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No.4438の一覧
[0] 色欲のルルーシュ(CodeGeass ※壊れ)[鈴木 可翔式](2009/12/05 21:19)
[1] 色欲のルルーシュ~プロローグ~ 『バカ が 生まれた 日』[鈴木 可翔式](2008/10/14 20:35)
[2] 色欲のルルーシュ Return01『覚醒 の 白き 魔女』[鈴木 可翔式](2008/10/16 18:10)
[3] 色欲のルルーシュ Return02『弟子入り の クラスメイト』[鈴木 可翔式](2008/10/16 18:12)
[4] 色欲のルルーシュ Return03『ライフ は ゼロ』[鈴木 可翔式](2008/10/22 19:04)
[5] 色欲のルルーシュ Return04『皇女 と 痴女』[鈴木 可翔式](2008/10/22 19:10)
[6] 色欲のルルーシュ Return05『新たなる 仮面』[鈴木 可翔式](2008/11/02 20:59)
[7] 色欲のルルーシュ Return06『ギルフォード を 撃て』[鈴木 可翔式](2008/11/19 22:03)
[8] 色欲のルルーシュ Return07『黒 の 既視感』[鈴木 可翔式](2008/11/23 20:54)
[9] 色欲のルルーシュ Return08『リゲイン』[鈴木 可翔式](2008/12/05 22:28)
[10] 色欲のルルーシュ Return08.5『仮面 の 新事実』[鈴木 可翔式](2009/01/06 10:37)
[11] 色欲のルルーシュ Return09『モニカ 来る』[鈴木 可翔式](2009/12/05 21:21)
[12] 色欲のルルーシュ Return???『FLUKE REBELLION ~1~』[鈴木 可翔式](2010/05/29 19:33)
[13] 色欲のルルーシュ Return10『ナリタ 逃亡戦』 加筆分追加[鈴木 可翔式](2010/05/30 10:21)
[14] アーニャのブログ1[鈴木 可翔式](2011/03/21 21:54)
[15] アーニャのブログ2[鈴木 可翔式](2011/03/21 21:56)
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[4438] 色欲のルルーシュ Return05『新たなる 仮面』
Name: 鈴木 可翔式◆ecc40991 ID:11fd1fa6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/11/02 20:59


 シンジュクでの作戦の後、僕の軍務以外の時間は、七年振りに再開したのも束の間、再び安否がわからなくなってしまった友達―ルルーシュを捜す事に費やされた。
とは言っても、複雑な事情のある彼だろうから、公の機関に頼るのも憚られて、見つけ出すのは難しい。
そうこうしている間に、クロヴィス殿下の暗殺から、ゼロと名乗るテロリストの出現なんて事が立て続けに起きて、苛立ちは募るばかりだった。

 そんなある日、僕は上からの出頭命令を受ける。
驚いた事に、僕を呼び出したのは、崩御なされたクロヴィス殿下に変わり、日本―――エリア11の副総督に就任する為にこの地に赴いた皇族。
ユーフェミア・リ・ブリタニア第3皇女殿下。未だあまり表に顔を出していないお姫さまで。
もちろん、只の一等兵。しかも一名誉ブリタニア人にしか過ぎない僕が彼女と面識なんてある筈もなく、「アナタに興味があるの」なんて微笑まれたところで、最初は僕の持つ『枢木』の姓がそうさせたのか、と訝しむ事しか出来なかった。

 けれど、違った。
「以前、あなたに似た人が好きだったの」なんて、臆面もなく微笑まれ、僕の警戒心は一気に取っ払われてしまって。
その後、まさか皇女様のお願いを断る事も出来ず、彼女のお転婆に付き合う形で租界に脱け出して、遊び回って、色々な話をした。
家族の話、友達の話、恋の話―――をした時の彼女の笑顔が、少し冷ややかに感じたのは気のせいだと思いたい。うん。
とにかく、話している間に、僕たちは見る間に打ち解けた。

 そうして、僕にとっても久しぶりに楽しいと思えた一日の夕暮れ、彼女は言った。「シンジュク・ゲットーを見せて下さい」と。
予感はあった。その瞳にあった憂いは、今までに見てきたブリタニアの人達とは大きく違っていたから。
このブリタニアお姫さまが、只のお遊び気分で、租界まで脱け出すなんて事は無いと。
だから僕は、彼女と共にゲットーに向かった
そして、向かったゲットーで起きていたのは純血派同士の抗争。
タイミングを合わせたかの様に、その場に来たロイドさん達の協力もありランスロットで戦闘に割り込んで、続くユーフェミア様の名乗りで抗争が中断され後、彼女は僕に訊ねてきた。

 真摯な瞳で、僕の戦う理由を。日本人でありながらブリタニアに膝を折る理由を。
あまりに真っ直ぐな彼女に誤魔化す事も出来なくて、しどろもどろになりながらも答えた言葉はなんだったろうか?
辛うじて、正しく在りたいのだ、と返した筈だ。
「それがどれ程の苦難でも?」と問いを重ねた彼女に、死も厭わない、とも答えた。
過去に自らが間違った方法で得た結果を知る僕だからこそ、今度こそ正しい方法で、ブリタニアの中から、正しい方向に変えて行こうと生きてきた。
そう生きて、それでも叶わぬ夢ならば、道半ばで果てても本望だったから。

 でも、七年前から今までの僕が苦しみながら導き出して、信じ続けてきたその答に返されたのは、僕の頬を張る彼女の一撃だった。
呆然とする僕に彼女は泣きながら訴えた。
死ぬ事は贖罪じゃないと。
死に逃げるなと。
どこまでも本気で、悲しげに、言葉と共に手を振るわれた。

 いくら彼女の細腕だと言っても、無防備に受け続ければ、それなりに腫れもするし、痛みもあったけど、その行為を理不尽だとは思えなかった。
恐らくは、気付かされたからだと思う。
なぜ彼女が、僕自身ですら誤魔化し続けてきた胸の内に潜む願望を言い当てる事が出来たのかはわからない。
けれど彼女の言葉は、知らず死に逃げ道を求めていた僕自身の心を、死んで楽になりたいと言う惰性を孕んだ想いを、自覚させてくれた。
その後で、愕然とする僕に、落ち着きを取り戻し謝罪と共に差し出してくれた彼女の手を、僕は一生涯忘れることはない。
正しく在りたいと、幸せな未来を望むのなら、今度こそは死に囚われずに、私とその方法を探しましょうと、夕日を浴びて微笑む彼女に、僕は泣いた。
泣いて、彼女の手を取った。
救われた思いだった。彼女とならば、と思えた。
自然膝を折って礼を礼をとる僕に彼女は言った。
祈る様に、「私の大切な人が道を間違えてしまうかもしれません。それを止める為にも、どうか一緒に…」と語るその言葉にも否はなく。
強く頷いて、彼女―――ユフィと笑いあったのが、僕らの出逢い。

 まぁ、只でさえ腫れてた顔を、ユフィと共に帰った後、脱け出した事で更に上官から粛正されたのは、流石に苦笑してしまったけれど。



 そして今、ユフィとの出逢いにより、少しだけ立場を変えた僕は、彼女の取り計らいで通える事になった学園の屋上で、七年振りに無事と知れた親友と語り合っている。
ルルーシュの現在の立場を聞いて、ユフィにも隠し立てしなければならない事ができたのが少しだけ心苦しいけれど、嬉しい事に変わりはないし。
ナナリーも無事でいてくれた事も解って、この機会を与えてくれたユフィには、感謝してもしたりない。

 さぁ、この幸福が壊されない世界に一日でも早く近づける様に、僕は僕で、出来るだけの事をしていこう。



 それはそうとルルーシュ。
僕の顔のケガもそうだけど、君の顔もなんでそんなに腫れているんだい?







 色欲のルルーシュ Return05『新たなる 仮面』







 親友転入日2ページ目

 確信した。ユフィも帰って来ている。
理由は、以前と同じくサインを使って屋上に呼び出したスザクの話から。

 ナナリーも俺と一緒にいる事や、俺達の現在の身分などを話し、シンジュクでの事も、C.C.の事も含めて前回と同じように誤魔化した後、俺からスザクに幾つか質問をしてみて明らかになった事実。
名は伏せられていたが、スザクの顔を悲惨な状態にしたのはユフィで間違いないだろう。
フハハハ、ザマァないなスザク。あれだけユフィ、ユフィ言いながらナナリーに手を出した報いだ!
…ではなく、元々クロヴィス暗殺の容疑者でなかったスザクが学園に転入してきた時点で予測はついていたとは言え、これでユフィがやり直しているのも確実となった。

 しかしマズいな。
ユフィにもCの世界での記憶があるのは嬉しくあるが、それと同じ位にマズくもある。
C.C.やシャーリーの様に、前回の記憶を持っていても俺の傍にいてくれるのなら問題はないが、ユフィの立ち位置はブリタニア側だ。
俺達もやり直している事は、まだ知らないだろうし、今回クロヴィスが死んでいない事は言わずもがなだ。
今はスザクの反応からしても、俺の事を急にどうにかする気はないと見れるが、優しい彼女の事だ。最悪、敵対してでも俺を止めようとするかもしれない。
俺の思考を以てしてもユフィの事は読みきれない、謂わば最大のイレギュラー。
彼女が前回の流れに干渉を起こす様な行動にでる前に、早めに接触を図り、スザクの毒牙にかかる前に二度目の処女も俺が―――じゃなくて、現状の説明、説得、その他諸々をして、味方になって貰いたいのだが…。


 っと、しまった。今はスザクと会話中だったな。
なんだ、スザク?「ナナリーにも会えるかい?」って?
く、コチラから極力ナナリーの話を振らないようにしてたのに、コイツは。
逢わせるのは簡単だし、ナナリーも喜ぶだろうが、スザクはナナリーにも、フラグ建て兼ねないヤツだからな。
スザクとナナリーのフラグとか、俺にとってはあらゆる意味で死亡フラグ。当然へし折るべきだろう。
けれど、ダメだ!なんて言い方は、一応親友な現在の関係では角が立つだけだし、仕方ないからスゴく迷惑そうな雰囲気を出して、嫌々ながらに誘う。
が、そこは流石にスザクと言うべきか。空気など一欠片も読まずに「えっ、いいのかい?」なんて嬉々として言ってきた。

 ………あぁ、まぁいいさ。俺のナナリーへの愛で、お前に付け入る隙を与えなければいいだけだ。クソ。


 こうなれば、スザクへのディフェンス対策を練るしかないと考え、じゃあ夜に、と屋上での会話を切り上げようとした俺に、スザクが「そういえば、君の顔も面白い事になってるけど?」とか声を掛けてきた、が無視。
カレンに殴られましたなんて言える訳がない。


 今回もやはりスザクとは相容れない様だ。




 親友転入日3ページ目

 自室に戻り会議。
C.C.とシャーリーにユフィもやり直しているだろう事を告げる。
C.C.はどうでも良さそうに聞いているが、シャーリーはCの世界で親交のあったユフィのやり直しを随分と喜んでいる。
しかし、俺を含めてやり直しが確認されたのは、これで四人目だ。
いったい、どういう理由でやり直しがなされているのか、本格的に調べるべきだろう。

 C.C.なにか解る事とかないか?ん、「推論だが」?あぁ、別に構わない、言ってみろ。
何?「今やり直しが確認されているのは皆、お前と精神的に繋がりのあるヤツだ」と?どういう意味だ?
「まずお前と私には契約者としての繋がりがある」と、それは解る。
が、シャーリーとユフィは…、「文字通り繋がっただろ?精神世界で」って、なんだその嫌な笑い方は!シャーリーも照れてるんじゃない!
いや、オカシイだろ、それは。
確かにCの世界は精神世界と言えなくもない…のか?
だが、そうするとアレか?Cの世界で俺の抱いたヤツは皆やり直してると?
む、「今のところ筋は通っているだろう?」だと?
確かにそうだ、な。
それに、その仮説を信じるとするなら、やり直している人間の一応の目処もつくし、執拗に俺のもう一つの貞操をつけ狙っていたロロからの完全な解放を意味する事になる。
けど、関係をもった女みんなとなると、それは…。
い、いや、違うんだシャーリー!「私たちの他に誰かいるの?」なんて、そんな事あるわけないじゃないか!

 そ、それよりも!今夜スザクがくるから、C.C.は、絶対に部屋から出るなよッ!
シャーリーもすまないが今夜は遠慮してくれ!あぁ、埋め合わせはきちんとするから!



 ………誤魔化せた、か?




 親友転入日4ページ目

 夜。
スザクの来訪とナナリーの帰宅。
そして、三人での夕食。
あまり回想したくないので適当に記す。

 ナナリーは涙を流して喜んだ。それは嬉しい。
儚げなナナリーの顔は、言葉などでは尽くせぬ程に可愛い。
が、それはスザクの齎したもので、嬉し涙とは言えナナリーを泣かし、あまつさえ俺の女神の手を握って微笑み合うとか、前回のナナリーとスザクのアレコレがフラッシュバックして、グギギギ。

 食事では七年分の溝を埋めるかの様な楽しげな会話。
二人きりで生きてきた中で培ったナナリーの中の『優しいお兄様』像を崩さない為にも、想像を絶する精神力を費やす。
そんな責め苦の中で得た情報としては、スザクは今回も技術部に配置替え。即ちランスロットのデヴァイサー=今回も俺の敵。
控え目に言っても、直ぐ様スザクを叩き出してやりたくて仕方がなかった。

 そうこうしている内に余りに長々とナナリーと戯れるスザクに、俺の忍耐が尽き、最終手段『ぶぶ漬け』を投入するも、ただ喜ばれて終わる。
日本人の癖してスザクのヤツ!
しかも、俺のナナリーが「今日は泊まっていかれるんでしょう?」とか俺を殺傷しかねない発言をしてしまう。
スザクもスザクで「え、いいのかい?」とか記憶にない発言をするもんだから、必死に不自然に思われない様に阻止する羽目になった。


 で、漸く今スザクとクラブハウスの玄関で向き合っている訳だが、長く過酷な戦いだった。
同じ学園にいる以上、スザクとナナリーはどうしたって出逢ってしまうから今回の食事会は仕方無いと割り切ったとは言え、ここまで疲弊するとは…。

 それにしてもスザクのヤツ、何故か前回と違い、吹っ切れた感が漂っていて、終始笑顔だ。
ユフィが何かしたのだろうか?
いや、スザクの顔を酷い事にしたのは解るが、それはスザクが前回よりニコニコしている理由にはならないし…。
叩かれて嬉しそうって、はッ!まさかスザク、Mに目覚めたのか?
ユフィもCの世界で色々とはっちゃけていたし、やり直しの機会を得て、ここぞとばかりにスザクを調教し―――いや、落ち着け俺。こんな推測はユフィにも失礼だ。
だいたい、スザクのSはサディストのSって位、コイツはMの対極にいる男の筈だ。
思い出せ!俺亡き後、スザクがナナリーにだんだんSっ気を露にしてプレイに及んだ時のあの憤怒を忘れたのか!?

 そう、そうだ。
俺は決して忘れない。
思えばスザクがナナリーにSM紛いの行為を働いた時から、俺とスザクの道は完全に別たれたと言って…、なんだ、スザク?まだいたのか。何?「僕たち学園では他人でいよう」?あぁわかった、そうしよう。じゃ、おやすみ。

 背を向けてクラブハウスに入ろうとする俺に「ちょ、……え?」とか、戸惑った様な声が聞こえてくるが、今の俺はそれどころじゃない。
思い出せば出すほど、余計にスザクをナナリーに近付ける訳にはいかなくなった。
出来る限りの策を構築せねば…!





 親友転入日5ページ目

 スザク対策に思い悩みながら部屋に戻るとC.C.が「今回、スザクはどうするんだ?トモダチだろう?」とか訊ねてきた。
違うな。間違っているぞ、C.C.。
確かに友達は友達だが、それ以上にヤツは俺の仇敵だ。
言った筈だろう?我が覇道を阻む者は、相手が誰であれ容赦はしない、と。

 ん?「じゃあ、学園でもあのまま放っておくのか?」って?スザクが孤立しているの、シャーリーにでも聞いたのか?
まぁ、流石に前回と同じでは些か不憫だが、幸いにも今回のスザクは、クロヴィスの件との関連性はないからな。
今は名誉ブリタニア人として距離を置かれているが、そう遠くない間に学園に馴染むだろう。
後は、会長にでも頼んで運動系のクラブに籍だけでも置かせておけば、スザクの事だ。軍務の間にでも、力技で自分を認めさせるだろうさ。
故に、前回のアーサーに仮面を奪われる様な醜態も、晒さなくて済むだろう。

 おい、何故ションボリする。「アレはアレで良い見せ物だったんだが…」って、魔女、前回見てたのか!?
そんな目で見てもやるわけないだろう!意図的にあんな事を起こしてたまるか!
そもそも、学園の連中にゼロの仮面見られたら洒落にならないだろうが!「ギアスがあるだろ」って、お前バカか?野外でお前たちとスる時に、俺がどれだけの人数にギアスをかけたと思ってるんだ!
俺のギアスは一人につき一回。既にギアスを使用した相手に仮面を見られたら即アウトなんだから、そんなリスク冒せるかッ!
だいたい、今回スザクの生徒会入りは阻止する方向で動いているんだから、あんなイベントは必要ないだろうが!
た、確かにナナリーの「ニャー」や、キスが貰えないのは痛いが、それを考慮しても負わねばならないリスクが大きすぎるんだよ。

 って、「ふぅん」とか、お前そんな…、人が折角説明してやってるのに、どうでも良さそうに服を脱ぐな!「いいからヤルぞ」って、人の話を―――ふ、まぁ、良いだろう、あくまでそういう態度を見せるのなら、お望み通り泣いて許しを乞うまで躾してやろうじゃないか!
やり直した当初ならまだしも、シャーリーすらいない現状、たかが魔女一人で魔王たる今の俺をどうこうできる訳がないんだよ、ハハハハハッ!

 ところで、「Cの世界からはあと何人やり直しているんだろうな?」とか、………え、C.C.、お、お前まさか知って―――「何がだ?」って、いや、なんでもない!なんでもないから、その意味深な微笑をやめろぉッ!



 精神的な揺さぶりに加え、普段あまりしてくれないフェラetcの奉仕攻撃により、その日の俺は、久し振りに1vs1の戦いで破れた。
未だ底を見せていなかったとは、恐ろしい女だ。







 スザク転入翌日1ページ目

 誤算だった。
朝、俺が昨夜の敗戦のショックを引き摺りながら教室に入ると、そこには、シャーリー、リヴァルと打ち解けているスザクの姿。
それに釣られてちらほらと他のクラスメイト達も周りに輪を作っていた。
聞けば、スザクは生徒会のメンバーとなったそうで。
何故だ!?とか考えるまでもなく、シャーリーが行動を起こしたのだろうと、予測がついた俺は、動揺を隠してスザクに「良かったな」と声を掛けておいた。
やり直したメンバーの中で、ユフィのこれからの行動にばかり考えを巡らせていたが、思えばシャーリーがスザクを放っておく筈がない事に気付く。
それは彼女の優しさ故の行動なのだし、俺がどうこう言うのも筋違いなのはわかっているが、…はぁ。

 恒例となった保健室でのシャーリーとの情事後に確認をとってみれば、案の定、シャーリーがミレイ会長に掛け合ったが為のスザクの生徒会入りだそうだ。
クソ、スザクめ!前回同様悉く俺の想定を外してくれる!
なにかの加護でも受けているんじゃないのか、アイツ?


 余談ではあるが、俺の落ち込みを勘違いしたシャーリーに、「エッチって勝ち負けじゃないと思うの!」とか励まされた。
言っている事は正しいと思うし、気持ちは嬉しくあるが、シャーリーに何をメールしてくれているんだ、魔女よ。




 スザク転入翌日2ページ目

 C.C.に敗北し、スザクに予想を覆された二つのショックから落ち込む俺を立ち直らせてくれたのは、意外な事に井上からの連絡だった。
初め、チュウブのサムライの血がコーネリアに潰されて云々の報告に、覇気のない声で受け応えしていた俺を、「ショックなのはわかるわ」とか言いつつ、とても親身に心配してくれた上で、「あなたならきっとあの魔女にも勝てる!」と応援してくれた。
歳上の包みこむ様な声に癒され、気分を復調した俺は、今後の指示を幾つかだし、礼をして通信を切る。

 ありがとう、井上。
お前は大切な事を思い出させてくれた。
そう、そうだ!たかが一度魔女に遅れをとった程度で、スザクが生徒会に入った程度で、俺は何を弱気になっていたんだ!
こんな事では近く控えるブリタニアの魔女、コーネリア義姉上との戦いにも支障を来してしまうところじゃないか。

 義姉上との対峙までには、ゲフィオン・ディスターバーも低出力ながら間に合いそうなのだ。
そうなれば、義姉上攻略の最大の障害であるギルフォードにも早々に退場願えるだろう。
ククク、義姉上にフラグ建て捲りだろうあのメガネさえ排除すれば、義姉上はあらゆる意味で我が手に落ちたも同然!
ギルフォードに手傷を負わせれば、ゼロ=俺とバレた時に怒るかもしれないが、それすらも義姉を想うが故の弟の可愛い嫉妬ッ!義姉上ならわかってくれる筈だ!

 フハハハ、そう考えれば気分が高揚してきたぞ!
さぁ、まずは井上が「きっと勝てる」とお墨付きをくれたC.C.にリベンジマッチだ!




 スザク転入翌日3ページ目

 上がったテンションは長続きしなかった。
勇み足で、頼んだばかりのピザを頬張る魔女に襲いかかり、ピザに気を取られている魔女を窮地に追い込んだ―――までは良かったのだが、俺とした事がTPOを忘れていた。
C.C.の上になって腰を振り、後一歩でトドメ!と言う時に、お茶の時間なナナリーが俺を誘いに部屋に入って来たのだ。

 咄嗟に動きを止め、C.C.の口を塞ぐ。
部屋の防音対策も改善済みな為、どうやら音では気付かれなかった様だが、如何せん性臭はどうにもならなかった。
「あら?この匂い」とか首を傾げるナナリーに、「ピザだよ!」とか必死になって誤魔化したは良いが、咄嗟の言葉にしても我ながら無理があったと思う。
ナナリーも怪訝な顔をしていたし、お茶の時にどうにかフォローしておかねば…。


 ふぅ、しかし危なかった。
この段階でナナリーに知られて、もし嫌われでもしたら、もう死ぬしか道がない。
本当に紙一重だ。
おっと、すまん。C.C.苦しかっただろう?もう良いぞ、って―――し、死んでる!?
お、おい、C.C.!冗談は止せ!いくら行為中の息があがってる時だからって、お前がそんなに簡単に窒息死とか………おい、魔女!



結局、蘇生と共に激怒したC.C.には、ピザ20枚で許して貰った。
…不死で良かった。




 スザク転入翌日4ページ目

 なんとかC.C.を宥めすかし、ナナリーとのお茶の為、リビングに向かうと、今日、仮面を奪い逃げ回る筈だった猫のアーサーが、ナナリーの膝に座していた。

 な、ナナリーが、ナナリーがアーサーと、猫語?でにゃーにゃー話している!
なんて恐ろしい光景だ。大望を抱き未だ道半ばである俺に、一瞬でも今死んでも本望だと思わせるとは!
え、にゃんだいナナリー?「この猫さん飼ってもいいですか?」?ハハハ、こんな光景がいつでも見れるなら、俺に反対する理由はないよ!



 こうして、やはりアーサーと名付けられた猫は今回、ナナリーの飼い猫となった。
…ハァハァ、ニャニャリー。





 クロヴィス国葬日1ページ目

 あれから数日、猫を可愛がるナナリーを見て、なんどか命尽きそうになりながらも、来るべき日へ向けて俺は、余念のない行動をしてきた。

 租界の技術者たちをつかって、反逆活動を有利に運ぶ為の機器を着々と揃えているのが一つ。

 前回と同じく『イレブン』としてのスザクの生徒会入りに怯えるニーナに、度々、元気づけフォローを入れているのが一つ。
なにせニーナを放置すれば、ユフィを信仰と言うレベルで慕い、その後、ゼロ憎しでフレイヤなんて発明してしまう文字通りの爆弾娘だ。
今回ユフィをあんな目にあわせるつもりは微塵もないから、ニーナを敵に回す可能性も低いが、それを鑑みずともあの頭脳、才能。内に取り込んでおくに越した事はない。これはそう考えての行動。

 そして最後の一つは、ゼロ仮面のバージョンアップ!
やり直してから思うところあり、改良を依頼していた仮面が、なんと今日完成するのだ!
本音を言えば今すぐ取りに行きたいのだが、忌々しい事に今日は、クロヴィスの死を受けた皇帝の演説の日だ。
表向き一学生に過ぎない今の俺が、それをサボる訳には流石にいかず、こうして集められた体育館で、演説が始まるのを今か今かと待っているのだが………む、皇帝が出てきた。

 どうやら演説が始まるようだ。




 クロヴィス国葬日2ページ目

 演説中、父であり、師であり、超えるべき壁である男を見る。
前回は憎しみが先立って他の事に目が行かなかったが、冷静になってみると本当に偉そうだ。
その演説内容も、とても共感を得ようとして語られる言葉とは思えない。

 ………それはそうか。何せラグナレクが成就するまで保てばそれで良い統治だ。いくらでも強気でいられよう。
C.C.の仮説が正しいなら、皇帝はやり直していない事になるのだから、目的はやはりラグナレクなのだろうしな。

 見るからに自信満々な父シャルル。
今回もやはり、母さんやV.V.と誓った目標の為に心血を注いでいるのだろう。
しかし、俺は知っている。いや、ヤツ本人からCの世界でポツリとこぼされ知った。
嘘嫌いです。とか標榜しながら、ヤツは母さんにさえ嘘を吐いていた事を。
その嘘、ヤツ曰く嘘でなく隠し事、らしいが、それはラグナレクを推し進める真実の理由だ。
この世界の誰が想像できようか?世界の頂点たるあの巨漢が、抱えきれなくなった女関係の精算の為に、神殺しを企んでいようと!

 しかもヤツめ。クロヴィス死んでないの知っている癖に堂々と国葬とか非道に過ぎる。
つい先日も、「ルルーシュ、画材を買うお金が欲しいんだが…」とか電話してきたクロヴィスが憐れに思えてきた。

 あ、ダメだ。
Cの世界では、一子相伝のブリタアン性術を伝授されて絆されたりもしたが、改めてヤツの行動理由を考える程に腹が立ってきた。
俺だけならまだしも、ナナリーにさえ実害が及んでいるのだから、許そうと思う事自体間違いだったんだ。

 よし、やはりヤツは殺そう。
待っていろシャルル・ジ・ブリタニア!
知力権力の上でも、性的な意味においても、必ずや貴様を超え、皇帝の座に就いて見せようッ!




 クロヴィス国葬日3ページ目

 そして夜。
皇帝の演説を受け、誓い新たにした俺の意を汲むかの如く仕上がってきた、新・ゼロ仮面を見て俺は柄にもなく興奮している。
外見は何一つ変わらなく見えるこの仮面だが、この前の仮面とは比べるべくもない性能を備えている。

 1.耐久性。
スザクに銃弾を撃ち込まれて割れる事などもうあり得ない、その防弾能力!

 2.索敵・通信能力。
KMFが破壊されても大丈夫。小型ファクトスフィアの搭載に成功し、通信機能も完備。不足の事態にも指示を出す事が可能!

 3・ギアスの能力サポート。
全盛期より弱まっている俺のギアスを補う為、ギアス仕様に際し開閉する部分に、収束・拡散のレンズを切り替え式で設置。
ギアスが光情報であるからこそ、レンズを介しての遠距離、広範囲でのギアス行使を実現!

 最後に4・酸素吸入装置!
井上との行為中に痛切に実感した息苦しさもこれで解決!
仮面を被ったまま事に及んでも、極度の疲労の心配なしだ!!


 …ふ、しかも、これだけの機能がついていながら、重量もそこまででないとは、自分の設計能力が恐ろしい。
本当は4の機能だけの改善だった筈だが、C.C.やシャーリーの悪ノリに耳を傾けてみて正解だったな。

 どれ、さっそく装着してみるか。
―――む、心なしか被り心地も良いような。
ク、クハハハ!素晴らしい!これでこそゼロの仮面だ!
その内フロートとか付きかねんぞ、コレは!ハハハハ―――って、ん?いま後ろから物音が、って、咲世子ッ!?
マズい!ゼロの仮面被って高笑いしてるところを見られるとは!ってか、索敵能力機能してないじゃないか!!



 ………ど、どうしよう?






 色欲のルルーシュ Return05『新たなる 仮面』おわり






 あとがき

 遅くなった上にグダグダでスミマセン。鈴木です。
今回は色々と準備編。
やらかしてないか非常に恐いんですが、取り敢えずの投稿をば。
もうちょい進めば書きたいトコロなんで頑張ろう、うん。

 今回も感想ありがとうございます。
何回も読み返してます、はい。

 で、そろそろサブタイが苦しくなってきたわ、エロくないわで、xxx板にある意義を問われそうですが、ゴメンナサイ、エロかけない。
後、ルルーシュ視点が大部分で、書き切れない事とかでてきたんで、姑息ではあるがキャラクター説明でも作ろうかとかも考えてますゴメンナサイ。

 もうちょいしたら、忙しいのも一段落しそうなんで、そしたら更新も少しずつはやまる…と、思います。
では、また。





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