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No.29849の一覧
[0] Rance 戦国アフター -if もう一つの鬼畜王ルート-(鬼畜王ランスを含むランスシリーズ)[ATORI](2012/12/07 20:32)
[1] 1-1[ATORI](2012/11/15 20:34)
[2] 1-2[ATORI](2012/09/27 01:33)
[3] 1-3[ATORI](2012/09/27 01:34)
[4] 1-4[ATORI](2012/09/27 01:32)
[5] 1-5[ATORI](2012/09/27 01:31)
[6] 2-1[ATORI](2012/09/27 01:31)
[7] 2-2[ATORI](2012/09/27 01:30)
[8] 2-3[ATORI](2012/09/27 01:29)
[9] 2-4[ATORI](2012/09/27 01:29)
[10] 2-5[ATORI](2012/09/27 01:28)
[11] 2-6+α[ATORI](2012/09/27 01:28)
[12] 2-7[ATORI](2012/09/27 01:26)
[13] 2-8[ATORI](2012/09/27 01:26)
[14] 2-9[ATORI](2012/09/27 01:24)
[15] 2-10[ATORI](2012/09/27 01:24)
[16] 3-1[ATORI](2012/11/15 20:33)
[17] 3-2[ATORI](2012/09/27 01:22)
[18] 3-3[ATORI](2012/09/27 01:21)
[19] 3-4[ATORI](2012/09/27 01:20)
[20] 3-5[ATORI](2012/11/15 20:32)
[21] 3-6[ATORI](2012/12/07 20:08)
[22] 3-7[ATORI](2012/12/07 22:51)
[23] しばらくおやすみにはいります[ATORI](2012/12/19 21:04)
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[29849] 3-4
Name: ATORI◆8e7bf1bf ID:08330365 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/09/27 01:20

 -Rance-if もう一つの鬼畜王ルート
 第十九話 ~desire~


 -キナニ砂漠-


 重力に任せ、空から真っ逆さまに落ちるなんておそらくそうそうできる体験でない。

「う、まったく酷い目にあった……」

 墜落の衝撃はすさまじく、多量の砂をひっかぶってしまった。砂を含んだ口がざらつく。
 むっくりと上体を起こすと肌の上をさらさらと砂が流れ落ちていった。
 
「大丈夫デスカ サテラサマ」

「うん。平気だ」

 差し出された岩石の手を借りると、サテラは立ち上がった。骨にも内臓にも異常はない。
 魔人である以上、サテラには常時無敵結界が展開されている。さらに、シーザーが庇うように守ってくれたこともあって、純粋なダメージはゼロといって良かった。
 例えどれだけの高さから落とされようと特別な身体をもつ自分らにとっては大したことではない。――特別な身体をもっているならば。

(そうだ。ランスは……)

 サテラはすぐさま視線を巡らせて周囲を窺った。見える範囲にはどこにもそれらしき姿は転がっていない。
 落下の最中ランスはサテラにしがみついていたが、それも途中までのことだ。シーザーが主人を守ろうとする際に邪魔になったランスはサテラから剥がされ、どこかに弾き飛ばされた。
 生身の人間があのまま地面に激突して平気なわけがない。それこそ、死に至った可能性は高い。
 自然とサテラは唇を噛みしめていた。
 もしも、シーザーに対してランスも一緒に庇えと一言そう命令を下していれば違っただろう。しかし、そんな余裕はあの時のサテラにはなかった。
 微かな悔恨の情、それと苛立ちが込み上げてくる。人間はやはりひ弱すぎる。こんなことでも致命的になるほど。その命はあっけないくらい薄っぺらなものだ。

「……」

 サテラは膝の辺りを二度、三度と軽くはたくと、跳躍してシーザーの肩の部分に飛び乗った。

「シーザー、行くよ」

「ドチラヘ向カウノデスカ」

「ランスを探す」

「ソレハ……」

「いいから、行くぞ」

 いずれの問答も煩わしかった。
 あの高さの落下だ。普通、助かる人間はいないのはわかりきったこと。ランスもまた人間、それは動かしようのない事実。だがしかし、一方で脆弱な人間とは到底比べ物にならないほどの力が彼には宿っている。魔人のサテラをして認めさせたほどの規格外な生命力が、だ。
 ならば――無事ではなくとも、最悪即死は免れたかもしれない。それなら、話は別だった。僅かだろうと命が残っていれば、サテラならどうとでも出来る。
 使徒化。サテラの頭の中に浮かぶ一つの方法。自らの血を分け与えることで、人間では致死だろう損傷も乗り越えさせることが可能だ。
 仮に肉体がどうしようもないほど駄目になったのなら、サテラが作成したものを与えても構わない。そこにランスの魂を移してやればいいのだ。

(虫の息でもいい。なんとか生を繋いでいれば後はどうとでもできる)

 むしろこれは脆い人間の体を捨て去てさせられるチャンスといっていい。サテラにとって二つの意味で救済だった。以前は結局、使徒にする機会を惜しくも逃したが、今回なら出来る。
 そのために、まずはなんとしてでも瀕死の状態にいるランスを見つける必要がある。
 サテラは瞑目する。魔力を網のように広げていき、気配を探った。
 見つけたのはここからそう遠くない位置におよそ6つ。やや離れた位置に2つ。うち、一つはやけに大きな力を有していた。人の範疇には収まらない、ともすればサテラ以上ともいえるほどの存在。

(……ふん。まあいい。とりあえずはランスだ)

 気にならなくはなかったが、意識から外す。いちいち余計なことに関わっている場合でない。今は、時間が惜しい。人間という種族の生命にどこまでも信頼はおけない。手遅れになってしまってはことだ。優先順位を違えた結果、助けられたランスの命を失ってしまうなど考えたくもなかった。
 そうして、サテラはその場からすぐ離れた。ランスと思わしき気配を目指して、シーザーとともに真っすぐ向かっていった。
 鮮やかな日差しが頭上より降り注いでいる。清涼感漂うナツメヤシの影が緩やかな葉の靡きにあわせて揺らぐ。
 それにしても静かな場所だった。猥雑な人間界ではいろんな雑音に溢れているのが普通だったが、ここにはそれがない。
 さくさくと砂を噛む岩の音。しばらく歩くと、どこかに水が流れているところがあるのか、小さなせせらぎも聞こえてきた。
 その水辺の付近だろうか。気配が近い。
 そして、ちょうどさしかかったところでサテラはぎょっと目を見開くことになった。
 思わず、目を疑った。砂漠が見せた蜃気楼かと一瞬思う。
 が、何度瞬きを重ねても、目の前の光景は決して消えない。確かな現実のもの。
 サテラが見る先にはランスがいる。いるのだ。しかし――。
 しかし、何故かすっぱだかの状態で盛大な立ちションベンをしていた。

「はあぁぁ~~……すっきりした」

 せせらぎの音が途切れる。ランスはすっきり満足げな表情を浮かべている。
 頭がろくな処理も出来ずにそのまま茫然としていると、向こうがこちらの存在に気付いたようだった。

「おお? なんだ、サテラではないか。その様子だとお前も無事だったんだな……って魔人だから当たり前っちゃ当たり前か」

 普段通りがはは笑いを投げかけられる。
 一気にものすごい脱力がサテラの身に襲った。まったくなんなのだろうこれは。先ほどまで気を張っていたのはなんだったのか。
 虚脱感に項垂れそうになったが、そこで下がった視線がある物体にぶつかりそうになってしまって、慌てて上に逸らす。

「~~っ! い、生きてるのはいいが、なっ、なんなんだお前のその恰好は!」

「む。いっとくが、そこの石くれ野郎のせいだぞ」

「シーザーの?」

「そうだ。そいつがこの俺様含め他のやつらもまとめてをふっとばしてくれやがったせいで、あっちの湖の上に落っこちたんだ。おかげで服はビシャビシャになっちまった」

「なに? 湖? ああ……なるほどな。どうりで、いくらお前でもぴんぴんしていられるのは妙と思ったが、そういうわけだったのか。なんというべきか呆れるくらい悪運が強いな」

 予想だにしないことだったが、恐ろしいほどの僥倖がランスの身を救ってくれたようだ。
 サテラは小さく息を一つ吐く。この時。この瞬間になって、自分が本当にランスの生死そのものをひどく気にしていた事実にふと気がつかされた。当初の使徒化の思惑は潰れてしまったわけだが、不本意さや落胆よりは、ランスが確かに生きていてくれた安堵が勝っている。
 ランスならば即死はないかもなどという考えを支持してはいたが今にして思えば所詮は希望的な憶測であり、半ば願望。生存の根拠としてはあまりに頼りないそれを当てにして動くなどいままでの自分からすればいささからしくない行動をとっていたとも言えるかもしれない。要するに、ランスの存在が失われることは思うよりずっと大きな意味をもっていたのだろう。それだけの価値を占めているということだ。
 サテラは己の内面を見た。

(……サテラは……執着している……? ランスに……ランスという存在に拘っている……)

 それは存外に深い。
 目の前の彼のいない世界を想像するなど気持ち悪いと感じるくらいに。

(ランスは、サテラのなんだ……サテラにとってランスとはなんなんだろう)

 心配もすれば執着、拘泥もする。思えば、どうしてここまで。一介の人間に対して。
 理屈など挙げようと思えばいくらでも挙げられる。しかしそのどれも適切でないし、しっくりとはこない。もっと決定的に違う何かなのだ。この心の片隅にひっかかったあるものとは。

「……」

「なんだ? さっきから俺様の顔をずっと見つめて。そんなにかっこいいか?」

「……いや、砂がついてるぞ。間抜けな面だ」

「むっ、なんだと」

 ランスは慌てて払い落とそうとしたが、まだ手を洗ってないことに気付いて止まる。
 代わりにサテラがランスの側に行ってその頬に手を伸ばした。優しく撫でるように小さく動かした。

「――ほら、とれたぞ」

「うむ。よくやった」

 ランスは童のような笑みで偉そうに言う。

「さて、便意もひっこんだし、尿意もいましがた発散させたわけだし、全員の無事が確認された今、いよいよもって目的の場所に向かうぞ」

「目的の場所? もうシャングリラとやらにはついたんだろう?」

「おいおい何のためにここに来たと思ってやがる。あそこだ」

 びしっと指差された先に、金色の宮殿が見えた。
 ランスは眩しげに目を細めると口端を歪める。

「あそこに俺様の求める現代の桃源郷があるはずだ。最高のウハウハ美女パラダイスがな……ぐっひひ、我慢出来ん! とっとと乗り込むぞ」

 言うが早いか、ランスは駆けていった。すっぽんぽんのままで。
 呼びとめる暇すらない。

「あ、おいっ! ……はあ、まったく」

 サテラは呆れたような溜め息を大きくついた。
 しかし、それも僅かなものですぐに表情を引き締めると、睨むような視線で宮殿を見上げた。煌びやかな佇まい。きらめく湖水と抜けるような青空を背景にして壮麗な姿が存在感を放っている。
 おバカはあそこに楽園があるとすっかり思いこんでいる。なるほど、見た目だけなら確かに素敵なものが待ち構えているようにも見えよう。だが、サテラにはとてもそんなものがあるとは思えなかった。
 なにせ人間の臭いがほとんど感じられない。
 それに何よりも先ほど気になった大きな気配の出所は丁度あそこからだ。どう見積もってもまともな処でないだろう。
 出来るなら止めるべきなのだろうが、どうせ聞きっこないのはわかりきったことだ。
 しかし、それならそれで構いやしない。
 何しろ自分がいる。側について自分が守ってやればそれで良い。そう思う。
 サテラは宮殿から視線を外すと、再びシーザーに飛び乗りランスの背を追った。






「これはこれは。ようこそ、ランス王。我がシャングリラ宮殿へ」

 ランスは後から追い付いた部下達と共に宮殿へと入った。衣服はかなみが忍術を活用して乾かしたものを着ている。
 広間に通されたランスらの目の前にはでっぷりと肥え太った男がきらきらの玉座に腰掛けていた。ただでさえ醜い外見で正視に堪えない上に、これ見よがしな金の装飾品で全身を飾っていてあまりに目に暴力的だ。笑って剥き出しになった歯まで全部金なのだから相当だ。
 どうやらコレがこの砂漠のオアシスの主らしい。失望極まりない。こんな奴が治めるんじゃ理想郷とやらも高が知れてる。――そんな感想を抱いたのもほんの一瞬のことだった。

「いやいや驚きましたよ。突然、外に轟音が響いて何事かと思ったら、リーザス王がいらっしゃってたなんて――」

 醜悪な豚がごちゃごちゃぶひぶひと鳴き続けている。彼の口から吐き出される息も音もランスにとって受け入れるに苦痛すぎるものだ。それでもそんなものが今はまるで気にならない。打ち消してあまりあるくらいの光景が眼前に広がっていた。
 本来なら臣下の列が並ぶであろう左右のそこには、女、女、女。
 肌の色は白色から褐色、瞳や髪の色も様々で、まるで統一感のとれていない女性の集まり。しかし、そこにある一つの共通点は、全てが美しき女人であること。柔らかさを含んだ可憐な容貌の女性、しっとりと艶のある顔立ちの女性、スラッとスレンダーな体つきの女性、ボンキュッボンの弾けるナイスバディな女性。全てが固有の魅力に溢れ、まるで大陸中から、あらゆる美の代表を集めたかのようだ。

(す、素晴らしい。まさにこここそ夢にまで見た男の理想郷じゃないか……)

 零れそうになる笑みが抑えきれない。
 ランスとて世界を冒険して、さらに大国のトップについた身である以上、当然ながらレベルの高い女性は数え切れないほど見てきてはいる。レイラやかなみ、マリア、サチコ、サテラといった一般的に言えば、容姿の優れたものを今もはべらせられるくらいには男どもが羨む環境にもいる。
 そんな自分をして唸らせるハーレムが存在している。驚きを通り越した感動があった。
 これだけの数の美女を揃えられたことも勿論、彼女たちがあんな男の側にいることをよしとしている現状については疑問と言えば疑問ではあるが、おおよそ金銭的あるいは権力的なものだろうと当たりはつく。

「――こうしてはるばる御来訪くださったのです。こちらとしては存分にもてなしをさして頂きたいと思いますのでぜひ楽しんでください」

 ぱん――と肉厚な手が打ち鳴らされた。
 華やかな女性たちが酒や食事を始めとしてありとあらゆるものを次々と運び込んで来る。あっという間に広間は宴の会場へと姿を変えた。

「ランス王。どうぞこちらへ」

 美女に手を引かれ、ふかふかの椅子を勧められる。
 目の前のテーブルにはいくつもの御馳走が並べられている。国王として過ごす中でもなかなか目にする機会が無い珍しいものも多く見受けられた。変わった色形をしている木の実も豊富だ。
 種種の果実の、焚き込められた香の、そして女の、あらゆる香りが入り混じって、独特の甘い匂いが満ちている。そんな空気の中を縫うように音の連なりが漂ってきた。楽師が緩やかな音楽を奏でている。
 広がる響きを背景としながら、しゃなりと前に出てきたのは肌を多く晒した衣装を着た美女たち。躍る旋律に合わせて舞いを披露する。動くたび、申し訳程度に身を包んだ薄く柔らかな布がふわりと波打ち、流れるようにひらひらと翻る。
 ただでさえ扇情的で官能をくすぐられるものだが、さらに曲調が鋭く激しくなれば、それだけ踊りも過激なものになっていった。音の粒が弾ける度、弾ける肌が汗にきらめき、躍動する。すらりと伸びる太腿を惜しげもなく見せつけ、しなやかさを感じさせる細長い手は宙を愛撫するように艶めかしく動き、ぞくりとするような嬌態を見せつけてくる。
 挑発するような流し目を向けられ、熱の高まりを受けたランスは前のめりどころか身を乗り出しそうになる。しかし、浮かそうとした腰は半端な位置に止まった。
 ふと、両脇から柔らかな感触が襲ってきた。
 見れば、ランスの右腕に華奢な両腕が絡んでいる。こちらも露出度の高い。それでいて体の線を際立たせるような格好をした娘だ。豊かな胸の隆起をこれ見よがしに腕に押しつけられる。
 反対側からもしな垂れかかってくる者がいる。肩に頬を擦り寄せんばかりに近づけ、上目に媚びを含んだ妖しげな微笑はやはり溜め息をつくほど美しい。
 
「王様、さあ、お酒をどうぞ」

「こちらの砂漠で採れた木の実もいかがですか」

 酒杯を勧められ、また、丁寧に皮を剥いた果物を口許に運んでもらえる。口の周りが少しでも汚れたとみると舐めとる様に口づけをしてきた。
 口づけをすれば、当然それだけで済まない。情熱的にして淫靡な接待――。

(こ、これはまるで天国だ……)

 酒、肉、最高級の女に囲まれ、素晴らしい歓待の数々に舞い上がる。まるで夢のような時間。
 これこそ求めていた理想郷と感じ入っていると、そこで何故か突き刺さる様な冷たい視線を頬に感じた。
 気にかかって首を横に曲げた。どことなく不快そうな表情のサテラと目があう。冷やかで侮蔑したような眼差し。

「何だよ? サテラもこっちに混ざりたいのか?」

「ふん。馬鹿みたいだ」

「なに?」

「人間のメスなんかといちゃいちゃするあたりも十分不可解だけど、そうやって"人形"囲んで鼻の下をだらしなく伸ばしてアホ面を晒すなんてもっと理解出来ない。お前は女の形さえしてれば何でもいいのか? とことん節操というものが無い上に、本当に趣味が悪い奴だな」

 やや辛辣で刺々しい物言いが飛んでくる。
 ランスは呆けて口が開いた。罵りはともかくとして発言の意味を飲み込むのに幾ばかりかの時間を要したのだが、理解が及んだ所で思わず出たのは失笑。

「なーに言ってるんだお前? こいつらが人形?」

 両脇の美女を揃って抱き寄せると胸元に顔を埋める。ほどよい弾力をもった乳房がむにゅりと歪む。
 
「こおんな素晴らしいおっぱいをもった人形がいるわけがあるか。ほれほれ、おっぱいボインサンドじゃ」

「あんっ、もう、ランス王ったら」
 
「がははははははは」

 すっかり御機嫌で美女との戯れに興じる。
 サテラは何も言わず、徐にテーブルナイフに手を伸ばした。それで何をするかと思えば、大したことない。ただ握った手を軽く振るってみせただけ。
 が、一拍の間をおいてランスの周りに侍らしていた女性らの首がすぱーんと飛んでった。
 さながら深夜の魔法ビジョンのB級スプラッタームービーのような衝撃的シーン。

「ひいいぃぃ!?」

 どうやら近くではっきり見てしまったらしいサチコの絶叫が木霊した。
 ランスもまた顎が落ちかけた。リックや、レイラ、かなみ、マリアにしても例外でない。驚愕の色も露わに固まっている。とはいっても、サチコのように生々しい殺害そのものに恐怖を抱いたという類の普通の感覚によるものでない。戦争や冒険といった激しい戦闘に長く関わっていれば、こんなものは頻繁に目にする光景。衝撃はもっと別の方向にあった。
 血飛沫スプラッターなんかどこにもないのだ。
 いくつも首が跳ね跳んだと言うのに、テーブルや床はおろか、中心にいたランスの衣服はいっさい血を浴びていない。
 唯一あるとすれば、わざとなのかミスなのか定かではないがランスの額にナイフが掠った時に出来た切り傷から落ちる一筋の血のみ。
 そう、人間に血が通っている以上、肉体が傷つき血管に損傷がでれば血が流れるのはしごく当たり前のこと。自分のようにだ。
 ならば――。今、目の前にある首が切り離されても何も流さないものは、少なくとも普通ではない。
 ランスの腕から首を失った胴体が滑り落ちると、からんころんとあまりに軽く無機質な音を立てた。

「どどどど、どういうことだ?」

「だから言っただろう。どんな手を使って作ったのか知らないけど、そいつらは人間じゃなくてサテラのガーディアンに似た人工の擬似生命体だ。もっとも、ちょっと精巧なだけで戦闘力のほうはサテラのガーディアンがずっと上で全く比べ物になりすらしないような劣悪品だけど」

 ふふんとサテラは得意げに自分のガーディアンの自慢を挟むがそんなものはもはやランスにはほとんど聞こえてなかった。

「ぜ、全部、人形……」

 ひくひく唇が震える。
 あまりのショックに頭が真っ白になった。酒と女でかっかと火照っていた頭はすっかり冷めきっている。
 美女は血の通わない作り物に過ぎないもの。つまりは一種のラブドールということだろう。そんなものに囲まれていい気分に浸ってた過去の自分――。

「う、うおおおおおおおおおおおおおおお!」

 一吼え。気づいたら、身体が動いていた。
 刃物を片手にテーブルを乗り越え、一息にシャングリラ王に接近。

「――は」

「くたばれえええ、このブタ野郎ぉ!」

 ランスは問答無用で思いっきり刃物を振り下ろす。
 理想郷は束の間の夢としてつゆと消えた。その無念がランスを動かし、怒りをぶつけるようにニクむべき相手の首をすっ飛ばさせた。
 鈍い音とともに小さな肉団子と大きな肉団子が転転とする。今度はちゃんと床に赤黒い血の池が出来上がった。こいつこそまるで人間っぽくはなかったのだがしっかりと人類をやっていたようだ。

「あーー!! ちょっと、あんた、何やってんのっ!?」

 と、いきなりかなみが怒ったように大声をあげた。
 肩で荒い息をしていたランスはその様子に眉を顰める。

「何ってこの俺様に舐めた真似しやがった大馬鹿をぶっ殺しただけだろうが?」

「そっちじゃないわよ。それよ、手にもってるそれ!」

 ランスが左手に握っている刃物をかなみは指差した。

「私の忍刀じゃない!」

「あ? ああ。そりゃ、このクソデブを斬るのに日光さん使いたくなかったからな。なんか汚い血とギトギトの脂がこびりつきそうだったし……。日光さんだってあんな物体を自分で切ってほしくなかったろ」

「……それは、その、まあ……正直嫌ですけど」

「ほらな」

「だからって私の刀勝手に使わないでよ! しかも乱心した割になんで変なとこだけ冷静なの!?」

「うるさいやつだ。この俺様のお役に立てたことへの光栄さに感謝の涙を流されこそすれ、文句言われるような筋合いはまったくないぞ。それにだいたいお前にはもう一本、もっとずっと良い刀があったはずだろ。こんなものをわざわざ使わんでもそっちを使えばいい」

「……う、ぐ」

 指摘した内容は痛いところをついたのだろう。かなみは言葉に詰まった。

「……仕方ないじゃない。使えないんだから」

 自己の未熟を告げることになる口は当然歯切れが悪い。

「だったら、丁度いい機会だ。そっちを使えるようにしろ。現状に甘んじてる限り、いつまでたっても半人前ポジションから抜けられんぞ」

「くっ、好き勝手言ってくれて」

 渋い面でぶちぶち文句を垂れながら、かなみは自分の腰の位置に手を伸ばす。艶消しを施された黒鞘に収められながらも、禍々しい存在感を振りまく一振りの刀がある。かつてランスとかなみの二人でゼス迷宮より持ち帰った首切り刀だ。

「前までは一応使うくらいは出来ていたのに、何でか知らないけど最近は鞘から抜こうと思っても、全く出来なく――」

 やや唇を尖らして、首切り刀を引く動作をする。
 金属の擦れる微かな音。すんなりと刃が顔を見せた。

「……え?」

「何だよ。ちゃんと抜けるじゃねえか」

 弱気な本人の弁があった割にあっさりとなして実に拍子抜けだ。
 しかし、このことには本人が一番驚き、目を丸くしていた。

「あ、あれ? どうして? どうやっても抜ける気配なんてなかったはずなのに……それに今までにないくらい軽くて力を感じるし……」

 かなみは完全に引き抜いた鞘と刀とを交互に疑問の眼差しを向ける。湾曲した片刃は血を吸いこんだような赤い部分が心なしか多くなっているように見えた。
 不可思議な有様を前にしきりに首を傾げているが、考えたところで答えに思いいたることは結局ない模様だ。とは言え、取りあえずは抜けたことは抜けた。その結果を良しとしたらしく、納刀した時だった。
 そこで、かなみとはまた別に「あれっ」と小首を傾げた者がいた。

「……ねえ、かなみさん。ちょっとそれってさ」

 と、マリア。まるで重大なことを発見したような表情になっている。

「それって? 刀のこと?」

「いや、ごめんね。それと違くて、その手のことなんだけど……」

「手?」

 かなみが首切り刀から外した右の掌を返したりしてみる。しかし、マリアは首を振って、違う場所を指した。

「そっちじゃなくて、鞘握っている左手の薬指」

「へ? 左手の薬指……て、っ!?」

 やばいものを見つけたようにかなみの目が大きく見開かれた。それからの動きはまるで超一流忍者のごとき目にもとまらぬ素早さだった。疾風すら巻き起こして後ろ手に隠す。
 しかし、今さら隠してみても遅い。すでにモノは見られてしまっていた。
 
「指輪……よね」

 マリアの怪訝そうな視線。かなみの額にはものすごい汗が噴き出してきた。

「い、いやー、これはその、違くて、ほんと、あれで、だから」

 引き攣った笑いを浮かべながら言葉を重ねようとするが、意味も無い羅列ばかりで肝心な結論が一向に出てこない。
 代わりにランスは口を開いて、

「ああ、それは――」

 と、教えてやろうとしたのだが、
「わーー! わーー!!」
 顔を真っ赤にしたかなみの必死な大声にかき消される。

「それより、サチコちゃん! サチコちゃんが大変っ! ほらっ! ほらっ!!」

 あからさまな話題すり替え目的なのはどうみても明らかであった。
 しかし、見れば確かにサチコが妙なことになっている。べちゃっと前に潰れるようにテーブルへと倒れこんでいる。
 ランスは訝しげに眉を顰めた。

「なにやってんだあいつは」

「気を失っちゃったのかしら。どうも首ポロリがよほどショッキングだったみたいね」

「……どんだけ免疫ないんだ、まったく」

 介抱に向かおうとするレイラを手で制してランスはサチコのもとに近付く。
 側に立ってみたが、反応が一切ない。完全に意識を手放しているのは間違いないようだ。
 ランスはサチコが座る椅子を真横から足を払うことで強引にそこから抜き取った。
 サチコが地べたに派手に転げ落ちた。さらにランスはげしげしとお尻に蹴りを入れていく。

「おら、とっとと起きろ、サチコ!」

 うりうりと苛めていると、ようやく目を醒ました。

「れ? 王さま? なんで私、地べたで寝て……?」

 失神前後の記憶が飛んだのか、不思議そうに顔を上げてきょろきょろする。

「というか、ものすごく体、特にお尻が痛いんですけどどうしてでしょう」

「ただの気のせいだ。そんなことより召使のお前がやるべき仕事があるぞ。本来なら、こうして言われんでも自ら進んでやるものをぼうっとしやがって。ほら、さっさと取り掛かれ」

「え? 仕事ですか?」

 きょとんと見上げるサチコを見下ろしてランスは首肯をみせた。

「そうだ。お前が今すぐやるべき仕事は一つ。死体から持ち物を漁れ」

「……へ?」

「悪の大王は正義の一撃で先ほど見事打ち倒された。そしてボスってのはたいてい重要アイテムを所持してるのがお約束だ。だから、それをお前が探せ。この手のものは奴隷がやるべき仕事に分類されているからな」

 ぞんざいに顎で死体のほうを示した。
 ぐるりと首を巡らしたサチコは凝固。一瞬で顔が青褪め、短い悲鳴を漏らして飛びずさる。がんと背中を壁にぶつけるまで下がると、

「むむむ、無理です」

 ぶんぶんと首と手を大きく振った。

「無理じゃない。返事もないただの屍を調べるだけの簡単な仕事だろ」

「そんな」

「ちっ。やらなきゃ、これからお前の飯は朝昼晩ぶたバンバラのフルコースにするぞ。それでもいいのかよく考えろ」

 軽くトラウマになりそうな罰を平気で口にすると、サチコの顔が引き攣った。

「5、4――」

 すかさず、カウントを刻んで追い込む。
 涙目でサチコは延々のブタ地獄より一時のブタ地獄を選択した。
 震える膝を動かして、死体のもとにゆっくりと歩み寄っていく。それも盾を前面に突き出して、へっぴり腰でいかにも情けない格好だ。
 その様子を眺めてランスはにやにやとする。

「キング……なにも彼女に無理にやらせずとも、私に命令をくださればすぐ致しましたが」

「それじゃ、つまらん……ごほん。もとい、あいつの成長が見込めん。ここでこの試練を乗り越えれば、一皮むけ一人前に近づくんだ。厳しいようだが、あいつのためを思うのなら、ここで黙って見届けてやれ」

「またあんたはそうやって適当なことを――」

「おー、そういえば、指わ」

「サ、サチコちゃん、ファイトーー!!」

 たかだか10メートルもないはずの距離だが、サチコが死体の側につくまで恐ろしいほどの時間が費やされた。
 ただでさえ歩みが鈍い上に、頻繁に止まる。救いを求められたり、やっぱり無理ですと訴えられたり、その度にランスがさっさとやれと睨みつけてとそんな余計なやりとりがいくつも重なってようやく辿りつく。
 後は、所持品をチェックするだけだが、大変なのはむしろこれから。サチコは再び長々と停止した。それまではなるべく死体が視界に入らないよう努力していたが、さすがに調べるとなれば、間近で見る必要性が出てくる。
 ちらりとサチコの目が死体に向く。が、すぐ逸らされた。
 喉が大きく上下に動いていた。飲み下したのは生唾と言うより、嘔吐感だろう。顔は紙のように白くなっている。
 何度も深呼吸を繰り返して、ついに意を決したように手を伸ばした。遠目でさえわかるほどがくがく震えた手がポケットにあたる。
 そして、いくつか物を取り出すとそれを手にふらふらの足取りで戻って来た。

「お、王さま……」

 恐怖より解放され、緊張の糸が途切れたのか、ぐらりと体をよろめかせ倒れこんで来た。
 ランスはそれを抱き留める。

「よーし、重要っぽそうなアイテムか金目のもん的ななにかは見つかったか」

「……はい……鍵の束とそれと一応こんなものもありました」

 目の前に差し出されたのは妙な形状の道具。

「カレーポット……じゃなくてランプか?」

 あまり見かける形ではないが、どうやら掌サイズのオイルランプのようだった。
 ランスは受け取るが、

「うわ……脂ぎとぎとじゃねえか、クソ」

 てかてかに濡れた表面が極彩色の光を跳ね返している。

「ふきふき、と」

「うう、私のスカートで拭かないで下さいよ~……」

 ますます涙目になるサチコに構わず、彼女のスカートの裾を利用して拭う。奴隷の衣服など雑巾がわりにしたところで抵抗あるわけもなし。

「とおおおお! 俺様の華麗な超高速磨きだあっ」

 不快な油汚れを落とすべく、力を入れてごしごし強く擦りつける。と、唐突にランプの輝きが増しだした。尋常ではない明るい光が目を射る。
 ぼわんっと重低音が耳に飛びこんできた。同時、ランプの先端からしゅるしゅると白い煙が勢いよく噴き出して視界を塗り潰していく。

「のわっ、なんだなんだ!?」

「ランス、下がれっ! 何か来るぞ」

 鋭い声を上げたサテラがランスの腕を掴んで強引に引っこぬくようにして寄せる。
 あわせてリックとレイラが瞬時にランスを背後に庇う様に前に出て、かなみも何が起きても対応できるようにすぐ側についた。慌ててランスも日光を抜いて身構えた。
 広間の空気は一瞬にして張り詰めた。
 ランプを中心として白煙の膨らみが増していく。その中に黒い大きな影が見えた。
 少しずつ煙が晴れ、現れたのは巨大な青の肉体。肩幅が以上に広く、熱気が襲ってくるほど分厚い筋骨が逞しい男だった。しかし、そうした外の見た目とは全く別に底知れぬ巨大な重圧を全身が感じる。圧倒的な力の塊を前にしているような圧迫感があった。
 無言で威嚇、牽制、探りといった視線を相手にぶつけていく。だが、どうも向こうからは戦意の類はまるで感じられなかった。身動ぎ一つせず、何も仕掛けてくる様子がない。そしてようやく動きを見せたと思えば、手を胸に当てて恭しく一礼をしてきた。外見にそぐわず、美しい挙措だ。

「貴方が私の新しい御主人様でございますね」

「む?」

 それはランスに向けた言葉のようだった。

「なんだ、その御主人様とやらは。いっとくが俺様はお前のような筋肉ダルマにそんな呼ばれ方をされて喜ぶ趣味はないぞ」

 ランスは不快げに眉間に皺を寄せた。

「申し遅れました。私はランプの精。ランプを拾って下さった方の望みを叶える存在でございます」

「望みを叶える存在?」

 ますます皺の数が増えた。胡散臭いものを感じずにはいられない。しかし、続くランプの精の話を聞いていくうちに、ランスの眉間に寄せられた力は緩んでいった。
 この魔法のランプは擦ることによって中から魔神が現れる。そして、持ち主が望みを言えばそれが現実のものとなるアイテムらしい。それを好きに利用していたのががすぐそこで無残な屍となり果てているルチェ・デスココという男だ。もともとしがない砂漠の商人にすぎなかった男だが、ランプを偶然拾い、その力を知ったことで様々な欲望を叶えてきた。
 この国の王となれたのはその最たるものだろう。また、先ほどの女人形も願いによって具現されたものだった。もともとは生身の女を侍らしていたのだが、"金、金、金"ですぐに「リアル女は面倒くさい」と全てを人形と入れ替えたのだ。
 それを聞いたランスはようやくいろいろと合点がいった。多くの謎に包まれたシャングリラだったが、要はこの超常的な存在が持つ力のおかげでなりたっていたわけだ。
 ランスはひとまず引き抜いていた日光を鞘に納めた。

「ほうほう。じゃあ、デブが死んだ今、代わってお前を拾ってやったこの俺様が新たな持ち主となり、願い事を何でも叶えてくれるっていうことか?」

「ええ、どのような命令でも構いません。遠慮なくお申し付けください。私めが必ずや貴方様の望みをお叶え致します」

「げ……。これってもしかしなくてもこいつみたいな世界最悪規模の欲望の権化に一番渡してはいけない超危険なアイテムじゃない」

 渋面いっぱいのかなみが呻く。
 ランスは腕を組んで宙を眺めた。

「願い、願いなあ……いっぱいあるぞ。一気に世界征服とか……いや、味わい損ねたウハウハ美女ハーレムの本物バージョンがいいか……しかし、ウルトラレアの貝を見るのもいいかもしれん……う、うーむ、おい、その願い事ってのはいくつまで叶えられるんだ。デブは何個も叶えたんだろ」

「生憎回数制限がございまして、全部で10個までとなっております。ですが、そのうちデスココが9個使ったため現在の残りは一つでございます」

「なんだと、あのデブの野郎、無駄遣いしやがって。しかしたったの一つだと……」

 願い事など大きいことから小さなことまであげればいくらだってある。しかし、その中でたった一つ。となれば当然選ぶものはそれなりのものにしたい。
 ランスは顎を一撫ですると、
 
「…………まあ、時間制限があるわけじゃないし、今すぐ決めずともとっておくことにでもするか」

 取りあえず保留を決めた。

「しかし、こんな感じの便利なアイテムがまだまだここにはあるかもしれんな」

 これだけの権勢を誇っていたのだ、お宝は一つとは限らず、まだまだ眠っている可能性は否めない。
 ランスは鍵の束をくるくる回すと、リックに向かって放った。

「よし、美女がいなくて損した分、回収できるもんは回収せんとな。お前らは手分けして、この宮殿をくまなく探索しろ」

「宮殿内部を把握する意味でも調査は必要ですしね」

 そうしてリック、レイラ、マリア、かなみ、そしてサチコも探索へと出向かされた。
 サテラなんかは文句をつけてやることを拒否してくると思ったのだが、珍しく何も言わずにシーザーを連れてどこかに出て行った。



 広間にはランスだけが一人残った。
 ――いや、ランプの精との二人。

「……」

 テーブルの縁によりかかって、ランスは再び酒を口にしようとした。しかし、グラスには満足な量はもう残っていない。代わりに手近なボトルの首を掴むと、そのまま中身をぐいっと呷った。
 カッと額が白熱した。水を飲むかのようにがばがば勢いよく飲みほしていく。
 やがて一本まるまる飲み終え、手の甲で乱暴に口を拭うと、目をランプへと戻した。焦点はぶれることなくそれだけを捉える。
 そのままランプの精にゆっくりした口調で呼びかけた。

「どうなさいました、御主人様? 願い事がお決まりになられたのでしょうか?」

「おい、本当に、どんなことだろうと叶えられるんだろうな」

「無論、私の力が及ぶ限りという制限はございますが、前主デスココの栄華を御覧になっておわかりのようにおよそほとんどのものが叶うと思って頂いて結構です」

「……ふん。そうか」

 しばらくランプをじっと見つめ、それからランスは静かに口を開いた。

「――なら、永久氷という呪い。それを解いて中にいるやつを助けだすことは可能か?」


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