――――『操』
『俺に絶対の忠誠を誓え。その肉片一つから魂魄の一片まですべて俺に捧げよ』
「「「「……はい、わかりました」」」」
「ふぅ~、さすがに疲れてきたな」
ぞろぞろと部屋を出ていく十数人の一団を見送りながら俺はそうつぶやく。
一息ついて茶をすすっていると、ほどなくして桂花が次の一団を連れてきた。
「昇鉱様。準備はよろしいでしょうか?」
「ああ、さっさと入れろ」
桂花に連れられて、また先ほどと同じような一団が部屋に入ってくる。
彼らは曹操軍に属する文官や武官であり、その中でも特に能力に秀でた者たちばかりだ。
日々職務に励んでいるはずの彼らであったが、今は桂花の権限で強引に呼び出されており、全員なぜ自分がここに呼ばれたのか分からないといった様子だった。
さて、さっさと済ませてしまおう。
「すいませんみなさん、こちらに注目していただけませんか」
――――『操』
全員の視線が俺に集まったのを確認してから俺は呪を唱える。
「「「……」」」
それだけで十を超える人々が顔から一斉に表情が抜け落ち、焦点の合わない目でこちらを見ているだけの木偶になりさがった。
意志を誇りを失い、ただただ俺が言葉を発するのを待つだけの存在。
俺は先ほどと同じように、一字一句違わぬ命令を出す。
『俺に絶対の忠誠を誓え。その肉片一つから魂魄の一片まですべて俺に捧げよ』
「「「「……はい、わかりました」」」」
ここ最近何十回と繰り返してきたやりとり。
これでまた忠実な俺の木偶人形が完成したのだった。
「おめでとうございます昇鉱様! これで我が軍の半数が昇鉱様の下僕となったことになります」
「ようやく半分か……まだまだ先は長いな」
「主だったものたちは華琳様の直近を除き全て押えました。後は雑兵や下級士官のみです」
なら後は早いだろう。
地位が下がるほど動かしやすく集めやすいからな。
「残りもすぐにご用意いたしますのでご安心を。全てこの桂花めにお任せください!」
「そうか、期待しているぞ桂花」
「ああ! 何ともったいない! そのお言葉だけで桂花は満足でございます!」
俺は目を潤ませて感動に打ち震える桂花を抱き寄せ、下着の中に手を差し入れる。
桂花のきめ細やかな肌を堪能しながら無毛のあそこに指を這わせていると、そこはすぐに湿り気を帯びてくる。
「ああ、昇鉱様ぁ……」
うっとりと俺の愛撫に身を委ねる桂花の姿を楽しみながら、俺は新たに下僕となった者たちを眺めた。
先ほどのモノたちが壁際に直立不動のまま並んでおり、俺と桂花が淫らな行為に及んでも身じろぎひとつしようとしない。
俺のすることを全肯定し、俺に尽くすことを至上の喜びとする。
魂魄を――己が魂を捧げるというのはそういうことなのだ。
「……ん?」
屈強な兵士達の中に一人だけ小さな少女がいることに気がついた。
疲れて若干流れ作業になっていたのでさきほどは気付かなかったのだろう。
桃色の髪を後ろで二つに束ねた年端のいかぬ小柄な少女。
「桂花。あの娘は何者だ?」
「あふぅ……季衣(きい)…のことですか?」
蜜が溢れ出した秘所をくちゅくちゅといじられながらも、桂花は懸命に俺の問いに答えようとする。
少女の名は許緒(きょちょ)、字を仲康(ちゅうこう)。
陳留領内の外れのほうにある村の出身であり、故郷が賊に襲われたさい獅子奮迅の働きを見せ、それが曹操様の目に留まり最近親衛隊に加えられたらしい。
「親衛隊だと?」
曹操様のお側付となる親衛隊はそれこそ精兵中の精兵だ。
並大抵の才覚では歯牙にもかけられぬと聞くが、少女の小柄な身体からはとてもそれほどの武は感じられない。
「見た目に騙されてはいけません。腕力だけなら春蘭にも迫ります」
「……そいつはすごいな」
季衣の身体をマジマジと観察する。
俺の無遠慮な視線を浴びても呪で絶対服従となった季衣は身じろぎ一つしない。
なかなかかわいらしい顔立ちで、どちらかと言えば華奢な方か。
おなかが出るような露出の多い服を着ており、そこから見える肌は少女の丸みを残したままほどよく引き締まっている。
(……抱き心地は良さそうだな)
この年頃の身体にも興味はあったしいい機会だろう。
少々田舎臭いが、それも純朴な感じが出ていて嗜虐心がそそられる。
「桂花、今日はこの娘で楽しむ。後の予定は全て明日に回しておけ」
「御意」
誰はばかりなく女を抱ける環境を作るために、俺がまず始めたのは地盤固めからだった。
何事も味方が多いこしたことはない。
方法は単純なもので、曹操軍の人間を片端から俺の木偶人形に変えていくだけだった。
筆頭軍師である桂花のおかげで、俺より地位の高い人間も簡単に呼び出すことができたし、裏切り者が出る心配もないので隠蔽工作も楽なものだった。
次々と俺のところにやってくる有象無象の輩に呪を掛け絶対服従を誓わせていく。
その後たいていの者は普段通り生活するように命じてから帰すのだが、その中に容姿の美しい女子がいた場合そのままいただいてしまうこともある。
こんな風にな……
「にいちゃああ!! 気持ちいいよおおおおお!!」
「ははは、そうか。気持ちいいか!」
俺の寝床の上で全裸となった季衣が大きく股を広げながら絶叫を上げている。
俺はさらけ出された季衣の秘所に怒張を潜り込ませ、いまだ破瓜の血を流すその幼い膣を何度も何度もえぐり続ける。
季衣の身体は胸や尻こそ不足していたが、その童女特有のプニプニした肌は想像通りなかなかの抱き心地で十二分に俺を楽しませてくれていた。
「ほらほら、もっと気持ち良くしてやるぞ」
「んにゃああああああ、そこだめぇぇぇ!!!」
あそこを抜き差ししながら陰核をいじってやると、季衣は身体をのけぞらせながらぷしゃーっと潮をふく。
白目を向きながらがくがくと身体を痙攣させながらイキまくる季衣。
そのたびにあそこの締まりが良くなっていくではないか。
ただでさえ未成熟で小さな膣だったが、今は中のモノを押しつぶさんばかりにギチギチと締まり、俺に痛いぐらいの快楽を与えてくれる。
「こら季衣。達するときは「イク」と言えと教えただろ」
「ご、ごめ、にいちゃ……あ、イク、イク~~!!」
むろん初めて性交で季衣がこれほどの快楽を感じられるわけもなく、全て太平要術の書の力によるものだ。
いまや季衣は開発されつくした熟練の娼婦の身体に負けないぐらい性に対して敏感となっている。
「俺に処女を捧げられたことに感謝しろよ。初めてでこれほどの愉悦を味わえるなど普通では無理なのだぞ」
「は、はひぃ~、兄ちゃんありがとうございま、あああああ!」
特に命令したわけではないのだが、いつのまにか季衣は俺のことを兄と呼んでいる。
俺に妹はいないのだが、そう呼んでくる幼い少女と交わるというのはなかなかに背徳感を刺激されるものだな。
世の中には童女しか愛せぬ特殊な性癖を持つ者もいると聞いたが、なるほどこれは癖になりそうだ。
幼い膣肉にしごきあげられ、肉棒がいつも以上に固くなっているのを感じる。
この勢いで季衣の無垢な子宮にはじめて精を注ぎ込んでやろう。
「そういえば季衣は初潮が来ているか?」
「う、うん。今年の春に来たよ」
俺はにやりと口を歪める。
なら孕めるということだ。
この力を得てから抱いた女には全て膣出ししてきた。
安全日だろうが危険日だろうが関係ない。
呪の力によって女は喜んで受け入れるし、なにより女の膣で出すのが一番気持ちいい。
なぁに、腹が大きくなってもそのころには俺に文句を言える奴など周りからはいなくなっているはずだ。
実際に孕むかどうかは運次第だが、子ができたらちゃんと面倒も見てやろう。
「だから安心して受け止めろ!」
「あああああああ!!」
俺は遠慮なくに腰を押し出し、季衣の膣の最奥で精を放出した。
小さな子宮口が雌の本能に従って、注ぎ込まれる精子を必死に飲みほしていく。
「兄ちゃん! あついのがおなかの中に入って……ああああ!?」
俺はこんな幼い子に種付けするという行為にゾクゾクとした背徳感を感じながら最後に一滴まで季衣の中に注ぎ込んでいった。
「……ふぅ…なかなかよかったぞ季衣」
全てを放出し終えた俺はゆっくりと季衣の秘所から肉棒を引き抜く。
無残に広がった無毛のあそこからは血の混じった精液が漏れ出している。
これまで桂花以外の女は一度抱いたらそれっきりだったが、こいつはこれからも使ってやってもいいかもしれない。
「よ、よかった。兄ちゃんに喜んでもらえてうれしいよ」
今日初めて会う男に純潔を奪われ、種付けまでされたというのに季衣は涙にぬれた目で心からの笑顔を見せる。
「うれしい…か…………くくくっ……ははははははは!!」
当然だ。
俺に尽くし、奉仕することこそが喜びだと、そう認識させた。
この書の力で!
人の意思を! 尊厳を! 何もかもを踏みにじり、自分の都合のよい木偶人形に変える。
なんと素晴らしい力なのだ。
「……くはははは…………ほんと……そう思いませんか……
…………夏侯淵(かこうえん)様?」
ガタンと壁の向こうで何かがぶつかる音がする。
窓開けると暗闇の中、その場を走り去ろうとする青髪の女の姿が見えた。
俺はその背中に向けて指さし一言つぶやく。
――――『縛』
「ぐっ…きさ…ま……なにを……し……た」
『縛』の呪で拘束した秋蘭を季衣に命じて部屋の中に運びこませてみると驚くべきことにまだ口がきけているではないか。
「俺が掛けられた時は息をするのも苦しかったのですがね」
これは俺の呪が未熟なのかこの女がすごいのかだろうが……おそらくはその両方だろう。
太平要術の書は読み進めるたびに持ち主に力を与えていく呪いの書だが、内容が難解すぎて桂花の助けを借りながらも俺はまだ書の半分も読み解けていないでいる。
「な……ぜ……」
「ん? なぜ夏侯淵様いるのがわかったということでしたら、教えてもらったからですよ」
すでに曹操軍の半数が支配下にあるのだ。
夏侯淵将軍が筆頭軍師荀彧の周辺を探っているという報告はすぐに俺のもとに届いた。
そこから俺のところにたどり着くよう細工をしておいたので今日くらい来るだろうとあたりを付けていたのだが、実に見事にひっかかってくれた。
「……季…衣っ……」
「ん? な~に秋蘭様?」
「た、助け……を……呼んで……」
「え~、兄ちゃんの邪魔は駄目だよ~」
「くっ……季衣……どう…して」
秋蘭が季衣に助けを呼ぶよう言うがあっさりと断られ悔しそうに顔を歪めている。
「だって、ボクもう兄ちゃんのモノなんだもん」
「まぁそういうことなんです」
俺はそれを証明するように季衣に口付けをした。
互いの舌を絡める濃厚なやつだ。
季衣は嫌がるどころか、背を伸ばしながら積極的に吸いついてくる。
俺はたっぷりと季衣の甘い唾液を味わうと、信じられないと眼を見開いている秋蘭のほうを向く。
「さて、こちらからの質問をさせてもらいますよ。夏侯淵様が桂花のことを調べていたことは分かっています。それをだれの指示でどの程度までつかんでいるのかを教えてくれませんか? まぁだいたい予想はつくんですが」
「……だ…れ、が」
激しい憎悪を宿らせながら切れ長の目で俺をにらみつけてくる。
秋蘭ほどの美人にそんな目で見られるとぞくぞくしてくるな。
「まぁそうなりますよね。それでは素直な木偶になってもらいましょうか」
――――『操』
「ふむふむなるほど。まさかそんな早い段階で怪しまれていたとは……曹操様恐るべしだな。では次に曹操様はどの程度までつかんでいる?」
「はぁ、はぁ。桂花に男ができたかもしれないこと……権限を使って様々な官を呼び付けていること……」
俺は寝台に腰かけ、隣で半裸となって身体を預けてくる秋蘭の身体をまさぐりながら知りたい情報を聞き出していく。
「妙な動きをしているという程度でまだ確信にまでは至ってないわけか。実際に動いているのは何人だ?」
「私と、子飼いのモノが三人…あぅぅ!」
大きく張り出した胸を揉みこむんでやると秋蘭が何とも哀れな声を漏らす。
これが先ほど射殺さんばかりの殺気を放っていた、わが軍随一の弓の名手の姿だ。
まったく恐ろしい書だ。
「しかし何とも見事な身体をしているな」
「あ、ありがとうございます」
俺が褒めてやると、ポッと頬を染めて秋蘭は恥ずかしげに眼を伏せる。
俺はそんな秋蘭の反応を楽しみながら、青い中華服の下から露わとなった魅力的な身体を観賞する。
幼児体型の季衣を抱いた直後だから余計にそう感じるのかもしれないが、合理性を優先させたかのように絞り込まれた均衡のとれた秋蘭の身体は、機能美と女性らしい美しさを同時に兼ね備えており何とも男心をくすぐってくれる。
容姿のほうも我が軍でも間違いなく最上級だ。
昔は遠くからその美貌を眺めながら同僚と「夏侯惇将軍と夏侯淵将軍どちらが美人か?」などとよく議論したものだったが、その女が現実に俺の手の中に転がり込んでくるとはな。
「あ、兄ちゃんのまた大きくなった♪」
俺の股の間に入り込み肉棒をしゃぶっていた季衣が嬉しそうな声を出す。
口での奉仕を仕込むため秋蘭を尋問する間適当にしゃぶらせてみたのだが、物怖じしない季衣の気質もあって、竿や亀頭はもちろん玉袋から最後には肛門のほうにまで舌を伸ばし俺を驚かせてくれた。
やはりこの娘は当たりだ。
これから仕込んでいけば使い心地のいい木偶人形になるだろう。
「あ、あの昇鉱様。そろそろ時間が……」
れろれろと俺の玉袋を舌であやす季衣の頭をなでながら秋蘭に今後の動きを指示していると、その秋蘭が申し訳なさそうにそう切り出してくる。
「おっともうそんなにたつか。確か曹操様に調査の報告に行かねばならないのだったな」
「はい、華琳様は大変聡明な方です。私の報告が遅れればそこから何かしらに気付くかもしれません」
「なら仕方ないか…曹操様への報告は先ほど指示したとおりに頼むぞ」
「はい」
勢力の半数を支配したとはいえ、あの曹操様を相手にするにはまだまだ不安が残るところだ。
もう少し秋蘭の柔らかな肌を楽しみたかったが仕方ない。
もともと初めて秋蘭と犯る時は、夏侯惇将軍と並べて姉妹丼ですると決めているので今は我慢だ。
「どこかおかしいところはないでしょうか?」
「……ああ」
秋蘭が乱れた衣服を直し髪を整えると、その場には儚げかつ冷徹な雰囲気を宿す名将『夏侯淵』がたたずんでいた。
こんないい女が俺のいいなりになったとは今でも信じられないな。
「それでは行ってまいります」
「……ちょっと待て」
部屋を出て行こうとする秋蘭の背中に思わず待ったをかける。
「は、何でしょうか?」
振り返る秋蘭に俺は意地悪く口を歪める。
そして季衣の玉しゃぶりで勃起している俺の股間を指さしながらこう命じた。
「咥えろ」
「……御意」
秋蘭は嬉しそうに頬をゆるめると、立った姿勢のまま腰を曲げ俺の肉棒を口に含んだ。
俺の最も敏感な部分が秋蘭の温かな頬肉に包み込まれる。
「うっ……吸え」
「じゅ、ずずずずずずずぅ」
何も言わずとも秋蘭は亀頭に舌を絡め、下品な音を立てながら俺の肉棒を吸いたてる。
秋蘭の吸引と季衣の玉舐めに、もともと高まっていた俺はあっさりと絶頂を迎えた。
秋蘭の柔らかな髪をなでながら俺は気持ちよくその口内で精を放つ。
「い、いいぞ。そのまま吸い続けろ!」
射精中も季衣はしっかりと玉をなめ転がし、秋蘭は尿道の吸引を続け俺は最後の一滴まで絞りとられることとなった。
「ん、んむぅ……」
秋蘭は射精が収まるのを確認してからゆっくりと口を離す。
そして射精後の余韻に浸っている俺に口の中のモノをどうすればいいか眼で問いかけてくる。
「見せてみろ」
「んあ……」
秋蘭が中身がこぼれぬよう口をあけると、精液のたまった桃色の口内が見えた。
さきほど季衣の膣に出したばかりだというのに随分と出したものだ。
「そのまま口に含ん行って曹操の前で飲み込め」
俺の命令に秋蘭が何の躊躇もなくコクリとうなずく。
「よし、行っていいぞ」
季衣に股間の掃除をさせながら俺は今度こそ秋蘭を見送ったのだった。
コンコンと扉を叩く音がする。
「入りなさい」
華琳は竹簡に目を通しながら私室への入室を許可した。
予定通り秋蘭が桂花の件で報告に来たのだろう。
あの子が自分を裏切るとも思えないが、実際理に適わない動きをしていることは確かなのだ。
問いただすのは簡単だが、その前にあの子の真意を知っておきたい。
「……」
無言で礼をして部屋に入ってくる秋蘭。
普段なら「失礼します」の一言もあるが、話す内容が内容なのでできるだけ声を出したくないのだろう。
「それじゃ、今わかっていることを聞かせてちょうだい」
「……」
部屋の扉が完全に閉じ、外に声が漏れないのを確認してから華琳は端的に切り出した。
いつもなら打てば響くといった感じで、すぐに秋蘭の答えが返ってくるのだが、なぜか今回はしばしの沈黙が続く。
何事かとよく見ると、秋蘭の喉がわずかに上下しているのがわかった。
ゴクリゴクリとまるで何かを飲み込んでいるように。
「……秋蘭?」
「ゴクン……あ、いえ、失礼いたしました。少々喉の調子がおかしく…」
「はぁ、桂花に引き続きあなたまで風邪をひいたというの?」
何か言いにくい知らせがあるのかと思った華琳は心の中でほっと安堵する。
「気をつけなさい。かわいい秋蘭の声が聞けなくなるなんて、私の精神衛生上非常によろしくないわ」
「はっ、以後気をつけます。それで桂花の件ですが……」
本題に入り弛緩した空気が再び引き締まる。
結果は……
白。
「……私の誕生日会?」
「はっ、我々で行うものとは別に、内緒で大々的なものを計画しているようです」
覇道を極めんがため自分を研磨することに夢中だったが、そういえばもうすぐそんな時期だった。
「あの子ったらそんなことを考えていたの……」
だとしたら桂花には悪いことをしてしまった。
せっかく私のために心を砕いてくれているというのに、あろうことかその忠誠をわずかとはいえ疑ってしまったのだから。
「秋蘭、今の報告は聞かなかったことにするわ。それから桂花への調査は打ち切ってしまってけっこうよ」
「御意」
お詫びに誕生会の後はたっぷり時間を使ってかわいがってあげましょう。
治世の能臣、乱世の奸雄と評される覇王曹操はそう考えながら穏やかにほほ笑んだのだった。
――――――――――――――――――――――――
季衣と秋蘭ゲット。
季衣って人気いまいちですよね。原因は頭の春巻きだと思っていますが、個人的にはまぁ普通な感じです。
だいぶ間があきましたがまだ需要があるとうれしいです。