第百六話 結婚してもこんな感じでゆったり過ごしたいな 真っ白なシーツに包まれた布団の上には、一糸まとわぬむつきとさよが互いを抱きしめあっていた。 夫婦としての夜の営み、仰向けになっているさよに上からむつきが覆いかぶさる形である。 ゆっくりとむつきが腰を推し進め、とろとろと愛液滴るさよの膣内を抉っていく。 激しい挿入でこそないが、古い木造家屋に二人分の体重が一点に集中するのだ。 ギシリと何処かで家鳴りが響いた。 しかしそれは二人に耳に届くことはなかった。 むつきの一物で膣内を蹂躙されたさよも圧迫感と快楽に嬌声を上げていたからだ。「あ、あなた様ぁ」「可愛いよ、さよ」 もっとその声を聴かせてというように、最奥はまた今度と挿入した一物をずるりと引き抜いていく。 寂しげな切なげな声をさよがあげ、ほんの少しの我慢だとばかりに口づける。 今度は角度を変えてさらに強く狭く小さな膣を抉っていった。 丁寧に丁寧に、さよが気持ち良くなれるように大切な嫁が絶頂を味わえるように。 下半身のみならず、首筋にキスを落としては小さく身をよじるさよの髪を優しく梳いてやる。 むつきの全てをかけて、全身全霊で愛し抜く。「はっ、んきゅ……ぁっ、あぅ。あなた様、イっ。イッてしまいますぅ」「良いよ、さよがイキたいだけ。何度でも」「あなた様も一緒、ぁっ。だめ、私だけなんてはしたない、でもぉ」「言ったろ、はしたない子は大好きだから」 そんなむつきの言葉を前に一人でイクまいとしたさよの体のこわばりがほぐれていく。 代わりにこんこんと最奥の膣を突かれるさいの嬌声にも、遠慮がなくなっていく。 むつきの愛撫に逆らわず、追いつめられるように上りつめていく。 そして数分と経たず、後で赤面せずにはいられない程の大声で最後の果ての声を上げる羽目になった。「イク、イッ……イッテしまいますぅ!」 そう声を上げた直後に、一番深いところに愛の体液を流し込まれ声はますます大きくなる。 ひかげ荘を超えて麻帆良市一帯に広がるのを心配してしまう程に。 その声が次第に小さく消えていった後、残されたのは快楽に心をながされ呆然と天井を見上げるさよであった。 むつきの背に回されていた手は力を失い互いの汗と愛液に汚れたシーツの上に落ちた。 呆然自失のさよへを安心させるように、果てたばかりのむつきはキスを繰り返す。 頬に首筋に、乳房やまだ硬さを失わない一物によるさよの中への愛撫はしないまま。「凄く気持ち良かった、可愛かったよ」「はぁ、はぁ……あなた様。私は大丈夫ですから、あなた様が満足されるまで」「さよが可愛い過ぎて大満足」 まだ今日は一度目、普段ならさよが気絶しても続ける場合もあるのだが。 あっさり引いたむつきを不思議に思う余裕は、今のさよにはなかった。 まだ意識ももうろうとしており、呼吸だって全然整っていない。 いくらむつきが満足と口にしても、さよの中に入ったままの一物が時折ぴくりと動き脈動するのだ。 それだけでもさよの狭い膣の中では愛撫と呼べるものである。 だから、満足したというむつきの言葉と下半身の実態の矛盾に気づくのは遅れに遅れた。 三十分近く経ち、むつきの一物も引き抜かれその腕の中に包まれ横になった頃であった。 一つのタオルケット内に包まれ、身を寄せ合い、先ほどの自分の嬌声に顔を真っ赤にしていたさよが見上げるようにしてむつきに問いかけた。「あの、あなた様」「ん?」「なんだか、今日は。とても、優しくしていただいて」 とても嬉しかったと微笑みながら、さよの手がタオルケットの中で降りていく。 そっと小さな手で触れられたのは、まだ落ち着ききっていないむつきの一物である。 触れた瞬間、何故か逃げるようにむつきの腰が引け、幸せ満点だったさよの顔が少しだけ曇った。「あなた様?」「いや……」「なにかお悩みであれば、私に。私に話せなければ、アタナシアさんにでも」「違うんだ、ちょっとさよには言いにくいけど。それはアタナシアや他の子でも同じで」 そんな顔しないでくれと、見上げてくるさよの額に唇を落としながらむつきはそう言った。 そのまま顔を見られないよう懐深く抱きしめ、さよの長い髪を手櫛で梳き始める。 さよ自身、ごまかされたことは理解しているだろう。 けれど、今はまだ言えないことを理解してくれ、そのまま身を任せてくれた。 ごめんねありがとうの気持ちを込め、彼女が幸せのまどろみに沈めるよう丁寧さを忘れない。「んっ」 さよが気持ちよさそうに小さく声をあげたことでちょっと安心する。 でもこれだけはとでも言いたげに、もぞもぞ動いたさよが再び見上げて来た。「ちょっと思い出したんですけど」「なに?」「教会というところにいけば、お悩みを聞いてくれるお爺さんがいるとお聞きしました」 それ以上は何も言わず、さよはむつきの腕の中に沈みこてりと寝息を立て始めた。 もう何度目のことになるか、ありがとうとさよの頭にキスを落とす。 必要以上には踏み込まず、常に控えてくれる良い嫁さんだとついでにもう一回。 しかし、しかしである。(性欲が暴走して嫁を壊しそうで困ってますって、教会の神父さんには言えないよな) せめてもう少し、言葉を選ばなければと一応はそのさよの提案を心に留めておいた。 翌日の四限目、二-Aの授業が終わりあやかの号令で礼を受けた。 この次はみんな大好きお昼休みの時間であり、学食や売店を使う者は我先にという様子である。 お昼の争奪戦は共学だろうと、女子高だろうとそんなに違いはない。 けれどそんな貴重な時間を使って、もはや恒例とも言える質問を投げかけてくる健気な子がいた。 教科書を控えめな胸に抱き、恋する乙女の瞳で親友二人に背を押されやって来た宮崎である。 二学期が始まりまだ数日だが、もはや恒例過ぎて冷やかしや期待の声が飛ぶこともない。 むしろ美砂たちも頑張れと声をかけたり、肩にぽんと手を置いて一言添えてお昼に行ってしまう。 ある意味で勝者の笑みだが、宮崎は震える足でカクカクと動きながらむつきの前までやって来た。「先生、質……質問良いですか!」「はいはい、何処が分からなかったんだ?」 宮崎の目論見は先刻承知だがこう言われてしまっては、教師として断ることなどできない。 彼女が持ってきた教科書を教卓に置かせ、話を聞こうとした時である。 申し訳なさそうに割って入る声が、二人に投げかけられた。「ちっと申し訳ない。ごめんね、貴重な時間を。ユダ様、これ夏休みの宿題でっす」「お前の血で化粧がしたいと言いたいところだが。血反吐はいて終えた宿題だしな。次はちゃんとやってこいよ」 へへえっと夏休みの宿題を頭上に掲げた状態で持ってきたのは春日であった。 やり終えた開放感からかユダ呼びであったが、受け取った冊子でぽんと軽く頭を叩くに終えておく。「うぃっす、あんなの二度とごめんなので天地神明に誓って」「いや、天地神明って八百万の神みたいなもんで、お前は一神教だろ」「あれは一種バイトみたいなもんで、どっちでも良いです!」「なんだそりゃ。あっと」 敬礼でどうでも良いと答えられ、おいシスターと戸惑ったが。 昨晩のさよとのピロートークを思い出して一応聞いておく。「春日、お前のところって神父さんっているの? シスター・シャークティしか見なかったけど」「いるっすよ、お爺さんの。あれ、もしかして懺悔っすか? 日々蠱惑的になっていくあっしらに惑わされて困ってるって」「たわけ、はよ飯にいけ」 正直大正解なのだが、馬鹿ちんがとごまかすように彼女の小さなお尻を軽く蹴り上げる。 陸上部自慢の足と身軽さでさっとかわされたが、行ってきますとそのまま逃げられてしまう。 もとより追いかけるつもりはないが、目の前の宮崎を放置してしまっていた。 それに彼女が解放されないと、その背後で親友を応援している夕映と早乙女がお昼に行けない。「で、何処が分からなかったんだ?」「こ、ここなんですけど。見えますか?」 宮崎が教科書という小道具をむつきに覗き込ませ、距離が近づくようにしてきた。 かつての初デートで携帯の画面を宮崎に覗かせ近づけさせた例の作戦の応用だ。 彼女の思惑に乗って一歩近づき、むつきの腕と宮崎の肩が触れカァッと頬を火照らせる。 今だこうっと、夕映の肩を抱き、宮崎にそうしろとジェスチャーする早乙女は完全無視だ。 やっちまえとばかりに拳の親指を立てて来た夕映は絶対あとで虐めてやると誓ったが。 宮崎がここといった江戸時代の歴史的時代経過を改めて、少々手短にだが説明してやった。 手短なのは、改めて説明するまでもなく宮崎が理解していることを知っているからである。「というわけだ、分かったか?」「はい、とってもわかりやすかったです。ありがとうございました。お待たせ」「うーん、アピールが足りない。のどか、胸のボタン全部外してみない?」「唐突に何を言ってるですか。徐々に、のどかのぺースで問題ないです。さあ、我々も食いっぱぐれないうちに食堂へ磯具です」 今日も頑張ったと親友に報告する宮崎に、それは食堂で聞くからと夕映が背中を押していた。「あ、そうそう。綾瀬、お前の夏休みの宿題で聞きたいことあるんだけど。二、三分だけ良いか?」「はあ、構いませんけれど」 そんな夕映に待ったをかけ、何故と小首を傾げる彼女を手招いた。 だがそれはこの場でというわけではなく、少し廊下を歩いた先に社会科資料室を指していた。 三人を纏めて連れて行き、本当に少しだけと宮崎と早乙女に言い含め夕映を連れ込んでいく。 多少二人も不審に思ったようだが、ここで待ってるからと夕映に手を振っていた。 これから数分とはいえ、扉一枚隔てた場所で夕映が何をされるのか全く知らぬ笑顔で。 夕映をまんまと社会科資料室に招いたむつきは、扉を閉めるや否やきっちりと鍵をかけた。「先っ?!」 そして何用かと振り返った夕映の肩を掴み、扉の真横の壁に顔の正面から押し付けるように押さえた。 もちろん顔をぶつける程でないが、するりと背中を這わせ夕映のお尻を撫でまわせるぐらいだ。「それは、数分って。我慢できなくなったですか? あとでさせてあげますから、今は」「宮崎の恋心は知ってるけど、夕映が素知らぬ顔で応援してるからちょっとイラッとはしたかな」 時間が少ないと片手でベルトを外してトランクスを下げ、もう片方の手で夕映のパンツの紐を退く。 紐パンは急いでいる時に便利だと、まだ勃起しきっていない一物を生尻に押し付けた。 ぷるぷるのお尻にセックスを急ぐようにぐいぐいと。 もちろんこの場でするつもりはないが、壁一枚向こうに親友を置いての猥褻行為は罰だ。 以前小鈴にも言ったが、好きになった相手はちゃんと自分で口説く。 宮崎がむつきを好きだというなら、時期を見てちゃんと口説いても良いという気持ちぐらいあった。「熱い、そんな大きく……押し付けないでください」 可愛い嫁の、しかも制服姿の中学生を意識させる格好の相手に押し付けたのだ。 改めて意識しなくても、自然とむつきの一物は夕映のお尻の谷間の間で大きくなっていった。「狭い密室で教師と生徒が二人きり。気になるね、のどか君。覗く、覗いちゃう?」「パルじゃないんだし、ゆえゆえはそんなことしないよ。もう」「そんなことしないって、信じられてるね。あれ、ちょっと湿って来た? 夕映の方がしたくなって来た?」「違うです、ああ。のどか、違うです。私は貴方の好きな人を」 尻の谷間も良いがこちらの谷間もと、何度もお世話になった夕映の谷間に竿を割り込ませる。 当然だが突然のむつきの暴挙に濡れているはずもなかった。 しかし、何度も体を重ねた相手からの、かなり乱暴な愛撫に夕映の膝は笑い始めていた。 それと当時に、またするのかとばかりに、夕映の体の方が頭より先に準備を始めてしまう。 肌と肌がこすれるシュッシュッという音が薄れ、何やら滑りが若干良くなり始める。「夕映の甘いミルクの匂い。ああ、割れ目が気持ち良い。愛してるよ、夕映」「声が、駄目です。のどかに、聞こえて」「なんてな」「へ?」 これ以上はとギュッと目をつぶった夕映のお尻をぺちんと叩いた。 そして押し付けていた一物を放してパンツとズボンにしまい込み、夕映のパンツもはかせてやる。 つきだされ若干振られ始めていたお尻にそっとキスをしたのは、まあ見逃して貰いたい。 そもそも、数分と宣言したし、表に宮崎と早乙女を待たせているのだ。 むしろしないんですかと、あっけにとられた表情でいまだお尻を突き出しながら顔だけ振り返る夕映が笑えてくる。「そんな誘惑されたら、本当に襲っちゃうぞ」「あっ……いえ、結構です」 改めて夕映のお尻をまさぐると、ちょっと考えてから夕映がぺちんと手を叩いて来た。 怒っているというよりも、自分自身にまた土日にでもと踏ん切りをつけるためだろう。「のどかを薦める私を怒ったですか?」「ちょっとだけな。親友って対面上、宮崎を応援しないと変に思われるし。理解はしてる」「でも感情は別ですね。先生、お顔を拝借。愛してるです」「ん、それが聞ければしばらくはまた大丈夫だ」 屈んで頬を差し出すと、背伸びをした夕映がそっと唇を振れさせてくれた。「我慢できなくなったら、また襲ってくださいです。私は先生の恋人ですから、その欲望を受け止める義務と権利があるです」「おう、頼りにさせて貰うわ。その時は、どろっどろにしてやる」「期待も、してるです。では、のどかとお昼にいくです」 扉を開けてお待たせしましたと言った夕映が、宮崎と早乙女を連れて廊下を歩いていく。 早速早乙女が、なにしてたんだとからかうが実際のことは億尾にも出さない。 手慣れたように早乙女をあしらい、宮崎に私は味方アピールである。 今も振り返って扉から半身をだして見送るむつきに気づき、宮崎にそれを教えていた。 小さく控えめに宮崎が手を振っていたので、手を振り返してからはやく行けと追い払うジャスチャーも。 さて、俺も飯にと持っていると、見覚えのあるものを手に走ってくる和美の姿があった。 周囲を軽く見渡し、人影がないことを確認するや、むつきを社会科資料室に押し込んできた。「おいおい、てかそれ。さよが作ってくれた俺の弁当じゃん」「先生に頼まれたって言って、とってきてあげた。本屋ちゃんの恒例行事で遅れるだろうなって」「さすが俺の嫁」「私はまだセックスフレンドでーす」 肩を抱こうとした手をぺちんと叩かれ、舌を出してある意味大胆な告白である。 そんな和美の手にはさよお手製のお弁当に加え、コンビニのビニール袋が下げられていた。 そうなると、彼女が何故むつきのお弁当を取って来たか分かるというものだ。 夏休み最終日にも、冗談交じりで元彼に走っちゃうぞと脅しをかけられていた。 釣った魚にはちゃんと餌をあげないとなと、いつものパイプ椅子を手元に引いて来る。 最近大活躍だなと腰を落ち着け、自分とむつきのお昼を手にした和美を手招く。 どうやらその考えは間違っていなかったようで、嬉しそうに和美がスカートをはためかせながら膝の上に座って来た。「おっ、意外に可愛いピンク」「意外は余計。お弁当の前に、和美ちゃんにする?」「まずは腹ごしらえが先」 食べて良いなら遠慮くなくと言いたいところだが、お腹が空いているのも事実である。 時間は有限だとばかりに、和美を抱っこしながらお弁当を食べようと思ったのだが。 和美のパイナップル頭の髪がツンツンして鼻面をくすぐってくる。 しかも体勢的にお弁当を彼女の膝に広げる必要があるが、前のめり気味で危うい。 パイプ椅子の上では限界がと、早々にこの体制を諦めた。 お前はベンチだ馬鹿たれとばかりに非情の決断で、周囲を軽く見渡し古い新聞を発見。 さすが社会科資料室だと、それの授業的な意味での重要性は無視して床に広げた。 隣で座り合ったが、あまり密着できないので少し和美は不満そうだがそれも数秒のことだった。「先生、ん」 デザート用にでも買ってきたのか、フルーツゼリーからさくらんぼを取り出す。 ゼリー部分を落としたそれを唇で吸いつけ、唇ならぬさくらんぼをつきつけてきた。 セックスフレンドというえぐい単語で自分を評したに関わらず、やっていることは完全に甘い恋人だ。「頂きます」「んぅ、ちょっとさく。馬鹿、自分で」 口移しでもらったさくらんぼうだけに飽きたらず、しっかり和美の唇も味わった。 甘いシロップのおかげで、ぷるぷるの唇が一層美味しく感じられた。 しかし、味わい過ぎてもお昼抜きは互いに辛いので、ここは我慢である。 物欲しげな顔をする和美には後でと自分から始めたのに言いつけ、まずはお弁当であった。 今日は定番の卵焼きからから揚げ、マッシュポテトという本当に定番づくし。 挙句の果てにはただの白米のみならず、みんな大好きふりかけののりたままで。「あっ、からあげ貰い」 そんなさよの真心が籠った大切なお弁当に、迷いなく邪悪の間の手が迫ってきた。「このやろう、一番大事なおかずを迷いなく」「さくらんぼと和美ちゃんの唇あげたでしょう。むしろ和美ちゃんの唇分で足りないぐらい」「いや、この後でお腹いっぱいになったらひざまくらの権利を所望する」「え、ひざまくらって……良いけど、もっとエッチなことしないの?」 ちょっとだけ拍子抜けしたように、ほらほらと和美がスカートの裾をチラチラあげてくる。 おまんこ枕に変えてやろうか、しかもうつぶせでとも思ったのだが。 今のむつきはセックスに対してちょっとばかりお悩み中なのだ。「先生、なんか変じゃない? 私に悪戯しながら元彼に電話かけさせながら寝取った変態なのに」「うん、したけどさ……」 嫁にも気軽に相談できないのに、セックスフレンドの和美ならなおさらだ。 もっと嫁と一杯セックスしたい、和美とだって今すぐ押し倒して彼女の処女が欲しい。 体の下で喘がせながらお嫁にしてくださいと言わせもしたかった。 しかし、自分がやり過ぎてしまわないかが怖いのだ。 元々は普通の精力しか持たなかったむつきが、嫁過多に参って小鈴の漢方に頼るにいたる。 結局あれは本当に漢方だったのか謎だが、むしろ嫁一人では手に負えない勢力おばけに。 さらに獣欲を正直にぶつけられ受け止めたいと言ったあやかや夕映、従属されたい小鈴など。 相手はオールOKと言ってはくれているが、今さらだがまだ彼女たちは未成熟なのだ。 果たしてむつきが本気で体を求めて、受け止めきれるのかが心配でもあった。「背中、曲がってる。なんだか分からないけど、ちょっと今の先生恰好悪いよ」「え?」「そんな本気で傷ついた顔しなくても。ほら、さっさと食べる。和美ちゃんのむちむち太ももでひざまくらしてあげるから」 バチンと曲がっていた背中を叩かれ、食べかけていたご飯がちょっと胸に詰まった。 慌ててお茶を流し込み、ごめんごめんと笑う和美にちょっと癒されながら箸を進めた。 久々に弱い自分をさらけ出し、慰めて貰おうかなと頭の片隅で思いつつ。 さよの愛が詰まったお弁当を綺麗に、米粒の一つに至るまで本当に綺麗に平らげる。 和美も買ってきたサンドイッチをぱくぱくと、女の子にしては少し急ぎ気味に運んでいた。 しかし、例のフルーツ入りゼリーには特に口は付けず、残したままである。 二人とも示し合わせたわけではないが、普段の三分の二の時間ですべてを平らげ切った。 それからお茶で一息入れて直ぐに、和美がむつきの為に新聞紙の上で女の子座りしてくれた。 本来なら正座なのだろうが、流石に新聞紙数枚の上でそれは辛かったのだろう。「はい、これでもまだちょっと足痛いけど。和美ちゃんの魅惑のお膝どうぞ」「悪いな」「誰でも気分が乗らない時はあるって、でも元に戻ったらサービスしてね」「写真集作れるぐらい、エロイの撮ってやるよ。処女喪失記念も含め」 期待してると、寝ころんで膝の上に頭を乗せて来たむつきの鼻を和美が軽く弾いた。 空調の無いこの部屋は換気が悪いので窓が開けられており、程よい風が入ってくる。 もちろん、むつきが生徒である嫁に悪戯することが多いので隙間程度、さらに白いカーテンが敷かれているが。 それでも時々は秋を感じさせる涼しげな風が流れ込み、二人をまったり空間で癒してくれた。「やば、ちょっと胸きゅんした。先生をひざまくらしてるだけなのに」「和美と結婚してもこんな感じでゆったり過ごしたいな」「な、結婚とか。なに言ってんの。相手が違うでしょ。私はただのセックスフレンド、体だけの関係」 涼しい風が入った直後に、熱いわねと言いたげに手うちわで和美が自分を仰いだ。 むつきが見上げたその顔に汗の滴の類は見えず、ただ和美の顔が赤く火照るのだけは見えた。「今はまだセックスフレンドだけど、俺は和美を嫁にする気満々だから。絶対逃がさないぞ、血の果てまで。いっそ小鈴とか、皆の力を借りても捕まえるから」「格好良いようで、微妙なような。先生、頭撫でて良い?」「むしろ、お願いします」 女の子とは違い、むつきの髪型は短くさっぱりと整えられておりあまり撫でるに適さない。 たわしとまではいかないが、女の子の柔らかい手では自分がくすぐったいだけだろう。 けれど和美はそんな文句は漏らさず、むしろ小さな幸せに浸るようにむつきを撫で続ける。「だめ、これもうだめかな」「なにが?」「なんでもないですよ。あっ、そうそう」 まだその先は口にできないと、話題をそらすように和美が手にしたのはさくらんぼ以外は無傷のゼリーのカップだ。 カットされたフルーツがそのまま閉じ込められたゼリーである。 赤い宝石は失われているが、まだまだゼリーの中には甘い宝石がごろごろ転がっていた。 ゼリー部分だけはプラスチックのスプーンで避けながら、和美は目的の宝石を探す。 とはいってもゼリーが透明なので何が何処にあるかは、殆どまるわかりなのだが。 最初に探し当てたのは、缶詰ならば定番ともいえる黄桃のシロップ漬けだ。 小さくカットされ三日月形のそれの半分だけを口に入れ、とんとんとカップの縁でゼリーを落とす。「んー……ぁっ」「冷たっ、もっとちゃんと。あーん」 さくらんぼの時の様に、和美が口移しで黄桃を上からむつきに差し出してきた。 水切りが上手くいっていなかったようで、シロップが一滴むつきの頬に落ちる。 ごめんごめんと笑いながらハンカチでそれを拭ってあげ、UFOキャッチャーのようにむつきの口に誘導した。 視線で開けられた口の位置を確認し、ここだとばかりに下移動であった。 狙い定めたそれに間違いはなく、見事黄桃はむつきの口で受け止められ口移し成功である。 そのまま、唇の甘いシロップまで全てなめとられたのは、まあお互い分かってやったことだ。「和美、次」「はいはい。ラブいけど、ゼリー落とすの結構面倒」 亭主関白的なむつきの発言にぶつくさ言いながらも、割と嬉しそうに和美は次の果物をカップから探していた。 せっかく掘り当てたイチゴはこれはおおとりと後にしたり、楽しそうでもあった。 自腹で買ってきたゼリーが、かき回し過ぎであまり美味しくなさそうになってもだ。 そして次なるフルールはパイナップルだが、黄桃と違って長さがないに等しかった。 もう建前はいいやと、和美はそれを完全に一部ゼリーごと口の中に含んでしまう。 むつきも和美の頬のわずかなふくらみで察し、問題ないとばかりに口をことさら大きく開けた。 唇を軽く触れ合わせ、開かれた和美の口からパイナップルとゼリーの塊がどろりと流れ込む。「和美、口周りが甘い。舐めとってくれ」「しょうがないな」 食後ということもあり、一部油っぽい個所もあったが前かがみになった和美がなめとっていく。 小さくチロチロと赤い舌を出しては、甘い個所を探して唇を這っていった。「ん、甘いの掃討完了。ねえ、先生」「おう、なんだ和美」「私も甘々な感じでちょっと食べさせて貰いたいかな」 言いながら照れたのかそっぽを向きながらも、チラチラと見下ろされた。 これだけ甘えさせて貰ったのだから、その程度はお安い御用である。 和美の膝の上から転がるように頭をどけて、和美の腰に腕を回してゆっくり押し倒していく。 当然、こぼしてしまいそうなゼリーのカップは早々に、奪い取って一先ずはすぐわきに置いた。 まさか押し倒されるとは思っていなかった和美の膝辺りに、膝立ちでまたいである意味でマウントポジションだ。 改めてカップのゼリーを手に取ると、少々乱暴に自分の口に流し込んだ。 甘すぎて良く分からないが数個、果物が流れ込んだのは間違いなかった。「ちょ、そんなの」「んずい」 そして待ったと言わせるより先に、あおむけになった和美の唇を奪い取った。 最初は抵抗するようにむつきの胸に手を当ててはいたが、そもそも体重差で勝てるものではない。 やがて諦めた和美は、控えめに口を開きむつきの唾液にまみれたゼリーを流し込まれた。 まだ十分な塊はあったが、口内に直接どろどろのそれが強引にである。 ふと思ったのは、熱さと冷たさの違いこそあれ、中で射精されたらこんな感じなのかという考えであった。 抵抗しようにも男の力の前に抗えず、一方的に強引に有無を言わさず濃い精液を流し込まれる。「んぅー、んぅっ!」 改めてむつきを押しのけようと試みるが、一度やって駄目なものは二度目も同じ。 やっとの思いでゼリーを全て飲み込み、果実をかみ砕いた頃には口周りがべとべとであった。「美味しかったか?」 悪い顔でどの口で言うのか、弱弱しくその胸をぽかりと叩くので精一杯。 それは息苦しい状態から回復しきっていないわけではなく、また別の理由があったからだ。 想像してしまったからだ。 いずれむつきに抱かれた際に、熱くも猛々しい精液を流し込まれる瞬間を。 口移しでゼリーを口で受け止めた時にはっきりと、疑似的ではあるがされど明確に。「先生……乗り気じゃないのは、分かってたんだけど」 だから、和美は自分の両膝の裏にそれぞれ手を添え、太ももを持ち上げていった。 ゆっくりと制服のチェックのスカートがめくれ上がり、パンツが日の光の下にさらされても。 むしろむつきの視線に収めるために、ぴったりと張り付く割れ目がどうなっているのか。「お願い、少しでも良いから。私も食べて」 私も慰めてと丸いお尻を覆うピンクのパンツの一部が染みで色濃くなっているのを見せつけた。 甘い時間を過ごし過ぎて、甘い蜜が染みだしてしまったとばかりに。 その責任を取って、ちゃんと最後の一滴まで食べきって欲しいと。 和美の言う通り、今は悩みもあって乗り気手はなかったとはいえここまでさせたのはむつきだ。 元より気が向いた時に好きなだけ体を重ねるのが正しいセックスフレンドである。 ならばその責任はと、和美の尻に沿って広がるピンクの薄い布地に指を引っ掛けた。 ピクリとそのお尻が震えたが、伸びていた生地を丸めるようにそっと脱がしていく。 パンツの生地に負けないぐらいの桃尻が徐々に明らかとなり、明るい茶色の陰毛の下にはお尻とは別の割れ目がみえた。 甘い匂いと共に男を誘う蜜が石清水のように割れ目から流れ落ちている。「見られてる、見られちゃってる」「和美」 いつしか膝を支えていた両手は、羞恥を隠すためにその顔を懸命に覆っていた。 初めて大事な部分を男の視線にさらしたこともあり、その膝が自力でもちあがることなんてない。 だからむつきは和美の割れ目に顔を近づけると同時に、両手でその膝を大きく上に持ち上げた。 スカートが完全に裏返るぐらいに和美のお尻を持ち上げ、まんぐり返しの格好である。 そして誘ったのはそっちだと、両手で覆った顔でも見えるぐらいの位置で彼女の尻をとどめておいた。「ぁっ」 指の隙間から見える瞳の光が、きっちり見つめていることを確認した。 それからむつきは和美の蜜へと舌を伸ばし始める。 溢れ滴り、黒ずんだすぼまりにまで落ちていきそうなそれを、舌先で救い上げては口内で転がした。 甘い、甘酸っぱい蜜は甘露で舌で一舐めしただけでは全く足りなかった。 もっと味わいたいと、和美の丸まった背中を太ももと腰で支え、自由になった両手で割れ目を開いた。 むわっと広がる雌の匂いを鼻で堪能し、大陰唇と呼ばれる下の口の唇にキスをする。 ぬめる奥に唇をうずめるように、そして甘い蜜をすすった。 ずるずると水滴を吸う音を下品に、甘い蜜を滴らせる本人に聞こえるように。「だめぇんっ!」 思わずあげそうになった悲鳴を止める為に、顔を覆っていた両手は口元に。 おかげで和美の視線の先には、自分の陰部に顔を埋めいやらしく蜜を吸うむつきしか映らない。 ただ吸うだけに飽きたらず、和美の視線に気づきながら舌を伸ばし蜜を舌先で転がす。 はたまた和美にさえ見えるように大陰唇を割って中を見せつけ、舌で大げさになぞり愛撫した。 おねだりしなければなんて和美が思っても、もはや遅すぎる。 和美にできるのは、自分の下半身の痴態とそれを弄り弄るむつきを見続けるだけだ。 やや乱暴な愛撫に身をよじらせても、必死に声を押し殺しても許されない。 休み時間が終わりを告げる予鈴の音がむつきを我に返らせるまで。「んぅっ、ぁ。んぁーっ!」「ほら、また溢れてくる。和美の蜜がなくなるまで、ちゃんと舐め続けてやるからな」 我が痴態を前い虐められ続け、数も分からないぐらいにイかされ続けた。 -後書き-ども、えなりんです。シャークティの出番近し。ただし、最初ちょっと扱い悪いです。では次回も土曜日です。