(38)
その晩、俺はルイズの入浴のお世話をするため、いつもの通り女風呂に行った。
「今日は、キャサリン、オードリー、ベル、セシル、クリスティーナ、シンシア、ダイアナ、ベス、ロリータ、スザンヌとセックスして」
更衣室に入るなり、前置きもなくキュルケが俺に命令してきた。
「何だ、それ?」
「そうよ。人の使い魔を勝手につかわないでもらいたいわね」
俺が聞き返し、ルイズが文句を言うと、キュルケはさも当然というように答える。
「みんな才人の精液飲んじゃったんだから、セックスしてあげないと苦しいの。それを過ぎると死んじゃうの」
セックスする女の子をキュルケが仕切っているらしい。確かに山のように飲まれた気がするなぁ。キュルケの後ろではタバサがなにやらリストを持っている。俺の精液を飲んだ女の子の名前を二人で纏め上げたんだろうか?ある意味大したものだ。
「お分かり?」
「あ、ああ……分かることは分かった」
というわけで、更衣室のベッドでは女の子が裸で俺を待っている。
「わたしの面倒は誰がみるのよ?」
ルイズが不満そうに言っている。
「それなら、私たちが……」
そういいながら何人かのメイジがルイズを浴室内に連れて行く。恐らく順番待ちの女の子だろう。
「ルイズ、これならいいでしょ?」
ルイズの背中にキュルケが声をかける。
「ええ。他のメイジが代わりにしてくれるならいいわよ」
ルイズが満足そうに答えている。俺が面倒見るときより嬉しそうだ。
「というわけで、もう何も問題ないから、才人、初めて」
かくして、俺は女子更衣室で順番に女の子とセックスすることになった。いいんだろうか?人間として罰せられる行動なんではないだろうか?何かここにきてからこんなことばっかりしている気がする。……俺は若干の背徳感と相当の嬉しさで最初の女の子に手をだした。え?結局やりたいんじゃないか、って?そりゃあ、みんな美人ぞろいだし、据え膳食わぬは男の恥って言うくらいだから、裸の女の子を目の前にしたらセックスしないと失礼だ。………多分。
で、最初の女の子はキャサリン。どうも聞き覚えがあると思ったらこの間、庭で俺のナニを根元まで咥えたすごい女の子だ。おまけに最初にパンツを脱いで俺の顔にまたがった子でもある。見た目は小柄で、ちょっと童顔で、まだ純真無垢って感じで、とてもそうは思えないんだが。顔は結構かわいい。髪は黄緑。胸は程よいサイズ。ルイズより大きいがシエスタにちょっと負けるくらい。でも、身長を考えるとなかなか豊満に見える。
「そ、それじゃ、始めようか……」
俺は緊張気味に彼女に話しかける。いいのか?こんなことをして。………いい…んだよな、うん。
「初めてなんです。優しくしてください……」
キャサリンは恥ずかしそうに俺に訴える。
「うん」
上の口は恥じらいを以って俺に接しているが、下の口はもうびちょぬれで受け入れ体制万全だ。だから俺は前技もなしに挿入をしていくことにした。したんだが……これは……フーケとやったときもルイズ・タバサ・キュルケの3人に見られていたけど、今日は一体何人に見られているんだ?女の子だらけ。しかも、女風呂の更衣室だからみんな裸。パラダイスかハーレムかといった面持ちはあるんだけど、みんなの目が怖い。俺が襲われそうだ。だから、俺は出来るだけ目の前の女の子だけに集中してセックスすることにした。
「挿れていい?」
「はい……」
キャサリンは嬉しそうに瞼を閉じる。俺はゆっくりとナニを膣に進めていく。まだきつい入り口が俺の侵入を阻む。だが、それも一瞬のことだ。ぬわっと口が開いたかと思うと、あっという間に俺のナニを7サントくらい咥える。
「はぁっ……!」
そして、そこでもう一度進入を阻む。今度は俺が力を入れないとそれ以上の進入は不可能だ。俺はそこに立ちはだかっている障害膜を突き破る。
「うっ……」
キャサリンが若干の苦痛に顔を歪める。だが、耐えられないほどでもないようだ。俺はゆっくりと腰を動かしていく。
「あぁ~ん……うん…あはぁ……んふぁぁん……」
受け入れ体制万全だったキャサリンはすぐに快感を覚えるようになっていた。これなら普通にやっても大丈夫だろう。俺はピッチをあげた。
「あはぁ…ん、はぁ、くふぅん……んあ…いい、いい……ふぅぅ、んん」
キャサリンの声が次第にあがっていく。
「はあぁぁぁ」
「ん……くぅ……」
「だめ……いや……」
それと同時に周囲からも色っぽい声があがってくる。見れば、さっきまで立っていた女の子たちは、尻を床につけて座ったり、丸まって寝ていたりする姿勢で、手で自分のあそこを弄り、胸を揉み、快楽を享受しようとしている。早い話がオナニーしている。これだけ大勢が一斉にオナニーしている情景は相当官能的だ。俺はますます昂奮して、キャサリンの攻撃を激しくしていった。
「ああぁぁ、だめえ!いやぁ!すごすぎるわ!!」
キャサリンは体を真っ赤に火照らせながら快感に浸っている。そして、程なく彼女は絶頂を迎える。
「あぁ、あぁ、いく、いっちゃうのーー!!」
全身ピーンと硬直し、息を止め…………それから全身弛緩してはあ、はあと息を整える。俺も同時に彼女の膣(なか)に精液を注ぎ込む。はあ、一人終わった。俺はキャサリンからナニを引き抜く。
「次はオードリーね」
キュルケの声が響く。オードリーと思われる女の子がよろよろと俺のところにやってくる。オナニーしまっくていて、すでに全身でうっとり感を表現している。
「おねがいします……」
そして俺にセックスしてくれるように下手に依頼をする。そして、立っていられなくなったのか、おれに抱きついてくる。なんて、いい子なんだ。俺はたった今射精したとは思えないほど勢いよく復活してきた。そして二人目のセックスが始まった。
そして、何十分か何時間かかけて、ようやく10人とのセックスを終えた。つ、疲れた……。周りを見ると………何十人もの裸の女の子が、ある子は仰向けで、ある子は丸まって自慰行為にふけっていた。これは……すごい!すごいんだけど、今後この女の子全員とやっていくのか?少し……いや、かなり大変だ。今、その気になればよりどりみどりなんだろうけど、そうすると収拾がつかなくなりそうだから、止めておこう。
「明日はアメリア、エレナ、フランシスカ、ジゼル、イングリッド、ジャネット、リリアン、プリシラ、ヴィクトリア、ゼルダとセックスよ。みんな楽しみにしているから」
キュルケが楽しそうに言った。そういうキュルケも他の子とおんなじような格好で自慰に耽っていた。ハーレムは気持ちはいいんだが、同時に辛いものだということをいやというほど知ったのだった。
部屋に戻ると、ルイズが満足そうに、
「やっぱりヴァリエール家は他の貴族に敬われなくてはならないのよ。これはいいことだわ」
と、言っていた。他のメイジに世話されたのが随分お気に入りのようだった。
「才人が他のメイジとセックスすることでメイジがわたしの世話を見ているんだから、そういう意味では才人も役に立っているわね。今後も励みなさい」
珍しく俺にも感謝していた。
翌日、昼間はルイズと虚無魔法の実験。夜は何人ものメイジとセックス。もう、昼も夜もセックス漬けになってしまった。だが、山のようなセックスでだいたい虚無魔法や、メイジが受ける影響についてわかってきた。
■虚無魔法の影響する範囲
ドット 50メイル
ライン 200メイル
トライアングル 900メイル
スクエア 不明
ルイズ 2000メイル
この影響範囲を足した距離を直径とする球状の範囲が消滅する。
多少人により増減があるが、だいたい上記の範囲が目安。
例えば、タバサはトライアングルだから900メイル、ルイズの2000メイルと合わせて2900メイル位。
タバサとキュルケとすると、合わせて3800メイル位。
ルイズがイメージすると消滅範囲がラグビーボール状に変える事もできる。
体積一定のようだ。
■消滅させる対象
ルイズが強くイメージすると、そのものだけが消失する。木の葉だけとかは実績あり。
■メイジの魔力回復までの時間
人によるが大体1ヶ月。だから、虚無のエネルギー源に使うには1ヶ月以上メイジを休ませる必要がある。
これは普通の魔法と同じらしい。
タバサとキュルケはなぜか早く、約2日。トライアングルクラスだからか?
俺とルイズは気がついたらすぐに復活。だから、大体数時間。
■メイジが感じるエクスタシー
ドット 気を失うくらいの快感
ライン 何回もの絶頂が同時に襲ってくるような快感
トライアングル 絶望を感じるくらいの快感
スクエア 不明
ルイズ 秘して語らず。どうみても気持ち良さそうだ。
■俺とセックスしなかった場合の禁断症状(本人談)
ドット あまりない。多少のがまんで耐えられる。
ライン 重度依存症。抜け出るためにはかなりの精神力を要する。
トライアングル 死を覚悟する必要あり
スクエア 不明
だからタバサとやったときは大体3リーグの影響があったんだ。タバサとキュルケとやったときは3800メイルの影響があったに違いない。雲がなくなったってコルベール先生が言っていたから、上空4kmまでの雲が消えたんだな。すごいな。
メイジの感じ方は魔力が少ないほうが少ない。まあ、考えてみればあたりまえだ。シエスタは全然効いてないもん。ドットってクラスは平民に比較的近いんだろう。だから、精液を飲ませた場合に気をつけなくちゃなんないのは、特にトライアングル以上だけだ。他は、少なくともセックスしなくても死ぬことはなさそうだ。
そのくらいのことがわかったので、とりあえずこの魔法は封印しようということになった。これで普通の生活―――ルイズの裸は毎日眺めなくてはならないんだけど―――に戻れる、と思った。セックスが減るのは少し寂しいけど、やりすぎもなぁ。まあ洗濯の度にシエスタとするくらいでちょうどいいよね。
「―――というように、皆様のおかげで色々虚無魔法について分かりました。なので、これで実験は終わりにしたいと思います。ご協力ありがとうございました」
俺はメイジのみんなに挨拶をした。更衣室での挨拶なので、俺も裸、それを聞いている女メイジも裸というのが、ちょっと……いや、かなりおかしな状況だが。これで、みんなも俺とセックスしなくても大丈夫だということがわかって安心だろう。
………と思ったのだが、みんなの目が怖い。どうして?
「才人さん」
一人のメイジが話しかける。
「は、はい……」
「それで終わりにして私たちが納得すると思っているのですか?」
「え?!…だ、だって俺とセックスしなくても死ぬことはないんだよ?安心したろ?」
「それは分かりました。それは分かったんですが、だからと言って快感を諦めるわけにはいきません。私は今日が順番なのです。皆さんの話を聞いて、今日を楽しみにしていたのです。それなのにいきなり止めにするといわれて素直に納得できるわけがないでしょう?」
「そのとおりです!」
「本当に今日が楽しみでしたのに……」
恐らく今日が順番のメイジから同意の意見がでてくる。
「そ……それじゃあ、一巡して終わりにするというので……」
俺は冷や汗をかきながら答えた。
「異議があります」
別の女メイジが発現した。
「あんな快感を一度体験して、そのうえ才人さんがすぐそばにいるというのに快感を味わえないというのは拷問です。一度やったからといってあの快感を諦められるものではありません。少なくとも才人さんとこの学院に一緒にいる間は続ける義務があると思います」
何人ものメイジが、その通りというように頷いている。
「で、でも……俺もルイズの面倒をみなきゃなんないし………」
「それなら問題ありません。今までどおり才人さんがセックスしている間は私たちでルイズの面倒は見ますから。それでいいわよね、ルイズ」
「ええ、いいわ。才人、みんなを気持ちよくしてあげなさい。いいわね」
ご主人様のお墨付きまでついてしまった。本当にルイズは他のメイジに世話をやかれるのを気に入ったようだ。
「でも…………」
う、もういいわけがない。
というわけでこの生活はそれからもずっと続いた。つ、辛い………。嬉しいけど辛い。一日10人がノルマ!!女は入れ替わり立ち代りなんだが、俺は一人なんだぞ!ちなみに、ルイズは他のメイジに世話をされることが相当気に入ったようで、俺と1~2日に一回、空に向けて虚無魔法を発動することはそれほど厭わなくなっていた。いや、絶対喜んでやっていると思う。やっている最中も結構気持ち良さそうだし。でも、どんな風に気持ちいいかは決して語ろうとしない。
「い、い、いいじゃない。どんな風に感じているかなんて……」
そう言って顔を真っ赤にするだけである。恥ずかしいのかな?かなり気持ちよくなってるなあ、あれは。
俺は、かくして学院でハーレム生活を満喫することになった。ルイズがこの学院を卒業するまでの辛抱だ。はぁぁ………。俺は、また一つ人間として守らなくてはならない何かを失った気がした。