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No.37759の一覧
[0] 沢谷兄妹のオタクな日常[午後12時の男](2013/07/05 23:38)
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[37759] 沢谷兄妹のオタクな日常
Name: 午後12時の男◆96f3d9c1 ID:7cf3b208
Date: 2013/07/05 23:38
オタク系ヒロインものってそういえば書いてないなあ、と思ったので、ストレス発散がてら書いてみることにしました。

何か書き手の自慰丸出しというか、ホントイカ臭くなってしまいました。凹み。

あと、今回投稿分にはエロシーンありません。すいません。
きわどい描写/表現はありますが。

でも後々の展開でエロシーンぶっこむので、XXXに投稿させていただきます。
午後12時の男の非エロです。指差して笑ってやってください。
ああでも、あとでエロシーンに入るってこれじゃネタバレじゃん……


************************************


#1

「触手ってエロゲだと結構な率で魔法少女もので使われてますが、未央は、これは邪道だと思うのです」
 未央が開口一番切り出してきたのは、寝ぼけた俺の脳にはあまりにも濃すぎる触手談義だった。
「………」
 うんざりな視線を投げかけてみても、全然効果なし。
 何故か憤懣やるかたなしといった風情で、未央はふんぞり返ったままである。
「そうなのですか」
「そうなのですよ」
 俺の気のない返事に、未央なぜか得意げに頷く。
 毎度毎度のことでもう慣れたが、黙ってりゃ文句なしに美少女なのになあ、などと思う。
 思うだけで口には出さないが。
「最近の触手ものって『魔法少女アイ』のヒットを皮切りにした流れによるところもあるから、魔法少女×触手の構図が王道の一つとして取り扱われるのも仕方ない部分はあるにはあると思うのです。でもこの構図、未央が思うに、世界観構築と相性がとてもとても悪いのです。
 まず魔法少女って言うジャンルそのものが、設定として現代社会かそれに類似する世界観で展開されることが前提になってるところがあるわけですが」
「あー。『変身して特別な存在になる』って属性が魔法少女で重要な部分占めてるしな、だから対比となる世界観は親しみのあるものほど望ましい、と」
「そう! そうそう! やっぱりさすがお兄ちゃん、話が早いです!
 でも、そうすると触手的モンスターも、その魔法少女ものの基盤となる『現代社会っぽい世界観』から考えたら、異質な存在になるわけですよ。
 犯る側の触手がその世界観からは乖離した存在で、犯られる側の魔法少女もその世界にとって特別な存在って意味で同じく世界観から乖離した存在になっちゃうと、じゃあ、世界観って何の意味があるのって話になるわけです。
 世界観って時々設定とイコールで語られることもあるけど、そうじゃなくって、その世界でどんな人がどういう生活を送っているかとか、そういう雰囲気づくりこそが世界観だと思うのです。つまり世界観とはキャラクターの生活感を補強するための機能もあるわけですが、でも魔法少女という属性は、そこから乖離した存在であることが求められるわけです。
 でも、世界観が世界観として機能してないってことは、触手も、魔法少女も、触手という属性、魔法少女という属性が前面に出た単なる記号にすぎない、生々しさ、その世界に確かに存在するいきものだっていう手触りのしないお人形さんになっちゃいます」
 沢谷未央、今日も絶好調である。
 さらりと伸ばした艶やかな黒髪。若干吊り上りの両目はしかし愛嬌と言える範疇に収まりきつさを感じさせず、平均よりやや小さめの身長とスリーサイズと相まって、ちょっと小生意気な良家のお嬢様って雰囲気がある。
 が、その外見、看板に偽りあり。本質がどういうものなのかは……まあ、御覧の有様である。
 周りの空気も読まずにもう語るわ語るわ。
 しかも内容ががっつりエロ方面だから、なおさら性質悪い。
 片親同士が再婚して、義理の兄妹になって二年たつが、こいつの残念美少女っぷりは相変わらずとどまることを知らない。
 まだ十六歳だというのに「やる」だとかなんだとかそういう言葉が平気で出るのはどうなんだろう。
 そもそも触手がどうとか年頃の女の子が語るもんじゃない。っていうか魔法少女アイとか何で知ってんだ女子高生。
 だんだん白く冷たくなっていく俺の視線に、しかし彼女は全く気付かずどんどんボルテージを上げていく。
「エロをエロく成立させてるキモ、それは何か。未央は『生々しさ』だと思うのです。
 たとえばこう、ラッキースケベで胸を触られた時のリアクションで、ヒロインが「あんっ」とAVみたいに喘ぐより、「ひゃ……っ」と消え入りそうな悲鳴を上げて胸を抱きしめるように身を引くとか、そっちの方がよりエロいと未央は思うのです。
 何故そう感じるか。声だけでなく、身体でリアクションを起こし、『触られた胸があること』『その延長として彼女の肉体が彼女の精神ときちんとリンクした形で、確たるものとして存在すること』、そのことを意識させる動作が入っているから。これは初歩的な身体性を演出するための手管であるわけですが、世界観構築、生活感の演出でヒロインの身体性を意識させるエピソードを積み重ねることでより効果的にこういう演出はエロさに奉仕をするわけなのです!
 わかりますか! そんな芳醇なエロへの可能性を、魔法少女×触手は最初から排除してるんですよ! 許されざるです! 下の下です! 淫獣アニメの時代から何も学んでねえ!! 最初から地の文の演出の可能性を放棄した台本形式SSかって話ですよ! 適材適所ってもんがあるでしょう!! 丸戸史明の『冴えない彼女の育て方』見習いなさいよ!! 地の文使う演出もセリフだけ連打の演出も使い分けてこそってもんですよ!!」
 ひとしきり絶叫したのち、そこで怒りの矛先が危険な方向に行っていたのにようやく気付いたらしい。
 拳を振り上げ中腰になった状態ではたと何かに気づいた様子で大きな瞳をぱちくりさせ、やや気まずそうに咳払いをする。
「すいません。話がそれてしまいました。触手の話ですよね」
「……いや、触手から離れてくれた方がありがたかったけどな」
 しかしやっぱり未央は聞いてはくれなかった。
 よほど最近、鬱屈がたまっていたらしい。
 そんなにいやならその手の依頼、受けなきゃいいのに……などとは思うのだが、まあ彼女ほどの立場となればいろいろしがらみもあるのだろう。まだ若いのにご苦労なことである。
「そんなこんなで演出面・シナリオ面でエロとして不利な魔法少女×触手ものですが、でも一方で、例えばエロゲやCGなら、独特な様式美めいたエロさを絵面として感じさせることが出来るのも、しかし確かなことなのです。
 キモとなっているのは、魔法少女のコスチューム。
 お兄ちゃんならこれがビキニアーマーの進化形と言ったら分かってくれると思うんですが、魔法少女形態のコスチュームって、ヒロインの非日常/戦闘少女としての側面と、少女性/処女性を同時に表現する優れたアイコンとして機能することができるのです。
 少女性を満載に装備した女の子が、臭くて汚らしい欲望に蹂躙される背徳感! ストッキングは破れ生足はさらけ出され、粘液をぶっかけられつつましやかな胸元に練り込むようになすりつけられ! 処女を食い破られ未踏の聖域に孕ませ汁をたっぷり注ぎ込まれる!! 何度も何度もそんな凌辱を受けるうち、子宮の奥に秘めていたはずの欲望が掘り起こされ! やがて魔法少女はかつての姿など見る影もなく快楽に自ら腰を振る一匹のメスに成り下がる!!
 エロのキモは生々しさと言いましたが、清純なものが汚される、そういうギャップもまた確かにエロの肝ではあるのです。
 でも、だからこそ、未央は思うのです。
 両立すればいいじゃん! なんで旧態然とした魔法少女のフォーマットに固執する必要があるですか! ていうか少女性/処女性を演出したいなら魔法少女じゃなくてもいいじゃん!! 和風ファンタジーで巫女さんヒロインでいいじゃん!! でも退魔師とかするとやっぱり世界の日常から離れちゃうので勘弁な!! そう思っちゃいますよ思いませんか!? 未央はそう思いますよみんなもっと触手に愛を!!」
 どかーん!! と背後に書き文字が見えそうな感じで言うだけ言ったところで、ある程度は何とか満足できたらしい。
 むふー、と得意げに鼻を鳴らし、未央はようやく席に着いた。
 俺はじっとりとその様子を眺めながら、これ見よがしにため息をつく。
「なあ未央」
「何ですか、お兄ちゃん」
「前々から言ってるよな。オタク話をやるのは一向に構わないしいくらでも付き合ってやるけど、TPOは考えろって」
「………」
 きょとん、とした顔をされた。
 何で触手に対してはあんだけ良くもわからん屁理屈こねられるのに、こういうところの気は利かないんだこいつは。
「今、お兄ちゃんしかいないからいいじゃないですか」
「良くない全然よくない。卓の上にあるもん見てみろ」
「……えっと、お茶碗?」
「まだあるだろ」
「お味噌汁。鮭の塩焼き。納豆。全部食べちゃいましたけど」
「そうだな。ああまったくそうだ」
 ちなみに手はかかっていないが、全部俺の用意したものだ。さすがに平日は忙しくて菓子パンなどで過ごすことも多いが、今日は休日ということもあって少し余裕があったのである。
 もちろん、毎日毎日いつもそんな寂しい食卓、というわけではない。
 普段家事をしている母は父と一緒には二人して仕事で一週間の出張中なのである。まあこういうことも我が家ではしょっちゅうなので、そのこと自体はいいのだが――
「朝飯喰いながら触手談義するやつがあるか大ばか者!!」
 せっかく作ったのに、味がしないのなんのって。納豆、割と好物なのに、ずるずるぬるぬるべたべた系の話をねっとりされたおかげで残してしまった。
 一方、未央は完食。
 納豆喰いながら粘液精液の話できる現役女子高生、それが沢谷未央である。
「で、でもでも、やっぱりお兄ちゃんにはどうしても聞いてほしくて」
「飯食い終わってからでもいいだろまったく」
 もう一度大きくため息を見せつけてやる。色々たまっているのはわかるが、はけ口にされるこっちとしてはたまったものではない。
「大体だな。お前の理論には欠点がある」
「え」
 俺の一言に、叱られても全然動じなかった未央が愕然と固まる。
 こういう反応するとき、こいつは本当につくづくオタクなんだなあ、と改めて思ってしまう。
 周りの空気より自分の理論。
「確かに、未央、お前の言ってることは基本的には間違ってないと俺は思う。エロをよりエロくするためには、演出をよりよく、より濃くしていかなければならない。確かにそれはその通りだ」
「ですよね、ですよね!」
「でもな………だからこそ、そこに偏重し過ぎてて、お前はひとつ大事なことを忘れている」
 茶碗を食卓から片づけるべく、お盆の上に重ねた後、やや上からの視点で俺はぴっと人差し指を立てた。
「エロを求めるプレイヤーの視点。というかぶっちゃけ、エロゲ買った時のプレイヤーの心境」
「!」
 基本、聡明な子なのだ。どうやらそれだけで俺の意図するところが分かったらしい。
 だが、構わず俺は俺でセリフを進める。
 何のことはない、俺もなんだかんだで語り屋なのだ。
「エロを求めて買うプレイヤーが、賢者モードの時はともかく、そんなとこまで深く突っ込んで見るか? 否、断じて否だ。求めるところは単純明快、サルのようにエロいエロで抜きたい、即物的に抜きたい。それだけだ」
 ………よくよく考えれば、義理の妹に抜くだの抜かないだというセリフ連発する兄貴ってのも全然ダメダメである。
 あまり未央のことを言えた立場でもないが、深く考えないことにした。
 いつものことなのである。
 いつものことなのである………
「でも、それでもやっぱり神は細部に宿るっていうか、もにょもにょしたくて気もそぞろになっている状態でも、積み重ねた情報には積み重ねただけの意味が出てくるはずで………!」
「未央」
 必死に抵抗する未央を見ながら、俺はむしろ妹を憐れむ気持ちで首を横に振った。
「そう、まったくその通りだ。でもな、その理屈は、プレイヤーが物語を、気もそぞろでもいいから、とりあえずは読むことが前提の上で成り立っているんだ」
「………っ」
 おそらく、分かっている。分かっている筈なのだ。未央とて。
 だが、それは彼女の立場からすれば認めがたい側面のはずなのだ。
 でも、それは確かにエロゲオタの、一つの側面。
「手っ取り早くエロを堪能し、G行為に耽るための、一番効率的な方法――それは、なんだ?」
「そ、それは――」
「SAGA●Zからセーブデータもらって回想フルコンプ、めぼしいシーン見つけて抜く」
「……!!」
「そういう遊び方だってあるんだよ………ていうか、エロを求めるならそれは想定されるべき当然の行動の一つであって、抜いてもらっている以上エロを作りたい立場からすれば文句は言えないだろ」
 いや、文句は言えるのだろうが。シナリオライターさんががんばって書いたシナリオ、一部を全然読まない事になるわけだし。
 しかし、しかしだ。よく考えてほしい。
 抜きたいのに延々詰まんない三文芝居とか見てらんないって。
 下半身臨戦状態で、ムラムラ気分でいるのに前置きのイベントで三十分とか、そんなん用意する方がどうかしている。
 ついでにいうと、不義理を犯されているのはシナリオだけではない。俺なんかはそれに加え、抜くときはBGMもカットし、声優さんの喘ぎ演技に聴覚全力集中のガチンコスタイルである。
 作曲してる方には申し訳ないが、BGMなんか流してると洋物AV見てるような物悲しい気分になるし、まかり間違って「エクスタ~スィ~♪」とか間の抜けたコーラスが入ったりすると萎えるどころの話じゃなくなる。
 自分なりのエロを求めて、そういう風なプレイスタイル(というよりもう消費の仕方と言った方がいいが)を確立するプレイヤーが、少なくてもここに一人いるのだ。
 ちなみに一応俺の名誉のために念を押しておくと、シナリオががんばってるゲームに関しては、そういうことは流石に俺もしない。抜きゲーと思って前述のような対処の仕方をしても、テキストが魅力的だったりキャラが強烈に萌えたりすると改めてBGMオンにして初めからやり直す、なんてこともある。『ナースにおまかせ』の鈴シナリオとかな。
 それはともかく、エロの話である。
「なあ未央。確かにお前の理屈通りにできたエロは素晴らしいものかもしれない。じっくり鑑賞してじっくり向き合えば、それはもうサルのように抜けまくるだろう。
 でもな、そういうプレイスタイルを受け入れてくれるプレイヤーは、ホントにいるのか?
 というか、即物的に抜いてるプレイヤーだって、賢者モードになったうえで造り込みの方に目を向けてくれるかもしれない。でもそういうことになっても、お前はそれで満足なのか?」
「………え?」
「一番猿のように抜きたい、欲望が最高潮の時に、自分が一番エロいと思っているもので抜いてほしい。エロ創作者として一番の本望はそこだと思うんだが」
「……っ」
 今度こそ、未央はその愛らしい顔を青ざめさせた。
 彼女は気づいてしまったのだ。
 自らが考えた理想のエロ理論が、今しがた自分が批判していた魔法少女×触手と同じ過ちを犯していることを。
 まずは何より手軽に猿のようにひたすらエロく。それを望む相手に向かって、理詰めで造りこんだ、一定の読解力を要求するようなものを差し出したって芳しくない反応されるのがオチだ。
 大体、そんな風に理屈を作り込み、キャラクターにきちんとした生々しさを与えてやろうとすれば、キャラクターの持つ文脈、キャラクター性を作品内である程度以上見せなくてはならなくなる。
 簡単に言ってしまえば、物語性とかドラマ性とかがより濃くなっていくことになるのだ。
 その結果、例えば単なる義理の兄妹いちゃラブものだと思っていたのに途中から急にキャラがうじうじ悩み始め、レイプめいた描写で徹底的にキャラを揺さぶって――とかやりだすと、もうそんなもの、一体誰が好んで読むというのか。
 エロに命を懸けて取り組む創作者はいても、エロに命を懸けて取り組む消費者はいない。
 だから、エロに命を懸けるのはそれはそれで立派だとしても、その取り組む方向はきちんと考えていかないといけない。
 作り手と同じ視点で見てほしい――そんなの、作り手の傲慢だ。
 未央に欠けているのは、その視点だったのだ。
「ていうかそれ以前にそもそも、ビジュアルとして魔法少女と巫女さんじゃ萌え属性的に全然違うだろが。言いたいことはわかるけど、最後の最後で滅茶苦茶支離滅裂になってたぞ」
「!!!!!!!」
 がああん、と愕然とした表情で未央はぐらりと傾き、
「うう……きょ、今日はこのくらいで勘弁してあげます! 勘弁してください!」
 悔しそうに顔をゆがめ、よくわからないセリフを吐きつつ、そのまま席を立って走り去っていった。
 飯を食い終わったので、顔を洗いに行ったのだろう。
「……いつから勝負になってたんだ」
 ついついぼやきも呆れ気味になってしまう。
 俺はとりあえず、洗い物を済ませることにした。

#2

 御覧の有様のオタク義兄妹なのである。
 顔を合わせればしょっちゅうこんなオタク談義。
 今朝のようにエロゲのネタになることも結構な頻度であるが、年頃の異性同士が妙な雰囲気になることもなく――というか色気も何もへったくれもなく、やってることと言えば骨肉争うような(しかし傍目には全くもってどうでもいい)ガチ理論展開の嵐。
 オタクと言っても様々で、好みやら方向性やら愛で方やら、人によってコンテンツへの取り組み方は千変万化だと思うのだが、幸いなことに俺たち二人は割と近い方向性を持ったようで――でまあ、毎日のようにこんなやり取りに興じているのだった。
 幸い。そう、幸いだ。
 未央と出会う直前――親が再婚すると聞いた時には、正直困惑したし緊張もしたものだ。
 何せ、オタクなのである。
 最近はそれ系のコンテンツも割合一般向けに広がってきた印象もあるが、それでもやはり端っこの、特殊な趣味傾向であるには違いない。まして自分のようにガチに向き合っている類なんかは、ともすれば嫌悪の目で見られることだってあるだろう。そう思っていたのだ。
 これから家族として一緒に生活する相手に、嫌われるのはやはりつらい。
 特に父親の再婚相手の連れ子は、年頃の女の子と聞いていたから、なおさらに。
「あのさ、俺、オタクだけど、未央ちゃん、そういうの平気かな」
「あのっ、私、オタクなんですけど、そういうの、雅也さんは大丈夫ですかっ」
 変に隠したりして後々こじれるよりはいいか、等と考えて、出会ってまず第一声でそんな言葉を掛け合って、ぽかんと口開けた後、二人して気の抜けた笑い声を上げたことを、今でも覚えている。
 以来、まあそれなりにごたごたはあったりしつつも、二人の義兄妹関係は、趣味のおかげでそれなりに良好なのだった。
 良好になった結果があの有様なのだが、まあ、それはさておき。
 しかし、そんなこんなで一年ほどが経った頃だったか。
 腹を割って互いにオタクとしての自分をさらけ出して、兄妹としてはともかく、趣味の合う友人――というか、互いにきちんとコンテンツに向き合って、それなりの理屈を自分の中で育ててきた、対等の戦友のような関係として仲良くなれていたと思っていた未央に、まだ隠し事があったことを、俺は知ったのだ。
 きっかけは何のことはない、夏休みが始まったころの話。
 休みが始まるや否や、何やら部屋にこもりっきりになって、飯にも顔を出さなくなった未央を心配して、俺はその時初めて、未央の私室に足を踏み入れたのである。

 以下、その時の回想である。

「未央ー。起きてるかー?」
 五度目のノック。それでもあいかわらず返事はなし。
 こうも反応がないと、いい加減少しイライラしてくる。
 食卓は家族そろって――などと言うほど我が家は厳しくないが、さすがに食事の場に何日も顔を出さないとなると心配になる。
 継母は何故か訳知り顔で「ああ、いつものか」などと苦笑していたが、それで放置して体調を崩されたりでもしたらやはり寝覚めが悪い。
 そういうわけで未央が籠城?を始めて三日目。
 さすがに義理の兄妹とはいえ、女の子の部屋に入るのはどうなのか、と躊躇を覚えつつ、俺は強硬手段に出ることにしたのである。
「……入るぞ。言ったからな」
 聞こえてはいないのかも知ればいが、とりあえず言い訳のようにそう大きな声で扉の向こうに呼びかけて、俺は未央の部屋のドアノブに手をかけた。
「…………ぅわ」
 なんというか。
 扉の向こう側は、オタクの部屋、だった。
 ゲーム機がつながったテレビにベッド、ノートパソコンが置かれた学習机。まあそれらの基本的な調度はいいとして。
 女の子が買いそうなぬいぐるみなどのファンシーグッズの類はほとんど見受けられず、代わりに部屋中を埋め尽くしているのは、本棚に入りきらなくなって床に積み上げられた本の山、そして同じく山と積まれたゲームソフトや映像ソフトのパッケージ。
「『天使のたまご』に『スカイガールズ』に『死霊の盆踊り』……どういうラインナップだ」
 ゲームの方もなんというかアレで、「カルネージハート エクサ」に「ウォーシップガンナー」、「智代アフターCS版」に「戦国BASARA」「閃乱カグラ」……ああ、うん「デモンズソウル」「ダークソウル」は定番だよね。「オブリビオン」もあるしまったくこの子は……
 けいおすである。
 付ける薬もないとはこのことか。
 ていうか床が見えない。学習机が配置された向こう側の壁までせいぜい4、5メートルといったところなのに、そこまでどう進んでいいかが分からない。
「大学生オタクか引き籠りの部屋かここは……」
 オタクの身にあるまじき感想を呟きつつ、あきれ返った気持ちで俺は学習机の方を眺めた。
 返事がしないのでベッドで寝ているかと思ったのが、さにあらず。
 学習机に座りつつ、その上のパソコンに半ばかじりつくような態勢で、未央は突っ伏していた。
 ゲームをしていたのかほかの作業をしていたのかは知らないが、要するに寝落ちしていたらしい。
 何度か大声で呼びかけてみるが、やはり効果なし。
「徹夜は良い仕事と美容の敵だとマルコ・パゴット中尉も言っておるだろうに……」
 ぼやきながら、本の山になるべく触れないようにして一歩一歩、未央に近づいていく。
 5メートルの距離を5分かけながらやっと踏破し、未央を揺さぶり起こそうとして――俺は硬直してしまった。
 原因は、視界に入ったパソコンのディスプレイと、未央の周りに散乱した何枚かのコピー紙。
 見てはいけないものを見てしまった――そう後悔しても、もう遅い。
「ん……んぅ……」
 最悪のタイミングで、未央がもぞりと動く。
 てめえあんだけ声かけても起きなかったのに何でこのタイミングで気配に反応するんだ、と心の中で慌てふためく俺をよそに、呻き声を上げつつ目を擦りながら未央が身を起こす。
「ん……あ、あれ……雅也さん………?」
「おはよう……」
 気まずさたっぷりの挨拶をすると、どういう状況なのか、なんとなく未央も理解したらしかった。
 ざあ――と血の気が引く音、リアルで聞こえた気がする。
「あ……あの。えっと。こ、これはですね! やはり女オタクとしては絵を描くのはたしなみというかそういうのの延長線上でして! やっぱりある程度描けるようになったらよりかわいいもの女の子らしいものを描きたくなるというかなんというかその!!」
「……ああ、やっぱり未央が描いたのかこれ……」
「…………!!!!!」
 言わなきゃバレなかったのに。いや無理か。
 ディスプレイに映ってるの、まんま画像編集ソフトのインターフェイスだもんな。
 周りに散乱してるコピー紙も、どこかの絵をプリントアウトしたのではなく、ラフに書かれた美少女キャラの立ち絵と表情サンプル。すげえ、アニメの資料集とかだと見慣れてるけど、こういうキャラ表が実際に使われてるとこ、リアルだと初めて見た。
 ……いや。うん。まあ。うん。気持ちはわかる。
 動転するのも無理はない。
 何せ、未央が描いていたのは、エロ絵だったのだ。
 そう、エロ絵である。
 オタクの俺がエロ絵というのだからして、少年漫画的なパンチラや乳首チラで済む筈がない。
 言い訳のきかないくらいガチのエロ絵である。
 具体的に描写するならば、『黒髪の気弱なお嬢様風の女の子が半端に服をはだけられた状態で前後から二人の男に挟まれつつ、後ろの穴はずっぽり挿入中、前の穴は挿入から抜き取られた直後の状態でぱっくりと精液まみれのサーモンピンクの襞が覗いて見え、こぽりと精液が逆流状態。前に入っていたちんこからはまだ精液が噴出し、白磁の柔らかそうな肌が汚らしくデコレーションされている。そんな凄絶な凌辱を受けながらも、女の子の表情は嫌がっているそぶりを見せつつ、そう遠くない未来に堕ちることを予感させる、どこか陶然と快楽に蕩けた笑みを浮かべかけている』といった図案。
 要するに、滅茶苦茶うまいしエロい。というかエロい。
 しかもさらに救いようがない感じで、そのエロ絵、完全無欠に無修正である。
 すげえな、何で後で隠すとことになるのにクリトリスとか描き込んでんだ。塗りもしっかりしてるし。ってかよく見たら尿道口まで見えるし。
 というより、いや、そうじゃない。
 それ以前に、というか。
 その、未央が描いている絵柄に、俺は心当たりがあったのだ。
「ゆゆ式たらく先生……?」
「せ、先生って言わないでくださいっ」
 まて、一番に反応するところ「先生」なのか……

 若手エロ原画師・ゆゆ式たらく……といっても、あまりその名前を聞いてピンとくる人はいないと思う。
 そもそも担当したエロゲはその時点でたった二作だけ。デビュー作はあまり注目もされない抜きゲメーカーの低価格タイトル(凌辱もの)だったし、次の作品もフルプライスタイトルではあったものの、毒にも薬にもならないロリ少女とのいちゃラブ抜きゲ。
 要するにぶっちゃけた話が、業界の端っこでひっそりと活動を始めた、その他大勢な作画陣の一人にすぎない。
 何でそんな絵師の名前と絵柄を俺が覚えていたかというと、単純に記憶に残るほどその絵柄が好みでエロくて上手かったのと、エロ原画デビューと同じくらいの時期から始めた同人活動が印象的だったからである。
 某大手DL同人販売サイトで、三か月に一度くらいのペースでCG集を出しているのだが、これがまたなんというか、面白いのだ。
 そもそも、同人創作と一口に言っても、発表する場によって実は傾向がいろいろ変ってくるのが常だ。
 たとえば特定作品の二次創作系オンリーイベントと一次創作限定イベントであるコミティアなどだと、やっぱり売られる作品の内容の傾向は違ってくる。どういうものを表現したいか、どういう者を好む人向けの同好の士の集まりなのか、で縛りを入れているから、当然だ。
 で、基本オールジャンルのはずのDL販売サイトもそのご多分に漏れず、どういうのが売れるか、売れないかという傾向でだんだん淘汰されていった結果、大まかにサイト内での販売物の傾向というのが出来上がってきているのが実情だ。
 その傾向とは、まあ、ぶっちゃけると「手っ取り早く抜けそうなこと」「分かりやすいこと」。
 心理描写を重ねてねっとりエロくするより、分かりやすく「寝取られ」「ロリ」「触手」とか、そういうのを下品な装飾で売る方が人気が高く、そもそも絶対数も多い感じ(もちろん例外はある)。あとなぜかエロRPG大人気。あれ何なんだろうね。抜きたいのに戦闘要素とか入ってると俺としちゃ邪魔以外の何物でもないんだけど。謎だ。
 ともあれ、そういう傾向のものが、ダウンロード販売ということで、手っ取り早く手に入れて即インストール⇒G行為、というプレイスタイルとマッチした結果がこれなのだろう。据え置きだといまいちの売り上げだったモンハンが携帯機になった途端大ヒットした例もあるけど、販売形式が売れる作品傾向を決定することも、またよくある話。
 さておき。
 ゆゆ式たらくがDL同人サイトで出した作品は、じゃあどんなものだったかというと――そういうサイトの傾向に、全然なじまないものだったのである。
 形式自体はなんでもない感じの、一本のストーリーに従って何パターンかの図案を見せるCG集――なのだが、こだわる方向が決定的に間違っている。
 二次創作じゃなくってオリジナルなのはこのサイトの販売ラインナップとしては珍しくもない。だけど、収録されたエロCGにしてからが、うまいしエロいし、塗りもエロゲ塗りじゃなくってこってり厚塗りした感じのすげえ気合入ったものになっているんだけど、なんか構図が変。いわゆるエロゲ的な構図ではなく、キャラが奇妙に小さく描かれて客観的な絵面になっていたり、えらく縦長なキャンパスサイズになっていたり。とにかくもう自由にやりたい放題。
 そしてもっと変なのが、全体の構成部分。
 エロCGが基本30枚中5枚とかの時もあったし、他にも、おまけという形で収録された、キャラや世界観設定にえらく情報量濃いもの突っ込んでいたりする作品もあったり。
 中でも傑作だったのが、「断面図描写にこだわりました」とか言って販売された凌辱&膣構造改造ものの作品で、本編でヒロインが処女を奪われる以前に、どういう膣だったか、5歳から16歳までの断面図の変化を成長記録風に描いていたりして、もう誰得なんだこれと感動を通り越して爆笑してしまった。そして引いた。そして抜いた。断面図に目覚めた。
 そんなんを、いかにも劇画調でなく、所謂正統派萌え絵っていうか、みつみ美里のラインでもう少し大人っぽい顔のパーツの配置でキャラの線も少し繊細で、みたいな清純そうな絵柄でやるもんだから、もう作風とのアンバランスっぷりもいいところ。
 売り上げなんて全く考えないそんな作品たちは、もちろんランキングにすら上ることはなかったけど、でも、なんとなく絵柄に惹かれて買ってみて、中身を見て、俺は、なんだかこの絵描きが好きになってしまったのだ。
 売りたいとか全然考えてなくて、作りたいものをクオリティ高く作りたい、それだけの熱意で書かれたエロCG集。素晴らしいじゃないですか。
 要するに、そんな、ちょっと通好みでアレな方向まっしぐらな若手エロ原画師、ゆゆ式たらくが、未央の隠れた本性だったわけである。

「……………」
 自分の正体がばれたと知るや、未央は、ふるふると小さく震えていた。
 ただでさえ狭い肩をいっそう縮こまらせて。まるで何かに耐えるように。 
 気の毒なくらい、顔も青ざめている。
「……あー……」
 怒られる! と思っているのだろう。
 無理もない。
 絵を描くくらいならまだしも、エロ絵である。
 しかも思いっきり公序良俗に反するようなえげつないもの。
 加えて言うなら、それを単なる趣味で終わらせず、未央は売りにも出している立場だ。
 いかがわしい絵を描いて小遣い稼ぎ。
 それで日々の生活をないがしろにして、徹夜で寝落ちなんて身体に悪いことをしているありさまだ。
 大人ならともかく、未成年の立場でそれはどうなのかと言われれば――まあ、間違っても望ましいものではない。
 即座に何か言ってやるべきなのだろう――だけど一方で、その時の俺は俺の方で、内心気が気じゃなかった。
 ちょうど三日ほど前、未央と一緒にいつものようにオタク話に花を咲かせているとき、話が萌え絵に関することに流れて行ってしまっていたためだ。
 えらく上から目線の屁理屈を垂れてしまったような気がする。『商業上そうなるのはわかるけど、分かりやすく可愛い、あるいはエロい構図をしなきゃいけないという縛りのせいで、鑑賞する絵画として見たとき、アドベンチャーゲームの絵はものすごくつまらない、進歩のないものになってしまっている』だとか。『単純に絵柄として魅力的でも、ゲームのCGとかラノベとかでキャラ性にまで踏み込んで分析して、このキャラはこうだからこういう表情なんだ、というところまで考えてくれる――少なくてもそう見える絵師さんは割合少なくて、そこまで踏み込んでくれたらものすごく気持ちのいい作品になるに違いない』とか。
 ああああああ思い出すだに恥ずかしい! もうプロで活躍してる人間に向かって何言ってたんだ俺!
 でも――
「……ぁ……ぅ……」
 若干呻き声のような、かすかな嗚咽。
 上目づかいに俺を見つめる義妹の瞳に涙が滲み出しているのを見て、内心頭を抱えて絶叫していた俺は、冷や水をぶっかけられた思いになった。
 そうだ。今はそんな過去を嘆いている場合じゃない。
 目の前にいる女の子が、妹が、泣き出しそうになっている。
 この現実から目を背けていいものじゃない。
 済んだことについては、あとで余裕のあるときじっくり後悔すればいい。
「なあ、未央」
「は、はぃっ」
 びく、と震え、まるで叱られた子犬のような風情で背筋を伸ばす未央。
 両の瞳にあるのは、やはり怯えの表情だ。
 普通なら、やはり怒るべきなのだろう。諭すべきなのだろう。
 兄として。家族として。
 だが、俺は、オタクなのだ。
「こういうの……まあ、普通に家族の視点から見れば、褒められるものじゃないとは思う」
「う………」
「でもさ、俺もオタクなわけでさ。絵を描くのが好きで好きでたまらない、っていう気持ちも、分かるんだよ」
 たとえ、それがはたから見れば「うわぁ……」なエロ絵であっても。
「すげえよな、ゆゆ式たらくの絵」
「………雅也、さん……?」
「三作目のCG集の、ヒロインがパンツの上からオナニーしてる絵とかさ。アレもうエロいっていうかそれ通り越してえぐいっていうかさ。
 下着の描き込みもそうだけど、布地にぴっちりその内にある肉付きの形が透けて見えてさ、差分でそこに染みが広がっていくとか、もう何あれ気合入れ過ぎ。ていうかエロ過ぎ。滅茶苦茶オカズにしたわあの絵。というより今でもレギュラーだし! ああもう恥ずかしいなこん畜生!」
 ははっ、と、やけくそ気味の笑いを上げる。
 義理の妹のエロ絵で抜きました――なんて恥知らずな告白!
 でも、それは未央の絵に対する、俺の何よりも率直な感想だ。
 彼女の絵がどれだけ好きなのか。
 彼女の絵にどういう思いを持って見ていたのか。
 ほかのどんなこ綺麗な言葉を並べるより、男として情けないこんなセリフの方が、この若くて向う見ずなエロ絵描きには、気持ちが通じる筈だと、俺はそう思ったのだ。
「あう、え、あ、ええっ?」
 未央は、最初きょとんとしていたけど、俺のセリフの意味しているところを理解するや、顔を真っ赤にしてわたわたしはじめた。
 ああ、あんなえぐい絵を描いてても女の子なんだなあ、と、何となくほっとしてしまったり。
 そして、さっきまで彼女を支配していた絶望の表情は、もうない。
 だから、もう、後はだめ押しだ。
「え、ええっ? まさ、雅也さんが、え? 未央の絵で……え、ええっ?」
「抜いた。抜きまくった。今でも抜いてる」
「…………っ」
「描けばいいじゃん。描きまくれ。ていうか先生お願いします描きまくってください。俺のオカズをもっと増やしてくれ。ファンなんだよ。だから、そのことについてはなんも言える立場にないんだ俺は。
 でも身体は心配だからな、ご飯くらいはちゃんと食べな」
 多分、これだけかっこ悪い決め台詞もそうそうないような気がする。
 でもいいのだ。現実なんてそうはうまくいかない。
 義理の妹が泣かずに済んで。彼女も趣味に突っ走れて。それで俺のオカズが増えるなら、言うことなしじゃないか。
「いや、その……だから、な、なんていうか、泣くな。さすがにちょっと困る」
「な、泣いてなんかいませんようっ」
 目元をごまかすように押さえながら、それでももう言葉尻もしっかりした感じになっている。
 まずは、うん。大丈夫だろう。
「分かりました。未央、気にせずに描くことにします」
「よろしくなゆゆ式先生」
「先生はやめてくださいってばぁっ」


 そこでようやく、未央は笑ってくれたのだ。
 最初は俺のことを「雅也さん」と言っていた彼女が、「お兄ちゃん」と呼び始めたのも、このころからだった気がする。
 多分、あの時を境に、俺たちはやっと本当に、気の置けない家族に、そして気を許せるオタク仲間になれたのだ。
 それが、俺たち義兄妹の間にあった、ちょっと変わった事情ってやつである。
 なのでまあ、そこから後、開き直った未央が毎日のように下ネタ談義ふっかけてくるのも、仕方ない、と言えば仕方ないことなのだ。
 多分彼女にとっては、それもじゃれ合いの一つのようなものだから。
 さすがに少し遠慮はしてほしいけど。
 依頼された企画が気に入らないからってケチ付けるのは、正直かっこ悪いとも思うけれど。こだわりがあるのは悪いことではないけども限度ってものがあるし。



「あ、でもひとつだけ条件な」
「……え、え?」
「お前の描いたエロ絵、修正かける前のやつ、兄貴特権ってことで俺にくれ」
「………」
 さすがに引かれた。
 仕方ないじゃない、エロかったんだもの。


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