12/05 21:19)
[1] 色欲のルルーシュ~プロローグ~ 『バカ が 生まれた 日』[鈴木 可翔式](2008/10/14 20:35)
[2] 色欲のルルーシュ Return01『覚醒 の 白き 魔女』[鈴木 可翔式](2008/10/16 18:10)
[3] 色欲のルルーシュ Return02『弟子入り の クラスメイト』[鈴木 可翔式](2008/10/16 18:12)
[4] 色欲のルルーシュ Return03『ライフ は ゼロ』[鈴木 可翔式](2008/10/22 19:04)
[5] 色欲のルルーシュ Return04『皇女 と 痴女』[鈴木 可翔式](2008/10/22 19:10)
[6] 色欲のルルーシュ Return05『新たなる 仮面』[鈴木 可翔式](2008/11/02 20:59)
[7] 色欲のルルーシュ Return06『ギルフォード を 撃て』[鈴木 可翔式](2008/11/19 22:03)
[8] 色欲のルルーシュ Return07『黒 の 既視感』[鈴木 可翔式](2008/11/23 20:54)
[9] 色欲のルルーシュ Return08『リゲイン』[鈴木 可翔式](2008/12/05 22:28)
[10] 色欲のルルーシュ Return08.5『仮面 の 新事実』[鈴木 可翔式](2009/01/06 10:37)
[11] 色欲のルルーシュ Return09『モニカ 来る』[鈴木 可翔式](2009/12/05 21:21)
[12] 色欲のルルーシュ Return???『FLUKE REBELLION ~1~』[鈴木 可翔式](2010/05/29 19:33)
[13] 色欲のルルーシュ Return10『ナリタ 逃亡戦』 加筆分追加[鈴木 可翔式](2010/05/30 10:21)
[14] アーニャのブログ1[鈴木 可翔式](2011/03/21 21:54)
[15] アーニャのブログ2[鈴木 可翔式](2011/03/21 21:56)
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[4438] 色欲のルルーシュ Return08『リゲイン』
Name: 鈴木 可翔式◆ecc40991 ID:11fd1fa6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/12/05 22:28




 ホテルジャックの後、憔悴してたルルは帰って来るなり、直ぐに眠りについてしまった。
翌朝、事情の説明をしてくれたルルの話では、ユーフェミア様―――ユフィに拒絶されてしまったみたい。

 Cの世界では、あんなにもルルの傍にいたユフィ。
私とルルとロロの四人でいつも一緒にいて、確かにルルを巡るライバルではあったけど、でも、ちゃんと仲の良い友達で。
だから、私もユフィはルルと一緒に手を取り合うんだって、疑いもしなかった。

 ホントは、私だってルルがゼロなのは、あまり良い思いはしない。
ルルが反逆を始めちゃえば、どうやったって人が傷付くし、ルルだって絶対安全なわけじゃない。
けど、やり直したルルが無闇に他人を犠牲にするような事はないって信じてるから、信じられるから、今度こそ、何も出来なくても最後までルルの側でしっかり応援しようと決めた。
その気持ちは、Cの世界で話したユフィだって持っていたものなのに、なんで…?
ルルとの間に何があったと言うんだろう?



 そんな風に、理由の良くわからないままユフィが離れてしまってからのルルは、もう見てられなかった。
いつもなら、直ぐに立ち直るルルなのに、今回は私や、師匠、咲世子さんがどれだけ励ましても、気力を取り戻してくれない。
学園にも来ないで、部屋に篭りっぱなし。
師匠なんかは「もうしばらく放っておくしかないな」なんて言って、ホントにそうしているけど、やっぱりどうしても心配。

 ルルはやり直してから明るくなったと思う。ちょっとエッチになり過ぎてたり、女癖が悪いのはたまに、なんなのよ!と思ったりするけど、前より優しさや好意を隠さずにいれる様になったルルは、前よりもっと魅力的に見えて、私は好きだ。

 だけど、きっとそれと同じくらい弱くもなった。
いまのルルは、愛情が与えられるだけのものじゃないって実感できているから、ルル自身にも向けられる想いにしっかりと気付いているから、だから余計に、それを失った時の傷口が大きいんだと思う。
ユフィの事でガッカリが長引いてるのだって、たぶんその所為。

 そんなルルの力になるにはどうしたら良いんだろう?
師匠や咲世子さんは、ルルの為に動き始めてる。
なら、私は?
最近はそんなことばかり考えて、でも考えてばかりじゃダメだと思うから、私もなにかしようと決めて。


 それで今日、顧問の先生が風邪をひいて休みになった部活のお陰で出来た時間を、なんとかルルに元気になって貰おうって、色々頑張るつもりで引き篭ってるルルの部屋に急いで来たのに―――


―――そのルルは、傷付いて元気がない筈のルルは、ヴィレッタ先せ、千草さんとエッチしてるって、どういうコト?



 ダメだ、このままじゃルルは別の意味でダメになっちゃう気がしてきた。
うん、例えばヒモとか呼ばれるダメ男に…。

 だから、だからね、ルル?
怒ってないから、少しそこに正座して、ね?






 色欲のルルーシュ Return08『リゲイン』






 黒の騎士団創設後数日1ページ目

 ブリタニアの少年ルルーシュは、二つの咎を持っている。
一つは早漏。如何なる相手よりも先に満足を得る、絶対速射の力。
一つはシスコン。愛する妹達へ向ける禁断の愛情。

 やり直しの機会を得たルルーシュは動き出す。
己が愛する者たちを囲う為、そして、妹ナナリーと幸せに過ごせる世界を創る為。

 ユーフェミアに拒絶され傷心中の彼が、これからどんな行動を起こすのか、今はまだ、誰も知らない―――



 ―――って、黙れ、魔女!
なんだその人を小馬鹿にした様な語りはッ!
俺はもう早漏じゃないだろうが!
それに咎ってなんだ、咎って!?俺が妹を愛する事を、まるで罪悪の様にナレーションするんじゃない!
何?「お前が義妹にフラれたくらいで、いつまでもイジけているからな。揶揄かいたくもなる」?
くっ、お、お前に何がわかる!?ユフィは、ユフィはなぁ、シャーリーと共に、Cの世界で俺の癒しであってくれた女なんだぞ!
それが、それが…、くぅ、いま考えればユフィに対しての釈明、説得がいくらでも思いつくと言うのに、俺は何故あの時、ああも不様を晒してしまったんだ…。
その所為で、俺はユフィを………グスッ、駄目だ、寝よう。
寝て、嫌な事は忘れるんだ。

 そうしてベッドに潜り込む俺の背後から、「またそれか?いつになったらお前は復調するんだ…」なんてC.C.の呆れ声が聞こえてきたが、無視だ、無視。


 あぁ、ユフィ。

 神よ、できるならもう一度やり直しさせてはくれまいか…。




 黒の騎士団創設後数日2ページ目

 語りたくもないが現状。
ユフィとの訣別があってから、俺は物の見事にやさぐれた。
いいや、過去形で語るのは違うか。現在も絶好調でやさぐれている。

 学園には行かず昼間からC.C.に溺れ、学園が終わった後はシャーリーに溺れ、手が空いているのを見ては咲世子に溺れる。
彼女らは、いつまでも立ち直る兆しを見せずにいる俺を、それぞれの形で叱咤激励するものの、結局は突き放す事はせずに受け入れてくれて。
俺もこれではマズイ。と思いつつも、そんな彼女たちの思いやりに甘え、縋り、自堕落な日々を過ごしていた。

 が、ここ最近はあまりにあまりな俺のヘタレっぷりに、彼女たちも困惑気味。
C.C.なんかは完全に俺を捨て置いている。

 まぁ、当然か。
俺だってこんな自身の有り様を自嘲している。これでは駄目だとも自覚している。
それでも、…それでも、立ち直ってやる!という気力が欠片も湧かないのだ。
ククク、一度は世界をも手に入れた俺が、まさかたった一つの愛を失った程度で、こうも落ちぶれるとはな。

 ユフィに拒絶されたショックは、俺が自分で思っていたより、存外に大きかったという良い証拠だ。
何せ、電波ジャックでの黒の騎士団創設宣言の折、美観を損ねるから、と言う理由で断固参列許可を出さなかった全身ギブスの玉城が、普通にゼロの後ろに並んでいるのを、後日ニュースで見て気付いた程だ。

 傷心の中、きちんとゼロとして行動出来ていたつもりでも、これでは他にもミスをしているかもな。
最悪、騎士団の崩壊に繋がる失態すらしているかも知れん。

 …だが、まぁそれでも良いか。などと思ってしまう程に弱気なのが今の俺の心理状態。
実際、学園だけでなくゼロもサボっているしな。

 理想へ向けたゼロとしてのこれからの行動の果てに、ユフィ以外の誰かも失ってしまうくらいならば、この閉じた箱庭で時間の許すまでシャーリー達とウフフアハハしていた方が、傷付かなくて済むし、と愚にもつかない事を真剣に思い悩んで今日で何日目だったか?




 黒の騎士団創設後数日3ページ目

 学園にも行かず、ベッドに横になり読書。
本当に良いご身分だな、俺は。

 …む、さっき開けたばかりのポテチがもう空か。
咲世子―――は、俺の代わりに学園だったか。病欠で良いと言ったのに律儀な事だ。
C.C.も何故かいない。
…面倒だが、自分で―――って千草、良いところに来てくれた。
部屋の掃除?それは良いから、キッチンに買い置きしてあるポテチ持ってきてくれないか?後、プリンも…。

 ん?「これ以上はお体に障ります」だって?
ハハハ、何を言っているんだ千草?ポテチやプリンの食べ過ぎで、この俺がどうにかなるとでも?
「ですが、ナナリー様も心配なさっておりますし…」って、痛い所を。

 千草達には、俺の状態に対してナナリーへの箝口令を出していたが、それもあまり意味はなかった。
ナナリーは直ぐ様俺が気落ちしている事に気づき、心配をしてくれている。
そうと知りながらも、俺はこの体たらく。
はぁ…。駄目だ、せめてナナリーにだけは心配を掛けるべきではないとわかってはいても、ナナリー=愛妹=ユフィと、どうしても今俺が抱えたダメージへと連想が向いてしまう。
こんな状態でナナリーの前に出ても、ナナリーを余計に心配させるだけだし、こんな情けない俺をナナリーに見られたくはない。
………うん、明日は心の傷も少しはマシになっているかもしれないし、明日考えよう、明日。

 って事で千草、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。ポテチ持ってこい。あとプリン。
何?「いけません、ルルーシュ様!」だと?千草、使用人の分際で、俺の考えに意見する気か?
ほう、そこで睨み返すとは、お前も少しはランペルージ家のメイドとして馴染んできてはいるようだ。
だが、気丈を装っても足が震えているぞ?全くヴィレッタの時とは偉い違いだな。

 仕方ない、もう一度だけ言うぞ?千草、これ以上俺の嗜虐心を刺激しない為にも、手早くポテチとプリンを―――「で、ですが…」じゃない!必要なんだよッ!C.C.達ともこの頃ではあまり愛し合えていない俺の心の傷をを慰めるには、ポテチと!プリンがッ!!もう限界なんだ!さぁ、はやく!
………それとも何か?お前がポテチとプリンに代わり俺を慰め―――これだ。

 千草、ポテチとプリンを持って来ないならそれもで良い。が、ならば代わりにお前が俺を慰めろ。
フッ、そこできょとんとするとは、可愛いじゃないか。
しかし、わからないとは言わせないぞ?女だったら出来ることがあるだろう?

 そこまで告げて漸く、理解に至った千草の顔が赤くなる。
クク、狼狽えてる、狼狽えてる。可愛いなぁ。少し癒されたよ。
まぁ、俺も力関係を盾にとった強制は趣味じゃない。
ポテチとプリンさえ持ってくれば、今の話は無かったこt「やります!」………ん?やります?

 はて?と首を傾げて千草を見れば、決意の表情を顔に浮かべたメイドが一人。
え、いや、予想外なんだが…。
だいたい、多少仲良くなったものの、千草に体を許される程に好かれる様な事をした覚えはまだないし。
ん?「ルルーシュ様の腹部が醜く弛んでいくのを、ただ見ているなんて、私には耐えられない!」って、そんなに腹出てるだろうか?

 ………いいや、OKならば頂くとしよう。
肉体関係から深まる愛もあると、今見ていた本にも書いてあった事だし。

 
 じゃあ千草、こっちに。………待て、メイド服は脱がないで良い。




 黒の騎士団創設後数日4ページ目

 歳上の魅力を再確認。
その上、千草の意外なウブさも良い感じだ。
なんと言うかこう、恥じらっている中にも大人の色香が漂って、加えて慣れてきてもオドオドしていると言うか、慎ましやかと言うか…。
そんな千草にはメイド服の似合う事似合う事。咲世子とは別ベクトルで、一つの理想形かも知れない。
千草をメイドとして雇った自身の先見の明を褒め称えやりたいくらいだ。

 まぁ、そんな千草の何日かに及ぶ献身的奉仕のお陰もあり、俺は少しずつではあるが、気力が戻って来ている。
そう、ポテチとプリンへの依存を止め、朝夕の食事をナナリーと共にできる程には、だ。
ユフィの問題がどうともなっていない以上、根本的な解決にはなっていないものの、なら、どうにかしてやろうじゃないか!と僅かでも思える様になってきたなら、俺はまだ立ち直れる筈。
だから、早く立ち直る為にも、今は千草と思うさま愉しもう。

 そんな訳で、目の前の千草のおっぱいを揉んだり、吸ったり。
まだ日が出ている、と言うのに抵抗があるからか、「ぅン~~~ッ」とか極力声を出さない様に努める千草。非常にそそる。
これは、扇のヤツ、前回相当にイイ思いしてたに違いない。

 良し!俺も堪らなくなって来たことだし、いざ挿入を―――と、千草の足の間に割って入ったところで、部屋のドアが開く音が…って、この展開、Cの世界でもあった様な………。
恐る恐るそちらに目を向ければ、そこには肩にかけたスポーツバッグを取り落として、こちらを見るシャーリーが―――って、シャァーリィーーッ!?

 バカなッ!?よりにもよってシャーリーだと!?一番見られてはいけない相手にッ!!
と言うか、君はまだ水泳部のある時間帯の筈じゃ………え?顧問が風邪?今日休み?
おのれ!風邪くらい気合いでどうにかすれば良いものを―――「咲世子さんに頼ってズル休みしてるルルのセリフじゃないでしょ!?」って、そ、それは確かに…。
「何してるのよ!私達みんなルルが元気ないの心配してるのに、部屋に引き篭って、まさかずっと千草さんとシてたってわけ!?」って、いや、千草とシてたのはここ数日で…、じゃない!
ち、違うんだシャーリー、これは次に俺が提案しようとしていたメイドさんプレイの予行演習と言うかなんというか。じ、実はシャーリーのメイド服も既に用意してあ―――え?弁解になってない?ですよね?
あれ?でも弁解しないと俺死ぬんじゃ…。

 マズイ。シャーリー笑顔なのにとてもとても怖い。俺にかかってもいない『生きろ』というギアスが全力で―――って、言ってる場合か!ち、千草、助け、ッ!いないだと!?
主人を置いて逃げるなんて、そんな…「ルル?」…はい、ごめんなさい。
はい、言いたい事はわかります、はい。
でも、あの、………ギアス使って無かった事にとかは、駄目、ですよね?

 
 質問の答えとして帰ってきた、顔面へのスポーツバッグにより、俺は意識を手放した。




 黒の騎士団創設後数日5ページ目

 終わった。致命的だ。
気絶から叩き起こされ、シャーリーからのお説教の後、更正が認められるまでの千草禁止令を出されたのは、まぁ、良い。
本当は良くは無いが、良い事にしとかないと命が危ないので、良しとしておこう。

 では、何が終わったのか?
終わったのは、そう、反逆である。
シャーリーから解放され、千草禁止令撤廃の為にもと、更正への前向きな決意を胸に誓った俺は、ユフィとの訣別以来、久しぶりに日付の確認を取って、そこで目を疑った。

 過ぎていたのである。諸々の期日が。
猫祭り、カレンのリフレインイベント、草壁の副官に指示して取り付ける筈だった日本解放戦線指揮官片瀬との談合。
俺が部屋でポテチ食べたり、千草とハァハァしている間に、予定していた計画の実行日は、既に何日か前に通り過ぎていた訳だ。

 ふ、ふハ、フハハハハハッ!なんと言うかもう涙もでないぞ、これは!
猫なミレイとニャンニャンする予定も!カレンとの重要なフラグも!ナリタでこそは義姉上を手中にと思っていたのもッ!全て!すべてッ!俺自身のアホな行動でご破算とは!!

 猫耳猫尻尾なんか、ナナリー、C.C.、咲世子、千草の分まで用意していたと言うのに!それで猫祭り当日は自宅でもニャンダフルデイズにしようと夢見ていたのに!
カレンの母親も救う筈が、これでは既に!
俺が、俺がいつまでもいじけていた所為で………。
クハハ、この俺がまさか女で身を持ち崩すとはな。全てを失ったいまの俺こそが、正にゼロ、か。


 もういい、グレてやる。
グレるには何が良い?酒か?煙草か?それともクスリか?

 …あぁ、クスリと言えばリフレインがあるじゃないか。
いいさ、やってやる。せめて幻覚の中でだけでも幸せになるんだ。
…ヒグッ。






 黒の騎士団創設後数日6ページ目

 終わった、と言ってすぐに発言を覆して悪いが、終わってはいなかった。

 リフレインを少量仕入れ帰宅し、自室で使用する直前、それを見咎めたシャーリー達にリフレインを没収され、俺は狂乱した。
放してくれと暴れ、もう計画は破綻したんだと訴えた。
そんな俺に、C.C.の蹴りと(痛かった)、シャーリーのビンタと(悲しくなった)、咲世子の貫き手(死ぬかと思った)が見舞われ、同時に聞かされたのが、「自棄になるのは勝手だが、計画に破綻はないぞ」と言う言葉。

 は?と、情けなくも疑問を口に出した俺に、三人は説明してくれた。
なんでも、最近の俺を見るに見かねたC.C.達は、このままではゼロとしても学生ルルーシュ・ランペルージとしても立ち行かなくなると、危ぶんだらしい。
最初の頃は、俺を慰め、激励してはいたが、これはどうにも長引きそうだと見るや否や、俺が心的ダメージから回復するまでの間、ゼロと言う役柄をC.C.と咲世子で兼任し計画に支障の出ないようにする事を決意。
シャーリーは忙しくなる二人を学園や、クラブハウスでサポートしてくれていたと言う。

 幸いにも、俺が書き置いていた計画の詳細や、前回の記憶を持つC.C.の立ち回りの妙により、ゼロの行動は今のところ恙無く。
学園でも、影武者な咲世子の頑張りと、シャーリーの的確なフォローにより、何一つ問題は起きていないそうで…。
説明の締めとして告げられた、「まぁ、ルルが楽しみにしてた猫祭りは、代わりに咲世子さんと楽しんじゃったけどね」と言うシャーリーの微笑み混じりな言葉を耳にして、不覚にも俺は涙した。

 感謝する、ありがとう。

 次いで、素直に俺の口から零れた言葉にも、C.C.は当然だと胸を張り、シャーリーは照れくさそうに笑い、咲世子は黙って一礼を返してくれる。

 それを見て改めて実感したのは、俺の不甲斐なさと、心を預けてくれる仲間たちの有り難み。
たった一度ユフィと仲違いしたと言うだけで、俺はなんでこうまで自暴自棄になっていたのか。
俺には、ユフィだけでなく大切にしたい人達がいて、彼女達が支えてくれているからこそ今日という日があると言うのに、それを蔑ろにするような事をしてしまっていた。

 そう、そうだよな。彼女達の想いにしっかりと応える為にも、こんな事でへこたれている場合じゃなかったんだ。
俺には成すべき事がある。それをやっと思い出せた。
進むよ。もうこんなバカはしないと誓う。
ユフィとだって、再び手を取り合える未来を諦めたりはしない。

 そうさ、俺は奇跡を起こす男、ゼロなのだから!


 ―――と、決意新たに立ち直った俺に、やれやれと言った感じでC.C.が提案したのは、久し振りの4P。
ならばと、用意した猫耳猫尻尾を無駄にしない為にも、『猫祭りinベッド』を主張。
勢いで千草禁止令も撤廃に持ち込む事に成功し、初5Pも体験できた俺に、もはや何一つの憂いもない。

 明日からは再びの反逆生活だ。
忙がしくなる前に、クロヴィスに電話で自慢しておかねばな。

 そんな風に気分最高潮の俺だから、ピロートークの際にシャーリーが呟いた、「でも、益々ルルがゼロである必要なくなったよね」という発言も、聞かなかった事にした。




 傷心回復翌日1ページ目

 色々な意味で狂乱の夜が明けて翌日。
俺は学園に復帰し、ホテルジャック後のユフィの動向を探る為に、生徒会室で二人きりになる時を狙いスザクに接触した。
そして、それとなく、お前をここに通わせてくれた人とか、ゼロの事件を受けてどうなんだ?と話を振ってみれば、ゼロへの糾弾が出るわ出るわ。

 スザクの話によれば、ホテルジャック後のユフィは、政庁に用意された自室で泣き濡れているとの事で、この時点で前回よりもユフィに対する傾倒が強く窺えるスザクは、「河口湖でゼロに何かされたに違いないんだ!」とゼロ憎しな感で息巻いている。

 しかしそうか、ユフィも。
彼女を泣かせているのは、もしかしなくとも俺だろう。
その事を居たたまれなく思う反面、それがユフィもまだ俺を想ってくれている証に思えて嬉しくなる。

 お陰でスザクが前回より余計にゼロを敵視してしまっているが、それはどうとでもしてみせよう。
傷心のユフィがスザクの毒牙にかかってしまう前に、もう一度ユフィとの接触か、スザクを行動不能にする術を模索せねばな。

 そうして、聞きたい事を聞いた後も続くスザクのゼロ批判を受け流し考えている途中、ふと机の上に置いてある雑誌に目が止まる。

 表紙はゼロ。それは構わない。
C.C.達が上手く事を運んでくれているのだから、この時期どの雑誌もゼロ一色だろう。

 だがなんだ、この『魔王ゼロ』と言う写植は?
前回もテロリストの親玉として、賛否両論、様々な呼び方をされはしたが、仮にも正義の味方を標榜する黒の騎士団のトップを『魔王』などと名付ける雑誌など存在しなかった筈。

 頭を過る嫌な予感に押され、その雑誌を開いてみれば、―――予感は的中してしまった。

 目の前に躍り出た文字は、『巻頭特集!魔王ゼロの正体に迫る!!』『生身でナイトポリスを撃破!』『心臓を撃ち抜かれても死なない不死身の謎!』『魔王、ピザ屋を襲撃!?』などなどで…。

 雑誌を持つ手が震える。よくあるゴシップで片付けるには、心当たりがあり過ぎるこの内容。

 俺はバカだ。ヤツら二人がゼロとして動いてくれていたその事実に感動し、大まかな作戦のあらましを訊いただけで満足してしまっていた。
が、よく考えれば、ゼロの中身は、不死のピザ女と、天然メイドなくの一。詳細を事細かに確認せねば、安心などできなかったと言うのに…!

 事は一刻を争うと判断し席を立つ。
ん?なんだスザク?ゼロの話?悪いが急用が出来た、また今度な。

 生徒会室を出てクラブハウスに全力疾走。
あの二人、ナリタでの作戦も近いと言うのに、ゼロを一体何者に仕立て上げたいんだ!?これじゃ只の化け物だろうがっ!!
くそっ!アイツら、どうしてくれよう………。






 色欲のルルーシュ Return08『リゲイン』おわり






 あとがき

 どうも、鈴木です。
ルルーシュの誕生日なんだし投稿せねば!と書いてみた今回の話ですが、この話、Return08.5『仮面 の 新事実』みたいな感じで、ゼロ(C)、ゼロ(咲)がルルーシュが凹んでいた裏で何をしていたか?と併せて一つにしようとか目論んでいます。

 で、こんな凹み過ぎのルルーシュは実際どうなんだろう?とか。
折角、初期から頼れる仲間がいるのだし、内助の功ってことで、今回は女性陣に頑張ってもらおうと思いまして。
タイトルもそのものずばり回復ってことで、ルルーシュには一度思うさま堕落してもらいました。
幾つかサブタイ案頂いて、喜んだのも束の間、今回は自分で捻り出して書き始めた後に見たもので、すみません。
次回以降再び困る様な事があれば、遠慮なく頼らせて貰おうと思っています、はい。

 そして、いつもながら他にも感想ありがとうございました。
楽しんで頂けてるようで幸いです。
一号、二号のご意見、唸らされました。ちょいと次回に反映するかもしれません。
あー神楽耶は、三人官女は早めに揃えておきたいんで、近い内。
その前に先ずは、今回本編ではスポットの当たっていたカレンを、次回!

 ってことで、色々書きましたが、今回はここら辺で。
次は番外?みたいなんで出来るだけ早めに。
では、また。






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